JPH0797527B2 - 酸化物超電導コイルの冷却方法および冷却装置 - Google Patents
酸化物超電導コイルの冷却方法および冷却装置Info
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- JPH0797527B2 JPH0797527B2 JP50989093A JP50989093A JPH0797527B2 JP H0797527 B2 JPH0797527 B2 JP H0797527B2 JP 50989093 A JP50989093 A JP 50989093A JP 50989093 A JP50989093 A JP 50989093A JP H0797527 B2 JPH0797527 B2 JP H0797527B2
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Description
却方法および冷却装置に関するものであり、液体窒素を
用いてこれの大気圧での沸点より低い温度での冷却を可
能にする技術、また超電導コイルの磁束のクリープを防
止する技術を提供する。
示すが、酸化物高温超電導体は、その高いTcから液体窒
素温度77Kでの使用が期待されている。超電導体を冷却
する手段は大きく分けて二通りある。ひとつは冷凍機な
どによる冷却、もうひとつは液体ヘリウムや液体窒素を
冷媒とする方法である。コイルまたはバルク体の冷却に
は熱伝達および熱電導効率や温度の均一性の観点から上
記冷媒が望ましい。液体ヘリウムは減圧し超流動状態に
して2.19K以下の温度で使用されることもある。上記の
ようにバルク酸化物超電導材料の使用温度は2.19K、4.2
K、77Kが有望とされている。
を安定に得るためには臨界温度よりかなり低い温度に冷
却しなければならない。液体ヘリウムを用いた冷却(2.
19K、4.2K)ではヘリウム自身が高価なことや取り扱い
が不便であることなどから、77Kに比べ臨界電流密度は
向上するものの、酸化物高温超電導体の高臨界温度とい
う利点を活かすことができない。一方、液体窒素温度
(77K)での使用では、現在溶融法のひとつである急冷
溶融法(quench and melt growth法)で作製したQMG材
料(未踏科学技術協会、新超電導材料研究会、新超電導
材料討論会ニュース(New Superconducting Materials
Forum News)No.10p.15)が、1Tの磁場中で30000A/cm2
程度、Bi系銀シース線材では、4000A/cm2のJcを記録し
ており、本格的な実用レベルに迫っている。しかしなが
らこれら酸化物超電導体の実用化を促進させるには取り
扱いの容易な液体窒素を冷媒とし、かつより高い超電導
特性を引き出すために77K以下での安定した冷却方法が
望まれる。
最大1.35Tの磁束密度を発生したことが報告されている
が、このQMGバルクマグネットではフラックスクリープ
がおこり磁束が時間と共に減少することも報告されてい
る。このようにフラックスクリープは実用上好ましくな
くこれを防ぐ方策が求められている。
を用いた酸化物超電導バルク体またはマグネットの冷却
方法および装置を提供するものである。
を減圧し冷却することで窒素の三重点温度(63.1K)で
安定に冷却する手段に関するものであり、もう一つは大
気圧中で液相、固相間の潜熱を利用して約63.9Kで安定
に冷却する手段に関するものである。
れしかる後減圧ポンプにより減圧し、窒素の三重点の温
度(63.1K)に冷却し安定にコイルを一定温度に保ち超
電導コイルを冷却するか、さらには酸化物超電導コイル
の収納室に液体窒素を入れしかる後減圧ポンプにより減
圧し、窒素の三重点の温度(63.1K)に冷却し安定にコ
イルを一定温度に保ち、一方予備減圧室に液体窒素を入
れこれを減圧することで三重点の状態に冷却した後コイ
ル収納室にこの窒素を補充し、この補充を繰り返すこと
で長時間に亘り安定にコイルを一定温度に保ち超電導コ
イルを冷却する。
を用いた酸化物超電導コイルの冷却において、コイル収
納室内の気圧を調整し酸化物超電導コイルを63.1K以上
の温度で励磁した後、コイル収納室の気圧を減圧するこ
とで冷却し、63.1Kにして超電導コイルの磁束のクリー
プを防ぐ超電導コイルの冷却方法である。
れ、しかる後冷凍機により冷却し、大気圧中での窒素の
融点の温度(63.9K)近傍で安定にコイルを一定温度に
保ち超電導コイルを冷却する。
用いた酸化物超電導コイルの大気圧中での冷却におい
て、コイル収納室内の温度を冷凍機により調整し酸化物
超電導体を63.9K以上の温度で励磁した後、コイル収納
室の温度を63.9K近傍に下げて超電導コイルの磁束のク
リープを防ぐ超電導コイルの冷却方法である。
液体窒素を用いた酸化物超電導コイルの冷却において、
コイル収納室内を大気圧より加圧した状態で酸化物超電
導コイルを92K以下の温度で励磁した後、コイル収納室
の加圧を低下ないしは解放することにより励磁し終えた
温度よりさらに冷却し、超電導コイルの磁束のクリープ
を防ぐ超電導コイルの冷却方法である。
の冷却装置の例を示す図であり、第5図は超電導コイル
内の磁束密度を示す図、第6図は超電導コイル内の磁束
密度の減衰を示す図、第7図は本発明の超電導コイルの
磁束クリープ防止方法を説明する図、第8図は実験に用
いた3回巻のバルクマグネットを示す図、第9図は気圧
と窒素の沸点の関係を示す図である。
ることによって、窒素の大気圧における沸点よりも低温
に安定に維持する。
圧(94mmHg)することにより得られる。三重点にある窒
素は固化した窒素がシャーベット状になり液相中にある
ことが多い。また大気圧中の窒素の融点は約63.9Kであ
り、固相と液相が共存する状態は液体窒素を冷凍機等で
冷却することにより得られる。これら液相のほかに固相
がある状態は相変化にともなう潜熱があるため温度を一
定にしやすく、また超電導体は液相に接しており冷却効
率の良い状態にある。三重点での冷却の利点は冷凍機を
必要とせず減圧用のポンプにより比較的容易に冷却でき
る点にある。また大気中における融点での利点は減圧容
器を必要とせず装置の構造が比較的簡単な点にある。
3倍のJcを有し、1Tで5万から8万A/cm2程度の高い値
をもちバルクマグネットとしては、77Kに比べて発生磁
界も2倍程度に向上する。これにより応用の範囲も拡大
される。
冷却するための装置である。すなわち酸化物超電導体6
とコイル収納室1さらに減圧ポンプ2からなっている。
コイル収納室1は減圧に耐えられる強度を有しなければ
ならない。また、コイル収納室1の内側は断熱材3によ
りある程度断熱されていなければならない。また容器の
壁は真空断熱層、または断熱材を入れた真空断熱層を有
する構造でもよい。約1気圧の大気中で上部の液体窒素
供給口5より液体窒素7を入れ、蓋をした後、バルブ4
をあけ減圧ポンプ2と接続し減圧し内圧を調整すること
により77Kから63.1Kまでの温度に制御することができ
る。三重点に達するまで減圧すると、これは物質固有の
値であるため極めて安定に温度が維持できる。
るための方法、装置を開発した。第1図はこのための装
置であり、第2図と同様にコイル収納室1があり減圧ポ
ンプ2にバルブ9を通じて接続されているが、コイル収
納室1に隣接して予備減圧室8が連結されており、これ
もバルブ9を通じて減圧ポンプ2に連結されている。超
電導コイルを長時間冷却するには窒素の補充が必要とな
るが補充の際大気圧の液体窒素をコイル収納室に供給し
たのでは内部の温度を上げてしまい、安定に一定な温度
が保たれない。そこで一端予備減圧室8に液体窒素供給
口5より液体窒素を投入し減圧しコイル収納室と同じ温
度になったところで仕切り壁10をあけコイル収納室に供
給される。これにより温度を一定に保った状態で窒素の
補充が可能となり長時間連続して冷却が可能になる。
合の装置を示している。コイル収納室1内に冷凍機12の
冷却部11があり、大気圧中でコイル収納室1内の液体窒
素7を冷却し固相と液相が共存する状態(融点)にまで
冷却する。また、コイル収納室1の内側は断熱材3によ
りある程度断熱されていなければならない。また容器の
壁は真空断熱層、または断熱材を入れた真空断熱層を有
する構造でもよい。約1気圧の大気中で上部の液体窒素
供給口5より液体窒素を入れ、冷凍機を作動させ77Kか
ら約63.9Kまでの温度に制御することができる。この方
法では相変化にともなう潜熱により安定に冷却できる。
する場合に冷却を長時間維持するための装置である。こ
の場合は前記の窒素の三重点による冷却の場合と異な
り、窒素の気化による損失は本来的にはない。しかしハ
ンドリングなどに伴う窒素の損失が長時間では無視でき
ない場合もあるので、補充の手段を設けることは有益で
ある。第3図と同様にコイル収納室1があり、冷凍機12
の冷却部11により液体窒素7を冷却するが、さらに予備
冷却室13が設けられており、これにも冷却部11aがあ
り、液体窒素7を冷却できる。補充の際77Kの液体窒素
をコイル収納室1へ供給したのでは内部の温度を上げて
しまい、安定に一定な温度が保たれない。そこで一旦予
備冷却室13に液体窒素を投入し融点まで冷却しコイル収
納室と同じ温度になったところでバルブ14を開けてコイ
ル収納室1に供給される。これにより温度を一定に保っ
た状態で窒素の補充が可能となり長時間の冷却が可能に
なる。
段、大気圧中での液相、固相間の潜熱利用による冷却手
段を利用して超電導磁石特有のフラックスクリープを防
止する方法を開発した。すなわちフラックスクリープは
超電導磁石を永久電流状態で使用したときに発生磁界が
時間の対数に比例して徐々に減衰する現象を意味する。
この現象は熱活性による量子化磁束の移動により起こる
ため比較的高温で使用される酸化物超電導体にとっては
大きな問題となる。発明の原理をBeanの臨界状態モデル
を用いて以下に示す。
い時間t1における超電導体内の磁束の状態を示す。点線
は温度をT1に保った状態でさらに経過した時間t2、t3の
磁束分布の様子を示す。これはT1での流し得る最大の超
電導電流が時間の対数に比例して減衰することに対応し
ている。この減衰を第6図に示す。このような減衰は実
用上はマグネットの場合磁束密度の減衰として、また軸
受け等の場合浮上力の減衰として現われ好ましくない。
そこで温度T1で励磁した後、より低い温度T2に冷却する
ことにより超電導体の流し得る電流密度を上昇させるこ
とでマグネットを臨界状態ではなくし、超電導体にとっ
て余裕のある状態にすることでフラックスクリープを防
止することができる。
布を点線で、T1より低い温度T2で励磁して間もない時間
における磁束分布を破線で示す。ある温度(T1)で励磁
し同一温度で保持したのでは点線のように減衰してしま
う磁束を励磁したときより低い温度(T2)にすること
で、破線で示した臨界電流値までマグネットの能力を高
め、臨界状態ではなく余裕のある状態にすることで第7
図の実線のように減衰を抑制するものである。すなわち
窒素の三重点温度または大気圧における液相、固相共存
温度より高い温度でコイルを励磁した後、これらの温度
まで冷却することにより励磁のクリープを防止するので
ある。
ープを防止する目的を簡易に達成する方法として、あら
かじめ大気圧以上にコイル収納室を加圧しておき、この
加圧を低下ないしは解放することにより励磁し終えた温
度よりさらに冷却することもできる。第9図は窒素の沸
点と気圧との関係を示すグラフであるが、1気圧で約77
Kであるが4気圧では約92Kになる。加圧する範囲として
はこのグラフに示された範囲、窒素の沸点でいえば92K
以下までで十分に目的を達することができる。
が微細に分散した超電導材料(QMG材料)を用いて、第
8図に示すマグネットを作製した。(これは3回巻の超
電導コイルと見なすことができる)。この実験において
はREとしてYを用いた(以下の実施例についても同
様)。これを第2図に示すようにコイル収納室1に配置
した。液体窒素を投入した後減圧して63.1Kまで冷却し
た。つぎに63.1Kを保った状態で外部から徐々に電流を
供給し、20A流して超電導コイルを励磁した。発生され
た磁束の分布を調べたところ最高0.5×10−2Tの磁束
の捕捉を確認した。77Kでは電流端子での発熱が原因で1
4Aしか流せず0.34×10−2T程度しか磁束が得られず発
生磁界の向上が見られた。
が微細に分散した超電導材料(QMG材料)を用いて、厚
さ15mm、直径42mmのバルクマグネットを作製した。(こ
のマグネットは単巻の超電導コイルと見なすことができ
る)これを第1図に示すようにコイル収納室1に配置し
た。常電導マグネットにより2.0Tの磁場を印加し、液体
窒素を投入した後、減圧して63.1Kまで冷却した。つぎ
に63.1Kを保った状態で外部磁界を除去しバルクマグネ
ットに磁束を捕捉させることにより超電導コイルを励磁
した。常電導マグネットを取り外した後、捕捉された磁
束の分布を調べたところ100秒後最高1.8Tの磁束の捕捉
を確認した。10時間後窒素を補給するために予備減圧室
8に液体窒素を投入し、減圧して63.1Kにした後、超電
導コイル収納室に供給した。供給の前後で発生磁界は変
化せず63.1Kを保った状態で液体窒素の供給ができた。
が微細に分散した超電導材料(QMG材料)を用いて、厚
さ15mm、直径42mmのバルクマグネットを作製した。(こ
のマグネットは単巻の超電導コイルと見なすことができ
る)これを第2図に示すようにコイル収納室1に配置し
た。液体窒素を投入した後、減圧して63.1Kまで冷却し
た。つぎに63.1Kを保った状態でSmCo系のリング状永久
磁石を超電導体コイルから0.8mmにまで近づけた。この
とき永久磁石には20kgの浮上力(反発力)が働いている
ことを重りをのせることにより確認した。浮上力が働い
ている状態は超電導コイル中に超電導電流が流れてお
り、超電導コイルが励磁されていると見なすことができ
る。
が微細に分散した超電導材料(QMG材料)を用いて、第
8図に示すマグネットを作製した。(これは3回巻の超
電導コイルと見なすことができる)これを第3図に示す
ようにコイル収納室1に配置した。液体窒素を投入した
後、冷凍機により63.9Kまで冷却した。つぎに63.9Kを保
った状態で外部から徐々に電流を供給し20A流して超電
導コイルを励磁した。発生された磁束の分布を調べたと
ころ最高0.5×10−2Tの磁束の捕捉を確認した。77Kで
は電流端子での発熱が原因で14Aしか流せず0.34×10
−2T程度しか磁束が得られず発生磁界の向上が見られ
た。
が微細に分散した超電導材料(QMG材料)を用いて、厚
さ15mm、直径42mmのバルクマグネットを作製した。(こ
のマグネットは単巻の超電導コイルと見なすことができ
る)これを第4図に示すようにコイル収納室1に配置し
た。常電導マグネットにより2.0Tの磁場を印加し、液体
窒素を投入した後、冷凍機により63.9Kまで冷却した。
つぎに63.9Kを保った状態で外部磁界を除去しバルクマ
グネットに磁束を捕捉させることにより超電導コイルを
励磁した。常電導マグネットを取り外した後、捕捉され
た磁束の分布を調べたところ100秒後最高1.8Tの磁束の
捕捉を確認した。100時間後窒素を補給するために予備
冷却室13に液体窒素を投入し、冷却して63.9Kにした
後、超電導コイル収納室に供給した。供給の前後で発生
磁界は変化せず63.9Kを保った状態で液体窒素の供給が
できた。
が微細に分散した超電導材料(QMG材料)を用いて、厚
さ15mm、直径42mmのバルクマグネットを作製した。(こ
のマグネットは単巻の超電導コイルと見なすことができ
る)これを第3図に示すようにコイル収納室1に配置し
た。液体窒素を投入した後、冷凍機により63.9Kまで冷
却した。つぎに63.9Kを保った状態でSmCo系のリング状
永久磁石を超電導体コイルから0.8mmにまで近づけた。
このとき永久磁石には20kgの浮上力(反発力)が働いて
いることを重りをのせることにより確認した。浮上力が
働いている状態は超電導コイル中に超電導電流が流れて
おり、超電導コイルが励磁されていると見なすことがで
きる。
が微細に分散した超電導材料(QMG材料)を用いて、厚
さ15mm、直径42mmのバルクマグネットを作製した。(こ
のマグネットは単巻の超電導コイルと見なすことができ
る)これを第1図に示すようにコイル収納室1に配置し
た。常電導マグネットにより2.0Tの磁場を印加し、液体
窒素を投入した後、減圧して気圧を制御し70Kまで冷却
した。つぎに70Kを保った状態で外部磁界を除去しバル
クマグネットに磁束を捕捉させることにより超電導コイ
ルを励磁した。常電導マグネットを取り外した後、捕捉
された磁束の分布を調べたところ200秒後1.10T、1000秒
後1.07Tの磁束の捕捉を確認した。これから規格化され
た減衰率が2.7×10−2であることがわかった。
行なった。同一の超電導コイルを用い、コイル収納室に
配置した。常電導マグネットにより2.0Tの磁場を印加
し、液体窒素を投入した後、減圧して気圧を制御し70K
まで冷却した。つぎに70Kを保った状態で外部磁界を除
去しバルクマグネットに磁束を捕捉させることにより超
電導コイルを励磁した。常電導マグネットを取り外した
後、捕捉された磁束の分布を調べたところ200秒後1.100
Tであった。その後60秒間かけて減圧し63.1Kにした。こ
のときの磁束は1.095Tであった。これからさらに2000秒
後の磁束密度を測定した結果1.095Tであり測定の誤差範
囲で磁束のクリープは観測されなかった。
が微細に分散した超電導材料(QMG材料)を用いて、厚
さ20mm、直径52mmのバルクマグネットを作製した。(こ
のマグネットは単巻の超電導コイルと見なすことができ
る)これを加圧に耐える容器(加圧室)に配置した。常
電導マグネットにより2.0Tの磁場を印加し、液体窒素を
投入した後、約2気圧に加圧して84Kまで冷却した。つ
ぎに84Kを保った状態で外部磁界を除去しバルクマグネ
ットに磁束を捕捉させることにより超電導コイルを励磁
した。常電導マグネットを取り外した後、捕捉された磁
束の分布を調べたところ200秒後0.68T、1000秒後0.64T
の磁束の捕捉を確認した。
する実験を以下のように行なった。同一の超電導コイル
を用い、加圧室に配置した。常電導マグネットにより2.
0Tの磁場を印加し、液体窒素を投入した後、加圧した気
圧を制御し84Kまで冷却した。つぎに84Kを保った状態で
外部磁界を除去し、バルクマグネットに磁束を捕捉させ
ることにより超電導コイルを励磁した。常電導マグネッ
トを取り外した後、捕捉された磁束の分布を調べたとこ
ろ、200秒後0.68Tであった。その後5秒間かけて減圧し
77Kにした。77Kになったときは(205秒後)磁束は0.68T
であった。さらに2000秒後の磁束密度を測定した結果0.
68Tであり測定の誤差範囲で磁束のクリープは観測され
なかった。
体窒素を用い約63Kで容易にかつ安定に冷却しうる方法
および装置が提供され、酸化物超電導体の応用の幅を広
げることができた。また、磁束のクリープを防止する手
段も提供され、より安定な磁化が可能になった。このよ
うな冷却方法は各分野での応用が可能であり大きな工業
的効果が期待できる。
Claims (10)
- 【請求項1】酸化物超電導コイルの収納室に液体窒素を
入れしかる後減圧ポンプにより減圧し、窒素の三重点の
温度(63.1K)に冷却し安定にコイルを一定温度に保つ
超電導コイルの冷却方法。 - 【請求項2】酸化物超電導コイルの収納室に液体窒素を
入れしかる後減圧ポンプにより減圧し、窒素の三重点の
温度(63.1K)に冷却し安定にコイルを一定温度に保
ち、一方予備減圧室に液体窒素を入れこれを減圧するこ
とで三重点の状態に冷却した後コイル収納室にこの窒素
を補充し、この補充を繰り返すことで長時間に亘り安定
にコイルを一定温度に保つことを特徴とする超電導コイ
ルの冷却方法。 - 【請求項3】液体窒素を用いた酸化物超電導コイルの冷
却において、コイル収納室内の気圧を調整し酸化物超電
導コイルを63.1K以上の温度で励磁した後、コイル収納
室の気圧を減圧することで冷却し、63.1Kにして超電導
コイルの磁束のクリープを防ぐ超電導コイルの冷却方
法。 - 【請求項4】酸化物超電導コイルの収納室に液体窒素を
入れしかる後冷凍機により冷却し、大気圧中での窒素の
融点の温度(63.9K)近傍で安定にコイルを一定温度に
保つ超電導コイルの冷却方法。 - 【請求項5】液体窒素を用いた酸化物超電導コイルの大
気圧中での冷却において、コイル収納室内の温度を冷凍
機により調整し酸化物超電導体を63.9K以上の温度で励
磁した後、コイル収納室の温度を63.9K近傍に下げて超
電導コイルの磁束のクリープを防ぐ超電導コイルの冷却
方法。 - 【請求項6】液体窒素を用いた酸化物超電導コイルの冷
却において、コイル収納室内を大気圧より加圧した状態
で酸化物超電導コイルを92K以下の温度で励磁した後、
コイル収納室の加圧を低下ないしは解放することにより
励磁し終えた温度よりさらに冷却し、超電導コイルの磁
束のクリープを防ぐ超電導コイルの冷却方法。 - 【請求項7】酸化物超電導コイルを収納するコイル収納
室がポンプにより減圧できる構造を有することを特徴と
する酸化物超電導コイルの冷却装置。 - 【請求項8】酸化物超電導コイルを収納するコイル収納
室に隣接して予備の減圧室を連結し、コイル収納室およ
び予備減圧室とがポンプにより減圧できる構造を有する
ことを特徴とする酸化物超電導コイルの冷却装置。 - 【請求項9】酸化物超電導コイルを収納するコイル収納
室とこれに隣接する予備冷却室とに冷凍機の冷却部があ
り、コイル収納室および予備冷却室とが冷凍機により冷
却できる構造を有することを特徴とする酸化物超電導コ
イルの冷却装置。 - 【請求項10】酸化物超電導コイルを収納するコイル収
納室を気圧の加圧手段と連結するとともに、前記加圧手
段と分離してコイル収納室の圧力を解放する構造を有す
ることを特徴とする酸化物超電導コイルの冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP50989093A JPH0797527B2 (ja) | 1991-05-28 | 1992-05-25 | 酸化物超電導コイルの冷却方法および冷却装置 |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-150882 | 1991-05-28 | ||
JP3150882A JPH04350906A (ja) | 1991-05-28 | 1991-05-28 | 酸化物超電導コイルの冷却方法および冷却装置 |
FR91/14915 | 1991-12-02 | ||
JP50989093A JPH0797527B2 (ja) | 1991-05-28 | 1992-05-25 | 酸化物超電導コイルの冷却方法および冷却装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07501303A JPH07501303A (ja) | 1995-02-09 |
JPH0797527B2 true JPH0797527B2 (ja) | 1995-10-18 |
Family
ID=26480330
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP50989093A Expired - Lifetime JPH0797527B2 (ja) | 1991-05-28 | 1992-05-25 | 酸化物超電導コイルの冷却方法および冷却装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0797527B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6859574B2 (ja) * | 2015-05-13 | 2021-04-14 | 株式会社三谷バルブ | 圧縮ガス対応の内容物ドロップ放出構造およびこの内容物ドロップ放出構造を備えた圧縮ガス式製品 |
-
1992
- 1992-05-25 JP JP50989093A patent/JPH0797527B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH07501303A (ja) | 1995-02-09 |
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