JPH078561A - ステント及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 体内管腔に挿入し、血管及び消化管に留置
し、管腔の狭窄防止のステントに関するものである。 【構成】 ステント（１）の任意の部分に、１個以上の
穴（３）を設けたステント。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】体内管腔に一時的又は長期的に留
置し管腔の狭窄防止のステントに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のステント技術としては円筒メッシ
ュ状のステントがある。このステントは、拡張用バルン
カテーテルのバルン部分に持着し狭窄部まで運び、バル
ンカテーテルを拡張させ、同時にバルンカテ周囲に固定
しているメッシュ状のステントが拡張し、狭窄部に固定
される。そこで、バルンカテーテルのバルン部の拡張を
解き、ステントのみを留置し、バルンカテーテルを体外
へ除去する。（例えば、ＰＡｄｉｏＬｏｇｙ １６８：
７２７〜７３１ １９８８．ＰＡＡｄｉｏＲｏｇｙ １
７５：９７〜１０２ １９９０参照）その他ステント技
術としては円筒形コイルステントが知られている。この
ステントは、コイルをカテーテル内へ挿入し、押し出し
用カテーテルにてカテーテル内腔に通過させ、カテーテ
ル先端が目的に達したならは、押し出し用カテーテルに
て押し出し、カテーテルヒーターによって加熱し、コイ
ル形状を作るステントが知られている。（例えば、特開
平２−２５２４６７参照）

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術としては、
次のような欠点がある。 イ）ステントに移動修正及び回収機構がないため留置後
の移動、回収ができない。 ロ）カテーテルの内腔を通過させ目的の位置に留置する
ためカテーテルを挿入ができない場所にはステントを留
置できない。 ハ）ステントに自己拡張力がないため、バルンカテ又は
加熱により拡張留置しなければならずバルンカテーテル
や加熱装置が必要となり、操作が複雑で、高価である。 ニ）ステントを直線状に伸ばしカテーテル内に挿入でき
ないので、カテーテルの径が太くなり挿入部血管損傷か
大きい。 ホ）挿入時拡張用バルンカテーテルバルン部へ乗せて挿
入するためバルンカテーテルが必要で、バルン径より大
径の管腔に使用できない。 ヘ）挿入時にバルンカテーテルが必要となり高価とな
る。 ト）バルンカテーテルが通過できない細径又は蛇行した
管腔に使用できない。 チ）ステント本体がメッシュ状の構造なので、粘性の高
い液が通過すると、つまりやすい。 リ）体内にステントを留置すると、移動機構がないため
長時間留置した場合やトラブルによってステントが移動
した場合、ステントの移動や回収ができない。 ヌ）ステント本体が、自己拡張機能を持たないため管腔
の径の増減により移動しやすい。 ル）ステント本体が自己拡張機能を持たないため、組織
に常に圧力を加えることができず、組織に取り込みにく
い。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記欠点を解決するため
に、ステント（１）の任意の部分に１個以上の穴（３）
を開ける。

【０００５】また、丸材の周囲に金属線を巻き任意の点
で反転させ、丸材の周囲を進め再び反転することを繰り
返し、丸材上を進め丸材を除いた形状のステント（１）
にする。

【０００６】また、丸材周囲の任意の点より金属線をコ
イル状に巻き、任意の地点で反転させ、丸材の周囲を任
意の位置まで巻き、反転させ、任意の回数コイル状に巻
くことを繰り返した形状のステント（１）にする。

【０００７】また、丸材周囲に短軸が平行な楕円の金属
線を、コイル状に任意の回数巻き、丸材を除去した形状
のステント（１）にする。

【０００８】また、丸材周囲に短軸が平行な楕円の金属
線を、丸材に垂直に巻き、丸材を除去した形状のステン
ト（１）にする。

【０００９】

【作用】図１の如くステント（１）の先端に作った穴
（３Ａ）にワイヤー（４Ａ）を通し、ガイドワイヤー
（２）先端部近傍に固着された固定帯（６Ａ）とガイド
ワイヤー（２）の間隙にワイヤー（４Ａ）を通し、ワイ
ヤー（４Ａ）の両端を近傍へ引きステント（１）を先端
近傍へ固定する。同様にステント（１）の末端に作られ
た穴（３Ｂ）にワイヤー（４Ｂ）を通しガイドワイヤー
（５）の近位部に固着された固定帯（６Ｂ）とガイドワ
イヤー（２）の間隙にワイヤー（４Ｂ）を通し近位部に
引き、ステント（１）の末端部をガイドワイヤー（２）
に固定する。ガイドワイヤー（２）に固定されたステン
ト（１）を体内管腔へ挿入し目標の位置にてワイヤー
（４Ａ）の両端とワイヤー（４Ｂ）の両端の緊張を解
く。ステント（１）は、元の形に戻り体内管腔へ固定さ
れる。固定され位置の修正及び再回収の必要がなければ
ワイヤー（４Ａ）、ワイヤー（４Ｂ）とガイドワイヤー
を除去する。請求項２以下に対する使用法は、血管内に
留置されたカテーテルの活栓部よりステント（１）をカ
テーテル内腔に挿入し、押用ガイドワイヤー又はカテー
テルにて、カテーテル先端より押し出し、ステント
（１）がカテーテル先端より出た時点でステントに復元
性があるため、元の形に戻り血管内に留置される。

【００１０】

【実施例】以下、本発明に関する１実施例を図に基づき
詳説する。図２の如く、ステント（１）の任意に部分に
少なくとも１個以上の穴（３Ａ、３Ｂ）を作る。これを
使用する時には、穴（３Ａ、３Ｂ）に金属糸をかけ相反
する方向に引っ張りステント（１）を直線状に伸ばし図
１の如くガイドワイヤーに固定する。シース内腔又はカ
テーテル内腔を通し、目的の部位に到達させ、金属線
（４Ａ、４Ｂ）の張りを解くとステント（１）が元の形
に戻り留置される。そこでワイヤー（４Ａ、４Ｂ）とガ
イドワイヤー（５）を除去しステント（１）が体内管腔
へ固定される。なお、ステント（１）の材質は、ステン
レス又はチタニュウムなどの金属、又はプラスチックが
使用可能で自己形状の復元性のよいものが望ましい。

【００１１】図３で示される実施例２では、丸材の周囲
に金属線を任意の位置まで巻き反転させ、丸材周囲を巻
きながら進め、これを繰り返し丸材上を進め丸材を除い
た形状のステント（１）である。

【００１２】図４で示される実施例３では、丸材の周囲
に金属線を任意の位置まで巻き反転させ、任意の回数丸
材周囲を巻き、これを繰り返し丸材を除いた形状のステ
ント（１）である。

【００１３】図５で示される実施例４では、丸材の周囲
に短軸が平行な金属線で作った楕円を、丸材の周囲に螺
旋状に巻き丸材を除去した形状のステント（１）であ
る。

【００１４】図６で示される実施例５では、丸材の周囲
に短軸が平行な金属線で作った楕円を、丸材の周囲に直
角に巻き丸材を除去した形状のステント（１）で、特に
大径管腔に用いるのに有効で、上記のステント（１）を
複数個つなぐことも可能である。

【００１５】図７で示される実施例では、ステント
（１）のフレームに繊維（５）を巻着するすることがで
き、血管内でステント（１）を長期に体内に留置する場
合、人体組織に早期に生体に取り込まれるため、感染の
危険が少なく長期的な開存が可能である。

【００１６】図８に示されるようにステント（１）内壁
にフェルト（７）を固着することができ、外壁にも固着
することができる。さらに内壁と、外壁にも同時に固着
できる。このようにすると、体内悪性腫瘍に対して長期
の開存が望める。

【００１７】イ）なおここに述べたステント（１）に
は、ステント（１）の任意の部位に少なくとも１個以上
の穴（３）を開けることができる。 ロ）図９の如くステント（１）の一端及び両端を巻きリ
ング状加工（９Ａ、９Ｂ）にすることができる。 ハ）図１０の如く、ステントの任意の部位に少なくとも
１個以上のリング（１１）を固着することができる。 ニ）図１１の如く、ステント（１）の一端及び両端を咬
持器がつかみやすいように、受口（１１Ａ、１１Ｂ）を
作ることができる。 ホ）ステント（１）の任意の部位には少なくとも１個以
上の移動防止用つめを固着することができる。 ヘ）ステント（１）の全周に血栓防止用コーティングを
行なうことができる。 ト）ステント（１）の全周に生体に同化しやすくするた
めのコーティングを行なうことができる。 チ）ステント（１）のフレーム断面は楕円形にすること
ができ、より内径が広くなる。 ヌ）ステント（１）のフレームの全周に繊維（５）を巻
付することができる。 ル）ステント（１）の外周及び内周に金属薄板又はプラ
スチックシートに金属薄板を被着及び金属を蒸着したも
のを係着できる。 オ）ステント（１）作製に用いる楕円線材は、金属線を
溶接して作製しても良いが、打ち抜きによって作製して
も良い。 ワ）ステント（１）の本体の内面及び外面は弾力性のあ
るプラスチックにより掩塞することができる。 オ）図１２の如く、ステント（１）の外周及び内周にネ
ット（１２）を巻着又は固着することができる。ネット
は金属線又はプラスチック線で作製しても良い。また、
ステント（１）の間隙部分にネット（１２）を固着して
も良い。

【００１８】

【発明の効果】

イ）自己拡張機能を持つため挿入時拡張バルンカテーテ
ルを必要としないためバルン径より大径の管腔に使用で
きる。 ロ）挿入時バルンカテが不必要となり手術が簡単で安価
となる。 ハ）ガイドワイヤー（２）にて直線状に伸ばし目的部位
まで挿入する方法なので、カテーテルが通過できない部
位に使用できる。 ニ）ステント（１）がコイル状なので開口部が大きくつ
まりにくい。 ホ）ステント（１）に穴が付いているため、穴に糸を通
すと、防移防止及び回収機構として使用できる。 ヘ）ステント（１）が自己拡張機能を持つため、留置中
に管腔径が大きくなっても移動しない。 ト）ステント（１）が自己拡張機能を持つため、組織に
常に接触しているので、組織の取り込みが早い。 チ）ステント（１）の外周及び内周に、シートを設ける
ことができるのて、悪性腫瘍の突出にも耐え、長期間開
存できる。 リ）ステント（１）の一部及び全周に、ダクロン繊維を
ステント（１）のフレームに固着できるので血管に留置
すると、人体に同化しやすい。

【図面の簡単な説明】

【図１】ステント挿入実施例側面図

【図２】実施例１の側面図

【図３】実施例２の側面図

【図４】実施例３の側面図

【図５】実施例４の側面図

【図６】実施例５の側面図

【図７】ステントに繊維を巻着した側面図

【図８】ステントにフェルトを巻着した側面図

【図９】ステントの両端をリング状に加工した側面図

【図１０】ステントにリングを固着した側面図

【図１１】ステントに受口を作った側面図

【図１２】ステントにネットを固着した側面図

【符号の説明】

１ ステント ２ ガイドワイヤー ３、３Ａ、３Ｂ 穴 ４Ａ、４Ｂ ワイヤー ５ 繊維 ６Ａ、６Ｂ 固定帯 ７ フェルト ８ つめ ９Ａ、９Ｂ リング １０Ａ、１０Ｂ リング １１Ａ、１１Ｂ 受口 １２ ネット

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ステント（１）の任意の部分に１個以上
   の穴（３）を設けたステント。
2. 【請求項２】 丸材の周囲に線体を巻き任意の点で反転
   させ、丸材周囲を進め再び反転させたことをくりかえ
   し、丸材上を進めた丸材を除いた形状のステント。
3. 【請求項３】 丸材の周囲の任意の点より線体をコイル
   状に巻に、任意の地点にて反転させ、丸材の周囲を任意
   の地点まで巻き、反転させ、任意の回数コイル状に巻く
   ことを、くりかえしながら丸材上を進め、丸材を除いた
   形状のステント。
4. 【請求項４】丸材の周囲に短軸が平行な、楕円形に作ら
   れた線体をコイル状に任意の回数巻き、丸材を除去した
   形状のステント。
5. 【請求項５】丸材の周囲に短軸が平行な楕円形に作られ
   た線体を垂直に巻き、丸材を除いた形状のステント。