JPH0777652A - 投写レンズおよび投写型表示装置 - Google Patents

投写レンズおよび投写型表示装置

Info

Publication number
JPH0777652A
JPH0777652A JP22329093A JP22329093A JPH0777652A JP H0777652 A JPH0777652 A JP H0777652A JP 22329093 A JP22329093 A JP 22329093A JP 22329093 A JP22329093 A JP 22329093A JP H0777652 A JPH0777652 A JP H0777652A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
lens group
projection
group
screen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22329093A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Masumoto
吉弘 枡本
Yoshito Miyatake
義人 宮武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP22329093A priority Critical patent/JPH0777652A/ja
Publication of JPH0777652A publication Critical patent/JPH0777652A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きなバックフォーカス比、優れた解像性
能、小さなFナンバー、といった優れた性能を有する投
写レンズ、および明るく高画質の投写画像を表示できる
投写型表示装置を提供する。 【構成】 スクリーン側から順に、負パワーの第1レン
ズ群G1、負パワーの第2レンズ群G2、正パワーの第3
レンズ群G3、正パワーの第4レンズ群G4を備え、これ
らの各レンズ群の間に比較的長い空気間隔を設ける。全
系の合成焦点距離f、第1レンズ群の合成焦点距離fG
1、第2レンズ群の合成焦点距離fG2、第1レンズ群と
第2レンズ群との間の空気間隔dG1、第2レンズ群と第
3レンズ群との間の空気間隔dG2の各々は、それぞれ所
定の条件式を満たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ライトバルブ上の光学
像をスクリーン上に拡大投影する投写レンズ、およびそ
れを用いた投写型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大画面映像を表示する方法の1つ
として、ライトバルブを用いた投写型表示装置が知られ
ている。近年では、液晶パネルを用いた投写型表示装置
が開発されており、小型で軽量のセットが実現できる利
点から注目されている(例えば、特開昭62−1334
24号公報、SID'91ダイジェスト419〜422
ページ、など)。
【0003】液晶パネルには、ツイストネマティック液
晶を用い、画素ごとに薄膜トランジスタなどのスイッチ
ング素子を設けてアクティブマトリックス駆動する方式
が主として用いられる。また、赤用、緑用、青用の3枚
の液晶パネルを用いてフルカラーの投写画像を得る方式
が主流となりつつある。これらは、いずれも高画質な投
写画像を得ることのできる利点がある。
【0004】このような投写型表示装置の構成の一例を
(図45)に示す。投写器101は、主として、光源1
02、色分解光学系116、フィールドレンズ106、
107、108、液晶パネル109、110、111、
色合成光学系117、投写レンズ115、から構成され
る。色分解光学系116は、ダイクロイックミラー10
3、104と平面ミラー105から構成され、色合成光
学系117は、ダイクロイックミラー112、113と
平面ミラー114から構成される。液晶パネル109、
110、111は、映像信号に応じて空間的に透過率を
変化させて、赤、緑、青の三原色に対応した光学像を形
成する。色分解光学系116は、光源102から出射す
る白色光をダイクロイックミラー103、104により
三原色の色光に分解し、各色光を対応するフィールドレ
ンズ106、107、108と液晶パネル109、11
0、111に導いて光学像を照明する。液晶パネル10
9、110、111から出射した各色光は色合成光学系
117に入射し、ダイクロイックミラー112、113
により合成されて、投写レンズ115に入射する。これ
により、三原色に対応した光学像が合成され、スクリー
ン(図示せず)上にフルカラーの大画面映像が拡大投影
される。
【0005】投写型表示装置には、スクリーンに対して
画像を観察者側から投影するフロント式と、観察者と反
対側から投影するリア式がある。また、投写器とスクリ
ーンを分離した二体型と、投写器とスクリーンを同一の
筐体に取り付けた一体型がある。100インチを超える
ような大きな投写画像を得るには、広い投写空間を必要
とするのでフロント式二体型が、50インチ前後の中程
度の投写画像を得るには、投写空間を反射ミラーを用い
て折りたたみ、投写器とスクリーンを比較的コンパクト
な筐体内に納めたリア式一体型が、主として用いられ
る。
【0006】(図45)に示した投写器は投写レンズが
1本であるので、スクリーンに対する投写器の相対位置
を容易に設定でき、また、投写レンズをズームレンズと
すれば画面サイズを容易に変えることができる。これ
は、特にフロント式二体型として用いた場合に、大きな
利点となる。
【0007】このような液晶投写型表示装置に用いられ
る投写レンズの一例として、特開平4−335610号
公報がある。(図46)にレンズ構成の一例を示す。レ
ンズ121がスクリーン側、レンズ122が液晶パネル
側に相当し、9枚のレンズから構成されている。焦点距
離fは128.6mm、Fナンバは8.0、スクリーン側の
半画角ωは24度、である。広角で、全系の焦点距離の
2倍以上の長いバックフォーカスを実現している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】(図45)に示した構
成の投写型表示装置に用いる投写レンズ115は、高画
質な投写画像を得るために、以下に述べる性能を備える
必要がある。
【0009】第1に、ハイビジョンなどの精密な表示画
像を拡大投影するために、優れた解像性能を要求され
る。そのために、歪曲を含めて諸収差の発生を良好に抑
制する必要がある。第2に、明るい投写画像を得るため
にライトバルブから出射する光を広い角度で集光しなけ
ればならず、Fナンバーは小さいことが好ましい。第3
に、投写画像の画面周辺部における光量の低下を抑制す
るために、最大画角範囲まで高い開口効率を維持する必
要がある。第4に、表示むらに少ない投写画像を得るた
めに、ライトバルブ側の主光線についてテレセントリッ
ク性の高いことが要求される。一般に、ライトバルブの
光変調特性は光線の入射角に依存することが知られてい
る。例えば液晶パネルの場合、主光線の入射角が大きく
異なれば、表示画像のコントラストが部分的に低下して
不均一となる。その結果、表示むらを生じる。第5に、
投写距離を短くするために広角の投写レンズが好まし
く、焦点距離fは短いことが望まれる。加えて、色合成
光学系を配置する空間を得るために、バックフォーカス
(投写レンズの後玉頂点から後側焦点までの距離)fB
を非常に長くする必要がある。そのために、1を超える
非常に大きなバックフォーカス比fB/fが必要とな
る。
【0010】これらの要求性能に対して、一般に、焦点
距離fを短くすることと、バックフォーカスfBを長く
することは相反する。例えば、スクリーン側から順に、
負パワーの前群、正パワーの後群を配置するレトロフォ
ーカス型が知られているが、fB/fとして2程度を実
現しようとすると、歪曲収差が非常に大きくなると共
に、諸収差の発生量が増大し、高い解像性能を得ること
が困難となる。また、一般に、Fナンバーを小さくする
ことと、高い解像性能を得ることも相反する。Fナンバ
ーを小さくするほど、主光線に対してより広い角度をな
して進行する光線について、収差の発生を良好に抑制し
なければいけない。
【0011】従って、従来は、焦点距離、バックフォー
カス比、解像性能、Fナンバー、テレセントリック性、
開口効率、の全てについて、要求性能を高いレベルで満
たす投写レンズを実現することは困難であった。このた
めに、短い投写距離で高画質な投写画像を表示する投写
型表示装置を実現することは困難であった。
【0012】例えば、特開平4−335610号公報に
開示される投写レンズは、大きなバックフォーカス比を
実現すると共に諸収差を良好に補正しているが、Fナン
バーが比較的大きく、F8である。液晶パネルから光軸
に対して±約3.6度の範囲に出射する光しか利用でき
ないので、明るい投写画像を得ることが困難である。
【0013】他に、FナンバーはF4.5、焦点距離f
は90mm、バックフォーカスfBは160mmで、バック
フォーカス比fB/fは約1.8であるものも実現されて
いる。しかし、テレセントリック性が良好でないと共
に、高精細な画像を投影するには解像性能が全く十分で
はなく、ハイビジョンレベルの画像を投影するには不適
当であった。より明るい投写画像を得るために、Fナン
バーは、例えばF4以下のより小さな値であることが望
まれる。
【0014】本発明は、特にフロント式二体型の投写型
表示装置に用いることを想定し、実用上十分に大きなバ
ックフォーカス比、高精細画像の投影に対応した高い解
像性能、小さいFナンバー、を実現する投写レンズを提
供することを目的とする。本発明の投写レンズを用い
て、明るく高画質な映像を表示する投写型表示装置を提
供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の投写レンズは、スクリーン側から順に、負
パワーの第1レンズ群と、負パワーの第2レンズ群と、
正パワーの第3レンズ群と、スクリーンの反対側の焦点
の近傍に配置される正パワーの第4レンズ群とを備え、
各レンズ群の間に比較的長い空気間隔を設け、スクリー
ンの反対側の空間において主光線が第4レンズ群の光軸
と略平行となるようにし、全系の合成焦点距離fと、第
1レンズ群の合成焦点距離fG1と、第2レンズ群の合成
焦点距離fG2と、第1レンズ群と第2レンズ群との間の
空気間隔dG1と、第2レンズ群と第3レンズ群との間の
空気間隔dG2、の各々は以下の条件を満足するようにし
たものである。
【0016】
【数5】
【0017】
【数6】
【0018】
【数7】
【0019】本発明の投写レンズは、さらに、第4レン
ズ群の合成焦点距離fG4と第2レンズ群と第3レンズ群
との間の空気間隔dG3について、以下の条件を満足させ
るとよい。
【0020】
【数8】
【0021】また、本発明の投写レンズは、主レンズ群
と、同一特性を有する3つの補助レンズと、2つのダイ
クロイックミラーと、平面ミラーとを備え、主レンズ群
はスクリーン側から順に第1レンズ群と、第2レンズ群
と、第3レンズ群とを備え、第1の補助レンズと第2の
補助レンズから出射する光は第1のダイクロイックミラ
ーにより合成されて第2のダイクロイックミラーに入射
し、第3の補助レンズから出射する光は平面ミラーを介
して第2のダイクロイックミラーに入射し、第2のダイ
クロイックミラーに入射する2つの光は合成されて主レ
ンズ群に入射し、主レンズ群として上記投写レンズの第
1レンズ群から第3レンズ群までの系を用い、各補助レ
ンズとして上記投写レンズの第4レンズ群を用い、主レ
ンズ群から各補助レンズまでの3つの系が所定の結像特
性を有するようにしたものである。
【0022】さらに、本発明の投写型表示装置は、3原
色の色成分を含む光を放射する光源と、光源から出射す
る光を3原色の色光に分解する色分解手段と、色分解手
段から出射する3原色の色光の各々により照明される3
つのライトバルブと、投写レンズとを備え、投写レンズ
として上記の投写レンズを用い、3つのライトバルブか
ら出射する色光の各々はそれぞれ対応する補助レンズに
入射し、3つのライトバルブ上の光学像を重畳形態でス
クリーン上に投写するものである。
【0023】
【作用】(図1)を用いて、本発明の投写レンズの基本
構成であるレトロフォーカス型レンズの作用を述べる。
レトロフォーカス型レンズは、負パワーの前レンズ群G
fと正パワーの後レンズ群Gbから構成される。前レンズ
群Gfと後レンズ群Gbは、いずれも薄肉レンズと考えて
表す。
【0024】スクリーン側から光軸11と平行に入射す
る高さh1の光線12は、前レンズ群Gfにより発散光線
13に変換され、光線高h2となり後レンズ群Gbに入射
する。後レンズ群Gbに入射した光線13は収束光線1
4に変換され、光線14と光軸11の交点が焦点Fとな
る。主点Hは入射光線12と収束光線14の交点15か
ら光軸11に下ろした垂線と光軸11の交点であり、主
点Hから焦点Fまでの距離が焦点距離fとなる。バック
フォーカスfBは、後レンズ群Gbから焦点Fまでの距離
である。h2/h1が大きくなるように、前レンズ群Gf
と後レンズ群Gbのパワー配分を定めれば、大きなバッ
クフォーカス比fB/fを得ることができる。
【0025】本発明の投写レンズは、負パワーの第1レ
ンズ群G1、負パワーの第2レンズ群G2、正パワーの第
3レンズ群G3、正パワーの第4レンズ群G4、から構成
される。(図2)は各レンズ群を薄肉レンズと考えて表
したもので、Pはスクリーンに投影されるライトバルブ
上の光学像を示す。投写レンズから離れた位置にあるス
クリーンから出射する軸上光線を光線12'、軸外主光
線を光線17、として表す。軸上光線12'は、投写レ
ンズの入射瞳の最周縁部を通過するものとする。
【0026】第1レンズ群G1と第2レンズ群G2が負パ
ワーの前レンズ群を、第3レンズ群G3と第4レンズ群
G4が正パワーの後レンズ群を形成する。ただし、(図
1)を用いて述べた後レンズ群Gbの機能は、主として
第3レンズ群G3が担い、第4レンズ群G4は補助的な機
能を担う。第1レンズ群G1から第3レンズ群G3までの
系を主レンズ群、第4レンズ群G4を補助レンズと呼
ぶ。
【0027】軸上光線12'は、光軸11に対してほぼ
平行に進行し、第1レンズ群G1に入射する。軸上光線
12'は、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2により発
散光線13'a、13'bに変換された後に、第3レンズ
群G3により収束光線14'に変換され、第4レンズ群G
4を経て、光学像Pの軸上点に到達する。光線14'が光
軸近傍を通過するので、第4レンズ群G4は軸上光線に
対してあまり作用しない。軸上光線12'の経路は(図
1)における光線12と同様であり、主レンズ群よりも
光学像P側に大きく離れた位置に主点を設けて、大きな
バックフォーカス比fB/fを得ることができる。ただ
し、バックフォーカスfBは、主レンズ群と光学像Pと
の間の距離として考える。第3レンズ群G3と第4レン
ズ群G4との間に大きな空間を得るので、色合成を行な
うダイクロイックミラーを配置できる。
【0028】本発明の投写レンズは、第1レンズ群G1
と第2レンズ群G2が負パワーの前レンズ群Gfの機能を
分担して担うので、負パワーのレンズ群で発生する収差
を抑制できる特徴がある。また、第1レンズ群G1につ
いて、軸上光線12'は光軸11の近傍を通過するのに
対し、軸外主光線17は光軸11から離れたレンズ周辺
部を通過する。そのために、第1レンズ群G1は軸上光
線よりも軸外主光線に対してより大きな作用を与えるこ
とができ、軸外収差を良好に補正できる利点がある。
【0029】光学像Pの近傍に配置される正パワーの第
4レンズ群G4は、以下の機能を担う。第1に、第4レ
ンズ群G4のレンズ面形状を適切に選ぶことで、光学像
P側の空間における軸外主光線17'を光軸11とほぼ
平行にすることができる。つまり、テレセントリック性
の優れた投写レンズを構成できる。第2に、第3レンズ
群G3を通過する軸外主光線17の光線高を小さくでき
るので、第3レンズ群G3のレンズ径をあまり大きくす
ることなく、Fナンバーの小さい投写レンズを構成でき
る。第3に、軸上光線12'は第4レンズ群G4の光軸近
傍を通過し、軸外主光線17は周辺部を通過するので、
全系の球面収差をあまり変化させることなく、全系の軸
外収差を変化させることができる。具体的に、正の歪曲
収差を発生させて他の系で発生する負の歪曲収差を補正
し、全系の歪曲収差を小さくできる。また、他の系で発
生する非点隔差を補正し、全系の非点隔差を小さくする
ことができる。第4レンズ群G4を構成するレンズ面の
少なくとも1つの面を非球面とすると、より大きな上記
効果を得ることができる。
【0030】次に、本発明の投写レンズが満たすべき条
件について説明する。(数5)の条件は、第1レンズ群
G1の合成焦点距離fG1を一定範囲に限定する。これに
より、全系の収差をバランス良く保ちながら、主レンズ
群のバックフォーカスを所定の値にすることができる。
fG1/fが上限値より大きい場合、第1レンズ群G1の
負のパワーが強くなりすぎ、第1レンズ群G1で発生す
る軸外収差を、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3で補
正することが困難となる。fG1/fが下限値より小さい
場合、第1レンズ群G1の負のパワーが弱くなりすぎ、
所定のバックフォーカスを得るために、第2レンズ群G
2に与える負担が大きくなる。その結果、第2レンズ群
G2で発生する諸収差を、第3レンズ群G3で補正するこ
とが困難となる。
【0031】(数6)の条件は、第2レンズ群G2の合
成焦点距離fG2を一定範囲に限定する。これにより、
(数5)の条件を満足させた上で第2レンズ群G2の負
のパワーを適当な大きさとし、全系の収差をバランス良
く保ちながら、主レンズ群のバックフォーカスを所定の
値にすることができる。fG2/fが上限値より大きい場
合、第2レンズ群G2の負のパワーが強くなりすぎ、第
2レンズ群G2で発生する諸収差を、第3レンズ群G3で
補正することが困難となる。fG2/fが下限値より小さ
い場合、第2レンズ群G2の負のパワーが弱くなりす
ぎ、所定のバックフォーカスを得ることが困難となる。
【0032】(数7)の条件は、第1レンズ群G1と第
2レンズ群G2の空気間隔dG1と、第2レンズ群G2と第
3レンズ群G3の空気間隔dG2の和、(dG1+dG2)を
一定範囲に限定する。(dG1+dG2)/fが下限値より
小さい場合、第1レンズ群G1により軸外収差を良好に
補正することが難しくなる。加えて、所定のバックフォ
ーカスを得ることが困難となる。必要なバックフォーカ
スを無理に得ようとすると、第3レンズ群G3の負担が
大きくなり、全系の収差をバランス良く補正することが
困難となる。(dG1+dG2)/fが上限値より大きい場
合、主レンズ群のレンズ全長が長くなり、最大画角に到
るまで高い開口効率を維持することが困難となる。その
ために、周辺光量の低下を招く。開口効率を維持するた
めに、第1レンズ群G1の有効径を大きくすることが考
えられるが、コストが著しく高くなる。第3レンズ群G
3の有効径を大きくすることも有効であるが、コスト高
を招くと共に、より大きなバックフォーカス比が必要と
なり、レンズ系の諸収差をバランス良く補正することが
困難となる。これは、第3レンズ群G3に入射する光束
径が大きくなると、色合成を行なうための空間が大きく
なり、必要とするバックフォーカスがより長くなるため
である。
【0033】(数8)の条件は、第4レンズ群G4の合
成焦点距離fG4と、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4
の空気間隔dG3の比を一定範囲に限定する。これによ
り、第4レンズ群G4についてスクリーンと反対側の空
間における主光線を光軸とほぼ平行にすることができ
る。つまり、良好なテレセントリック性を実現すること
ができる。従って、使用するライトバルブの光変調特性
が比較的大きな視角依存を有する場合に、望ましくは
(数8)の条件を満足させると良い。これにより投写画
像の表示むらを小さくすることができる。
【0034】以上述べた作用により、本発明の投写レン
ズは、大きなバックフォーカス比、高い解像性能、小さ
なFナンバー、といった優れた諸性能を実現できる。ま
た、本発明の投写レンズを用いて投写型表示装置を構成
することで、明るく高画質な映像を提供できる。本発明
の投写レンズは、特にフロント式二体型の投写型表示装
置に用いるとよい。
【0035】
【実施例】以下、本発明の投写レンズと投写型表示装置
について、具体的な実施例を述べる。
【0036】(図3)は、本発明の投写型表示装置の一
実施例を示す構成図である。投写器21は、フロント二
体型の液晶投写型表示装置であり、分離されたスクリー
ン40に観察者側から画像を投影する。
【0037】光源22は、赤外光と紫外光を取り除いた
白色の照明光23を出力する。青透過のダイクロイック
ミラー24と赤反射のダイクロイックミラー25と平面
ミラー26からなる色分解光学系により、R、G、Bの
三原色の照明光が作られ、各照明光は、フィールドレン
ズ27、28、29を経て、液晶パネル30、31、3
2の有効表示領域を照明する。液晶パネル30、31、
32は、アクティブマトリックス型ツイストネマチック
液晶であり、入射側と出射側に偏光板(図示せず)を備
える。外部から供給される映像信号に応じて、液晶パネ
ル30、31、32の液晶層に三原色に対応した光学像
が形成される。液晶層は、例えば液晶パネル30につい
て出射側ガラス基板30aと入射側ガラス基板30bの
間にある。
【0038】各光学像は、主レンズ群39と補助レンズ
33、34、35からなる投写レンズによりスクリーン
40上に拡大投影される。具体的に、変調された各照明
光は、補助レンズ33、34、35を経て、平面ミラー
36と緑透過のダイクロイックミラー37と赤反射のダ
イクロイックミラー38からなる色合成光学系に入射す
る。これにより、各照明光の光路が合成され、フルカラ
ーの投写画像を得る。フィールドレンズ27、28、2
9は、各照明光を投写レンズの入射瞳41上に有効に導
くために用いる。
【0039】(図3)に示した投写型表示装置は、主レ
ンズ群39と補助レンズ33、34、35として、以下
に述べる本発明の投写レンズを用いることにより、明る
く高精細で表示均一性に優れた高画質の投写画像を得る
ことができる。ただし、ライトバルブは特に上記液晶パ
ネルを用いる必要はない。他の方式の液晶パネルや電気
光学結晶を用いるものなど、空間的に光を変調できる透
過型のものであれば利用できる。投写器の構成も、特に
(図3)の構成に限定されない。例えば、光源と3枚の
ライトバルブと投写レンズの相対関係が、(図45)に
示した従来例の構成であっても構わない。
【0040】(図3)に示した投写型表示装置の一構成
例について、具体的な一数値例を示す。液晶パネルは、
有効表示領域の対角長が3.5インチで、アスペクト比
16:9のハイビジョン対応のものを用いる。画素数
は、縦1024ドット、横1440ドットであり、画素
ピッチは、縦方向が約43μm、横方向が約54μmで
ある。(図3)において、液晶パネルの縦方向と紙面に
沿った方向を一致させる。ただし、液晶パネルの垂直表
示方向を縦方向、水平表示方向を横方向、と表す。対角
100インチの投写画像を得るときの投写距離(スクリ
ーン40の中心P0から主レンズ群39の先端P1までの
距離)は、約3.5mとする。明るい投写画像を得るた
めに、液晶パネル上の光学像を光軸に対して±8〜9度
の角度範囲の光により照明する。この場合、光学像から
は、入射光と同一の角度範囲の光が出射する。
【0041】上記数値例の投写型表示装置を用いて高画
質映像を得るために、本発明の投写レンズは、例えば以
下の仕様を満たせばよい。所定の投写距離を得るため
に、投写レンズの半画角は約20度あればよい。光学像
から出射する光を損失なくスクリーンに到達させるため
に、Fナンバーは約3.2〜3.5であればよい。色合成
光学系を構成するミラーを配置するために、主レンズ群
39の後端P2から補助レンズ33の先端P3までの空気
間隔は210mmあればよい。これは、他の補助レンズ3
4、35についても同様である。解像性能は、液晶パネ
ルの縦方向の画素ピッチが約43μmなので、12[ラ
インペア/mm](以下、[l.p./mm]と記す)の白と黒の
周期パターンを拡大投影した場合に、スクリーン上で良
好に解像できればよい。歪曲収差は、最大画角で1%程
度であればあまり気にならず、0.5%以下であれば全
く問題ない。開口効率は、最大画角で70%程度であっ
ても周辺光量の低下はあまり気にならず、最大画角で9
0%程度あれば全く問題ない。全画角範囲で主光線が光
軸に対して±2度以内であれば、テレセントリック性は
良好であり、表示むらを十分に抑制できる。
【0042】以下、本発明の投写レンズの具体的な実施
例を述べる。いずれの実施例も、上記仕様例にもとづい
て十分な性能を得るように構成されており、上記一数値
例の投写型表示装置に用いることができる。
【0043】(図4)は、本発明の投写レンズの第1の
実施例を示す構成図である。全レンズ系を光軸Zを通る
平面で切断した断面図であり、G1は第1レンズ群、G2
は第2レンズ群、G3は第3レンズ群、G4は第4レンズ
群、である。Liは第iレンズを示し、Pは液晶パネル
の出射側ガラス基板である。投影される光学像は、ガラ
ス基板Pの投写レンズとは反対側の面Piに形成され
る。光線u1と光線u2は軸上上光線と軸上下光線であ
り、瞳の最縁部を通過してFナンバを決定する。光線u
3は最大画角点における軸外主光線である。Aは絞りで
あり、軸上光線u1とu2および軸外下光線を規制する。
【0044】レンズ系の具体的な数値を(表1)に示
す。
【0045】
【表1】
【0046】fは全系の焦点距離、FはFナンバー、ω
はスクリーン側の半画角、mは拡大倍率、rjは第j面
の曲率半径、djは第j面から第(j+1)面までの面
間隔、niとνiは、それぞれ第iレンズのe線における
屈折率とアッベ数である。rP1とrP2は、液晶パネルの
出射側ガラス基板の両面の曲率半径であり、dpは出射
側ガラス基板の厚さ、nPとνPは、それぞれ出射側ガラ
ス基板のe線における屈折率とアッベ数である。第4レ
ンズ群G4と出射側ガラス基板Pの面間隔d18は、所定
の拡大倍率mを得るときに、面Piがガウス像面となる
ような面間隔を示す。実際に画像を投影する場合には、
投写画面の全領域においてバランス良く高い解像性能が
得られるように、面間隔d18を微小量だけデフォーカス
させる場合が多い。*を付したレンズ面は非球面であ
り、第j面の非球面形状を、円錐定数Kj、4次、6
次、8次、10次の非球面係数、ADj、AEj、AF
j、AGj、を用いて表す。上記非球面係数を用いて、光
軸からの高さhにおけるレンズ面のサグ量Sは、(数
9)で与えられる。
【0047】
【数9】
【0048】第1レンズL1はスクリーン側に凸面を向
けた正メニスカスレンズ、第2レンズL2はスクリーン
側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、第3レンズL3
はスクリーン側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、第
4レンズL4はスクリーン側に曲率の弱い面を向けた負
レンズ、第5レンズL5はスクリーン側に曲率の強い面
を向けた正レンズ、第6レンズL6は両凹レンズ、第7
レンズL7は両凸レンズ、第8レンズL8はスクリーン側
に凹面を向けた正メニスカスレンズ、第9レンズL9は
両凸レンズ、第10レンズL10はスクリーン側に平面を
向けた平凸レンズ、である。第4レンズL4と第5レン
ズL5、第6レンズL6と第7レンズL7、は各々接合
し、第10レンズL10の第18面は非球面である。
【0049】第1レンズ群G1は負パワーであり、第1
レンズL1から第3レンズL3までの3枚のレンズで構成
される。第2レンズ群G2は負パワーであり、第4レン
ズL4と第5レンズL5の2枚のレンズで構成される。第
3レンズ群G3は正パワーであり、第6レンズL6から第
9レンズL9までの4枚のレンズで構成される。第4レ
ンズ群G4は正パワーであり、第10レンズL10で構成
される。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2が負パワー
の前群を、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4が正パワ
ーの後群を形成し、レトロフォーカス型レンズを基本構
成としている。第1レンズ群G1から第3レンズ群G3ま
での系を主レンズ群、第4レンズ群G4を補助レンズと
呼ぶ。各レンズ群の間には、比較的長い空気間隔を設け
ている。特に、色合成光学系を配置するために、主レン
ズ群と補助レンズの間に210mmの空気間隔を設けてい
る。
【0050】焦点距離は約127mmであり、約3.5m
の投写距離で対角3.5インチの光学像を対角100イ
ンチの投写画像として拡大投影できる。F値は3.5で
あり、液晶パネル側の軸上点で光軸に対して±8.2度
の範囲の光を集光できる。テレセントリック性は、全画
角範囲で±1.5度以内である。代表的な収差図を(図
5)に、開口効率を(図6)に示す。良好な収差補正を
実現すると共に、全画角範囲内で高い開口効率を維持し
ている。歪曲収差は、最大画角で約1%である。
【0051】解像性能の指標として、MTF特性図を
(図7)に示す。ただし、全ての画角範囲内で平均的に
良好な解像を得るように、液晶パネル面を適当量だけス
クリーン側にデフォーカスしている。高い方から、4
[l.p./mm]、8[l.p./mm]、12[l.p./mm]、の周期パ
ターンを拡大投影した場合の変調度であり、実線はサジ
タル方向に変化する周期パターンに対する特性を、破線
はメリジオナル方向に変化する周期パターンのに対する
特性を示す。全画角範囲内で、上記一数値例の液晶パネ
ルの一画素を十分に解像できる性能を得ている。
【0052】一般に、レトロフォーカス型レンズは、前
群と後群のいずれもが、軸外主光線に対して負の方向に
収差を発生しやすく、歪曲収差と倍率色収差の補正が容
易でないことが知られている。本実施例の投写レンズ
は、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2が負パワーを分
担することで、歪曲収差の補正を有利にしている。第1
レンズ群G1は、スクリーン側から正正負のレンズ構成
であり、第1レンズL1と第2レンズL2の2枚の正レン
ズが正の歪曲収差を発生させ、系全体の負の歪曲収差を
抑制している。第3レンズ群G3は、絞りAに近い第7
レンズL7の正パワーを第8レンズL8と第9レンズL9
よりも強くし、後群で発生する負の歪曲収差を抑制して
いる。
【0053】また、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3
に接合レンズを用いており、2つの接合面のバランスを
調整することにより、軸上色収差と倍率色収差を良好に
補正している。特に、第2レンズ群G2を正レンズと負
レンズで構成し、正レンズのアッベ数を負レンズのアッ
ベ数よりも小さくしているが、これにより、第2レンズ
群G2が第1レンズ群G1で発生する色収差の大半を補正
する。第2レンズ群G2の2枚のレンズを接合すれば光
学界面を減らすことができ、不要反射を低減させて光線
透過率を増すことができる。
【0054】第1レンズ群G1において、軸上光線u1と
u2は光軸近傍を通過するのに対し、軸外主光線u3は光
軸から離れた周辺部を通過する。従って、スクリーン側
から順に正レンズと負レンズを組み合わせて第1レンズ
群G1を構成すれば、軸外光線に対して特に選択的に収
差補正を行なうことができる。そのために、第1レンズ
L1と第2レンズL2の2枚の正レンズを用い、各々が分
担して軸外収差を良好に補正している。
【0055】第3レンズ群G3は、スクリーン側から負
正正正のレンズ構成であり、第6レンズL6と第7レン
ズL7からなる接合レンズと第8レンズL8は、スクリー
ン側に凹面を向けたメニスカスレンズである。そのため
に、第3レンズ群G3の主点をできるだけ液晶パネル側
に位置させることができ、主レンズ群のバックフォーカ
スを長くする上で有利となる。また、主レンズ群のレン
ズ構成が絞りAを挟んで対称に近くなるように、第1レ
ンズ群G1と第3レンズ群G3を構成している。これは、
軸外光線に到るまで諸収差を良好に補正する上で有利と
なる。特に、第3レンズ群G3を4枚のレンズ構成とす
れば、全系の諸収差をバランス良く補正できる。
【0056】第4レンズ群G4の全長が長いと色合成光
学系を配置する空間をより大きくする必要があるので、
第4レンズ群G4は1枚の平凸レンズから構成してい
る。鏡筒への取り付け精度を良くするために、スクリー
ン側に平面を向けるとよい。第4レンズ群G4は、テレ
セントリック性の高い軸外主光線u3を収束光に変換
し、主レンズ群に導いている。従って、第9レンズL9
の有効径をあまり大きくすることなく、良好なテレセン
トリック性と、小さいFナンバーを実現できる。また、
第10レンズL10の第18面を非球面とし、テレセント
リック性をより良好にしている。同時に、主レンズ群で
発生する歪曲収差を打ち消す方向に歪曲収差を発生さ
せ、系全体の歪曲収差を抑制している。さらに、系全体
の非点隔差と像面湾曲を補正し、画面の全領域で良好な
解像性能を得ている。このレンズは、量産性を確保する
ために、アクリル樹脂を用いて成型加工により製作する
とよい。
【0057】以下、本発明の投写レンズのその他の実施
例について述べる。第2の実施例について、(図8)に
(図4)と同様のレンズ断面図を、(表2)に(表1)
と同様のレンズ系の具体的な数値を、(図9)に(図
5)と同様の収差図を、(図10)に(図6)と同様の
開口効率を、(図11)に(図7)と同様のMTF特性
図を、それぞれ示す。同様に、第3の実施例について
(図12)〜(図15)と(表3)に、第4の実施例に
ついて(図16)〜(図19)と(表4)に、第5の実
施例について(図20)〜(図23)と(表5)に、第
6の実施例について(図24)〜(図27)と(表6)
に、第7の実施例について(図28)〜(図31)と
(表7)に、第8の実施例について(図32)〜(図3
5)と(表8)に、第9の実施例について(図36)〜
(図39)と(表9)に、第10の実施例について(図
40)〜(図43)と(表10)に、レンズ断面図、収
差図、開口効率、MTF特性図、レンズ系の具体的な数
値を、それぞれ示す。
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】
【表7】
【0064】
【表8】
【0065】
【表9】
【0066】
【表10】
【0067】第2の実施例は、特に明るい投写画像を得
るために、第1の実施例と同じレンズ構成のままFナン
バーを3.2に小さくした場合の一実施例を示す。この
場合、液晶パネル側の軸上点で光軸に対して±9度の範
囲の光を集光できる。第1の実施例と比較して、画角の
大きいところでの開口効率が低下しているが、十分な周
辺光量を得ることのできるレベルである。Fナンバーを
小さくしても諸収差は良好に補正されており、解像性能
は十分に高い。
【0068】第3〜第6の各実施例は、第1の実施例と
同様のレンズ構成であり、各レンズ群のパワー配分や各
レンズ群の空気間隔が異なる場合を示す。第3の実施例
は第2レンズ群G2の負のパワーが比較的弱い場合の一
実施例を、第4の実施例は第2レンズ群G2の負のパワ
ーが比較的強い場合の一実施例を、それぞれ示す。第5
の実施例は、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の空気
間隔dG1と、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の空気
間隔dG2の各々が比較的大きく、主レンズ群のレンズ全
長が長い場合の一実施例を示す。第1レンズ群G1の負
のパワーは比較的弱い。第6の実施例は、上記空気間隔
dG1とdG2の各々が比較的小さく、主レンズ群のレンズ
全長が短い場合の一実施例を示す。第1レンズ群G1の
負のパワーと第4レンズ群G4の正のパワーは比較的強
い。コンパクトな投写レンズを得ることができ、最大画
角まで極めて高い開口効率を得ている。第3〜第6のい
ずれの実施例も諸収差が良好に補正されており、十分に
高い解像性能を得ている。
【0069】第7と第8の実施例は、第1の実施例のレ
ンズ構成を基本とし、第1レンズ群G1を正負負のレン
ズ構成としている。具体的に、第1レンズ群G1は、ス
クリーン側に凸面を向けた正メニスカスレンズL1、ス
クリーン側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2、ス
クリーン側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3、か
ら構成される。第1の実施例の2枚の正レンズL1とL2
の機能を1枚の正メニスカスレンズL1に集約させ、第
1の実施例の負レンズL3の機能を2枚の負メニスカス
レンズL2とL3に分担させている。いずれも、第1レン
ズ群G1の負のパワーは比較的強い。特に、第8の実施
例は、第2レンズ群G2を正負のレンズ構成としてい
る。いずれの実施例も諸収差が良好に補正されており、
十分に高い解像性能を得ている。また、開口効率も十分
に高い。
【0070】第9と第10の実施例は、第1の実施例と
同様のレンズ構成の主レンズ群に非球面を導入し、歪曲
収差を特に良好に抑制した場合の実施例を示す。第9の
実施例は、第3レンズ群G3を構成する第9レンズL9の
第16面を非球面とし、第10の実施例は、第1レンズ
群G1を構成する第1レンズL1の第1面を非球面として
いる。いずれの実施例も、その他のレンズ性能を損なう
ことなく、最大画角における歪曲収差を0.5%以下に
抑制している。このように、第1レンズ群G1あるいは
第3レンズ群G3の少なくとも一方の光学面に非球面を
導入すると、より歪曲収差を小さくできる。特に、主レ
ンズ群の最もスクリーンに近い側、あるいは、最もスク
リーンから遠い側、に位置するレンズの一方の面を非球
面にするとよい。
【0071】以上述べた第2〜第10の各実施例の投写
レンズは、全て±2度以下のテレセントリック性を実現
している。従って、表示むらの少ない均一性の良好な投
写画像を投影できる。ここで、第1〜第10の各実施例
について、(数5)〜(数8)の条件式に用いたレンズ
系の構成パラメータの具体的な数値を(表11)に示
す。
【0072】
【表11】
【0073】以上述べたように、本発明の投写レンズは
(数5)(数6)(数7)の条件式を満たすように各レ
ンズ群を構成することにより、色合成光学系を配置する
ことのできる十分に大きなバックフォーカス比を実現し
た上で、優れた解像性能、小さいFナンバー、小さい歪
曲収差、高い開口効率、といった多くの優れた特徴を有
することができる。更に、(数8)の条件式を満たすよ
うに構成することにより、特に良好なテレセントリック
性を得ることができる。従って、本発明の投写レンズ
は、ライトバルブ上の光学像を明るく高画質な映像とし
てスクリーン上に投影できる。
【0074】本発明の投写レンズの第1〜第10の各実
施例は、具体的に(図44)に示す構成として用いるこ
とができる。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2と第3
レンズ群G3を1つの鏡筒に納めて、主レンズ鏡筒51
を構成する。主レンズ鏡筒51、3つの補助レンズ53
と54と55、色合成用の2枚のダイクロイックミラー
55と56、平面ミラー57、の各々を適当な支持体に
固定し、これらを基準筐体52に取り付ける。こうすれ
ば、第1レンズ群G1から補助レンズまでの光学系を精
度良く組み立てることができる。より精度良く光学系を
組み立てるために、2つのダイクロイックミラー55、
56と、平面ミラー57とは、各反射面が互いに平行と
なるように配置すればよい。3つの補助レンズ53、5
4、55の各々の光軸58、59、60が同一平面上に
あるように各要素を配置し、特にこの平面と基準筐体5
2の基準面61とを平行にすると良い。基準筐体52自
体を投写レンズとして扱い、例えば(図3)に示した本
発明の投写型表示装置に用いると、精度の高い組み立て
を簡便に行なうことができる利点がある。
【0075】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の投写レンズ
は、大きなバックフォーカス比、優れた解像性能、小さ
なFナンバー、といった優れた特徴を有する。従って、
本発明の投写レンズを用いれば、ライトバルブ上の光学
像を明るく高画質な映像としてスクリーン上に投影する
ことが可能となる。
【0076】また、本発明の投写型表示装置は、本発明
の投写レンズを用いてスクリーン投写型の表示装置を構
成することにより、明るく高画質な投写画像を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レトロフォーカス型レンズの原理を説明する説
明図
【図2】本発明の投写レンズの原理を説明する説明図
【図3】本発明の投写型表示装置の一実施例を示す概略
構成図
【図4】本発明の投写レンズの第1の実施例を示す断面
構成図
【図5】本発明の投写レンズの第1の実施例における収
差図
【図6】本発明の投写レンズの第1の実施例における開
口効率を示す特性図
【図7】本発明の投写レンズの第1の実施例における解
像性能を示すMTF特性図
【図8】本発明の投写レンズの第2の実施例を示す断面
構成図
【図9】本発明の投写レンズの第2の実施例における収
差図
【図10】本発明の投写レンズの第2の実施例における
開口効率を示す特性図
【図11】本発明の投写レンズの第2の実施例における
解像性能を示すMTF特性図
【図12】本発明の投写レンズの第3の実施例を示す断
面構成図
【図13】本発明の投写レンズの第3の実施例における
収差図
【図14】本発明の投写レンズの第3の実施例における
開口効率を示す特性図
【図15】本発明の投写レンズの第3の実施例における
解像性能を示すMTF特性図
【図16】本発明の投写レンズの第4の実施例を示す断
面構成図
【図17】本発明の投写レンズの第4の実施例における
収差図
【図18】本発明の投写レンズの第4の実施例における
開口効率を示す特性図
【図19】本発明の投写レンズの第4の実施例における
解像性能を示すMTF特性図
【図20】本発明の投写レンズの第5の実施例を示す断
面構成図
【図21】本発明の投写レンズの第5の実施例における
収差図
【図22】本発明の投写レンズの第5の実施例における
開口効率を示す特性図
【図23】本発明の投写レンズの第5の実施例における
解像性能を示すMTF特性図
【図24】本発明の投写レンズの第6の実施例を示す断
面構成図
【図25】本発明の投写レンズの第6の実施例における
収差図
【図26】本発明の投写レンズの第6の実施例における
開口効率を示す特性図
【図27】本発明の投写レンズの第6の実施例における
解像性能を示すMTF特性図
【図28】本発明の投写レンズの第7の実施例を示す断
面構成図
【図29】本発明の投写レンズの第7の実施例における
収差図
【図30】本発明の投写レンズの第7の実施例における
開口効率を示す特性図
【図31】本発明の投写レンズの第7の実施例における
解像性能を示すMTF特性図
【図32】本発明の投写レンズの第8の実施例を示す断
面構成図
【図33】本発明の投写レンズの第8の実施例における
収差図
【図34】本発明の投写レンズの第8の実施例における
開口効率を示す特性図
【図35】本発明の投写レンズの第8の実施例における
解像性能を示すMTF特性図
【図36】本発明の投写レンズの第9の実施例を示す断
面構成図
【図37】本発明の投写レンズの第9の実施例における
収差図
【図38】本発明の投写レンズの第9の実施例における
開口効率を示す特性図
【図39】本発明の投写レンズの第9の実施例における
解像性能を示すMTF特性図
【図40】本発明の投写レンズの第10の実施例を示す
断面構成図
【図41】本発明の投写レンズの第10の実施例におけ
る収差図
【図42】本発明の投写レンズの第10の実施例におけ
る開口効率を示す特性図
【図43】本発明の投写レンズの第10の実施例におけ
る解像性能を示すMTF特性図
【図44】本発明の投写レンズのその他の構成を示す概
略構成図
【図45】従来の投写型表示装置の構成を示す概略構成
【図46】従来の投写レンズの一例を示す断面構成図
【符号の説明】
21 投写器 22 光源 24、25、37、38 ダイクロイックミラー 26、36 平面ミラー 27、28、29 フィールドレンズ 30、31、32 液晶パネル 33、34、35 補助レンズ 39 主レンズ群 40 スクリーン G1 第1レンズ群 G2 第2レンズ群 G3 第3レンズ群 G4 第4レンズ群 A 絞り P 出射側ガラス基板 u1 軸上上光線 u2 軸上下光線 u3 軸外主光線

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スクリーン側から順に、負パワーの第1レ
    ンズ群と、負パワーの第2レンズ群と、正パワーの第3
    レンズ群と、前記スクリーンの反対側の焦点の近傍に配
    置される正パワーの第4レンズ群とを備え、前記各レン
    ズ群の間に比較的長い空気間隔を設け、前記スクリーン
    の反対側の空間において主光線が前記第4レンズ群の光
    軸と略平行となるようにし、全系の合成焦点距離fと、
    前記第1レンズ群の合成焦点距離fG1と、前記第2レン
    ズ群の合成焦点距離fG2と、前記第1レンズ群と前記第
    2レンズ群との間の空気間隔dG1と、前記第2レンズ群
    と前記第3レンズ群との間の空気間隔dG2、の各々は、
    以下の条件を満足する投写レンズ。 【数1】 【数2】 【数3】
  2. 【請求項2】第4レンズ群の合成焦点距離fG4と第2レ
    ンズ群と第3レンズ群との間の空気間隔dG3は、以下の
    条件を満足する請求項1記載の投写レンズ。 【数4】
  3. 【請求項3】第1レンズ群は、スクリーン側から順に、
    凸面をスクリーン側に向けた正メニスカスレンズ、凸面
    をスクリーン側に向けた正メニスカスレンズ、凸面をス
    クリーン側に向けた負メニスカスレンズ、からなる請求
    項1または請求項2記載の投写レンズ。
  4. 【請求項4】第1レンズ群は、スクリーン側から順に、
    凸面をスクリーン側に向けた正メニスカスレンズ、凸面
    をスクリーン側に向けた負メニスカスレンズ、凸面をス
    クリーン側に向けた負メニスカスレンズ、からなる請求
    項1または請求項2記載の投写レンズ。
  5. 【請求項5】第2レンズ群は、正レンズと負レンズとで
    構成され、前記負レンズのアッベ数に比べて前記正レン
    ズのアッベ数が小さい請求項1または請求項2記載の投
    写レンズ。
  6. 【請求項6】第2レンズ群は、正レンズと負レンズを接
    合して構成し、前記負レンズのアッベ数に比べて前記正
    レンズのアッベ数が小さい請求項1または請求項2記載
    の投写レンズ。
  7. 【請求項7】第3レンズ群は、接合レンズを含む請求項
    1または請求項2記載の投写レンズ。
  8. 【請求項8】第3レンズ群は、接合レンズを含み4枚の
    レンズから構成される請求項1または請求項2記載の投
    写レンズ。
  9. 【請求項9】第4レンズ群は、平面をスクリーン側に向
    けた平凸レンズである請求項1または請求項2記載の投
    写レンズ。
  10. 【請求項10】第4レンズ群は、平面をスクリーン側に
    向けた平凸レンズであり、凸面が非球面である請求項1
    または請求項2記載の投写レンズ。
  11. 【請求項11】第1レンズ群あるいは第3レンズ群の少
    なくとも一方は、少なくとも1つの非球面からなる光学
    面を備える請求項1または請求項2記載の投写レンズ。
  12. 【請求項12】第1レンズ群の最もスクリーン側に位置
    するレンズは、少なくとも一方のレンズ面が非球面であ
    る請求項1または請求項2記載の投写レンズ。
  13. 【請求項13】第3レンズ群のスクリーンに対して最も
    遠い側に位置するレンズは、少なくとも一方のレンズ面
    が非球面である請求項1または請求項2記載の投写レン
    ズ。
  14. 【請求項14】主レンズ群と、同一特性を有する3つの
    補助レンズと、2つのダイクロイックミラーと、平面ミ
    ラーとを備え、前記主レンズ群はスクリーン側から順に
    第1レンズ群と、第2レンズ群と、第3レンズ群とを備
    え、前記第1の補助レンズと前記第2の補助レンズから
    出射する光は前記第1のダイクロイックミラーにより合
    成されて前記第2のダイクロイックミラーに入射し、前
    記第3の補助レンズから出射する光は前記平面ミラーを
    介して前記第2のダイクロイックミラーに入射し、前記
    第2のダイクロイックミラーに入射する2つの光は合成
    されて前記主レンズ群に入射し、前記主レンズ群は請求
    項1記載の第1レンズ群から第3レンズ群までの系を用
    い、前記各補助レンズは請求項1記載の第4レンズ群を
    用い、前記主レンズ群から前記各補助レンズまでの3つ
    の系が所定の結像特性を有する投写レンズ。
  15. 【請求項15】主レンズ群と、3つの補助レンズと、2
    つのダイクロイックミラーと、平面ミラーとを1つの筐
    体に収納した請求項14記載の投写レンズ。
  16. 【請求項16】2つのダイクロイックミラーと、平面ミ
    ラーとは、各反射面が互いに平行である請求項14記載
    の投写レンズ。
  17. 【請求項17】3つの補助レンズの各々の光軸が同一平
    面上にある請求項14記載の投写レンズ。
  18. 【請求項18】3原色の色成分を含む光を放射する光源
    と、前記光源から出射する光を3原色の色光に分解する
    色分解手段と、前記色分解手段から出射する3原色の色
    光の各々により照明される3つのライトバルブと、投写
    レンズとを備え、前記投写レンズとして請求項14記載
    の投写レンズを用い、前記3つのライトバルブから出射
    する色光の各々はそれぞれ対応する補助レンズに入射
    し、前記3つのライトバルブ上の光学像を重畳形態でス
    クリーン上に投写する投写型表示装置。
JP22329093A 1993-09-08 1993-09-08 投写レンズおよび投写型表示装置 Pending JPH0777652A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22329093A JPH0777652A (ja) 1993-09-08 1993-09-08 投写レンズおよび投写型表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22329093A JPH0777652A (ja) 1993-09-08 1993-09-08 投写レンズおよび投写型表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0777652A true JPH0777652A (ja) 1995-03-20

Family

ID=16795826

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22329093A Pending JPH0777652A (ja) 1993-09-08 1993-09-08 投写レンズおよび投写型表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0777652A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07134244A (ja) * 1993-11-09 1995-05-23 Nikon Corp 投影レンズ
USRE39424E1 (en) 1994-12-07 2006-12-12 3M Innovative Properties Company Telecentric lens systems for forming an image of an object composed of pixels
JP2008026593A (ja) * 2006-07-21 2008-02-07 Fujinon Corp 画像読取用レンズ、画像読取用光学系および画像読取装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07134244A (ja) * 1993-11-09 1995-05-23 Nikon Corp 投影レンズ
USRE39424E1 (en) 1994-12-07 2006-12-12 3M Innovative Properties Company Telecentric lens systems for forming an image of an object composed of pixels
JP2008026593A (ja) * 2006-07-21 2008-02-07 Fujinon Corp 画像読取用レンズ、画像読取用光学系および画像読取装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8328369B2 (en) Projecting zoom lens and projection type display apparatus
US7558002B2 (en) Projection zoom lens and projection-type display device
US7529033B2 (en) Projection lens device and projection display apparatus using the same
US7289270B2 (en) Projection lens and projection display apparatus
US7733576B2 (en) Two-group zoom projection lens and projection display
JP4847110B2 (ja) 投射用レンズおよび投射型画像表示装置
JP4616966B2 (ja) 投写用ズームレンズおよびプロジェクタ装置
US7436597B2 (en) Projection lens
JP2002107618A (ja) 広角投映レンズおよびこれを用いた投写型画像表示装置
US8213091B2 (en) Wide-angle projection zoom lens and projection display device
US7663806B2 (en) Projection lens and projection type display device using the same
US6809877B2 (en) Zoom lens and projection display device using the same
KR20050052397A (ko) 투영렌즈
JPH09304694A (ja) 投射レンズ系及びそれを備えた投射装置
JP2010160478A (ja) 投写用ズームレンズおよび投写型表示装置
US6989940B2 (en) Zoom lens and projection display device which uses same
US6801367B2 (en) Zoom lens and projection display device which uses same
JP2005156963A (ja) 投影用ズームレンズ及びプロジェクタ
JP2003337283A (ja) 投射用ズームレンズおよび拡大投射装置
JP2009025754A (ja) 投写用広角ズームレンズおよび投写型表示装置
JP2008309991A (ja) 投写レンズおよびこれを用いた投写型表示装置
JPH0682689A (ja) レトロフォーカス型レンズ
JP4211373B2 (ja) 投射レンズ及びこれを備えたプロジェクター
JP2004252084A (ja) 投射用ズームレンズおよび拡大投射装置
JP4757990B2 (ja) 投射用レンズ