JPH081033A - 衝突式気流粉砕機及び静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

衝突式気流粉砕機及び静電荷像現像用トナーの製造方法

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JPH081033A
JPH081033A JP6156419A JP15641994A JPH081033A JP H081033 A JPH081033 A JP H081033A JP 6156419 A JP6156419 A JP 6156419A JP 15641994 A JP15641994 A JP 15641994A JP H081033 A JPH081033 A JP H081033A
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shape
crushing
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crushed
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JP6156419A
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Inventor
Youko Goka
洋子 五箇
Hitoshi Kanda
仁志 神田
Masakichi Kato
政吉 加藤
Satoshi Mitsumura
聡 三ッ村
Yoshinori Tsuji
善則 辻
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粉体原料を効率良く粉砕でき、静電荷像現像
用トナーの製造に好適な衝突式気流粉砕機を提供するこ
とにある。 【構成】 加速管3は粗粉7を加速管内に供給するため
の粗粉供給口1を有し、粉砕室8には、該加速管の出口
の開口面に対向して設けた衝突面を有する衝突部材4が
具備されており、該衝突部材の衝突面には、突出してい
る突出中央部14と、該突出中央部の周囲に該突出中央
部で粉砕された被粉砕物の一次粉砕物を更に衝突により
二次粉砕するための外周衝突面15とを有し、該粉砕室
は、二次粉砕物を衝突により三次粉砕するための側壁6
を有し、該突出中央部の形状、該外周衝突面の形状及び
該粉砕室の形状のいずれかの一部が角を有していること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジェット気流(高圧気
体)を用い、結着樹脂を有する粉体原料を粉砕する衝突
式気流粉砕機及び該粉砕機を使用して所定の粒度を有す
る静電荷像現像用トナーを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジェット気流を用いた衝突式気流粉砕機
は、ジェット気流に粉砕原料を乗せ粒子混合気流とし、
加速管の出口より噴射させ、この粒子混合気流を加速管
の出口前方に設けた衝突部材の衝突面に衝突させて、そ
の衝撃力により粉砕原料を粉砕するものである。
【0003】以下にその詳細を、図22の従来例の衝突
式気流粉砕機に基づいて説明する。
【0004】従来の衝突式気流粉砕機は、高圧気体供給
ノズル2を接続した加速管3の出口13に対向して衝突
部材4を設け、加速管3に供給した高圧気体の流動によ
り、加速管3の中途(側壁部)に連通させた粉体原料供
給口1から加速管3の内部に粉体原料を吸引し、これを
高圧気体と共に噴射して衝突部材4の衝突面12に衝突
させ、その衝撃によって粉砕する様にしたものである。
【0005】従来、かかる粉砕機における衝突部材の衝
突面12は、図22,図23に示すように、粉体原料を
乗せたジェット気流方向(加速管の軸方向)に対し垂直
あるいは傾斜(例えば45°)している平面状のものが
用いられてきた(特開昭57−50554号公報及び特
開昭58−143853号公報参照)。
【0006】図22の粉砕機において粗い粒径を有する
粉砕原料は、投入口1より加速管3に供給され、ジェッ
トノズル2から吹き出されるジェット気流によって、粉
砕原料は衝突部材4の衝突面12にたたきつけられ、そ
の衝撃力で粉砕され、排出口5より粉砕室外に排出され
る。しかしながら、衝突面12が加速管3の軸方向と垂
直な場合、加速管3から吹き出される原料粉体と衝突面
12で反射される粉体とが衝突面12の近傍で共存する
割合が高く、そのため、衝突面12近傍の粉体濃度が高
くなるために、粉砕効率が良くない。さらに、衝突面1
2における一次衝突が主体であり、粉砕室壁6との二次
衝突を有効に利用しているとは言えない。さらに、衝突
面の角度が加速管3に対し垂直の粉砕機では、熱可塑性
樹脂を粉砕する時に、衝突時の局部発熱により融着及び
凝集物が発生しやすく、装置の安定した運転が困難にな
り、粉砕能力低下の原因となる。そのために、粉砕濃度
を高くして使用することが困難であった。
【0007】図23の粉砕機においては、衝突面12が
加速管3の軸方向に対して傾斜しているために、衝突面
12近傍の粉体濃度は図22の粉砕機と比較して低くな
るが粉砕圧が分散されて低下する。さらに、粉砕室壁6
との二次衝突を有効に利用しているとは言えない。
【0008】図23に示す如く、衝突面12の角度が加
速管に対し45°傾斜のものでは、熱可塑性樹脂を粉砕
するときに上記のような問題点は少ない。しかしなが
ら、衝突するさいに粉砕に使われる衝撃力が小さく、更
に粉砕室壁6との二次衝突による粉砕が少ないので粉砕
能力は、図22の粉砕機と比較して1/2〜1/1.5
に粉砕能力が落ちる。
【0009】上記問題点が解消された衝突式気流粉砕機
として実開平1−148740号公報、特開平1−25
4266号公報が提案されている。
【0010】実開平1−148740号公報では、図2
5に示すように、衝突部材の原料衝突面12を加速管の
軸芯に対して直角に設置し、その原料衝突面に円錐形の
突起12′を設けることにより衝突面での反射流を防止
することが提案されている。また、特開平1−2542
66号公報では、図24に示す様に衝突部材の衝突面1
2の先端部分を特定の円錐形状とすることにより、衝突
面近傍の粉体濃度を低くし、粉砕室壁6と効率良く、二
次衝突するようにした衝突式気流粉砕機が提案されてい
る。
【0011】上記のように構成することで従来の問題点
は、かなり改善されるが、まだ充分ではなく、また、最
近のニーズとして、より微細な粉砕処理物が望まれてお
り、更に粉砕効率の良好な微粉砕機が待望されている。
【0012】また、電子写真法による画像形成方法に用
いられるトナーまたはトナー用着色樹脂粉体は、通常結
着樹脂及び着色剤または磁性粉を少なくとも含有してい
る。トナーは、潜像担持体に形成された静電荷像を現像
し、形成されたトナー像は普通紙またはプラスチックフ
ィルムの如き転写材へ転写され、加熱定着手段,圧力ロ
ーラ定着手段または加熱加圧ローラ定着手段の如き定着
装置によって転写材上のトナー像は転写材に定着され
る。従って、トナーに使用される結着樹脂は、熱及び/
または圧力が付加されると塑性変形する特性を有する。
【0013】現在、トナーまたはトナー用着色樹脂粉体
は、着色樹脂及び着色剤または磁性粉(必要により、さ
らに第三成分を含有)を少なくとも含有する混合物を溶
融混練し、溶融混練物を冷却し、冷却物を粉砕し、粉砕
物を分級して調製される。冷却物の粉砕は、通常、機械
的衝撃式粉砕機による粗粉砕(または中粉砕)され、次
いで粉砕粗粉をジェット気流を用いた衝突式気流粉砕機
で微粉砕している。
【0014】ジェット気流を用いた衝突式気流粉砕機
は、ジェット気流で粉体原料を搬送し、粉体原料を衝突
部材に衝突させ、その衝撃力によって粉砕するものであ
る。
【0015】従来、使用されていた粉砕機としては、上
述の図22,図23,図24または図25に示される粉
砕機が挙げられる。
【0016】上記のように構成された衝突式気流粉砕機
を用いて静電荷像現像用トナーを製造することで、従来
の問題点はかなり改善されるが、まだ充分でなく、ま
た、最近のニーズとして、より高精細,高画質を実現さ
せるために、トナーの小粒径化が望まれており、更に効
率良く、トナーを製造する方法が待望されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の様な従来技術の問題点を解決して、粉体原料を効率良
く粉砕できる新規な衝突式気流粉砕機を提供することに
ある。
【0018】更に、本発明の目的は、上記の様な従来技
術の問題点を解決して、静電荷像現像用トナーを効率良
く製造する方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、高圧
気体により被粉砕物を搬送加速するための加速管と、被
粉砕物を微粉砕するための粉砕室とを有する衝突式気流
粉砕機において、該加速管の側壁部又は後端部には粗粉
を加速管内に供給するための粗粉供給口を有し、該粉砕
室には、該加速管の出口の開口面に対向して設けた衝突
面を有する衝突部材が具備されており、該衝突部材の衝
突面には、突出している突出中央部と、該突出中央部の
周囲に該突出中央部で粉砕された被粉砕物の一次粉砕物
を更に衝突により二次粉砕するための外周衝突面とを有
し、該粉砕室は、該外周衝突面で二次粉砕された二次粉
砕物を衝突により三次粉砕するための側壁を有し、該突
出中央部の形状、該外周衝突面の形状及び該粉砕室の形
状のいずれかの一部が角を有していることを特徴とする
衝突式気流粉砕機に関する。
【0020】更に、本発明は、結着樹脂及び着色剤を少
なくとも含有する混合物を溶融混練し、混練物を冷却固
化し、固化物を粉砕して粉砕物を得、得られた粉砕物を
衝突式気流粉砕機で微粉砕し、微粉砕された微粉砕物か
ら静電荷像現像用トナーを製造する方法において、該衝
突式気流粉砕機は高圧気体により被粉砕物を搬送加速す
るための加速管と、被粉砕物を微粉砕するための粉砕室
とを有する微粉砕機であって、加速管内に供給され、加
速された被粉砕物を粉砕室内に加速管出口から吐出し、
該加速管の出口の開口面に対向して設けた衝突面を有す
る衝突部材の突出中央部で一次粉砕し、一次粉砕された
一次粉砕物を該衝突部の外周に設けられた外周衝突面で
二次粉砕し、二次粉砕された二次粉砕物をさらに粉砕室
内の側壁で三次粉砕し、各該突出中央部、該外周衝突
面、該粉砕室の形状のいずれかの一部が角を有してお
り、粉砕することを特徴とする静電荷像現像用トナーの
製造方法に関する。
【0021】以下、本発明を添付図面を参照しながら具
体的に説明する。
【0022】図1は、本発明の一実施例の概略的断面図
及び該粉砕機を使用した粉砕工程及び分級機による分級
工程を組み合わせた粉砕装置のフローチャートを示した
図である。
【0023】粉砕されるべき粉体原料7は、加速管3の
側壁部上方の粉砕機壁に設けられた粉体原料投入口よ
り、加速管3に供給される。加速管3には圧縮空気が圧
縮気体ノズル2から導入されており、加速管3に供給さ
れた粉体原料7は、瞬時に加速されて、高速度を有する
ようになる。高速度で加速管出口13から粉砕室8に吐
出された粉体原料7は、衝突部材4の衝突面に突出して
粉砕される。図1の粉砕機において、衝突部材の衝突面
には、錐体状の突起している突出中央部14と、該突出
中央部で粉砕された被粉砕物の一次粉砕物を更に衝突に
より粉砕するための外周衝突面15を有している。ま
た、粉砕室8には外周衝突面で二次粉砕された二次粉砕
物を衝突により三次粉砕するための側壁6を有してい
る。
【0024】図2に、図1の横断平面図を示し、さらに
詳しく説明する。
【0025】上記のように、原料衝突面に中央部が突出
している錐体状の突起を設けることにより、加速管から
噴出された粉砕原料と圧縮空気の固気混合流は、突起1
4の表面で一次粉砕され、さらに外周衝突面15で二次
粉砕された後、粉砕室側壁6で三次粉砕される。この
時、衝突部材の衝突面に突出している突出中央部の頂角
α(°)と、外周衝突面の加速管の中心軸の垂直面に対
する傾斜角β(°)が 0<α<90、β>0 30≦α+2β≦90 を満足するときに、非常に効率良く粉砕が行われる。
【0026】α≧90の時は、突起表面で一次粉砕され
た粉砕物の反射流が、加速管から噴出する固気混合流の
流れを乱すことになり好ましくない。
【0027】β=0のとき、即ち図25に示したように
外周衝突面が固気混合流に対して直角の場合には、外周
衝突面での反射流が固気混合流に向かって流れるため、
固気混合流の乱れを生じ好ましくない。
【0028】また、β=0のときには、外周衝突面上で
の粉体濃度が大きくなり熱可塑性樹脂の粉体または熱可
塑性樹脂を主成分とする粉体を原料とした場合、外周衝
突面上で融着物及び凝集物を生じやすい。かかる融着物
を生じた場合、装置の安定した運転が困難となる。
【0029】また、α,βがα+2β<30のときに
は、突起表面での一次粉砕の衝撃力が弱められるため、
粉砕効率の低下を招くため好ましくない。
【0030】また、α,βがα+2β>90のときに
は、外周衝突面での反射流が、固気混合流の下流側に流
れるため、粉砕室側壁での三次粉砕の衝撃力が弱くなり
粉砕効率の低下を引き起こす。
【0031】以上述べたように、α,βが 0<α<90、β>0 30≦α+2β≦90 更に好ましくは、 10<α<80、5<β<40 を満たすときに、図2に示す如く、一次,二次,三次粉
砕が効率良く行われ、粉砕効率を向上させることができ
る。
【0032】それから、衝突部材の衝突面に突出してい
る突出中央部14と、該突出中央部の周囲に突出中央部
で粉砕された被粉砕物の一次粉砕物を更に衝突により粉
砕するための外周衝突面15と、更に三次粉砕される粉
砕室32の形状のいずれかの一部は、角を有している。
図3に図1のC−C′線における断面図を示し、図4に
図1のD−D′線における断面図を示す。同様に図5及
び図6に別の好ましい形状の粉砕機内のC−C′線及び
D−D′線におけるそれぞれの断面図を示す。また、同
様に図7及び図8には更に別の好ましい形状の粉砕機内
のC−C′線及びD−D′線におけるそれぞれの断面図
を示す。各断面図は、衝突部材の中央突出部、外周衝突
部、粉砕室の形状を示している。図3及び図4の組み合
わせは、中央突出部、外周衝突部、粉砕室の形状がそれ
ぞれ直線と曲線に交じった錐状及び筒状形状の場合を示
している。同様に、図5及び図6の組み合わせはそれぞ
れ直線と曲線の交じった錐形状,筒状形状,円筒形状の
場合を示している。また、図7及び図8の組み合わせは
直線と曲線の交じった錐形状,円錐形状,円筒形状の場
合を示している。衝突部材の突出中央部14、外周衝突
面15と粉砕室32のいずれかの形状が角を有している
と、角と角の平面部で粉砕物の衝突力が増大するために
衝突による粉砕の効果が大きくなる傾向にある。また、
衝突力が増大するので粉砕物の融着現象が減少する。そ
れぞれの断面形状が相似状である場合、その効果は一層
顕著である。
【0033】この時、図3,図4及び図6のように直線
が交じった錐状及び筒状形状を含む衝突部材ではα,β
は、それぞれの中央突起部・外周衝突面の直線部分が最
長となる面の垂直方向(矢印方向)から見た投影側面図
での最大頂角及び最大傾斜角を示す。このα及びβを示
す側面図の方向は同一とは限らない。
【0034】また、衝突部材の突出中央部14と外周衝
突面15と粉砕室32の形状のいずれかの形状は多角錐
状もしくは多角状である。図9に図1のC−C′線にお
ける断面図を示し、図10に図1のD−D′線における
断面図を示す。同様に図11及び図12に別の好ましい
形状の粉砕機内のC−C′線及びD−D′線におけるそ
れぞれの断面図を示す。また、同様に図13及び図14
には更に別の好ましい形状の粉砕機内のC−C′線及び
D−D′線におけるそれぞれの断面図を示す。各断面図
は、衝突部材の中央突出部,外周衝突部,粉砕室の形状
を示している。図9及び図10の組み合わせは、中央突
出部,外周衝突部,粉砕室の形状がそれぞれ正八角錐形
状,正八角錐形状,正八角形状の場合を示している。同
様に、図11及び図12の組み合わせはそれぞれ正八角
錐形状,正八角錐形状,円筒形状の場合を示している。
また、図13及び図14の組み合わせは正八角錐形状、
円錐形状、円筒形状の場合を示している。
【0035】突出中央部、外周衝突面、粉砕室の各組み
合わせはこれらに限られたものではなく、他の多角錐形
状もしくは多角形状でも良い。突出中央部14及び外周
衝突面15の形状を角錐状にしたり、粉砕室34の形状
を多角状にすると、粒子の衝突面積が増加し、粉砕の領
域が大きくなり粉砕効率が向上する。更に側壁32を角
状にすると側面上の融着物の成長を更に防止することが
可能である。また、円錐状衝突面では融着物の衝突面上
に均一に発生するが、角錐形状では衝突の効果によって
衝突面における粉砕物の融着物の発生が減少し、融着物
は発生しても角部から融着物が剥がれ、融着物の成長を
防ぐ効果がある。特に、いずれかの形状を5角錐以上も
しくは5角形以上にすると、衝突面における融着物の成
長を一層防ぐ効果がある。中央突出部、外周衝突面、粉
砕室のいずれかの形状が図15及び図16に示すように
3角錐もしくは3角形状の場合、粉砕室内に粉砕物の流
れのデッドスペースが生じ、三次衝突する部分が減少し
三次粉砕の効果が薄れ、粉砕室の壁面上の融着物が発生
し粉砕効率の低下が見られる。いずれかの形状が5角錐
以上もしくは5角状以上の場合では角部が増加すること
によって、粉砕室内の粉砕物の流れのデッドスペースが
減少し、粉砕効率は高くなり、ほとんど融着物の発生が
見られなくなる。特に、いずれかの形状を6角錐以上も
しくは6角形状以上にすると角部がかなり増えることに
よって、発生した融着物が衝突面から剥がれ融着物の成
長を防ぐ効果がより一層顕著になる。これらの突出中央
部,外周衝突部材,粉砕室のおのおのの形状の組み合わ
せはこれに限られたものではなく、粉砕原料の種類と目
的に応じて適用すれば良い。
【0036】更に、衝突部材の衝突面に突出している該
突出中央部の形状と該外周衝突面の形状を同一多角状に
した方が、衝突面において発生した融着物の成長を防ぐ
ことができる。特に、該粉砕室の形状を衝突部材の衝突
面に突出している突出中央部の形状と該突出中央部の該
外周衝突面の形状と同一多角状にすればより効果があ
る。しかし、図17及び図18に示すように粉砕室の形
状を衝突面の形状と較べ他形状にすると、粉砕室内の粉
砕物の流れのデッドスペースが増し粉砕効率は低下す
る。粉砕室の形状を同一多角状にすると衝突面からの距
離が均一になるため壁面への衝突力が高くなり、かつ、
粉砕室内の粉砕物の流れのデッドスペースが最も小さく
なり、より一層効果が大きくなる。
【0037】また、衝突部材の中央突出部,外周衝突面
及び粉砕室形状はそれぞれ同一多角形状である場合、生
産効率は上がる。特に、図9及び図10に示すように衝
突部材の中央突起部,外周衝突面及び粉砕室の多角状の
各頂点が同一断面上にある場合、更に生産効率は上がり
効果的である。
【0038】従来の粉砕機に較べ、衝突回数を増やし、
かつ、より効果的に衝突させることが本発明の特徴であ
り、粉砕効率の向上が図れ及び粉砕時における融着物の
発生を防ぎ、かつ融着物の成長を防止することができ、
安定した運転を行うことができる。
【0039】本発明の粉砕機の構成は図1に限定される
ものではない。図19は本発明の他の好ましい実施例の
概略断面図及び該粉砕機を使用した粉砕工程及び分級機
による分級工程を組み合わせた粉砕装置のフローチャー
ト図であり、図20は図19のA−A′線における拡大
断面図、図21は図19のB−B′線における断面図で
ある。
【0040】図19の粉砕機について説明すると、高圧
気体により被粉砕物を搬送加速するための加速管21
と、該加速管出口に対向して設けた衝突面を有する衝突
部材30を有し、該加速管21がラバールノズル状をな
し、該加速管21のスロート部上流に高圧気体噴出ノズ
ル23を配し、該高圧気体噴出ノズル23の外壁とスロ
ート部22内壁間に被粉砕物供給口24を設け、さら
に、該加速管21の出口に接続して設けた粉砕室の軸方
向断面形状が多角状もしくは円形状を有している。
【0041】被粉砕物供給筒25より供給された被粉砕
物は、中心軸を鉛直方向に配設したラバールノズル形状
をなす加速管21の中心軸と同軸上にある高圧気体噴出
ノズル23の外壁との間で形成された被粉砕物供給口2
4へ到達する。一方、高圧気体は高圧気体供給口26よ
り導入され高圧気体チャンバー27を経て、一本(好ま
しくは複数本)の高圧気体導入管28を通り、高圧気体
噴出ノズル23より加速管出口29方向に向かって急激
に膨張しながら噴出する。この時、加速管スロート部2
2の近傍で発生するエゼクター効果により、被粉砕物は
これと共存している気体に同伴されながら、被粉砕物供
給口24より加速管出口29方向に向けて吸引され、加
速管スロート部22において高圧気流と均一に混合され
ながら急加速し、加速管出口29に対向配置された衝突
部材30の衝突面に、粉塵濃度の偏りなく均一な固気混
合気流の状態で衝突する。
【0042】衝突時に発生する衝撃力は、十分分散した
個々の粒子(被粉砕物)に与えられる為、非常に効率の
良い粉砕ができる。衝突部材30の衝突面にて粉砕され
た粉砕物は、更に粉砕室側壁32と衝突部材30表面の
間で衝突を繰り返し、より粉砕効率を上昇させ、衝突部
材30後方に配設された粉砕物排出口33より排出され
る。
【0043】衝突部材の衝突面は、突出している突出中
央部14と、該突出中央部の周囲に突出中央部で粉砕さ
れた被粉砕物の一次粉砕物をさらに衝突により粉砕する
ための外周衝突面15を有している。また、粉砕室34
は外周衝突面で二次粉砕された二次粉砕物を衝突により
三次粉砕するための側壁32で三次粉砕される。
【0044】それから、上記突出中央部14と外周衝突
面15と更に粉砕室34の形状のいずれかの一部は角を
有している。図1の粉砕機と同様に、衝突面上の突起の
表面で被粉砕物は一次粉砕され、さらに外周衝突面15
で二次粉砕された後、粉砕室側壁32で三次粉砕され
る。
【0045】図19のC−C′線における断面及びD−
D′線における断面については、図1の粉砕機において
説明した図3〜図18と同様の形状,作用を示す。
【0046】図19の粉砕機では、加速管の中心軸を鉛
直方向に配設し、加速管内壁と高圧気体噴出ノズル外壁
間より被粉砕物を供給せしめ、高圧気体の噴出方向と被
粉砕物の供給方向を同一方向とすることにより、被粉砕
物を粉塵濃度により偏りがない様均一に、噴出する高圧
気流中に分散させることができる。
【0047】図19の粉砕機は、図1の構成の粉砕機に
較べ加速管への原料投入方法が異なっており、加速管中
の粉体原料をより均一に分散させることができ、そのた
め、より粉砕効率を向上させることができる。
【0048】なお、図19の粉砕機において、α,βが
図1の粉砕機と同様に、 0<α<90、β>0 30≦α+2β≦90 を満たすときに、一次,二次,三次粉砕が効率良く行わ
れ、粉砕効率を向上させることができる。
【0049】本発明の粉砕機(図1及び図19参照)に
おいて、加速管出口の内径は衝突部材の直径bよりも小
さい内径を有することが好ましい。衝突部材の衝突面に
突出している突出中央部の先端と加速管の中心軸とは、
実質的に一致させるのが粉砕の均一化という点で好まし
い。加速管出口と衝突部材の衝突面端部との距離aは該
衝突部材の直径の0.1倍〜2.5倍が好ましく、0.
2倍〜1.0倍がより好ましい。0.1倍未満では衝突
面近傍の粉塵濃度が高くなり、2.5倍を超える場合に
は衝撃力が弱まり、粉砕効率が低下する傾向にある。
【0050】また、衝突部材の衝突面端部と粉砕室側壁
(内壁)との最短距離cは、該衝突部材の直径bの0.
1倍〜2倍が好ましい。0.1倍未満では高圧気体の通
過時の圧力損失が大きく、粉砕効率を低下させるのみな
らず、粉砕物の流動がスムーズに行かない傾向があり、
2倍を超える場合は粉砕室側壁での被粉砕物の三次衝突
の効果が減少し、粉砕効率の低下を招く。
【0051】また、粉砕室形状は特に限定されるもので
はなく、衝突部材の衝突面端部と粉砕室側壁間の距離が
上記数値を満足していれば良い。特に効果があるものは
角状であり、角の数は5〜10箇所で特に効果がある。
【0052】本発明の気流粉砕機は、静電荷像を現像す
るために使用されるトナー(例えば、重量平均粒径3〜
20μm)の生成に好ましく使用することができる。
【0053】静電荷像現像用トナーを作製するには着色
剤または磁性粉及びビニル系、非ビニル系の熱可塑性樹
脂、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤等をヘン
シェルミキサーまたはボールミルの如き混合機により充
分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダ
ーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂
類を互いに相溶せしめた中に顔料又は染料を分散又は溶
解せしめ、冷却固化後粉砕及び分級をおこなってトナー
を得ることが出来る。
【0054】上記粉砕工程及び分級工程で、本発明の気
流粉砕機が使用される。
【0055】次に、トナーの構成材料について説明す
る。
【0056】トナーに使用される結着樹脂としては、オ
イル塗布する装置を有する加熱加圧定着装置または加熱
加圧ローラ定着装置を使用する場合には、下記トナー用
結着樹脂の使用が可能である。
【0057】例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロル
スチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその
置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重
合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−
ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹
脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エ
ポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テ
ルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが
使用できる。
【0058】オイルを殆ど塗布しないかまたは全く塗布
しない加熱加圧定着方式または加熱加圧ローラ定着方式
においては、トナー像支持体部材上のトナー像の一部が
ローラに転移するいわゆるオフセット現象、及びトナー
像支持部材に対するトナーの密着性が重要な問題であ
る。より少ない熱エネルギーで定着するトナーは、通常
保存中もしくは現像器中でブロッキングもしくはケーキ
ングし易い性質があるので、同時にこれらの問題も考慮
しなければならない。これらの現象にはトナー中の結着
樹脂の物性が最も大きく関与しているが、本発明者らの
研究によれば、トナー中の磁性体の含有量を減らすと、
定着時にトナー像支持部材に対するトナーの密着性は良
くなるが、オフセットが起こり易くなり、またブロッキ
ングもしくはケーキングも生じ易くなる。それゆえ、本
発明においてオイルを殆ど塗布しない加熱加圧ローラ定
着方式を用いる時には、結着樹脂の選択がより重要であ
る。好ましい結着物質としては、架橋されたスチレン系
共重合体もしくは架橋されたポリエステルがある。
【0059】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリニトリル、アクリルアミドなどのような
二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;
例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メ
チル、マレイン酸ジメチルなどのような二重結合を有す
るジカルボン酸及びその置換体;例えば塩化ビニル、酢
酸ビニル、安息香酸ビニルなどのようなビニルエステル
類;例えばエチレン、プロピレン、ブチレンなどのよう
なエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトンなどのようなビニルケトン
類;例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルイソブチルエーテルなどのようなビニルエー
テル類;等のビニル単量体が単独もしくは2つ以上用い
られる。
【0060】ここで架橋剤としては主として2個以上の
重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどのよう
な芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジ
アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどのような
二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルア
ニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビ
ニルスルホンなどのジビニル化合物;及び3個以上のビ
ニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として用
いられる。
【0061】また、加圧定着方式または軽加熱加圧定着
方式を用いる場合には、圧力定着トナー用結着樹脂の使
用が可能であり、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリメチレン、ポリウレタンエラストマー、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、アイオノマー樹脂、スチレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、線状飽和ポ
リエステル、パラフィンなどがある。
【0062】また、トナーには荷電制御剤をトナー粒子
に配合(内添)して用いることが好ましい。荷電制御剤
によって、現像システムに応じた最適の荷電量コントロ
ールが可能となり、特に本発明では粒度分布と荷電との
バランスをさらに安定したものとすることが可能であ
り、荷電制御剤を用いることで先の述べたところの粒径
範囲毎による高画質化のための機能分離および相互補完
性をより明確にすることができる。正荷電制御剤として
は、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成物;トリ
ブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナ
フトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラ
フルオロボレートなどの四級アンモニウム塩;を単独で
あるいは2種類以上組合せて用いることができる。これ
らの中でも、ニグロシン系化合物、四級アンモニウム塩
の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
【0063】また、一般式
【0064】
【化1】 1 :H、CH32 、R3 :置換または未置換のアルキル基(好ましく
は、C1 〜C4 )で表わされるモノマーの単重合体:ま
たは前述したようなスチレン、アクリル酸エステル、メ
タクリル酸エステルなどの重合性モノマーとの共重合体
を正荷電性制御剤として用いることができ、この場合こ
れらの荷電制御剤は、結着樹脂(の全部または一部)と
しての作用をも有する。
【0065】負荷電性制御剤としては、例えば有機金属
錯体、キレート化合物が有効で、その例としてはアルミ
ニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセ
トナート、3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸ク
ロム亜鉛等があり、特にアセチルアセトン金属錯体、サ
リチル酸系金属錯体または塩が好ましく、特にサリチル
酸系金属錯体またはサリチル酸系金属塩が好ましい。
【0066】上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作
用を有しないもの)は、微粒子状として用いることが好
ましい。この場合、この荷電制御剤の個数平均粒径は、
具体的には、4μm以下(更には3μm以下)が好まし
い。
【0067】トナーに内添する際、このような荷電制御
剤は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜20重量
部(更には0.2〜10重量部)用いることが好まし
い。
【0068】トナーが磁性トナーの場合は、磁性トナー
中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、γ一酸
化鉄、フェライト、鉄過剰型フェライト等の酸化鉄;
鉄、コバルト、ニッケルのような金属或はこれらの金属
とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、ス
ズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミ
ウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タング
ステン、バナジウムのような金属との合金およびその混
合物等が挙げられる。
【0069】これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜1
μm、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ま
しく、磁性トナー中に含有させる量としては樹脂成分1
00重量部に対し60〜110重量部、好ましくは樹脂
成分100重量部に対し65〜100重量部である。
【0070】トナーに使用される着色剤としては従来よ
り知られている染料及び/または顔料が使用可能であ
る。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブル
ー、ピーコックブルー、パーマネントレッド、レーキレ
ッド、ローダミンレーキ、ハンザイエロー、パーマネン
トイエロー、ベンジジンイエロー等を使用することが出
来る。その含有量として、結着樹脂100部に対して
0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜20重量部、
さらにトナー像を定着したOHPフィルムの透過性を良
くするためには12重量部以下が好ましく、さらに好ま
しくは0.5〜9重量部が良い。
【0071】本装置及びシステムを用いて、トナーを従
来に比べ効率良く生成することができる。
【0072】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。
【0073】実施例1 スチレン−ブチルアクリレート−ジビニルベンゼン共重合体 100重量部 (モノマー重合重量比80.0/19.0/1.0, 重量平均分子量(Mw)35万) 磁性酸化鉄(平均粒径0.18μm) 100重量部 ニグロシン 2重量部 低分子量エチレン−プロピレン共重合体 4重量部
【0074】上記の処方の材料をヘンシェルミキサー
(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合
した後、温度150℃に設定した2軸混練機(PCM−
30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混
練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕
し、トナー製造用の粗砕物を得た。得られた粉砕原料を
図19に示す衝突式気流粉砕機で粉砕した。該衝突式気
流粉砕機は、衝突面の形状が頂角55°(α=55°)
の図9に示す正八角錐状の突起を有し、正八角錐状の外
周衝突面の加速管の中心軸の垂直面に対する傾斜角が1
0°(β=10°)であった(α+2β=75°)。ま
た、衝突面端部と加速管の距離が50mm(a=50m
m)であり、粉砕室形状は一辺の長さが57mmの正八
角形状粉砕室(最長対角線が150mm)を用いた。鉛
直線を基準とした加速管の長軸方向の傾きは実質的に0
°であり、粉砕原料供給口は加速管の全円周方向に開口
しているものを用いた。壁との最短距離は20mm(c
=20mm)であり、粉砕室形状は正八角形状型で行っ
た。定量供給機にて粉砕原料を30.0kg/Hの割合
で強制過流式の分級機に供給し、分級された粗粉を該衝
突式気流粉砕機に導入し、圧力5.88×105Pa
(G)、1.0×10-1Nm3/secの圧縮空気を用
いて、粉砕した後、再度分級機に循環し、閉回路粉砕を
行った。その結果、分級された細粉として重量平均径
6.9μmのトナー用微粉砕品を得た。尚、衝突部材の
突出中央部,外周衝突部の衝突面上及び粉砕室の壁面上
に融着物の痕跡はなかった。特に各突出中央部,外周衝
突面及び粉砕壁の角状部分では融着物がなく、安定した
運転ができた。
【0075】微粉砕品又はトナーの粒度分布は種々の方
法によって測定できるが、本発明においては、コールタ
ーカウンターを用いて行った。
【0076】即ち、測定装置としてはコールターカウン
ターTA−II型、或いはコールターマルチサイザーI
I(コールター社製)を用いる。電解液は1級塩化ナト
リウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製する。例え
ば、ISOTON・R−II(コールターサイエンティ
フィックジャパン社製)が使用できる。測定方法として
は、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤とし
て、界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン
酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20
mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約
1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパー
チャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー
の体積,個数を測定して体積分布から求めた重量基準の
粗粉量(20.2μm以上)、個数分布から求めた個数
基準の微粉個数(6.35μm以下)を求めた。
【0077】実施例2〜8 実施例2〜8において、実施例1と同様のトナー粉砕原
料を用いて粉砕を行った。粉砕機は以下の表1に示す構
成の装置を用いた。条件は、定量供給機にて粉砕原料を
強制過流式の分級機に供給し、分級された粗粉を該衝突
式気流粉砕機に導入し、圧力5.88×105Pa
(G)、1.0×10-1Nm3/secの圧縮空気を用
いて、粉砕した後、再度分級機に循環し、閉回路粉砕を
行い、分級された細粉としてトナーの微粉砕品を得た。
【0078】比較例1 実施例1と同様のトナー粉砕原料を用いて、図22に示
す衝突式気流粉砕機で粉砕した。該衝突式気流粉砕機
は、衝突面の形状が加速管の長軸方向に対して垂直な平
面状の物を用いた。衝突部材の直径は90mm(b=9
0mm)であり、衝突面端部と加速管出口との距離は5
0mm(a=50mm)であり、粉砕室壁との最短距離
は20mm(c=20mm)であり、粉砕室形状は箱型
で行った。定量供給機にて粉砕原料を18.0kg/H
の割合で強制過流式の分級機に供給し、分級された粗粉
を該衝突式気流粉砕機に導入し、圧力5.88×105
Pa(G)、1.0×10-1Nm3/secの圧縮空気
を用いて、粉砕した後、再度分級機に循環し、閉回路粉
砕を行った。その結果、分級された細粉として重量平均
径7.0μmのトナー用微粉砕品を得た。供給量を1
3.0kg/H以上に増やすと得られる細粉の重量平均
径が大きくなり、また、衝突部材上で粉砕物の融着,凝
集物,粗粒子が生じはじめ、融着物が加速管の原料投入
口を詰らせる場合があり、安定した運転ができなかっ
た。
【0079】比較例2〜3 比較例2〜3において、比較例1と同様のトナー粉砕原
料を用いて粉砕を行った。粉砕機は以下の表2に示す構
成の装置を用いた。条件は、定量供給機にて粉砕原料を
強制過流式の分級機に供給し、分級された粗粉を該衝突
式気流粉砕機に導入し、圧力5.88×105Pa
(G)、1.0×10-1Nm3/secの圧縮空気を用
いて、粉砕した後、再度分級機に循環し、閉回路粉砕を
行い、分級された細粉としてトナーの微粉砕品を得た。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】実施例と比較例を比較すると実施例の方が
供給量も多く、粉砕効率も良かった。また、衝突面及び
粉砕室壁面においても比較例では融着物が発生していた
が、実施例の方は融着物は殆ど存在しなかった。
【0083】
【発明の効果】本発明の衝突式気流粉砕機によれば、加
速管から噴出された固気混合流は、衝突部材に設けた錐
体状の突出中央部で一次粉砕され、さらに、突出中央部
の周囲に設けられた外周衝突面で二次粉砕された後、粉
砕室側壁でさらに三次粉砕されるため、従来の衝突式気
流粉砕機に比べ、粉砕効率が大幅に向上する。また、衝
突後の反射流が加速管に向けて流れず、このため固気混
合流の乱れを防止でき、衝突面上で融着物の発生を非常
に防止できる。特に、衝突部材の突出中央部、外周衝突
面及び粉砕室の形状を角錐状もしくは角状にすると衝突
面及び衝突壁面上での融着物の成長を防ぐことができ
る。
【0084】このため、係る粉砕機を用いる本発明のト
ナーの製造方法は、シャープな粒度分布のトナーが高い
粉砕効率及び高い分級収率で得られ、しかもトナーの融
着,凝集,粗粒化の発生を防止し、トナー成分による装
置的摩耗を防ぎ、連続して安定した生産が行える利点が
ある。また、従来法に比べ、画像濃度が安定して高く、
耐久性が良く、カブリ,クリーニング不良等の画像欠陥
のない優れた所定の粒度を有する静電荷像現像用トナー
が、更に低コストで得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した衝突式気流粉砕機の概略断面
図である。
【図2】図1の横断平面図である。
【図3】図1及び図19のC−C′線における拡大断面
図である。
【図4】図1及び図19のD−D′線における拡大断面
図である。
【図5】図1及び図19のC−C′線における拡大断面
図である。
【図6】図1及び図19のD−D′線における拡大断面
図である。
【図7】図1及び図19のC−C′線における拡大断面
図である。
【図8】図1及び図19のD−D′線における拡大断面
図である。
【図9】図1及び図19のC−C′線における拡大断面
図である。
【図10】図1及び図19のD−D′線における拡大断
面図である。
【図11】図1及び図19のC−C′線における拡大断
面図である。
【図12】図1及び図19のD−D′線における拡大断
面図である。
【図13】図1及び図19のC−C′線における拡大断
面図である。
【図14】図1及び図19のD−D′線における拡大断
面図である。
【図15】図1及び図19のC−C′線における拡大断
面図である。
【図16】図1及び図19のD−D′線における拡大断
面図である。
【図17】図1及び図19のC−C′線における拡大断
面図である。
【図18】図1及び図19のD−D′線における拡大断
面図である。
【図19】本発明を実施した他の衝突式気流粉砕機の概
略断面図である。
【図20】図19のA−A′線における拡大断面図であ
る。
【図21】図19のB−B′線における拡大断面図であ
る。
【図22】従来例の粉砕機を示す概略断面図である。
【図23】従来例の粉砕機を示す概略断面図である。
【図24】従来例の粉砕機を示す概略断面図である。
【図25】従来例の粉砕機を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 粉体原料投入口 2 圧縮気体供給ノズル 3 加速管 4 衝突部材 5 排出口 6 粉砕室側壁 7 粉体原料(粗粉) 8 粉砕室 12 衝突面 13 加速管出口 14 突出中央部 15 外周衝突面 21 加速管 22 加速スロート部 23 高圧気体噴出ノズル 24 被粉砕物供給口 25 被粉砕物供給筒 26 高圧気体供給口 27 高圧気体チャンバー 28 高圧気体導入管 29 加速管出口 30 衝突部材 32 粉砕室側壁 33 粉砕物排出口 34 粉砕室 35 ラバールノズル 36 加速管スロート部 37 加速管出口
フロントページの続き (72)発明者 三ッ村 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 辻 善則 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧気体により被粉砕物を搬送加速する
    ための加速管と、被粉砕物を微粉砕するための粉砕室と
    を有する衝突式気流粉砕機において、 該加速管の側壁部又は後端部には粗粉を加速管内に供給
    するための粗粉供給口を有し、該粉砕室には、該加速管
    の出口の開口面に対向して設けた衝突面を有する衝突部
    材が具備されており、該衝突部材の衝突面には、突出し
    ている突出中央部と、該突出中央部の周囲に該突出中央
    部で粉砕された被粉砕物の一次粉砕物を更に衝突により
    二次粉砕するための外周衝突面とを有し、該粉砕室は、
    該外周衝突面で二次粉砕された二次粉砕物を衝突により
    三次粉砕するための側壁を有し、 該突出中央部の形状、該外周衝突面の形状及び該粉砕室
    の形状のいずれかの一部が角を有していることを特徴と
    する衝突式気流粉砕機。
  2. 【請求項2】 衝突部材の衝突面に突出している突出中
    央部の頂角をα(°)とし、外周衝突面の加速管の中央
    軸の垂直面に対する傾斜角をβ(°)とした場合、該α
    及び該βが下記式 0<α<90、β>0 30≦α+2β≦90 を満足することを特徴とする請求項1に記載の衝突式気
    流粉砕機。
  3. 【請求項3】 該突出中央部、該外周衝突面、該粉砕室
    のいずれかが多角錐状もしくは多角状であることを特徴
    とする請求項1に記載の衝突式気流粉砕機。
  4. 【請求項4】 該突出中央部、該外周衝突面、該粉砕室
    のいずれかの形状が5角錐以上もしくは5角形状以上で
    あることを特徴とする請求項3に記載の衝突式気流粉砕
    機。
  5. 【請求項5】 該突出中央部、該外周衝突面、該粉砕室
    のいずれかの形状が6角錐以上もしくは6角形状以上で
    あることを特徴とする請求項3に記載の衝突式気流粉砕
    機。
  6. 【請求項6】 衝突部材の衝突面に突出している該突出
    中央部の形状と該外周衝突面の形状が同一多角錐状であ
    ることを特徴とする請求項3に記載の衝突式気流粉砕
    機。
  7. 【請求項7】 該粉砕室の形状が、衝突部材の衝突面に
    突出している該突出中央部の形状及び該外周衝突面の形
    状と同一多角錐状もしくは同一多角状であることを特徴
    とする請求項3に記載の衝突式気流粉砕機。
  8. 【請求項8】 衝突部材の衝突面よりも後方に、粉砕さ
    れた被粉砕物を排出するための粉砕物排出口が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1に記載の衝突式気流粉
    砕機。
  9. 【請求項9】 結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有す
    る混合物を溶融混練し、混練物を冷却固化し、固化物を
    粉砕して粉砕物を得、得られた粉砕物を衝突式気流粉砕
    機で微粉砕し、微粉砕された微粉砕物から静電荷像現像
    用トナーを製造する方法において、 該衝突式気流粉砕機は、高圧気体により被粉砕物を搬送
    加速するための加速管と、被粉砕物を微粉砕するための
    粉砕室とを有する微粉砕機であって、加速管内に供給さ
    れ、加速された被粉砕物を粉砕室内に加速管出口から吐
    出し、該加速管の出口の開口面に対向して設けた衝突面
    を有する衝突部材の突出中央部で一次粉砕し、一次粉砕
    された一次粉砕物を該衝突部の外周に設けられた外周衝
    突面で二次粉砕し、二次粉砕された二次粉砕物をさらに
    粉砕室内の側壁で三次粉砕し、各該突出中央部、該外周
    衝突面、該粉砕室の形状のいずれかの一部が角を有して
    おり、粉砕することを特徴とする静電荷像現像用トナー
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 衝突部材の衝突面に突出している突出
    中央部の頂角をα(°)とし、外周衝突面の加速管の中
    心軸の垂直面に対する傾斜角をβ(°)とした場合、 該α及び該βが下記式 0<α<90、β>0 30≦α+2β≦90 を満足することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像
    現像用トナーの製造方法。
  11. 【請求項11】 該突出中央部、該外周衝突面、該粉砕
    室のいずれかの形状が多角錐状もしくは多角状であるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナー
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 該突出中央部、該外周衝突面、該粉砕
    室のいずれかの形状が5角錐以上もしくは5角形状以上
    であることを特徴とする請求項11に記載の静電荷像現
    像用トナーの製造方法。
  13. 【請求項13】 該突出中央部、該外周衝突面、該粉砕
    室のいずれかの形状が6角錐以上もしくは6角形状以上
    であることを特徴とする請求項11に記載の静電荷像現
    像用トナーの製造方法。
  14. 【請求項14】 衝突部材の衝突面に突出している該突
    出中央部の形状と該外周衝突面の形状が同一多角錐状で
    あることを特徴とする請求項11に記載の静電荷像現像
    用トナーの製造方法。
  15. 【請求項15】 該粉砕室の形状が、衝突部材の衝突面
    に突出している該突出中央部の形状及び該外周衝突面の
    形状と同一多角錐状もしくは同一多角状であることを特
    徴とする請求項11に記載の静電荷像現像用トナーの製
    造方法。
  16. 【請求項16】 衝突部材の衝突面よりも後方に、粉砕
    された被粉砕物を排出するための粉砕物排出口が設けら
    れていることを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現
    像用トナーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112410169A (zh) * 2020-10-31 2021-02-26 重庆市金孝生物科技开发有限公司 低温灵芝破壁设备

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