JPH0796933A - 物品梱包用台紙 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 収容した物品がこぼれ落ちることのない物品
梱包用台紙を提供する。 【構成】 物品梱包用台紙１０は、長方形状の主面平板
部１１と、その周囲四方に形成された側脚部１２と、に
よって構成され、主面平板部１１には円柱状の缶詰を収
容するための開口窓が形成される。各開口窓には、２枚
の側壁部１３と２枚のフラップ１４が形成されている。
側脚部１２および側壁部１３は、主面平板部１１を箱の
底面に対して支持する機能を有する。缶詰を開口部に嵌
合させて収容すると、缶詰の上下の端面の周囲の縁に形
成されたリム部によって囲まれた浅い窪みの部分に、フ
ラップ１４が係合し、缶詰が物品梱包用台紙１０の収容
位置から抜け落ちるのを妨げる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は物品梱包用台紙、特に、
梱包対象となる物品の形状に応じた凹部空間を形成し、
箱の内部で前記凹部空間内に物品を収容支持する機能を
もった物品梱包用台紙に関する。

【０００２】

【従来の技術】ギフト商品などでは、物品を箱の中に装
飾的に並べた状態で梱包することが多い。このような場
合、箱の内部で物品を所定位置に収容支持するために、
物品梱包用台紙が利用されている。この物品梱包用台紙
は、通常、厚紙あるいは段ボールからなり、周囲の部分
を折って立体構造とし、箱の中に入れて用いる。物品梱
包用台紙の主面平板部には、梱包対象となる物品の形状
に応じた開口窓によって凹部空間が形成され、この凹部
空間内に物品が収容される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
物品梱包用台紙には、収容した物品が凹部空間内からこ
ぼれ落ちやすいという問題がある。蓋の高さが収容する
物品の高さに等しい場合には、蓋によって物品を押さえ
ることができるため、蓋をした状態で物品がこぼれ落ち
ることはない。ところが、商品の量感を強調するための
デザイン上の要請などから、蓋の高さを物品の高さより
も大きくとることが少なくない。また、ギフト商品など
では、１つの箱内に大きさの異なる種々の物品を詰め合
わせることが行われるため、小さな物品については蓋に
よって押さえることができなくなる。このように、蓋に
よって物品を押さえることができないと、輸送途中に物
品が物品梱包用台紙からこぼれ落ち、蓋を開いたときに
は、商品が箱内で散乱している状態になる。特に、ギフ
ト商品の場合、商品を自宅に持ち帰り、蓋を開いたとき
に商品を初めて目にすることになるため、このときの見
栄えが非常に重要である。また、このような物品のこぼ
れ落ちは、輸送途中だけではなく、陳列中にも問題にな
る。小売店の店舗において商品を陳列する場合、蓋をは
ずした状態で箱を立て、商品がよく見えるようにして置
くことになるが、従来の物品梱包用台紙では、このよう
な場合にも収容した物品がこぼれ落ちるおそれがある。

【０００４】そこで本発明は、収容した物品がこぼれ落
ちることのない物品梱包用台紙を提供することを目的と
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

(1) 本願第１の発明は、梱包対象となる物品の形状に
応じた凹部空間を形成し、箱の内部で凹部空間内に物品
を収容支持する機能をもった物品梱包用台紙において、
物品の一部を収容支持するための開口窓が形成された主
面平板部と、この主面平板部の周囲に形成され、主面平
板部に対して所定角度をなすように折ることにより、箱
の底面に対して主面平板部を支持する側脚部と、を設
け、開口窓の周囲の一部に、収容すべき物品の凹部と係
合する形状をもち、箱の底面側に折り曲げ可能なフラッ
プを、主面平板部の一部を用いて形成したものである。

【０００６】(2) 本願第２の発明は、上述の第１の発
明に係る物品梱包用台紙において、端面の縁に隆起構造
をもったリム部を有する物品を収容するために、この物
品の主面平板部の位置におけるリム部の内側間隔にほぼ
等しい幅をもち、リム部によって囲まれた物品端面の凹
部内に収容可能な形状をもったフラップを形成したもの
である。

【０００７】

【作 用】缶詰や瓶詰では、容器の端面の縁に隆起構造
をもったリム部が形成されている。缶詰では、このリム
部に缶切りを係合させた状態で、上端面の周囲を切断し
て開缶することになる。本発明は、このリム部を利用し
て、収容した物品を固定し、物品梱包用台紙からのこぼ
れ落ちを防止するものである。すなわち、本発明に係る
物品梱包用台紙に形成されたフラップは、リム部によっ
て囲まれた物品端面に形成される浅い凹部に係合する。
このため、リム部がフラップによって押さえられること
になり、こぼれ落ちが防止される。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を図示する実施例に基づいて説
明する。図１は、一般的な梱包箱に物品を収容した状態
を示す斜視図である。物品梱包用台紙１０は、箱２０の
底部に敷かれた状態で収容されており、この物品梱包用
台紙１０によって形成された凹部空間内に、物品３０
（この例では、海苔の缶詰が２缶）の一部分が収容され
た状態になっている。通常は、この箱２０の上に、図示
されていない蓋を被せて梱包することになる。図２は、
物品梱包用台紙１０および物品３０を、箱２０から取り
出した状態を示す斜視図である。物品梱包用台紙１０
は、主面平板部１１とその周囲四方に形成された側脚部
１２とによって構成されている。側脚部１２は、主面平
板部１１に対してほぼ直角をなすように折り曲げられて
おり、図１に示すように、箱に収容された状態におい
て、箱２０の底面に対して主面平板部１１を支持する機
能を有する。主面平板部１１には、物品３０の一部を収
容支持するための開口窓およびその下方に凹部空間が形
成されており、物品３０は図示する定位置に収容され
る。なお、物品３０は、この実施例では円柱状の缶詰で
あり、上端面および下端面には、円周上の縁に沿って隆
起構造をもったリム部３１が形成されており、このリム
部３１に囲まれた物品端面には浅く窪んだ凹部３２が形
成されている。本発明に係る物品梱包用台紙は、このリ
ム部３１および凹部３２を利用して、物品３０のこぼれ
落ちを防止するものである。

【０００９】さて、本発明に係る物品梱包用台紙の構造
説明を行う前に、従来の物品梱包用台紙の構造を簡単に
説明しておく。図３は、従来の一般的な物品梱包用台紙
の展開図である。長方形状の主面平板部１１の周囲四方
に４枚の側脚部１２が形成されており、この側脚部１２
を折ることにより、図２に示すような構造が得られる。
主面平板部１１上には、２つの物品３０を収容するため
に、２つの凹部空間が形成される。各凹部空間は、図示
するように、４枚の側壁部１３によって形成されてい
る。これら側壁部１３を、図に点線で示す線に沿って下
方に折り込むと、点線を輪郭線とする開口部Ｗが形成さ
れる。この開口部Ｗは、物品３０の投影像の輪郭形状を
しており、物品３０をこの開口部Ｗに嵌合させることに
より、その下に形成された凹部空間に物品３０の一部を
収容することができる。こうして、２つの物品３０を収
容した状態は、図２に示すようになる。側壁部１３は、
主面平板部１１に対してほぼ直角に折り曲げられた状態
となり、側脚部１２と同様に、主面平板部１１を箱２０
の底面に対して支持する機能を有する。

【００１０】図４は、図３に示す従来の物品梱包用台紙
１０に物品３０を収容した状態を示す側断面図である。
折り曲げられた側壁部１３によって凹部空間が形成さ
れ、その中に物品３０の一部が収容されている状態が明
瞭に示されている。しかしながら、このような収容状態
では、物品輸送時の振動などにより、物品３０が図の右
方へと滑り動き、箱２０の中で定位置からはずれてしま
うことが起こりやすい。また、小売店などでは、図４に
示すように、箱２０を立てた状態で長時間にわたって物
品３０を展示することになるが、物品３０の下に位置す
る主面平板部１１が荷重に耐えきれずに変形を起こす
と、物品３０が収容位置からこぼれ落ちることになる。
本発明は、このような問題を解決しうる新規な物品梱包
用台紙の構造を提供するものである。

【００１１】図５は、本発明の一実施例に係る物品梱包
用台紙１０の展開図である。図３に示す従来のものと同
様に、長方形状の主面平板部１１の周囲四方に４枚の側
脚部１２が形成されており、この側脚部１２を折ること
により、図２に示すような構造が得られる。また、主面
平板部１１上には、２つの物品３０を収容するために、
２つの凹部空間が形成される。ただ、各凹部空間は、図
示するように、２枚の側壁部１３と２枚のフラップ１４
によって形成されている。側壁部１３およびフラップ１
４を、図に点線で示す線に沿って下方に折り込むと、点
線を輪郭線とする開口部Ｗが形成される。この開口部Ｗ
は、物品３０の投影像の外接矩形をしており、物品３０
をこの開口部Ｗに嵌合させることにより、その下に形成
された凹部空間に物品３０の一部を収容することができ
る。したがって、２つの物品３０を収容した状態は、や
はり図２に示すようになる。側壁部１３は、主面平板部
１１に対してほぼ直角に折り曲げられた状態となり、側
脚部１２と同様に、主面平板部１１を箱２０の底面に対
して支持する機能を有する。

【００１２】図６は、物品３０を取り去ったときの物品
梱包用台紙１０の構造を示す斜視図である。本発明の特
徴は、収容された物品３０を、フラップ１４によって係
合支持する点にある。図２に示すように、物品３０の上
端面および下端面には、円周上の縁に沿って隆起構造を
もったリム部３１が形成されており、このリム部３１に
囲まれた物品端面には浅く窪んだ凹部３２が形成されて
いる。フラップ１４は、この凹部３２に係合するいわば
「爪」として機能する形状をしており、物品３０を収容
した状態において、このフラップ１４が物品３０の凹部
３２に係合することにより、物品３０が物品梱包用台紙
１０からこぼれ落ちるのを防止することができる。

【００１３】図７は、本発明に係る物品梱包用台紙１０
内に２つの物品３０を収容した状態を示す正面図であ
る。上下のリム部３１によって囲まれた浅い凹部３２内
に、フラップ１４（点線で示す）が係合している状態が
示されている。この係合状態は、図８の側断面図により
明瞭に示されている。側壁部１３は、主面平板部１１に
対してほぼ垂直に折り込まれるが、フラップ１４は、図
８に示すように、先端部が物品３０の端面に接触した状
態になるように、斜めに折り込まれている。このような
係合状態により、物品３０のこぼれ落ちが防止できる理
由は、図９に示す部分上断面図を参照すれば、容易に理
解できよう。フラップ１４は、主面平板部１１の位置に
おけるリム部３１の内側間隔Ｄにほぼ等しい幅をもち、
リム部３１によって囲まれた物品端面の凹部３２内に収
容可能な形状をもっている。このため、物品３０を物品
梱包用台紙１０に形成された開口部Ｗに押し込むように
すると、図８における上部のフラップ１４は、リム部３
１によって、一旦、上方へ押し上げられ、同時に、下部
のフラップ１４は、リム部３１によって、一旦、下方へ
押し下げられる。ところが、物品３０が定位置に到達す
ると、フラップ１４は材質（厚紙あるいは段ボールな
ど）のもつ弾力性によって、主面（主面平板部１１の形
成面）の方向に戻ろうとするため、図８に示すように凹
部３２に係合した状態となる。すなわち、図９におい
て、フラップ１４は凹部３２内に入り込んだ状態となっ
ており、物品３０が図の下方に動こうとしても、この動
きは、リム部３１の内側部分がフラップ１４の端部に接
触して妨げられる。

【００１４】かくして、本発明に係る物品梱包用台紙１
０に収容した物品３０は、フラップ１４によって定位置
に固定されるようになり、輸送途中や展示中にこぼれ落
ちることはなくなる。なお、梱包を解いた者が、物品３
０を取り出そうとする場合、従来の物品梱包用台紙に比
べて若干取り出しにくくはなるが、ある程度の力で引き
抜くようにすれば、物品梱包用台紙１０の各部が変形を
起こすため、物品３０を取り出すことにさほどの問題は
生じない。

【００１５】以上、本発明を図示する一実施例に基づい
て説明したが、本発明はこの実施例のみに限定されるも
のではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。
たとえば、上述の実施例においては、フラップ１４を細
長い台形状のものとしたが、凹部３２に係合することが
できる形状であれば、どのような形状のフラップを設け
てもかまわない。また、上述の実施例では、各開口窓に
２枚ずつの側壁部１３を設けているが、この側壁部１３
は必須の構成要素ではない。更に、上述の実施例では、
各開口窓に２枚ずつのフラップ１４を設けているが、フ
ラップは上部または下部のいずれかに１枚だけ設けるよ
うにしてもかまわない。また、本発明が適用可能な物品
は、缶詰だけに限定されるものではなく、本発明はフラ
ップによって係止することができる凹部を有する物品に
広く適用することができる。

【００１６】

【発明の効果】以上のとおり本発明に係る物品梱包用台
紙によれば、開口窓の周囲の一部に、収容すべき物品の
凹部と係合する形状をもったフラップ形成するようにし
たため、収容した物品がこぼれ落ちることがなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一般的な梱包箱に物品を収容した状態を示す斜
視図である。

【図２】図１に示す物品梱包用台紙１０および物品３０
を、箱２０から取り出した状態を示す斜視図である。

【図３】従来の一般的な物品梱包用台紙の展開図であ
る。

【図４】図３に示す従来の物品梱包用台紙１０に物品３
０を収容した状態を示す側断面図である。

【図５】本発明の一実施例に係る物品梱包用台紙１０の
展開図である。

【図６】物品３０を取り去ったときの本発明に係る物品
梱包用台紙１０の構造を示す斜視図である。

【図７】本発明に係る物品梱包用台紙１０内に２つの物
品３０を収容した状態を示す正面図である。

【図８】図７に示す状態の側断面図である。

【図９】図７に示す状態の部分上断面図である。

【符号の説明】

１０…物品梱包用台紙 １１…主面平板部 １２…側脚部 １３…側壁部 １４…フラップ ２０…箱 ３０…物品 ３１…リム部 ３２…凹部 Ｗ…開口部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 梱包対象となる物品の形状に応じた凹部
   空間を形成し、箱の内部で前記凹部空間内に物品を収容
   支持する機能をもった物品梱包用台紙において、 物品の一部を収容支持するための開口窓が形成された主
   面平板部と、 この主面平板部の周囲に形成され、前記主面平板部に対
   して所定角度をなすように折ることにより、箱の底面に
   対して前記主面平板部を支持する側脚部と、 を有し、前記開口窓の周囲の一部に、収容すべき物品の
   凹部と係合する形状をもち、箱の底面側に折り曲げ可能
   なフラップを、前記主面平板部の一部を用いて形成した
   ことを特徴とする物品梱包用台紙。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の物品梱包用台紙におい
   て、 端面の縁に隆起構造をもったリム部を有する物品を収容
   するために、この物品の主面平板部の位置におけるリム
   部の内側間隔にほぼ等しい幅をもち、リム部によって囲
   まれた物品端面の凹部内に収容可能な形状をもったフラ
   ップを形成したことを特徴とする物品梱包用台紙。