JPH0769245B2 - 放射性気体の膜透過性測定装置 - Google Patents

放射性気体の膜透過性測定装置

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JPH0769245B2
JPH0769245B2 JP3176032A JP17603291A JPH0769245B2 JP H0769245 B2 JPH0769245 B2 JP H0769245B2 JP 3176032 A JP3176032 A JP 3176032A JP 17603291 A JP17603291 A JP 17603291A JP H0769245 B2 JPH0769245 B2 JP H0769245B2
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純男 山田
勤 仲川
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工業技術院長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射化学的純度が100%
に近い放射性気体の膜に対する気体透過性を測定するた
めの装置に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】放射性気体を発生、利用あ
るいは取り扱う施設は原則として密閉系であるが、規模
によってはフード、グローブボックス、ドラフト内で作
業を行うのが一般である。放射性ガスの発生や漏洩の恐
れがある大規模施設の場合は、更に安全性を確保するた
めに、反応系自体を閉鎖化した上、危険度に応じ、全体
をフード内に閉じ込めることが行われる。これらの閉鎖
系システムには気密性や遮蔽性を確立するために、パッ
キング、O-リング、シーリング材が、またグローブボッ
クスにはゴムシート材が使われる。したがって、これら
シート材料の放射性気体に対する気体遮蔽性(気体透過
性)を知ることは、高い信頼性と安全性に基づいた有機
高分子材料の活用や設計を考える上で極めて大切であ
る。すなわち、それぞれの有機高分子材料に対する放射
性気体の透過係数、拡散係数及び溶解度係数を知ること
が重要である。放射性ガスの気体透過性の測定例は極め
て少ないが、通常は放射性物質の人体に対する危険回避
の意味から大がかりな装置で行うことが多い。例えば、
文献〔富山大学トリチウム化学センター研究報告,33
(1981)〕によれば、同位体存在比の極めて高いトリチウ
ムガスをヘリウムで希釈して、比放射能を17Ci/mol(He)
とした混合気体をアンプルに小分けし、1個のアンプル
当り40μCi〜5μCiとして、完全閉鎖型の大型真空ライ
ン中にこのアンプルを破砕してトリチウムガスを発生
し、膜を透過してくるトリチウム気体量をGMカウンター
を使用して測定している。しかもこの場合は、既に供給
側と透過側をQガス(He 96%+butane 4%)で充満してある
ので等圧法の混合系での測定に限定される。このように
従来の放射性ガスの膜透過性の測定では、装置が大型化
し、1回の測定で真空ライン全体が放射性ガスで汚染さ
れることになり、広い範囲の放射線管理が必要となり、
面倒である。しかも放射性気体が希釈された状態で広い
範囲に拡散されるため、放射性廃棄物の処理、管理から
言うと手に負えない状態になる。また多量の放射性廃棄
物が生じることにもなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、小量の放射
性気体を使い、放射線管理がし易く、汚染を広げず、使
用後の放射性廃棄物処理が容易な放射性気体の膜透過性
測定装置を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。
【0005】即ち、本発明によれば、中央部に開口を有
する上部セル(1)と中央部に開口を有する下部セル
(2)からなり、周縁部をボルト・ナットで締めつけて
内部に試料膜(3)を設置するための密閉型セルと、先
端が該上部セル(1)の開口部(4)に接続し、後端が
放射性気体の供給圧力測定用の水銀マノメータ(5)と
ブレーカブルジョイント(6)付きアンプル管(7)を
接続するための接続口に形成された放射性気体供給管
(8)と、該放射性気体供給管(8)から分岐した真空
コック(9)を有する真空排気系に対する接続管(1
0)と、先端が該下部セルの開口部(11)に接続する
透過気体の圧力測定用の水銀マノメータ(12)と、該
水銀マノメータ(12)に接続する真空コック(13)
を有する真空排気系に対する接続管(14)を備えたこ
とを特徴とする放射性気体の膜透過性測定装置が提供さ
れる。
【0006】
【実施例】次に本発明を1つの実施例について図面によ
り説明する。図1は本発明の装置の構成説明図である。
図1において、セルAは2つ割り構造のもので、上部セル
1と下部セル2とから構成される密閉型のものである。下
部セル2は試料膜3を設置し得るように凹部に形成され
ている。上部セル1はこの凹部の周縁部に嵌合する凸部
15を有する。これらのセルはそれぞれその中央部に開
口4,11を有し、上部セル1の開口4はセルと一体に
形成された接続管16を介して放射性気体供給管8に接
続し、下部セル2の開口部11はセルと一体に形成され
た接続管17を介して水銀マノメータ12に接続してい
る。上部セル1及び下部セル2の周縁にはボルト締め用の
ボルト孔18が形成されている。放射性気体供給管8の
後端は、放射性気体の供給圧力測定用の水銀マノメータ
5と、ブレーカブルジョイント6付きアンプル管7用接
続口19に形成される。また、その放射性気体供給管8
には分岐管10が接続されている。この分岐管10は、真空
排気系に対する接続管として作用するもので、真空コッ
ク9を有し、その先端は真空排気系に対する接続口20
に形成される。水銀マノメータ12には、その内部を真
空排気系に接断続させる真空コック13を有する接続管1
4が連結され、その先端は真空排気系に対する接続口2
1に形成されている。図1に示した2つの圧力計として
は、簡便な水銀マノメータを使用しているが、従来公知
の各種のものが用いられる。
【0007】本発明の装置において、上部セル1及び下
部セル2及びそれらと一体に形成された接続管16,1
7はいずれも金属(ステンレススチール)で製作され、そ
の他の部分はパイレックスガラスで製作されている。金
属部分とガラス部分を接続するにはコバールシール22
が用いられている。真空コック9,13には真空ダメが
付属してカランが抜けない構造の、いわゆる真空ガラス
コックが使用されている。真空排気系に対する接続管2
0,21はガラス管の末端が波状になったゴム管止め
(二段止め)を施してある。
【0008】図1に示す装置において、接続管14の一
部が上方に立ち上がっているのは、何らかの事情で急激
に水銀マノメータ12の水銀がはねたとき(図1は高真
空の状態のときの水銀柱の位置を示す)、接続管14内
に水銀が入らないようにするためである。
【0009】本発明の装置を使用するにあたっては、ま
ず次の通り準備する。ガラス部分を含めた上部セル1を
スタンドに固定し、マグネット23を外部からの他の磁
石の誘導で放射性気体供給管8に入れて、放射性気体試
料の入ったブレーカブルジョイント付きアンプル管7を
ガラス細工で接続口19に溶接する。次に測定する試料
膜3を多孔性金属板24の上に載置して下部セル2の凹
部に装着し、ゴムパッキング25を嵌めて、上部セル1
と下部セル2をボルトナットでとめる。これで放射性気
体の透過率測定のための準備は終了する。
【0010】次に、接続管10,14の接続口20,2
1を介して排気装置によって真空に引く。十分系内が真
空に維持できるまで排気が行われたら、真空コック9,
13を閉じて、真空もれによる水銀の動きを読取り顕微
鏡で観察する。予想される測定時間内に明かな洩れがな
ければ、次にマグネット23をアンプル管7上に急激に
降下させてブレーカブルジョイントを割り、放射性気体
を試料膜上に発生させて、膜透過率の測定を開始する。
水銀マノメータ5を用いて供給側の放射性気体の圧力P
1を読み、水銀マノメータ12の動きを追跡し、膜を透
過してくる放射性気体量を時間とともに測定し、試料膜
3についての透過率あるいは透過係数を求める。これら
の作業は放射線障害防止に関する法律に従い、放射線管
理区域で行うことは言うまでもないが、ドラフト内で行
うとか、取り扱う放射線によって放射線遮蔽のために特
製グローブボックスを使うことが望ましい。
【0011】図2と図3は、本発明の装置を使って得ら
れた水素(H2)とトリチウム(T2,1Ci,isotopic abundance
>90%)の透過曲線を示す。この場合、試料膜としては、
それぞれニトリルゴムと改質PVCのブレンドを時間を変
えて光臭素化して形成した2種の膜を用いた。通常の測
定では同位元素の非放射性核種の気体(この場合はH2
との比較と洩れチェックのためのコールドランを行う必
要があるので、前もって水素の透過率の測定を行い、そ
の結果を図2と図3に示した。
【0012】図2において、線-1は気体として水素を用
いて得られた結果を示し、線-2はトリチウムを用いて得
られた結果を示す。上部セル1側の圧力は、水素につい
ては27.26mmHg、トリチウムについては25.72mmHgであっ
た。後記表1に、図2に関する測定条件及び図2に示し
た結果から得られた水素とトリチウムの透過係数と透過
係数比を示す。
【0013】図3において、線-3は気体として水素を用
いて得られた結果を示し、線-4はトリチウムを用いて得
られた結果を示す。上部セル1側の圧力は、水素につい
ては31.50mmHg、トリチウムについては24.70mmHgであっ
た。後記表2に図3に関する測定条件及び図3に示した
結果から得られた水素とトリチウムの透過係数と透過係
数比を示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【発明の効果】本発明の装置は、非常にコンパクトに製
作することができ、例えば、セルの内径は1〜4.5c
m程度であり、放射性ガス供給管や各接続管の直径は約
8mm程度である。本発明の装置を用いれば、放射性気
体の小量の使用でその気体の膜透過率の測定ができ、ま
た、小型で、一回限りで使い捨てできるため、放射性ガ
スの漏洩防止と放射線管理にも手間取らない。特に系内
を真空保持するために、放射性気体をポンプで排気する
と一気に汚染が広がるが、本発明の装置は使い捨てにで
きるためその必要はない。また、使用後の放射性廃棄物
は、本発明の小型の装置だけであり、保管廃棄や廃棄物
引き取りも簡単である。さらに、本発明の装置において
は、供給側の内容積は小さく、かつ装置内はクリーン
で、真空コックが備わっており、その上僅か1/5程度の
気体が膜を透過するだけなので供給側にある放射性気体
は真空コックを通して十分再利用ができる。また、本発
明の装置を使用すれば、有機高分子膜等の膜材料の放射
性気体に対する透過率を測定するには最小限の放射線管
理の労力で、極めて平易に行うことができる上、従来の
方法のように放射能測定を行わないため、放射化学的純
度の高いものを一たん希釈して、非放射性核種との混合
物の形で使う必要がなく、放射化学的に100%近い純度の
放射性気体のデータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の1つの実施例についての構成説
明図である。
【図2】本発明の装置を用いて得られた放射性気体の試
料膜に対する膜透過率を示すグラフである。
【図3】本発明の装置を用いて得られた放射性気体の他
の試料膜に対する膜透過率を示すグラフである。
【符号の説明】
1 上部セル 2 下部セル 3 試料膜 4 上部セルの開口部 5 放射性気体の供給圧力測定用の水銀マノメータ 6 ブレーカブルジョイント 7 アンプル管 8 放射性気体供給管 9,13 真空コック 10,14 真空排気系に対する接続管 11 下部セルの開口部 12 透過気体の圧力測定用の水銀マノメータ 15 下部セルの凹部の周縁部に嵌合する上部セルの凸
部 16 上部セル接続管 17 下部セル接続管 18 ボルト・ナット用の穴 19 ブレーカブルジョイント付きアンプル管用接続口 20,21 真空排気系に対する接続口 22 コバールシール 23 マグネット 24 多孔性金属板 25 ゴムパッキング 26 水銀

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部に開口を有する上部セル(1)と
    中央部に開口を有する下部セル(2)からなり、周縁部
    をボルト・ナットで締めつけて内部に試料膜(3)を設
    置するための密閉型セルと、先端が該上部セル(1)の
    開口部(4)に接続し、後端が放射性気体の供給圧力測
    定用の水銀マノメータ(5)とブレーカブルジョイント
    (6)付きアンプル管(7)を接続するための接続口に
    形成された放射性気体供給管(8)と、該放射性気体供
    給管(8)から分岐した真空コック(9)を有する真空
    排気系に対する接続管(10)と、先端が該下部セルの
    開口部(11)に接続する透過気体の圧力測定用の水銀
    マノメータ(12)と、該水銀マノメータ(12)に接
    続する真空コック(13)を有する真空排気系に対する
    接続管(14)を備えたことを特徴とする放射性気体の
    膜透過性測定装置。
JP3176032A 1991-06-20 1991-06-20 放射性気体の膜透過性測定装置 Expired - Lifetime JPH0769245B2 (ja)

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JPH06186120A JPH06186120A (ja) 1994-07-08
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CN102866092B (zh) * 2012-08-28 2014-10-22 合肥国轩高科动力能源股份公司 锂离子电池隔膜透气度的检测装置及方法

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