JPH0776503A - 抗菌性液状物、抗菌性塗布剤、抗菌性散布剤、抗菌性塗料および抗菌性紙 - Google Patents

抗菌性液状物、抗菌性塗布剤、抗菌性散布剤、抗菌性塗料および抗菌性紙

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JPH0776503A
JPH0776503A JP24633593A JP24633593A JPH0776503A JP H0776503 A JPH0776503 A JP H0776503A JP 24633593 A JP24633593 A JP 24633593A JP 24633593 A JP24633593 A JP 24633593A JP H0776503 A JPH0776503 A JP H0776503A
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JP
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antibacterial
antimicrobial
liquid
acylamino acid
glucoside
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JP24633593A
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Kenji Ichikawa
賢治 市川
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Nikko KK
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Nikko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い抗菌性を有するとともに、液状物であ
り、抗菌性物質を安定した状態にて含有し、直接の塗布
および使用時の用途に併せて、水による希釈、水の添加
が可能な液体物(例えば、塗料、防カビ剤、紡糸原液、
液体洗剤)中への添加が容易であり、かつ均一に分散さ
せることができ取り扱いの容易な抗菌性液状物を提供す
るものである。 【構成】 本発明の抗菌性液状物では、アルキルグルコ
シド水溶液中に、抗菌作用を有する金属のN−長鎖アシ
ルアミノ酸塩が、沈殿することなく、分散状態にて含有
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の細菌およびカビ
菌に対して抗菌効果を有する新規な抗菌性液状物、それ
を含有する抗菌性壁面塗布剤、抗菌性散布剤、抗菌性塗
料および抗菌性紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、銀および銅が殺菌作用を有す
ることは公知であり、例えば銀は硝酸銀等の水溶液の形
態(Ag+)で消毒剤として広く利用されている。ま
た、銀やそれの化合物を活性炭、アルミナ、シリカゲ
ル、ゼオライト等の吸着物質に吸着させて殺菌目的に利
用することも知られている。上記のようなものとして、
特開昭62−241939号公報、特開昭62−238
900号公報に示されるものがあり、これらは、殺菌作
用を有する金属をイオン状態で保持しているゼオライト
を含有するポリオレフィン樹脂成形体および紙である。
しかし、上記の硝酸銀は、塗布した時は高い抗菌作用を
呈するが、持続性がなく、特に水に接触すると容易に流
出し、継続的な抗菌効果を有するものではなかった。
【0003】また、上述の銀やそれの化合物を活性炭、
アルミナ、シリカゲル、ゼオライト等の吸着物質に吸着
させものは、抗菌作用、殺菌作用としては効果を有する
が、あくまで、ゼオライトなどに吸着されているのみで
あり、化学的に結合したものではなく、このため使用さ
れている殺菌性を有する金属が、イオン化しやすく、液
体物などに接触したとき、流出する危険性があり、継続
的な抗菌効果という点においても問題があった。また、
この抗菌性物質は、微粒子状であるため、分散性が悪
く、特に液体に均一に分散させることが困難であった。
また、建物の工事完了後、壁紙、ふすま紙に著しくカビ
が発生し、その代謝生産物である色素によりシミが生じ
ることが多くなった。これは、アルミサッシの普及によ
り建物の密閉性が向上し、さらに冷暖房の普及、加湿器
の使用などにより住宅における生活条件は改善などに起
因しており、このような改善された条件は、カビ類、細
菌有類などの微生物にとっても好適な増殖環境を与える
ためである。
【0004】このため、年間を通して微生物の発育が可
能となって来ている。そして、壁紙またはふすま紙に生
じるカビは、ペニシリウム、アスペルギルス、クラドポ
リウム等で、壁紙等に発生する着色斑点は、主にアスペ
ルギルス属の菌による場合が多い。抄紙、特に壁紙、ふ
すま紙の抄造中において、サイジング剤として、澱粉、
カルボキシメチルセルロース等をパルプに添加するた
め、これがカビ類、細菌類の微生物の栄養源となり、上
記の環境と相俟ってより微生物の好適な発育環境を与え
ている。そして、カビ類の発生は、例えばふすま紙の場
合、ふすま張り後、4〜5ケ月、遅いときには半年〜1
年後に発生し、着色斑点を生じる。さらに、カビの発生
の著しい場合は、ふすまの張り替えが必要となり、経済
的、労力的にも大きな問題である。しかし、種々の方法
により、紙に抗菌作用を付与させることが考えられてき
ているが、抗菌作用および安全性の観点より、十分満足
するものがなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上記の先行技術の問題点を解決し、高い抗菌性を有
するとともに、液状物であり、抗菌性物質を安定した状
態にて含有し、直接の塗布および使用時の用途に併せ
て、水による希釈、水の添加が可能な液体物(例えば、
塗料、防カビ剤、紡糸原液、液体洗剤)中への添加が容
易であり、かつ均一に分散させることができ取り扱いの
容易な抗菌性液状物、およびそれを含有する塗布剤、散
布剤、抗菌性塗料および抗菌性紙を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、アルキルグルコシド水溶液中に、抗菌作用を有する
金属のN−長鎖アシルアミノ酸塩を含有している抗菌性
液状物である。そして、前記抗菌性液状物は、抗菌作用
を有する異なる金属が結合した2種以上のN−長鎖アシ
ルアミノ酸塩を含有していることが好ましい。さらに、
前記N−長鎖アシルアミノ酸のアシル基が、ステアロイ
ル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基
のいずれかであることが好ましい。また、前記金属は、
銀、銅、鉛、亜鉛または錫からなる群から選ばれたいず
れか1つであることが好ましい。さらに、前記抗菌性液
状物中の前記抗菌作用を有する金属のN−長鎖アシルア
ミノ酸塩と前記アルキルグルコシドとの重量比は、N−
長鎖アシルアミノ酸塩:アルキルグルコシド=1:1〜
1:20であることが好ましい。さらに、前記アルキル
グルコシドは、HLBが、12以上であることが好まし
い。さらに、抗菌性液状物は、両性界面活性剤を含有し
ていることが好ましい。
【0007】また、上記目的を達成するものは、上記の
抗菌性液状物を含有する塗布剤である。さらに、上記目
的を達成するは、上記の抗菌性液状物を含有する散布剤
である。さらに、上記目的を達成するものは、上記の抗
菌性液状物を含有する抗菌性塗料である。さらに、上記
目的を達成するものは、アルキルグルコシドと、抗菌作
用を有する金属のN−長鎖アシルアミノ酸塩とを含有す
る抗菌性紙である。
【0008】
【作用】本発明の抗菌性液状物は、アルキルグルコシド
水溶液中に、抗菌作用を有する金属のN−長鎖アシルア
ミノ酸塩が、沈殿することなく、分散状態にて含有され
ている抗菌性液状物である。また、言い換えれば、本発
明の抗菌性液状物では、アルキルグルコシド水溶液中
に、抗菌作用を有する金属のN−長鎖アシルアミノ酸塩
が、凝集を抑制された状態にて分散している。そして、
この抗菌性液状物は、水性液体であるので、水による希
釈、また水の添加が可能な液体物への添加が可能であ
る。さらに、アルキルグルコシドにより抗菌作用を有す
る金属のN−長鎖アシルアミノ酸塩が、沈殿することな
く、分散状態にて含有されているので、他の液体に添加
すると、この抗菌性液状物は容易に分散するので、取り
扱いが極めて容易である。よって、防カビ、抗菌、防臭
などの用途の塗布剤、散布剤などに使用でき、極めて高
い防カビ作用、さらには抗菌作用を有する。
【0009】さらに、抗菌性液状物中では、すでにN−
長鎖アシルアミノ酸と抗菌作用を有する金属とが結合し
ておりきわめて安定性の高い金属塩(抗菌性金属塩)を
形成しており、それ自体は、水に不溶の塩である。この
ため、この液状物を塗布あるいは散布したとき、水溶性
の塩に比べ水などの液体が接触しても、溶解しないた
め、長期的な防カビ、抗菌作用を発揮する。また、N−
長鎖アシルアミノ酸抗菌性金属塩は、基本骨格を形成す
るものがアミノ酸であるため、毒性が低く、種々の用途
に安全に使用できる。さらに、長鎖アシル基を有するた
め、ある程度の撥水性を有する。そして、本発明の抗菌
性液状物は、種々の液体物、例えば、防かびのための壁
面塗布剤、液体塗料、紙などの製造用原液、接着剤(例
えば、壁紙用のり)、合成繊維の製造用原液(例えば、
銅アンモニアセルロース、酢酸セルロースなどの再生セ
ルロース紡糸用原液)、さらに、防藻用散布剤などに容
易に添加することができる。
【0010】本発明の抗菌性液状物は、具体的には、抗
菌性液状物中に、N−長鎖アシルアミノ酸とと抗菌作用
を有する金属が結合し水に不溶の抗菌性金属塩を含有
し、かつ、その分子相互の凝集が、アルキルグルコシド
により抑制されているため、凝集があまり起こらず、こ
のため、抗菌性液状物中で単分子に近い状態にて、ミセ
ルとなり存在することにより、沈殿することなく分散状
態が維持されているものと思われる。
【0011】そこで、本発明の抗菌性液状物を実施例を
用いて説明する。本発明に使用されるN−長鎖アシルア
ミノ酸塩の形成に用いられるN−長鎖アシルアミノ酸
は、N位に長鎖アシル基(脂肪酸残基)を有するアミノ
酸である。長鎖アシル基としては、高級脂肪酸残基が好
ましく、例えばデカノイル基、ラウロイル基、ミリスト
イル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル
基などが好ましい。また、アシル基としては、単一のも
のに限られず、上記のアシル基の複数の種類のものを用
いてもよい。アミノ酸部分としては、モノアミノモノカ
ルボン酸、モノアミノジカルボン酸、ジアミノモノカル
ボン酸のいずれでもよい。本発明の抗菌作用性物質とし
て、高い抗菌性を有するものとする場合には、モノアミ
ノジカルボン酸を用いることが好ましく、このモノアミ
ノジカルボン酸は、2つのカルボキシル基を有するの
で、抗菌作用を有する金属が結合しやすく、全体として
抗菌作用の強いものとすることができる。
【0012】抗菌性液体の一般的な用途としては、アミ
ノ酸に1つの抗菌作用を有する金属が結合した塩で十分
な抗菌力を有する。アミノ酸の具体例としては、モノア
ミノモノカルボン酸であるグリシン、アラニン、バリ
ン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トレオニ
ン、トリプトファン、メチオニンなど、モノアミノジカ
ルボン酸であるアスパラギン酸、グルタミン酸であり、
ジアミノモノカルボン酸としては、リジン、アルギニ
ン、ヒスチジンなどが好適である。そして、N−長鎖ア
シルアミノ酸としては、1種のものに限定されず、多数
の種類のものを用いてもてよい。
【0013】本発明に使用されるN−長鎖アシルアミノ
酸塩の形成に用いられる抗菌作用を有する金属として
は、銀、銅、鉛、亜鉛、錫、ビスマスなどが好適に使用
できる。そして、上記金属のうち、抗菌力、安全性の点
より、銀または銅がより好適である。特に、抗菌力の点
より銀が好適である。本発明の抗菌作用性物質は、抗菌
作用を有する異なる金属が結合した2種以上のN−長鎖
アシルアミノ酸塩を含有することが好ましい。つまり、
2種以上のN−長鎖アシルアミノ酸塩を含有しており、
それらには抗菌性を有する異なる金属が結合しているこ
とが好ましい。このように2種以上の抗菌性金属塩を含
有することにより、1種のみの抗菌性金属を用いたよ
り、より広い抗菌スペクトルを有するものとなり、抗菌
作用がより高くなるとともに、より多くの種類の菌類に
対し、抗菌作用を発揮する。
【0014】2種以上のN−長鎖アシルアミノ酸塩は、
それぞれが抗菌作用を有する金属とN−長鎖アシルアミ
ノ酸との塩であり、少なくとも金属が相異しており、N
−長鎖アシルアミノ酸は、同じ物でも、また異なるもの
でもよい。そして、上記金属のうち、抗菌力、安全性の
点より、銀または銅を必須の金属とし、他の金属(銀、
銅、鉛、亜鉛、錫、ビスマスなど)より少なくとも1種
を選択して用いることが好ましい。好ましい組み合わせ
の具体例としては、銀と銅、銀と亜鉛、銀と鉛、銅と亜
鉛、銀と銅と亜鉛、銀と銅と鉛、銀と銅とビスマス、銅
と亜鉛と鉛などである。特に好ましくは銀と銅である。
【0015】よって、本発明の抗菌性液状物中に含有さ
れるN−長鎖アシルアミノ酸塩の好ましい具体例として
は、N−ステアロイルグルタミン酸銅、N−ラウロイル
グルタミン酸銅、N−ミリストイルグルタミン酸銅、N
−ステアロイルアスパラギン酸銅、N−ラウロイルアス
パラギン酸銅、N−ミリストイルアスパラギン酸銅、N
−ステアロイルグルタミン酸銀、N−ラウロイルグルタ
ミン酸銀、N−ミリストイルグルタミン酸銀、N−ステ
アロイルアスパラギン酸銀、N−ラウロイルアスパラギ
ン酸銀、N−ミリストイルアスパラギン酸銀、N−ステ
アロイルバリン銀、N−ラウロイルバリン銀、N−ミリ
ストイルバリン銀、N−ステアロイルバリン銅、N−ラ
ウロイルバリン銅、N−ミリストイルバリン銅、N−ス
テアロイルフェニルアラニン銀、N−ラウロイルフェニ
ルアラニン銀、N−ミリストイルフェニルアラニン銀、
N−ステアロイルフェニルアラニン銅、N−ラウロイル
フェニルアラニン銅、N−ミリストイルフェニルアラニ
ン銅、N−ステアロイルアルギニン銀、N−ラウロイル
アルギニン銀、N−ミリストイルアルギニン銀、N−ス
テアロイルアルギニン銅、N−ラウロイルアルギニン
銅、N−ミリストイルアルギニン銅、N−ステアロイル
グルタミン酸亜鉛、N−ラウロイルグルタミン酸亜鉛、
N−ミリストイルグルタミン酸亜鉛、N−ステアロイル
アスパラギン酸亜鉛、N−ラウロイルアスパラギン酸亜
鉛、N−ミリストイルアスパラギン酸亜鉛、N−ステア
ロイルグルタミン酸ビスマス、N−ラウロイルグルタミ
ン酸ビスマス、N−ミリストイルグルタミン酸ビスマ
ス、N−ステアロイルアスパラギン酸ビスマス、N−ラ
ウロイルアスパラギン酸ビスマス、N−ミリストイルア
スパラギン酸ビスマス、N−ステアロイルバリン亜鉛、
N−ラウロイルバリン亜鉛、N−ミリストイルバリン亜
鉛、N−ステアロイルバリン亜鉛、N−ラウロイルバリ
ン亜鉛、N−ミリストイルバリンビスマス、N−ステア
ロイルフェニルアラニン亜鉛、N−ラウロイルフェニル
アラニン亜鉛、N−ミリストイルフェニルアラニン亜
鉛、N−ステアロイルフェニルアラニンビスマス、N−
ラウロイルフェニルアラニンビスマス、N−ミリストイ
ルフェニルアラニンビスマス、N−ステアロイルアルギ
ニン亜鉛、N−ラウロイルアルギニン亜鉛、N−ミリス
トイルアルギニン亜鉛、N−ステアロイルアルギニンビ
スマス、N−ラウロイルアルギニンビスマス、N−ミリ
ストイルアルギニンビスマス、N−ステアロイルグルタ
ミン酸鉛、N−ラウロイルグルタミン酸鉛、N−ミリス
トイルグルタミン酸鉛、N−ステアロイルアスパラギン
酸鉛、N−ラウロイルアスパラギン酸鉛、N−ミリスト
イルアスパラギン酸鉛、N−ステアロイルグルタミン酸
錫、N−ラウロイルグルタミン酸錫、N−ミリストイル
グルタミン酸錫、N−ステアロイルアスパラギン酸錫、
N−ラウロイルアスパラギン酸錫、N−ミリストイルア
スパラギン酸錫、N−ステアロイルバリン錫、N−ラウ
ロイルバリン錫、N−ミリストイルバリン錫、N−ステ
アロイルフェニルアラニン錫、N−ラウロイルフェニル
アラニン錫、N−ミリストイルフェニルアラニン錫、N
−ステアロイルアルギニン錫、N−ラウロイルアルギニ
ン錫、N−ミリストイルアルギニン錫などである。
【0016】本発明の抗菌性液状物に使用されるアルキ
ルグルコシドは、糖とアルコールが脱水宿合したもので
あり、生物界に広く存在する配糖体の一種である。そし
て、アルキルグルコシドは、毒性が極めて低く、生分解
性が良好であり、安全性が高い。このため、本発明の抗
菌性液状物は種々の用途に利用でき、さらに、非イオン
界面活性剤であるので、他の物質と反応しにくい。アル
キルグルコシドとしては、下記一般式(1) G−OR (1) [式中、Gは、グルコース、マンノース、ガラクトース
およびグルコサミンから選ばれた単糖の残基または前記
単糖の1種または2種以上が2ないし4好ましい結合し
たオリゴ等の残基を示す。Rは、アルキル基である。]
上記式中のRで示されるアルキル基は、炭素数6〜12
程度の直鎖または分岐状のアルキル基が好ましく、例え
ば、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、
ウンデシル、ドデシル、2−エチルヘキシル、1−メチ
ルヘプチル、2−メチルヘプチル、2−ブチルヘキシ
ル、イソデシル、2−エチルオクチル、4−エチルオク
チルなどが好適である。さらに、アルキル基は、1種ま
たは2種以上の置換基を有していてもよく、例えば、水
酸基、アミノ基、ニトロ基、塩素、フッ素、ヨウ素、臭
素などのハロゲン基などが考えられる。
【0017】そして、アルキルグルコシドとしては、ヘ
キシルグルコシド、ヘキシルガラクトコシド、ヘキシル
マンノシド、イソヘキシルグルコシド、イソヘキシルガ
ラクトコシド、オクチルグルコシド、オクチルガラクト
コシド、オクチルマンノシド、オクチルグルコサミド、
2−エチルヘキシルグルコシド、2−エチルヘキシルガ
ラクトコシド、2−エチルヘキシルマンノシド、イソオ
クチルグルコシド、デシルグルコシド、デシルガラクト
コシド、デシルマンノシドなどが好ましい。アルキルグ
ルコシドのアイノマー組成は、特に制限されず、α体お
よびβ体のいずれでもよい。アルキル基は、炭素数6〜
12直鎖状のものが好適である。特に、アルキルグルコ
シドとしては、HLBが、12以上のものが好ましく、
そのようなアルキルグルコシドとしては、オクチルグル
コシド(n=8)、エチルヘキシルグルコシド(n=
8)、デシルグルコシド(n=10)、ノニルグルコシ
ド(n=9)、ヘプチルグルコシド(n=7)、ヘキシ
ルグルコシド(n=6)、ウンデシルグルコシド(n=
11)、ドデシルグルコシド(n=12)などがある。
これらのうち特に、オクチルグルコシド(n=8)、エ
チルヘキシルグルコシド(n=8)、デシルグルコシド
(n=10)、ノニルグルコシド(n=9)が好適であ
る。
【0018】本発明の抗菌性液状物中のアルキルグルコ
シド濃度としては、抗菌性液状物を使用する目的、また
原料か最終製品(使用時の製品)であるかにより大きく
相違するが、原料としては、10〜60重量%程度が好
ましく、特に、20〜50%程度が好適である。最終製
品の場合は、100ppm〜10重量%程度であること
が好ましい。さらに、抗菌性液状物中の抗菌性N−長鎖
アシルアミノ酸塩の濃度としては、抗菌性液状物を使用
する目的、また原料か最終製品であるかにより大きく相
違するが、原料としては、1〜10重量%程度が好まし
く、特に、2〜8%程度が好適である。最終製品の場合
は、10ppm〜1重量%程度であることが好ましい。
さらに、抗菌性液状物中における抗菌性N−長鎖アシル
アミノ酸塩とアルキルグルコシドとの重量比は、N−長
鎖アシルアミノ酸塩:アルキルグルコシド=1:0.3
〜1:20であることが好ましく、特に、1:0.5〜
1:12が好適である。上記の範囲であれば、N−長鎖
アシルアミノ酸塩の沈殿を抑制することができ、また、
十分な抗菌作用を有する。そして、このアルキルグルコ
シドは、抗菌性金属塩の分散作用のみならず、界面活性
作用に起因する抗菌作用も有している。そして、アルキ
ルグルコシドが水溶性であるため塗布または散布時の初
期に抗菌作用を発揮する。
【0019】さらに、本発明の抗菌性液状物は、両性界
面活性剤を含有することが好ましい。この両性界面活性
剤を含有することにより、より確実にN−長鎖アシルア
ミノ酸塩の沈殿を抑制することができる。両性界面活性
剤の含有量としては、0.2〜20重量%程度が、好適
であり、特に、0.5〜5重量%程度が好適である。両
性界面活性剤としては、どのようなものでも使用できる
が、例えば、アルキルベタイン、アルキルプロピルベタ
イン、スルホベタイン、グリシン型両性界面活性剤など
が使用でき、好ましくはグリシン型両性界面活性剤であ
り、特に、アルキルジ(アミノエチル)グリシンが好適
である。さらに、アルキル基は、炭素数が6〜18の直
鎖もしくは分岐鎖を有するものが好ましく、特に直鎖が
好ましい。そして、両性界面活性剤は、抗菌性金属塩の
分散作用のみならず、界面活性作用に起因する抗菌作用
も有している。そして、両性界面活性剤が水溶性である
ため塗布または散布時の初期に抗菌作用を発揮する。
【0020】そして、本発明の抗菌性液状物は、以下の
ようにして製造することができる。まず、アルキルグル
コシドの水溶液を準備する。高濃度の液状アルキルグル
コシドまたは粉末状のアルキルグルコシドを水に添加
し、撹拌することにより作成する。アルキルグルコシド
水溶液中のアルキルグルコシド濃度は、5〜70重量%
程度が好適であり、特に、10〜60%程度が好適であ
り、より好適には、10〜40%程度である。N−長鎖
アシルアミノ酸またはその水溶性塩の粉末物または液状
物を準備し、このN−長鎖アシルアミノ酸を、アルキル
グルコシド水溶液に添加し、十分に撹拌して、N−長鎖
アシルアミノ酸添加アルキルグルコシド水溶液を作成す
る。そして、抗菌性を有する金属の塩、例えば硝酸銀、
硝酸銅、硫酸銀、塩化銅、硫酸銅、硝酸亜鉛、塩化亜
鉛、硝酸ビスマスなどの微粉末、または水溶液を準備す
る。抗菌性液状物中に、2種以上の抗菌性金属塩を存在
させる場合には、2種以上の抗菌作用を有する金属の微
粉末または水溶液を準備する。
【0021】続いて、この抗菌性金属塩水溶液を、上記
のN−長鎖アシルアミノ酸添加アルキルグルコシド水溶
液に添加し、十分に撹拌する。2種以上の抗菌作用を有
する金属の水溶性塩を添加する場合には、2種以上の抗
菌作用金属塩の水溶液を別々に準備し、それを添加する
方法、また1つの液体中に2種以上の抗菌作用金属塩を
含有する混合水溶液を準備し、これを添加する方法など
が用いられる。なお、上記のように、アルキルグルコシ
ド水溶液にN−長鎖アシルアミノ酸を先に添加しておく
ことが好ましいが、同時に添加してもよく、また、抗菌
性金属塩水溶液を最初に添加し、撹拌したのち、N−長
鎖アシルアミノ酸塩を添加してもよい。上記の液体の添
加は、アルキルグルコシドの水溶液をロータなどによ
り、撹拌しながら行うことが好ましい。さらにN−長鎖
アシルアミノ酸塩、抗菌性金属塩のいずれか、また両方
が粉末状のものであっても、同じように、アルキルグル
コシド水溶液に添加し、撹拌することにより行うことが
でき、上述のように、添加順序は同時、順次のいずれで
もよい。このようにして、アルキルグルコシド水溶液中
に、N−長鎖アシルアミノ酸塩および抗菌性金属塩が、
添加されることにより、N−長鎖アシルアミノ酸と抗菌
性金属とが結合したN−長鎖アシルアミノ酸抗菌性金属
塩が形成され、形成されたN−長鎖アシルアミノ酸抗菌
性金属塩は分散状態を維持し、エマルジョン状態または
粘性の低い液状の抗菌性液状物が形成される。
【0022】また、本発明の抗菌性液状物は、以下のよ
うにしても製造することができる。N−長鎖アシルアミ
ノ酸またはその水溶性塩の水溶液を準備する。準備する
水溶液中におけるN−長鎖アシルアミノ酸塩の濃度は、
10〜80重量%程度が好適、特に、20〜60重量%
程度好適である。また、スラリー状のものを用いてもよ
い。そして、抗菌性金属塩の微粉末または水溶液を準備
する。水溶液は、水に粉末状の抗菌性金属塩を添加し、
撹拌し十分に溶解させること、また、あらかじめ液体状
で提供される抗菌性を有する金属の塩水溶液を用いるこ
とにより行われる。準備する水溶液中における抗菌性を
有する金属の塩濃度は、5〜40重量%程度が好適であ
り、特に、10〜30重量%程度が好適である。また、
抗菌性を有する金属の塩水溶液を準備するかわりに、粉
末状またはスラリー状の抗菌性を有する金属の塩を用い
てもよい。そして、N−長鎖アシルアミノ酸水溶液に、
上記のように準備した抗菌性金属塩水溶液または抗菌性
金属塩粉末を添加し、十分に撹拌する。これにより、水
溶液中にN−長鎖アシルアミノ酸抗菌性金属塩が沈殿物
として形成される。この水溶液を脱水、洗浄を行い、イ
オン成分などを除去しペースト状(含水率 〜%)の
N−長鎖アシルアミノ酸抗菌性金属塩を作成する。
【0023】続いて、アルキルグルコシドの水溶液を準
備する。これは、水に、粉末状のアルキルグルコシドを
添加し、撹拌し十分に溶解させること、また、あらかじ
め液体状で提供されるアルキルグルコシド水溶液を用い
ることにより行われる。準備する水溶液中におけるアル
キルグルコシドの濃度は、5〜70重量%程度が好適で
あり、特に、10〜60%程度が好適であり、より好適
には、10〜40%程度である。そして、ペースト状の
N−長鎖アシルアミノ酸抗菌性金属塩を、アルキルグル
コシド水溶液に添加し、十分に撹拌することによって
も、本発明の抗菌性液状物を製造することができる。
【0024】N−長鎖アシルアミノ酸抗菌性金属塩は、
水に不溶な物質であり通常の水溶液中では、沈殿する。
この沈殿は、N−長鎖アシルアミノ酸抗菌性金属塩の分
子が、分子間力で会合(凝集)し、コロイド粒子を形成
し、粒子状となり、水との親和性が低下することにより
生じるものと思われる。しかし、本発明では、あらかじ
めアルキルグルコシドが水溶液中に存在しているため、
N−長鎖アシルアミノ酸抗菌性金属塩の分子が、凝集
し、コロイド粒子化することを抑制している。
【0025】また、N−長鎖アシルアミノ酸抗菌性金属
塩は、各分子中に少なくとも1つの抗菌性を有する金属
が結合した塩であるので、極めて高い抗菌力を有し、さ
らに、基本骨格を形成するものがアミノ酸であるため、
毒性が極めて少なく、種々の用途に安全に使用できる。
また、抗菌性液状物中の抗菌性金属塩およびアルキルグ
ルコシドの濃度を高いものとすることによりペースト状
の抗菌性液状物とすることもできる。この方法として
は、あらかじめ、アルキルグルコシドおよび抗菌性金属
塩が高濃度となるように製造する方法、また、通常の濃
度のものを作成した後、例えば、加熱、放置などにより
水を減少させることにより行うことができる。
【0026】そして、この抗菌性液状物は、種々の液体
物、例えば、液体塗料、紙などの製造用原液、合成繊維
の製造用原液(例えば、銅アンモニアセルロース、酢酸
セルロースなどの再生セルロース紡糸用原液)などに容
易に添加することができる。また、含有される抗菌性液
状物中の抗菌性金属塩は、アシル基を有することにより
紙および合成繊維材料との親和性が高いので、紙および
合成繊維材料の物性の低下が少ないとともに、抗菌性金
属塩も容易に流出することがない。さらに、アルキルグ
ルコシドは、配糖体であるため、セルロースなどの天然
繊維、セルロース誘導体を用いる合成繊維との親和性が
高い。そして、この抗菌性液状物が添加されて製造され
た抗菌性金属塩を含有する抗菌性繊維は、種々のものに
利用でき、例えば、織布として、衣料品(例えば、靴
下)、シーツ、フィルター材料、不織布として、フィル
ター材料、包装材料などが考えられる。合成繊維として
は、ポリアクリロニトリル、再生セルロース(例えば、
酢酸セルロース、銅アンモニアセルロース)などに好適
に使用することができる。
【0027】次に、本発明の抗菌性壁面塗布剤について
説明する。この塗布剤は、上述の抗菌性液状物を含有し
ている。特に、塗布剤は、N−アシルアミノ酸抗菌性金
属塩の濃度としては、0.001〜1重量%程度、より
好ましくは、0.01〜0.5重量%程度となるように
抗菌性液状物を含有している。そして、この塗布剤は、
建築物、船体、車体、車両などの壁、床、具体的には、
建築物の内壁、外壁、浴室の内壁、浴槽、船体の内外
壁、電車の内外壁、に塗布され、塗布面に、防カビ性、
抗菌性、防藻性、防臭性を付与する。よって、この塗布
剤は、抗菌性金塗布剤、防カビ性塗布剤、防藻性塗布剤
などとして使用される。
【0028】塗布剤としては、上記の抗菌性液状物を含
有していればどのような形態でもよいが、例えば、上記
の抗菌性液状物を使用目的に応じて、希釈することによ
り形成したもの、また、壁面への粘着性を付与するため
に粘着性物質を含有する液体に抗菌性液状物を添加する
ことにより形成したもの、さらに、種々の塗料に抗菌性
液状物を添加することにより形成したもなどが考えられ
る。本発明の抗菌性塗布剤では、上述の抗菌性液状物を
使用しており、抗菌性液状物の抗菌性物質は、N−長鎖
アシルアミノ酸金属塩であり、酸、塩素といったものを
使用せず、かつ、ほぼ中性のものであり、人体に対する
安全性も高いので、塗布剤としても高い安全性を有す
る。
【0029】また、塗布剤の壁面への粘着性を増加させ
るために、壁面塗布剤中に、粘着性物質を添加してもよ
く、粘着性物質としては、例えば、カルボキシメチルセ
ルロース、メチルセルロース、オキシプロピルセルロー
ス、オキシエチルセルロースなどのセルロース系物質、
PVA(ポリビニルアルコール)、変性PVA(例え
ば、カルボキシル変性PVA、スルホン酸基変性PV
A、アクリルアミド変性PVA、カリオン基変性PV
A、長鎖アルキル基変性PVA)、澱粉、変性澱粉、カ
ゼイン、合成樹脂エマルジョン(例えば、スチレン−ブ
タジエンラテックス,ポリアクリル酸エステルエマルジ
ョン、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合エマルジ
ョン、酢酸ビニル−エチレン共重合エマルジョン)など
が使用される。この塗布剤中の抗菌性液状物濃度、特
に、N−アシルアミノ酸抗菌性金属塩の濃度としては、
0.001〜1重量%程度を有していれば、十分な抗菌
性効果を付与することができ、特に好ましくは、0.0
1〜0.5重量%程度である。本発明の塗布剤の形態
は、はけなどで塗布する形態のも、またスプレーとして
塗布するものなどいずれでもよく、この塗布剤は、塗料
は、学校、病院、事務所、食品工場、一般住宅(例え
ば、台所、浴室)などの内外壁面、床、浴槽など広範囲
に使用できる。さらに、アルキルグルコシドを有してい
るので、壁面などのの洗浄剤としても利用できる。
【0030】次に、本発明の散布剤について説明する。
この散布剤は、上述の抗菌性液状物を含有している。特
に、塗布剤は、N−アシルアミノ酸抗菌性金属塩の濃度
としては、0.001〜1重量%程度、より好ましく
は、0.01〜0.5重量%程度となるように抗菌性液
状物を含有している。そして、この散布剤は、ゴルフ
場、公園、庭などにおける防藻、特に、池の付近におけ
る防藻に有効である。具体的には、この散布剤によれ
ば、芝にあまり影響を与えることなく、有効に防藻を行
うことができる。さらに、この抗菌性散布剤は、白蟻、
ダニ、ミミズ忌避作用、蛾、ハエ、ウジなどの発生抑制
効果も有する。抗菌性散布剤としては、上記の抗菌性液
状物を含有していればどのような形態でもよいが、例え
ば、上記の抗菌性液状物を使用目的に応じて、水により
希釈することにより形成されるものが好適である。本発
明の抗菌性散布剤では、上述の抗菌性液状物を使用して
おり、含有する抗菌性金属塩は、N−長鎖アシルアミノ
酸金属塩であり、人体に対する安全性も高いので、散布
剤としても高い安全性を有する。本発明の抗菌性散布剤
の形態は、スプレーとして散布するもの形態が好まし
い。
【0031】次に、本発明の抗菌性塗料について説明す
る。本発明の抗菌性塗料は、上記の抗菌性液状物を含有
している。具体的には、塗料材料中に、アルキルグルコ
シド水溶液中に、抗菌作用を有する金属のN−長鎖アシ
ルアミノ酸塩(抗菌性作用物質)が、沈殿することな
く、分散状態にて含有された抗菌性液状物を含有してい
る。このため、本発明の塗料は、塗布後に形成される塗
装面に均一かつ十分な抗菌性を発揮する。また、添加さ
れている抗菌性作用物質およびアルキルグルコシドとも
に安全性が高いので、本発明の塗料は種々の用途に利用
できる。さらに、抗菌性塗料は、両性界面活性剤を含有
することが好ましい。アルキルグルコシド、抗菌性金属
塩および両性界面活性剤としては、上述のものが好適に
使用できる。
【0032】また、本発明の抗菌性塗料中の上記の抗菌
性液状物の含有量としては、液状物中の抗菌性金属塩含
有量が、塗料重量に対して0.001%〜10%程度と
なるように含有されていることが好ましく、特に、0.
05〜5重量%が好ましい。そして、本発明の抗菌性塗
料に使用される塗料材料としては、有機溶媒、有機分散
媒を用いる有機系塗料(例えば、エポキシ樹脂系塗料、
ポリウレタン樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料)、また、
溶媒を用いた無溶剤系塗料(例えば、無溶剤エポキシ樹
脂系塗料、無溶剤ポリウレタン樹脂系塗料、無溶剤アク
リル樹脂系塗料)、さらに、水系塗料、例えば、エマル
ジョン塗料(ビニールエステル系塗料、ーン樹脂系塗
料、酢酸ビニル樹脂エマルジョン系塗料、アクリル樹脂
エマルジョン系塗料、水溶液エポキシ樹脂系塗料、ポリ
ウレタンエマルジョン系塗料、スチレンーアクリル共重
合体塗料)、水溶性樹脂塗料、例えば(アニオン電着型
塗料,カチオン電着型塗料、常温乾燥型水系塗料)など
があり、特に、本発明の抗菌性液状物の添加を考える
と、水系塗料が好適である。
【0033】本発明の抗菌性塗料は、含有されている抗
菌作用性物質が、上記のように、N−長鎖アシルアミノ
酸塩であり基本骨格がアミノ酸であり、安全性が高く、
さらに、不溶性の塩を形成しているので、流出しにくく
持続的な抗菌性を発揮する。また、含有されているアル
キルグルコシドは、塗布初期に水などに接触すると、塗
布被膜表面付近のアルキルグルコシドは流出するため、
塗布初期における抗菌作用を発揮する。さらに、抗菌性
塗料が、両性界面活性剤を含有する場合は、この界面活
性剤も塗布初期に水などに接触すると流出するため、塗
布初期における抗菌作用がより高いものとなる。さら
に、塗布被膜中のアルキルグルコシドさらには両性界面
活性剤は、徐々に流出するため塗布後ある程度の期間
は、これらの抗菌作用も持続する。本発明の抗菌性塗料
は、上記のように抗菌性が高いものとすることができる
ので、防汚塗料として用いることも可能である。この場
合、船舶および水中構造物における水(海水を含む)接
触部分への、水中生物の付着を防止する。また、本発明
の抗菌性塗料は、学校、病院、事務所、食品工場、一般
住宅(例えば、台所、浴室)などの内外壁面、床など広
範囲に使用でき、塗料材料としては、水性、油性いずれ
の材料を用いることもできる。
【0034】次に、本発明の抗菌性を有する紙について
説明する。本発明の抗菌性を有する紙は、上述の抗菌作
用性液状物が製造段階で添加されており、その結果内部
に抗菌性作用物質およびアルキルグルコシドを含有して
いる。このため、本発明の抗菌性紙は、ほぼ均一かつ十
分なな抗菌性を発揮する。また、添加されている抗菌性
作用物質およびアルキルグルコシドともに、安全性が高
いので、種々の用途に利用できる。アルキルグルコシド
およびする抗菌作用を有する金属のN−長鎖アシルアミ
ノ酸塩としては、上述のものが好適に使用できる。
【0035】使用される紙素材としては、洋紙、和紙の
いずれでもよく、抗菌性紙としては、例えば、雑種紙、
薄葉紙(例えば、ティシュペーパー、チリ紙、トイレッ
トペーパー、ナプキンまたはタオル紙、生理用紙)、包
装用紙、塗工紙(例えば、アート紙、コート紙)、非塗
工紙、印刷用紙、図面用紙などであり、板紙としては、
段ボール紙、白板紙、黄板紙、色板紙、チップボール、
コルゲート紙、紙幣原紙、台紙などがある。そして、抗
菌性紙は、例えば、紙の表面に付着あるいは内部に抗菌
作用性物質およびアルキルグルコシドが含有されてお
り、抗菌作用性物質は、上記のように、抗菌作用を有す
る金属のN−長鎖アシルアミノ酸塩とにより形成されて
いる。抗菌性紙の作成方法としては、製造用原液中に抗
菌性液状物を添加し、紙を作成することにより行うこと
ができる。また、本発明の抗菌性紙中の抗菌性液状物の
含有量としては、液状物中の抗菌性作用物質含有量が、
塗料重量に対して0.001%〜10%程度となるよう
に含有されていることが好ましく、特に、0.01〜1
重量%が好ましい。
【0036】
【実施例】次に、本発明の抗菌性液状物および本発明の
抗菌性液状物を使用した実施例について説明する。
【0037】(実施例1)アルキルグルコシドとして、
オクチルグルコシド液状物[商品名Sucraph A
G8、n−オクチルD−グルコシド、HLB19、分子
量292.37、液体状(50重量%オクチルグルコシ
ド含有)、株式会社日本精化]を用いた。上記のアルキ
ルグルコシド液状物50gをイオン交換水725gに溶
解してアルキルグルコシド水溶液775gを作成した。
これに、N−長鎖アシルアミノ酸のアルカリ金属塩であ
るN−ステアロイル−L−グルタミン酸ジナトリウム
(味の素株式会社製、商品名 アミソフトHS−21)
23gを添加し、十分に撹拌した。水188.4gに硝
酸銀13.6gを添加した硝酸銀水溶液を、上記のN−
長鎖アシルアミノ酸添加アルキルグルコシド水溶液に添
加し、十分に撹拌して、本発明の抗菌性液状物約100
0g[(実施例1,N−ステアロイル−L−グルタミン
酸銀含有量25g(2.5重量%),オクチルグルコシ
ド含有量25g(2.5重量%)]を作成した。この液
状物は、粘性の低い液体であった。また、1カ月間放置
しても、分離、沈殿などは生じなかった。
【0038】(実施例2)上記実施例1において作成し
た抗菌性液状物を原液として、水で250倍に希釈し
た。水による希釈性は良好であり、視認では均一に分散
していることが確認できた。このようにして抗菌性液状
物含有壁面塗布剤(実施例2、N−ステアロイル−L−
グルタミン酸銀濃度約0.01重量%、オクチルグルコ
シド濃度約0.01重量%)を作成した。この液状物
は、粘性が低く、壁などへの塗布は容易であった。
【0039】(実施例3)アルキルグルコシドとして、
オクチルグルコシド(商品名Sucraph AG8、
n−オクチルD−グルコシド、HLB19、分子量29
2.37、粉末状、株式会社日本精化)を用いた。上記
のアルキルグルコシド液状物50gをイオン交換水52
5gに溶解してアルキルグルコシド水溶液575gを作
成した。これに、N−長鎖アシルアミノ酸のアルカリ金
属塩であるN−ステアロイル−L−グルタミン酸ジナト
リウム(味の素株式会社製、商品名 アミソフトHS−
21)27.6g添加し、十分に撹拌した。水384.
3gに硝酸銀4.9g、硝酸銅8.2gを添加した硝酸
銀、硝酸銅混合水溶液を、上記のN−長鎖アシルアミノ
酸添加アルキルグルコシド水溶液に添加し、十分に撹拌
して、本発明の抗菌性液状物約1000g[実施例3、
N−ステアロイル−L−グルタミン酸銀およびN−ステ
アロイル−L−グルタミン酸銅混合物含有量25g
(2.5重量%)、オクチルグルコシド含有量25g
(2.5重量%)を作成した。この液状物は、粘性の低
い液体であった。また、1カ月間放置しても、分離、沈
殿などは生じなかった。
【0040】(実施例4)上記実施例3において作成し
た抗菌性液状物を原液として、水で250倍に希釈し
た。水による希釈性は良好であり、視認では均一に分散
していることが確認できた。このようにして抗菌性壁面
塗布剤(実施例4、N−ステアロイル−L−グルタミン
酸銀およびN−ステアロイル−L−グルタミン酸銅混合
物濃度約0.01%、オクチルグルコシド濃度約0.0
1%)を作成した。この液状物は、粘性が低くかつ、は
け、噴霧器を用いて、建築物の壁面(例えば、浴槽内
壁)への塗布が容易であった。
【0041】(実施例5)上記実施例3において作成し
た抗菌性液状物を原液として、水で500倍に希釈し
た。水による希釈性は良好であり、視認では均一に分散
していることが確認できた。このようにしてゴルフ場用
散布剤(実施例5、N−ステアロイル−L−グルタミン
酸銀およびN−ステアロイル−L−グルタミン酸銅混合
物濃度約0.005%、オクチルグルコシド濃度約0.
005%)を作成した。この液状物は、粘性が極めて低
くかつ、散布が容易であった。
【0042】(実施例6)アルキルグルコシドとして、
デシルグルコシド(n−デシルD−グルコシド、分子量
320.43、HLB16、粉末状)を用いた以外は実
施例1と同様に行い本発明の抗菌性液状物1000g
[実施例6、N−ステアロイル−L−グルタミン酸銀含
有量25g(2.5重量%)、デシルグルコシド含有量
25g(2.5重量%)]を作成した。この液状物は、
粘性の低い液体であった。また、1カ月間放置しても、
分離、沈殿などは生じなかった。
【0043】(実施例7)上記実施例6において作成し
た抗菌性液状物を原液として、水で250倍に希釈し
た。水による希釈性は良好であり、視認では均一に分散
していることが確認できた。このようにして抗菌性壁面
塗布剤(実施例7、N−ステアロイル−L−グルタミン
酸銀濃度約0.01%、オクチルグルコシド濃度約0.
01%)を作成した。この液状物は、粘性が低くかつ、
はけ、噴霧器を用いて、建築物の壁面(例えば、浴槽内
壁)への塗布が容易であった。
【0044】(実施例8)実施例3の抗菌性液状物10
0gを市販の水性ペイント(アクリル系合成樹脂塗料、
カンペ家庭塗料株式会社製、商品名 水性つやあり塗料
(白))1000によく混合することにより、抗菌性
塗料(実施例8)を作成した。
【0045】(実施例9)実施例1の抗菌性液状物10
0gを、ふすま紙抄造におけるビーターに、硫酸パレド
(固形剤)添加前に、乾燥パルプ1000gに添加し叩
解し、その後常法により抄造し、ふすま紙を作成した。
【0046】(実施例10)アルキルグルコシドとし
て、オクチルグルコシド液状物[商品名Sucraph
AG8、n−オクチルD−グルコシド、HLB19、
分子量292.37、液体状(50重量%オクチルグル
コシド含有)、株式会社日本精化]を用いた。上記のア
ルキルグルコシド液状物25gをイオン交換水700g
に溶解してアルキルグルコシド水溶液725gを作成し
た。これに、両性界面活性剤である商品名アノンLG
(日本油脂株式会社製、アルキルジ(アミノエチル)グ
リシンを約30%含有、微黄色透明液体)を50g添加
し、十分撹拌した。そして、N−長鎖アシルアミノ酸の
アルカリ金属塩であるN−ステアロイル−L−グルタミ
ン酸ジナトリウム(味の素株式会社製、商品名 アミソ
フトHS−21)23g添加し、十分に撹拌した。水1
88.4gに硝酸銀13.6gを添加した硝酸銀水溶液
を、上記のN−長鎖アシルアミノ酸添加アルキルグルコ
シド水溶液に添加し、十分に撹拌して、本発明の抗菌性
液状物約1000g[実施例10,N−ステアロイル−
L−グルタミン酸銀含有量25g(2.5重量%),オ
クチルグルコシド含有量12.5g(1.25重量
%)、アルキルジ(アミノエチル)グリシン含有量15
g(1.5重量%)]を作成した。この液状物は、粘性
の低い液体であった。また、1カ月間放置しても、分
離、沈殿などは生じなかった。
【0047】(実施例11)上記実施例10において作
成した抗菌性液状物を原液として、水で250倍に希釈
した。水による希釈性は良好であり、視認では均一に分
散していることが確認できた。このようにして抗菌性液
状物含有壁面塗布剤(実施例11、N−ステアロイル−
L−グルタミン酸銀濃度約0.01重量%,オクチルグ
ルコシド濃度約0.005重量%、アルキルジ(アミノ
エチル)グリシン濃度約0.006%))を作成した。
この液状物は、粘性が低く、壁などへの塗布は容易であ
った。
【0048】(実施例12)アルキルグルコシドとし
て、オクチルグルコシド(商品名Sucraph AG
8、n−オクチルD−グルコシド、HLB19、分子量
292.37、粉末状、株式会社日本精化)を用いた。
上記のアルキルグルコシド液状物50gをイオン交換水
500gに溶解してアルキルグルコシド水溶液550g
を作成した。これに、両性界面活性剤である商品名アノ
ンLG(日本油脂株式会社製、アルキルジ(アミノエチ
ル)グリシンを約30%含有、微黄色透明液体)を25
g添加し、十分撹拌した。さらに、N−長鎖アシルアミ
ノ酸のアルカリ金属塩であるN−ステアロイル−L−グ
ルタミン酸ジナトリウム(味の素株式会社製、商品名
アミソフトHS−21)27.6g添加し、十分に撹拌
した。水384.3gに硝酸銀4.9g、硝酸銅8.2
gを添加した硝酸銀、硝酸銅混合水溶液を、上記のN−
長鎖アシルアミノ酸添加アルキルグルコシド水溶液に添
加し、十分に撹拌して、本発明の抗菌性液状物約100
0g(実施例12,N−ステアロイル−L−グルタミン
酸銀およびN−ステアロイル−L−グルタミン酸銅含有
量25g(2.5重量%),オクチルグルコシド含有量
25g(2.5重量%)、アルキルジ(アミノエチル)
グリシン含有量7.5g(0.75重量%)]を作成し
た。この液状物は、粘性の低い液体であった。また、1
カ月間放置しても、分離、沈殿などは生じなかった。
【0049】(実施例13)上記実施例12において作
成した抗菌性液状物を原液として、水で250倍に希釈
した。水による希釈性は良好であり、視認では均一に分
散していることが確認できた。このようにして抗菌性壁
面塗布剤(実施例13、N−ステアロイル−L−グルタ
ミン酸銀およびN−ステアロイル−L−グルタミン酸銅
濃度約0.01%,オクチルグルコシド濃度約0.01
%、アルキルジ(アミノエチル)グリシン濃度0.00
3%)を作成した。この液状物は、粘性が低くかつ、は
け、噴霧器を用いて、建築物の壁面(例えば、浴槽内
壁)への塗布が容易であった。
【0050】(実施例14)上記実施例13において作
成した抗菌性液状物を原液として、水で500倍に希釈
した。水による希釈性は良好であり、視認では均一に分
散していることが確認できた。このようにしてゴルフ場
用散布剤(実施例14、N−ステアロイル−L−グルタ
ミン酸銀およびN−ステアロイル−L−グルタミン酸銅
濃度約0.005%,オクチルグルコシド濃度約0.0
05%、アルキルジ(アミノエチル)グリシン濃度0.
0015%)を作成した。この液状物は、粘性が極めて
低くかつ、散布が容易であった。
【0051】(実施例15)実施例12の抗菌性液状物
100gを市販の水性ペイント(アクリル系合成樹脂塗
料、カンペ家庭塗料株式会社製、商品名 水性つやあり
塗料(白)、商品コード627-001)1000gによく混
合することにより、抗菌性塗料(実施例15)を作成し
た。
【0052】(実施例16)実施例10の抗菌性液状物
100gを、ふすま紙抄造におけるビーターに、硫酸パ
レド(固形剤)添加前に、乾燥パルプ1000gに添加
し叩解し、その後常法により抄造し、ふすま紙を作成し
た。
【0053】[実験]本発明の抗菌性液状物の抗菌力に
ついて試験を行った。試験菌株としては、以下のものを
用いた。 Escherichia coli IFO 3301(大腸菌) Pseudomonas aeruginosa IID P-1(緑膿菌) Staphylococcus aureus IFO 12732(黄色ブドウ球菌) Vivrio parahaemolyticus IFO 12711(腸炎ビブリオ) そして、上記の細菌を増菌用培地菌(大腸菌、緑膿菌、
黄色ブドウ球菌としては、AATCC Broth、腸
炎ビブリオとしては、3%食塩加AATCCBroth
を用いた)で37℃24時間培養して接種用菌液を調製
し、培地(大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球球としては、
AATCC Agar、腸炎ビブリオとしては、3%食
塩加AATCC Agarを用いた)150mlに対し
て1mlの割合で接種用菌液を加えた実験用培地を作成
し、滅菌シャーレに分注し、固化させてそれぞれの実験
用平板培地を多数作成した。そして、実施例1〜7,1
0〜14の抗菌性液状物約0.5mlおよび実施例8お
よび15の抗菌性塗料を、培地の上に、滴下し、37℃
で24時間培養した後の細菌の成育状態を確認した。そ
の結果、すべてのシャーレにおいて、滴下部では細菌が
発育せず、滴下部以外の部分では、細菌の旺盛な発育が
見られた。
【0054】(実験2)本発明の抗菌性を有する紙の抗
菌力について試験を行った。試験菌株としては、以下の
ものを用いた。 Aspergillus niger IFO 6342 (黒麹カビ) Penicillium funiculosum IFO 6345 (青カビ) Chaetomium globosum ATCC 6355 (ケトミウム) Gliocladium virens IFO 6355(グリオクラディウム) Aureobasidium pullulans IFO 6353(オーレオバシディ
ウム) そして、ポテトデキストロース寒天斜面培地で十分に形
成させた各試験菌株の胞子を、それぞれ滅菌0.005%ス
ルホこはく酸ジオクチルナトリウム溶液加えて懸濁させ
た。この懸濁液から子実体、菌糸体を除去した後、これ
を1ml当りの胞子数が1,000,000±200,000個となるよ
う下記に示す組成の無機塩培地に加えて単一胞子懸濁液
とした。そして、各単一胞子懸濁液を等量混合して混合
胞子懸濁液を作成した。
【0055】
【0056】そして、無機塩寒天平板培地(1.5%寒天
含有無機塩培地を固定化させて平板としたもの)上に
2.5cm×2.5cmに切断した実施例9および16
の抗菌性(試験片)を置き、上述の混合胞子懸濁液を噴
霧し、温度26〜29℃、相対湿度85%以上で21日
間培養し、7日ごとに試験片の表面に生じた菌糸の発育
状態を肉眼および実体顕微鏡下で観察した。
【0057】試験結果は、実施例9および16の抗菌性
(試験片)ともに、以下のとおりであった。
【0058】
【発明の効果】本発明の抗菌性液状物は、アルキルグル
コシド水溶液中に、抗菌作用を有する金属のN−長鎖ア
シルアミノ酸塩を含有しているものであるので、水によ
る希釈、また水の添加が可能な液体物への添加が可能で
ある。また、その添加作業も容易である。さらに、液状
物中においてN−長鎖アシルアミノ酸塩は、実質的に凝
集していないので、本発明の抗菌性液状物を直接または
希釈などしたものを塗布または散布した際、N−長鎖ア
シルアミノ酸塩が部分的に固まって塗布あるいは散布さ
れることがなく、より均一なN−長鎖アシルアミノ酸塩
の塗布あるいは散布を行うことができ、防カビ、抗菌、
防臭などの用途の塗布剤、散布剤などに使用でき、極め
て高い防カビ作用、さらには抗菌作用を有する。
【0059】さらに、抗菌性液状物中のアルキルグルコ
シドは、界面活性作用に起因する抗菌性を液状物の塗布
あるいは散布時の初期に発揮する。さらに、抗菌性液状
物中のN−長鎖アシルアミノ酸抗菌性金属塩は、きわめ
て安定性の高い金属塩であるとともに水に不溶の塩であ
り、水などの液体が接触しても、流出しにくく、長期的
な防カビ、抗菌作用を発揮しする。よって、本発明の抗
菌性液状物は、使用初期さらに持続的な抗菌性を発揮す
る。また、N−長鎖アシルアミノ酸抗菌性金属塩は、基
本骨格を形成するものがアミノ酸であるため、毒性が極
めて少なく、アルキルグルコシドも、配糖体であり、安
全性が高いので、本発明の抗菌性液状物は、種々の用途
に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 21/36

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキルグルコシド水溶液中に、抗菌作
    用を有する金属のN−長鎖アシルアミノ酸塩を含有して
    いることを特徴とする抗菌性液状物。
  2. 【請求項2】 前記抗菌性液状物は、抗菌作用を有する
    異なる金属が結合した2種以上のN−長鎖アシルアミノ
    酸塩を含有している請求項1に記載の抗菌性液状物。
  3. 【請求項3】 前記金属は、銀、銅、鉛、亜鉛または錫
    からなる群から選ばれたいずれか1つである請求項1な
    いし2のいずれかに記載の抗菌性液状物。
  4. 【請求項4】 前記抗菌性液状物は、両性界面活性剤を
    含有している請求項1ないし3のいずれかに記載の抗菌
    性液状物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の抗
    菌性液状物を含有する塗布剤。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載の抗
    菌性液状物を含有する散布剤。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし4のいずれかに記載の抗
    菌性液状物を含有する塗料。
  8. 【請求項8】 アルキルグルコシドと抗菌作用を有する
    金属のN−長鎖アシルアミノ酸塩を含有することを特徴
    とする抗菌性紙。
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