JPH0779939A - 磁気共鳴診断装置 - Google Patents
磁気共鳴診断装置Info
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- JPH0779939A JPH0779939A JP5229316A JP22931693A JPH0779939A JP H0779939 A JPH0779939 A JP H0779939A JP 5229316 A JP5229316 A JP 5229316A JP 22931693 A JP22931693 A JP 22931693A JP H0779939 A JPH0779939 A JP H0779939A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 被検体内の細胞内液と細胞外液の情報、例え
ば細胞内液量と細胞外液量とを分離して画像化すること
ができる磁気共鳴診断装置を提供することを目的とす
る。 【構成】 180°パルスあるいは90°パルスに引き
続き、90°パルスと複数の180°パルスという順序
の高周波磁場パルスと、拡散計測用の勾配磁場、および
画像化のための勾配磁場とを印加する手段と、収集され
た信号の再構成によって得られた画像信号を用いて非線
形最小二乗法により各画素の細胞内液量と細胞外液量と
を求める手段とから構成される。 【効果】 細胞内液量と細胞外液量とを分離して画像化
できる。
ば細胞内液量と細胞外液量とを分離して画像化すること
ができる磁気共鳴診断装置を提供することを目的とす
る。 【構成】 180°パルスあるいは90°パルスに引き
続き、90°パルスと複数の180°パルスという順序
の高周波磁場パルスと、拡散計測用の勾配磁場、および
画像化のための勾配磁場とを印加する手段と、収集され
た信号の再構成によって得られた画像信号を用いて非線
形最小二乗法により各画素の細胞内液量と細胞外液量と
を求める手段とから構成される。 【効果】 細胞内液量と細胞外液量とを分離して画像化
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検体における細胞内
と細胞外の情報を分離して得ることのできる磁気共鳴診
断装置、及び短時間で断層像撮影を行なうことのできる
磁気共鳴診断装置に関する。
と細胞外の情報を分離して得ることのできる磁気共鳴診
断装置、及び短時間で断層像撮影を行なうことのできる
磁気共鳴診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医用診断装置の開発が進められる
中で、磁気共鳴診断装置が多く用いられている。
中で、磁気共鳴診断装置が多く用いられている。
【0003】磁気共鳴診断装置は、被検体内の水の物理
情報を被侵襲に得ることのできる装置である。得られる
物理情報には、スピン−核子緩和時間T1 、スピン−ス
ピン緩和時間T2 、拡散計数Dといったものがある。し
かし、通常の診断ではこれらの物理情報を直接求める方
法は用いられず、繰り返し時間を短くすることにより、
画像に組織のT1 差が反映したコントラストをつけるこ
とのできるT1 強調画像化法や、エコー時間を長くする
ことにより、組織のT2 差が反映したコントラストをつ
けることのできるT2 強調画像化法が用いられる。
情報を被侵襲に得ることのできる装置である。得られる
物理情報には、スピン−核子緩和時間T1 、スピン−ス
ピン緩和時間T2 、拡散計数Dといったものがある。し
かし、通常の診断ではこれらの物理情報を直接求める方
法は用いられず、繰り返し時間を短くすることにより、
画像に組織のT1 差が反映したコントラストをつけるこ
とのできるT1 強調画像化法や、エコー時間を長くする
ことにより、組織のT2 差が反映したコントラストをつ
けることのできるT2 強調画像化法が用いられる。
【0004】しかし、従来の方法で得られる水の情報
は、細胞内の水と細胞外の水とを合わせたものであり、
これらを分離した画像を得ることはできなかった。即
ち、画像化する際のピクセルの大きさは通常細胞に比べ
て大きいので、1つのピクセル内に複数の細胞を含んで
しまい、1つのピクセルの画像情報に細胞内及び細胞外
の情報を含んでしまうことになる。
は、細胞内の水と細胞外の水とを合わせたものであり、
これらを分離した画像を得ることはできなかった。即
ち、画像化する際のピクセルの大きさは通常細胞に比べ
て大きいので、1つのピクセル内に複数の細胞を含んで
しまい、1つのピクセルの画像情報に細胞内及び細胞外
の情報を含んでしまうことになる。
【0005】もし、細胞内外を分離して画像化すること
ができれば、病気の段階をとらえることのできる可能性
がある。例えば、脳梗塞初期の段階では、細胞が膨らむ
ことが知られており、脳梗塞の段階をとらえられる可能
性がある。また、初期の段階で血栓要因を取り除くこと
ができれば、ほぼ正常状態に回復することができるの
で、臨床的に意味がある。
ができれば、病気の段階をとらえることのできる可能性
がある。例えば、脳梗塞初期の段階では、細胞が膨らむ
ことが知られており、脳梗塞の段階をとらえられる可能
性がある。また、初期の段階で血栓要因を取り除くこと
ができれば、ほぼ正常状態に回復することができるの
で、臨床的に意味がある。
【0006】しかし、従来の画像化法では、細胞内液と
細胞外液とが混在した状態をとらえており、切り分けて
画像化することができなかったため、病気の段階を診断
することはできなかった。
細胞外液とが混在した状態をとらえており、切り分けて
画像化することができなかったため、病気の段階を診断
することはできなかった。
【0007】一方、磁気共鳴診断装置は、ユーザーの要
求や種々の技術開発により、臨床的に使用される空間分
解能が向上するとともにマトリクス数が増加している。
また、特定断面だけではなく、多段面の断層像あるいは
3次元空間画像の要求も高まっており、特に血管画像で
は3次元空間画像を得ることが多い。このようなマトリ
クス数の増加、断面数の増加あるいは3次元空間データ
収集化があると、データ数が増加するとともにデータ収
集時間が増加してしまう。データ収集時間が増加すると
患者を拘束する時間が増加し、患者に苦痛を与えるとと
もに、単位時間あたりの検査患者数が減少し、装置使用
効率が悪くなってしまう。また、腹部や心臓のような動
きの大きな臓器に対しては画質劣化を引き起こす事にも
なる。
求や種々の技術開発により、臨床的に使用される空間分
解能が向上するとともにマトリクス数が増加している。
また、特定断面だけではなく、多段面の断層像あるいは
3次元空間画像の要求も高まっており、特に血管画像で
は3次元空間画像を得ることが多い。このようなマトリ
クス数の増加、断面数の増加あるいは3次元空間データ
収集化があると、データ数が増加するとともにデータ収
集時間が増加してしまう。データ収集時間が増加すると
患者を拘束する時間が増加し、患者に苦痛を与えるとと
もに、単位時間あたりの検査患者数が減少し、装置使用
効率が悪くなってしまう。また、腹部や心臓のような動
きの大きな臓器に対しては画質劣化を引き起こす事にも
なる。
【0008】従来より、測定時間の短縮を図るため、一
回の励起シーケンスにおいて多段面のデータを収集する
マルチスライス法や、一回のデータを収集にて複数列の
データを収集する高速スピンエコー法や、1回の励起で
2次元画像データを収集するエコープラナー法が開発さ
れてきた。しかし、このような従来の方法は2次元画像
データあるいは3次元画像データを全て収集する方法で
あるため測定時間は十分短縮されていない。特に、3次
元画像データの場合には測定時間の長さが問題となる。
また、エコープラナー法では収集する画像データが多い
と局所的磁場不均一性のため画像が歪んでしまう。
回の励起シーケンスにおいて多段面のデータを収集する
マルチスライス法や、一回のデータを収集にて複数列の
データを収集する高速スピンエコー法や、1回の励起で
2次元画像データを収集するエコープラナー法が開発さ
れてきた。しかし、このような従来の方法は2次元画像
データあるいは3次元画像データを全て収集する方法で
あるため測定時間は十分短縮されていない。特に、3次
元画像データの場合には測定時間の長さが問題となる。
また、エコープラナー法では収集する画像データが多い
と局所的磁場不均一性のため画像が歪んでしまう。
【0009】さらに、磁気共鳴診断装置では全データを
収集しなければならないため、データ収集の途中で患者
が動いたりするとそれまで計測してきた有効な画像デー
タ全てを捨てなければならなかった。また、全データが
収集し終わるまで画像が見えないため、撮像部位の誤り
などのトラブルにも対応できなかった。
収集しなければならないため、データ収集の途中で患者
が動いたりするとそれまで計測してきた有効な画像デー
タ全てを捨てなければならなかった。また、全データが
収集し終わるまで画像が見えないため、撮像部位の誤り
などのトラブルにも対応できなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来にお
け磁気共鳴診断装置においては被検体内の細胞内液と細
胞外液とを切り離して画像化することができないという
欠点があった。また、撮影時間を短縮するために実施す
るマルチスライス法、高速スピンエコー法及びエコープ
ラナー法等を用いた場合には画質が劣化してしまうとい
う問題があった。
け磁気共鳴診断装置においては被検体内の細胞内液と細
胞外液とを切り離して画像化することができないという
欠点があった。また、撮影時間を短縮するために実施す
るマルチスライス法、高速スピンエコー法及びエコープ
ラナー法等を用いた場合には画質が劣化してしまうとい
う問題があった。
【0011】この発明はこのような従来の課題を解決す
るためになされたもので、その第1の目的は、細胞内液
と細胞外液とを分離して画像化することのできる磁気共
鳴診断装置を提供することである。
るためになされたもので、その第1の目的は、細胞内液
と細胞外液とを分離して画像化することのできる磁気共
鳴診断装置を提供することである。
【0012】また、第2の目的は、撮影時間の短縮する
際の画像の歪みを改善することのできる磁気共鳴診断装
置を提供することである。
際の画像の歪みを改善することのできる磁気共鳴診断装
置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願第1の発明は、第一に180°又は90°パル
スを印加し、続いて90°パルス、複数の180°パル
スの順で高周波磁場パルスを印加するとともに拡散計測
用の勾配磁場パルスを印加する手段と、前記印加した高
周波磁場パルスによって発生したエコー信号を収集し、
これを再構成して画像化する画像化手段と、前記画像化
手段にて得られた複数枚の画像から同一の画素の信号を
取出し、最小自乗法を用いて以下の7成分 (イ)細胞内液量M0in (ロ)細胞内液のスピン−スピン緩和時間T2in (ハ)細胞内液の拡散係数Din (ニ)細胞外液量M0in (ホ)細胞外液のスピン−スピン緩和時間T2ex (ヘ)細胞外液の拡散係数Dex (ト)計測されるスピン核子緩和時間T1obs のフィッテングを行なう手段と、求められた前記各成分
の値を用いて画像化する手段と、を有することが特徴で
ある。
め、本願第1の発明は、第一に180°又は90°パル
スを印加し、続いて90°パルス、複数の180°パル
スの順で高周波磁場パルスを印加するとともに拡散計測
用の勾配磁場パルスを印加する手段と、前記印加した高
周波磁場パルスによって発生したエコー信号を収集し、
これを再構成して画像化する画像化手段と、前記画像化
手段にて得られた複数枚の画像から同一の画素の信号を
取出し、最小自乗法を用いて以下の7成分 (イ)細胞内液量M0in (ロ)細胞内液のスピン−スピン緩和時間T2in (ハ)細胞内液の拡散係数Din (ニ)細胞外液量M0in (ホ)細胞外液のスピン−スピン緩和時間T2ex (ヘ)細胞外液の拡散係数Dex (ト)計測されるスピン核子緩和時間T1obs のフィッテングを行なう手段と、求められた前記各成分
の値を用いて画像化する手段と、を有することが特徴で
ある。
【0014】また、本願第2の発明は、一様な静磁場下
に置かれた被検体に所定のタイミングで高周波磁場及び
リード,スライス,エンコード方向の勾配磁場を印加
し、これによって発生するエコー信号を収集して測定デ
ータ列を得、画像の再構成を行なう磁気共鳴診断装置に
おいて、前記測定データ列のうち所望のデータ列のみを
受信すべくシーケンスを実行する手段を有することを特
徴とする。
に置かれた被検体に所定のタイミングで高周波磁場及び
リード,スライス,エンコード方向の勾配磁場を印加
し、これによって発生するエコー信号を収集して測定デ
ータ列を得、画像の再構成を行なう磁気共鳴診断装置に
おいて、前記測定データ列のうち所望のデータ列のみを
受信すべくシーケンスを実行する手段を有することを特
徴とする。
【0015】
【作用】上述の如く構成された本願第1の発明によれ
ば、カーブフィッティングを行う際の特性式を決定しこ
の初期値を予め記憶させておく。そして、磁気共鳴信号
を再構成して得られる段数枚の画像の同一ピクセルの信
号を取出し、前記特性式にカーブフィッティングさせ
る。そして、この特性式の成分(M0in ,T2in ,
Din,M0ex ,T2ex ,Dex,T1obs)を求め、これら
の分布を画像化する。これによって細胞内液と細胞外液
の物理情報を分離して画像化することができる。
ば、カーブフィッティングを行う際の特性式を決定しこ
の初期値を予め記憶させておく。そして、磁気共鳴信号
を再構成して得られる段数枚の画像の同一ピクセルの信
号を取出し、前記特性式にカーブフィッティングさせ
る。そして、この特性式の成分(M0in ,T2in ,
Din,M0ex ,T2ex ,Dex,T1obs)を求め、これら
の分布を画像化する。これによって細胞内液と細胞外液
の物理情報を分離して画像化することができる。
【0016】また、本願第2の発明によれば、磁気共鳴
信号を受信して得られる測定データ列のうち所望のデー
タ列のみを受信して画像の再構成を行なっている。従っ
て、空間周波数成分の多い信号を選択的に収集すればデ
ータの収集時間を短縮化することができ、また、データ
列を減少させたことによる画像歪みを少なくすることが
可能となる。
信号を受信して得られる測定データ列のうち所望のデー
タ列のみを受信して画像の再構成を行なっている。従っ
て、空間周波数成分の多い信号を選択的に収集すればデ
ータの収集時間を短縮化することができ、また、データ
列を減少させたことによる画像歪みを少なくすることが
可能となる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は、本発明の一実施例に関わる磁気共鳴診断
装置の構成を示すブロック図である。同図において、静
磁場磁石1とその内側に設けられた勾配コイル2及びシ
ムコイル4により、図示しない被検体に一様な静磁場と
それと同一方向で互いに直交するx,y,z三方向に線
形傾斜磁場分布を持つ勾配磁場が印加される。勾配コイ
ル2は、勾配コイル電源5により駆動され、シムコイル
4はシムコイル電源6により駆動される。勾配コイル2
の内側に設けられたプローブ3は、送信部7から高周波
信号が供給されることによって被検体に高周波磁場を印
加し、被検体からの磁気共鳴信号を受信する。プローブ
3は送受両用でも、送受別々に設けても良い。プローブ
3で受信された磁気共鳴信号は受信部8で検波された
後、データ収集部9に転送され、ここでA/D変換され
てから計算機システム10に送られ、データ処理がなさ
れる。
する。図2は、本発明の一実施例に関わる磁気共鳴診断
装置の構成を示すブロック図である。同図において、静
磁場磁石1とその内側に設けられた勾配コイル2及びシ
ムコイル4により、図示しない被検体に一様な静磁場と
それと同一方向で互いに直交するx,y,z三方向に線
形傾斜磁場分布を持つ勾配磁場が印加される。勾配コイ
ル2は、勾配コイル電源5により駆動され、シムコイル
4はシムコイル電源6により駆動される。勾配コイル2
の内側に設けられたプローブ3は、送信部7から高周波
信号が供給されることによって被検体に高周波磁場を印
加し、被検体からの磁気共鳴信号を受信する。プローブ
3は送受両用でも、送受別々に設けても良い。プローブ
3で受信された磁気共鳴信号は受信部8で検波された
後、データ収集部9に転送され、ここでA/D変換され
てから計算機システム10に送られ、データ処理がなさ
れる。
【0018】以上の勾配コイル電源5,シムコイル電源
6,受信部8およびデータ収集部9は、全てシーケンス
制御部12によって制御され、またシーケンス制御部1
2は計算機システム10によって制御される。計算機シ
ステム10はコンソール11からの指令により制御され
る。データ収集部9から計算機システム10に入力され
た磁気共鳴信号は、フーリエ変換等が行われ、それに基
づいて被検体内の所望原子核の密度分布の画像データが
再構成される。この画像データは画像ディスプレイ13
に送られ、画像として表示される。
6,受信部8およびデータ収集部9は、全てシーケンス
制御部12によって制御され、またシーケンス制御部1
2は計算機システム10によって制御される。計算機シ
ステム10はコンソール11からの指令により制御され
る。データ収集部9から計算機システム10に入力され
た磁気共鳴信号は、フーリエ変換等が行われ、それに基
づいて被検体内の所望原子核の密度分布の画像データが
再構成される。この画像データは画像ディスプレイ13
に送られ、画像として表示される。
【0019】本発明の第1実施例では、細胞内と細胞外
を図3に示すようにモデル化し、このモデルに対して細
胞内と細胞外の信号強度のモデル式をたて、フィッティ
ングにより細胞内と外とを切り分ける。
を図3に示すようにモデル化し、このモデルに対して細
胞内と細胞外の信号強度のモデル式をたて、フィッティ
ングにより細胞内と外とを切り分ける。
【0020】図3のモデルにおいて、細胞内と細胞外の
物理量について決定する。即ち、細胞内と細胞外のスピ
ン−核子緩和時間をそれぞれT1in ,T1ex ,スピン−
スピン緩和時間をT2in ,T2ex ,拡散係数をDin,D
exと定義する。水分子はT1に対して十分に早く細胞膜
を透過するため、ZimmermanとBrittin
の理論により、観測されるT1 は1成分となる。そこ
で、観測されるT1 をT1obsと定義する。また、細胞内
の水分子のスピンの量をM0in 、細胞外の水分子のスピ
ン量をM0ex と定義する。
物理量について決定する。即ち、細胞内と細胞外のスピ
ン−核子緩和時間をそれぞれT1in ,T1ex ,スピン−
スピン緩和時間をT2in ,T2ex ,拡散係数をDin,D
exと定義する。水分子はT1に対して十分に早く細胞膜
を透過するため、ZimmermanとBrittin
の理論により、観測されるT1 は1成分となる。そこ
で、観測されるT1 をT1obsと定義する。また、細胞内
の水分子のスピンの量をM0in 、細胞外の水分子のスピ
ン量をM0ex と定義する。
【0021】次に、図1の流れ図を用いて、細胞内と外
とを切り分ける手順を説明する。まず、図4に示すパル
スシーケンスにより、NMR信号を収集する(ステップ
ST1)。図4において、t1iは最初の180°パルス
と次の90°パルスの時間間隔(inversion
time),t2jはそれぞれのマルチエコーに対するエ
コー時間を示す。また、90°パルスから次の180°
パルスまでの間隔をTD とおく。GD は拡散係数の計測
のための勾配磁場パルスの強度である。
とを切り分ける手順を説明する。まず、図4に示すパル
スシーケンスにより、NMR信号を収集する(ステップ
ST1)。図4において、t1iは最初の180°パルス
と次の90°パルスの時間間隔(inversion
time),t2jはそれぞれのマルチエコーに対するエ
コー時間を示す。また、90°パルスから次の180°
パルスまでの間隔をTD とおく。GD は拡散係数の計測
のための勾配磁場パルスの強度である。
【0022】このシーケンスにより求められたNMR信
号を再構成して、図5に示す如くの各t1i,t2j,bl
に対応する画像を求める(ステップST2)。そして、
各画像の信号強度M0obs(x)は次の(1)式のように
表すことができる。
号を再構成して、図5に示す如くの各t1i,t2j,bl
に対応する画像を求める(ステップST2)。そして、
各画像の信号強度M0obs(x)は次の(1)式のように
表すことができる。
【0023】
【数1】 Mobs (x)=[1−{2−exp(−TD /T1obs(x)} ・exp(−t1i/T1obs(x))] ×[M0in (x)・exp{−t2j/T2in (x)} ・exp{−blDin(x)} +M0ex (x)・exp{−t2j/T2ex (x)} ・exp{−blDex(x)}] …(1) ここで、blは次の(2)式で表すことができる。
【0024】
【数2】 bl=(γG)2 δ2 (Δ−δ/3) …(2) そして、各ピクセルごとに、(1)式に示したモデル式
を用いて、非線形最小二乗法によるカーブフィッティン
グを行なう(ステップST3)。これには、例えばMa
rquardtの方法を用いればよい。また、上記モデ
ル式の場合、M0in ,M0ex ,T1obs,T2in ,
T2ex ,Din,Dexの7成分系になり、解の安定性が問
題となる。このため、予めそれぞれのパラメータの初期
値の分布M0in1(x),M0ex1(x),T
1obs1 (x),T2in1(x),T2ex1(x),D
in1(x),Dex1 (x)をデータベース化しておく。
初期値には正常状態における値を用いれば良い。ピクセ
ルごとに、この初期値を用いてカーブフィッティングを
行ない、7つのパラメータを求める(ステップST
4)。
を用いて、非線形最小二乗法によるカーブフィッティン
グを行なう(ステップST3)。これには、例えばMa
rquardtの方法を用いればよい。また、上記モデ
ル式の場合、M0in ,M0ex ,T1obs,T2in ,
T2ex ,Din,Dexの7成分系になり、解の安定性が問
題となる。このため、予めそれぞれのパラメータの初期
値の分布M0in1(x),M0ex1(x),T
1obs1 (x),T2in1(x),T2ex1(x),D
in1(x),Dex1 (x)をデータベース化しておく。
初期値には正常状態における値を用いれば良い。ピクセ
ルごとに、この初期値を用いてカーブフィッティングを
行ない、7つのパラメータを求める(ステップST
4)。
【0025】次に、求めた値により各パラメータの画像
を得ることができる(ステップST5)。ここで、M
0in (x),M0ex (x)はそれぞれ細胞内液量および
細胞外液量の分布を示している。
を得ることができる(ステップST5)。ここで、M
0in (x),M0ex (x)はそれぞれ細胞内液量および
細胞外液量の分布を示している。
【0026】こうして、細胞内外を分離した画像を得る
ことができるのである。また、第1実施例において、p
erfusion(還流)の影響に関しては触れていな
い。perfusionの影響を考える場合には、上記
の各モデル式に、perfusionの量をM
0perfusion,perfusionによる減衰の係数をD
p とおいたとき、M0perfusion・exp−(bl・
Dp )の項を追加すればよい。また、perfusio
nによる減衰は早いため、小さいblをかけただけでp
erfusionによる項は無視できるようになる。つ
まり、bl=0近辺のデータを取らずに、perfus
ionの項を無視したモデル式を用いれば良い。
ことができるのである。また、第1実施例において、p
erfusion(還流)の影響に関しては触れていな
い。perfusionの影響を考える場合には、上記
の各モデル式に、perfusionの量をM
0perfusion,perfusionによる減衰の係数をD
p とおいたとき、M0perfusion・exp−(bl・
Dp )の項を追加すればよい。また、perfusio
nによる減衰は早いため、小さいblをかけただけでp
erfusionによる項は無視できるようになる。つ
まり、bl=0近辺のデータを取らずに、perfus
ionの項を無視したモデル式を用いれば良い。
【0027】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。
る。
【0028】(1)式で示したモデル式は、拡散係数の
計測用の勾配磁場GD を印加した場合に対応する式であ
る。これに対して、GD =0,すなわちbl=0の場合
には、信号強度は次の(3)式に示すモデル式に従う。
計測用の勾配磁場GD を印加した場合に対応する式であ
る。これに対して、GD =0,すなわちbl=0の場合
には、信号強度は次の(3)式に示すモデル式に従う。
【0029】
【数3】 Mobs (x)=[1−{2−exp(−TD /T1obs(x)) ・exp(−t2j/T1obs(x)}] ×[M0in (x)・exp{−t2j/T2in (x)} +M0ex (x)・exp{−t2j/T2ex (x)}] …(3) そして、この実施例では、まずbl=0に対応するシー
ケンス、即ち、図6に示すパルスシーケンスによりデー
タの収集を行なう。そして、各ピクセル毎に(3)式の
モデル式を用いてカーブフィッティングを行なう。
ケンス、即ち、図6に示すパルスシーケンスによりデー
タの収集を行なう。そして、各ピクセル毎に(3)式の
モデル式を用いてカーブフィッティングを行なう。
【0030】この方法では、パラメータ数が5つとな
り、解の安定性が増す。この方法により、5成分
M0in ,M0ex ,T1obs,T2in ,T2ex の分布を求め
ることができる。細胞内液量の分布と細胞外液量の分布
を求めるまででよければ、ここまでの段階でやめて良
い。細胞内外の拡散係数まで求める場合には、GD を加
えたシーケンスにより画像を求め、(1)式をモデル式
としたフィッティングを行えば良い。ここでは、先に求
めた5成分を初期値として7成分のフィッティングを行
なうか、あるいは(1)式において求めた5成分を固定
して、2成分のフィッティングを行なえば良い。
り、解の安定性が増す。この方法により、5成分
M0in ,M0ex ,T1obs,T2in ,T2ex の分布を求め
ることができる。細胞内液量の分布と細胞外液量の分布
を求めるまででよければ、ここまでの段階でやめて良
い。細胞内外の拡散係数まで求める場合には、GD を加
えたシーケンスにより画像を求め、(1)式をモデル式
としたフィッティングを行えば良い。ここでは、先に求
めた5成分を初期値として7成分のフィッティングを行
なうか、あるいは(1)式において求めた5成分を固定
して、2成分のフィッティングを行なえば良い。
【0031】次に、第3の実施例について説明する。こ
の方法では、第1実施例の方法で求めた画像信号を用い
る。これらの画像信号を図7のように、blに関して総
和をとる。総和の画像信号に対するモデル式は、次の
(4)式のようになる。
の方法では、第1実施例の方法で求めた画像信号を用い
る。これらの画像信号を図7のように、blに関して総
和をとる。総和の画像信号に対するモデル式は、次の
(4)式のようになる。
【0032】
【数4】 この変形により、7成分のモデル式から5成分のモデル
式にすることができ、総和画像信号の5成分フィッティ
ングによりパラメータを求めることができる。次に、求
めたパラメータT1obs,T2in ,T2ex を用いて、他の
パラメータM0i n ,T0ex ,Din,Dexを求める。この
求め方は、第2実施例の方法に示した方法と同じであ
る。
式にすることができ、総和画像信号の5成分フィッティ
ングによりパラメータを求めることができる。次に、求
めたパラメータT1obs,T2in ,T2ex を用いて、他の
パラメータM0i n ,T0ex ,Din,Dexを求める。この
求め方は、第2実施例の方法に示した方法と同じであ
る。
【0033】上記に示した第3実施例の方法では、bl
に関して総和をとった。これと同様に、t2jに関して総
和をとる方法を用いても良い。この方法では、最初に求
められるパラメータはT1obs,Din,Dexであり、これ
らを用いることにより、残りのパラメータM0in ,M
0ex ,T2in ,T2ex を求めることができる。
に関して総和をとった。これと同様に、t2jに関して総
和をとる方法を用いても良い。この方法では、最初に求
められるパラメータはT1obs,Din,Dexであり、これ
らを用いることにより、残りのパラメータM0in ,M
0ex ,T2in ,T2ex を求めることができる。
【0034】次に、本発明の第4の実施例を示す。この
方法では、細胞内液、細胞外液に関して知られている情
報を用いて、先に示したモデル式を近似し、簡便に細胞
内液量の分布と細胞外液量の分布を求める。
方法では、細胞内液、細胞外液に関して知られている情
報を用いて、先に示したモデル式を近似し、簡便に細胞
内液量の分布と細胞外液量の分布を求める。
【0035】細胞内液は、核やミトコンドリアといった
細胞質により、細胞外と比較して、T2 が短く、Dが小
さい。それぞれのおおよその値を図8に示した。この関
数を用いると、以下のそれぞれの場合のMobs を次のよ
うに近似することができる。
細胞質により、細胞外と比較して、T2 が短く、Dが小
さい。それぞれのおおよその値を図8に示した。この関
数を用いると、以下のそれぞれの場合のMobs を次のよ
うに近似することができる。
【0036】まず、blが小さい場合、細胞内液の信号
の拡散による減衰はほとんどないため、(5)式のよう
になる。
の拡散による減衰はほとんどないため、(5)式のよう
になる。
【0037】
【数5】 Mobs (x)=[1−{2−exp(−TD /T1obs(x))} ・exp{−t1i/T1obs(x)}] ×[M0in (x)・exp{−t2j/T2in (x)} ・exp{−bl・Din(x)} +M0ex (x)・exp{−t2j/T2ex (x)} ・exp{−bl・Dex(x)}] 〜[1−{2−exp(−TD /T1obs(x))} ・exp{−t1i/T1obs(x)}] ×[M0in (x)・exp{−t2j/T2in (x)} +M0ex (x)・exp{−t2j/T2ex (x)} ・exp{−bl・Dex(x)}] …(5) 次に、t2jを短くしておけば、細胞外液のT2ex による
減衰が小さくなり、次の(6)式のように近似できる。
但し、T2jは1つ、すなわちエコー数は1つにする。
減衰が小さくなり、次の(6)式のように近似できる。
但し、T2jは1つ、すなわちエコー数は1つにする。
【0038】
【数6】 Mobs (x)〜[1−{2−exp(−TD /T1obs(x))} ・exp{−t1i/T1obs(x)}] ×[const+M0ex (x) ・exp{−bl・Dex(x)}] …(6) そして、(5),(6)式によって細胞内液に関する項
を定数に近似することができる。
を定数に近似することができる。
【0039】次に、細胞外液に関する項を定数と近似す
る方法を説明する。上述のように、細胞外液ではT2ex
が長いので、短いt2jでは細胞外液のT2ex による減衰
が小さくなる。このため、exp(−t2j/T2ex )を
定数と近似することができる。このもとで、拡散係数計
測のためのG強度を0、すなわちbl=0とすると、
(7)式のように近似できる。
る方法を説明する。上述のように、細胞外液ではT2ex
が長いので、短いt2jでは細胞外液のT2ex による減衰
が小さくなる。このため、exp(−t2j/T2ex )を
定数と近似することができる。このもとで、拡散係数計
測のためのG強度を0、すなわちbl=0とすると、
(7)式のように近似できる。
【0040】
【数7】 Mobs (x)〜[1−{2−exp(−TD /T1obs(x))} ・exp{−t1i/T1obs(x)}] ×[M0in (x)・exp{−t2j/T2in (x)} +const] …(7) 以上のモデル式(5)〜(7)式を用いて細胞内液量、
細胞外液量を求めることができる。
細胞外液量を求めることができる。
【0041】まず、図9に示すシーケンスを用いて、細
胞外液のイメージングを行なう。このシーケンスにおい
て、t1i,blを変化させてイメージングを行なう。b
lは、なるべく小さく設定する。例えば、Dex〜10-5
cm2 /sより、bl=2×105 s/cm2 で、信号
強度が約10%となるから、blは2×105 s/cm
2 よりも小さい値に設定する。bl,t1iのパラメータ
数は、2以上であればいくつでもよい。このシーケンス
によって収集されたデータを再構成して、それぞれのb
l,t1iに対応した画像を求める。次に、各ピクセルご
とに、(6)式のモデル式によりカーブフィッティング
を行ない、M0ex (x),Dex(x)を求める。 この
方法では、単一exponentialとなるので、両
辺の対数をとることにより、線形最小二乗法を用いても
M0ex (x),Dex(x)を求めることができる。
胞外液のイメージングを行なう。このシーケンスにおい
て、t1i,blを変化させてイメージングを行なう。b
lは、なるべく小さく設定する。例えば、Dex〜10-5
cm2 /sより、bl=2×105 s/cm2 で、信号
強度が約10%となるから、blは2×105 s/cm
2 よりも小さい値に設定する。bl,t1iのパラメータ
数は、2以上であればいくつでもよい。このシーケンス
によって収集されたデータを再構成して、それぞれのb
l,t1iに対応した画像を求める。次に、各ピクセルご
とに、(6)式のモデル式によりカーブフィッティング
を行ない、M0ex (x),Dex(x)を求める。 この
方法では、単一exponentialとなるので、両
辺の対数をとることにより、線形最小二乗法を用いても
M0ex (x),Dex(x)を求めることができる。
【0042】次に、図6のシーケンスを用いて、細胞内
液のイメージングを行なう。このシーケンスにおいて、
t1iを変化させてイメージングを行なう。但しこのシー
ケンスでは、t2jは短くし、例えば50ms以下に設定
しておく。データ収集、再構成によって得られた画像か
ら細胞内液量を求める。各ピクセルの信号強度は(7)
式に従うから、この式を用いてフィッティングを行な
う。先に示したように、この場合でも線形最小二乗法を
用いて求めても良い。以上の方法により、M
0in(x),T2in (x)を求めることができる。
液のイメージングを行なう。このシーケンスにおいて、
t1iを変化させてイメージングを行なう。但しこのシー
ケンスでは、t2jは短くし、例えば50ms以下に設定
しておく。データ収集、再構成によって得られた画像か
ら細胞内液量を求める。各ピクセルの信号強度は(7)
式に従うから、この式を用いてフィッティングを行な
う。先に示したように、この場合でも線形最小二乗法を
用いて求めても良い。以上の方法により、M
0in(x),T2in (x)を求めることができる。
【0043】次に、これらのモデル式を用いた他の方法
について説明する。この方法では、図4に示すシーケン
スを用いる。但し、このシーケンスでは先と同様にbl
を小さく、t2jを短く設定しておく。この条件下では、
観測される信号強度は、次の(8)式で表される。
について説明する。この方法では、図4に示すシーケン
スを用いる。但し、このシーケンスでは先と同様にbl
を小さく、t2jを短く設定しておく。この条件下では、
観測される信号強度は、次の(8)式で表される。
【0044】
【数8】 Mobs (x)〜[1−{2−exp(−TD /T1obs(x)) ・exp{−t1i/T1obs(x)}] ×[M0in (x)・exp{−t2j/T2in (x)} +M0ex (x)・exp{−bl・Dex(x)}] …(8) そして各bl,t2jに対応する画像において、各ピクセ
ルごとに(8)式のモデル式でフィッティングすれば良
い。これによって、M0in (x),M0ex (x),T
2in (x),Dex(x)を求めることができ、細胞内液
量の分布M0in (x)、細胞外液量の分布M0ex (x)
を得ることができる。
ルごとに(8)式のモデル式でフィッティングすれば良
い。これによって、M0in (x),M0ex (x),T
2in (x),Dex(x)を求めることができ、細胞内液
量の分布M0in (x)、細胞外液量の分布M0ex (x)
を得ることができる。
【0045】最後に、t1iの設定について説明する。上
記方法では、第一のパルスに180°パルスを用いるF
IR(First Inversion Recovery)法を使用している。
180°パルスを用いると、縦緩和時間T1 に関する項
は(9)式のようになる。
記方法では、第一のパルスに180°パルスを用いるF
IR(First Inversion Recovery)法を使用している。
180°パルスを用いると、縦緩和時間T1 に関する項
は(9)式のようになる。
【0046】
【数9】 T1 に関する項=1−(2−exp(TD /T1 ))exp(−t1i/T1 ) …(9) これに対し、図10のシーケンスのように、第一のパル
スに90°パルスを用いるSR法では、T1 に関する項
は、(10)式のようになる。
スに90°パルスを用いるSR法では、T1 に関する項
は、(10)式のようになる。
【0047】
【数10】 T1 に関する項=1−exp(−t1i/T1 ) …(10) この方法では、T1 に関する項が、待ち時間TD に依ら
ないため、TD を短くすることができ、観測時間を短く
することができる。このため、SR法を用いることが観
測時間の短縮につながる。
ないため、TD を短くすることができ、観測時間を短く
することができる。このため、SR法を用いることが観
測時間の短縮につながる。
【0048】一方、t1iと各々の項の関係については、
(9)式に従う曲線は、図11のように、(10)式に
従う曲線は、図12のようになる。そこで、それぞれの
信号強度が大きい領域を用いるようにt1iを設定すれば
(図13)、信号強度、すなわちM0en ,M0ex を精度
良く求めることができ、しかもSR法を用いることによ
り観測時間を短くすることができる。
(9)式に従う曲線は、図11のように、(10)式に
従う曲線は、図12のようになる。そこで、それぞれの
信号強度が大きい領域を用いるようにt1iを設定すれば
(図13)、信号強度、すなわちM0en ,M0ex を精度
良く求めることができ、しかもSR法を用いることによ
り観測時間を短くすることができる。
【0049】この方法では、まずFIR法のシーケンス
により、データを収集し、再構成により画像を求める。
次に、SR法のシーケンスにより、画像を求める。この
ときの画像信号は、(11)式に従う。
により、データを収集し、再構成により画像を求める。
次に、SR法のシーケンスにより、画像を求める。この
ときの画像信号は、(11)式に従う。
【0050】
【数11】 そして、(11)式を用いて、各ピクセルごとにカーブ
フィッティングを行ない、各パラメータを求めることが
できる。この方法は、これまで説明した全ての方法で用
いることが可能である。
フィッティングを行ない、各パラメータを求めることが
できる。この方法は、これまで説明した全ての方法で用
いることが可能である。
【0051】次に、本発明の請求項2に係る第5実施例
について説明する。
について説明する。
【0052】一般に、磁気共鳴診断装置では測定対象を
フーリエ変換した離散的データ列が収集される(収集さ
れたデータ列の空間をk空間と呼ぶ)。そして、一回の
リード勾配磁場の反転により、1列のデータが収集さ
れ、例えば図15に示す如くのk空間上のデータが得ら
れる。収集されたデータ列は、撮像した測定対象の空間
周波数成分により信号強度が異なることになる。即ち、
図16に示すように測定対象物の空間周波数成分が高い
位置において信号強度が強くなる。この信号強度の大き
な領域は、測定対象部位や撮像領域が同一であれば、測
定対象によらずほぼ同一になる。即ち、経験的に信号強
度の強い領域を類推することができる。
フーリエ変換した離散的データ列が収集される(収集さ
れたデータ列の空間をk空間と呼ぶ)。そして、一回の
リード勾配磁場の反転により、1列のデータが収集さ
れ、例えば図15に示す如くのk空間上のデータが得ら
れる。収集されたデータ列は、撮像した測定対象の空間
周波数成分により信号強度が異なることになる。即ち、
図16に示すように測定対象物の空間周波数成分が高い
位置において信号強度が強くなる。この信号強度の大き
な領域は、測定対象部位や撮像領域が同一であれば、測
定対象によらずほぼ同一になる。即ち、経験的に信号強
度の強い領域を類推することができる。
【0053】従来の方法では、この様な信号強度の大小
に注目せず、k空間上の全データを収集していた。これ
に対し本発明では、この空間周波数成分の統計的大小に
着目して、k空間上の全データを収集せず、測定するデ
ータ列を予め調べていた統計データに基づき、統計的に
信号成分の多いデータ列のみのデータを収集し、そのデ
ータをもとに再構成する。
に注目せず、k空間上の全データを収集していた。これ
に対し本発明では、この空間周波数成分の統計的大小に
着目して、k空間上の全データを収集せず、測定するデ
ータ列を予め調べていた統計データに基づき、統計的に
信号成分の多いデータ列のみのデータを収集し、そのデ
ータをもとに再構成する。
【0054】図14はこのような第5実施例を説明する
ための模式図である。
ための模式図である。
【0055】患者を診断する上で測定する場所や測定領
域は多岐に渡るが、臨床上測定したい測定部位ならびに
測定領域組み合わせは特定パターンに限定される。この
ように臨床的に好発する測定部位や測定領域を撮像する
シーケンスに関し、予め測定データを蓄積し、k空間上
のデータを加算平均しておく。つまり、図14(a)に
示す如くのk空間に対して例えば同図(b)に示す如く
のヒストグラムを作成する。
域は多岐に渡るが、臨床上測定したい測定部位ならびに
測定領域組み合わせは特定パターンに限定される。この
ように臨床的に好発する測定部位や測定領域を撮像する
シーケンスに関し、予め測定データを蓄積し、k空間上
のデータを加算平均しておく。つまり、図14(a)に
示す如くのk空間に対して例えば同図(b)に示す如く
のヒストグラムを作成する。
【0056】このような、加算平均したk空間データ中
央部の縦方向のヒストグラムを調べ、特定スレッショル
ド以上の列のデータ(データ収集領域21)を収集する
ようにする(図14(c)斜線部)。このような、デー
タ列を収集し、データ収集していない領域には0を代入
して、画像を再構成すると、画像歪みの少ない画像が得
られる。なお、図14(b)のような統計データを多数
収集・保存しておき、シーケンスの種類や撮像部位によ
り、データ収集領域を決定するものとする。このよう
に、データ収集領域を決めているので、データ収集時間
を短縮することができ、撮影時間の短縮化を図ることが
できる。
央部の縦方向のヒストグラムを調べ、特定スレッショル
ド以上の列のデータ(データ収集領域21)を収集する
ようにする(図14(c)斜線部)。このような、デー
タ列を収集し、データ収集していない領域には0を代入
して、画像を再構成すると、画像歪みの少ない画像が得
られる。なお、図14(b)のような統計データを多数
収集・保存しておき、シーケンスの種類や撮像部位によ
り、データ収集領域を決定するものとする。このよう
に、データ収集領域を決めているので、データ収集時間
を短縮することができ、撮影時間の短縮化を図ることが
できる。
【0057】厳密には、k空間上の空間周波数成分のパ
ターンは患者ごとに異なるので、統計データに基づき一
連のデータ収集を行なった後、測定したデータの信号強
度(中央部、縦方向のヒストグラム)の大きな部分近傍
のデータを信号強度が小さくなるまで収集するようにす
ると、患者のk空間信号分布パターンに合わせたデータ
収集が可能となる。
ターンは患者ごとに異なるので、統計データに基づき一
連のデータ収集を行なった後、測定したデータの信号強
度(中央部、縦方向のヒストグラム)の大きな部分近傍
のデータを信号強度が小さくなるまで収集するようにす
ると、患者のk空間信号分布パターンに合わせたデータ
収集が可能となる。
【0058】この際、データを追加するごとに逆フーリ
エ変換処理をして画像を再構成することも可能である。
また、この場合には再構成時間が長くなるので、取られ
た空間周波数に合致した空間基定画像を足し合わせるこ
とにより、画像を再構成する方法を採用しても良い。ま
た、本実施例では、データ収集再構成ごとに画像を表示
するので、医者がデータ収集を増加しても画質改善が行
われなくなった場合には、データ収集を中止することに
より、さらに撮像時間を短縮することができる。更に、
このような方法によれば、万が一患者が動いた場合で
も、動かない前の画像有効な画像データより画像を再構
成する事ができる。
エ変換処理をして画像を再構成することも可能である。
また、この場合には再構成時間が長くなるので、取られ
た空間周波数に合致した空間基定画像を足し合わせるこ
とにより、画像を再構成する方法を採用しても良い。ま
た、本実施例では、データ収集再構成ごとに画像を表示
するので、医者がデータ収集を増加しても画質改善が行
われなくなった場合には、データ収集を中止することに
より、さらに撮像時間を短縮することができる。更に、
このような方法によれば、万が一患者が動いた場合で
も、動かない前の画像有効な画像データより画像を再構
成する事ができる。
【0059】また、本実施例では測定データ量が少ない
ため、エコープラナー法の場合、一回の励起当りのデー
タ収集時間が短くでき、磁場不均一性等による画像歪み
も少なくなる。更に、本実施例では、全データを収集し
ていないので、測定対象を完全には復元できないが、空
間周波数成分の多い信号を選択的に収集しているので臨
床上使用する上で問題は無い。
ため、エコープラナー法の場合、一回の励起当りのデー
タ収集時間が短くでき、磁場不均一性等による画像歪み
も少なくなる。更に、本実施例では、全データを収集し
ていないので、測定対象を完全には復元できないが、空
間周波数成分の多い信号を選択的に収集しているので臨
床上使用する上で問題は無い。
【0060】また、本実施例の変形例として、特定デー
タ列にて加算平均を行なう方法、即ち、中央部縦方向ヒ
ストグラムにて信号強度が大きなデータ列に対しては加
算平均を行なうようにしても良い。この様にすることに
より、S/Nの良い画像が得られることになる。
タ列にて加算平均を行なう方法、即ち、中央部縦方向ヒ
ストグラムにて信号強度が大きなデータ列に対しては加
算平均を行なうようにしても良い。この様にすることに
より、S/Nの良い画像が得られることになる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本願第1の発明に
よれば、細胞内液と細胞外液の情報を分離して画像化す
ることができるので、脳梗塞等、病状の段階をとらえる
ことができ、臨床的に極めて有用となる。
よれば、細胞内液と細胞外液の情報を分離して画像化す
ることができるので、脳梗塞等、病状の段階をとらえる
ことができ、臨床的に極めて有用となる。
【0062】また、本願第2の発明によれば、画像デー
タの収集時間を短縮することができ、これによる画像歪
みを極力抑えることができる。これによって、磁気共鳴
診断の迅速化、患者の負担の軽減化を図ることができる
という効果が得られる。
タの収集時間を短縮することができ、これによる画像歪
みを極力抑えることができる。これによって、磁気共鳴
診断の迅速化、患者の負担の軽減化を図ることができる
という効果が得られる。
【図1】細胞内と細胞外の情報を分離した画像を得るた
めの手順を示す流れ図である。
めの手順を示す流れ図である。
【図2】本発明に係る磁気共鳴診断装置の概略的な構成
を示すブロック図である。
を示すブロック図である。
【図3】細胞内と細胞外のモデルを示す図である。
【図4】細胞内と細胞外の情報を分離した画像を得るた
めのパルスシーケンス図である。
めのパルスシーケンス図である。
【図5】図4のシーケンスによって得られた画像を示す
説明図である。
説明図である。
【図6】細胞内と細胞外の情報を分離した画像を得るた
めのパルスシーケンス図である。
めのパルスシーケンス図である。
【図7】bl方向に足し合わせることを示した説明図で
ある。
ある。
【図8】細胞内液と細胞外液の拡散係数D,スピン−ス
ピン緩和時間T2 のおおよその値を示す図である。
ピン緩和時間T2 のおおよその値を示す図である。
【図9】細胞内と細胞外の情報を分離した画像を得るた
めの他のパルスシーケンス図である。
めの他のパルスシーケンス図である。
【図10】細胞内と細胞外の情報を分離した画像を得る
ための更に他のパルスシーケンス図である。
ための更に他のパルスシーケンス図である。
【図11】FIR法における緩和過程を示す説明図であ
る。
る。
【図12】SR法における緩和過程を示す説明図であ
る。
る。
【図13】FIR法とSR法とを組み合わせたときの緩
和過程を示す説明図である。
和過程を示す説明図である。
【図14】本願第2の発明に係り、k空間上のデータ収
集部位を示す説明図である。
集部位を示す説明図である。
【図15】1回のリード勾配磁場の反転によるデータ収
集模式図である。
集模式図である。
【図16】縦方向ヒストグラムの説明図である。
1 静磁場磁石 2 勾配コイル 3 プローブ 4 シムコイル 5 勾配コイル電源 6 シムコイル電源 7 送信部 8 受信部 9 データ収集部 10 計算機システム 11 コンソール 12 シーケンス制御部 13 画像ディスプレイ 21 データ収集領域
Claims (2)
- 【請求項1】 第一に180°又は90°パルスを印加
し、続いて90°パルス、複数の180°パルスの順で
高周波磁場パルスを印加するとともに拡散計測用の勾配
磁場パルスを印加する手段と、 前記印加した高周波磁場パルスによって発生したエコー
信号を収集し、これを再構成して画像化する画像化手段
と、 前記画像化手段にて得られた複数枚の画像から同一の画
素の信号を取出し、最小自乗法を用いて以下の7成分 (イ)細胞内液量M0in (ロ)細胞内液のスピン−スピン緩和時間T2in (ハ)細胞内液の拡散係数Din (ニ)細胞外液量M0ex (ホ)細胞外液のスピン−スピン緩和時間T2ex (ヘ)細胞外液の拡散係数Dex (ト)計測されるスピン核子緩和時間T1obs のフィッティングを行なう手段と、 求められた前記各成分の値を用いて画像化する手段と、 を有することを特徴とする磁気共鳴診断装置。 - 【請求項2】 一様な静磁場下に置かれた被検体に所定
のタイミングで高周波磁場及びリード,スライス,エン
コード方向の勾配磁場を印加し、これによって発生する
エコー信号を収集して測定データ列を得、画像の再構成
を行なう磁気共鳴診断装置において、 前記測定データ列のうち所望のデータ列のみを受信すべ
くシーケンスを実行する手段を有することを特徴とする
磁気共鳴診断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5229316A JPH0779939A (ja) | 1993-09-14 | 1993-09-14 | 磁気共鳴診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5229316A JPH0779939A (ja) | 1993-09-14 | 1993-09-14 | 磁気共鳴診断装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0779939A true JPH0779939A (ja) | 1995-03-28 |
Family
ID=16890232
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5229316A Pending JPH0779939A (ja) | 1993-09-14 | 1993-09-14 | 磁気共鳴診断装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0779939A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010527740A (ja) * | 2007-05-31 | 2010-08-19 | シーアール ディベロップメント アーベー | 拡散磁気共鳴画像化のための方法とシステム |
JP2015019958A (ja) * | 2013-07-22 | 2015-02-02 | 株式会社日立製作所 | 磁気共鳴イメージング装置、画像処理装置、および画像処理方法 |
JP2016513514A (ja) * | 2013-03-15 | 2016-05-16 | アイシス イノベーション リミテッド | 医用画像 |
CN117233676A (zh) * | 2023-11-15 | 2023-12-15 | 之江实验室 | 一种回波时间依赖的磁共振扩散成像信号生成方法和装置 |
-
1993
- 1993-09-14 JP JP5229316A patent/JPH0779939A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010527740A (ja) * | 2007-05-31 | 2010-08-19 | シーアール ディベロップメント アーベー | 拡散磁気共鳴画像化のための方法とシステム |
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