JPH0780283A - 堰板型液液接触塔 - Google Patents

堰板型液液接触塔

Info

Publication number
JPH0780283A
JPH0780283A JP16693494A JP16693494A JPH0780283A JP H0780283 A JPH0780283 A JP H0780283A JP 16693494 A JP16693494 A JP 16693494A JP 16693494 A JP16693494 A JP 16693494A JP H0780283 A JPH0780283 A JP H0780283A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
shelf
tower
plate
dispersed phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP16693494A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2679630B2 (ja
Inventor
Takashi Nakayama
喬 中山
Hiroshi Sagara
紘 相良
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JGC Corp
Original Assignee
JGC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JGC Corp filed Critical JGC Corp
Priority to JP16693494A priority Critical patent/JP2679630B2/ja
Publication of JPH0780283A publication Critical patent/JPH0780283A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2679630B2 publication Critical patent/JP2679630B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Extraction Or Liquid Replacement (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 非撹拌式の、複数の棚段を有する向流型液液
接触塔において、水平方向に塔の断面の一部を占め液の
流路を残した棚板と、その棚板の流路側の端から垂直に
延び、棚板寄りに開口部を形成した堰板とからなる棚段
とを、塔内に適宜間隔をもって交互に配置してなる。 【効果】 高い接触効率が得られ、処理能力の大きい、
装置が実現する。可動部分がなく、メンテナンスは容易
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液液接触塔に関し、詳し
くは、相互不溶解性の二種の液体をその比重差を利用し
て連続的に向流接触させる液液接触塔の改良に関する。
その代表的な用途は、石油精製、石油化学、石炭化
学、原子力工業、その他種々のプロセス工業において重
要な単位操作の一つである液液抽出や液液反応の装置で
ある。
【0002】
【従来の技術】液液抽出等に用いられる向流型の液液接
触塔には、多孔板塔、充填塔、バッフル塔等の非撹拌式
のものと、回転円板塔、オルドシュー・ラシュトン(Ol
dshueRushton)塔、脈動抽出塔、往復動抽出塔等の撹拌
式のものとがある。
【0003】後者の撹拌式の接触塔は単位高さ当りの接
触効率は大きいものの、機械的な駆動部分があるため、
設備費が高価となるとともに維持管理が面倒であるとい
う欠点を有する。 前者の非撹拌式の接触塔は比較的接
触効率は低いものの、設備費が安価であるとともに、維
持管理が容易であることは有利である。
【0004】発明者らは、設備費が安価であるとともに
維持管理が容易であるという利点を有する前者の非撹拌
式の液液接触塔、中でも比較的接触効率が高い多孔板塔
についての改良研究を続けてきた。
【0005】従来の多孔板塔は、図15および16に示
すように(図示した例は、軽液(L)が分散相で重液
(H)が連続相の場合)、塔(20)の上部に重液入口
(21)と軽液出口(22)とを設け、下部に軽液入口
(23)と重液出口(24)とを設け、塔内に複数の棚
段(25)を配設した構造である。
【0006】この棚段(25)は、図16に詳細を示す
ように、円形の多孔板の一部を切り欠いて流路とした、
水平に置かれる多孔板(26)と、その流路側の端から
垂直に下方(分散相供給側)に延びる縦板(27)とか
らなる。 この多孔板の流路と縦板とで形成する部分が
溢流管(図示した例のものは「ダウンカマー」と呼ばれ
る)であって、連続相(重液)だけが通過する連続相液
流路(29)となり、多孔板26の孔部が分散相(軽
液)だけが通過する分散相液流路(28)となる。
【0007】この多孔板塔の運転は、塔(20)下部の
軽液入口(23)から軽液を供給するとともに、上部の
重液入口(21)から重液を供給して行なう。
【0008】この際、一方が分散相、他方が連続相とな
るように両液を供給するが、図示した軽液が分散相の場
合においては、連続相である重液の供給量に対し、多孔
板(26)の下方に分散相液滴が滞留して上方に移動す
る間に液滴が累積し合一して分散相合一層を形成し、そ
の分散相合一層が孔部の分散相液流路(29)から垂直
に上方向に流出するような流量条件で軽液を供給する。
【0009】上記のようにして軽液と重液とを塔(2
0)内で連続的に向流で液液接触させることにより、重
液中の成分を軽液で抽出したり、またその逆に軽液中の
成分を重液で抽出したり、さらには軽液と重液との間に
化学反応を生じさせたりした後、それぞれ作用が済んだ
軽液を軽液出口(22)から抜き出すとともに重液を重
液出口(24)から連続的に抜き出す。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のような多孔板塔
では、多孔板より開口面積の大きなバッフル塔に比較し
て単位段当りの液液接触効率は大きいものの、上記した
分散相の流量条件が満たされる範囲で運転するために
は、多孔板(26)に設ける孔部である分散相液流路
(29)の開口面積を小さくしなければならず、分散相
液の供給量を大きくすることができない。 従って処理
液量が少ないという欠点があった。
【0011】発明者らは、こうした欠点を解消するため
に以下の試みを行なった。
【0012】まず、従来の多孔板塔を用い、分散相流量
と連続相流量との比を一定にして液量を徐々に多くして
フラッディング領域まで流し、液液接触効率をみたが、
その効率は通常運転に比べ低下し、高い接触効率を維持
して処理液量を多くすることは不可能であった。
【0013】次に多孔板(26)の分散相液流路(2
9)である孔径を大きくすることか、また孔数を増加す
ることにより開口面積比を高めて分散相液量を増加させ
てみたが、多孔板(26)下の分散相合一層の厚さが薄
くなり、僅かの運転条件の変化で分散相合一層が全くな
くなってしまうこともあり、安定な運転が困難であると
ともに、安定した液液接触の効率が得られなかった。
また、分散相合一層が全くなくなった場合には効率が大
幅に低下することがわかり、この方法が有効であると結
論することはできなかった。
【0014】本発明の目的は、従来の非撹拌式の液液接
触塔には望めなかった、高い処理量と高い接触効率とを
同時に達成できる液液接触塔を提供することにある。
すなわち、分散相の流路面積を大きくして処理液量を大
幅に増加しても、分散相の液滴が確実に合一して分散相
合一層を形成し、その合一層が液滴となって均一に分散
する工程の繰り返しを確保することにより、高い接触効
率を維持できるような液液接触塔を提供することであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の堰板型液液接触
塔は、塔の上部から重液を供給するとともに下部から軽
液を供給し、一方が分散相、他方が連続相となるように
両液を塔内で連続的に向流接触させる、複数の棚段を有
する液液接触塔において、水平方向に塔の断面の一部を
占め連続相液と分散相液との流路を残した棚板と、その
棚板の流路側の端から分散相の供給方向に垂直に延び、
棚板寄りに分散相液の流路となる開口部を形成した堰板
とからなる棚段を有し、前段の棚段からの分散相液滴を
次段の棚段で滞留させるとともに、滞留の間に液滴が合
一して分散相合一層を形成し、その合一層が前記堰板の
開口部から水平方向に流出するように構成したことを特
徴とする。
【0016】以下、本発明を図面によりさらに詳しく説
明する。 図中、従来の多孔板と同一の部分には前記と
共通の同じ符号を用いる。
【0017】本発明の堰板型液液接触塔の第一の態様
は、図1に示すように、塔(10)の上部に重液入口
(21)と軽液出口(22)とが設けてあり、塔(1
0)下部に軽液入口(23)と重液出口(24)とが設
けてあり、塔(10)内には複数の棚段(1)が配設さ
れている。
【0018】本発明の装置に使用する棚段(1)は、図
2および図3に示すように、円板の一部を切り欠いて連
続相液と分散相液との流路(4)を形成した、水平に置
かれる棚板(2)と、その棚板(2)の液流路(4)の
端から垂直に下方(分散相供給側)に延びる堰板(3)
とからなり、堰板(3)の棚板寄りの側には、分散相液
の流路となる開口部(5)が設けてある。
【0019】棚板(2)の下方(分散相供給側)では、
図4に示すように、分散相の液滴が滞留する間に累積し
合一して分散相合一層を形成する。 形成された分散相
合一層は、堰板(3)の開口部(5)から水平方向に流
出する。
【0020】本発明の液液接触塔の運転は、従来の多孔
板塔と同様に、一方が分散相、他方が連続相となるよう
に塔(10)下部の軽液入口(23)から軽液を供給す
るとともに上部の重液入口(21)から重液を供給し、
一方で、すでに液液接触を行なった軽液を塔(10)上
部の軽液出口(22)から抜き出すとともに、重液を塔
(10)下部の重液出口(24)から連続的に抜き出す
ことにより行なう。
【0021】上記の構造をもつ棚段(1)を複数、塔
(10)内に交互に180度回転した相対位置で配設し
た態様の液液接触塔では、液の流路(4)を通過する連
続相液および分散相液が塔壁の一方の側から他方の側に
蛇行するように移動し、それによって液液接触の機会が
増加している。
【0022】堰板(3)は分散相液滴が溢流しない高さ
をもつことが必要であるが、従来の多孔板塔に用いられ
るダウンカマーの高さに比べ、低くすることができる。
すなわち、従来の多孔板塔では、液滴はその垂直方向
の移動の間に合一層を形成する(図16参照)ため、そ
の合一層形成に必要な距離だけ縦板(27)の高さが必
要になるが、本発明の液液接触塔では図4に矢印で示す
ように、分散相液滴が棚板(2)の下方で水平方向に移
動する間に累積、合一するため、高さ方向の距離を短く
できるわけである。
【0023】堰板に設ける分散相液の流路である開口部
(5)の開口面積率は、塔断面積に対して2〜30%の
範囲が適当であり、好ましくは3〜15%である。 堰
板に設ける開口部(5)の形状は、本発明の目的に合致
する限りどのような形状でも採用でき、図3に示したも
ののほか、図5ないし図7に示したような諸態様が可能
である。 その開口面積は、液処理量に応じて調整可能
であり、設計の自由度が大きい。
【0024】図8ないし図10は本発明の第二の実施態
様を示す。 この態様は、棚段が2段で1組となる、さ
らに高処理量が可能な2パスタイプ(液流路数2)の液
液接触塔である。(前記の実施態様と同様な部分は同一
の符号を付した。) すなわち、第一の棚段(1a)は
図9に示すように、そのほぼ中央部分に連続相液と分散
相液とが通る第一流路(4a)を有する棚板(2a)
と、その棚板(2a)の第一流路(4a)の端から垂直
下方に延びる堰板(3a)とからなり、前記の実施態様
で示した棚段(1)と同様の機能を有する。
【0025】第二の棚段(1b)は、第一の棚段(1a)
の第一流路(4a)を覆うように、図10に示す形の棚
板(2b)が広がるとともに、二つの第二流路(4b,
4b)が設けてあって、それぞれの第二流路(4b,4
b)の端から垂直方向に延びる堰板(3b,3b)とか
らなり、前記の実施態様に関して述べた棚段(1)の機
能と同様なはたらきをする。
【0026】図11ないし図14に、本発明の第三の態
様を示す。 この態様は、上記した連続相液と分散相液
との共通の液流路数を4本に増加した、4パスタイプの
液液接触塔である。
【0027】この態様においても、第二の態様と同じく
棚段は2段で一組となる。
【0028】第一の棚段(1c)は、3本の第一流路(4
c)を有する4分割された棚板(2c)と、棚板(2c)
のそれぞれの第一流路(4c)の端から垂直下方に延び
る堰板(3c)とからなり、堰板(3c)には分散相液
のみの流路となる開口部(5c)が設けてある。
【0029】第二の棚板(1d)は、上記3本の第一流
路(4c)を下方から塞ぐように、3分割された棚板
(2d)が広がるとともに、4本の第二流路(4d)が
形成されていて、棚板(2d)のそれぞれの第二流路
(4d)の端から垂直下方に延びる堰板(3d)があっ
て、堰板(3d)には、分散相液のみの流路となる開口
部(5d)が設けてある。
【0030】上記第一の棚段(1c)および第二の棚段
(1d)は、いずれも前記した第一の態様の棚段(1)
の機能と原理的には同じ機能を示すが、第二の態様に関
する説明から理解されるように、第二の態様の棚段(1
a)および(1b)の組と同様なメリットをもつ。
【0031】第二および第三の実施態様(これらと、そ
の延長線上に考えられる液流路数を増した諸態様を、あ
わせて「マルチパスタイプ」と呼ぶ)の液液接触塔にお
いては、第一流路(4a,4c)と第二流路(4b,4
d)とを垂直方向に重ならない位置関係で配設すること
により、処理液量を高めたい場合に、それに応じた流路
面積が得られるように設計することが容易である。 と
くにスケールアップの要求にこたえる場合には、マルチ
パス型にすることにより、大きな塔径の液液接触塔にす
ることができる。
【0032】
【作用】本発明の液液接触塔の棚段(1,1a,1b,
1c,1d)では、所望の処理量に応じて開口した分散
相液流路(5,5a,5b,5c,5d)から分散相合
一層(L3)が水平方向にジェット(L1)となって流出
するとともに、連続相液(H)から受ける剪断応力によ
り確実に液滴(L2)となり、その液滴が連続相液と接
触しながら上方に移動し次の棚段の下方で水平方向に移
動しながら累積して確実に合一して分散相合一層を形成
することになり、この液滴の分散と合一を確実に繰り返
すことにより、重液中の成分を軽液で抽出したり、また
その逆に軽液中の成分を重液で抽出したり、さらに、軽
液と重液との間に化学反応を生じさせる作用を高い接触
効率で行なうことができる。
【0033】棚段の下方における液滴の移動は、第一の
態様においては図4の紙面に平行な方向を中心に行なわ
れ、第二の態様における液滴移動も、これに近い。 第
三の態様においては、チャンネル状になった棚板の下を
図11の紙面に垂直に移動することにより行なわれる。
堰板の開口部(5cおよび5d)を、図12にみるよ
うに離れた位置に置くことにより、塔径の増大とあいま
って、十分な移動距離がとれ、液滴の累積と合一とが確
実に行なわれる。
【0034】
【実施例】以下の比較例および実施例においては、いず
れも濃度12%(重量%、以下同じ)のメタクリル酸水
溶液(以下、原料という)から、メタクリル酸をイソオ
クタン(以下、溶剤という)で抽出する液液抽出操作を
行なった。
【0035】〔比較例1〕抽出装置として、図15およ
び図16に示す構造をもち、内径75mmの塔内に孔径4
mm、孔数5個の多孔板を(ダウンカマー部流路の塔断面
積に対する比は14%)、棚段間隔150mmで10段配
設した多孔板塔を用いた。
【0036】原料が重液、溶剤が軽液であり、後者を分
散相として溶剤比(溶剤/原料)を1.38/1に選
び、温度20℃、大気圧下で液液接触させた。
【0037】原料供給量56kg/Hr、溶剤(メタクリル
酸濃度0%)供給量78kg/Hrのとき、抽残液は液流量
53kg/Hrでメタクリル酸濃度7.3%であり、液液平
衡計算を行なって一理論段当り高さ(以下「HETS」
という。 低い方が効率がよい。)を求めたところ、
2.9mであった。
【0038】原料および溶剤の供給量を増加し、原料8
4kg/Hr、溶剤116kg/Hrとしたとき、フラッディン
グが発生した。
【0039】〔実施例1〕抽出装置として、図1ないし
図4に示す構造の本発明の堰板型液液接触装置であっ
て、内径75mmの塔内に、棚板の液流路開口面積比(液
流路面積/塔断面積)を32%とし、分散相液流路とし
て10mm×10mmの正方形の開口を2個有する棚段を、
棚段間隔75mmで19段配列したものを用いた。 液供
給量以外の溶剤比などの条件は、比較例1と同様にし
た。
【0040】原料供給量84kg/Hr、溶剤(メタクリル
酸濃度0%)供給量116kg/Hrのとき、抽残液は液流
量80kg/Hrでメタクリル酸濃度7.0%であり、液液
平衡計算によるHETSは2.7mであった。
【0041】原料および溶剤の供給量を増加し、原料1
13kg/Hr、溶剤156kg/Hrとしたとき、抽残液は液
流量107kg/Hrでメタクリル酸濃度7.4%であり、
HETSは3.0mであった。
【0042】比較例1と本発明による処理量、抽出効率
をまとめると、下の表1のとおりである。
【0043】 表 1 液供給量(kg/Hr) 抽出効率 比較例1 実施例1 原 料 溶 剤 抽出率 HETS 抽出率 HETS (%) (m) (%) (m) 56 78 42 2.9 − − 84 116 * * 45 2.7 113 156 − − 42 3.0 *フラッディング発生 表1の結果から、本発明の塔を用いた場合には、従来の
多孔板塔を用いた場合に比べて液供給量を多くして処理
量を大幅に増しても、全体の液液接触効率が低下しない
ことがわかる。
【0044】〔比較例2〕抽出装置として、図15およ
び図16に示す従来の装置であって、内径300mmの塔
内に、孔径4mm、孔数72個の多孔板(ダウンカマー部
流路の塔断面積に対する比は14%)を棚段間隔200
mmで10段配設した多孔板塔を用いた。
【0045】原料が重液、溶剤が軽液であり、後者を分
散相として溶剤比(溶剤/原料)を1.38/1に選
び、温度20℃、大気圧下で液液接触した。
【0046】原料供給量900kg/Hr、溶剤(メタクリ
ル酸濃度0%)供給量1240kg/Hr のとき、抽残液
は液流量855kg/Hr でメタクリル酸濃度7.4%で
あり、液液平衡計算を行なってHETSを求めたとこ
ろ、4.0mであった。
【0047】原料および溶剤の供給量を増加し、原料1
350kg/Hr、溶剤1860kg/Hrとしたときフラッデ
ィングが発生した。
【0048】〔実施例2〕抽出装置として、図1ないし
図4に示す構造の本発明の堰板型液液接触装置で、内径
300mmの塔内に、棚板の液流路開口面積比(液流路面
積/塔断面積)を32%とし、分散相液流路として縦4
0mm×横20mmの長方形の開口を4個有する棚段を、棚
段間隔100mmで19段配設したものを用いた。 液供
給量以外の溶剤比などの条件は、比較例2と同様であ
る。
【0049】原料供給量1350kg/Hr、溶剤(メタク
リル酸濃度0%)供給量1860kg/Hr のとき、抽残
液は液流量1250kg/Hr でメタクリル酸濃度4.7
%であり、液液平衡計算によるHETSは2.5mであ
った。
【0050】原料および溶剤の供給量を増加し、原料1
800kg/Hr、溶剤2490kg/Hrとしたとき、抽残液
は液流量1670kg/Hrで、メタクリル酸濃度5.2%
であり、HETSは2.7mであった。
【0051】比較例2と実施例2の処理量、抽出効率を
比較して下記表2にまとめる。
【0052】 表 2 液供給量 (kg/Hr) 抽出効率 比較例2 実施例2 原 料 溶 剤 抽出率 HETS 抽出率 HETS (%) (m) (%) (m) 900 1240 42 4.0 − − 1350 1860 * * 64 2.5 1800 2490 − − 60 2.7 *フラッディング発生 表2の結果から、塔径を大きくした場合においては表1
の結果より高い効果が得られたことがわかる。 詳しく
いえば、塔径が大きな場合には、段当りの接触効率が向
上しており、これは棚板下での液滴が水平に移動する距
離が長くなって、合一層の形成がより確実になり、効率
が向上するためと考えられる。
【0053】
【発明の効果】本発明の液液接触塔では、分散相液の流
路となる開口部の面積を、従来の多孔板塔に設ける孔の
開口面積にくらべて大きくし、分散相の液滴径を大きく
できるので、処理量を大幅に増加させることができる。
また、垂直方向に関して短い距離で分散相が確実に分
散と合一を繰り返すので、従来の多孔板塔と同程度以上
の液液接触効率が確保される。
【0054】また、本発明においては分散相の液滴がほ
ぼ水平方向に流出し、流下する連続相と衝突するように
接触するため、分散相液柱が連続相流体の強い剪断力に
より小さな液滴に引きちぎられて均一な分散が行なわれ
ることになり、液液接触効率が従来より向上する。
【0055】さらに、分散相合一層を水平方向に流出さ
せ液滴の累積、合一を水平移動の間に行なうので、塔の
高さを低く抑えることが可能となり、同じ高さの塔であ
れば、多くの棚段を配設することができるので、合計の
液液接触効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の堰板型液液接触装置の第一の態様
について、全体の構造を示す縦断面図。
【図2】 図1のA−A方向横断面図。
【図3】 図2のB−B方向縦断面図。
【図4】 本発明の装置の作用を説明するための、使
用状態における一部の拡大縦断面図。
【図5】 本発明の装置の第一の態様に使用する堰板
と開口部の、別の例を示す図3と同様な縦断面図。
【図6】 図5と同様な図。
【図7】 図5と同様な図。
【図8】 本発明の装置の第二の態様における作用を
説明するための、図4と同様な拡大縦断面図。
【図9】 図8のC−C方向横断面図。
【図10】 図8のD−D方向横断面図。
【図11】 本発明の装置の第三の態様に使用する棚段
の堰板と開口部の例を示す、図4と同様な(液が存在し
ない状態での)縦断面図。
【図12】 図11の装置の、軸上90°異なる角度か
らみた縦断面図。
【図13】 図11のE−E方向横断面図。
【図14】 図11のF−F方向横断面図。
【図15】 従来の多孔板型液液接触塔の構造と、その
作用を説明する図。
【図16】 図15の一部の拡大縦断面図であって、図
4および図8と対応する図。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d 棚段 2,2a,2b,2c,2d 棚板 3,3a,3b,3c,3d 堰板 4,4a,4b,4c,4d 液流路 5,5a,5b,5c,5d 開口部 10 液液接触塔(本発明) 20 液液接触塔(従来技術) 21 重液入口 22 軽液出口 23 軽液入口 24 重液出口 L 軽液(分散相) L ジェット L2 液滴 L3 分散相合一層 H 重液(連続相)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塔の上部から重液を供給するとともに下
    部から軽液を供給し、一方が分散相、他方が連続相とな
    るように両液を塔内で連続的に向流接触させる、複数の
    棚段を有する液液接触塔において、水平方向に塔の断面
    の一部を占め連続相液と分散相液との流路を残した棚板
    と、その棚板の流路側の端から分散相供給方向に垂直に
    延び、棚板寄りに分散相液の流路となる開口部を形成し
    た堰板とからなる棚段を有し、前段の棚段からの分散相
    液滴を次段の棚段で滞留させるとともに、滞留の間に液
    滴が合一して分散相合一層を形成し、その合一層が前記
    堰板の開口部から水平方向に流出するように構成したこ
    とを特徴とする堰板型液液接触塔。
  2. 【請求項2】 複数の棚段を同一形状とし、それらを垂
    直方向に交互に180度回転した相対位置で塔内に配設
    し、液の流路を通過する連続相液および分散相液が塔の
    壁の一方の側から他方の側に蛇行するように構成した請
    求項1に記載の堰板型液液接触塔。
  3. 【請求項3】 棚段が、両側に液の流路が形成された棚
    板を有する第一の棚段と、片側に液の流路を有する第二
    の棚段とからなり、それらを塔内に交互に、それぞれの
    液の流路が垂直方向に重ならない位置関係で、配設し、
    連続相液および分散相液が分流および合流を繰り返すよ
    うに構成した請求項1に記載の堰板型液液接触塔。
  4. 【請求項4】 棚段が、少なくとも1本の液流路が形成
    された棚板を有する第一の棚段と、少なくとも2本の液
    流路が第一の棚段の液流路と垂直方向に重ならない位置
    関係で形成された棚板を有する第二の棚段とからなり、
    それらを塔内に交互に配設し、連続相液および分散相液
    が分流および合流を繰り返すように構成した請求項1に
    記載の堰板型液液接触塔。
JP16693494A 1993-07-19 1994-07-19 堰板型液液接触塔 Expired - Lifetime JP2679630B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16693494A JP2679630B2 (ja) 1993-07-19 1994-07-19 堰板型液液接触塔

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17808193 1993-07-19
JP5-178081 1993-07-19
JP16693494A JP2679630B2 (ja) 1993-07-19 1994-07-19 堰板型液液接触塔

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0780283A true JPH0780283A (ja) 1995-03-28
JP2679630B2 JP2679630B2 (ja) 1997-11-19

Family

ID=26491128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16693494A Expired - Lifetime JP2679630B2 (ja) 1993-07-19 1994-07-19 堰板型液液接触塔

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2679630B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009022753A1 (ja) 2007-08-16 2009-02-19 Jgc Corporation 接触塔
CN104815458A (zh) * 2015-04-10 2015-08-05 浙江大学 一种隔板交替式萃取塔和萃取的方法
WO2021049459A1 (ja) * 2019-09-09 2021-03-18 株式会社日本触媒 抽出対象物の抽出方法および液液抽出塔

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2872341C (en) * 2012-05-18 2016-09-27 Jgc Corporation Solvent extraction method for uranium

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009022753A1 (ja) 2007-08-16 2009-02-19 Jgc Corporation 接触塔
US8240640B2 (en) 2007-08-16 2012-08-14 Jgc Corporation Contactor
CN104815458A (zh) * 2015-04-10 2015-08-05 浙江大学 一种隔板交替式萃取塔和萃取的方法
WO2021049459A1 (ja) * 2019-09-09 2021-03-18 株式会社日本触媒 抽出対象物の抽出方法および液液抽出塔

Also Published As

Publication number Publication date
JP2679630B2 (ja) 1997-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0635293B1 (en) Liquid-liquid contactor
KR101176277B1 (ko) 접촉탑
EP0541005B1 (en) Liquid-liquid contactor
US9327209B2 (en) Fluid contactor-diffuser tray assembly
US2853281A (en) Fractionating tower
JP2679630B2 (ja) 堰板型液液接触塔
CN102271798A (zh) 去夹带装置
US4541724A (en) Apparatus for counter-current contact of fluids
US9333442B2 (en) Liquid-liquid extraction column containing two distinct types of plates
EP3568222B1 (en) Contact tray having baffle wall for concentrating low liquid flow and method involving same
EP0112165B1 (en) Extraction zone for liquid-liquid contacting
JP2003522633A (ja) 垂直に伸びる液液接触用カラム
CA1204915A (en) Extraction zone tray
RU2283679C2 (ru) Способ и устройство для разделения двухфазной смеси двух несмешивающихся текучих составляющих
CA1089198A (en) Liquid-liquid contacting system
CN112370814A (zh) 一种填料萃取塔及其应用和一种渣油溶剂脱沥青的方法
RU2813911C1 (ru) Насадка для массообменных аппаратов
EP3380209B1 (en) Vertical separation vessel for ionic liquid catalyzed effluent
US2645565A (en) Liquid-liquid extraction tower
SU1017360A1 (ru) Вибрационный массообменный колонный аппарат

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19970701

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080801

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080801

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090801

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090801

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100801

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130801

Year of fee payment: 16

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term