JPH0792575B2 - 光学素子 - Google Patents

光学素子

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JPH0792575B2
JPH0792575B2 JP19905290A JP19905290A JPH0792575B2 JP H0792575 B2 JPH0792575 B2 JP H0792575B2 JP 19905290 A JP19905290 A JP 19905290A JP 19905290 A JP19905290 A JP 19905290A JP H0792575 B2 JPH0792575 B2 JP H0792575B2
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chamber
optical element
liquid
surfactant
coloring
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勇一 吉野
達夫 永井
純一 次田
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Japan Steel Works Ltd
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Japan Steel Works Ltd
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Publication of JPH0792575B2 publication Critical patent/JPH0792575B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、光弁や表示装置、あるいは調光ウインドー等
に用いられる光学素子に関するもので、特に、外部から
の操作によって着色状態が変えられる光学素子に関する
ものである。
【従来の技術】
外部からの操作によって光の透過率や屈折率あるいは散
乱率等の光学特性を変化させることができる光学素子と
しては、液晶を利用するもの(例えば特開昭55−96922
号公報参照)、エレクトロクロミック材料を利用するも
の(例えば特開昭63−236016号公報参照)、異方性粒子
の分散体を利用するもの(例えば特開昭64−57242号公
報参照)などが知られている。 液晶を用いた光学素子は、液晶分子が電界によって配向
することを利用するもので、電界が印加されていないと
きには液晶分子がランダムな方向を向いており、光がそ
の液晶分子に散乱されるので不透明であるが、電界が印
加されると、液晶分子が電界の方向に配向して光が透過
するようになるので、透明となる。また、エレクトロク
ロミック材料を用いた光学素子は、エレクトロクロミッ
ク材料がイオンの挿入あるいは抽出によって色変化を起
こすことを利用するもので、電流を流すことによって着
色あるいは消色する。異方性粒子を用いた光学素子も、
その異方性粒子が電界によって配向することを利用する
もので、電界が印加されていないときには、ランダムな
方向を向いた粒子によって光が反射あるいは吸収される
ので、着色状態にあるが、電界が印加されると、粒子が
電界方向に配向することによって光透過率が高くなる。 このように、従来の光学素子は、いずれも、電界の印加
によって光学特性が変化するものとされていた。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの光学素子には次のような問題が
ある。 例えば液晶を用いる光学素子の場合には、電界を印加し
たときに透明となるが、その逆にはならない。すなわ
ち、透明状態に保つためには電界の印加を継続すること
が必要となる。また、電界が印加されていないときには
不透明となるが、光の反射あるいは吸収によって不透明
となる訳ではなく、散乱によって不透明となっているだ
けであるので、透過光の光量は電界が印加されている場
合に比べてほとんど変化しない。しかも、不透明状態に
おける色調は実質的に乳白色に限られている。 一方、エレクトロクロミック素子は、記憶効果があり、
通電によって一旦着色あるいは消色すると、通電を止め
てもその状態を維持することができるという利点を有し
ているが、大形になると応答速度が著しく遅くなるとい
う欠点がある。しかも、色調変化はエレクトロクロミッ
ク材料に固有のものであり、望みの色に変化させること
はできない。現状では、着色状態で青色、消色状態で透
明のものに限られている。 異方性粒子を分散させた光学素子の場合には、電界を印
加すると透明、電界の印加を止めると着色状態に変化す
るが、この場合にも、その逆の作動は不可能である。ま
た、着色状態における色調は粒子に固有のものとなり、
望みの色に変化させることはできない。更に、長時間電
界を印加し続けると粒子が凝集して斑点状の模様が発生
するなどの欠点もある。 本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は、外部からのエネルギ供給を要すること
なく透明あるいは着色状態を維持することのできる光学
素子を得ることである。 また、本発明の他の目的は、色調を自由に変えることの
できる光学素子を得ることである。
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明では、ラメラー構造
を有する界面活性剤溶液を利用するようにしている。 その界面活性剤溶液は、少なくとも一方の壁が透明とさ
れた発色室内あるいは貯液室内に充填される。これら発
色室と貯液室とは、循環主管路を介して互いに接続され
ている。そして、その循環主管路に設けられたポンプに
よって、それら発色室と貯液室との間で液が循環される
ようになっている。また、発色室と貯液室との間には、
界面活性剤の通過を許容する状態と阻止する状態とに切
り換えられるフィルタが設けられている。 濃度の高い界面活性剤溶液が発色室内に貯えられる場合
には、貯液室に、その界面活性剤溶液の溶媒、あるいは
その溶液よりも濃度の低い界面活性剤溶液が貯えられ
る。そして、発色室から貯液室に向けて液が流れる側に
フィルタが設けられる。また、濃度の高い界面活性剤溶
液が貯液室内に貯えられる場合には、発色室に、その界
面活性剤溶液の溶媒、あるいはその溶液よりも濃度の低
い界面活性剤溶液が充填される。そして、フィルタは貯
液室から発色室に向けて液が流れる側に設けられる。
【作用】
特定の種類の界面活性剤は、一定濃度以上でラメラー構
造の液晶を形成する。このラメラー構造を有する溶液に
光が入射すると、結晶による光の回折現象と同じ原理で
ラメラー層において回折が起き、特定波長の光が反射す
る。そして、反射光と補色関係の光が透過する。ラメラ
ー層の厚さは界面活性剤の濃度によって異なるので、そ
の光の色は界面活性剤の濃度に応じて変化することにな
る。また、ラメラー層の厚さが可視光の回折条件を満足
する範囲を超えると透明となる。 上述のように構成された光学素子においては、例えば発
色室に界面活性剤溶液が充填され、貯液室にその溶媒が
貯えられている場合、フィルタを通さない状態で液を循
環させると、発色室内の界面活性剤溶液がその発色室か
ら流出するとともに、貯液室から送られる溶媒が発色室
に流入するので、発色室内の界面活性剤溶液が希釈さ
れ、その濃度が低下する。また、フィルタを通して液を
循環させると、発色室からの界面活性剤の流出が阻止さ
れるので、発色室内の界面活性剤溶液の濃度が高められ
る。したがって、発色室において反射される光あるいは
透過する光を観察すれば、その色が変化することにな
る。そして、所望の色となったところでポンプを止める
と、発色室内の界面活性剤溶液の濃度が一定に保たれる
ので、その色を呈する光学素子となる。
【実施例】
以下、図面を用いて本発明をより詳細に説明する。 まず、本発明による光学素子の原理について説明する。 界面活性剤を溶媒すなわち水溶液に添加していくと、あ
る濃度以上でミセルが形成される。そのミセルは、一般
には球状あるいは棒状であるが、その種の界面活性剤の
場合には、一定濃度以上でラメラー構造を有する液晶状
態となる。第1図に示されているように、界面活性剤の
分子1は親水基2と疎水基3とを有している。親水基2
及び疎水基3の大きさがほぼ等しく、親水基2の極性が
強い界面活性剤の場合には、水溶液に溶解させると、界
面活性剤の分子1が互いに疎水基3を向け合って並んだ
層4が形成され、その層4が重なり合い、その層4と層
4との間に水溶液の分子が入り込んだ構造となる。これ
がラメラー構造である。このような液晶構造におけるラ
メラー層の厚さd、すなわち隣り合う層4と層4との間
の距離は、界面活性剤溶液の濃度によって変化する。 このようなラメラー構造を有する界面活性剤溶液に光が
入射すると、あたかも結晶のように回折現象が起きる。
その場合、ラメラー層の厚さdと光の波長λ及び入射角
θとの間には、 nλ=2d sinθ (n=1,2,…) という関係が成立する。したがって、可視光のある波長
の光が回折を起こすと、その波長の光は強く反射され
る。その結果、反射光はその波長に応じた色となり、透
過光はそれと補色関係の色となる。 そして、上述のようにラメラー層の厚さdは界面活性剤
溶液の濃度によって変化する。すなわち、ラメラー構造
を有する界面活性剤溶液は、その濃度の変化に応じて色
が変化することになる。例えばジグリセリンのある種の
アルキルエーテルの水溶液は、濃度1重量%で反射光が
赤色となり、濃度の増加に伴って黄色から緑色、青色と
変化し、濃度2重量%で紫色となる。濃度が1重量%以
下あるいは2重量%以上では、可視光を回折する条件と
ならないので、水溶液は透明となる。 このようなラメラー構造の液晶を形成する界面活性剤は
比較的多いが、可視光の回折条件を満足するためには、
ラメラー層の厚さがおよそ150nm〜350nmとなるものでな
ければならない。そのような界面活性剤としては、イソ
ステアリルジグリセリルエーテルやミリスチルジグリセ
リルエーテルがあるが、これに限らない。ラメラー層が
湾曲せず、層間に多量の水を含ませることができるもの
であればよい。特に、その会合体が水を多量に溶解し
て、可視光の全波長範囲で回折条件を満足するように膨
潤するものが最も望ましいが、部分的な波長範囲でのみ
回折条件を満足するものであっても有用である。 界面活性剤の性質から、これを溶解する溶媒は、水及び
塩や有機溶媒のうち水に溶解するものを一定限度内で含
む混合溶媒に限られる。非水溶媒ではラメラー状の会合
体が形成されない。ラメラー層の厚さは、このような溶
解物質の種類や量によっても影響を受けると考えられ
る。 このような液晶状の構造を有する界面活性剤溶液が発色
するために必要な条件は、ラメラー層の厚さが可視光の
回折条件を満足することであるから、界面活性剤の種類
は問われない。ラメラー層の厚さは、界面活性剤の分子
の長さや親水基の極性の強さのほかに、界面活性剤がイ
オン性であるか非イオン性であるかも関係すると考えら
れる。また、溶液の媒質が純粋な水であるかアルコール
などを含む混合溶媒であるかによっても異なるものと考
えられる。いずれにしても、ラメラー層の厚さが可視光
の回折条件を満足する液晶状の界面活性剤溶液であれ
ば、界面活性剤の種類や溶媒との組み合わせに関係な
く、本発明の光学素子に用いることができる。 また、紫外光や赤外光を回折する界面活性剤溶液も有用
である。そのような界面活性剤溶液を用いて光学素子を
作れば、その光学素子は紫外光あるいは赤外光を遮断す
る光シャッタなどに応用することができる。したがっ
て、本発明で用いられる界面活性剤溶液は、ラメラー層
の厚さが可視光の回折条件を満足するものには限らな
い。 次に、このようなラメラー構造を有する界面活性剤溶液
を用いた光学素子について説明する。 第2図は、本発明による光学素子の原理的な実施例を示
す構成図である。 この図から明らかなように、この光学素子10は発色室11
と貯液室12とを備えている。発色室11は薄い箱形のもの
で、対向する壁13,14のうち少なくとも一方の壁13は透
明とされている。発色室11内にはラメラー構造を有する
界面活性剤溶液15が充填されている。その溶液15は界面
活性剤16とその溶媒17とからなるもので、貯液室12には
当初はその溶媒17が貯えられている。 発色室11と貯液室12とは循環主管路18によって互いに接
続されている。その主管路18には、発色室11側から液を
吸い込み、貯液室12側に液を吐出するポンプ19が設けら
れている。こうして、そのポンプ19を作動させることに
よって、発色室11と貯液室12との間で液が循環されるよ
うになっている。また、その主管路18には、ポンプ19の
吸い込み側に、界面活性剤16の通過を阻止し得るフィル
タ20が設けられている。そのフィルタ20は、内蔵されて
いるアクチュエータ(図示せず)によって、界面活性剤
16の通過を阻止する作動状態とその通過を許容する不作
動状態とに切り換えられるもので、スイッチ21を介して
接続された電源22によって駆動されるようになってい
る。また、ポンプ19も、その電源22に接続されたスイッ
チ23のオン・オフによって駆動あるいは停止されるよう
になっている。 このように構成された光学素子10において、スイッチ21
をオフとしてフィルタ20を不作動状態とし、ポンプ19を
駆動すると、発色室11内の界面活性剤溶液15が貯液室12
に送られるとともに、貯液室12内の溶媒17が発色室11に
送られる。したがって、発色室11内の界面活性剤溶液15
が溶媒17によって希釈され、その濃度が低下する。貯液
室12には界面活性剤16が送られるので、その貯液室12内
の液は濃度の低い界面活性剤溶液となる。 次いで、スイッチ21をオンとしてフィルタ20を作動状態
とし、ポンプ19を駆動すると、発色室11から流出しよう
とする界面活性剤溶液15のうちの界面活性剤16がそのフ
ィルタ20によってせき止められ、溶媒17のみが貯液室12
に送られる。そして、前回の操作によって貯液室12に送
られた界面活性剤16が発色室11に送られる。その結果、
発色室11内の界面活性剤溶液15の濃度が次第に上昇す
る。 このようにして、フィルタ20を作動状態と不作動状態と
に切り換えることによって、発色室11内の界面活性剤溶
液15の濃度が変化する。したがって、上述の原理によ
り、発色室11の着色状態が変化する。例えば界面活性剤
16として上述のジグリセリンのアルキルエーテルを用い
る場合、あらかじめ発色室11内の溶液15の濃度を2%以
上にしておき、フィルタ20を不作動状態として駆動し
て、その濃度を2%以下で1%以上の範囲に低下させる
と、発色室11は透明から着色状態に変化する。また、あ
らかじめその濃度を1%以上で2%以下に設定してお
き、それを希釈して濃度を1%以下に低下させるように
すれば、発色室11は着色状態から透明となる。更に、そ
の溶液15の濃度を1%から2%の範囲で自由に変えられ
るようにしておけば、発色室11は種々の色を呈するよう
になる。 発色室11の壁13,14をともに透明としておけば、その光
学素子10は反射型あるいは透過型のいずれともすること
ができる。例えばその発色室11を光の入射側から見る
と、その発色室11は反射光の色となる。また、反対側か
ら見ると、その発色室11は透過光の色となる。その場
合、反射光と透過光とは補色関係にあるので、見る方向
によって色が全く異なって見えることになる。ただし、
反射光は特定波長の光のみであるから、その光強度は透
過光に比べて弱い。いずれの場合にも、その発色の原理
は界面活性剤溶液15による回折現象であるので、その溶
液15の濃度を変化させることによって色変化させること
ができる。 光の入射側とは反対側の壁14を不透明とすると、その光
学素子10は反射型素子となる。その場合、発色室11内の
溶液15を透過した光は壁14によって反射されて戻る。し
たがって、その壁14を、特定の波長の光のみを反射する
物質で形成しておくと、溶液15からの反射光と壁14から
の反射光とを合成した光が観察されることになる。ま
た、その壁14に光を吸収あるいは散乱する性質を持たせ
ておくと、その壁14による反射は弱められるので、ほぼ
溶液15からの反射光のみが観察されることになる。いず
れの場合にも、観察者の目に入る光のスペクトルは界面
活性剤溶液15の色によって異なるので、その溶液15から
の反射光の波長が変化すれば、観察者には発色室11の色
が変化したとして認識されることになる。 所望の色変化が得られた時点でポンプ19を止めれば、以
後はその色が保持される。貯液室12は、ポンプ19を作動
させたときに流路バランスの問題から発色室11に圧力が
かかったりその発色室11が減圧状態となったりするのを
防止する保圧器としての役割も果たす。 界面活性剤16は、一般には1ミクロン以上の粒子径の液
晶状態となっているので、フィルタ20としてはそれを濾
過し得る能力を有するものを用いればよい。そのフィル
タ20は、できるだけ発色室11に近く、しかもポンプ19の
吸い込み側に配置することが望ましい。 発色室11の壁13,14には、例えば酸化チタンのような紫
外線を吸収あるいは反射する物質をコーティングしたり
含有させたりすることができる。そのようにすることに
よって、界面活性剤溶液15の紫外線による変質を防止す
ることができる。また、その光学素子10を窓などとして
用いる場合には、その壁13,14に、石英などのような赤
外線を吸収あるいは反射する物質をコーティングしたり
含有させたりすることもできる。そのようにすれば、赤
外線の室内への入射が防止されるようになるので、好適
な窓とすることができる。 第3図は、発明による光学素子の異なる実施例を示す第
2図と同様の構成図である。なお、この実施例におい
て、基本的構成は第2図のものと同様であるので、第2
図の実施例に対応する部分には同じ符号を付すことによ
り、重複する説明は省略する。 この光学素子10の場合には、当初発色室11内に充填され
る液はラメラー構造を有する界面活性剤溶液15の溶媒17
とされている。一方、貯液室12には、濃度の高い界面活
性剤溶液15が貯えられている。そして、ポンプ19によっ
て液が貯液室12から発色室11に向けて送られる側の主管
路18に、フィルタ20が設けられている。その他の構成は
第2図の実施例と同様である。 このように構成された光学素子10においては、フィルタ
20を不作動状態としてポンプ19を駆動すると、濃い界面
活性剤溶液15が発色室11に導入されるので、その発色室
11内の界面活性剤溶液15の濃度が上昇する。また、フィ
ルタ20を作動状態とすると、界面活性剤16が濾過されて
溶媒17のみが発色室11内に導かれるので、発色室11内の
界面活性剤溶液15の濃度が低下する。 このように、この光学素子10においても、発色室11内の
界面活性剤溶液15の濃度が変えられるので、第2図の実
施例の場合と同様な作用効果を得ることができる。 第4図は、本発明による光学素子をより具体化した実施
例を示す構成図である。 この光学素子30の場合には、発色室31は、厚さ6mm、縦3
0cm、横30cmの2枚のガラス板32,32を互いに向かい合わ
せ、その周囲を、スペーサー兼シール部材としての厚さ
0.5mmのマイラー33を介してエポキシ系接着剤で接着す
ることによって形成されている。その発色室31には、上
端及び下端のそれぞれ3箇所に内径3mmのガラス管が接
着され、それによってそれぞれ3個の液流入口34及び液
流出口35が形成されている。そして、その液流入口34及
び液流出口35に、プラスチックチューブからなる管路3
6,37がそれぞれ接続されている。すなわち、各管路36,3
7は3本に分岐して、それぞれ異なる位置で発色室31に
連通するようにされている。 上側の管路36の他端は、容積50ccのプラスチックタンク
からなる貯液室38の上端に接続されている。また、下側
の管路37の他端は、フィルタ39及びポンプ40を介して貯
液室38の下端に接続されている。フィルタ39はゲートバ
ルブ式のもので、ゲート部が1マイクロンのフィルタと
なっており、電動式のアクチュエータが一体的に組み込
まれている。ポンプ40は吐出量が200cc/minの小形のも
ので、発色室31側から液を吸い込んで貯液室38側に吐出
するように配置されている。これらフィルタ39及びポン
プ40は、電気的なリレー回路からなる外部制御装置41に
よって駆動されるようになっている。 こうして、ポンプ40を駆動することにより、液が管路3
6,37を通して発色室31と貯液室38との間で循環するよう
になっている。すなわち、それらの管路36,37によって
循環主管路が形成されている。 上側の管路36には、発色室31の上方及び貯液室38の上方
に、それぞれ液注入口42,43が設けられている。これら
の液注入口42,43は空気抜き口をも兼ねるもので、それ
ぞれ開閉可能とされている。 このような光学素子30を実際に製作し、フィルタ39を作
動状態とした上で、発色室31の上方の液注入口42から3
重量%のイソステアリルジグリセリルエーテル水溶液を
注入して、発色室31内に満たした。また。貯液室38の上
方の液注入口43から純水を注入して、貯液室38及び管路
36,37内に満たした。そして、両方の液注入口42,43を閉
じた。 この状態では発色室31は透明であったが、フィルタ39を
不作動状態としてポンプ40を10秒間作動させた後、ポン
プ40を停止し、再びフィルタ39を作動状態としたとこ
ろ、発色室31は入射光側から見て緑色、青色、及び赤色
の斑模様となった。そして、約40秒後には均一な緑色と
なった。 次いで、その状態でポンプ40を作動させたところ、色む
らを発生しながら徐々に紫がかっていき、約20秒後には
再び透明となった。 この実験結果から、本発明の原理により着色状態が変化
する光学素子が得られることが分かる。 この光学素子30のように循環主管路を複数に分岐させ、
複数の液流入口34及び液流出口35を通して発色室31内に
液を注入あるいは流出させるようにすることにより、発
色室31内において液が撹拌されるようになるので、発色
室31内における界面活性剤溶液の濃度の均一化が促進さ
れ、応答性の速い光学素子とすることができる。 次に、紫外線吸収材料を含む高分子フィルムを中間に挟
んだ合わせガラスをガラス板32,32の代わりに用いて、
同様な工学素子を作成し、同様な実験を行った。その結
果、その光学素子も同様な色変化をすることが確認され
た。しかも、その光学素子の場合には、界面活性剤溶液
の変質が防止されるので、長期間にわたって同様の作動
をした。 また、一方のガラス板32に黒色の油性ペンキを塗って不
透明とした。そして、その光学素子を同じ条件で作動さ
せた。透明なガラス板32側から見ると、初期状態では黒
色であったが、その後は同様に変色した。 更に、第5図に示されているように、第4図の光学素子
30における上側の管路36と下側の管路37とを発色室31の
近傍においてバイパス管路44により接続した。そのバイ
パス管路44には吐出量500cc/minのポンプ45と開閉弁46
とを設けた。また、上側の管路36には、バイパス管路44
との接続位置より上流側に開閉弁47を設けた。 このように構成した後、第4図の実施例と同様にして同
じ液を注入し、光学素子50とした。 この光学素子50の場合にも、弁46を閉じ弁47を開いた状
態でフィルタ39を不作動状態とし、ポンプ40を10秒間作
動させた後、ポンプ40を停止させてフィルタ39を作動状
態とすると、発色室31は、第4図の場合と同様に、入射
光側から見て緑色、青色、及び赤色の斑模様となった。
しかしながら、次に弁46を開いて弁47を閉じ、ポンプ45
を作動させたところ、約7秒後には均一な黄緑色となっ
た。 このように、フィルタ39、ポンプ40、及び貯液室38をバ
イパスして発色室31内の液を循環させることにより、発
色室31内の液の濃度が極めて短時間で均一化されるよう
になるので、応答性を更に高めることができる。第4図
の実施例の場合と色がわずかに違うのは、バイパス管路
44及びポンプ45内の水によって希釈されたためであると
考えられる。 次いで、弁46を閉じ弁47を開いてポンプ40を作動させた
ところ、発色室31は再び透明となった。そこで、ポンプ
40の初期作動時間を15秒として同じ操作を繰り返したと
ころ、発色室31は赤色となった。 また、イソステアリルジグリセリルエーテル水溶液の初
期濃度を1.5重量%とした以外は同じ条件で光学素子50
を作動させた。液を注入した時点では発色室31は赤色で
あったが、10秒間作動させると透明となった。 更に、イソステアリルジグリセリルエーテル水溶液の初
期濃度を0.8重量%とし、これを光学素子50の発色室31
及び貯液室38に満たした。この状態では発色室31は透明
であった。そこで、弁46を閉じ弁47を開くとともにフィ
ルタ39を作動状態として、ポンプ40を15秒間作動させた
後、停止させた。そして、弁46を開くとともに弁47を閉
じてポンプ45を作動させたところ、発色室31は緑色とな
った。 また、第4図の光学素子30における発色室31を、第6図
に示されているように仕切り板51,51によって3室31a,3
1b,31cに仕切り、液流入口34及び液流出口35にそれぞれ
開閉弁52a,52b,52c;53a,53b,53cを設けた。そして、第
4図の実施例の場合と同様にして液を注入し、光学素子
60とした。 弁52a,53aのみを開いてこの光学素子60を5秒間だけ作
動させたところ、発色室31のうち室31aの部分のみが青
色となった。次に、弁52a,53aを閉じて弁52c,53cを開
き、光学素子60を7秒間だけ作動させたところ、室31c
の部分が赤色に変化した。 このように、発色室31を複数の室に仕切ることにより、
各部分が種々の色を呈する光学素子60とすることができ
る。 なお、上記実施例においては、フィルタ20あるいは39と
して、作動状態と不作動状態とに切り換えられる可変型
のものを用いるようにしているが、固定式フィルタとそ
れをバイパスするバイパス回路とを組み合わせることに
よって、同様な作動を行わせるようにすることもでき
る。
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ラメ
ラー構造を有する界面活性剤溶液を発色室に導き、フィ
ルタを通して、あるいは通さないで液を循環させること
により、発色室内の界面活性剤溶液の濃度を変化させる
ようにしているので、その発色室を透明あるいは任意の
色に変化させることができる。したがって、透明状態と
着色状態の間で色変化する光学素子、あるいはある色か
ら他の色へと着色状態が変化する光学素子とすることが
できる。しかも、液循環用のポンプを止めれば、発色室
内の界面活性剤溶液の濃度は一定に保たれるので、外部
から電界等のエネルギを供給することなく透明あるいは
着色状態で維持することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による光学素子の原理を説明するため
の説明図、 第2図は、本発明による光学素子の原理的な実施例を示
す構成図、 第3図は、第2図の光学素子の変形例を示す構成図、 第4図は、本発明による光学素子の実際的な実施例を示
す構成図、 第5図は、第4図の光学素子を更に改良した実施例を示
す構成図、 第6図は、第4図の光学素子を変形した実施例を示す説
明図である。 10……光学素子、11……発色室 12……貯液室、13,14……壁 15……界面活性剤溶液 16……界面活性剤、17……溶媒 18……循環主管路、19……ポンプ 20……フィルタ 30……光学素子、31……発色室 32……ガラス板(壁) 34……液流入口、35……液流出口 36,37……管路(循環主管路) 38……貯液室、39……フィルタ 40……ポンプ、41……外部制御装置 44……バイパス管路、45……ポンプ 46,47……開閉弁、50……光学素子 51……仕切り板、60……光学素子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方の壁が透明とされており、
    ラメラー構造を有する界面活性剤溶液が充填される発色
    室と、 その発色室に循環主管路を介して接続され、前記界面活
    性剤溶液の溶媒あるいは前記界面活性剤溶液より濃度の
    低い界面活性剤溶液が貯えられる貯液室と、 前記循環主管路に設けられ、これら発色室と貯液室との
    間で液を循環させるポンプと、 そのポンプによって前記発色室から前記貯液室に送られ
    る液に含まれている界面活性剤の通過を許容する状態と
    阻止する状態とに切り換えられるフィルタと、 を備えてなる光学素子。
  2. 【請求項2】少なくとも一方の壁が透明とされており、
    濃度の低い界面活性剤溶液あるいはその溶媒が充填され
    る発色室と、 その発色室に循環主管路を介して接続され、前記界面活
    性剤溶液より濃度の高いラメラー構造を有する界面活性
    剤溶液が貯えられる貯液室と、 前記循環主管路に設けられ、これら発色室と貯液室との
    間で液を循環させるポンプと、 そのポンプによって前記貯液室から前記発色室に送られ
    る液に含まれている界面活性剤の通過を許容する状態と
    阻止する状態とに切り換えられるフィルタと、 を備えてなる光学素子。
  3. 【請求項3】前記循環主管路が前記発色室への接続部に
    おいて複数に分岐しており、複数の口を介して前記発色
    室に接続されている、 請求項1又は2記載の光学素子。
  4. 【請求項4】前記発色室が複数の室に仕切られており、
    その各室に前記循環主管路がそれぞれ接続されている、 請求項1ないし3のいずれか記載の光学素子。
  5. 【請求項5】前記循環主管路に、前記貯液室、ポンプ、
    及びフィルタをバイパスするバイパス管路が接続されて
    おり、 そのバイパス管路に前記発色室内の液を循環させるポン
    プが設けられるとともに、 それら主管路及びバイパス管路に、それぞれ液を選択的
    に流す弁が設けられている、 請求項1ないし4のいずれか記載の光学素子。
  6. 【請求項6】前記発色室の壁が、紫外線及び/又は赤外
    線を吸収あるいは反射する物質を有している、 請求項1ないし5のいずれか記載の光学素子。
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