JPH0767629A - 標的遺伝子置換法 - Google Patents

標的遺伝子置換法

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JPH0767629A
JPH0767629A JP5243238A JP24323893A JPH0767629A JP H0767629 A JPH0767629 A JP H0767629A JP 5243238 A JP5243238 A JP 5243238A JP 24323893 A JP24323893 A JP 24323893A JP H0767629 A JPH0767629 A JP H0767629A
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JP
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gene
stem cell
dna
foreign
embryonic stem
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JP5243238A
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Motoya Katsuki
元也 勝木
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DEINAADE KK
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DEINAADE KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ゲノムDNAの標的遺伝子領域が、2種類の
異なる抗生物質の各々に対して耐性および感受性を示す
1種以上の外来遺伝子を含有するDNA配列によって相
同組換えされている胚幹細胞に、希望する構造の遺伝子
を組込んだDNA断片を導入し、上記胚幹細胞DNAの
相同組換え配列領域を導入DNA断片によって相同的に
置換することにより、胚幹細胞ゲノムDNAの標的遺伝
子領域を希望する構造の遺伝子に置換する。 【効果】 ES細胞ゲノムDNAの任意の遺伝子を、希
望する構造の遺伝子に、確実に、かつ効率よく置換する
ことができ、広範な研究および産業分野において有用な
トランスジェニック動物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、胚幹細胞とこの胚幹
細胞を用いた標的遺伝子置換法、およびそれによって得
られる置換体胚幹細胞とトランスジェニック動物に関す
るものである。さらに詳しくは、この発明は、胚幹細胞
ゲノムDNAの任意の遺伝子を希望する構造の遺伝子に
よって選択的に置換する標的遺伝子置換法と、特定の遺
伝子が希望する構造の遺伝子に置換された動物個体に関
するものである。
【0002】この発明の標的遺伝子置換法は、遺伝学や
発生学等の基礎研究分野における研究戦略としてばかり
か、新しい遺伝子療法への応用も可能である。またトラ
ンスジェニック動物は、疾患モデル動物としてヒト遺伝
子疾患の解明やその治療法および治療薬の開発に有用で
ある。
【0003】
【従来の技術】近年、組換えDNAをはじめとする遺伝
子操作技術の進歩には目覚しいものがあり、生物学一般
のみならず、医学、工学、農学等への応用展開も急速に
拡大しつつある。また、遺伝子そのものについても、そ
の塩基配列構造の解析から多数の知見が蓄積されてきて
おり、今日ではその研究対象が30億塩基対とも言われ
る膨大なヒトゲノムDNAにまで及んでいる。
【0004】しかしながら、そのようにして構造決定が
なされた種々の遺伝子によってヒトの生物現象を真に理
解しようとするならば、それらの遺伝子の個体レベルに
おける機能解析が不可欠である。また一方で、癌をはじ
めとするヒト疾患の多くが遺伝子発現の何らかの異常に
よることが明らかになるにつれ、医学研究に用いられる
実験動物にも遺伝子解析や遺伝子操作が要求されるよう
になっている。
【0005】このような理由から、特定の遺伝子(例え
ば、ヒトの機能未知遺伝子や疾患原因遺伝子)を動物個
体において計画的に機能発現させることのできる技術や
そのような動物それ自体の研究がこれまでにも活発にな
されている。そのような研究の重要な成果が、いわゆる
遺伝子導入法である。これは、たとえばマウスの受精卵
に外来遺伝子DNAを物理的に導入し、ある程度体外で
培養した後、再びメスマウスの子宮に戻して個体へと発
生させる方法であり、この方法によって、生まれながら
にして外来遺伝子を染色体の一部に安定的に組み込んだ
動物(トランスジェニック動物)を得ることが可能にな
った。
【0006】ただし、この方法の場合には、導入遺伝子
を動物染色体の希望する位置に組み込むことが不可能な
ため、その導入遺伝子を個体レベルで効率よく発現させ
たり、あるいはその発現機能の特異性を同定することが
困難であった。これに対して、最近、動物の任意の遺伝
子を、導入遺伝子によって希望する構造に置き換えるこ
とのできる新しい遺伝子導入法が開発された。それが標
的遺伝子導入法(ジーンターゲッティング:gene targe
ting)である。
【0007】図8は、この方法を用いた標的遺伝子導入
マウスの作成工程図である。この標的遺伝子導入法で
は、図8に示したように、外来遺伝子DNAを哺乳動物
(マウス)の胚幹細胞(Embryonic Stem Cell :以下、
ES細胞と記載することがある)に導入する。このマウ
スES細胞は、やがてマウス個体へと発生する初期胚の
内部細胞塊に由来する細胞であり、体外で未分化のまま
培養増殖することができる。そこで培養中のES細胞
に、電気穿孔法等を用いて外来遺伝子DNAを導入し、
この細胞を別系統のマウスから得られた胚盤胞に注入し
て仮親マウスに移植すれば、注入された正常胚の一部と
なって個体まで発生し、キメラマウス(縞模様)が誕生
する。このキメラマウスの生殖細胞にES細胞由来の細
胞が分化していれば、ES細胞の性質は子孫へと伝達さ
れ、その染色体の任意の遺伝子が外来遺伝子によって置
き換えられたトランスジェニックマウス(標的遺伝子導
入マウス)が得られる。
【0008】しかしながら、この方法の場合にも、ES
細胞に導入された外来遺伝子DNAは、ほとんどの場
合、染色体上のランダムな位置に挿入され、その相同遺
伝子(標的遺伝子)との組換え(相同組換え)の確率
は、約1000分の1(10-3)程度と見積まれてい
る。そこで、外来遺伝子由来の突然変異を標的遺伝子に
有する動物個体を得るためには、ES細胞のレベルで、
相同組換え体のみを選択する必要があり、そのための方
法として、薬剤耐性を用いた以下のような選択方法が提
案されている。
【0009】すなわち、この方法は、導入遺伝子の構造
を工夫し、その配列内に、遺伝子の発現調節領域(プロ
モーター/エンハンサー)もポリAシグナルも含まない
ようにしておき、さらに、G418という薬剤に対する
耐性遺伝子であるNeo耐性遺伝子(neor )を適当
なエキソンにアミノ酸配列のフレームを一致させて挿入
したDNA断片を構築する。この遺伝子をマウスES細
胞に導入した場合に、それがマウスゲノムDNAの標的
遺伝子領域と相同組換えを起こしたときには、図9
(A)に示したように、標的遺伝子固有のプロモーター
とポリAシグナルとによってneor 遺伝子が発現し、
ES細胞はG418に対して耐性となり増殖する。一
方、導入遺伝子がゲノムDNAのランダムな位置に挿入
されたときには、図9(B)に示したように、その近傍
にプロモーターもポリAシグナルもないことが多いであ
ろうから、neor 遺伝子も発現されず、したがってそ
のようなES細胞はG418によって死滅してしまう。
【0010】この方法によれば、遺伝子導入細胞中から
10-3の頻度でしか得られない相同組換え体細胞を効率
よく選択することができ、実際には約10倍の濃縮が可
能とされている。また、ES細胞が本来発現していない
遺伝子を導入する場合には、プロモーターおよびポリA
シグナルを備えたneor 遺伝子とともに、もう一種類
の選択マーカー遺伝子(例えば、ウイルスのチミジンキ
ナーゼ遺伝子)を組込んだ導入遺伝子を構築し、2段階
の選択によって相同組換え体細胞を得る方法も提案され
ている(例えば、最新医学、第46巻、増巻号、第12
7〜134頁、1991年)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の標的遺伝子導入
法では、上記のような薬剤耐性を用いた選択を行なうこ
とによって、遺伝子導入細胞からある程度効率よく相同
組換え体を得ることができる。しかしながら、上記のよ
うに、導入遺伝子に薬剤耐性遺伝子等を組込んで選択マ
ーカーとする方法は、標的遺伝子導入法の目的が動物染
色体上の任意の遺伝子と外来遺伝子との相同的な置換で
あることを考慮した場合、以下の2つの理由において必
ずしも好ましいものではない。
【0012】第1の理由は、導入遺伝子に薬剤耐性遺伝
子を組込むために、導入する外来遺伝子の一部を欠失さ
せなければならないということである。すなわち、図1
0に示したように、導入遺伝子にneor 遺伝子を挿入
し、かつ導入遺伝子の他の配列領域とES細胞ゲノムの
相同領域とを対合させて相同組換えを起こすためには、
互いのホモロジーが確保されるように外来遺伝子の一部
(この図10の場合には、第2番目のエクソン)を切り
取って、そこにneor 遺伝子を挿入しなければならな
い。
【0013】第2の理由は、neor のような薬剤耐性
遺伝子の発現を指標として相同組換え体細胞を選択する
ため、導入された薬剤耐性遺伝子が組換体ES細胞中に
必ず残存してしまうということである。このように、従
来の方法は、外来遺伝子を希望する完全な形で導入する
ことができず、また、希望しない遺伝子を導入しなけれ
ばならないという点において、完全な遺伝子置換法とは
言えないものであった。
【0014】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、標的遺伝子を希望する構造の遺伝子
に置換することができ、しかも選択マーカー遺伝子を残
存させることのない新しい遺伝子置換法を提供すること
を目的としている。またこの発明は、そのための組換体
ES細胞を提供することを目的としてもいる。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、ゲノムDNAの任意の遺伝子領
域が、2種類の異なる抗生物質の各々に対して耐性およ
び感受性を有する1種以上の外来遺伝子を含有するDN
A配列によって相同組換えされていることを特徴とする
胚幹細胞を提供する。
【0016】また、この発明は、ゲノムDNAの標的遺
伝子領域が、2種類の異なる抗生物質の各々に対して耐
性および感受性を示す1種以上の外来遺伝子を含有する
DNA配列によって相同組換えされている胚幹細胞に、
希望する構造の遺伝子を組込んだDNA断片を導入し、
上記胚幹細胞DNAの相同組換え配列領域を導入DNA
断片によって相同的に置換することにより、胚幹細胞ゲ
ノムDNAの標的遺伝子領域に希望する構造の遺伝子を
導入することを特徴とする標的遺伝子置換法と、この方
法によって得られる標的遺伝子置換体胚幹細胞、および
その胚幹細胞由来のトランスジェニック動物を提供す
る。
【0017】さらにこの発明は、ゲノムDNAの任意の
遺伝子領域に突然変異配列を有する動物細胞において、
その動物細胞の突然変異遺伝子領域を2種類の異なる抗
生物質の各々に対して耐性および感受性を示す1種以上
の外来遺伝子を含有するDNA配列によって相同的に置
換し、突然変異遺伝子の正常遺伝子を組込んだDNA断
片を上記置換体細胞に導入し、置換体細胞DNAの相同
組換え配列領域を導入DNA断片によって相同的に置換
することにより、動物細胞ゲノムDNAの突然変異遺伝
子領域を正常遺伝子に置換することを特徴とする標的遺
伝子置換法をも提供する。
【0018】なおこの発明は、上記の標的遺伝子置換法
において、一方の抗生物質に対する耐性を指標として相
同組換体細胞を選択し、他方の抗生物質に対する非感受
性を指標として相同置換体細胞を選択することを好まし
い態様としてもいる。以下、この発明についてさらに詳
しく説明する。この発明の標的遺伝子置換法は、ES細
胞を対象とする場合には、まず、第1の段階としてES
細胞の任意の遺伝子領域を、2種類の異なる抗生物質の
各々に対して耐性および感受性を示す1種以上の外来遺
伝子を含有するDNA配列によって相同的に組換える。
この段階では、DNA配列中に置換を目的とする構造は
付与しない。組換え体細胞は、DNA配列中にたとえば
薬剤耐性遺伝子であるneor 遺伝子を導入した場合に
は、従来方法と同様に、抗生物質G418に対する生存
細胞として選択することができる。なお、この場合には
薬剤耐性遺伝子とともに薬剤感受性遺伝子または条件致
死遺伝子をDNA配列中に挿入するが、これらの遺伝子
は、この段階では相同組換え体の選択マーカーとして用
いない。
【0019】図1(A)は、この標的遺伝子組換え段階
における相同組換えの好ましい態様を例示した模式図で
ある。本来、G418に対して感受性を有するES細胞
は、そのゲノムDNAの任意の遺伝子領域が、neor
遺伝子とヘルペス単純ウイルスのチミジンキナーゼ遺伝
子(以下、HSV−tkと記す)を含有するDNA配列
によって相同的に組換えられると、neor 遺伝子の存
在によってG418耐性細胞へとその形質を変化させ
る。従って、G418存在下で生き残った細胞を回収す
ることによって、相同組換体細胞を選択することができ
る。
【0020】次いで、第2段階として、上記相同組換え
体細胞に、希望する構造の遺伝子を挿入した遺伝子DN
A断片を導入し、ES細胞ゲノム上の上記相同組換え領
域を、再度導入遺伝子DNA断片によって相同的に組換
える。図1(B)は、このような第2段階相同組換えの
好ましい態様を例示した模式図である。この場合に、第
1段階の相同組換えによって得られた組換え体細胞は、
そのゲノムDNA内に、HSV−tk遺伝子を保有する
ため、抗生物質であるガンシクロビル(GANC)を培
養液に添加すると、HSV−tk遺伝子の働きによって
GANCを代謝し、DNAの伸長阻害を来して死滅す
る。一方、導入遺伝子DNA断片によって相同組換えが
なされた細胞は、そのゲノム中にHSV−tk遺伝子が
もはや存在しないため、GANCの存在下でも生存し、
したがって導入遺伝子による相同置換え体のみが選択さ
れる。なお、図1(B)に示したように、この第2段階
の相同組換えによって、neor 遺伝子もES細胞中か
ら完全に排除される。
【0021】この第2段階の選択マーカー遺伝子として
は、HSV−tkのような薬剤感受性遺伝子の他に、た
とえばFAS抗原遺伝子のような条件致死遺伝子を用い
ることができる。その場合には、HSV−tk遺伝子に
対するGANCと同様の働きをする抗生物質として、抗
FAS抗体を用い、抗FAS抗体に対する非感受性細胞
(生存細胞)から相同組換え体を得ることができる。
【0022】図2は、この発明の標的遺伝子置換法にお
ける別の好ましい態様を例示した模式図である。この場
合には、まず図2(A)に示したように、大腸菌のグア
ニン・キサンチン・ヒポキサンチン・フォスフォリボシ
ル転移酵素(gpt)遺伝子をフォスフォグリセロール
遺伝子のプロモーター(PGK)に連結し、これを含有
するDNA配列と、ES細胞の標的遺伝子領域との間で
相同組換えを行なう。しかもこの場合には、ES細胞と
してヒポキサンチン・フォスフォリボツル転移酵素(h
prt)欠損株を用いる。
【0023】すなわち、生物の細胞は幾つかの経路を介
してそのそのDNAを合成しているが、hprt- 細胞
はそれらのほとんどが機能せず、唯一、イノシン5′−
一リン酸(IMP)→キサントシン5′−一リン酸(X
MP)→グアノシン5′−一リン酸(GMP)→DNA
の経路によってのみDNAを合成している。ところが、
マイコフェノリック酸(MPA)は、上記経路のIMP
→XMP間を遮断してしまうため、hprt- 細胞はM
PA存在下ではDNAを合成することができず死滅して
しまう。これに対して、gptはキサンチン(X)から
XMPへの合成を触媒するため、このgpt遺伝子を有
するhprt- ES細胞は、X→XMP→GMP→DN
Aの経路が機能し、MPA存在下でも生存することがで
きる。従って、図2(A)に示した方法では、MPA耐
性細胞を回収することによって、標的遺伝子領域がPG
K−gptを含むDNA配列に組換えられた細胞を選択
することができる。
【0024】一方、このようにgpt遺伝子を有するh
prt- 細胞は上記のとおりX→XMPの経路が機能し
ているが、この細胞を抗生物質6−チオグアニン(6−
TG)存在下で培養すると、X→XMPの経路が6−T
Gを取り込み、DNAの合成阻害を来して死滅してしま
う。そこで、図2(B)に示したように、上記組換体細
胞のgpt遺伝子を含む領域を、導入遺伝子DNA断片
によって置換え、6−TGに対して非感受性を示す細胞
を回収すれば、相同置換体細胞を容易に選択することが
できる。
【0025】このような2段階の選択によって得られる
ES細胞は、目的とする遺伝子(標的遺伝子)が、希望
する構造の遺伝子に完全に置き換えられており、しかも
選択マーカーとして用いた遺伝子(例えば、neor
伝子とHSV−tk遺伝子、またはgpt遺伝子)もそ
のゲノム中に残存しない。導入遺伝子としては、たとえ
ば標的遺伝子の点突然変異、欠失、アンチセンス、cD
NA等の各DNA配列、あるいはヒトを含めた異種動物
の相同遺伝子やそれらの各種変異配列など、あらゆる種
類の遺伝子を用いることができる。
【0026】このようにして、任意の遺伝子を希望する
構造の遺伝子に置換したES細胞は、常法に従い、胚盤
胞へ注入してキメラ動物へと個体発生させることがで
き、さらにその子孫からトランスジェニック動物を得る
ことができる。さらに、以上で述べたこの発明の標的遺
伝子置換法は、ES細胞だけではなく、ヒトを含めた哺
乳動物のあらゆる組織細胞に対しても適用することがで
きる。たとえば、何らかかの遺伝子欠損によって正常な
機能を消失している組織の細胞を取り出して、その欠損
遺伝子を正常遺伝子に置換して元の組織に戻せば、その
組織の正常な機能を回復させることができる。このよう
な応用は、現在、たとえばレトロウイルス感染細胞を用
いて行なわれている遺伝子療法の新しい有効な手段とな
る。また、たとえば癌治療等に用いられているいわゆる
ミサイル療法への応用も可能である。
【0027】以下、実施例を示して、この発明の標的遺
伝子置換法について具体的に説明する。もちろんこの発
明は、以下の例によって限定されるものでないことは言
うまでもない。
【0028】
【実施例】
実施例1 (相同組換え体ES細胞の作成)neor 遺伝子とHS
V−tk遺伝子とを組込んだ導入遺伝子DNA断片によ
ってマウスES細胞(CCEまたはE14)のp53遺
伝子を相同組換えした。
【0029】未分化の培養ES細胞(8×107 個)
に、電気穿孔法(約500μF)によって導入遺伝子D
NA断片を50μg/0. 1mlの割合で導入した。そ
の結果、全ES細胞の約30%が生存し、遺伝子導入E
S細胞が得られた。これらのES細胞を30枚のプレー
トに播き、G418を添加して7日間培養し、G418
に耐性を示す54のコロニーを得た。次いで、これらの
コロニーを個別に分離して、さらに4日間培養の後、D
NAを抽出し、サザンブロッティングによって相同組換
え体細胞を確認した。
【0030】図3は、その結果の一例であり、制限酵素
HindIII 断片のサザンブロット図(A)と、p53
遺伝子の構造を示した模式図(B)である。すなわち、
マウスp53遺伝子からは、図3(B)に示した位置の
3′プローブによって大小2つのHindIII 断片がブ
ロットされる。従って、非相同組換え体の場合には、図
3(A)のクローン1,2,4,6,9等のように大小
2つの明瞭なバンドが得られる。これに対して、その配
列中の3′末端側にHindIII 認識配列を有する導入
遺伝子によって相同組換えを起したp53遺伝子から
は、3′プローブによってさらに小さなHindIII 断
片がブロットされる。そして、そのような相同組換え遺
伝子はES細胞染色体の2倍体の一方に存在するため、
図3(A)のクローン3,5,7,8,17のように、
分子量がわずかに異なる2つの小断片のバンドが1/2
量づつ得られる。
【0031】図4(A)(B)は、同様にして、p53
遺伝子のEcoRI断片を5′プローブおよび3′プロ
ーブによってそれぞれブロットした結果と、その遺伝子
構造である。すなわち、p53遺伝子は、その両端にの
みEcoRI認識配列を有するため、非相同組換え体の
場合には、いずれのプローブによっても単一のバンドと
して検出される。一方、相同組換え体の場合には、導入
遺伝子中にEcoRI配列が存在するため、5′プロー
ブおよび3′プローブの各々によって、大小2つのバン
ドが1/2量づつ得られる。ただし、図4(A)に示し
たように、クローン32,35および42は、5′プロ
ーブによてのみ2つのバンドが検出され、3′プローブ
に対しては単一のバンドしか得られないため、相同組換
え体からは除外した。従って、このEcoRI断片のサ
ザンブロッティングからは、クローン34,36,3
7,43,51,53および54が相同組換え体として
確認され、図3に示した結果と合わせて、合計12クロ
ーンの相同組換え体細胞が得られた。 実施例2 (標的遺伝子置換体ES細胞の作成)実施例1で得た相
同組換え体ES細胞の組換え遺伝子領域(neor 遺伝
子とHSV−tk遺伝子を組込んだp53遺伝子)を、
LacZ遺伝子を組込んだ導入遺伝子DNA断片によっ
て置換した。
【0032】実施例1で得た12クローンのうちの1つ
のES細胞:PFT201(4×107 個)に、電気穿
孔法(約50μF)によって導入遺伝子DNA断片を5
0μg/0.1mlの割合で導入した。その結果、約3
0%が生存し、遺伝子導入ES細胞が得られた。これら
の細胞を30枚のプレートに播き、GANCを添加して
7日間培養し、GANCに対して耐性を示す48のコロ
ニーを得た。次いで、これらのコロニーを個別に分離し
て、さらに4日間培養の後、DNAを抽出し、サザンブ
ロッティングによって、1クローンの標的遺伝子置換体
細胞:PFZ252を得た。
【0033】また、以上の手続きを繰り返し行ったとこ
ろ、再現性よくもう1つのクローンPFZ632が得ら
れた。図5(A)は、各々、ES細胞のp53遺伝子領
域、PFT201の相同組換え領域、PFZ252およ
びPFZ632の相同置換領域から得られたEcoRI
断片のサザンブロット図であり、図5(B)はそれぞれ
の遺伝子領域の構成を示した模式図である。
【0034】すなわち、EcoRI認識部位を有するP
FT201、PFZ252・632からは5′−プロー
ブおよび3′プローブに対して各々大小2つのバンドが
得られているが、図5(B)に示したEcoRI部位の
違いによって、PFZ252・632の一方のバンドは
PFT201よりも5′断片が大きく、3′断片が小さ
い。
【0035】さらに、PFZ252および632に対す
る別のサザンブロット分析の結果、これらの標的遺伝子
領域はneor 遺伝子やHSV−tk遺伝子をプローブ
とした場合には検出されず、LacZ遺伝子をプローブ
とした時にのみ明瞭なバンドとして検出された。以上の
結果は、ES細胞のp53遺伝子が導入遺伝子によって
完全に置き換えられ、neor 遺伝子およびHSV−t
k遺伝子が除去されていることを示すものである。さら
にこれらのクローンは図6に示したように、X−gal
染色によって青く染まることから、LacZ遺伝子が正
常に機能してβ−ガラクトシターゼを発現していること
が確認された。 実施例3 (キメラマウスの作成)実施例2で得た標的遺伝子置換
体ES細胞PFZ252を、C57BL/6Jマウスの
胚盤胞へ常法により注入し、仮親マウスへ移植して個体
へと発生させた。
【0036】その結果、15匹(♂11、♀4)のキメ
ラマウスを得た。次に、これらのキメラマウスの尾部よ
り抽出したDNAをサザンブロット分析し、p53遺伝
子が目的通りlacZ遺伝子に置換されている個体を選
別し、このマウスと野生型C57BL/6Jを交配させ
て初代トランスジェニックマウス(F0 )を得た。
【0037】図7(A)は、上記キメラマウスとC57
BL/6Jの子(15匹)から抽出したDNAのサザン
ブロット分析の結果を示す。この図7から明らかなよう
に、2倍体染色体の一方にlacZ遺伝子領域が存在す
ることを示す2つのバンドを持ったDNAが、マウスN
o.1−3、6、8、11−14より得られた。さら
に、これらのF0 から上記サザンブロット分析によりト
ランズジェニックマウスであることが確認された個体
(♂、♀)を選び、これらを交配させて、第2代トラン
スジェニックマウス(F1 )を得た。
【0038】図8は、上記F0 (♂、♀)の子(15
匹)から抽出したDNAのサザンブロット分析の結果を
示す。この図8から明らかなように、トランスジェニッ
クマウス(F0 )同志の子孫(F1 )からは、lacZ
遺伝子を持たない個体(Nos.1、3、6、7、1
0、11、14)、染色体の一方にlacZ遺伝子を持
つ個体(Nos.2、8、9、12、15)、および染
色体の両方にlacZ遺伝子を持つホモ型個体(No
s.4、5)が得られた。
【0039】以上の結果から、この発明の方法によっ
て、p53遺伝子領域がlacZ遺伝子によって相同的
に置換されたマウスES細胞が得られ、このES細胞か
ら染色体の少なくとも一方にlacZ遺伝子を安定的に
組み込んだトランスジェニックマウスが得られることが
確認された。
【0040】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明の標
的遺伝子置換法によって、ES細胞の任意の遺伝子を確
実に、かつ効率よく希望する構造の遺伝子に置き換える
ことが可能となる。この方法によって得られる置換体E
S細胞由来のトランスジェニック動物は、あらゆる種類
の遺伝子発現を個体レベルで解析することを可能にす
る。また、この発明の方法を、ヒト等の体細胞に適用す
ることによって、安全で有効な遺伝子療法も可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)(B)は、各々、この発明の方法におけ
る標的遺伝子相同組換えと、その置換の一例を示した模
式図である。
【図2】(A)(B)は、各々、この発明の方法におけ
る標的遺伝子相同組換えと、その置換の別の例を示した
模式図である。
【図3】相同組換領域のHindIII 断片に対するサザ
ンブロット図(A)と、この遺伝子領域の構造を示した
模式図である。
【図4】相同組換領域のEcoRI断片に対するサザン
ブロット図(A)と、遺伝子領域の構造模式図である。
【図5】相同組換領域と相同置換領域のEcoRI断片
に対するサザンブロット図(A)と、遺伝子領域の構造
を示した模式図である。
【図6】p53遺伝子がlacZ遺伝子によって置換さ
れたES細胞をX−gal染色した顕微鏡写図である。
【図7】(A)(B)は、各々、この発明によって得ら
れたトランスジェニックマウスより抽出したDNAのサ
ザンブロット図である。
【図8】標的遺伝子導入法によるトランスジェニックマ
ウスの作成例を示した模式図である。
【図9】従来の標的遺伝子導入法における相同組換え体
の選択方法を例示した模式図である。
【図10】従来の標的遺伝子導入法における導入遺伝の
構造と、そのES細胞内での相同組換えプロセスを例示
した模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 48/00 (C12N 15/09 C12R 1:19) (C12N 15/00 A C12R 1:19)

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲノムDNAの任意の遺伝子領域が、2
    種類の異なる抗生物質の各々に対して耐性および感受性
    を示す1種以上の外来遺伝子を含有するDNA配列によ
    って相同組換えされていることを特徴とする胚幹細胞。
  2. 【請求項2】 DNA配列中の外来遺伝子が、薬剤耐性
    遺伝子と、薬剤感受性遺伝子および/または条件致死遺
    伝子である請求項1の胚幹細胞。
  3. 【請求項3】 外来の薬剤耐性遺伝子がNeo耐性遺伝
    子である請求項2の胚幹細胞。
  4. 【請求項4】 外来の薬剤感受性遺伝子がヘルペス単純
    ウイルスのチミジンキナーゼ遺伝子である請求項2の胚
    幹細胞。
  5. 【請求項5】 外来の条件致死遺伝子がFAS抗原遺伝
    子である請求項2の胚幹細胞。
  6. 【請求項6】 胚幹細胞がヒポキサンチン・フォスフォ
    リボシル転移酵素欠損株であり、DNA配列中の外来遺
    伝子が大腸菌のグアニン・キサンチン・ヒポキサンチン
    フォスフォリボシル転移酵素遺伝子である請求項1の胚
    幹細胞。
  7. 【請求項7】 ゲノムDNAの標的遺伝子領域が、2種
    類の異なる抗生物質の各々に対して耐性および感受性を
    示す1種以上の外来遺伝子を含有するDNA配列によっ
    て相同組換えされている胚幹細胞に、希望する構造の遺
    伝子を組込んだDNA断片を導入し、上記胚幹細胞DN
    Aの相同組換え配列領域を導入DNA断片によって相同
    的に置換することにより、胚幹細胞ゲノムDNAの標的
    遺伝子領域を希望する構造の遺伝子に置換することを特
    徴とする標的遺伝子置換法。
  8. 【請求項8】 一方の抗生物質に対する耐性を指標とし
    て相同組換体細胞を選択し、他方の抗生物質に対する非
    感受性を指標として相同置換体細胞を選択する請求項7
    の標的遺伝子置換法。
  9. 【請求項9】 DNA配列中の外来遺伝子が、薬剤耐性
    遺伝子と、薬剤感受性遺伝子および/または条件致死遺
    伝子である請求項7または8の標的遺伝子置換法。
  10. 【請求項10】 外来の薬剤耐性遺伝子が、Neo耐性
    遺伝子である請求項9の標的遺伝子置換法。
  11. 【請求項11】 外来の薬剤感受性遺伝子がヘルペス単
    純ウイルスのチミジンキナーゼ遺伝子である請求項9の
    標的遺伝子置換法。
  12. 【請求項12】 外来の条件致死遺伝子がFAS抗原遺
    伝子である請求項9の標的遺伝子置換法。
  13. 【請求項13】 胚幹細胞がヒポキサンチン・フォスフ
    ォリボシル転移酵素欠損株であり、DNA配列中の外来
    遺伝子が大腸菌のグアニン・キサンチン・ヒポキサンチ
    ン・フォスフォリボシル転移酵素遺伝子である請求項7
    または8の標的遺伝子置換法。
  14. 【請求項14】 請求項7から13のいずれかの方法に
    よって得られる標的遺伝子置換体胚幹細胞。
  15. 【請求項15】 請求項14の標的遺伝子置換体胚幹細
    胞由来のトランスジェニック動物。
  16. 【請求項16】 ゲノムDNAの任意の遺伝子領域に突
    然変異配列を有する動物細胞において、その動物細胞の
    突然変異遺伝子領域を、2種類の異なる抗生物質の各々
    に対して耐性および感受性を示す1種以上の外来遺伝子
    を含有するDNA配列によって相同組換えし、突然変異
    遺伝子の正常遺伝子を組込んだDNA断片を上記組換体
    細胞に導入し、組換体細胞DNAの相同組換え配列領域
    を導入DNA断片によって相同的に置換することによ
    り、動物細胞ゲノムDNAの突然変異遺伝子領域を正常
    遺伝子に置換することを特徴とする標的遺伝子置換法。
  17. 【請求項17】 一方の抗生物質に対する耐性を指標と
    して相同組換体細胞を選択し、他方の抗生物質に対する
    非感受性を指標として相同置換体細胞を選択する請求項
    16の標的遺伝子置換法。
  18. 【請求項18】 DNA配列中の外来遺伝子が、薬剤耐
    性遺伝子と、薬剤感受性遺伝子および/または条件致死
    遺伝子である請求項16または17の標的遺伝子置換
    法。
  19. 【請求項19】 外来の薬剤耐性遺伝子が、Neo耐性
    遺伝子である請求項18の標的遺伝子置換法。
  20. 【請求項20】 外来の薬剤感受性遺伝子がヘルペス単
    純ウイルスのチミジンキナーゼ遺伝子である請求項18
    の標的遺伝子置換法。
  21. 【請求項21】 外来の条件致死遺伝子がFAS抗原遺
    伝子である請求項18の標的遺伝子置換法。
  22. 【請求項22】 胚幹細胞がヒポキサンチン・フォスフ
    ォリボシル転移酵素欠損株であり、DNA配列中の外来
    遺伝子が大腸菌のグアニン・キサンチン・ヒポキサンチ
    ン・フォスフォリボシル転移酵素遺伝子である請求項1
    6または17の標的遺伝子置換法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998037757A1 (fr) * 1997-02-28 1998-09-03 Kirin Beer Kabushiki Kaisha Cellules multipotentes comprenant des genes intrinseques dissocies
JP2004501651A (ja) * 2000-06-23 2004-01-22 ノボザイムス アクティーゼルスカブ 遺伝子の安定した染色体多コピー組み込みのための方法
JP2008271865A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Research Organization Of Information & Systems 標的組換え細胞とランダム挿入細胞とを判別する方法およびその用途
CN107760714A (zh) * 2017-09-20 2018-03-06 青岛海洋生物医药研究院股份有限公司 转基因构建物及其应用

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