JPH0777498A - 物体のひび割れの検出方法 - Google Patents

物体のひび割れの検出方法

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JPH0777498A
JPH0777498A JP5231066A JP23106693A JPH0777498A JP H0777498 A JPH0777498 A JP H0777498A JP 5231066 A JP5231066 A JP 5231066A JP 23106693 A JP23106693 A JP 23106693A JP H0777498 A JPH0777498 A JP H0777498A
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Hideki Matsuoka
秀貴 松岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 物体のひび割れを、人間の視覚能力以上の検
出を行い視覚化させて、精細なひび割れの検出を可能に
する。 【構成】 対象物体を、有効透過波長が380〜510
nm程度のバンドパスフィルタを介在させて写真撮影や
CCDカメラによる録画を行い、それを画像処理装置に
よって画質改善し、ひび割れを視覚化させて判別及び計
測する。 【効果】 構造物の場合、調査員の能力や経験に拘らず
ひび割れの状況が精細に把握でき、また遠隔よりの検出
が可能となり、現地調査期間の短縮と高所作業による危
険度を軽減する。さらに、各種プラント等の生産ライン
への影響も最小限に検査することができる。これはま
た、様々な素材と形状の製造品のひび割れの検査等にも
利用が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造物(土木構造物、
建築物、プラント等)の保守点検及び製造品の検査等
の、物体のひび割れ発生状況の確認に関わる、人間の目
視観察に代る光学技術を利用した、ひび割れの検出及
び、ひび割れ幅の測定の方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ひび割れ発生状況の確認は、コンクリー
ト構造物の場合では主として地上より双眼鏡等を用いた
り、もしくは仮設ゴンドラや架設足場及び高所作業用機
械を使用して、人間の目視観察により判別を行い図面等
にスケッチして記録する方法によって行われている。ま
た、探傷液の塗布により視覚化させて目視観察により確
認する方法や、目視観察の代りに写真撮影で現状を記録
して、画像処理装置で識別する方法等が行われている。
これによる問題としては、本来正確さを要求される調査
において、調査員の経験や能力及び判断の相違により調
査結果が定量でないことや、微細なひび割れは発見が難
しく見落とし等の人為的ミスも挙げられる。
【0003】ひび割れ幅の測定では、ルーペにより拡大
してスケールで測定する測量機器により観察測定されて
いる。しかし、これは観察者による精度のばらつきが生
じ、さらに一定期間毎の測定による比較検討を行う場合
は、ひび割れのどの位置を測定した数値であるのかの正
確な把握が困難である。またひび割れの変位量の測定
は、物理量を電気量に変換して測定する変位計やダイレ
クトに測定する機器が用いられている。
【0004】コンクリート構造物のひび割れの識別にお
いては、最近レーザー光線を照射してその反射を利用し
たひび割れ自動計測車(首都高速道路公団)が開発され
た。しかし、設備の規模により設置環境の多種多様な条
件の基に存在する構造物に対応することは不可能であ
る。
【0005】各種プラント等の金属の構造物では、探傷
剤の塗布による目視観察があり、機器としては超音波や
磁気による探傷装置がある。しかし、検査には生産ライ
ンを停止する必要性が高いことや規模が大きいことなど
から、過去のデーターによって脆弱しやすい箇所の選択
により定期的または任意時期に検査され、その結果から
全体の予測を立てる方法が主となっている。従って、通
常の点検等は目視観察により行われている場合が多い。
【0006】また、製造品は素材や形状が多種多様であ
るため、各々のひび割れ発見の方法の確立に至ってない
場合が多く、それが望まれているのが現状である。この
ことから目視観察が高い割合を占めている。検出の例と
しては、検査対象を自然環境による温度変化や通電等に
より温度を上昇させ、その熱伝達を赤外線熱画像装置に
より把握してひび割れを発見する方法もある。しかし、
ひび割れという細かい対象に対する解像能力は比較的悪
く、撮影の単位面積の狭さによる作業性や解析能力によ
る人為的な誤差も大きな問題として挙げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明により、人間の
視覚能力では識別が困難な、物体に発生するのひび割れ
に対し、物質と電磁波の特性を利用して検出を行い、光
学系や撮像素子により写真や録画として記録し、それを
画像処理装置によって視覚化させて判別する。このこと
により、従来の人間の視覚による目視観察に代り高精度
な判別ができる。また、構造物等は光学機器により遠隔
からの検出も可能であり大規模な機械や装置の設置も必
要なく、その方法の提供を目的とする。
【0008】さらに検出されたひび割れの記録方法とし
て、写真撮影や撮像素子による録画を行うことで、検出
ひび割れとして克明に映像として記録できる。これによ
り、従来の現地での形状や位置のスケッチがその記録影
像により正確に把握できる。
【0009】また、ひび割れ幅の測定で測定地点の視覚
的記録はされていない。その要因として、ひび割れの幅
は対象となる殆どが1mm以下と小さいため、そのひび
割れを高倍率に拡大して撮影する技術が高度になるこ
と。また、技法的に風等の自然環境や三脚使用等の機材
設定条件等により現地での撮影には困難を伴う場合が多
いことなどが挙げられる。しかし、本発明により撮影方
法や機材の取り扱いの面で技術の熟練を要することなく
一般的な撮影が可能となり、画像処理装置によりその画
像からの高精度な測定が可能となるので、その方法の提
供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】従来より、物体に発生す
るひび割れの識別には人間の目視観察が行われて来てお
り、双眼鏡やルーペ等は光学系の使用による視覚の拡大
や延長として用いられている。このことは、対象とする
物体の相違に拘らず、ひび割れの発見は本質的に人間の
視覚能力によって可能であり、また判別される。それ
は、反射及び吸収、透過や屈折、回析、散乱、干渉等の
各々な現象の特性を持つ波長が連続して存在する電磁波
の中の、約380〜770nm程度を可視光領域とし
て、全てを同時に視覚情報として捉えている。しかしこ
れを、人間の視覚能力以上の検出を行い視覚化すると考
えた場合、この事実より本目的に害する要因を排除する
必要がある。
【0011】また、物体には物質固有の光の反射や吸収
現象があり、その反射現象には入射面に対する入射角と
反射角等の様々な物理的法則もある。その現象や法則及
び電磁波の各々の波長による特性を応用すれば、ひび割
れを検出するのは可能であると考えられる。
【0012】ひび割れは、その内面により、進入した光
の一部を吸収して反射させ、それの繰り返しによって光
を減少させながら最終的には吸収してしまうため、ひび
割れの深部では闇となる。このことを視覚として考える
と、同一な光の照明の条件下にある物体の表面は光の反
射現象として、またその物体に発生したひび割れは光の
吸収現象として視覚で認識される。
【0013】そこで、これを波長の特性で考えた場合、
短い波長は長い波長と比較してひび割れ内部の表面への
衝突の回数が多く、また入射角度が広いため、ひび割れ
内部の表面状態の起伏や形状の複雑さに対して乱反射や
散乱等の繰り返しにより、深部へ到達するまでに高い割
合で吸収される。それに対して波長の長いものほど、よ
り深部にまで進行して照らそうとする。
【0014】このことにより、長い波長は視覚によるひ
び割れの発見を阻害する要因であると考える。依って短
い波長域のみを利用すれば、人間の可視光領域全般であ
る視覚情報と比較して、ひび割れの検出が可能となる。
また、様々な物体を想定した場合の物質固有の分光特性
の影響は、ひび割れの吸収現象に対して利用する波長領
域の物体表面の反射率による明度の程度の差として現れ
るが、物体表面とひび割れ内部の分光特性は同一であ
り、反射や吸収率に本質的な変化はないため、本目的の
効果自体に弊害は生じない。
【0015】そこで短い波長の利用方法として、当該波
長域のみを照射するか、もしくは目的に有害とする波長
を遮断することが考えられる。従って、当該波長のみの
照射とすればそのための装置が必要となり、その波長域
も含めた自然光や人工光が存在し、使用に際しては光の
環境条件が影響する。更に、装置の設置の面で、多種多
様な環境や形状の条件を持つ構造物等に対応できるかの
問題がある。しかし、目的に害する波長の遮断にはバン
ドパスフィルタの使用によって解決できる。これは、自
然光や人工光の既に存在する光の中の必要波長域の選択
である。また、光が存在しないか、低照度の場合の屋内
やトンネル、製造品の検査等においても、白熱灯などの
人工光源は紫外線より赤外線まで全ての波長を放射して
おり、それの照射の方が容易である。
【0016】そこで使用する波長域であるが、短い波長
と考え通常の自然光及び人工光源で一定量以上の存在と
すれば近紫外線がある。しかし、紫外線は人間の目では
感知することのできない電磁波であり、通常の太陽光源
においても空気の層による吸収や散乱等により定量でな
く、その量の把握が一般的に困難である。さらに、記録
するために光学系を使用した場合、通常の一般撮影用レ
ンズではガラスに吸収されるので、石英ガラス等の使用
するレンズの制約や、記録方法を写真撮影と仮定した場
合にはフォーカス位置のずれや露出等の面での難易的な
問題がある。また、遠隔より検出したい場合において
も、波長が短い故の空気や塵による散乱等によって安定
した情報を得るのが困難となる。
【0017】このことにより、近紫外線より波長の長い
可視光領域の使用とする。この場合、利用波長の最高値
は、太陽光の分光分布のピークである530〜550n
m付近は光量が豊富であるが、短い波長域の光量と比較
した場合、目的とする効果を弱める働きがあると考え
る。そこで、ピーク値より短い波長の分光分布は急速に
下降することから、当該値より若干の間隔をおいた値と
する。
【0018】従ってバンドパスフィルタの特性は、中心
波長が400〜500nmの間にあり、半値幅が5〜5
0nm程度で有効透過波長域が380〜510nmの範
囲に設定するのを適当とする。これにより、本目的に対
する有害波長域を約65%以上、光量として約70%以
上を遮断することになる。
【0019】この場合の問題として、それを使用して人
間が目視観察した場合、元来人間の視覚は電磁波の55
5nm付近の黄緑に最大視感度を持ち、約380〜77
0nm程度の可視光領域を色や明るさとして視覚してい
る目の機能に対して異質なものとなる。また、視感度は
500nm付近で最大時の30%程度しかなく400n
m付近では約4%以下となり、さらに狭い波長域であり
光量も減少するため、人間の目の感知能力では充分に対
応することができない。
【0020】この解決として、公知の光の蓄積記録であ
る写真と、機能上人間の光の感知能力をはるかに上回る
CCDカメラ等による光学系や撮像素子の利用とする。
【0021】そこで、前記のバンドパスフィルタを介在
させて写真撮影や録画を行えば、従来視覚的に確認でき
なかったひび割れの検出が可能になり、撮影のレンズ選
択や記録方法等の考慮によって遠隔による検出も可能と
なる。
【0022】このことはまた、当該波長の反射及び吸収
現象の度合を濃淡として記録するため、対象とする物質
の分光反射率やひび割れの持つ形状、幅及び深度の多種
多様な状態において同一や均一の濃度にはならない問題
点が発生する。また、構造物を例にとっても通常コンク
リートには汚染や風化、金属では錆等がありその考慮も
必要になる。
【0023】そこで、ひび割れが検出された映像により
判別するためには、人間の目の数十倍以上の精度で濃淡
を解析する機能を持つ、公知の画像処理装置によって濃
淡画像の濃度の変換処理の画質改善を行えば容易に視覚
化することができる。これにより、物体の分光特性が当
該波長相当で低い場合の、ひび割れと物体表面の濃淡差
が狭い映像においても解析できる。
【0024】本発明はまた、ひび割れ進行度調査の分野
で、記録影像からひび割れ幅の高精度な測定や視覚によ
る比較検討が可能となる。
【0025】それにはまず、ひび割れの高倍率の拡大撮
影が必要となる。しかし、現存の撮影用レンズのみでは
その目的の倍率には撮影できない。また、方法としては
撮影用レンズと蛇腹式接写装置等で高倍率の拡大撮影は
可能であるが、倍率が高くなるほど撮影技術の熟練を要
する。さらに、風や振動の影響を受けやすく三脚使用等
の自然環境や機材の設置に条件が発生する。
【0026】この問題は、高倍率の拡大撮影が可能な単
体の光学レンズの製造によって解決される。しかし、一
般撮影用レンズとして考えると高倍率になれば各波長の
屈折率の特性により、色収差の補正が設計上難しくな
る。しかし、狭い特定波長域の透過という目的を持った
レンズであれば、レンズ工学の現行の技術においては容
易である。ただし、現状では一般的撮影に使用出来ない
ため製品化はされず特別注文製造品となる。そこで、前
記バンドパスフィルタと現存の撮影用レンズの組み合わ
せによって、コンクリート構造物の調査の場合において
は、現行で通常に対象としている程度のひび割れ幅であ
れは撮影は可能となる。
【0027】
【作用】従来写真撮影によりひび割れの確認を行うとす
れば、コンクリートを例とした場合、幅が0.1mmの
ひび割れを確認するにはコンクリートの撮影範囲が50
0mm程度であれば可能とされている。しかし前記バン
ドパスフィルタは、同じ幅のひび割れを1800mm程
度のコンクリートの撮影範囲(XP2フィルム使用)で
識別できる様にする機能を有している。従って、焦点距
離が800mmのレンズを使用して写真撮影をした場
合、撮影距離が100m程度でひび割れの幅が0.25
mm程度までを確認できることになる。
【0028】また前記バンドパスフィルタと光学系の工
学技術や撮影方法及び撮影の単位面積等の考慮により、
より微細なひび割れの視覚的な検出も可能となる。
【0029】ひび割れの幅の計測を目的とした拡大撮影
での前記バンドパスフィルタの作用は、前記のひび割れ
の検出能力と共に、現存の撮影レンズを組み合わせた場
合の色収差による画質低下を軽減する効果により、精細
なひび割れの記録ができる。
【0030】
【実施例】実施例について、撮影レンズの先端に前記バ
ンドパスフィルタを装着して撮影を行い記録する。それ
は、写真撮影であればフィルムに影像記録となり、CC
Dカメラであれば映像の録画となる。この場合、現行で
はCCDカメラは40万程度の画素であり、写真は銀塩
粒子であるため画素に換算すると135mmフィルムで
1800万画素程度と推定されており、粒状性で比較す
ると同一撮影面積では写真の方が約45倍の解像能力を
有する。そのため、撮影手段により検出を必要とするひ
び割れの幅を考慮した撮影の単位面積の設定と、撮影距
離によって使用するレンズを選択する必要がある。
【0031】上記による記録を、画像処理装置に入力し
デジタル信号として画質改善の濃淡画像の処理で、ガン
マ補正や拡大強調等を行えば画像により視覚化できる。
また、寸法の計測は、比較する必要数値の入力により実
寸法を変換して長さを測定できる。更に必要であれば、
画像の歪みを補正するコンピューターソフトも販売され
ている。
【0032】この場合、記録が写真フィルムによる画像
入力方法は、画像処理装置が画素単位での処理装置であ
るため、透過光ステージにフィルムを設置し、CCDカ
メラによる接写でフィルムを部分的に拡大して入力す
る。それにより、フィルム上に記録された微細な部分が
画像入力によって画素の単位面積以下となり消滅するの
を防止する。
【0033】ひび割れの幅を測定するための撮影では、
ひび割れの幅が0.2mm程度以上を対象とすれば画像
処理装置によって測定できる程度までの拡大が、現存の
一般撮影用レンズによって容易にできる。その方法はマ
クロ機構付きの標準レンズに接写リングを装着して撮影
倍率を上げ、さらにコンバージョンレンズの装着により
目的の倍率を実現して接写する。またそれに、クローズ
アップレンズも使用できる。
【0034】この方法で目的とする倍率の拡大は可能で
あり、また組み合わせたことによって拡大された色収差
による画質低下は、前記バンドパスフィルタを使用して
撮影すれば他の波長が存在しないので、波長の屈折率の
違いによる結像位置のずれもその狭い波長域内であり、
極力押えることができる。これにより現存の一般撮影用
レンズでも目的の撮影が可能となる。
【0035】それによる問題として、光学レンズの露出
倍数とバンドパスフィルタ使用による光量の低下があ
る。しかし、写真撮影の場合は、太陽光と同じ性質を持
ち大光量で瞬間光を出力できる、公知のエレクトロニッ
クフラッシュの使用により解決できる。またCCDカメ
ラの場合は現存の撮像素子が高感度であるため、ハロゲ
ンランプ等のビデオ用ライト等は携帯でき、その照射に
より撮影は可能である。
【0036】そこで、前記の光学系の組み合わせにより
目的とする倍率で写真を撮影する場合、光源としてはガ
イドナンバーが30(ISO100)程度以上のクリッ
プオンタイプのエレクトロニックフラッシュをカメラの
ホットシューより、必要であれば延長して使用する。こ
れにより被写界深度を深め、撮影時のカメラぶれも防止
できる。また、被写体とレンズ先端が拡大倍率により数
mmから数cmとなるので、ローアングル小型三脚等を
使用してカメラと撮影面が平行になるように角度の調節
を行い、全体を保持して支持具とすれば手持ち撮影が可
能である。
【0037】その時のバンドパスフィルタの位置は、自
然光が存在している場合においても撮影が大光量で瞬間
光の人工光源のみとなり自然光は感光されないため、被
写体とフィルム間または光源と被写体間のどちらでもよ
い。ただし、光源と被写体間の場合とフォーカスを決定
した後の被写体とフィルム間はフォーカス位置が若干後
方へずれるので被写界深度の考慮が必要である。
【0038】次ぎに幅の測定は、撮影時に基準となるス
ケールをひび割れの間近に設置して同一画面内に写し込
んでおき、画像処理装置にCCDカメラでマクロ機構の
あるレンズと接写リング等でフィルムのひび割れ部分と
スケールの影像を高倍率で拡大して入力する。これによ
り、画像上のスケールを基に実寸法に変換して測定位置
を確認しながら計測できる。
【0039】写真撮影で記録を行う場合、フィルムは全
て使用可能であるが色再現のための複雑な構造等がない
ため、同感度でも粒状性に優れラチチュードの幅も広い
モノクロネガフィルムが適しており、粒状性による解像
力の面で感度がISO100以下が望ましい。また、色
素で画像を形成し高感度で微粒子のモノクロネガフィル
ム(イルフォード社製、製品名XP2)も発売されてお
りC−41タイプ処理剤で迅速に安定した現像が行え
る。
【0040】
【発明の効果】本発明と光学系の使用により、構造物の
ひび割れは従来調査員が地上より双眼鏡等による目視観
察によって判別しスケッチしたり、高所作業等により近
接して観察する現地調査を、遠隔から検出することが可
能になる。また、それを写真や録画として記録して画像
処理装置によって視覚化されるので、調査員の能力や経
験等により形状や数量が定量的でなかった問題が改善さ
れ、現地によるひび割れの見落としも防止でき調査の精
度が高まる。これにより屋外構造物は、天候に左右され
る現地調査の期間が短縮され、また現状の高所作業によ
る危険度も軽減される。
【0041】これはまた、従来のレーザー光線によるコ
ンクリートのひび割れの識別の様な大規模な機械設定が
必要でなく、現地での機動性にも優れており多種多様な
条件の基に存在する構造物等に対応でき、作業性におい
ても熟練技術者を必要とせずに行える。
【0042】ひび割れ進行度追跡の調査においては、ひ
び割れ幅の測定を前記の撮影方法により記録された像に
よって測定するので、画像処理装置によりひび割れ上の
測定位置が表示され、その記録もできるため正確な同一
位置による計測が可能となる。これにより、同一位置を
一定期間毎に測定する調査環境の異なりと測定者による
測定精度のばらつきを防止でき、測定時に表面温度を記
録しておき熱膨張率を演算して数値を求めれば高精度な
測定と比較による判定が行える。また従来困難であった
記録影像による視覚での比較検討も可能となる。
【0043】さらに光学系使用のため、記録が写真によ
る影像とCCDカメラの映像によって可能であり、その
特徴によって選択ができる。その例として、写真記録の
場合は、極めて細かい粒子による記録であるため単位面
積が比較的広く撮影でき、遠隔よりの撮影にも有利であ
り、通常の撮影では外部電源も必要としない。また、C
CDカメラによる撮影では、画素単位であるため撮影の
単位面積は比較的狭いが、リアルタイムに処理する画像
改善装置(例として日本アビオニクス社製、商品名イメ
ージシグマ)と組み合わせれば、リアルタイムな解析が
可能となる。
【0044】本発明の利用対象は、人工や自然の全ての
物体が本質的に同じ現象を有する物質と電磁波の反射及
び吸収の現象の特性を利用した方法であり、物体による
違いはその物質の分光特性と利用波長域によって生じる
ひび割れに対する物体表面の濃淡差の程度であって、そ
れは視覚化するための画質改善で解決される問題である
ため、原則として現存する物体のひび割れであれば全て
利用は可能である。
【0045】画像処理後の画像は、フロッピーディスク
や光磁気ディスクに画像として、またフィルムレコーダ
ーにより写真として記録が可能であるため、ひび割れ調
査における従来にない視覚化された画像による記録及び
保管ができる。
【0046】この発明は、光学系による物体のひび割れ
の検出を目的とした機器及び装置の制作も可能となる。
その例として、マクロの分野では光学顕微鏡等に採用が
可能であり、また本発明と光学系及び記録方式や画質改
善方法のプロセスのシステム化によって装置となり得
る。
【0047】これはまた、使用場所に光が存在しないか
低照度の場合の、例えば屋内の構造物やのトンネル、ま
たは様々な製造品の検査等の場合において、当該バンド
パスフィルタと同波長域の光の照射によっても同様な効
果があり、その反射及び吸収の現象の度合を光学系によ
り感知すればひび割れの検出が可能となり、そのことを
特徴とする物体のひび割れの検出の機器や装置ともなり
得る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心波長が400〜500nmの間にあ
    り、半値幅が5〜50nm程度で、有効透過波長域が3
    80〜510nm程度の間にあるバンドパスフィルタを
    介在させて、物体のひび割れの検出や幅の計測を目的と
    することを特徴とする光学系の使用による撮影方法。
  2. 【請求項2】 透過波長の中心波長が400〜500n
    mの間にあり、半値幅が5〜50nm程度で、有効透過
    波長域が380〜510nm程度の、物体のひび割れの
    検出や幅の計測を可能にすることを目的としたことを特
    徴とする光学系製品。
  3. 【請求項3】 光学系の使用により、380〜510n
    m程度の波長域を選択して透過させるか、当該波長域程
    度の照射によって、その波長域の光の反射及び吸収現象
    の度合を感知して、物体のひび割れの検出や幅の計測が
    可能に構成した事を特徴とするひび割れ検出の装置。
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