JPH0767399B2 - 甘蔗糖蜜中の蔗糖分の回収方法 - Google Patents

甘蔗糖蜜中の蔗糖分の回収方法

Info

Publication number
JPH0767399B2
JPH0767399B2 JP8627087A JP8627087A JPH0767399B2 JP H0767399 B2 JPH0767399 B2 JP H0767399B2 JP 8627087 A JP8627087 A JP 8627087A JP 8627087 A JP8627087 A JP 8627087A JP H0767399 B2 JPH0767399 B2 JP H0767399B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sucrose
cane molasses
molasses
sludge
sugar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8627087A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63251100A (ja
Inventor
雅夫 安藤
雅男 田村
健一 片岡
Original Assignee
三菱化成エンジニアリング株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三菱化成エンジニアリング株式会社 filed Critical 三菱化成エンジニアリング株式会社
Priority to JP8627087A priority Critical patent/JPH0767399B2/ja
Publication of JPS63251100A publication Critical patent/JPS63251100A/ja
Publication of JPH0767399B2 publication Critical patent/JPH0767399B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は甘蔗糖蜜から蔗糖分を回収する方法に関するも
のである。
〔従来の技術〕 甘蔗を原料とする製糖工業においては、通常三番糖まで
が回収され、三番糖を分蜜して得られる糖蜜は副製品と
して醗酵用原料或は飼料等に使用されている。
このような甘蔗糖蜜にはなお40〜50%程度の蔗糖分が含
有されており、この蔗糖分を回収すれば歩留りが数%〜
10%向上することが見込まれ、糖蜜からの蔗糖分の回収
は製糖業界の悲願であった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らはNa型陽イオン交換樹脂を分離剤とするクロ
マト分離法を用いて甘蔗糖蜜中の蔗糖分を回収するため
に種々検討を行なったところ、糖蜜中に多量に含有され
ているCaイオン及びMgイオンを十分に除去することがNa
型陽イオン交換樹脂の分離性能を維持するために必要で
あり、また、糖蜜中に含まれているスラッジが分離剤の
表面に沈着することを防止するためにスラッジも十分に
除去する必要があることが判った。
甘蔗糖蜜から金属イオンやスラッジを除去する方法につ
いては多数報告されているが、代表的な方法は、甘蔗糖
蜜を稀釈したのち場合によっては酸を添加して遠心分離
及び過を行なってスラッジを除去し、次いで軟化器を
通して金属イオンを除去する方法である。しかし、この
方法では軟化器の再生に酸及びアルカリを必要とするこ
と、可溶性のスラッジが軟化器内のpH変化に伴なって析
出すること、分離したスラッジを洗浄することによって
可溶性のスラッジが再溶解してプロセス水中に再循環す
ることなどの問題点があった。
最近、甘蔗糖蜜にカルシウム、バリウム又はストロンチ
ウムの塩化物を添加混合して糖蜜中のアニオンを難溶性
の塩として沈澱させて除去する方法が提案されている
(特開昭57−174100)が、この方法は電気透析法による
糖蜜の脱塩精製を前提とした前処理法であってクロマト
分離による蔗糖の回収に先立つ処理として用いるにはCa
イオン及びMgイオンの除去が不十分であり、またスラッ
ジに起因する問題点は解決されていない。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の目的は、甘蔗糖蜜中の蔗糖分をクロマト分離法
を用いて効率よく分離回収する方法を提供することにあ
り、甘蔗糖蜜中に含まれるCaイオン及びMgイオンの除去
並びにスラッジの除去のための前処理法を包含する。
本発明において使用される糖蜜は甘蔗糖製造工場で結晶
缶で分蜜して得られる甘蔗糖蜜であり、通常Caイオン及
びMgイオンを1%程度含有する。
本発明に従って甘蔗糖蜜中の蔗糖分を回収するには、ク
ロマト分離に先立って甘蔗糖蜜中に存在するこられのCa
イオン、Mgイオン及びスラッジを除去することが必要で
ある。このような不純物を除去するには、甘蔗糖蜜を水
で稀釈してブリックス度(Bx)40〜60に調整した糖液を
得、該糖液に含有されているCaイオンとMgイオンの合計
量に対して1〜3倍当量の炭酸ナトリウムおよび該糖液
に対して0.5〜3重量%の水酸化カルシウムを加えてpH
を9.0〜10.0に調整したのち、過等の固液分離操作に
より不溶分を分離する方法が採用される。このときの操
作温度は60〜90℃であることが好ましい。
甘蔗糖蜜のブリックス度の調整及び操作温度を上記範囲
とすることはいずれも被処理液の粘度を処理に好適な範
囲に保つことを目的とする。炭酸ナトリウムの添加量
は、上記範囲よりも少い場合にはCa、Mg両イオンの除去
効果が顕著に現われず、また多く使用すれば薬剤コスト
が増大する。水酸化カルシウムはpH調整およびスラッジ
生成の促進助剤として使用され、炭酸ナトリウムの使用
量が多い場合は少量の使用となり、逆に炭酸ナトリウム
の使用量が少い場合には多く使用することが必要であ
る。しかしながら、水酸化カルシウムの添加量が多すぎ
るとCaイオンが残留するので好ましくない。
pH調整を行なったのち、好ましくは十分撹拌を行なうこ
とにより、Caイオン及びMgイオンの約90%は難溶性物質
に転化され、スラッジの大部分が水不溶性となり、かつ
過性が改善される。従って、固液分離操作としては遠
心分離を行なう必要が特になく、通常の助剤過機、例
えば珪藻土をプリコートした真空過機により固形分を
別することができる。また、別して得たケーキは本
発明の処理により水不溶性となっているため、水で洗浄
して蔗糖分を回収することができる。
本発明方法において用いられる炭酸ナトリウムと水酸化
カルシウムによる前処理の効果を実証するために種々の
添加剤を用いて前処理を実施した結果を表−1に示す。
また、生成するスラッジの溶解性が薬剤処理の有無によ
り相違することを明らかにするために、次の実験を行な
った。
甘蔗糖蜜をBx40〜60に水で稀釈し、(1)薬剤処理を行
なわなかったもの、(2)原液中のCa++及びMg++に対し
て2倍当量の炭酸ナトリウムを添加処理したもの、及び
(3)原液中のCa++及びMg++に対して2倍当量の炭酸ナ
トリウム及び稀釈した糖液に対して1重量%の水酸化カ
ルシウムを添加処理したものの3種について、遠心沈降
分離して止澄液(1)とスラッジを得る。このスラッジ
に対して約2倍容量の水を加え十分撹拌混合したのち、
再度遠心沈降分離して上澄液(2)とスラッジを得る。
得られたスラッジについて同様の操作を行ない、上澄液
(3)を得る。得られた上澄液(1)〜(3)について
ブリックス度及び組成を分析した結果を表−2に示す。
表−2から明らかなように、薬剤処理を行なわない場合
及び炭酸ナトリウムのみを添加した場合はスラッジが一
部再溶解するために上澄液(2)、(3)の非糖分濃度
が高くなり蔗糖純度が低下しているが、炭酸ナトリウム
及び水酸化カルシウムを添加した場合はスラッジの再溶
解が殆どなく、上澄液(1)、(2)、(3)について
非糖分濃度、蔗糖純度が変化しない。
上記処理を行なうことによって得られた清澄液は、その
ままあるいは適宜濃度調整を行なったのち、Na型陽イオ
交換樹脂を分離剤として使用するクロマト分離法を適用
することにより、蔗糖分を収着質画分として分離取得す
ることができる。
クロマト分離の方法としては、例えば「化学工学」第45
巻、391頁(1981)に解説されており、本発明において
はいずれの方法も適用することができるが、特に擬似移
動床として知られている連続分離法或は特開昭56−3700
8号公報に開示されている回分式分離法が好適である。
〔実施例〕 次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本
発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定され
るものではない。
実施例1 甘蔗糖蜜を稀釈し、Ca++とMg++の合計量に対して2倍当
量のNa2CO3と稀釈した糖液に対して1重量%のCa(OH)
を添加混合し、セライト系珪藻土をプリコートした真
空過機で過して表−3に示す原料糖液を得た。過
は75℃、真空度−650mmHgで行ない、過速度は4.5/m
2であった。
分離剤としてNa型陽イオン交換樹脂1.36を充填した分
離カラム8本を直列、無端状に連結し、擬似移動床方式
でクロマト分離を行なった。原料糖液の供給速度0.54ml
/hr、溶離水供給速度1.36ml/hr、運転温度75℃で実施し
た。原料糖液の組成と分離の結果を表−3に示す。
比較例1 Na2CO3及びCa(OH)を添加しなかったこと以外は実施
例1と同様にして原料糖液を得た。実施例1と同様の
過条件で過速度は3.2/m2であった。
得られた原料糖液を実施例1と同一条件でクロマト分離
した。原料糖液の組成と分離の結果を表−3に示す。
参考例 過後、弱酸性陽イオン交換樹脂を充填した軟化器を流
通させて軟化処理を行なったこと以外は比較例1と同様
に原料糖液を得た。
得られた原料糖液を実施例1と同一条件でクロマト分離
した。原料糖液の組成と分離の結果を表−3に示す。
この結果から明らかな様に実施例1においては比較例1
に較べて純度収率とも著しく高い値が得られ、ほぼ軟化
処理を実施した参考例と同等であることがわかる。した
がって薬注処理により分離性能に支障を与えない程度の
Ca及びMgの除去が行なわれていると判断できる。
このことを確認するため、クロマト分離試験を行った後
の分離剤のCa及びMg量を測定した結果を表−4に示す。
分離剤に吸着されるCa及びMgは、実施例1では1.5モル
%であるのに対して、比較例1では、15モル%に達して
いる。
このため分離性能の低下が起っていると判断される。ま
た、分離剤中のCa++とMg++の割合が1.5モル%程度の場
合には実施例1のクロマト分離結果からみて全く問題な
いことがわかる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】甘蔗糖蜜をブリックス度40〜60に調整した
    原料糖液に、該糖液に含有されるカルシウムイオンとマ
    グネシウムイオンの合計量の1〜3倍当量の炭酸ナトリ
    ウムおよび該糖液に対して0.5〜3重量%の水酸化カル
    シウムを加えてpHを9.0〜10.0に調整したのち不溶分を
    分離して清澄液を得、Na型陽イオン交換樹脂を分離剤と
    して該清澄液をクロマト分離し、蔗糖分が富化された画
    分を取得することを特徴とする甘蔗糖蜜中の蔗糖分の回
    収方法。
JP8627087A 1987-04-08 1987-04-08 甘蔗糖蜜中の蔗糖分の回収方法 Expired - Lifetime JPH0767399B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8627087A JPH0767399B2 (ja) 1987-04-08 1987-04-08 甘蔗糖蜜中の蔗糖分の回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8627087A JPH0767399B2 (ja) 1987-04-08 1987-04-08 甘蔗糖蜜中の蔗糖分の回収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63251100A JPS63251100A (ja) 1988-10-18
JPH0767399B2 true JPH0767399B2 (ja) 1995-07-26

Family

ID=13882126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8627087A Expired - Lifetime JPH0767399B2 (ja) 1987-04-08 1987-04-08 甘蔗糖蜜中の蔗糖分の回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0767399B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001157599A (ja) * 1999-12-02 2001-06-12 Tsukishima Kikai Co Ltd 炭酸ソーダの添加による軟化処理を含む限外ろ過処理による甘蔗からの精製糖製造プロセス
JP2001157600A (ja) * 1999-12-02 2001-06-12 Tsukishima Kikai Co Ltd 限外ろ過処理およびクロマト分離を含む甘蔗からの直接精糖法
WO2013183617A1 (ja) * 2012-06-05 2013-12-12 東レ株式会社 糖液の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001157599A (ja) * 1999-12-02 2001-06-12 Tsukishima Kikai Co Ltd 炭酸ソーダの添加による軟化処理を含む限外ろ過処理による甘蔗からの精製糖製造プロセス
JP2001157600A (ja) * 1999-12-02 2001-06-12 Tsukishima Kikai Co Ltd 限外ろ過処理およびクロマト分離を含む甘蔗からの直接精糖法
WO2013183617A1 (ja) * 2012-06-05 2013-12-12 東レ株式会社 糖液の製造方法
JPWO2013183617A1 (ja) * 2012-06-05 2016-02-01 東レ株式会社 糖液の製造方法
US9765412B2 (en) 2012-06-05 2017-09-19 Toray Industries, Inc. Process of producing sugar solution

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63251100A (ja) 1988-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0739424B1 (en) Sugar beet juice purification process
US7226511B2 (en) Direct production of white sugar from sugarcane juice or sugar beet juice
US3698951A (en) Sugar refining
US8486473B2 (en) Compositions and processes for improving phosphatation clarification of sugar liquors and syrups
US9163292B2 (en) Compositions and process for improving carbonatation clarification of sugar liquors and syrups
US4111714A (en) Process for obtaining amino acids from the raw juices of sugar manufacture
US2388194A (en) Process for refining and purification of sugar juices
US3982956A (en) Process for the purification of impure sugar juice
JPH0767399B2 (ja) 甘蔗糖蜜中の蔗糖分の回収方法
US5454875A (en) Softening and purification of molasses or syrup
US3073725A (en) Ion exchange processes
US2391843A (en) Purification of sugar solutions
AU2012346140B2 (en) System and process for refining sugar
US3232793A (en) Raw cane sugar recovery process
JP5167448B2 (ja) 水中のカルシウムイオンとマグネシウムイオンの除去方法
RU2556894C1 (ru) Способ комплексной очистки мелассы и извлечения из нее сахарозы
Trott Clarification and decolorization processes
US2679464A (en) Carbonation process
US3954580A (en) Processes for decreasing mercury butter formation in mercury electrolytic cells
JPS59173100A (ja) サツカロ−スの回収方法
JPS5853920B2 (ja) 甘蔗糖蜜の脱塩精製法
HU176779B (hu) Eljárás cukorgyári nyerslé tisztítására közbenső analizálással

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070726

Year of fee payment: 12