JPH0774749B2 - プロセス異常診断方法 - Google Patents

プロセス異常診断方法

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JPH0774749B2
JPH0774749B2 JP2187792A JP18779290A JPH0774749B2 JP H0774749 B2 JPH0774749 B2 JP H0774749B2 JP 2187792 A JP2187792 A JP 2187792A JP 18779290 A JP18779290 A JP 18779290A JP H0774749 B2 JPH0774749 B2 JP H0774749B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はプロセス異常診断方法に係り、石油化学プラン
ト等の大規模プロセスの運転管理などに利用できる。
〔背景技術〕
石油化学プラント等の大規模プロセスにおいては、複雑
な系内の故障や外乱等による各種の異常発生を完全にな
くすことは困難であり、プロセスの運転管理の際には多
様な異常事態に適宜対処する必要がある。
ここで、プロセスに表れる異常事態は基準状態との比較
監視等により適宜検知できるが、顕在化した異常事態を
招いた異常原因は別に存在することが多く、異常事態へ
の対処にあたっては潜在的な異常原因を診断する必要が
ある。
さらに、各部が複雑に相互関連するプロセスでは、その
一部に何らかの異常が発生するとその影響により他の異
常が順次連鎖的に進展することになり、異常診断ないし
適切な対処を迅速に行う必要がある。
このような要求に対し、プロセス異常診断システムが導
入されており、系内の異常の早期検知および警報、進展
予測、原因や対処の指示等に及び異常診断処理の自動化
が図られている。
ところで、複雑なプロセスでは何らかの異常事態を引き
起こした原因を特定することがきわめて難しい。このた
め、プロセス異常診断システムでは、系内の事象の相互
関連や因果関係を含めた論理的な診断知識を蓄積してお
き、検知された異常事態を診断知識に照合し、当該異常
を招いた原因を診断する方法が採用される。
このような診断知識の蓄積にあたっては次のような手法
が採用されている。
第一の手法は、熟練技術者の経験的現場知識、例えば
「Aの状況ではBの異常を生じやすい」や「Cの異常は
Dが原因であることが多い」といった主観的知識データ
を収集し、オペラビリティスタディあるいはFTA(Fault
Tree Anarysis)やETA(Event Tree Anarysis)等によ
り解析し、客観的な診断知識として蓄積するものであ
る。
第二の手法は、プロセスにおける厳密な物理化学工業的
因果律に基づいて計算機上に実際の系に対応した挙動を
示す仮想的モデル(ダイナミックシミュレータ)を構築
しておき、このモデルに各種の異常原因を設定して定量
的なシミュレーションを行い、様々な異常形態等を診断
知識として蓄積するものである。
第三の手法は、定性推論と呼ばれる手法であり、プロセ
スをその機器構成に基づいてモデル化し、熟練技術者の
経験的知識等に基づいて事象に関する挙動予測シミュレ
ーションを行うことにより、定量的な問題を保留して原
因と結果等の専ら定性的な因果関係ルールを診断知識と
して蓄積するものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、前述した第一ないし第三の手法には、それぞ
れ次のような問題がある。
第一の手法では、多数の熟練技術者に対して経験的知識
を収集し、それらを評価抽出して再構成する等の手順が
必要であり、診断知識の蓄積に多大な時間および労力が
必要となる。また、各技術者の誤認や重要項目の脱落な
ど、診断知識の信頼性に問題が生じる恐れがある。
第二の手法では、プロセスに存在する膨大な変量および
因果関係を包含したダイナミックモデルを構築するため
に多大な労力および時間が必要である。また、大規模な
ダイナミックモデルを実行するためには高性能の計算機
が不可欠であり、環境的に大きな制約を受けるものとな
る。
第三の手法では、そもそも定性推論が近年研究を進めら
れているものであり、技術的に確立されていないという
問題がある。
例えば、モデル化にあたり、機器をノードとし配管をア
ークとして有向グラフで表すもの、経験的知識に物理原
理を加えてパラメータネットワーク化するもの、プロセ
ス流体を基本としてポンプやバルブ等の制御要素を加え
たもの等、様々なものが提案されている。しかし、各々
はモデルに基づく挙動予測にあたって演算が複雑であっ
たり、制約が大きく実際的でない等の問題がある。
また、得られる診断知識はあくまで定性的であり、定量
的な表現でないため現場技術者等には理解しにくく、プ
ロセス異常診断としての実際の運用にあたっての問題が
ある。
本発明の目的は、適切な診断知識の獲得ないし運用が簡
単かつ確実に行えるプロセス異常診断方法を提供するこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、プロセスの機器構成に基づき、プロセス内の
事象を表すノードを各々の関連を表すアークで結んで有
向グラフ化し、さらに各アークに各ノード間の影響の程
度を表す影響係数を設定したネットワークモデルを構築
する。そして、前記モデルに対し、任意の異常原因を表
す原因数値を該当するノードに設定し、当該ノードから
順次アークの流れに沿って、値の設定されたノードから
下流ノードへと設定された値と途中のアークの影響係数
との積を送るとともに、積を送られたノードは上流の全
てのノードからの積の総和を自身の値として設定するこ
とを繰返し、値が設定されたノードおよび各々に設定さ
れた値を記録する。さらに、記録された結果から診断知
識を蓄積し、蓄積された診断知識に基づいて当該プロセ
スの異常診断を行う、という各手順を備えて構成された
ものである。
ここで、プロセス内の事象としては、配管およびバルブ
やポンプ等の機器における流量、圧力、温度、レベル等
の状態量のほか、各機器およびそのコントローラ等の調
節機器の機能、さらには系内に発生する各種の現象など
が挙げられる。
そして、モデル化にあたっては、一般的な事象を表すノ
ードに加え、調整機器の機能に応じた専用ノードや、条
件に応じて変化するポンプトリップ等の現象を示す状態
遷移ノード等を併用することが望ましい。
また、各事象の関連としては、配管による物理的な関連
であるとか、制御系における機能的な関連などの相関的
な因果関係が挙げられる。
これらの事象および関連のうち、機器構成から明らかな
もの以外、特に現象的なものや特殊な事象については、
熟練技術者の経験的知識を利用して設定することが望ま
しい。
さらに、影響係数としては、先の事象と後の事象との変
化比率が挙げられ、例えば−1.0から1.0の範囲として、
熟練技術者の経験的知識に基づいて適宜設定することが
望ましい。
また、原因数値は適宜な概略値であればよく、想定した
異常原因に対応するノードにその値を設定すればよい。
この際、診断知識としては変化の大小や正負等が判る程
度で充分であるため、影響係数および原因数値としては
実際のプロセスに対応した概略値を利用すればよい。
〔作 用〕
本発明においては、ノードおよびアークによる有向グラ
フ式のネットワークモデルを用いることで、様々な原因
に基づく定性的な因果関係ルールが簡単に得られ、診断
知識として蓄積されることになる。また、ノードにはプ
ロセス内の現象等をも組み込むことで、実際のプロセス
を反映したネットワークモデルが構築され、より適切な
診断知識が蓄積されることになる。さらに、アークには
ノード間の影響係数を設定することで、診断知識として
蓄積される定性的な因果関係ルールに定量的な要素が付
加され、実際のプロセスに対してより適切な異常診断が
行えることになる。
一方、本発明においては前述のようなネットワークモデ
ルを用いた診断知識の蓄積を行うことにより、前記第二
の手法のような厳密なダイナミックシミュレータに比べ
て構築が容易であるうえ、前記第一の手法のような単な
る経験的知識ベースよりも簡単に客観的な診断知識を蓄
積することが可能となる。これらにより前記目的が達成
される。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図には、本発明に基づく異常診断システム1が示さ
れている。
ここで、異常診断システム1は、プロセス2に異常が生
じた際にその内容や程度等を診断する異常診断実行部10
を備えている。
異常診断実行部10は、プロセス2の運転状態を常時監視
して異常事態を検知する監視部11と、検知された異常事
態を診断する診断部12と、診断の際に診断部12で参照さ
れる診断知識13とを備えている。診断知識13には原因診
断知識14と進展予測知識15とが個別に記録され、診断部
12は各々を利用して異常原因の診断および異常の進展予
測を行う。なお、診断部12には異常処理システム3が接
続され、異常診断システム3は診断結果に応じて警報を
発したりプロセス2に対応を指示する等の処置を行う。
一方、異常診断システム1は、予め異常診断実行部10は
診断知識13を設定しておくための診断知識生成部20を備
えている。
診断知識生成部20はネットワークモデル生成部30を備え
るとともに、得られたネットワークモデルに基づいて因
果関係を推論する推論用シミュレータ21を備えている。
このうち、ネットワークモデル生成部30は、機器構成モ
デル作成部31,異常原因モデル作成部32,影響モデル作成
部33,ネットワークモデル編集部34を備えている。
機器構成モデル作成部31には機器構成データ外部入力部
31Bが接続され、外部入力部31Bには表示部41および操作
部42が接続されている。この操作部42より熟練技術者43
が機器構成モデルを入力する。作成部31は、流量や圧力
などの物理的変量をノードとし、各ノードが増加減少し
た時に影響を受けるノードをアークで結び、その影響の
程度を影響係数としてアークに設定し、有向グラフによ
り機器構成をモデル化する。
異常原因モデル作成部32には異常原因データ外部入力部
32Bが接続されている。機器構成モデル作成部31で作成
されたノード以外の異常が考えられる場合、外部入力部
32Bに接続されている表示部41および操作部42を介して
外部の熟練技術者43の経験的知識に基づく異常原因デー
タが入力される。作成部32は、外部入力部32Bのデータ
を参照し、先に作成部31で得られた機器構成モデルに異
常原因のノードおよびアークを追加して異常原因のモデ
ルを行う。
影響モデル作成部33には影響データ外部入力部33Bが接
続されている。外部入力部33Bには表示部41および操作
部42を介して外部の熟練技術者43の経験的知識に基づく
異常進展などの影響データが入力される。作成部33は、
外部入力部33Bのデータを参照し、先に作成部32で得ら
れたモデルに影響のノードおよび影響係数を設定したア
ークを追加してモデル化を行う。
なお、各作成部31,32,33においては、モデル化にあたっ
て各ノードに属性が設定される。例えば、一般的な状態
量は通常ノードに設定されるが、調節計のように設定値
との関係で変化するもの、特に、PID式のように積分制
御を含んで以前の入力に影響されるもの等は専用ノード
に設定する。さらに、しきい値との関係で変化するも
の、例えばポンプトリップ等のように一定の条件下での
み発現する事象については状態遷移ノードに設定する。
ネットワークモデル編集部34は、先に作成部33で得られ
たモデルの妥当性を外部の熟練技術者43が経験的知識に
基づいて検討するために、当該モデルおよびシミュレー
ション結果36を表示部41に表示し、必要に応じて操作部
42から当該モデルの修正が可能である。
第2図には、ネットワークモデルファイル35におけるモ
デルの表現形式の一例が示されている。
図において、ファイル35はノード毎の項目群50の集合と
され、各項目群50はノードの属性51,名称52といったそ
のノード自身についての項目と、そのノードから延びる
アークの影響係数54,接続先のノードの名称55といった
接続関係を表す項目により構成される。なお、アークの
影響係数54および接続先ノード名称55は、当該ノードに
接続されたアークの数だけ設定される。従って、任意の
ノードについて、該当する項目群50を検索して接続先ノ
ード名称55から接続関係を順次追ってゆけば、各アーク
の影響係数54および各ノードの属性51,名称52が得ら
れ、ネットワークとして把握することが可能である。
一方、推論用シミュレータ21は、ネットワークモデルフ
ァイル35に接続され、ネットワークモデルファイル35の
一つのノードに原因数値を設定し、異常伝播追跡シミュ
レーションの結果から原因と影響の大きなものの関係を
整理した因果関係ルール23を作成する。他のノードにつ
いても原因数値を設定し、シミュレーションを実施して
同様なルール23を蓄積し、プロセス2における因果関係
知識24を生成する。
なお、得られた因果関係知識24は、原因が発生した時の
現象の知識であることから、原因診断用に現象から原因
を診断する知識である。この因果関係知識24は、実行部
10の原因診断知識14として再構成される。
また、シミュレーション結果36において状態遷移ノード
が発現しているものについては、シミュレーション結果
36より主要な状態を選び、イベントツリー(ET)の知識
25として整理する。このイベントツリーの知識25に進展
時の対処メッセージ等を設定し、これにより実行部10の
進展予測知識15が作成される。
次に、本実施例における具体的なネットワーク生成につ
いて説明する。
第3図には、モデル化を行う対象となる部分プロセス60
が示されている。図において、貯槽61は所定の液体を貯
留するものであり、その実レベルLA1はレベル計61Aで計
測され、通常はレベル計指示LI1=LA1である。
ここで、貯槽61には液体を追加供給する入口側配管62が
接続されている。配管62の実流量FA1は流量計62Aで計測
され、通常は流量計指示FI1=FA1である。また、配管62
には調節弁63が設置され、その開度CV1はPID式の調節計
64により調整される。調節計64は、入力PV1が予め設定
した値SV1となるように出力MV1を調節するものであり、
ここではレベル計指示LI1に応じて調節弁開度CV1を加減
することで貯槽61のレベルを一定に維持するように作動
する。
さらに、貯槽61には貯留された流体を抜き出す出口側配
管65が接続されている。配管65にはポンプ66が介装さ
れ、その実流量FA2は流量計65Aで計測され、通常は流量
計指示FI2=FA2である。また、配管65には調節弁67が設
置され、その開度CV2はPID式の調節計68により調整され
る。調節計68は、入力PV2が設定した値SV2となるように
出力MV2を調節するものであり、ここでは流量計指示FI2
に応じて調節弁開度CV2を加減することで貯槽61からの
抜き出し流量を一定に維持するように作動する。
第4図には、プロセス60に基づいて生成されたモデル70
が示されている。
モデル70の生成にあたっては、プロセス60の機器構成に
基づいて各部の機能や相互関連を考慮し、基本的な事象
を抽出する。そして、各事象に応じてノードを設定し、
各事象の関連に応じてアークで接続する。
例えば、レベル計61Aの指示LI1は、通常は貯槽61の実レ
ベルLA1に対応するが、指示LI1が実レベルLA1に一致し
ない異常が考えられる。このため、実レベルLA1および
レベル計指示LI1を表すノード71,72を設定し、実レベル
LA1からレベル計指示LI1に向かうアーク71Aを設定す
る。
この際、設定するノードについては、各事象の機能に基
づいてノード属性を設定する。
例えば、調節計64の出力は、入力となるレベル計指示LI
1の増減に直接関係なく、設定値SV1とレベル計指示LI1
との大小関係に応じて調整されるものであり、かつ積分
制御であるため過去の入力に応じても変化するものであ
る。従って、調節計64に対してはその機能に応じたPID
属性のノード73を設定する。
また、出口側配管65は実流量FA2に応じた液体の抜き取
りにより貯槽61の実レベルLA1を下げるように働くが、
実レベルLA1が下がってポンプ66が空引きを生じた際
(ポンプトリップPT)には実流量FA2が零となる。この
ような一定条件下で発現する事象に対してはその性質に
応じた状態遷移属性(MORE属性)のノード81を設定す
る。
さらに、各アークにはそれぞれ影響係数を設定する。影
響係数としては、各ノードの事象間の影響関係に応じて
正負の別をつけ、かつ影響の程度に応じて数値化し、例
えば−1.0〜1.0の連続値または分散値で表示する。第4
図における各アークは全て強い影響関係となるので影響
係数は−1.0または1.0の何れかとなっている。
これらの手順に基づいて、プロセス60を順次モデル化す
ることで、第4図のようなネットワークモデル70が生成
される。
次に、ネットワークモデル70における具体的な診断知識
生成について説明する。
まず、何らかの異常原因を該当するノードに原因数値を
設定する。例えば、異常原因がレベル計61Aの高誤指示
(指示LI1が実レベルLA1より高くなる異常)であるとす
る。
ここで、増加現象を+100、現象現象を−100で表すと、
高誤指示はレベル指示値(第4図のノード72)の値が実
レベル(同ノード71)の値とは関係なく増加することか
ら、第4図のノード72に+100を設定し、ノード71の値
は設定されないようにする。そして、ノード72の値と影
響係数の積を下流のノード73に設定し、以下同様に値が
設定されたノードから順に設定された値と影響係数の積
を下流のノードに設定することを繰返し行い、その結果
を記録する。
例えば、ノード72において100であれば、アーク72Aが−
1.0であるからノード73は−100である。ノド73はPID属
性のノードであるので、次のノード75にはノード73の値
(−100)とアーク73Aの影響係数(+1.0)の積を直接
設定するのではなく、時間経過に応じて−20,−40,−6
0,−80,−100となるように徐々に設定することになる。
また、このノード73では出力値を制限しており、ノード
75への出力は−100で一定となる。以下同様な追跡計算
を行うことで第1表のような結果が得られる。なお、表
中の*印は原因のノードを示す。
この表によれば、ΔLIのノード79に設定した異常に起因
するLI1ないしCV2の各ノード72〜86における状態変化が
明らかとなり、各々の因果関係を把握することができ
る。
一方、表中のステップ1は異常発生直後を表すものであ
り、ステップ2はステップ1で状態遷移ノードであるポ
ンプトリップPTがあるしきい値以上となって状態遷移が
発現した状態を示すものである。ステップ1において
は、ポンプ66が正常に作動しており、ポンプ66の下流で
はレベル計誤指示の影響が生じないことが理解される。
ステップ2においては、貯槽61の液体が空になることで
ポンプ66に空引きPTが生じ、その影響が以降に及ぶよう
に遷移することが理解される。
このような本実施例によれば、次に示すような効果があ
る。
すなわち、プロセスをノードおよびアークによる有向グ
ラフによりモデル化し、このモデルに適宜な原因を設定
して影響伝播を追跡することで、任意の原因に対する結
果つまり因果関係ルールおよびイベントツリーの知識を
取得することができ、診断知識として蓄積することがで
きる。
この際、アークには影響係数を設定し、単なる伝播する
影響内容といった定性的な項目のみならず、数値により
影響の定量的な把握が可能となり、診断知識としてより
明瞭かつ直観的に理解しやすいものとすることができ
る。
また、モデル化には機器構成のみならず現象等について
も含めるとともに、ポンプトリップを表す状態遷移ノー
ド等の採用により実態に即した表現を行うことができ、
プロセスを適切に表すモデル化を行うことができ、診断
知識の有効性や信頼性を高めることができる。
さらに、ノードやアークの設定および影響係数の設定に
熟練技術者の経験的知識を導入することにより、実態に
即したモデル化を効率よく行うことができる。
ところで、前記実施例におけるモデル化の例では、アー
クに設定する影響数値を−1.0か1.0かの何れかとした
が、例えば次のような場合には中間的な数値を用いる。
第5図において、貯槽91には配管92から一定の流量F1で
流体が供給され、配管93から一定の流量F2で流体が抜き
出されているプロセス90があるとする。このようなプロ
セス90をモデル化すると第6図に示すモデル94となる。
第6図において、ノード95は配管92による張り込み流量
F1を表し、ノード96は貯槽91のレベルLを表し、ノード
97は配管93による抜き出し流量F2を表す。
モデル94の設定にあたっては、流量F1が増加すればレベ
ルLが上昇するため、ノード95からノード96に向かって
アーク95Aを設定し、その影響係数は1.0とする。また、
流量F2が増加すればレベルLが下降するため、ノード97
からノード96に向かってアーク97Aを設定し、その影響
係数は−1.0とする。一方、配管93に抜ける流体の圧力
は貯槽91のレベルLに応じて変化する。このため、ノー
ド96からノード97に向かってアーク96Aを設定する。し
かし、その影響はアーク95A,97Aに比べて小さなもので
あるため、その影響係数は例えば0.4等とする。この際
の設定には熟練技術者の経験的知識が有効である。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、
前記実施例の機能手順を実現するハードウェア等は既存
のもの適宜利用すればよく、また対象となるプロセスも
適宜選択すればよい。
さらに、使用するノード属性の種類やファイル化の形式
等は適用するプロセスや環境に応じて適宜選択すればよ
い。
〔発明の効果〕
以上に述べたように、本発明によれば、プロセスに対応
したモデル化が行え、特に熟練技術者の経験的知識を利
用して定性的な推論に概略定量的な情報を付加すること
ができ、適切な診断知識の獲得ないし運用が簡単かつ確
実に行えるようにできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の構成を示すブロック図、第
2図は同実施例でのモデルのファイル表現形式を示す模
式図、第3図は同実施例の具体的説明で対象とするプロ
セスを示す構成図、第4図は同実施例における前記プロ
セスのモデルを示す線図、第5図は本発明の変形例を示
すプロセスの構成図、第6図は同変形例におけるモデル
化を示す線図である。 1……異常診断システム、2,60……プロセス、13,24…
…診断知識、70……ネットワークモデル、71〜86……ノ
ード、71A〜86A……アーク。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロセスの機器構成に基づき、プロセス内
    の事象を表すノードを各々の関連を表すアークで結んで
    有向グラフ化し、さらに各アークに各ノード間の影響の
    程度を表す影響係数を設定したネットワークモデルを構
    築し、 前記モデルに対し、任意の異常原因を表す原因数値を該
    当するノードに設定し、当該ノードから順次アークの流
    れに沿って、値の設定されたノードから下流ノードへと
    設定された値と途中のアークの影響係数との積を送ると
    ともに、積を送られたノードは上流の全てのノードから
    の積を総和を自身の値として設定することを繰返し、値
    が設定されたノードおよび各々に設定された値を記録
    し、 記録された結果から診断知識を蓄積し、蓄積された診断
    知識に基づいて当該プロセスの異常診断を行うことを特
    徴とするプロセス異常診断方法。
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