JPH0779294B2 - 通信ケーブルの故障位置探知方法 - Google Patents

通信ケーブルの故障位置探知方法

Info

Publication number
JPH0779294B2
JPH0779294B2 JP20858789A JP20858789A JPH0779294B2 JP H0779294 B2 JPH0779294 B2 JP H0779294B2 JP 20858789 A JP20858789 A JP 20858789A JP 20858789 A JP20858789 A JP 20858789A JP H0779294 B2 JPH0779294 B2 JP H0779294B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cable
core wire
waveform
pulse
reflected wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20858789A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0372724A (ja
Inventor
広昭 古賀
豊 満永
諭 望月
和時 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP20858789A priority Critical patent/JPH0779294B2/ja
Publication of JPH0372724A publication Critical patent/JPH0372724A/ja
Publication of JPH0779294B2 publication Critical patent/JPH0779294B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Locating Faults (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Transmission In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は通信ケーブルの故障位置をそのケーブルの一端
から探知する方法の改良に関する。本発明はプログラム
演算回路を導入して探知精度を向上させるとともに自動
化するものである。
本発明は電気信号用のケーブルおよび光信号用のケーブ
ルのいずれにも利用できる。
〔従来の技術〕
従来、通信ケーブルの故障点を探知用測定器とし、メタ
ルケーブルではパルス試験器やケーブル入力インピーダ
ンスの測定により故障位置測定装置などがあった。ま
た、光ファイバケーブルではOTDR(Optical Time Domai
n Reflection)という光パルスの反射によって故障位置
を探知するものが用いられている。これらの測定原理は
いづれの場合も類似しているから、メタルケーブルのパ
ルス試験器による故障探知を例にとり、その原理を説明
する。
第4図に従来のパルス試験器の構成例を示す。図面符号
1はパルス試験器であり、このパルス試験器1、パルス
波形送信部2、反射パルス波形受信部3、ハイブリッド
回路4、整合用トランス5を含む。このパルス試験器1
を被試験通信ケーブル6に接続して用いる。パルス試験
器1を用いるには、パルス波形を送信部2よりケーブル
6へ送信し、ケーブル内を伝搬して返ってきた反射波を
受信部3で受信する。
第2図はこの受信波形の一例を示す。第2図の符号PS
送信パルス波形、同PRが故障点からの反射波形を示す。
厳密には、ハイブリッド回路4によって、送信パルス波
形は受信部3では受信できないが、ハイブリッド回路4
のわずかなアンバランスによって、ごく一部の送信パル
ス波形が受信部3にもれこむ時の波形、あるいは送信部
2からの信号を一部取り出した波形を第2図のPSとして
ブラウン管上に写し出すことができる。波形PSからPR
での時間差tfによって故障点までの距離lfが次式によっ
て求められる。
ここで、vは通信ケーブルにおけるパルスの伝搬速度で
ある。
しかし、実際の通信ケーブルはパルス信号が伝搬する
と、ケーブルに損失や非直線の位相回転があるため、反
射するパルス波形PRは第3図のように送信パルス波形PS
に対していちじるしく変形する。したがって、実際には
伝搬速度vを一定値に定めることはできないし、また反
射点tfも反射パルス波形PRのどの位置に設定してよいか
わからない。従来、多く用いられているパルス試験器は
反射波形PRから無理に時間差tfを読み取り(例えばPS
ピーク値からPRのピーク値までの時間差)、また、伝搬
時間vを近似的に定めて(例えば、 cは光速度、εは比誘電率)、故障位置までの距離を定
めている。この方法で行うとどうしても故障位置までの
距離の誤差が生じる。
このため、通信ケーブルの伝搬定数γを正確に求めると
送信電圧VSと反射電圧VRの関係は次式で与えられる。
VR=rVSexp(−2γlf) (2) lf:故障点までの距離 r:反射係数であり、 で表される。
ここで、 Zr:故障点を含めてケーブルの終端側を見たインピーダ
ンス Zo:ケーブルの特性インピーダンス ここで、反射係数rは故障点を含むケーブルの終端側を
見たインピーダンスZrを定めなければ決定できないが、
通信ケーブルでは、一般に断線(Zr=∞、r=1)や短
絡(Zr=0、r=−1)が多いし、絶縁劣化が生じても
絶縁抵抗測定器などでZrを比較的容易に求めることがで
きるため、通常rは既知であると考えてよい。
式(2)は周波数領域での式であるため、送信電圧がパ
ルス波形VS(t)の場合には次式で反射電圧波形V
r(t)を求める必要がある。
VR(f)=VS(f)rexp(−2γlf) (3) ここで、 VS(f)=F〔VS(t)〕 F〔・〕はフーリエ変換の記号 さらに Vr(t)=F−1〔VR(f)〕 (4) F−1〔・〕は逆フーリエ変換記号 式(4)により、パルス反射波形Vr(t)が求まる。
ここで、第3図の波形を計算するために、フーリエ変換
およびフーリエ逆変換を行うが、実際には変換を行うた
めの時間軸上の積分範囲を設定する必要がある。数学上
では積分範囲を−∞〜+∞まで選ばなければ厳密には完
全にもとの波形を再現することはできない。このため、
ウインドウを時間軸上にかけて時間軸上の波形から周波
数軸上の成分への変換あるいはその逆変換を行うことが
一般に行われる。このウインドウの幅の決定方法につい
ては多くの理論があり、方形波窓、ハミング窓、ハニン
グ窓、ガウス窓などがある。このウインドウを適当に選
んで、次にその幅(例えば第3図では零よりすこし左側
から、PRの波形よりすこし左側)を選んでフーリエ変換
または逆変換を行えばよいが、もともと送信パルスV
S(t)は変換してまた逆変換してももとの波形になっ
てしまうため、写像の変換作用には全く無関係となり、
反射波形Vr(t)だけが意味のあるものとして求められ
る。
積分範囲の選び方とともに大切なのは、サンプリングの
方法である。サンプリングの方法はナイキストのサンプ
リング定理によって行わなければならない。さらにフー
リエ変換または逆変換が可能かどうかについては数学的
に厳密な証明を必要とするが、簡単に述べれば、微分可
能な空間の集合の部分集合からなる信号波形を取り扱っ
ているとしている。
この性質を利用して、故障点までの距離lfを変化させな
がらパルス反射波形Vr(t)を式(4)の計算式により
求めて、実測したパルス反射波形Vrm(t)と一致した
時のlfを求める故障点までの距離とする方法を提案した
(特願平1−55709,“通信線路の故障位置探索装置",本
願出願時に未公開)。
〔発明が解決しようとする課題〕
この方法は故障点までの距離lfを良い精度で求めること
ができる。しかし、この方法を実施するには通信ケーブ
ルの伝搬定数γをあらかじめかなり精度よく知っておく
必要がある。通信ケーブルが多種ある場合や、既に布設
され利用されているケーブルでは、伝搬定数γをあらか
じめ正しく求めておくことは困難である。このため、実
現的な方法として標準的な通信ケーブルの10〜20種類に
ついて、それぞれのケーブル毎の伝搬定数を準備してお
き、その伝搬定数で式(4)を計算することになる。
このようにすると、同一種のケーブルにおいても伝搬定
数が5〜10%程度のバラツキがあることがわかった。実
際に測定している通信ケーブルの伝搬定数と、標準とし
て準備していた伝搬定数との間に最大10%の差が生じる
と、式(4)で計算した反射波形Vr(t)と実測ケーブ
ルの反射波形Vrm(t)が一致しても、故障点までの距
離lfに10%程度の誤差が発生することになる。したがっ
て、標準的な伝搬定数と実際のケーブルの伝搬定数との
間の誤差があるかぎり距離lfの誤差を小さくすることが
できない。
本発明はこれらの欠点を解決するもので、あらかじめ定
数を準備しておく必要がなく、さらに精度を向上するこ
とのできる方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、第一の特徴として、故障のない参照ケーブル
について仮想の故障を設定し、その仮想の故障について
故障位置をパラメタとして受信される反射波を演算し、
被試験ケーブルについて受信される反射波とほとんど一
致する反射波が演算されたとき、その演算パラメタとし
て利用された仮想の故障位置を被試験ケーブルの故障位
置と推定するものである。
さらに、第二の特徴として、その参照ケーブルとして、
被試験ケーブルと特性の類似する実在のケーブルを選定
し、その参照ケーブルについて被試験ケーブルと同等の
パルス信号により反射波の実測を行い、その実測の結果
から得たデータを基に前記仮想の故障を演算するもので
ある。
さらに、第三の特徴として、被試験ケーブルについて測
定された反射波と、参照ケーブルについて演算された反
射波とを比較し、その誤差が小さくなるように前記仮想
の故障位置を変更して繰り返し演算を行うものである。
〔作用〕
故障心線の周囲にある故障のない実在する心線の伝搬特
性を利用して計算したパルス反射波形を補正し、故障点
までの距離lfの誤差を減少させる。
〔実施例〕
第1図は本発明方法を実施する装置全体のブロック構成
図である。この装置構成は、パルス試験器1、このパル
ス試験器1の出力データについてプログラム演算を実行
する演算装置7、この演算装置7に必要なデータを蓄積
するデータベース8、およびこの演算装置7の演算結果
を表示する表示装置21を含む。
本発明実施例方法では、まず、パルス試験器1に被試験
ケーブルである心線6′を接続する。演算装置7のスイ
ッチ31を図の下側に倒す。送信部2からパルス信号を送
信し、これが心線6′の中で反射して戻る反射波を受信
部3で受信する。この受信された反射波はアナログ・デ
ィジタル変換回路11でディジタル信号に変換されて、メ
モリ17に蓄積される。
つぎに、作業者はパルス試験器1に故障のない参照心線
6を接続する。この故障のない参照心線6は被試験心線
6′と同じケーブル束の中に実装され、被試験心線6′
と同じ距離だけ施設された心線を作業者が選定する。す
なわちこの参照心線6は被試験心線6′とその正常時の
特性がきわめて類似しているものを選ぶ。スイッチ31を
図の上側に倒す。
この参照心線6について送信部2から前記パルス信号と
同等のパルス信号を実際に送信し、このパルス信号が心
線6の中で反射して生じる反射波を受信部3で実際に受
信する。この受信された反射波はアナログ・ディジタル
変換回路11でディジタル信号に変換され、メモリ12に蓄
積される。
ここで、演算および比較演算が実行される。参照心線6
について、仮想の故障が設定され、その仮想の故障位置
について仮想の距離を変更しながら、受信される反射波
を演算する(ブロック10〜14およびブロック16)。この
演算結果を比較手段18で実測されメモリ17に蓄積されて
いる被試験心線6′についての反射波と比較する(ブロ
ック18)。比較結果を一時保留して、仮想の距離を変更
して(ブロック20)この演算を繰り返す。
さらにこれを詳しく説明する。
本発明の特徴は第1図に示すブロック図に斜線がけをし
た、ブロック10、12、13、14および16にある。残りの部
分は従来例(特願平1−55709)とほぼ同等である。
まず、故障心線6′の側にスイッチ31をたおし、パルス
信号を送信部2から送る。故障心線6′のパルス反射波
を受信部3で受信し、その波形をAD変換回路11で離散的
に読みとりメモリ17に故障心線パルス反射波形測定デー
タとして蓄える。一方、故障心線6′は通信ケーブルの
データベース8より読み出し、どのようなケーブルがど
のような長さで設置されているかプログラム的に構成す
ることができる。そのケーブル構成を演算手段9で演算
実行する。このケーブル構成に仮想の故障点を設定し、
パルス波形を加えた時のパルス反射波形を演算手段15で
計算できる。この演算方法については前述の式(2)〜
式(4)のとおりであるが、式(2)〜(4)は単純な
一本のケーブルでのパルス反射波形の計算例を示したも
のである。実際のケーブルでは分岐した状態や異種心線
が長さ方向に接続されているため、故障点を含むパルス
反射波形の計算は非常に複雑となる。しかしこのように
して各インピーダンス不均等と故障点を含めた反射波形
の計算式を得ることができる。故障点の状態について
は、式(2)〜(4)の説明で述べたように、別の測定
器等で容易に定められているから、そのデータを用いる
こともできる。
パルス反射波形を理論的に求めるには、故障点までの距
離lfのみが未知数であって、その他の定数はデータベー
スなどにより定まっていることになる。この演算で用い
るケーブルの伝搬定数はデータベース8から読取って演
算手段9の中で整理され、演算手段15での演算に利用さ
れている。演算手段15のパルス反射波形の計算値は比較
手段18に入る。この比較は一例として演算手段15の計算
された波形とメモリ17にある測定波形の差の2乗和をと
り(これを「残差」と呼ぶとする。)、この残差がゼロ
であれば、計算波形と測定波形とが完全に一致すること
となるので、演算手段15で計算した時に設定した仮想故
障点の位置が正しかったことを意味する。この残差がゼ
ロでない時には仮想故障点の位置を少し変えて再び計算
し、比較し残差を得る。順次この方法をくり返して残差
がゼロになるとき、または最小となるときの仮想故障点
が故障位置となる。これを表示部21で表示する。
次に、演算手段10、12、13、14および16の機能を詳しく
述べる。
まず、故障心線6′が発生すると、作業者はそれに類似
の特性の参照心線6を見つける。類似の特性は、故障心
線6′と全く同じ性質の心線であれば最適であるが、全
く同じでなくてもよい。これは故障をしていない心線で
あることが重要である。故障心線6′と大体長さが同じ
で、故障心線が導体径0.4mmのもの1Km、0.65mmのもの2K
m、のように長さ方向に接続されていればそれと同じよ
うな構成をもつ心線でも実用的に有用である。
例えば、上記の例では0.4mmφのものが1.1Km、0.65mmφ
のものが1.8Kmに接続されているものはだいたい似てい
ると考えてよい。
一般には一つのケーブルに100対〜400対などたくさんの
心線群があるから、故障した心線と同一のケーブルの中
から同じような長さのものを選ぶと参照心線6としてよ
いものがある。このような選び方であれば、一般のどの
ようなケーブルでも必ず故障心線6′と類似の特性の参
照心線6を見つけることができる。したがって本発明で
は、前もって特別の基準となる心線のようなものを準備
する必要もない。以上のようにして、参照心線6が定め
られる。
つぎに、パルス試験器1で参照心線6のパルス反射波形
を測定する。AD変換回路11で参照心線6のパルス反射波
形についてAD変換処理を行いメモリ12にその波形を蓄え
る。一方、この参照心線6について通信ケーブルデータ
ベース8より対応するデータを読出し、演算手段9でそ
のケーブル構成を行う。この参照心線6のケーブル構成
にパルス波形を加えた時のパルス反射波形を演算手段10
で計算する。
参照心線6のパルス反射波形計算値と実測した測定値の
それぞれの波形をフーリエ変換し、その各周波数成分を
比較手段13で比較する。ここで、参照心線6は故障して
いないから、計算値と測定値は等しいはずである。した
がって計算値と測定値のそれぞれの周波数成分をフーリ
エ展開をしてその比をとれば、どの周波数でも一致する
から比の値はほぼ1となるはずである。
しかし、実際にはわずかに異なり、比は必ずしも1とは
ならない。この理由は計算したパルス反射波形を求める
時に利用した参照心線の線路定数の標準値が実測した参
照心線6の線路定数と異なるからである。これは前記の
故障心線の故障点を求める時に生じた10%程度の誤差と
同じ理由である。
かりに参照心線のパルス反射波形計算値を測定値と一致
させる(あるいは残差を最小とする)ようにするには、
参照心線の計算に用いる標準的な線路定数を少し変化さ
せて最も一致するような線路定数を見つければよい。と
ころが実際にはケーブルの長さ方向に各種のケーブルが
接続され、また分岐ケーブルなどもあるため、個々の線
路定数が異なり、たくさんの線路定数を少しずつ変化さ
せて完全に一致させることは極めて難しい。
そこで、本発明では計算したパルス反射波形と測定した
パルス反射波形の各周波数成分(フーリエ展開を行えば
よい)の各周波数ごとの大きさと位相の比をとると、わ
ずかにずれた分だけその比が1からずれることを利用
し、この各周波数ごとの「比」を抽出手段14により抽出
する。
このようにしてから、次に接続を故障心線6′に切り換
えてパルス反射波形を前述したようにメモリ17に取り込
む。一方、仮想故障点の故障心線のケーブル構成より、
パルス反射波形を計算し演算手段15に蓄える。この故障
心線6′のパルス反射波形計算値と、前に求め記憶させ
てある参照心線6についての各周波数ごとの比を乗算
し、計算波形15の各周波数成分を少し補正して再びフー
リエ逆変換を行って時間波形にもどして記憶する。この
ようにすると、記憶されている元々の周波数成分の比は
参照心線の線路定数がケーブルのデータベース8の標準
的な値よりわずかにずれていたため生じたものである
が、故障心線6′の線路定数も同一ケーブル内では同じ
程度にずれると推定されるので、周波数成分毎の比を演
算手段15で求めた値に乗算し補正すると、ほぼ正しいパ
ルス反射波形計算値が復元できる。
したがって、そのパルス反射波形計算値と測定値を比較
しながら、仮想故障点を変化させていった時の残差が最
小になる時の故障点が正しい故障点になる。
ここで、補正をするため、周波数成分毎の比を演算手段
15で求めた計算波形の周波数成分に乗算すると上記で述
べたが、より正解には故障点の故障状態に応じて以下の
通りの方法で乗算するとさらに精度が良くなる。
ケーブルは良く知られているように1つの4端子定数で
電気的特性を表わすことができる。通常ではFマトリク
スでその電気的特性を表わし、 と書ける。
複合線路や故障点があっても、ケーブル全体をみたFマ
トリクスは1つの形で表わすことができ、例えば2種類
のケーブルのFマトリクスをそれぞれF1、F2とすれば、
ケーブル全体のFマトリクスは のように1つのマトリクスとして書ける。したがって、
どんなに複雑なケーブルでも1つのマトリクスで表現で
きることができる。
ここで、参照心線の計算によって得たマトリクスを とし、心線終端に絶縁抵抗Z2をつけたとすると、この時
の参照心線全体の入力アドミタンスYは となる。
一方、実際の参照心線のマトリクスを とすると、実際の参照心線の終端にも同様に絶縁抵抗値
Z2を取付けたとすると、その時の入力アドミタンスY2と表わすことができる。
ここで、 は参照心線の端末が開放(開放端あるいは故障断線)の
場合の入力アドミタンスであるから、これをYinとお
く。
そこで、式(5)は となる。実際の参照心線のでは端末が開放だから、Yin
は測定できるが、もし、絶縁抵抗Z2が端末に取付けてあ
れば式(6)のようにYinから少しずれることになる。
ここで、AS、BS、DSは実際には求められないが、実験的に DS/AS≒D/Aであり、Z2>10KΩであれば であるので、 としても大差がない。したがって、 にできる。このようにすると、参照心線全体の入力アド
ミタンスは絶縁抵抗Z2をつけることにより、 と補正した方がよいことになる。
前の説明では周波数成分毎の比を演算手段15で求めた計
算波形の周波数成分に乗算すると述べたが、さらにK1
(K1は1より大きい定数)して乗算した方が故障部の絶
縁抵抗Z2をよりよく補正できる。もし、参照心線の計算
値に用いた4端子定数A、B、C、Dと実際の参照心線
の4端子定数が近いとK1≒1となる。さらに、ここでは
乗算と書いたが除算してもよい。
表は、実際に故障したケーブルを模擬して求めた本発明
による故障位置からの誤差と従来例方法による誤差を求
めた例を示す。
この表の計算例は全長4Kmの導体径0.5mmCCPケーブルを
用いたもので、線路定数(R、L、G、C)のうち影響
の最も大きい容量Cの標準的な値(データベース値)か
ら実際のケーブルでは10%の容量Cが増加している場合
とした。また、故障は断線しているとした。この場合、
故障位置が500m〜4000mまで変わると従来法では例えば3
000m地点の故障では207mの誤差が発生する。しかし、本
発明では誤差が98mとなり、約1/2の誤差減少が得られる
ことがわかる。
ただし、表は参照心線として400mを選んでいるので3000
mの誤差が98mとまだかなり大きいが、この結果にもとず
いてさらに参照心線を3000mのものに選びなおすと、300
0m地点での誤差がほとんど0になる。すなわち、参照心
線を故障が起っている点までの長さにすると誤差がさら
に改善されると考えてよい。
以上の説明では、参照心線や被試験心線のパルス反射波
形をフーリエ展開して補正計算などを行ったが、ある1
つの周波数または複数の周波数により参照心線や故障心
線の入力インピーダンスを補正計算しても同様に故障点
距離が求められる。この技術については追って出願す
る。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明は故障点までの距離について
データベースに蓄えられた基本データに誤差があって
も、その誤差より著しく小さな誤差で故障点までの距離
を推定を行うことができる。また同一ケーブル内から適
当に参照心線を選ぶことは実用的に簡単なことである。
したがって特別の補正用の心線やデータなどをあらかじ
め用意する必要がない。以上のとおり本発明によればき
わめて精度を高く故障点までの距離を推定できる実用的
な方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施したパルス試験器とその測定デー
タの処理装置の構成例図。 第2図はパルス試験器によるパルス反射波形の一例を示
す図。 第3図は減衰したパルス反射波形の一例を示す図。 第4図は従来例パルス試験器の全体構成図。 1…パルス試験器、2…パルス波形の送信部、3…反射
パルス波形の受信部、4…ハイブリッド回路、5…整合
用トランス、6…参照心線、6′…故障心線、7…測定
データ処理部、8…通信ケーブルのデータベース、9…
通信ケーブルをデータベースより構成する演算手段、10
…参照心線のパルス反射波形を計算する演算手段、11…
測定波形のAD変換信号処理を行うAD変換回路、12…参照
心線のパルス反射波形の測定値を蓄積するメモリ、13…
参照心線のパルス反射波形計算値と測定値との比較を行
う比較手段、14…比較した各周波数成分の変化分の抽出
手段、15…故障心線パルス反射波形の演算手段、16…計
算波形に補正を行う演算手段、17…故障心線のパルス反
射波形測定値を蓄積するメモリ、18…測定波形と補正し
た計算波形の比較手段、19…残差が最小となる故障点の
判定手段、20…故障点距離をパラメータとして変化させ
る演算手段、21…故障点距離の表示部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被試験ケーブルの一端からパルス信号を送
    信し、その被試験ケーブル内で生じるそのパルス信号に
    よる反射波を受信し、その反射波の受信信号をそのパル
    ス信号の送信時を起点とする時間軸上で分析する通信ケ
    ーブルの故障位置探知方法において、 前記被試験ケーブルと類似の特性であり故障の発生して
    いない実在の参照ケーブルを選定し、この参照ケーブル
    の一端から前記パルス信号と同等のパルス信号を送信
    し、その参照ケーブル内で生じるそのパルス信号による
    反射波を受信し、その反射波を分析したデータを利用し
    てその参照ケーブル内の上記一端から仮想の距離で仮想
    の故障が発生したものとして上記一端で受信される反射
    波を演算し、この演算された反射波と前記被試験ケーブ
    ルについて受信された反射波とを比較し、その比較誤差
    が小さくなるまで、前記仮想の距離を変更し、その比較
    誤差が最小になったときの仮想の距離を被試験ケーブル
    の故障の距離と推定することを特徴とする通信ケーブル
    の故障位置探知方法。
  2. 【請求項2】前記参照ケーブルとして、前記被試験ケー
    ブルと同一のケーブル束に実装されているケーブルを選
    定する請求項1記載の通信ケーブルの故障位置探知方
    法。
JP20858789A 1989-08-11 1989-08-11 通信ケーブルの故障位置探知方法 Expired - Fee Related JPH0779294B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20858789A JPH0779294B2 (ja) 1989-08-11 1989-08-11 通信ケーブルの故障位置探知方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20858789A JPH0779294B2 (ja) 1989-08-11 1989-08-11 通信ケーブルの故障位置探知方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0372724A JPH0372724A (ja) 1991-03-27
JPH0779294B2 true JPH0779294B2 (ja) 1995-08-23

Family

ID=16558661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20858789A Expired - Fee Related JPH0779294B2 (ja) 1989-08-11 1989-08-11 通信ケーブルの故障位置探知方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0779294B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2527873B2 (ja) * 1992-01-20 1996-08-28 日本電信電話株式会社 光伝送システムの故障切分け装置
JP4720025B2 (ja) * 2001-06-06 2011-07-13 サンスター株式会社 歯ブラシ
WO2008035713A1 (fr) * 2006-09-19 2008-03-27 Lion Corporation Brosse à dents
GB2458653B (en) 2008-03-25 2012-11-21 Radiodetection Ltd Time-domain reflectometer
CN102680860B (zh) * 2012-06-08 2015-02-25 东华理工大学 一种高压电力线路行波测距用故障点自动定位方法
JP5763594B2 (ja) * 2012-06-29 2015-08-12 学校法人早稲田大学 絶縁電線又はケーブルの温度変化箇所の位置標定方法
CN113640617A (zh) * 2021-07-20 2021-11-12 国网浙江省电力有限公司电力科学研究院 一种电缆缺陷定位方法及设备
CN114719729A (zh) * 2022-02-25 2022-07-08 江苏省送变电有限公司 一种电缆长度测量方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0372724A (ja) 1991-03-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0173490B1 (ko) 펄스계 임피던스 측정계기
US7282922B2 (en) Wire network mapping method and apparatus using impulse responses
KR101115368B1 (ko) 케이블 장애 측정시 손실과 분산 보정방법
US7940056B2 (en) Time-domain reflectometry
CN109596944B (zh) 线缆检测方法、装置及电子设备
JPH11326413A (ja) ネットワ―ク・アナライザにおける測定誤差補正方法
US6437578B1 (en) Cable loss correction of distance to fault and time domain reflectometer measurements
CN108344923B (zh) 一种高适应性输电线路故障测距方法及系统
US20090024340A1 (en) Method and a System for Cable or Subscriber Loop Investigation Performing Loop Topology Identification
US8339141B2 (en) Method and apparatus for locating a fault in an electrical conductor, with interference compensation
WO2005104507A1 (en) Wideband frequency domain reflectometry to determine the nature and location of subscriber line faults
JPH09243699A (ja) テスト用計測器およびテスト用計測器においてクロストークパルス応答を処理するための方法
KR102090014B1 (ko) 주파수 영역에서의 교정을 이용한 시간 영역 측정 방법
CA2045884C (en) Fault location in a multi-terminal network
JPH0779294B2 (ja) 通信ケーブルの故障位置探知方法
AU2006200770A1 (en) Alternate test method for RF cable testing to avoid long test cables
US7589535B2 (en) Network device detection using frequency domain reflectometer
EP0391312A2 (en) System for and method of determining cable characteristics
JP4141961B2 (ja) システム校正されたベクトル・ネットワークアナライザの実効指向性および/または実効ソースポート整合性の測定方法、校正標準セットの作成方法
US6867598B2 (en) Method for measuring fault locations in high frequency cables and lines
JP6910791B2 (ja) 信号測定方法
CN109884571B (zh) 一种基于非标准器多传感器融合的直流互感器计量方法
JP3147987B2 (ja) 平衡系特性パラメータ測定装置および測定方法
JP2553939B2 (ja) 通信ケーブルの故障位置探知方法
CN115427823A (zh) 噪声侵入位置估计装置和噪声侵入位置估计方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees