JPH0790354B2 - 耐摩耗性摺動部材の製造方法 - Google Patents

耐摩耗性摺動部材の製造方法

Info

Publication number
JPH0790354B2
JPH0790354B2 JP9267287A JP9267287A JPH0790354B2 JP H0790354 B2 JPH0790354 B2 JP H0790354B2 JP 9267287 A JP9267287 A JP 9267287A JP 9267287 A JP9267287 A JP 9267287A JP H0790354 B2 JPH0790354 B2 JP H0790354B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
sliding member
model
sliding
shift fork
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP9267287A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63256258A (ja
Inventor
博 塩見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP9267287A priority Critical patent/JPH0790354B2/ja
Publication of JPS63256258A publication Critical patent/JPS63256258A/ja
Publication of JPH0790354B2 publication Critical patent/JPH0790354B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐摩耗性を有する摺動部材製造方法に関す
る。
この摺動部材は、少なくとも摺動面付近において部分的
に高珪素含有量を有する耐摩耗性に優れたアルミニウム
合金、鋳鉄等からなる摺動部材の製造方法に利用され
る。
〔従来の技術〕
例えば、自動車用のトランスミッションにおけるアルミ
合金製のシフトフォークのような摺動部材は、耐摩耗
性、耐焼付性に優れ、高強度であることが要求される。
これに対して、従来は次のような対策が採られていた。
すなわち、特に耐摩耗性に対応するため、高珪素(過共
晶珪素)を含有したアルミニウム合金を採用するととも
に、その採用個所を、摺動面に限る方法が採られていた
(例えば、特開昭56−102546号、特開昭58−50024号を
参照されたい)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが、これらの方法によれば、次のような問題があ
った。
特開昭56−102546号に開示された技術によれば、初晶珪
素の面接率が2〜18%である過共晶珪素Al合金からなる
摺動部分を、鋳込み、鋳ぐるみ、接着、機械固定、溶射
等により接合する技術が開示されている。
また、特開昭58−50024号によれば、溶融状態の高珪素A
lを貫通孔に注入し、摺動部分とする技術が開示されて
いる。
ところが、これらの従来技術においては、本体に摺動部
材を接合しているため、長期間使用する間に剥離、分離
が生じる問題があった。また、これらの接合手段は、仕
上げのための後加工に時間を要する欠点があった。
したがって、本発明の目的は、少なくとも摺動面付近に
おいて部分的に高珪素含有量を有する摺動部材の製造に
当たって、高珪素を含有する部位の剥離を防止した摺動
部材の製造方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明の耐摩耗性摺動部材の製造方法は、所定
量の珪素を含有した消失性模型を用いて鋳造することに
より、所望の部位に耐摩耗性を付与可能とした製造方法
を特徴とする。
具体的には、本発明の構成は次の通りである。
本発明は、摺動面に耐摩耗性を有する部材を製造する方
法である。
まず、摺動部材を鋳造する鋳型内の少なくとも摺動面付
近に相当する部位に粒径が30〜100μmの珪素を13〜20W
t%含有する消失性模型を配設する。
次に、珪素の含有量が12Wt%以下の溶湯を鋳型内へ注湯
する。
これにより、溶湯の熱で消失性模型のみを消失させ、摺
動部材の少なくとも摺動面付近を12〜20Wt%の過共晶珪
素を含有させるようにしたものである。
上述の本発明の構成おいて、摺動部材を構成する材料と
しては、アルミニウム合金、鋳鉄等がある。
また、使用する消失性模型は、模型成形用型の摺動面付
近に予め珪素粉を配しておき、発泡ポリスチレン、発泡
ポリプロピレン、発泡ポリエチレン等の発泡性樹脂ビー
ズを充填し発泡させて製造することができる。この場合
は、ごく表面のみの耐摩耗性の向上が図られる。
また、珪素粉と発泡性樹脂ビーズを混合・撹拌してお
き、模型成形用型の所定位置へ配設し、発泡させて製造
してもよい。この場合は、広く均一に分散させることが
できる。
〔作用〕
上述の本発明の耐摩耗性摺動部材の製造方法によれば、
注湯時に高い珪素を含有した消失性模型の消失部分が溶
湯の熱により消失し溶湯と置き変わり、摺動部分のみ高
い珪素含有率を有する過共晶珪素を有するので、摺動面
の耐摩耗性が高くなるが、本体と摺動部分は一体で形成
されることになる。
なお、添加する珪素についての数値限定理由を以下に述
べる。
まず、摺動部分である消失性模型に予め配設する珪素の
粒径が30μmより小さいと、凝集して消失性模型中に珪
素を均一に分散することができなくなる。
また、添加する珪素の含有量が鋳造後13Wt%より小さく
なるときも、量が少なくなるため、均一な分散ができな
くなる。
また、珪素の粒径が100μmより大きいと、消失性模型
の中で珪素粒子が浮き上がるため、均一に分散すること
ができなくなる。
また、珪素の含有量が鋳造後20Wt%を越えるときは、量
が多いためやはり均一に分散することができなくなる。
〔実施例〕
(第1実施例) 次に、第1図ないし第5図に基づき、本発明にかかる耐
摩耗性摺動部材の製造方法の第1実施例を説明する。
本第1実施例は、爪部を摺動面とするアルミ合金製のシ
フトフォークへの適用例である。
第1図は消失性模型を納めた状態の鋳造型の水平方向断
面図、第2図は消失性模型の成形型の縦断面図、第3図
は鋳造されたシフトフォークの正面図、第4図は鋳造さ
れたシフトフォークの爪部を切断した金属組織の顕微鏡
写真、そして、第5図は鋳造されたシフトフォークの本
体部を切断した金属組織の顕微鏡写真である。
本第1実施例における爪部を摺動面とするシフトフォー
クは、次の手順で製造させる。
まず、消失性模型を作製する。
消失性模型の作製には、第2図に示す発泡成形型10を用
いる。発泡成形型10は、鉄製で水平方向へ分割可能とな
っている。そして、シフトフォークの爪部に相当する複
数個のキャビティ12を有し、キャビティ12には、発泡性
樹脂ビーズ等を充填するための供給孔14が形成されてい
る。これらのキャビティ12においてシフトフォークの爪
部に相当する部位12aには、珪素粉末16が所定量充填さ
れる。本実施例では、50〜70μmの粒径を有する鋳造後
17Wt%となる量の珪素粉末16を、それぞれ充填した。そ
の後、キャビティ16の残された空間に、発泡ポリスチレ
ンからなる樹脂ビーズ18を充填した(第2図に示す状
態)。
樹脂ビーズ18の充填が完了した後、供給孔14より温度80
℃のスチームをキャビティ12内へ供給し、樹脂ビーズ18
を発泡させた。樹脂ビーズ18は、シフトフォークの爪部
に相当する部位に珪素粉末16を複合した状態で発泡さ
れ、珪素粉末16を含有した発泡樹脂の消失性模型20が得
られた。
次に、第1図に示す鋳造型22のキャビティ22aに上述の
如く作製した消失性模型20を収容した。そして、JIS規
格におけるダイカスト用アルミニウム合金であるADC12
を用い、ダイカスト鋳造により、キャビティ22aに加圧
された溶湯を供給した。供給されたアルミニウム合金溶
湯は、キャビティ22a内の消失性模型20と接触して、熱
により発泡性樹脂を消失させるとともに、発泡性樹脂に
含まれる珪素粉末をシフトフォークの摺動面に相当する
部位に複合した。その結果、摺動面は、消失性模型20に
含まれていた珪素と溶湯中に含まれていた珪素が合わさ
り、高い珪素を含有するようになった。
鋳造型22の冷却後、摺動面に高珪素を含有したシフトフ
ォークを鋳造型22により取り出して、切削等の後加工を
施して製品に仕上げた。第3図にそのシフトフォークを
示すが、斜線を施した部分が高い珪素含有量を示す爪部
分である。
上述のようにして作製したシフトフォークの爪部分の切
断面における金属組織の顕微鏡写真を第4図示すよう
に、黒く見える初晶珪素が表面付近にまで均一に分散し
ているのが分かる。
また、シフトフォークの本体部分の切断面における金属
組織の顕微鏡写真を第5図に示すが、これは一般的なア
ルミニウム合金ダイカストの金属組織断面でもあること
が分かる。
次に、上述のシフトフォークの試験を行ったので、その
結果を比較例と合わせて説明する。
比較例としては、JIS規格におけるADC12合金を用い、ダ
イカストにより鋳造したシフトフォーク粗材の踏め部分
の摺動面のみを機械加工により切除し、珪素量17Wt%の
AA規格A390合金にて別途鋳造した摺動部をネジを用いて
螺合したものを使用した。
試験は、シフトフォーク粗材を変速機に組み付け、次の
条件で耐久試験で行った。
スリーブ回転数……800rpm シンクロ荷重……12〜14kg(レバー上における荷重) シンクロ耐久……ギヤの1速と2速の間をシフトした。
負荷サイクル……0.5〜0.6秒で250000回。
オイルの温度……55〜60℃(SAE#ギヤオイルを使用) 試験の結果、本実施例のシフトフォークは、250000回を
終了した段階で20〜30μmの摩耗量であり、実用上問題
が無かった。これに対して、比較例のものは、160000回
で摺動部の脱落が生じたため、その時点で試験を中止し
た。なお、その時点での比較例の摩耗量は、15〜20μm
であった。
(第2実施例) 次に、第6図および第7図に基づき、本発明にかかる耐
摩耗性摺動部材の製造方法の第2実施例を説明する。
本第2実施例は、ボア部を摺動面とするアルミニウム合
金製のシリンダブロックへの適用例である。
第6図はシリンダブロックの斜視図、そして、第7図は
ボア部の消失性模型の斜視図である。
本第2実施例においては、第7図に示すようなボアを構
成するスリーブ状の消失性模型50を用いて、第6図に示
すようなアルミニウム合金製シリンダブロック52を鋳造
した。
シリンダブロック52の作製手順は、第1実施例と略同様
であるが、異なる点を次に述べる。
珪素粉末は、粒径30〜60μm、含有量17Wt%のものを、
予め発泡性ポリスチレン樹脂からなる樹脂ビーズととも
に混合撹拌したものを、消失性模型の成形型のキャビテ
ィ内へ充填しておき、温度80℃のスチームを通して発泡
させ、珪素粉末を含有した発泡樹脂からなる消失性模型
とした。
次に、鋳造は、重力鋳造により行った。そして、鋳造さ
れたシリンダブロック50は、T6処理による熱処理を施し
た。
その結果、本実施例のシリンダブロック50は、そのボア
50a部分に高珪素を含有した摺動面が形成され、摺動試
験の結果でも、摩耗量が少なく、剥離、脱落等のない極
めて高い性能が得られた。
以上、本発明の特定の実施例について説明したが、本発
明は、この実施例に限定されるものではなく、特許請求
の範囲に記載の範囲内で種々の実施態様が包含されるも
のである。
〔発明の効果〕
以上より、本発明の耐摩耗性摺動部材の製造方法によれ
ば、本体と摺動部分は一体に成形されるので、摺動部分
が本体より剥離したり分離することが無くなる。
また、鋳型で成形される部材の形状と同一形状の消失性
模型が使用されるので、鋳型にそのままの状態で消失性
模型を納めることができ、鋳型を加工する必要がないと
いう利点がある。
また、一体成形であるので、耐摩耗性部材を接合した場
合と異なり、後加工の必要がない。
また、珪素を添加剤として用いているので、強度、耐食
性、鋳造性等に優れるとともに、部材の母材となる合金
の選択の範囲が広く、安価な材料の選択が可能である。
また、消失性模型使用するだけであり、後加工に比べて
コストが低減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図は、本発明にかかる耐摩耗性摺動部
材の製造方法の第1実施例を説明するための図面および
写真である。 第1図は消失性模型を納めた状態の鋳造型の水平方向断
面図である。 第2図は消失性模型の成形型の縦断面図である。 第3図は鋳造されたシフトフォークの正面図である。 第4図は鋳造されたシフトフォークの爪部を切断した金
属組織の顕微鏡写真である。 第5図は鋳造されたシフトフォークの本体部を切断した
金属組織の顕微鏡写真である。 第6図および第7図は、本発明にかかる耐摩耗性摺動部
材の製造方法の第2実施例を説明するための図面であ
る。 第6図はシリンダブロックの斜視図である。 第7図はボア部の消失性模型の斜視図である。 20……消失性模型 22……鋳造型

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】摺動面に耐摩耗性を有する部材を製造する
    方法であって、 前記部材を鋳造する鋳型内の少なくとも摺動面付近に相
    当する部位に粒径が30〜100μmの珪素を13〜20Wt%含
    有する消失性模型を配設し、珪素の含有量が12Wt%以下
    の溶湯を鋳型内へ注湯することにより、溶湯の熱により
    前記消失性模型のみを消失させ、前記部材の少なくとも
    摺動面付近を12〜20Wt%の過共晶珪素を含有させること
    を特徴とする耐摩耗性摺動部材の製造方法。
JP9267287A 1987-04-15 1987-04-15 耐摩耗性摺動部材の製造方法 Expired - Lifetime JPH0790354B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9267287A JPH0790354B2 (ja) 1987-04-15 1987-04-15 耐摩耗性摺動部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9267287A JPH0790354B2 (ja) 1987-04-15 1987-04-15 耐摩耗性摺動部材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63256258A JPS63256258A (ja) 1988-10-24
JPH0790354B2 true JPH0790354B2 (ja) 1995-10-04

Family

ID=14060973

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9267287A Expired - Lifetime JPH0790354B2 (ja) 1987-04-15 1987-04-15 耐摩耗性摺動部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0790354B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR960023161A (ko) * 1994-12-05 1996-07-18 전성원 고내마모성 알루미늄합금의 제조방법
CN107598136B (zh) * 2017-08-10 2020-11-03 安徽省凤形新材料科技有限公司 一种陶瓷颗粒金属复合材料的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63256258A (ja) 1988-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5000244A (en) Lost foam casting of dual alloy engine block
Hu Squeeze casting of magnesium alloys and their composites
US3069209A (en) Method of bonding a bi-metallic casting
US6261432B1 (en) Process for the production of an object with a hollow space
Tenekedjiev et al. Hypereutectic aluminium-silicon casting alloys—a review
US5303682A (en) Cylinder bore liner and method of making the same
Flemings Semi-solid forming: the process and the path forward
US4345637A (en) Method for forming high fraction solid compositions by die casting
JP3191156B2 (ja) 過共晶アルミニウム−珪素合金からシリンダライナを製造する方法
CN102451889A (zh) 砂模铸造带有铸态凹角的燃烧碗状物的柴油机活塞
US5259437A (en) Method of obtaining bimaterial parts by moulding
US5165464A (en) Method of casting hypereutectic aluminum-silicon alloys using a salt core
JPH0790354B2 (ja) 耐摩耗性摺動部材の製造方法
US6564854B1 (en) Parts formed by injection molding and manufacturing method thereof
US20070227689A1 (en) Method of Casting an Article
JP3537038B2 (ja) 内燃機関用シリンダライナの製造方法
CN107552754A (zh) 一种半固态流变成型生产镁合金汽车支架类零件的方法
US20050126737A1 (en) Process for casting a semi-solid metal alloy
US10960464B2 (en) Method of casting heterogeneous materials and a casting product manufactured thereby
JPH10156580A (ja) アルミニウムダイカスト材のろう付方法
JP3147692B2 (ja) エンジンのシリンダブロックおよびその製造方法
Marlatt et al. Development in lost foam casting of magnesium
JPS61172666A (ja) 繊維強化筒状部材の製造方法
EP1527833B1 (de) Verfahren zur Herstellung eines Verbundgussteils sowie Verbundgussteil
JPS61195774A (ja) Al−Si合金部材の製造方法