JPH0787099A - Atm網における誤り制御方法 - Google Patents

Atm網における誤り制御方法

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JPH0787099A
JPH0787099A JP5229240A JP22924093A JPH0787099A JP H0787099 A JPH0787099 A JP H0787099A JP 5229240 A JP5229240 A JP 5229240A JP 22924093 A JP22924093 A JP 22924093A JP H0787099 A JPH0787099 A JP H0787099A
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JP5229240A
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Kumiko Kanai
久美子 金井
Takeshi Saito
健 斉藤
Keiji Tsunoda
啓治 角田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 AALタイプ5において高スループットかつ
低レイテンシの信頼性のあるデータ通信を可能とする誤
り制御方法を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、AALタイプ5のCPCSレイヤ
ーよりも上位のレイヤにて行うATM網における誤り制
御方法であって、送信しようとする一続きのデータ列を
一定の長さに順次区切り、それらの先頭を揃えて行方向
に並べるとともに、この区切られた一群のデータごとに
所定の誤り制御符号を付加する手順と、この手順によっ
てマトリックス状に並べられた全データを、前記行方向
とは垂直な列方向に、順次、所定のビット数のデータか
らなる単位データ列として取り出していく手順と、この
手順によって取り出された各単位データ列の送信順序を
受信側に示す符号を前記単位データ列ごとに付加した
後、前記単位データ列をCPCSレイヤーへ渡す手順と
を有してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、AALのタイプ5およ
びユーザによって定義できるAALのタイプにおいて誤
り制御を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多種多様な情報をATMに適応させるに
はATM網と、上位レイヤとのインターワーキングが必
要であり、その機能を備えたAALがATMレイヤと上
位レイヤの間に存在する。
【0003】現在、各種標準化機関によりAALには扱
う情報の種類に応じ現在4つのタイプが標準化されてい
る。すなわち、AALタイプ1は固定ビットレートの音
声・映像などのリアルタイム通信、AALタイプ2は可
変ビットレートのリアルタイム通信、AALタイプ3/
4/5はデータ通信用(ただし、AALタイプ3/5は
コネクションオリエンテッド通信用、AALタイプ4は
コネクションレス用)となっている。この中で、AAL
タイプ3/4、5はデータ通信用であることから、特に
正確さ(信頼性)が要求されるアプリケーションの存在
が考えられるが、現状ではプリミティブな部分の標準化
に留まっており、AALにて誤り制御機能が十分に提供
されているとはいえない。
【0004】このため、正確さが要求されるデータ通信
をAALタイプ3/4、あるいはAALタイプ5のユー
ザが求める場合は、AALのCPCSレイヤよりも上位
のレイヤに、信頼性を保証させるプロトコルを実装する
必要がある。これまで知られている例としては、SSC
S(Service Specific Convergence Sublayer;サービス
依存CS)に再送制御を基本としたプロトコルを実装す
る方法(例えば、ITU−TS(旧CCITT)のQ.
SAALプロトコル)や、SSCSをヌルとし、その上
位にトランスポートレイヤプロトコル(例えば、TCP
やOSI/TP4など)を実装する方法などがある。
【0005】このような方法は、すべて再送により、そ
の信頼性を確保する方法である。
【0006】また、別のアプローチとして、送信するデ
ータに対して誤り訂正符号を付与して、通信を行い、網
内にて多少の情報の廃棄、誤りが生じた場合でも、受信
側にて該失われた情報の再生を行うというものもある。
【0007】その例として、AALタイプ1(実時間C
BR通信用)のオプションとして用意されている誤り制
御符号を用いる方式がある。
【0008】この方式は、送信側から受信側へ音声・映
像などのリアルタイム通信を行う際に、該データに誤り
制御符号を付与する方式である。この方式の送受信手順
を次に示す。
【0009】まず、送信側の処理の手順は、以下のごと
くである。
【0010】(1)上位レイヤから渡された送信データ
が図30の様にCSレイヤに渡される。
【0011】(2)CSレイヤでは、上位レイヤから受
け取った送信データを以下の要領でインターリーブす
る。即ち、送信データを図31(a)のように行方向に
並べ、次に(b)のようにそれぞれの行に対して前方誤
り訂正符号(以下、FEC(Forward Error Correctio
n)と略記する)を計算する。図を見てわかるように、
送信データ124オクテットごとに、FEC4オクテッ
トを加えていく形となる。
【0012】ここで、FECとは、送信するデータに付
与する誤り訂正符号を意味する。AALタイプ1では、
このFECとして、リード・ソロモン符号を指定してい
る。リードソロモン符号とは、単位長さのビットの塊を
1つの符号長(シンボルと呼ぶ)とし、これを単位とし
て、誤り検出・訂正演算を行う手法であり、「ビットの
塊」をその誤り制御の対象としていることから、バース
ト誤りに適した誤り制御符号として知られている。該A
ALタイプ1では、1オクテット(=8ビット)を1シ
ンボル(符号長)としている。
【0013】(3)SARレイヤにてセルのペイロード
長に区切られる際、図31(c)の様に、インターリー
ブデータは、左上端から順に、列方向(縦方向)に順次
読み出されてATMセル化されていく。この列とは、上
記リードソロモン符号の1シンボル(=1オクテット)
をその単位としている。即ち、1行目から1オクテット
読みだされた後、次の2行目の1オクテットが読みださ
れ、次に3行目・・・といった形となる。
【0014】縦1列分は結局47オクテットとなり、こ
れに対してCSから渡されたSN(シーケンス番号、4
ビット)とSNP(Sequence Number Protect ;シーケ
ンス番号のための誤り制御符号、4ビット)がSARヘ
ッダ(計1オクテット)としてつけられ、これが図32
のようにATMセルのペイロード(48オクテット)に
格納される。
【0015】(4)図33のようにATMヘッダをつけ
ATMセルとし、網側に送出する。
【0016】続けて、受信側の処理の手順を、以下に示
す。
【0017】(1)ATMヘッダの値により、AALタ
イプ1のインターリーブを行っているセルのみ(ただ
し、コネクション数も1)をフィルタリングして取り出
す。
【0018】(2)ATMヘッダを取り去り、SARヘ
ッダを検査する。この検査とは、到着するSNを調べて
いくことによるセルの抜けの検出を意味する。
【0019】ATM通信方式では、その原理上、網内で
のセルの廃棄(セルの紛失)が一定の確率で生じること
が避けられない。このセルの廃棄を、セルごとに付与さ
れるシーケンス番号により検出する。
【0020】(3)セルの廃棄が検出された場合、廃棄
されたセルのSNをCSレイヤに知らせることによって
どのセルが廃棄されたのかを特定(廃棄位置の特定)
し、予め付加しておいたFECを用いて誤りを訂正す
る。
【0021】なお、リードソロモン符号では、セル廃棄
のように(廃棄)位置の特定はされないが、到着したデ
ータにビット誤りが含まれていたとしてもFECで同時
に訂正できる。ただし、これは多くの処理過程、処理時
間を要する。
【0022】このように、AALタイプ1では、オプシ
ョンとして、FECコードを付加することによってリア
ルタイムで(すなわち、再送を行うこと無しに)、信頼
性のある通信を保証することができる。
【0023】一方、ATM網でデータ転送を行う場合、
AALとしては基本的にタイプ3/4、または5のいず
れかを用いることとなるが、タイプ5の方が処理が簡単
になっており高速性を追求したものとなっている。しか
し、タイプ3/4、5とも、そのSARレイヤやCPC
Sレイヤにおいては、特に信頼性保証のための誤り制御
を行っていないため、信頼性のあるデータ通信を欲する
ユーザは、何らかの手段で誤り制御を行わなければなら
ない。
【0024】どのような誤り制御を行うのが適当かとい
う問題については、現在のところ、前述のようにCPC
Sの上位のレイヤ(SSCS、またはトランスポートレ
イヤ)に再送制御を基本としたプロトコルを実装する方
式が知られている。
【0025】しかしながら、(1)次世代通信方式とし
て、ATM方式が本命視される中、ITU−TSや、A
TMフォーラムなどの標準化機関により標準化が進めら
れているデータ通信用AALタイプ(具体的にはAAL
タイプ5)が、今後の高速端末(マルチメディア端末を
含む)に実装されていく可能性が極めて高い、(2)A
ALタイプ5は高スループット、低レイテンシを目的と
している、(3)大容量トランザクションなど、大容量
で、実時間性が求められ(再送制御が基本的に許されな
い)、かつ信頼性も要求されるアプリケーションが今後
ますます増えていくと考えられる、(4)LAN、MA
N、WANなど、通信網の広域化がなされている。通信
網が広域であればあるほど、上記のレイテンシの確保
と、再送による誤り制御とは相いれないものとなってく
る(広域においては、情報の再送に莫大な時間がかかる
こととなる)、(5)一般に、再送による誤り制御を行
う方式においては、再送の単位は上位レイヤパケット群
(具体的には、たとえばTCPパケットや、レイヤ4パ
ケットグループ)であり、セルの廃棄といった比較的小
さな単位のデータの消失に対し、大きなデータの再送を
求めるものとなっており、網資源の浪費につながる場合
がある、などの理由により、上述のような再送を基本と
する誤り制御方式をATM端末上に実装するのみでは、
対処が難しいデータ通信領域がますます増大していくこ
とが考えられる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のATM網でデータ転送を行う場合、特に、今後の高速
端末に実装されていく可能性が極めて高いAALタイプ
5にてデータ転送を行う場合、高スループット、低レイ
テンシといったサービス品質を確保することは、再送に
よる誤り制御では極めて困難であった。
【0027】一方、前述したAALタイプ1における誤
り制御符号を用いる方法のような手法をAALタイプ5
に適用することは、それらのプロトコルの本質的な相違
から難しかった。
【0028】本発明は、このようなことを鑑みなされた
ものであり、AALタイプ5において高スループットか
つ低レイテンシの信頼性のあるデータ通信を可能とする
誤り制御方法を提供することを目的とするとともに、併
せて、ユーザ定義のAALにおいて高スループットかつ
低レイテンシの信頼性のあるデータ通信を可能とする誤
り制御方法を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明(請求項1)では、ATMアダプテーション
レイヤ・タイプ5のコモン・パート・コンバージェンス
・サブレイヤーよりも上位のレイヤにて行うATM網に
おける誤り制御方法であって、送信しようとする一続き
のデータ列を一定の長さに順次区切り、それらの先頭を
揃えて行方向に並べるとともに、この区切られた一群の
データごとに所定の誤り制御符号を付加する第1の手順
と、前記第1の手順によってマトリックス状に並べられ
た全データを、前記行方向とは垂直な列方向に、順次、
所定のビット数のデータからなる単位データ列として取
り出していく第2の手順と、前記第2の手順によって取
り出された各単位データ列の送信順序を受信側に示す符
号を前記単位データ列ごとに付加した後、前記単位デー
タ列をコモン・パート・コンバージェンス・サブレイヤ
ーへ渡す第3の手順とを有してなることを特徴とする。
【0030】また、本発明(請求項2)では、ATMア
ダプテーションレイヤ・タイプ5のコモン・パート・コ
ンバージェンス・サブレイヤーよりも上位のレイヤにて
行うATM網における誤り制御方法であって、送信しよ
うとする一続きのデータ列を一定の長さに順次区切り、
それらの先頭を揃えて行方向に並べるとともに、この区
切られた一群のデータごとに所定の第1の誤り制御符号
を付加する第1の手順と、前記第1の手順によってマト
リックス状に並べられた全データを、前記行方向とは垂
直な列方向に、順次、所定のビット数のデータからなる
単位データ列として取り出していく第2の手順と、前記
第2の手順によって取り出された各単位データ列のAT
Mセルのペイロード長よりも短い一定長のデータごと
に、この一定長のデータの送信側でのセル送出順を受信
側に示す符号と、この符号および前記一定長ごとのデー
タの双方のビット誤りを検出するための第2の誤り検出
符号とを挿入する第3の手順とを有してなることを特徴
とする。
【0031】一方、本発明(請求項3)に係るATM網
における誤り制御方法は、送信しようとする一続きのデ
ータ列をATMセル化する際、送信側でのセル単位のセ
ル送出順を受信側に示す符号と、この符号および前記A
TMセルのデータ部を保護するための誤り制御符号とを
セル単位に付加することを特徴とする。
【0032】また、本発明に係るATM網における誤り
制御方法は、送信しようとする一続きのデータ列を一定
の長さに順次区切り、それらの先頭を揃えて行方向に並
べるとともに、この区切られた一群のデータごとに所定
の第1の誤り制御符号を付加する第1の手順と、前記第
1の手順によってマトリックス状に並べられた全データ
を、前記行方向とは垂直な列方向に、順次、所定のビッ
ト数のデータからなる単位データ列として取り出してい
く第2の手順と、前記第2の手順によって取り出された
所定数の単位データ列と、送信側でのセル単位のセル送
出順を受信側に示す符号と、この符号および当該単位デ
ータ列を保護するための第2の誤り制御符号とをATM
セルのデータ部として、ATMセル化を行う第3のステ
ップとを有してなることを特徴としても良い。
【0033】ここで、上記2番目、3番目および4番目
に掲げた各方法において、前記セル送信順を受信側に示
す符号および前記誤り制御符号をセルの最後部に位置さ
せるようにすると好ましい。
【0034】また、上記1番目に掲げた方法において、
ATMアダプテーションレイヤ・タイプ5のコモン・パ
ート・コンバージェンス・サブレイヤーで検査されるC
RC符号もしくは長さ表示により誤りが検出された場
合、または前記単位データ列の送信順序を受信側に示す
符号に誤りが検出された場合に、前記誤り制御符号の復
号装置に、当該誤り部分列の位置を通知するようにして
も良い。
【0035】上記2番目に掲げた方法において、各AT
Mセルに少なくとも1つ以上付与された前記第1の誤り
制御符号により、誤りが検出された場合、または前記セ
ル送出順を受信側に示す符号に誤りが検出された場合
に、前記第1の誤り制御符号の復号装置に、該誤り位置
を通知するようにしても良い。
【0036】上記4番目に掲げた方法において、前記セ
ル送出順を受信側に示す符号に誤りが検出された場合、
または前記第2の誤り制御符号により誤りが検出された
場合に、前記第1の誤り制御符号の復号装置に、該誤り
位置を通知するようにしても良い。
【0037】さらに、上記のように、誤り制御符号の復
号装置に、該誤り位置を通知するようにした場合、それ
ぞれにおいて、前記CRC符号もしくは長さ表示あるい
は前記第2の誤り制御符号に誤りが検出されるごとに、
および送出時の送出順を受信側に示す順序性のある符号
に一連でない部分が発見されるごとに、カウンタを増加
させ、このカウンタ値があらかじめ設定した値を越えた
場合に、所定の処理を実行するようにしても良い。
【0038】
【作用】本発明(請求項1)に係るATM網における誤
り制御方法によると、 (1)AALタイプ5のCPCSよりも上位のレイヤに
て、第1の手順と第2の手順にて構成されるデータ構造
を構成することができ、FECを用いた誤り制御方式を
実現する枠組みを提供することができる。このことによ
り、再送制御を行うこと無しに、信頼性の要求されるデ
ータ通信を行う枠組みをAALタイプ5上に構築するこ
とができる。
【0039】(2)ATM網内にて発生したセル廃棄に
よる情報の欠落に対して、AALタイプ5のトレイラ情
報(具体的には長さ表示またはCRC符号)を用いて、
これを検出することができるため、上記データ構造に不
完全なデータを送ることがない。
【0040】(3)ATM網内にて発生したランダムビ
ット誤りによる情報の誤りに対して、AALタイプ5の
トレイラ情報(具体的にはCRC)を用いてこれを検出
することができるため、上記データ構造に不完全なデー
タを送ることがない。
【0041】などの利点を享受することができる。
【0042】これらは、AALタイプ5のCPCSの上
位レイヤに、ただ単に行*列のデータ構造を導入したの
みでは、リードソロモン符号による誤り制御方式を運用
することはできず、本発明のように、情報の抜け位置を
特定できる位置情報を導入することによりはじめてこれ
が可能となっている。
【0043】なお、この方法において、ATMアダプテ
ーションレイヤ・タイプ5のコモン・パート・コンバー
ジェンス・サブレイヤーで検査されるCRC符号もしく
は長さ表示により誤りが検出された場合、または前記単
位データ列の送信順序を受信側に示す符号に誤りが検出
された場合に、前記誤り制御符号の復号装置に、当該誤
り部分列の位置を通知するようにした場合、 (4)セル廃棄を原因とする列抜けと、伝送路符号誤り
を原因とするランダムビット誤りを上記の機構を用いて
同等のものとして扱い、処理を行うことから、前記誤り
制御符号(誤り訂正符号)に対して迅速な誤り位置の通
知を行うことができ、ひいては迅速な誤り訂正を行うこ
とができると共に、セル廃棄を原因としたデータ誤り
と、ランダムビット誤りを原因としたデータ誤りを、
(前記誤り制御符号にランダムビット誤り位置の特定能
力を持たせることなく)一括して処理することのできる
環境を提供することが可能となる、という利点をも享受
することができる。
【0044】また、本発明(請求項2)に係るATM網
における誤り制御方法によると、CPCSレイヤの上位
レイヤにて付与する位置情報とデータに対してビット誤
りを検出するための前記第2の検出符号を付与すること
により、CPCSにてCRC誤りが検出された場合で
も、CPCSの上位レイヤにて、受信したデータの位置
情報が信頼できる値であるか否かを該上位レイヤ内にて
確認することができ、情報抜けの位置を特定することが
できると共に、位置情報のみならずデータに対しても誤
り検出符号が付与されているため、受信側装置のCPC
Sよりも上位のレイヤにおいて、任意位置のランダムビ
ット誤りをも検出することが可能となる。また、この方
法において、各ATMセルに少なくとも1つ以上付与さ
れた前記第1の誤り制御符号により、誤りが検出された
場合、または前記セル送出順を受信側に示す符号に誤り
が検出された場合に、前記第1の誤り制御符号の復号装
置に、該誤り位置を通知するようにした場合、前述した
請求項1に係るATM網における誤り制御方法と同様の
理由により、FECを用いた誤り制御方式に対し迅速な
対処が可能となる。
【0045】また、この場合、ATMセル化されたデー
タの使用効率をより改善できる利点もある。
【0046】一方、本発明(請求項3)に係るATM網
における誤り制御方法によれば、セル単位に順序符号
(例えばシーケンス番号)と誤り制御符号を付与するこ
とにより、ATM網におけるセルの廃棄およびATM網
におけるランダムビット誤りの2つを同時にセル単位で
検証することができるので、ATM網においてより信頼
性のある通信を実現することが可能となる。
【0047】また、これらの符号は、WAN領域など再
送による誤り制御が困難な場合のFECを用いた誤り制
御方式や、また、セル単位に順序符号と誤り制御符号を
付与するようにしたことによって、どのセルにランダム
ビット誤りがあるかを検出し、どのセルが抜けているか
を検出し、およびどのセルを再送してほしいかを要求・
返答することが可能となるので、セル単位の再送制御を
行って、無駄なデータ再送を行わない効率的な誤り制御
を行う場合の制御情報としてこれを用いることができ
る。
【0048】また、この方法において、前記セル送出順
を受信側に示す符号に誤りが検出された場合、または前
記第2の誤り制御符号により誤りが検出された場合に、
前記第1の誤り制御符号の復号装置に、該誤り位置を通
知するようにした場合、前述した請求項1に係るATM
網における誤り制御方法と同様の理由により、FECを
用いた誤り制御方式に対し迅速な対処が可能となる。
【0049】請求項2および3に係るATM網における
誤り制御方法および前記4番目に掲げた方法において、
各セルの送信順序を示す符号と誤り制御のための符号を
セルの最後部に位置させるようにした場合、制御情報を
1カ所に集めることができるため処理装置の構成が簡単
になる利点を得ることができるとともに、データのアラ
インメントを行いやすくなる利点を得ることができる。
【0050】さらに、上記のように、誤り制御符号の復
号装置に、該誤り位置を通知するようにした場合のそれ
ぞれにおいて、前記CRC符号もしくは長さ表示あるい
は前記第2の誤り制御符号に誤りが検出されるごとに、
および送出時の送出順を受信側に示す順序性のある符号
に一連でない部分が発見されるごとに、カウンタを増加
させ、このカウンタ値があらかじめ設定した値を越えた
場合に、所定の処理を実行するようにした場合、誤り制
御能力の限界値をこえる誤り数に対応して、予め前記カ
ウンタに一定値を設定しておき、このカウンタのカウン
ト値が当該一定値を越えた場合に、カウンタから誤り制
御符号の復号装置にその旨を通知して、該当するデータ
の部分については誤り制御符号の復号処理を行わないよ
うにすると共に、上位のアプリケーションにも通知し、
そして、これを受けた当該上位のモジュールは、送信側
端末に該データの再送を要求するようにし、あるいは該
データを不要と判断した場合は該データに対応する部分
にダミーデータを与えるなどの体処法をいち早く行うこ
とができるので、より効率的な誤り制御を行うことが可
能となる。
【0051】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。
【0052】本実施例では、いくつかの送信側端末と受
信側端末との間にてATM網を介して通信を行う場合を
示す。この両端末間では、大容量トランザクション処理
が行われており、両端末間におけるデータのやり取り
は、低レイテンシ(再送制御が基本的に許されない)、
高スループット(大容量通信)、かつ信頼性のある(す
なわち、送信側端末にて送信したデータと同一のデータ
を受信側端末にて入手できる)通信が求められているも
のとする。なお、これら両端末間は、例えば公衆網を介
してWAN接続されている場合のように、互いに物理的
に離れた距離に位置するものとしても良い。
【0053】本実施例では、これらの要求条件を満たす
ため、両端末間にてやり取りするデータにFEC(前方
誤り訂正符号)を付与して、受信側端末にてデータを格
納したATMセルのATM網内での廃棄や、伝送路また
はスイッチノードにおけるビット誤りから、再送を行う
こと無しにデータを再生できる手法をいくつか示す。
【0054】(第1の実施例)本実施例では、送信側端
末と受信側端末は、それぞれATM端末であり、データ
のATMセル化/デセル化を行う場合、AALタイプ5
を用いている。送信・受信両端末間にて信頼性のある通
信を行うために、すなわちデータを誤りなくやり取りす
るために、AALタイプ5のCPCSレイヤの上位レイ
ヤであるSSCSレイヤとして、FECを用いた誤り制
御方式を適用している。
【0055】図1に、Uプレーン通信(アプリケーショ
ン間の通信)を行う場合の、両端末のプロトコルスタッ
クの図を示す。なお、図中、1はATM網、3はATM
交換機を示している。
【0056】図1に示すように、送信側端末2t 、受信
側端末2r 共に大容量トランザクションのアプリケーシ
ョンが動作しており、送信側端末2t から受信側端末2
r に対して大容量・リアルタイムのデータが転送され
る。信頼性のある通信を確保するために、SSCSに
て、後述するFEC処理が加えられる。両端末2t ,2
rはATM網1に直接接続され、更にエンド−エンドの
ATMコネクションにより両端末2t ,2r は直接接続
されている。このエンド−エンドのATMコネクション
は、後述するように、本アプリケーション間の通信に先
立って確立されたものである。
【0057】信頼性のある通信を実現するためのプロト
コルとしては、SSCSにFECプロトコルを実装して
いるため、トランスポートプロトコルのレイヤ4はヌル
となっている。そのほか、すでに両端末2t ,2r 間に
エンド−エンドのATMコネクションが確立されている
ため、レイヤ2、レイヤ3もヌルとなっている。
【0058】次に、送信側端末2t 、及び受信側端末2
r 内における、具体的な処理について説明する。
【0059】図2に、送信側端末2t 、及び受信側端末
r の具体的な構成を示す。
【0060】このように、送信側端末2t は、アプリケ
ーション処理(広帯域トランザクション処理)を行い、
受信側端末2r に対して送信したいデータ(アプリケー
ションデータと呼ぶ)をSSCS処理モジュール6t
渡すアプリケーション処理モジュール4t 、アプリケー
ション処理モジュール4t から受信したデータに、イン
タリーブ操作、及びFECを付与したのち、その各々の
インタリーブ列に対してシーケンス番号を付与し、これ
をCPCS処理モジュール14t に渡すSSCS処理モ
ジュール6t 、SSCS処理モジュール6t から受け取
ったデータに対して、AALタイプ5のCPCS処理、
すなわち長さ表示(LI)、およびCRCの各フィール
ドを、それぞれ演算して挿入する処理を行い、SAR処
理モジュール20t に対してこれを渡すCPCS処理モ
ジュール14t 、AALタイプ5のSARレイヤ処理の
うち、データのセグメンテーションをCPCS処理モジ
ュール14t から渡されたデータに対して行うSAR処
理モジュール20t 、該セグメンテーションされたデー
タにATMセルヘッダを付与し、さらに下位レイヤ(物
理レイヤ)の処理を行ってATM網1に対してセルを投
入するATMヘッダ付与モジュール22t からなる。
【0061】これに対し、受信側端末2r は、ATM網
1から入力されてきたセル流から、物理レイヤの処理、
及び自端末宛のセルを選択して取り出した後、該FEC
を用いてデータ通信を行うセルのみを選択して、このA
TMヘッダを削除した後にSAR処理モジュール20r
に渡すとともに、ATMセルヘッダのPT(ペイロード
タイプ)のUUI(ユーザ・ユーザ情報)領域に、CS
−PDUの最後部を示すビットが表示されている場合
に、これをSAR処理モジュール20r に通知するAT
Mヘッダ削除モジュール22r 、ATMヘッダ削除モジ
ュール22r から受け取ったデータ(セルペイロードデ
ータ)を、CS−PDUの最後部についての情報を参照
しながらAALタイプ5のリアセンブリ処理を行い、C
S−PDUを再生するSAR処理モジュール20r 、該
再生されたCS−PDUについてAALタイプ5のCP
CSレイヤ処理、すなわちCRCのチェックと長さ表示
のチェックを行い、CS−SDUを再生するCPCS処
理モジュール14r 、CPCS処理モジュール14r
て再生されたCS−SDUを各インタリーブ列とみな
し、これに付与されたシーケンス番号を確認し、更にデ
インターリーブ処理(アプリケーションデータの再生処
理)をFEC訂正モジュールを用いつつ行うSSCS処
理モジュール6r 、SSCS処理モジュール6r からア
プリケーションデータを受け取り、広帯域トランザクシ
ョン処理の受信側処理アプリケーションを稼働するアプ
リケーション処理モジュール4r からなる。
【0062】上記した個々のモジュールをハードウエア
処理にて行うかあるいはソフトウエア処理にて行うかの
選択についてはまったく自由であり、例えば、アプリケ
ーション処理モジュール4t ,4r は、それぞれ端末2
t ,2r 内のCPUによるソフトウエア処理にて、SS
CS処理モジュール6t ,6r 、CPCS処理モジュー
ル14t ,14r 、SAR処理モジュール20t ,20
r 、およびATMヘッダ付与/削除モジュール22t
22r は、それぞれ端末2t ,2r 内のハードウエア処
理にてその処理が行われるように構成する形態が一例と
して考えられるほか、他のいかなる形態を採用すること
も可能である。
【0063】次に、送信側端末2t における処理をレイ
ヤの順、すなわち各処理モジュールの動作する順に従っ
て説明する。
【0064】(A)アプリケーション処理モジュール4
t による処理 まず、アプリケーション処理モジュール4t にて生成さ
れたデータ(アプリケーションデータ)が生成されたと
する(図30参照)。
【0065】(B)インターリーブモジュール8t およ
びFEC付与モジュール10t による処理 次に、このアプリケーションデータに対して、図3に示
すようなインタリーブのためのデータの構造(以下、イ
ンターリーブ構造と呼ぶ)を作っていく。
【0066】即ち、インターリーブモジュール8t
は、受け取ったアプリケーションデータを、図4のよう
に行方向(紙面の横方向)に並べていく。この際、本実
施例では、この行方向にデータを並べる、その1行あた
りの長さをAALタイプ1のオプションにあるインター
リーブ処理と同様に124オクテットとする。
【0067】このアプリケーションデータの構造化を行
うと共に、データの揃った行については、FEC付与モ
ジュール10t により、該行についての誤り制御符号
(誤り訂正符号、長さは4オクテットとする)が演算さ
れ、図4の構造の右端部に付与される。この様子(イン
ターリーブモジュールにて構成される全体構造)を図5
に示す。なお、この誤り制御符号の詳細については、後
述する。
【0068】この誤り制御符号の演算は、図4に示すよ
うな構造に、データがすべて出揃ってから、これを行っ
ても良いが、本実施例のSSCS処理部6t において
は、この図4に示す構造の各行ごとにデータが揃ったな
らば、FEC付与モジュール10t により誤り制御符号
の演算、及びその演算結果の挿入を即座に行い、これと
並行してアプリケーションデータの図4のような整列が
行われ続けるといった処理を行う。これによって、並列
演算をすることを可能にし、演算効率を向上させてい
る。なお、その他の方法、例えば、各行ごとにデータが
整列されていく課程で、挿入されるべき誤り制御符号を
演算し、各行の最後のデータが図4の構造の各行に整列
した時点で、誤り制御符号の演算は終了しており、即座
にその符号の付与が行われるといった処理を行っても良
い。
【0069】(C)シーケンス番号付与モジュール12
t による処理 シーケンス番号付与モジュール12t は、インターリー
ブモジュール8t にて図5のように構成された全体構造
を図6の様に1オクテットづつの列に分け、これを図7
のように、1列目から順次、列ごとに読みだしていく。
【0070】この読みだしの際に、各列ごとにシーケン
ス番号(SN)を各列単位につけていく。このシーケン
ス番号は全体で1オクテット(=8ビット)の長さを有
しており、この中で最初の7ビットが実際のシーケンス
番号、最後の1ビットがパリティビットとなっている。
【0071】なお、このシーケンス番号に費やすビット
数は、全体構造の列数に応じて増減してもかまわない
し、列数に対して少な目のビット数で、一つの全体構造
中で何回か値が循環してしまうような値でもまったくか
まわない。ただし、列数に対して少な目のビット数を用
いる場合は、全体構造の先頭の1列目を示すビットをシ
ーケンス番号のビット中に1ビット設けると、受信側端
末で全体構造を再構築していく場合の組立開始のトリガ
とすることができるので、効果的である。
【0072】図7を見ればわかるように、シーケンス番
号は各列ごとに一つの割合で付与され、列が進むごとに
インクリメントされた値を持っている。このシーケンス
番号は各列の最前部に付与されても、最後部に付与され
てもかまわないが、本実施例では、図8のように最前部
に付与されているものとして以降の説明を続ける。
【0073】このシーケンス番号が付与された各列のデ
ータが本実施例の送信側端末におけるCPCS−SDU
(サービスデータユニット)となる点に注意が必要であ
る。このCPCS−SDUはCPCS処理モジュール1
t に渡される。
【0074】ここで、CPCS−SDUは42オクテッ
ト(1オクテットのシーケンス番号+41オクテットの
アプリケーションデータ、または誤り制御符号)であ
り、CPCS処理モジュール14t にて6オクテットの
CPCSトレイラが付与された場合に、丁度ATMセル
のペイロード長である48オクテットになるため、CP
CS処理モジュール14t にてPADを挿入される必要
がなく、もって、網内資源を効率的に利用することがで
きる。
【0075】(D)CPCS処理モジュール14t によ
る処理 CPCS処理モジュール14t では、SSCS処理モジ
ュール6t から受け取ったCPCS−SDUに、AAL
タイプ5の処理である長さ表示(LI)とCRCの演
算、付与を行い、CPCS−PDUを生成する。
【0076】ここで、前述のように、PAD挿入の必
要、あるいはPAD挿入のための長さの確認が不要であ
る。また、CPCS−SDUの長さは必ず42オクテッ
トとなるため、長さ表示のためのCPCS−SDU長の
演算(検査)も原則的に不要である。
【0077】(E)SAR処理モジュール20t による
処理 SAR処理モジュール20t では、CPCS処理モジュ
ール14t から受け取ったデータ(CPCS−PDU)
のセグメンテーション処理が行われるが、本実施例にお
いては、CPCS−PDU長が48オクテットであり、
本質的にセグメンテーション処理が不要である。
【0078】セグメンテーション処理された48オクテ
ットのデータ(SAR−PDU)は、ATMヘッダ付与
モジュール22t に渡される。
【0079】なお、その際、ATMヘッダ付与モジュー
ル22t に渡されるSAR−PDUがCS−PDUの最
後部に当たるデータである場合(よって、本実施例では
すべての場合)、この旨をATMヘッダ付与モジュール
22t に通知する。
【0080】(F)ATMヘッダ付与モジュール22t
による処理 ATMヘッダ付与モジュール22t では、呼設定時に定
められたATMセルヘッダを付与した後、物理レイヤの
処理を介して、ATMセル化されたデータをATM網1
に対して送出する。
【0081】SAR処理モジュール20t からデータ
(SAR−PDU)を受け取る際、これはCPCS−P
DUの最後部である旨の通知を受けている場合は、AT
MセルヘッダのペイロードタイプのUUIフィールド
に、これを告げる旨のビットをたてておく。
【0082】以上が、送信側端末2t における処理の流
れである。
【0083】次に、FEC付与モジュール10t にて付
与される(あるいは、受信側端末2r のFEC訂正モジ
ュール10r にて訂正処理される)誤り制御符号につい
て説明する。
【0084】本FEC付与モジュール10t にて付与さ
れる誤り制御符号は、リード・ソロモン符号と呼ばれる
ものである。この符号は、CRCなどに代表されるビッ
ト単位の誤り制御符号(ビット単位に誤り制御の対象と
し、誤り制御の対象となる符号のとりうる値は“0”か
“1”であり、この2つの値の正否を論ずる符号形式)
と異なり、数ビットの塊をその誤り制御の対象の1つの
単位とする誤り制御符号である。この数ビットの塊をシ
ンボルと呼ぶ。例えば、1シンボルが4ビットというよ
うに表現する。
【0085】リード・ソロモン符号では、例えば、1シ
ンボルが4ビットの場合は、1つの符号の単位が4ビッ
トであり、誤り制御の対象となる符号のとりうる値は1
6進表示で“0”から“F”までの16通り存在する。
送信側端末では、まず、送信したいビット列を、数ビッ
トずつ順次くるんでいくことにより、シンボルの列とみ
なす。このシンボルの列に対して、誤り制御符号化処理
を行い、同じくシンボル(すなわち、ビットの塊)の列
の形で誤り制御符号を生成する。受信側端末では、この
シンボルを単位に訂正演算を行っていく。例えば、2進
表示で“0000 0001”なるビット列が伝送路中
でビット誤りを生じ、“0000 0011”なるビッ
ト列に変わってしまった場合、通常のビット単位の誤り
処理では7ビット目の符号に誤りが生じたと考えるが、
4ビットを1シンボルとみなすリード・ソロモン符号で
は、16進表示で“0 1”が、伝送路誤りにより“0
3”となり、2シンボル目が“1”から“3”に変化
し、誤りが生じたと解釈する。
【0086】このように、数ビットを1つの符号化の単
位として扱うリード・ソロモン符号は、その性質より、
バースト誤りに強い誤り制御方式としてしられている。
例えば、“0000 0001”なる符号が、バースト
伝送路誤りにより“00001110”なる符号に変化
し、4ビット誤りが生じた場合でも、リード・ソロモン
符号では、“0 1”が“0 E”なる符号に変化した
と解釈すればよく、これは符号の立場からすると“0
1”が“0 3”に変化した場合と比べ、事象的にはど
ちらも1シンボル誤りが生じたと解釈するのみで、誤り
訂正処理としては同一の処理を行うこととなる。よっ
て、バースト的な誤りに対して、耐性が強い符号とし
て、衛生通信などの分野で盛んに使われている符号方式
である。
【0087】翻って、ATM通信方式では、そのスイッ
チングの原理から、通信網中でのセル(パケット)の廃
棄が確率的に発生する事が避けられない。即ち、ATM
通信方式は、ある送信側端末からセル流を送信した場合
でも、これが受信側端末に到達する間に一定の確率でセ
ルが廃棄されている事を前提としなくてはならない通信
方式である。従って、ATM網を介して通信を行う端末
間では、やり取りする情報が信頼性を要求する情報、す
なわち送信側端末の上位レイヤから送出した情報と同一
の情報を確実に受信側端末の上位レイヤが受信する事を
要求する情報である場合は、何らかの信頼性を確保する
ためのプロトコルを両端末間で稼働させなくてはならな
い。
【0088】これを実現するプロトコルとしては、従来
TCPやOSI/TP4などに代表されるトランスポー
トレイヤプロトコル(レイヤ4プロトコル、転送プロト
コル)が知られていたが、これらのプロトコルは、誤り
制御(誤りからの回復)の方法として、再送制御をベー
スにこれを行っており、本実施例の端末間のアプリケー
ションである広帯域トランザクションでは、その処理に
実時間性が求められるため、再送制御は認められない。
このため、信頼性確保のためのプロトコルとして、送信
するデータに誤り制御符号を付与して通信を行う方式を
適用しているのは前述の通りである。
【0089】ここで、周知のように、ATM通信網で
は、伝送路系(光ケーブルや同軸ケーブル、あるいはツ
イストペアなど)でのビット誤りは従来の通信方式と比
べて低い確率(例えば10E−9)でしか起こらず、そ
のかわりセル廃棄という形でバースト的な情報の欠落が
確率的に(例えば10E−9)生ずるという特徴があ
る。このセル廃棄に対して、信頼性の求められる通信を
求める送信・受信双方の端末は対処する必要があり、誤
り制御符号をその手段としているが、セル廃棄という事
象が、符号レベルでみるとバースト的な情報の欠落と見
る事ができる。それゆえ、バーストレベルの誤りに強い
耐性を持つリード・ソロモン符号をその符号化方式とし
て本FEC付与モジュール10t は使用している。
【0090】理想的には、図9のように、1シンボルを
48オクテットとし、直接リード・ソロモン符号演算を
行い、ATMセル化を行えば、伝送途中でセル廃棄が発
生した場合でも、後述のようにセル廃棄箇所の特定がで
きさえすれば、リード・ソロモン符号は、1シンボル、
または数セル廃棄なら数シンボルの消失誤りと解釈し
て、受信側端末のFEC訂正モジュール10r にて訂正
演算を行えばダイレクトに復号処理が行えることがわか
る。
【0091】しかしながら、リード・ソロモン符号の演
算は、1シンボル長あるいは符号長の増大により、その
演算量が急激に増大していく事が知られており、現状で
は“1シンボル=48オクテット”なる長大なシンボル
長を有する符号化器・復号化器を設計、実装する事が現
実的でない。
【0092】そこで、(1)図4から図7に示すような
インターリーブ処理を行い、インターリーブの各列を1
つのATMセルに格納すること、および、(2)1シン
ボルを列ごとのデータ(本実施例では1オクテット)と
みなすことにより、伝送路中にてセル廃棄が生じた場合
に、インターリーブの各行からみると、1つのセルの廃
棄を1シンボルの消失とみなす事ができ、適当な演算量
にてその復号処理を行う事ができる。ただし、処理は全
ての行に渡って、本実施例ではインターリーブ構造の行
数である41回行う。
【0093】なお、本実施例の送信側端末2t では、イ
ンターリーブ構造の各列にそれぞれシーケンス番号をS
SCS処理モジュール6t にて付与しているが、この理
由については受信側端末2r の処理の説明の際に詳述す
る。
【0094】さて、上位レイヤ(アプリケーション処理
モジュール)から受け取ったデータは単発的に到着する
データであるか、それともバースト的に一定時間にわた
って到着する長大なデータであるかわからない場合があ
る。そこで、上位レイヤから渡されるデータが途切れ、
図4のインターリーブ構造がデータで一杯にならない場
合は、誤り制御符号の生成ができず、実時間性を求めら
れる通信であるにも関わらず、情報の送出がなかなかで
きないといった事態が生ずる事が考えられる。そこで、
本実施例では、図4のインターリーブ構造に余裕(空
き)が生じているならば、その時点からインターリーブ
モジュール8t 内に専用のタイマーを起動させ、一定時
間次のデータが到着しなかったらインターリーブ構造の
残りの領域にはダミーデータ(00...0 等) を補充して該
データを受信側端末2r に向かって送出をしてしまうと
いった機構を採用している。この場合は、どこからがダ
ミーデータであるかの情報が受信側端末2r に必要とな
るため、インターリーブ構造の最後の数ビット(数オク
テット)、あるいはシーケンス番号付与モジュールにて
付与するシーケンス番号内に、どこからがダミーデータ
であるかについての情報を入れて送出すれば良い。
【0095】なお、このタイマーのタイムアウト(ダミ
ーデータ挿入開始)の判断の際には、端末に与えられた
VP/VCのUPC(使用トラヒックパラメータ)での
制限値を越えないように、または有効利用するように判
断する事が必要となる。これは、例えば大きな帯域を与
えられていないのにもかかわらず、データ転送の高スル
ープット、低レイテンシを重視して、タイムアウトを小
さく設定すると、データの到着頻度が疎である場合には
ダミーデータが増え、転送効率が悪くなるばかりか、U
PCで定められた帯域違反をしてしまう可能性もある。
それとは逆に、タイムアウトを大きく設定しすぎるとス
ループットが上がらなくなり、レイテンシも大きくなっ
てしまう場合がある。パラメータの取り方はいろいろ考
えられるが、指標を決めて、最適化を行うことが必要で
ある。
【0096】また、データ送出契機についてブッシュ機
構のような方法を用いることもできる。ブッシュ機構と
はTPC(Transmission Control Protocol )でインタ
ラクティブユーザに対応するために、バッファが一杯に
なるのを待たずに現在のストリーム中のデータの配線を
強制することのできるオペレーションである。
【0097】例えば、本実施例において、アプリケーシ
ョンが瞬時的な情報の送出を要求している場合には、タ
イムアウトになるまで待っていたのでは要求されたサー
ビス品質(例えばレイテンシ)を保持できないかもしれ
ない。
【0098】そこで、緊急を要するデータに関しては、
その旨をアプリケーション処理モジュールからSSCS
処理モジュールに対して通知してもらえるようにしてお
く。そして、その指示があった場合には、インターリー
ブ構造にデータが溜まっていなくても、またはタイムア
ウトになっていなくても、SSCS処理モジュールは、
速やかにダミーデータを付け足しFECの計算に移り、
該データの送出を促すことも可能である。
【0099】次に、受信側端末2r における処理をレイ
ヤの順、すなわち各処理モジュールの動作する順に従っ
て説明する。
【0100】(G)ATMヘッダ削除モジュール22r
による処理 ATMヘッダ削除モジュール22r では、ATM網1か
ら受け取ったセル流について、物理レイヤ処理を行った
のち、呼設定時に定められたATMセルヘッダを有した
セルを受け取った場合、これをフィルタリングして受取
り、その他のセルは無視し、ATMセルヘッダを削除し
てSAR処理モジュール20r に渡す。
【0101】ここで、ATMセルヘッダのペイロードタ
イプのUUIフィールドに、“これはCPCS−PDU
の最後部である“という旨を伝えるためのビットが立て
られている場合には、この旨をSAR処理モジュール2
r に対して通知する。
【0102】(H)SAR処理モジュール20r による
処理 SAR処理モジュール20r では、ATMヘッダ削除モ
ジュールから渡されたデータ(SAR−PDU)に対
し、これもATMヘッダ削除モジュールから渡される
“これはCPCS−PDUの最後部である”という旨の
情報を参照して、データ(CPCS−PDU)のリアセ
ンブリ処理を行う。
【0103】データのリアセンブリが終了したならば、
CPCS処理モジュール14r に該データが渡される。
【0104】(I)CPCS処理モジュール14r によ
る処理 CPCS処理モジュール14r では、SAR処理モジュ
ール20r から受け取ったCPCS−PDUに対し、A
ALタイプ5の処理であるCRC演算処理、及び長さ表
示(LI)の確認作業をこの順番にて行う。
【0105】正常受信されたデータについては、このC
PCSトレイラを削除した上で、SSCS処理モジュー
ルにこのデータ(CPCS−SDU)を転送する。
【0106】ここで、CRC演算処理、及び長さ表示の
値の結果のどちらかに誤りが検出された場合は、この旨
をSSCS処理モジュール6r に通知する。この場合、
CRC演算処理にて生じた誤りであるか、長さ表示の値
によって生じた誤りであるか、どちらであるかの情報を
SSCS処理モジュール6r に通知する必要は、後述の
理由により、必ずしも必要なく、誤りが検出された旨の
み通知すればそれでよい。
【0107】(J)シーケンス番号確認モジュール12
r による処理 SSCS処理モジュール6r には、基本的に正常受信さ
れたCPCS−SDU(SSCS−PDU)、即ちイン
ターリーブ構造の各列が転送されてくる。
【0108】シーケンス番号確認モジュール12r
は、これらCPCS処理モジュール14r から受信した
SSCS−PDUのうち、シーケンス番号のフィールド
を参照して、インターリーブ構造のどの位置(どの列)
に該SSCS−PDUを配置すれば良いかを考え、配置
する。即ち、シーケンス番号に抜けのある場合は、その
位置(そのシーケンス番号を有したインターリーブ列が
入るであろう、インターリーブ構造の位置)について
は、何もデータを入れないでおき、正しいシーケンス番
号の位置に、受信したSSCS−PDUを入れていく事
になる。
【0109】このようにしてインターリーブ構造の再生
を行っていくとともに、FEC訂正モジュール10r
対して、“インターリーブ構造のどの列が、SN誤りや
CPCSのCRC誤りによって例外が発生したために、
正しいデータが再配置されていないか“という位置の情
報を通知する。
【0110】なお、このFEC訂正モジュール10r
対して、インターリーブ構造の誤り発生位置を通知する
場合に、シーケンス番号の確認の際に、例えば伝送路中
でセル廃棄が生じて、セルの抜けが生じてしまうといっ
たようなことによって、シーケンス番号に誤りが生じ、
これを通知する場合のみならず、ATM網におけるセル
の伝送中に生じたビット誤りを検出するCPCS処理モ
ジュール14r のCRC確認において誤りが生じた場合
についても、同様の通知がFEC訂正モジュール10r
に対して行われる事になる。
【0111】詳細は後述するが、セル廃棄のみならず、
ビット誤りに対しても、同様の対処(インターリーブ構
造への再生を行わない)を行う事により、FEC訂正モ
ジュール10r における訂正演算の量を大幅に低減する
ことができる。
【0112】(K)デインターリーブモジュール8r
よびFEC訂正モジュール10r による処理 シーケンス番号確認モジュール12r にて、(1)イン
ターリーブ構造の再生が可能な限り行われる、(2)イ
ンターリーブ構造のうち、セル廃棄やビット誤りなどの
理由により受信したSSCS−PDUを配置できない列
番号に関しては、FEC訂正モジュール10r にその列
番号の通知が行われている、という状況がなされてい
る。この状況の一例を図10に示す。
【0113】FEC訂正モジュール10r は、シーケン
ス番号確認モジュール12r から、正常なデータの入っ
ていない列番号をあらかじめ知らされた上で、誤り制御
符号の演算を開始する事になる。
【0114】FEC訂正モジュール10r は、この正常
なデータの入っていない列番号を参照しながら、リード
・ソロモン符号の復号演算を実行し、正常なデータ(ア
プリケーションデータ)を再生する(デインターリーブ
動作)。当然ながら、再生されたアプリケーションデー
タは、図4にあったようなデータ構造となる。
【0115】しかるのち、データ再生が終了した事をア
プリケーション処理モジュール4rに通知する。
【0116】(L)アプリケーション処理モジュール4
r アプリケーション処理モジュール4r が、アプリケーシ
ョンデータをSSCS処理モジュール6r から受け取
り、アプリケーション処理を行う。
【0117】以上が、受信側端末2r における処理の流
れである。
【0118】この中で、FEC訂正モジュール10r
おける処理の詳細について、以降述べる。
【0119】FEC訂正モジュール10r は、基本的
に、送信側端末2t 内のFEC付与モジュール10t
おける演算の逆演算を行い、インターリーブ構造のデー
タの再生処理を行う。
【0120】ここで、リード・ソロモン符号の復号演算
方式としては、従来(例えば、ITU−TSにおけるA
ALタイプ1のオプションや、米学会SIGCOMM’
90の"Reliable Broadband Communication Using a Bu
rst Erasure Correcting Code"にて発表された方式な
ど)では、図11(a)に示すような方式がとられてい
た。その手順を、以下に示す。
【0121】ステップ1)インターリーブ構造の列単位
に、リード・ソロモン符号を用いて、誤りの有無をまず
検索する。なお、この処理に要する時間をT1とする。
【0122】ステップ2)インターリーブ構造の列のう
ち、ATM網においてセル廃棄されたデータの位置を
(例えば列番号にて)復号化器に通知されている。即
ち、セル廃棄による誤りの位置は、復号化器はすでに知
っている。
【0123】ステップ3)伝送中に発生した、ランダム
ビット誤りの位置については復号化器は認知していな
い。よって、復号化器にて、ランダムビット誤りの位置
を検索するため、誤り位置検索(チェンサーチ)をおこ
なう。なお、この処理に要する時間をT3とする。
【0124】ステップ4)ランダム誤り位置を特定し、
その位置を復号化器が把握する。なお、この処理に要す
る時間をT4とする。
【0125】ステップ5)セル廃棄されたデータの位置
と、ランダムビット誤り位置の両方の位置を特定できた
復号化器は、この位置情報を元に、復号演算を開始す
る。なお、この処理に要する時間をT5とする。
【0126】ステップ6)復号完了 ここに、全演算時間は、T1+T3+T4+T5とな
る。
【0127】上記の処理のうち、ステップ3のチェンサ
ーチの処理は、演算が複雑であり、ソフトウエアで演算
する場合は、多くの演算時間が、ハードウエアで演算す
る場合は複雑な処理回路を要していた。
【0128】これに対し、本発明のFEC訂正モジュー
ル10r では、前述のように伝送路中のランダムビット
誤りに対しても、AALタイプ5のCPCSトレイラに
実装されたCRCを用いて検出し、これを、インターリ
ーブ構造の列の誤りとして、列廃棄が生じた場合と同様
の対処を行っているため、FEC訂正モジュール10r
における処理は、図11(b)に示すように簡略化され
ている。その手順を、以下に示す。
【0129】ステップ11)リード・ソロモン符号を用
いて、誤りの有無をまず検索する。なお、この処理に要
する時間をT1とする。
【0130】ステップ12)インターリーブ構造の列の
うち、ATM網においてセル廃棄されたデータの位置、
及びランダムビット誤りが生じているデータの位置を
(列番号にて)復号化器に通知されている。即ち、セル
廃棄による誤りの位置も、ランダムビット誤りの位置
も、両方とも復号化器はすでに知っている。
【0131】ステップ13)セル廃棄されたデータの位
置と、ランダムビット誤り位置の両方の位置を特定でき
た復号化器は、この位置情報を元に、復号演算を開始す
る。なお、この処理に要する時間をT5とする。
【0132】ステップ14)復号完了 ここに、全演算時間は、T1+T5となる。
【0133】以上のように、明らかにチェンサーチの不
要な分、処理の大幅な簡略化がなされている。
【0134】前者の方法(従来の方法)では、インター
リーブ構造の行ごとに独立に演算を行っていたため、ラ
ンダムビット誤りが生じていない行についてはランダム
ビット誤り位置の通知(ステップ4)、ランダム誤りに
対しての訂正演算(ステップ5)の2つのステップは不
要であったのに対し、後者(本発明の方法)では、ラン
ダムビット誤りが検出された列については、すべて列廃
棄と同等に扱うことになるため、実際にランダムビット
誤りの起きていない行についても復号演算を行う必要性
はでてくるという欠点は有しているが、現状の伝送技術
を用いると、ランダムビット誤りの発生確率は、セル廃
棄確率よりも充分低いと考えられ、低確率でしか起こら
ないランダムビット誤りのための機構(従来の方法のス
テップ3、ステップ4)を必ず設けて、長い演算時間を
かけてインターリーブ構造行ごとに演算するのと比べ、
本発明の方法は、低演算時間を前提に考えられた手法で
あり、充分なメリットを享受することができる。
【0135】さて、ここまではインターリーブ構造の大
きさが横128オクテット*縦41オクテットとして説
明を続けてきたが、実際には、インターリーブ構造の縦
・横のサイズは可変である。
【0136】まず、横の長さ(アプリケーションデータ
を並べるデータのインターリーブ構造の横の長さ、及び
誤り制御符号の長さの両方を含む)は、ATM網内の様
子(セル廃棄率や遅延時間など)や、送信しようとして
いるデータの大きさを勘案して適当に増減して良い。
【0137】また、縦の長さについても、適当に増減し
てかまわない。CPCS処理モジュールにて行う処理を
考慮すると、縦のサイズを41、もしくは41+48*
N(Nは正数)としておくと、CPCS−PDUとして
PADを挿入する必要がなくなるため、網資源使用効率
の点から都合がよいが、バリエーションとしてはインタ
ーリーブ構造の1 列が、必ずしも整数セルにきちんと収
まらなくても構わない。図12には、縦の長さを89列
とした場合のインターリーブ構造を(横幅は、アプリケ
ーションデータについては任意、誤り制御符号について
は4オクテットとした)、また、図13には、これらの
シーケンス番号付与モジュール12t にて付与されるシ
ーケンス番号の様子を、図14には、SARレイヤ処理
部20tにおけるセグメンテーション処理を示す。
【0138】次に、上記に示したFECを用いた通信を
設定(または切断、あるいは変更)する際の手続き(呼
設定手順)について説明する。
【0139】送信側端末と、受信側端末は、(アプリケ
ーション間の)通信の開始に先立って、コネクションの
設定を行う。このコネクションの設定には、大きく2つ
の意味があり、以下の2つに分類される。 (1)送信側・受信側両端末とATM網間のATMコネ
クション設定 ATM網に対して、送信側端末と受信側端末間に、これ
らをエンド−エンドに接続するATMコネクションを設
定する。 (2)送信側端末と受信側端末間の上位レイヤコネクシ
ョン設定 送信側端末と、受信側端末間で、FECとAAL5を用
いたデータ通信を行うことを同意し、例えばインターリ
ーブ構造の縦・横幅、FECで用いるリード・ソロモン
符号の生成多項式の決定などの必要なパラメータの合意
を行い、上位レイヤ(アプリケーションレベル、SSC
Sレイヤ、CPCSレイヤ、SARレイヤ)のコネクシ
ョンを設定する。
【0140】これらのコネクション設定の流れの例を図
15に示す。図中では、コネクション設定のトリガは送
信側端末からかけているが、受信側端末からはじめにか
けるようになっていてもかまわない。
【0141】まず、送信側端末は、ATM網に対して、
ATMコネクションの接続要求を行う。これを受けたA
TM網は、送信側端末との間で設定するATMコネクシ
ョンのUPC(Usage Parameter Control) の打ち合わせ
などを行いつつ、受信側端末との間で、上記のようなA
TMコネクションの設定に合意するか否かをたずね、合
意するようであれば、受信側端末ともUPCパラメータ
の打ち合わせなどを行う。これらの処理は、Cプレーン
の処理である。これらを介して、送信側端末と受信側端
末との間にベアラのATMコネクションが設定される。
【0142】このベアラのATMコネクションを介し
て、両端末間では、FECを用いたSSCSと、AAL
タイプ5を用いて、通信を行うのに際し、必要なパラメ
ータ(例えば、アプリケーション処理内容のお互いの確
認、各々の端末がFEC処理機能を持っているか、イン
ターリーブ構造のサイズなど)の打ち合わせを行い、合
意がとれた後に、実際のFECを用いたデータ通信が開
始される。
【0143】なお、本実施例では、ATM網との打ち合
わせでは、ベアラのATMコネクションの設定に関する
事項のみを行い、両端末間の具体的な上位レイヤのいろ
いろなパラメータの打ち合わせなどは、両端末間に確立
されたATMコネクションを介して行う場合、即ち、A
TM網側から見ると、UプレーンのATMコネクション
を介して上位レイヤ間のコネクションを確立する際に必
要な打ち合わせを行う場合について説明した。その代り
に、上位レイヤのパラメータの打ち合わせを、ベアラの
ATMコネクションの確立前に終了しておく方法、即
ち、図15中にS1と記した打ち合わせ段階で、上位レ
イヤパラメータの打ち合わせをATM網内のコネクショ
ン設定機能を介して行い、ATMコネクション開設の時
点で送信側端末、受信側端末双方の間で上位レイヤパラ
メータが合意されているような方法でも、勿論良い。
【0144】なお、図15には、コネクション設定の流
れを示したが、FECを用いたデータ通信の実行中にF
ECのパラメータ(例えば、インターリーブ構造のサイ
ズ、前述のタイムアウト値の設定値、リード・ソロモン
符号の生成多項式など)の変更などを行っても良い。こ
のような、動的なパラメータの変更は、例えば、ATM
網に輻輳が生じており、または反対に、強力な誤り訂正
符号を有していたところが、ATM網の状態が非常に空
いており、セル廃棄がまったく起こらないような場合
に、誤り訂正符号の能力を弱めたり、インターリーブ構
造のサイズを増大させたりして、効率を向上させたりす
るような場合が例えば考えられる。なお、上記したAT
M網に輻輳が生じていることは、端末側が受信データや
OAM情報等から自立的に推測しても良いし、ATM網
側から明示的に示される輻輳表示などを参考にして知る
形になっていても良い。一方、コネクション切断もほぼ
図15と同様のフローにて行われる。
【0145】次に、本実施例では、SSCSレイヤのF
EC処理のほかは、信頼性を確保するためのプロトコル
の実装は想定していなかった。しかしながら、実際には
誤り制御符号には、その能力に限界があるので、一定数
以上セルが廃棄され、もしくは一定数以上ランダムビッ
ト誤りが発生し、これ(即ち、誤りと認められるインタ
ーリーブ構造の列数)が誤り制御符号の能力を越えるも
のとなり、該誤り制御符号によるデータの再生はもはや
できないということが生ずる可能性もある。ちなみに、
一般に4シンボルのリード・ソロモン符号は4シンボル
までの位置の特定できる誤りの訂正か、2シンボルまで
の位置の特定できない誤りの訂正の能力を示す。
【0146】誤り訂正符号において訂正できないことが
生じた場合に、訂正できなかった元のデータを獲得する
ためには、再送制御を行うしか方法がないが、本実施例
では、SSCSの上位に信頼性を確保するためのプロト
コルを実装せず、再送制御を行わないことを想定したも
のであるので、はじめから、ATM網の状態をあらかじ
め予期し、充分な性能を有するパラメータを選択した上
で、FECを用いた通信を開始するのが好ましい。ただ
し、可能な場合には、FECを用いて再生できないデー
タについては、受信側端末は獲得をあきらめるようにす
れば、効率的である。
【0147】一方、SSCSよりも更に上位のレイヤ
(例えばトランスポートレイヤ)に、再送制御を基本と
した誤り制御方式を有する転送プロトコルを実装する方
法を考えられる。このプロトコルを処理するモジュール
は、図2でいうと、アプリケーション処理モジュール4
t (4r )とSSCS処理モジュール6t (6r )との
間におかれることとなる。この場合、ATM網にて一定
以上の割合でセル廃棄が生じない限り使うことがないた
め、非常にライトウエイトな(ただし再送制御を有し
た)プロトコルを実装するのが好ましい。
【0148】このような、再送制御を有し、且つライト
ウエイトなプロトコル(以下、ライトウエイト転送プロ
トコルと呼ぶ)を本発明のFECを用いた誤り制御プロ
トコルの上位に実装した場合の例を以下に示す。この場
合のプロトコルスタックを図16に示す。このように、
ライトウエイト転送プロトコルはSSCS(インターリ
ーブ+FEC)とアプリケーションの間のレイヤ処理と
して位置づけられる。
【0149】本ライトウエイト転送プロトコルは、ブロ
ック選択再送アルゴリズムを適用している。即ち、送信
側端末32t は、送信データの管理をある大きさのブロ
ックを単位に行っており、受信側端末32r からデータ
の再送を求められた場合は、このブロックを単位に再送
を行う。逆に、受信側端末32r のライトウエイト転送
プロトコルは、再送要求(あるいは正常受信できたこと
の通知であるACK通知)をこのブロックを単位に行
う。これは、例えばブロックごとにインクリメントされ
るシーケンス番号(SN)を用意することによりこれを
行うことができる。
【0150】この再送制御は、選択再送、即ち再送を要
求されたブロックについてのみ行う(選択再送)ものと
し、GO−BACK−Nアルゴリズムのようなウインド
ウ内のデータをすべて再送するようなアルゴリズムは使
用しない。このようにすることにより、不必要なブロッ
クの再送を行うことをしなくて済むため、網内のトラヒ
ック量の不要な増加を未然に防ぐことができる共に、受
信側端末32r の受信バッファのオーバーランを防ぐこ
とができる。
【0151】本実施例では、このライトウエイト転送プ
ロトコルの1ブロックを、SSCSレイヤのインターリ
ーブ構造(の内のFECでない部分、即ちSSCS−S
DUの部分)としている。このことにより、受信側端末
32r にてSSCSレイヤにてFECによる誤り検出が
行われ、誤りがない場合にはこの旨を上位レイヤである
ライトウエイト転送プロトコルに通知し、ライトウエイ
ト転送プロトコルにおいては誤り検出演算を行わなくて
も良いような構成をとっている。
【0152】また、再送制御を行う際には、送信側端末
32t はレート制御、即ち、送出するデータのスループ
ットを適当に増減する制御を行って、受信側端末32r
のオーバーフローを行うことが一般に行われるが、本実
施例においては、ライトウエイト転送プロトコルにてレ
ート制御を行うと下位レイヤのFECのインターリーブ
構造にデータが一杯になり、データ送出を行えるように
なるまでの時間が長くかかるようになり、レイテンシの
増大につながる場合がある。これに対応するため、本実
施例のライトウエイト転送プロトコルにおいては、イン
ターリーブ構造のデータがそろうまでのSSCSレイヤ
へのデータ送出(ライトウエイト転送プロトコルとSS
CS間のデータの転送)はこれまでのデータ送出速度と
同一の速度で行うと共に、レイヤ4(ライトウエイト転
送プロトコル)が、ATMレイヤ(あるいはAALレイ
ヤ)にプリミティブの形でレート制御のための情報を送
出し、ATMレイヤにおけるUPC(ATMセル送出の
際のピークセルレート、平均セルレート等のトラヒック
制御)のパラメータを変更することによってレート制御
を行う方式をとっている。
【0153】次に、上記した誤り制御能力の限界値をこ
える誤りが発生した場合、そのことをいち早く感知し
て、早めに再送制御などの手を打つ手段について、説明
する。そのような手段の一例としては、受信側端末32
r のSPCS処理を行うモジュール内に、誤り制御符号
誤りが検出されるごとに、または送出時の送出順を受信
側に示す順序性のある符号に一連でない部分が発見され
るごとに1づつ増加されるカウンタを設けることが考え
られる。
【0154】すなわち、誤り制御能力の限界値をこえる
誤り数に対応して、予め前記カウンタに一定値を設定し
ておき、このカウンタのカウント値が当該一定値を越え
た場合に、カウンタからSSCS処理を行うモジュール
にその旨を通知して、該当するデータの部分については
FEC訂正処理を行わないようにすると共に、上位のア
プリケーション処理を行うモジュールにも通知する。そ
して、これを受けた当該上位のモジュールは、送信側端
末32t に該データの再送を要求するようにする。これ
によって、無駄なFEC訂正処理を回避するとともに、
いち早く再送制御を行うことができ、より効率的な誤り
制御を行うことが可能となる。
【0155】なお、再送制御は、状況に応じて、誤り訂
正できない部分についてのみ行っても良いし、データ通
信自体を初めから行わせるようにしても良い。
【0156】また、上位のアプリケーションの方で当該
誤り訂正できない部分のデータは不要であると判断した
場合に、再送制御せずに、SSCS処理を行うモジュー
ルにおいて所定のダミーデータで代用しておき、アプリ
ケーションの方で対処を行うようにしても良い。
【0157】(第2の実施例)次に、本発明に係る第2
の実施例について説明する。本実施例は、概略的には、
上記第1の実施例における図1とほぼ同様の構成を有
し、送信側端末と受信側端末はATM端末であり、AA
Lタイプ5を用いている。また、送信側・受信側端末で
稼働しているアプリケーション、プロトコルスタック、
具体的な内部構成も、基本的に第1の実施例とほぼ同様
のものである。
【0158】一方、本実施例の第1の実施例に対する主
な相違点は、第1の実施例では、インターリーブ構造の
各列に1つづつシーケンス番号(SN)を付与するよう
にした点に対して、本実施例では、インターリーブ構造
の縦(列)の長さに関わらず、送信される全ATMセル
に対して、必ずシーケンス番号および誤り検出符号を付
与するようにした点である。具体的には、送信側端末に
おけるSSCS処理モジュール、受信側端末におけるS
SCS処理モジュールおよびCPCS処理モジュールが
異なっている。また、CPCS処理モジュールがCPC
S誤りを検出した場合でも、必ず該誤ったCPCS−S
DUを上位のSSCS処理モジュールに渡す必要がある
ところも大きく異なる点である。
【0159】以下、本実施例について、第1の実施例と
の相違点を中心として、図2を参照しながら説明する。
なお、第1の実施例における各モジュールと本実施例に
おける各モジュールとを区別するために、本実施例で
は、第1の実施例において用いた参照番号に“´”の記
号を付したものを用いて(例えば送信側端末2t ´)、
説明する。
【0160】まず、送信側端末における処理について説
明する。
【0161】(A)アプリケーション処理モジュール4
t ´による処理 本実施例におけるアプリケーション処理モジュール4t
´による処理は、第1の実施例において“(A)アプリ
ケーション処理モジュール4t による処理”で説明した
ものと同様である。それゆえ、ここでの詳細な説明は省
略する。
【0162】(B)インターリーブモジュール8t ´お
よびFEC付与モジュール10t ´による処理 インターリーブモジュール8t ´では、アプリケーショ
ン処理モジュール4t´から渡されるアプリケーション
データに対して、図17(a)に示すような第1のイン
ターリーブ構造、図17(b)に示すような第2のイン
ターリーブ構造、または図17(c)に示すような第3
のインターリーブ構造を作っていく。ここでは、第1の
実施例と同様の理由により、インターリーブ構造の横幅
については特に問わない。また、縦方向(列方向)の長
さについては、(a)では41オクテット、(b)、
(c)では47オクテットとなっているが、実際の値
は、本例の値に限定するものではない。
【0163】このようなインターリーブモジュールを作
成する際の受け取ったアプリケーションデータの並べ方
は第1の実施例の場合と同様である。
【0164】これらのインターリーブ構造に並べられた
アプリケーションデータについて、FEC付与モジュー
ル10t ´により誤り制御符号(リード・ソロモン符
号)が演算され、図17の各インターリーブ構造が完成
する。ここで、図17(c)のPADの領域について
は、アプリケーションデータは格納されないため、例え
ばオール0などのダミーデータを補充した上で、誤り制
御符号の演算が行えば良い。
【0165】(C)シーケンス番号付与モジュール12
t ´による処理 シーケンス番号付与モジュール12t ´は、図18、図
20、および図21の各々の様に、第1、第2、または
第3のインターリーブ構造のデータを読みだしていく。
図18、図20、および図21では、第1の実施例と同
様に、各インターリーブ構造の横幅は128オクテッ
ト、シンボル長は1オクテットとしている。
【0166】図18において、シーケンス番号付与モジ
ュール12t ´は、第1のインターリーブ構造より読み
出したデータの列ごとに、6オクテットのダミーデータ
(例えばオール0のデータ列)と、1オクテットの“シ
ーケンス番号および誤り検出符号”を付与し、つづけて
次の列に移行するといった形で次々とデータを読んでい
き、これをCPCS処理モジュール14t ´に渡してい
く。
【0167】ここで、付与するシーケンス番号、及び誤
り検出符号について説明する。図18のように、シーケ
ンス番号付与モジュール12t ´にて付与するシーケン
ス番号・誤り検出符号は、合わせて1オクテットの長さ
を有している。本実施例では、シーケンス番号として4
ビット、誤り制御符号として4ビットの領域を各々有し
ている。シーケンス番号は、10進数で0から15まで
の数が循環して使われ、受信側で情報抜け(インターリ
ーブ構造の列抜け)の検出に使われる。図19のように
シーケンス番号の最初の1ビットは、この第1のインタ
ーリーブ構造の最初の1列であることを示すビットがた
っているような構成でも良い。また、後半4ビットの誤
り制御符号は、図18の“各列と、該列に付与されるシ
ーケンス番号“を検査対象として、付与される誤り検出
符号であり、例えばCRCのような演算の簡単な誤り検
出符号であれば良い。ここで、この誤り検出符号は、シ
ーケンス番号のみを保護したり、アプリケーションデー
タのみを保護するようなものではなく、その双方を保護
するような構成になっている。
【0168】結局、CPCS処理モジュール14t ´に
渡すSSCS−PDUは、図23(a)の様なものにな
る。
【0169】同様に、図20では、シーケンス番号付与
モジュール12t ´は、第2のインターリーブ構造より
読み出したデータの列ごとに、後述する1オクテットの
シーケンス番号と誤り検出符号を付与し、つづけて次の
列に移行するといった形で次々とデータを読んでいき、
これをCPCS処理モジュール14t ´に渡していく。
ここで、結局CPCS処理モジュール14t ´に渡すS
SCS−PDUは、図23(b)の様なものになる。
【0170】同様に、図21では、シーケンス番号付与
モジュール12t ´は、第3のインターリーブ構造より
読み出したデータの列ごとに、後述する1オクテットの
シーケンス番号と誤り検出符号を付与し、つづけて次の
列に移行するといった形で次々とデータを読んでいく。
ただし、PAD(長さ6オクテット)の領域を含む列は
飛ばして、最後の列まで同様の処理を行い、最後にPA
Dの含まれるデータ(アプリケーションデータの入った
最右の列)の列を読み出す。その際、PADは読み出さ
ず、直接SN/CRCを挿入し、これを持ってCPCS
−PDUとして、CPCS処理モジュール14t ´にこ
れを渡す。ここで、結局CPCS処理モジュール14t
´に渡すSSCS−PDUは、図23(c)の様なもの
になる。
【0171】また、図22の第4のインターリーブ構造
として、図19での第3のインターリーブ構造からの読
み出し順について、別の方法も説明しておく。先に説明
した方法ではm列目を抜かして読み出し、最後へ後回し
にしたが列の順序は崩さずにPADの部分だけ読み飛ば
す方法も考えられる。この方法をとった場合、インター
リーブ構造からの読み出し順を示す図は図22のように
なる。m列め以降のSNも、その後の1データ列長ごと
に(m−1)列までに付与したSNの続き番号を付与し
ていけばよい。よって、CPCS−PDUとして、CP
CS処理モジュール14r ´に渡すSSCS−PDUは
図23(d)のようになる。この方法でセル廃棄が生じ
た場合、廃棄されたセルに含まれていたデータが複数列
に渡っているので、受信側は廃棄されたセルに付与され
ていたSNをFEC訂正モジュール10r ´に伝えると
きどの列にセル廃棄の影響が及ぶのかを過不足なく通知
しなければならない。例のようにm列までがデータで、
それ以降と128列までがFECコードであった場合の
FEC訂正モジュール10r ´への通知箇所を示す。
【0172】 SN 誤りの箇所 m−1以前 ; SN=列なので全ての行に通知 m ; m列目の1−41行とm+1列目
の1−6行 m+1から127; SN列目の7−47行とSN+1
列目の1−6行 128 ; SN(=128)列目の7−47
行 (D)CPCS処理モジュール14t ´による処理 CPCS処理モジュール14t ´では、図23にあるよ
うなデータ列をCPCS−SDUとして、CPCS−P
DUを作成していく。その際は、これらのデータのデー
タ長の関係から、図24にあるような形でそれぞれCP
CSトレイラが付与されていくことになる。特に、図2
4(b)の場合、CPCS−SDU+CPCSトレイラ
が48の倍数にならないため、42オクテット長のAA
Lタイプ5・CPCSレイヤのPADが挿入される。
【0173】(E)SAR処理モジュール20t ´によ
る処理 SAR処理モジュール20t ´では、48オクテットご
とにCPCS−PDUがセグメンテーションされるが、
これは結果的に図23、図24の太線の部分を境界線
(FI)として、セグメンテーションされることを意味
する。
【0174】ここで、セグメンテーション/ATMセル
化されたCPCS−PDUの各部分部分には、必ずSN
とCRCが含まれ、更にそれらは、最後のセルを除い
て、ATMセルのペイロード(あるいはSAR−PD
U)の最後部に位置する。
【0175】(F)ATMヘッダ付与モジュール22t
´による処理 第1の実施例と同様であり、ここでの詳細な説明は省略
する。
【0176】以上が、送信側端末2t ´における処理の
流れである。
【0177】次に、受信側端末2r ´における処理につ
いて説明する。
【0178】(G)ATMヘッダ削除モジュール22r
´による処理 第1の実施例と同様であり、ここでの詳細な説明は省略
する。
【0179】(H)SAR処理モジュール20r ´によ
る処理 第1の実施例と同様であり、ここでの詳細な説明は省略
する。
【0180】(I)CPCS処理モジュール14r ´に
よる処理 基本的に第1の実施例と同様であるが、CRC演算処
理、及び長さ表示の値の結果のどちらかに誤りが検出さ
れた場合に、これをSSCS処理モジュール16r ´に
通知するとともに、該誤りデータをもSSCS処理モジ
ュール16r ´に渡す点が、第1の実施例と異なる点で
ある。
【0181】(J)シーケンス番号確認モジュール12
r ´による処理 第1の実施例と異なり、SSCS処理モジュール16r
´には、正常に受信されたCPCS−SDUのみなら
ず、異常受信されたCPCS−SDUをも受け取る。
【0182】正常に受信されたCPCS−SDUについ
ては、ATM網1における伝送途中や、ランダムビット
誤りは存在しないことがわかっているので(セル廃棄
や、ランダムビット誤りがある場合は、CPCS処理モ
ジュール14r ´で誤りが検出されるはずである)、そ
のまま送信側端末にて付与したSNとダミーデータ(図
18の場合のみ)を削除した上で、図18、図20、図
21、および図22のようにインターリーブ構造を再生
していく。
【0183】CPCS処理モジュール14r ´にて誤り
が検出されたデータについては、シーケンス番号確認モ
ジュール12r ´にてこれを受け取り、送信側端末のシ
ーケンス番号付与モジュール12t ´にて付与したSN
と、CRCを検査する。
【0184】ここで、CPCS処理モジュール14r ´
により、必ずATM網内にてセル廃棄なり、ランダムビ
ット誤りが起こっているなりしている旨がシーケンス番
号確認モジュール12r ´に対して通知されているわけ
であるが、このCRCの検査をすることにより、少なく
とも該当するインターリーブ構造列にランダムビット誤
りが生じているか否かを知ることができる。
【0185】ここで、CRCにて誤りが検出されない場
合は、 (1)該当するインターリーブ構造の列にはランダムビ
ット誤りはない (2)付与されているSNは信頼に足るものである(S
Nにもビット誤りは生じていない) という2つのことを確認することができる。
【0186】即ち、ATM網における信頼性のある通信
を阻害する要因としては、前述の通り、セルの廃棄とラ
ンダムビット誤りが考えられるわけであるが、この内の
ランダムビット誤りについて、この時点でその疑惑を溶
くことになっている点に注意が必要である。
【0187】反対に、CRCでビット誤りが検出された
場合は、該当するインターリーブ構造の列、あるいはシ
ーケンス番号のどちらかにランダムビット誤りが存在す
ることを意味しており、このデータ(インターリーブ構
造の列)はシーケンス番号確認モジュール12r ´にて
廃棄される。しかしながら、後述のように、これに続く
列のCRC/SNの検査を行うことにより、前述のシー
ケンス番号確認モジュールにて廃棄されたインターリー
ブモジュール構造の列の位置は特定できるため、問題と
はならない。
【0188】さて、ATM網中でセル廃棄が生じた場合
は、1つのセルが1つのインターリーブ構造の列に対応
しているため、該当するインターリーブ構造の列が抜け
ているはずであるが、これを上記の(ビット誤りのない
と保証されている)SNを検査することにより、どこの
インターリーブ構造の列がセル廃棄の形で紛失したかを
知ることができる。
【0189】セル廃棄によりインターリーブ構造の列ご
と紛失してしまった列の位置に関する情報や、ランダム
ビット誤り検出により、シーケンス番号確認モジュール
12r ´にて廃棄された列の位置に関する情報など、こ
の紛失位置に関する情報(インターリーブ構造のどこの
列が紛失したか)について、シーケンス番号確認モジュ
ール12r ´は上記のような理由により知ることができ
る。シーケンス番号確認モジュール12r ´は、この紛
失位置(抜け位置)に関する情報をFEC訂正モジュー
ル10r ´に対して通知する。
【0190】なお、このシーケンス番号確認モジュール
12r ´にて、どの位置のセルが廃棄されたのかがわか
るので、送信側端末2t ´に対して、該SNを示しつ
つ、該SNを有するセルの再送を要求するといった手法
を適用することもできる。
【0191】(K)デインターリーブモジュール8r ´
およびFEC訂正モジュール10r´による処理 第1の実施例と同様である。ただし、図21あるいは図
22の様なインターリーブ構造を用いている場合は、受
信側端末にも同一の位置にPAD領域をもうけ、送信側
端末2t ´と同一パターンのダミーデータを用いること
により、データの再生処理を行うことになる。
【0192】よって、この第2の実施例においてもSS
CS処理モジュール6r ´にて、送信側端末2t ´のア
プリケーション処理モジュール4t ´が送信したデータ
と同一のデータを、受信側端末2r ´のアプリケーショ
ン処理モジュール4r ´が受け取ることができる。
【0193】(L)アプリケーション処理モジュール4
r ´ 第1の実施例と同様である。なお、SSCSレイヤより
も上位のレイヤに信頼性を保証する再送制御を行うプロ
トコルを実装しても良いのは第1の実施例の場合と同様
である。
【0194】以上が、受信側端末2r ´における処理の
流れである。
【0195】ここで、本実施例においても、第1の実施
例で述べたようなライトウエイト転送プロトコルを本発
明のFECを用いた誤り制御プロトコルの上位に実装
し、必要な場合に再送制御を行うことによって、データ
転送の信頼性を向上させるようにしても良い。
【0196】その場合、さらに、第1の実施例で述べた
ようにして、誤り制御能力の限界値をこえる誤りが発生
した場合、そのことをいち早く感知して、早めに再送制
御などの手段を講じることができるように構成しても良
い。
【0197】(第3の実施例)次に、本発明に係る第3
の実施例について説明する。本実施例は、FECを用い
た通信方式に適したユーザ定義のAALタイプ(AAL
タイプX)を用いたものである。
【0198】ここに、これまでの第1の実施例および第
2の実施例では、ITU−TSによって規定されたAA
Lタイプ5を用いていたため、本発明の実施のためには
不要な処理が含まれる場合がある。すなわち、AALタ
イプ5では、CPCSレイヤで長さ表示とCRCからな
るCPCSトレイラを付与することが前提となっていた
が、この処理は第1および第2の実施例で示した発明を
実施する上で、必ずしも必要でない処理が含まれる場合
がある。例えば、インターリーブ構造の大きさが決まっ
ている場合は、長さ表示の値は一定値となるはずであ
り、情報としては冗長である。
【0199】本第3の実施例では、第1および第2の実
施例にて冗長と考えられた処理を省き、データ通信用A
AL上に信頼性を持たせるためのFECを実装するのに
必要十分である処理のみを行うAALタイプを示す。
【0200】基本的に、本AALタイプでは、セル単位
にSNとCRC(SNとデータの双方について誤りを検
出することのできる誤り検出符号)を付与する。このよ
うに、セル単位にSNとCRC処理を行う理由は、以下
の通りである。
【0201】(1)伝送路中で、どのセルが廃棄された
かを検出するために、SNをセル単位に付与する。この
SNを観察することにより、受信側端末がセルの抜け
(あるいは混入)を検出することができ、ひいては抜け
セルの再送を送信側端末に対して要求することができ
る。 (2)SNの正当性を保証することと、データ中のビッ
ト誤りを検出するために、SNとデータを併せた全体に
対して誤り検出符号であるCRCを用いる。
【0202】前述のように、ATM網において情報の誤
りの原因となる事象はセル廃棄とビット誤りであった。
上記の理由(1)はセル廃棄に対して、理由(2)はビ
ット誤りに対してのセル単位の対処を示すものである。
【0203】ここで、ATMセル単位にセル廃棄、ある
いはビット誤りに対して対処を行う理由について述べて
おく。
【0204】前述のように、ATM網ではセル廃棄とい
う事象が確率的に生じることが避けられないため、セル
単位にその廃棄の有無(混入の有無)を検証することの
できる機構を用意しておくことはきわめて効果的であ
る。また、本実施例にて説明するインターリーブ構造お
よびFECを用いたATM網における誤り制御方式で
は、セル廃棄とビット誤りを等価なものとして扱う機構
を持っているため、セル単位にそのセル内のビット誤り
を検出できる機構を用意する必要がある。また、後述の
ように、セル単位の再送制御を行う場合、セル廃棄によ
り受信側端末まで配送されなかったセルについてと、受
信側端末にて訂正不可能なビット誤りが検出されたセル
については、双方とも送信側端末に対して該セルの再送
要求が行われることとなり、セル単位にシーケンス番号
と誤り検出符号を有することはこの機構を実現するため
にも非常に効果的である。
【0205】以下、本実施例について具体的に説明す
る。この第3の実施例においても、第1および第2の実
施例と同様に、送信側端末と受信側端末とがATM網に
より接続されているが、この場合はアプリケーションと
して、広帯域データの放送を行っているものとする。
【0206】このFECを用いた信頼性のある通信が効
果を発揮する領域として、放送がある。周知のように、
放送型サービスは、1つの送信者から複数の受信者に対
して、同一のデータを送信するサービスのことである
が、複数の受信者にデータが届くまでの網内での振る舞
いは互いに異なることとなる。例えば、第1の受信側端
末と第2の受信側端末とでは、網内で廃棄されるセル
や、ランダムビット誤りの位置などが当然異なる。この
ような場合、再送制御により信頼性のある通信を保証し
ようとすると、送信側端末は、同時に複数の受信側端末
から要求される再送要求に独立に答えねばならず、内部
のデータの制御、受信側端末ごとに用意された状態変数
の制御が非常に複雑なものとなる。
【0207】これに対し、放送サービスのアプリケーシ
ョンにFECを用いた手法を用いると、基本的に信頼性
を獲得するための手段は各受信側端末にて演算する復号
演算となるため、当然この復号演算は各受信側端末が独
立に動作することができ、送信側端末は複雑なデータ管
理や、状態変数管理をまったく行う必要がない。以上の
ような理由から、FECを用いた信頼性のある通信は、
放送に適した方式であるということが知られている。
【0208】ここに、本実施例では、プロトコルスタッ
クは図25のようになる。また、送信側42t および受
信側両端末42r の構成は図26のようになる。以下、
これらの図を参照しながら、第3の実施例のFECを用
いた通信方式の詳細について説明する。
【0209】まず、送信側端末42t における処理につ
いて説明する。
【0210】図26に示すように、送信側端末42t
よび受信側端末42r に広帯域データ転送のアプリケー
ションが動作しており、送信側端末42t から受信側端
末42r に対して広帯域なリアルタイムのデータが転送
される。信頼性のある通信を保証するために、CSレイ
ヤにて、後で述べるようにFEC処理を加える。両端末
42t ,42r はATM網1に直接接続され、更にエン
ドーエンドのATMコネクションは、本アプリケーショ
ン間の通信に先立って確立されたものである。
【0211】信頼性のある通信を実現するためのプロト
コルとしては、前実施例と同じようにCSにFECプロ
トコルを実装しているため、トランスポートプロトコル
のレイヤはヌルとなっている。また、両端末42t ,4
r 間にエンド−エンドのATMコネクションが確立さ
れているため、レイヤ2、レイヤ3もヌルとなってい
る。
【0212】次に、送信側端末42t 、及び受信側端末
42r 内における、具体的な処理について説明する。
【0213】送信側端末42t は、アプリケーション処
理(広帯域データ転送処理)を行い、受信側端末42t
に対して送信したいデータ(アプリケーションデータと
呼ぶ)をCS処理モジュールに渡すアプリケーション処
理モジュール44t 、アプリケーション処理モジュール
44t から受信したデータに、インタリーブ操作、及び
FECを付与するCS処理モジュール54t 、CS処理
モジュール54t から順次受け取ったデータに対して、
“ATMセルのペイロード長−(SN長+CRC長)”
間隔にSNとCRCを演算し挿入しながら、これらを合
わせた長さがペイロード長ずつになるようにセグメント
化を行い、ATMヘッダ付与モジュール62t に該セグ
メントを渡すSAR処理モジュール60t 、該セグメン
ト化されたデータに宛先に従ったATMセルヘッダを作
成し、物理レイヤの処理を行いATM網1に対してセル
を投入するATMヘッダ付与モジュール62t からな
る。
【0214】これに対し、受信側端末42r は、ATM
網1から入力されてきたセル流から、物理レイヤの処
理、及び自分宛のセルを選択して取り出した後、該FE
Cを用いてデータ通信を行うセルのみを選択して、この
ATMヘッダを削除した後に該セルのデータをSAR処
理モジュール60r に渡す機能を少なくとも有し、場合
によってはATMセルヘッダのPT(ペイロードタイ
プ)のUUI(ユーザ・ユーザ情報)領域を予めユーザ
同志でインターリーブ構造単位にデインターリーブした
際に格納される最後のセルであることを示すものと合意
をとっておいて用い、それを検出し通知することも可能
であるATMヘッダ削除モジュール62r 、ATMヘッ
ダ削除モジュール62r から受け取ったデータ(セルペ
イロードデータ)を、CRCとSNのチェックを行い、
もし誤りが検出されたならばCS処理モジュール54r
のFEC訂正モジュール50r に、その誤り、抜け位置
の通知を行う機能を有するSAR処理モジュール6
r 、SAR処理モジュール60rからわたされたデー
タを、各インタリーブ構造に戻しつつ、誤り、抜け位置
の通知をSAR処理モジュール60r からうけている場
合にはそれを考慮し対処しつつ、デインターリーブ処理
(アプリケーションデータの再生処理)をFEC訂正モ
ジュール50r を用いつつ(詳細は後述)行う機能を有
するCS処理モジュール54r 、CS処理モジュール5
r からアプリケーションデータを受け取り、広帯域デ
ータ転送処理の受信側処理アプリケーションを稼働する
アプリケーション処理モジュール44r からなる。
【0215】これらのモジュールは第1の実施例でも示
したようにその各々のモジュールの処理がハード処理で
行なわれていてもソフト処理で行なわれていても、どち
らでも構わない。
【0216】次に、送信側端末42t における処理をレ
イヤの順(処理モジュールの順)に従って説明する。
【0217】(A)アプリケーション処理モジュール4
t による処理 第1の実施例のアプリケーション処理モジュール4t
場合と同様である。
【0218】(B)インターリーブモジュール48t
よびFEC付与モジュール50t による処理 CS処理モジュール54t は、インターリーブモジュー
ル48t とFEC付与モジュール50t からなり、アプ
リケーションデータに対して図27(a)に示すような
インターリーブ構造を作っていく。ここでも、第1の実
施例と同様の理由により、インターリーブ構造の横幅に
ついては特に問わない。ただし、送信側端末42t と受
信側端末42r 双方の間であらかじめ合意しておくもの
とする。また、縦方向のサイズについても任意で構わな
いが処理の容易性を考慮すれば“ATMセルのペイロー
ド長−(SN+CRCのサイズ)”の倍数になっている
ことが望ましい。なお、SNとCRCはこの後で説明す
るSAR処理モジュール60t で付与されるトレイラで
ある。例えば、SNとCRCのサイズが併せて2オクテ
ットであれば、縦のサイズは46シンボルもしくはその
倍数がよい。SNとCRCのサイズを併せて1オクテッ
トとすれば、インターリーブの縦のサイズは47の倍数
が適当であり基本的には図27(a)の様なインターリ
ーブを想定することができ、図27(b)の様な場合も
有り得る。ここでは、SNとCRCが併せて1 オクテッ
トであるような例を紹介するので縦の長さは47オクテ
ットとして説明する。
【0219】前述のようにインターリーブ構造のサイズ
に関しては両端末で合意している必要があり、その設定
は動的にも静的にも行えるが、ここでは予め呼設定の段
階等で決定しているとする。また、CS処理モジュール
54t 内のFEC付与モジュール50t で、バースト誤
り訂正符号(本実施例ではリードソロモン符号)を付与
する。
【0220】この場合にも、上位レイヤから受け取った
データは単発的に到着するデータであるか、それともバ
ースト的に一定時間にわたって到着するデータであるか
わからないので、上位から渡されるデータ量の変化を監
視し、第1の実施例と同様に必要に応じてタイマーを起
動させて調節をはかる。
【0221】(C)シーケンス番号付与モジュール52
t による処理 シーケンス番号付与モジュール52t では上位に位置す
るインターリーブモジュール48t から順次列を読み出
してきて、SNとCRCを付与するとペイロードのサイ
ズになるように区切りながら、SNを付与していく。S
Nは本実施例では4ビットとし、よって16を法として
巡回する連続した番号となる。よって、セルがバースト
的に廃棄されないかぎりは、セル廃棄を検出することが
できる。実施例と同様に、SNのビット数は3ビットに
して1ビットはインターリーブ列の1列目またはそれ以
外を表すようなビットとして用いることも可能である
が、その場合は8を法とした番号になる。SNとCRC
(次のモジュールで付与する)のビット数は任意であ
り、図19の様な構成にすることも可能である。
【0222】(D)SAR処理モジュール60t による
処理 CRC付与モジュール58t では、47オクテットのデ
ータとSN両方に対して計算した誤り検出を行う符号を
付与する。CRCのサイズはSNと同様に4ビットとし
ている。第2の実施例と同じ理由でこれらのSNとCR
Cは一緒にしてセルの最後になる部分に置くこととす
る。図28のCRCの能力としては、第2の実施例でも
述べたようにビット誤りの検出のみで十分である。
【0223】(E)ATMヘッダ付与モジュール62t
による処理 第1の実施例のATMヘッダ付与モジュール12t の場
合と同様ある。
【0224】以上が、送信側端末42t における処理の
流れである。
【0225】次に、受信側端末42r における処理につ
いて説明する。
【0226】(F)ATMヘッダ削除モジュール62r
による処理 第1の実施例のATMヘッダ削除モジュール22r の場
合と同様である。
【0227】(G)CRC確認モジュール58r による
処理 CRC確認モジュール58r では、受け取った48オク
テットごとのデータに含まれているCRCの確認を行
う。予め送信側と受信側で決定しているCRCの計算方
法に従って、受け取った48オクテットのデータの先頭
から順次計算を効率的に行っていく。最後の4ビットを
残した時点で計算が完了し、最後の4ビットがCRCに
相当しているので、これと比較することによって、一致
していれば正しいデータとSNであることが保証され、
シーケンス番号確認モジュールに最後の4ビットを取り
除いたデータ列をシーケンス番号確認モジュールに渡
す。誤りが検出されたならば、データとSNのいずれ
か、または両方にビット誤りが含まれていることが判明
するので、そのデータまたはシーケンス番号が誤りを含
んでいる旨をシーケンス番号確認モジュール52r とF
EC訂正モジュール50rに通知する。
【0228】(H)シーケンス番号確認モジュール52
r による処理 第1の実施例のシーケンス番号確認モジュール12r
ほぼ同様であるが、本シーケンス番号確認モジュール5
r では、CRCで誤りが検出されずに正しいと保証さ
れたデータに関して、シーケンス番号の部分(受け取っ
た時点では最後の4ビット)を検索していくことによっ
てセル廃棄を検出する。連続でない値が現れたらセル廃
棄があったことがわかる。もしも、セル廃棄が検出され
たならば前後のシーケンス番号を確認の上でFEC訂正
モジュールに誤り、抜け位置の通知を行うことによって
どのインターリーブ列が廃棄されたのかを知らせる。
【0229】(I)デインターリーブモジュール48r
およびFEC訂正モジュール50rによる処理 デインターリーブモジュール48r についても、第1の
実施例のデインターリーブモジュール8r の場合と同様
である。
【0230】ただし、インターリーブ構造の1列に複数
セルが含まれる様な場合について考えてみる。例えば、
図29の様にインターリーブ列の1列が3セルに相当し
ている場合には、1セル廃棄されても残りの2セル分が
正しく到着していればその2セル分はインターリーブ構
造の正しい位置に書き込んでやって、1セル分だけダミ
ーデータを補充してやれば良い。この場合には全ての行
のFECを用いて訂正を行う必要はない。
【0231】(J)アプリケーション処理モジュール4
r 第1の実施例のアプリケーション処理モジュール4r
同様である。
【0232】以上が、受信側端末42r における処理の
流れである。
【0233】ここで、本実施例においても、第1の実施
例で述べたようなライトウエイト転送プロトコルを本発
明のCSレイヤよりも上位のレイヤに実装し、必要な場
合に再送制御を行うことによって、データ転送の信頼性
をさらに向上させるようにしても良い。
【0234】その場合、さらに、第1の実施例で述べた
ようにして、誤り制御能力の限界値をこえる誤りが発生
した場合、そのことをいち早く感知して、早めに再送制
御などの手段を講じることができるように構成しても良
い。
【0235】なお、本第1、第2、および第3の実施例
にて述べた誤り制御方式は、データ転送に限定したもの
ではない。例えば、AALタイプ5機能のみがAAL機
能として実装された端末装置などにおいて、該端末装置
がマルチメディア/コンティニュアスメディア処理機能
(例えば音声や映像の処理機能)を有しており、この機
能を用いたマルチメディア通信機能を実現する場合に、
AALタイプ5の処理機能を用いてこのマルチメディア
/コンティニュアスメディア通信を行ってもよい。この
場合に、本実施例にて述べたような誤り制御方式を併用
して用いることも可能である。また、同様に、本第3の
実施例にて述べたようなユーザ定義のAALタイプを用
いてデータ通信、あるいはマルチメディア/コンティニ
ュアスメディア通信を実現することも可能である点に注
意が必要である。これらの場合にも、低レイテンシにて
高信頼なマルチメディア/コンティニュアスメディア情
報の転送を実現可能になるのは言うまでもない。
【0236】また、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々
変形して実施することができる。
【0237】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、A
TM通信網で高速データ転送を行う場合にAALタイプ
5のCPCSよりも上位のレイヤにインターリーブ構造
とFECを用いた誤り制御方法を、またはセル単位にシ
ーケンス番号と誤り検出符号を付与したユーザ定義の新
しいAALタイプを用いることによって、信頼性のある
高スループット、低レイテンシなデータ通信を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の処理プロトコルスタックを示す
【図2】第1の実施例の送信/受信側両端末の構成を示
す図
【図3】AALタイプ5のインターリーブを説明するた
めの図
【図4】インターリーブ構造にて構成されるデータの構
造を示す図
【図5】インターリーブモジュールにて構成される全体
構造を示す図
【図6】インターリーブモジュールで構成される全体構
造を列方向からみた図
【図7】シーケンス番号付与モジュールによる全体構造
の読みだし順を説明するための図
【図8】AALタイプ5におけるシーケンス番号の付与
を説明するための図
【図9】1シンボル=48オクテットとしたときの符号
化およびセル化方式を説明するための図
【図10】受信側端末におけるインターリーブ構造再生
の様子の一例を示す図
【図11】従来の復号処理と本発明の復号処理とを比較
するための図
【図12】AALタイプ5の他のインターリーブを説明
するための図
【図13】AALタイプ5における他のシーケンス番号
の付与を説明するための図
【図14】CPCSレイヤおよびSARレイヤ処理を説
明するための図
【図15】コネクション設定の流れの一例を示す図
【図16】ライトウェイト転送プロトコルを実装した場
合の処理プロトコルスタックを示す図
【図17】第2の実施例におけるAALタイプ5のイン
ターリーブを示す図
【図18】シーケンス番号付与モジュールの第1のイン
ターリーブ構造の読みだし順を説明するための図
【図19】シーケンス番号付与モジュールにて付与する
シーケンス番号とCRCのフォーマットを示す図
【図20】シーケンス番号付与モジュールの第2のイン
ターリーブ構造の読みだし順を説明するための図
【図21】シーケンス番号付与モジュールの第3のイン
ターリーブ構造の読みだし順を説明するための図
【図22】シーケンス番号付与モジュールの第4のイン
ターリーブ構造の読みだし順を説明するための図
【図23】AALタイプ5のSSCS処理を説明するた
めの図
【図24】AALタイプ5CPCS処理を説明するため
の図
【図25】第3の実施例の処理プロトコルスタックを示
す図
【図26】第3の実施例の送信/受信側両端末の構成を
示す図
【図27】本発明に係るAALタイプXにおけるインタ
ーリーブ構造への書き込みとFEC付与を説明するため
の図
【図28】AALタイプXのSARヘッダ/ トレイラを
示す図
【図29】AALタイプXにおけるFEC訂正を行わな
い部分を説明するための図
【図30】AAL−IDUとして上位から渡されるビッ
トのデータ列を示す図
【図31】AALタイプ1のオプションのインターリー
ブを説明するための図
【図32】AALタイプ1におけるCSレイヤの処理を
説明するための図
【図33】ATMセルのATMヘッダとペイロードを示
す図
【符号の説明】
1 …ATM網 3 …ATM交換機 2t …送信側端末 4t …アプリケーション処理モジュール 6t …SSCS処理モジュール 8t …インターリーブモジュール 10t …FEC付与モジュール 12t …シーケンス番号付与モジュール 14t …CPCS処理モジュール 16t …LI付与モジュール 18t …CRC付与モジュール 20t …SAR処理モジュール 22t …ATMヘッダ付与モジュール 2r …受信側端末 4r …アプリケーション処理モジュール 6r …SSCS処理モジュール 8r …デインターリーブモジュール 10r …FEC訂正モジュール 12r …シーケンス番号確認モジュール 14r …CPCS処理モジュール 16r …LI確認モジュール 18r …CRC確認モジュール 20r …SAR処理モジュール 22r …ATMヘッダ削除モジュール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ATMアダプテーションレイヤ・タイプ5
    のコモン・パート・コンバージェンス・サブレイヤーよ
    りも上位のレイヤにて行うATM網における誤り制御方
    法であって、 送信しようとする一続きのデータ列を一定の長さに順次
    区切り、それらの先頭を揃えて行方向に並べるととも
    に、この区切られた一群のデータごとに所定の誤り制御
    符号を付加する第1の手順と、 前記第1の手順によってマトリックス状に並べられた全
    データを、前記行方向とは垂直な列方向に、順次、所定
    のビット数のデータからなる単位データ列として取り出
    していく第2の手順と、 前記第2の手順によって取り出された各単位データ列の
    送信順序を受信側に示す符号を前記単位データ列ごとに
    付加した後、前記単位データ列をコモン・パート・コン
    バージェンス・サブレイヤーへ渡す第3の手順とを有し
    てなることを特徴としたATM網における誤り制御方
    法。
  2. 【請求項2】ATMアダプテーションレイヤ・タイプ5
    のコモン・パート・コンバージェンス・サブレイヤーよ
    りも上位のレイヤにて行うATM網における誤り制御方
    法であって、 送信しようとする一続きのデータ列を一定の長さに順次
    区切り、それらの先頭を揃えて行方向に並べるととも
    に、この区切られた一群のデータごとに所定の第1の誤
    り制御符号を付加する第1の手順と、 前記第1の手順によってマトリックス状に並べられた全
    データを、前記行方向とは垂直な列方向に、順次、所定
    のビット数のデータからなる単位データ列として取り出
    していく第2の手順と、 前記第2の手順によって取り出された各単位データ列の
    ATMセルのペイロード長よりも短い一定長のデータご
    とに、この一定長のデータの送信側でのセル送出順を受
    信側に示す符号と、この符号および前記一定長ごとのデ
    ータの双方のビット誤りを検出するための第2の誤り検
    出符号とを挿入する第3の手順とを有してなることを特
    徴としたATM網における誤り制御方法。
  3. 【請求項3】送信しようとする一続きのデータ列をAT
    Mセル化する際、送信側でのセル単位のセル送出順を受
    信側に示す符号と、この符号および前記ATMセルのデ
    ータ部を保護するための誤り制御符号とをセル単位に付
    加することを特徴としたATM網における誤り制御方
    法。
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