JPH077068U - 注水式電池 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生産性が向上できる注水式電池の構造を得
る。 【構成】 仕切板３を弾力性のある絶縁体とし、かつ前
記仕切板３に設けた、導体５を貫通させるための貫通穴
４の直径を導体５の直径より小さくし、前記導体５を前
記貫通穴４に強制的に挿通させることによって仕切板３
の両面に配された正極板１と負極板２とを接続してな
る。 【効果】 弾力性のある仕切板に導体を強制的に挿通さ
せているので、導体の貫通穴に対する密着性を良好にす
ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は注水式電池に関するもので、さらに詳しく言えば、生産性が向上でき る注水式電池の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

注水式電池は正極に塩化銀、塩化鉛、塩化銅、ヨウ化銅、過硫酸カリウムなど の化合物を、負極にマグネシウム、アルミニウム、亜鉛などの金属または合金を 用い、使用時に海水や淡水または電解液を注水することによって活性化させる保 存型電池である。

【０００３】 このような注水式電池は、上記した正極と負極との組み合わせによって単電池 当り１〜２Ｖの電圧が得られるので、複数個の単電池が直列に接続して使用され る。

【０００４】 また、前記した注水式電池の各単電池は、使用時に共通の海水や淡水または電 解液に浸漬されるため、各単電池間を水密に保って海水等を通じて漏洩電流が少 なくなるような構造になっている。

【０００５】 上記した注水式電池の従来の構造を図３、図４によって説明する。

【０００６】 図３は従来の注水式電池としての塩化鉛海水電池の断面図、図４はその要部拡 大図で、塩化鉛を主体とする正極板１とマグネシウムを主体とする負極板２とが 単電池間を区画し、ＡＢＳ樹脂からなる仕切板３’の両面に配されるとともに、 前記仕切板３’に貫通穴４を設け、この貫通穴４に導体５を貫通させて前記正極 板１と負極板２とが接続されている。なお、６は前記正極板１の表面に配された 集電材である。そして、前記導体５を貫通させた正極板１側にエポキシ等の樹脂 ７を充填し、前記貫通穴４に海水等が流入しないようにしている。そして、この ような構成体はセパレータ８を介して複数個積層されてなり、最外部の正極板１ ０に正極端子１１が、最外部の負極板２０に負極端子２１が取り付けられてなる 。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

上記した従来の注水式電池では、樹脂７を充填し、それを硬化させるのに時間 がかかるため、生産性に欠けるという問題があった。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案は、単電池間を区画する仕切板の両面に正極 板と負極板とを配するとともに、前記仕切板に導体を貫通させて前記正極板と負 極板とを接続してなる構成体がセパレータを介して積層された注水式電池におい て、前記仕切板を弾力性のある絶縁体とし、かつ前記仕切板に設けた、導体を貫 通させるための貫通穴の直径を導体の直径より小さくし、前記導体を前記貫通穴 に強制的に挿通させて正極板と負極板とを接続したことを特徴とするものである 。

【０００９】

【作 用】

従って、本考案は、仕切板に弾力性のある絶縁体を使用し、この仕切板の貫通 穴に導体を強制的に挿通させているので、導体の貫通穴に対する密着性を良好に することができ、水密性を良好にすることができる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１、図２によって説明する。

【００１１】 図１は本考案の注水式電池としての塩化鉛海水電池の断面図、図２はその要部 拡大図で、図３、図４と同じ機能を要する部分には同じ符号を付して以下の説明 を省略する。

【００１２】 本考案の特徴は、仕切板３をポリプロピレン、ポリエチレン、ゴムなどの弾力 性のある絶縁体とし、この仕切板３に設けた、導体５を貫通させるための貫通穴 ４の直径を前記導体５の直径より小さくし、前記導体５を前記貫通穴４に強制的 に挿通させて正極板１と負極板２とを接続したものである。

【００１３】 前記貫通穴４は直径を１．５mmとし、この貫通穴４に直径が２mmの黄銅製の導 体５を強制的に挿通させて導体５の貫通穴４に対する密着性を良好にしているの で、樹脂の充填による水密性の確保が不要になる。

【００１４】 上記した実施例では、あらかじめ仕切板３に貫通穴４を設けているが、貫通穴 を設けない仕切板３に導体５を強制的に挿通させてもよいことは言うまでもない 。

【００１５】 また、上記した実施例では、導体５に円柱状のリベットを使用したが、中空リ ベットを用いれば、その中空部を用いてガイドピンによって貫通穴４との位置合 わせを容易に行うことができ、その先端のカール部によって水密性を高めること ができる。

【００１６】

【考案の効果】

上記したとおりであるから、本考案の注水式電池は、樹脂を充填して水密性を 確保することが不要になるので、生産性の向上に寄与するところが大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考察の注水式電池の断面図である。

【図２】本考案の注水式電池の要部断面図である。

【図３】従来の注水式電池の断面図である。

【図４】従来の注水式電池の要部断面図である。

【符号の説明】

１ 正極板 ２ 負極板 ３ 仕切板 ４ 貫通穴 ５ 導体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 単電池間を区画する仕切板の両面に正極
   板と負極板とを配するとともに、前記仕切板に導体を貫
   通させて前記正極板と負極板とを接続してなる構成体が
   セパレータを介して積層された注水式電池において、前
   記仕切板を弾力性のある絶縁体とし、かつ前記仕切板に
   設けた、導体を貫通させるための貫通穴の直径を導体の
   直径より小さくし、前記導体を前記貫通穴に強制的に挿
   通させて正極板と負極板とを接続したことを特徴とする
   注水式電池。
2. 【請求項２】 導体は中空リベットであることを特徴と
   する請求項第１項記載の注水式電池。