JPH0766849B2 - マルチコネクタの組立装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 所定間隔に多数の接続端子を配設させ、嵌合ガイド機構
を備えて相手とコネクタ接続を行わせるマルチコネクタ
の組立装置に関し、 マルチコネクタの接続端子をハウジングへ挿入させる自
動組立装置の提供を目的とし、 絶縁体のハウジングに所定間隔に多数の接続端子を配設
するマルチコネクタの組立装置において、薄金属帯にプ
レス加工を行い、一端をタイバに繋がれ、所定間隔に配
設成型された同形の多数の接続端子と、絶縁体のハウジ
ングに対向して、タイバ側の所定挿入数分の長さを対向
平面にてクランプさせ、接続端子の方向に所定距離方向
のクランパと、接続端子間の隙間より挿入許容誤差分細
めた櫛歯を、接続端子の間隔に直線状に配設し、櫛歯方
向及び直角に所定距離可動の下整列ヘッドと、下整列ヘ
ッドと同様に櫛歯を配設し、櫛歯の方向にのみ所定距離
可動の上整列ヘッドと、ハウジングを固定させ、前記ク
ランパ、下整列ヘッド及び上整列ヘッドを所定プログラ
ムに従い可動させる、駆動源を備える本体とから構成さ
れ、接続端子をクランパにてクランプの後、下整列ヘッ
ドを可動させて接続端子の下半領域での矯正を行い、次
に上整列ヘッドで上半領域の矯正を行って、プレス加工
により生じた反りを有する接続端子を挿入許容位置内に
抑え込み、最後にそのままクランパを前進させて、一度
に所定数の接続端子をハウジングに挿入させるように構
成する。

〔産業上の利用分野〕

本発明は、所定間隔に多数の接続端子を配設させ、嵌合
ガイド機構を備えて相手とコネクタ接続を行わせるマル
チコネクタの組立装置に関する。

一般に、マルチコネクタは、ハウジングとなるモールド
部品と、接続端子となる加工部品とから構成される。

接続端子は、片端部をコネクタ接触部とし、他端部を配
線接続部とし一緒に構成され、コネクタ接触部は高精度
に成形され、且つ、ハウジングにより正確な位置に収容
されることが必要となる。このため、高精度のプレス加
工により、複雑な成形がなされ、これを変形させること
なく、効率よくハウジングに装着させることが要望され
る。

〔従来の技術〕

第４図（ａ）に接続端子の一例の斜視図、同図（ｂ）に
同反り拡大図を示す。

マルチコネクタの接続端子１は、同一形状のものを多数
使用し、電気的に接続抵抗を下げ、且つ、小挿抜力で高
信頼接触、長寿命を保たせるために、電気抵抗が小さく
耐蝕性が有り長寿命の銅合金、ステンレス材等が用いら
れ、特に雌形状の接触部には、薄帯材を順送りプレス
で、型抜き、曲げ及び切断の総ての加工を行わせ、一例
として第４図（ａ）のような、接続端子１を得ている。

接続端子１は、金属帯の片側のタイバ２に一端を繋げて
残し、所定間隔に成型されており、個々に切り離されな
いので、幾工程もの加工の繰り返しが効率良く行え、且
つ自動生産化も容易となる。

かくして、プレス加工にて生産された接続端子１は、第
４図（ｂ）に示すように、若干の反りと曲がりを生じて
いる。

この反りと曲がりは、詳しくは、接続端子１の先端の位
置で、タイバ２と同方向のＸ軸方向ずれ、これと垂直な
Ｙ軸方向ずれ、及び接続端子１の方向を軸とした捩じれ
の各成分を合成したもので顕れる。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、 最近の小形、高密度化されたマルチコネクタにおい
ては、プレス加工された接続端子１をハジングに挿入装
着させるのは、前記の加工反りや曲がり、捩じれにより
自動挿入は困難となり、人手にて挿入しており、効率化
が図れない。

タイバ２に繋がる複数の接続端子１を、ハウジング
の端部から順に指先で導き挿入させて行くので、接触部
を変形させる恐れがある。

等の問題点がある。

本発明は、かかる問題点に鑑み、マルチコネクタの接続
端子をハウジングへ挿入させる自動組立装置の提供を目
的としたものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記問題点は、第１図の原理図に示す如く、 （１）絶縁体のハウジングに所定間隔に多数の接続端子
を配設するマルチコネクタの組立装置において、薄金属
帯にプレス加工を行い、一端をタイバ２に繋がれ、所定
間隔に配設成型された同形の多数の接続端子１と、絶縁
体のハウジング３に対向して、タイバ２側の所定挿入数
分の長さを対向平面にてクランプさせ、接続端子１の方
向に所定距離可動のクランパ４と、接続端子１間の隙間
より挿入許容誤差分細めた櫛歯51を、接続端子１の間隔
に直線状に配設し、櫛歯51方向及び直角に所定距離可動
の下整列ヘッド５と、下整列ヘッド５と同様に櫛歯61を
配設し、櫛歯61の方向にのみ所定距離可動の上整列ヘッ
ド６と、ハウジング３を固定させ、前記クランプ４、下
整列ヘッド５及び上整列ヘッド６を所定プログラムに従
い可動させる、駆動源を備える本体９とから構成され、
接続端子１をクランパ４にてクランプの後、下整列ヘッ
ド５を可動させて接続端子１の下半領域での矯正を行
い、次に上整列ヘッド６で上半領域の矯正を行って、プ
レス加工により生じた反りを有する接続端子１を挿入許
容位置内に抑え込み、最後にそのままクランパ４を前進
させて、一度に所定数の接続端子１をハウジング３に挿
入させる、本発明のマルチコネクタの組立装置。

（２） 下整列ヘッド55の可動を櫛歯52方向のみとし、
上整列ヘッド65の可動を櫛歯62方向及び直角方向とし、
接続端子１の矯正可動順序を上整列ヘッド65の次に下整
列ヘッド55にて行わせる、上記のものと逆にした、上記
（１）項記載のマルチコネクタの組立装置。

により解決される。

〔作 用〕

即ち、接続端子の先端位置を各整列ヘッドの櫛歯で、所
定数を一斉に矯正させるので、容易に挿入が出来、目的
が適えられる。

前記の第４図（ｂ）接続端子の反り拡大図に示す如く、
タイバ２に一端を繋がれた接続端子１の先端は、タイバ
２と同方向のＸ軸方向ずれと、これと垂直な板厚方向の
Ｙ軸方向ずれと、接続端子１の方向を軸とした捩じれが
生じている。

この接続端子１の先端を、ハウジング３の挿入口31に対
して挿入可能の許容範囲内に位置させる必要があり、こ
のため、第１図（ａ）に示す如く、 捩じれは、クランパ４で根元を平面でクランプする
ことにより、許容範囲に抑えられる。

下半領域のＸ軸及びＹ軸方向のずれは、接続端子１
の根元近くで、櫛歯51をＹ軸方向としタイバ２と平行と
した下整列ヘッド５を、下から上にＹ軸方向に動かし、
櫛歯51の根元53がハウジング３の挿入口31の下面と同位
置まで上昇させれば、接続端子１を各櫛歯51の間に捕ら
え、更に、挿入口31に向けて直角に所定距離を前進させ
ることにより、少なくとも下半領域にあった先端は所定
範囲内に矯正されると共に、Ｘ軸方向の反りは全数取り
除かれる。

更に、上半領域のＹ軸方向の反りを上整列ヘッド６
の動きで矯正する。

接続端子１の先端近くで上記下整列ヘッド５と差し違え
るように上半領域に上整列ヘッド６をセットし、根元63
が挿入口31の上面と同位置まで下降させれば、上半領域
の接続端子１は各櫛歯61の間と根元63の空間に押し込め
られて矯正され、挿入口31への挿入範囲内に位置させら
れる。

以上の如く、最終的には、下整列ヘッド５と、これ
と差し違えの上整列ヘッド６との、各櫛歯51,61及び根
元53,63により囲まれた空間に、接続端子１の先端を強
制的に押し込めて、反りを矯正させてから、クランパ４
をハウジング３に向けて前進させれば、クランプされて
反りを矯正された所定数の接続端子１を、一度に挿入口
31に挿入することが出来る。

又、第１図（ｂ）の如く、上記のものと各整列ヘッドの
動きを逆にして、接続端子１をクランプした後に、上整
列ヘッド65を降下させてから直角にハウジング３側に前
進させて、先に上半領域の接続端子１を矯正し、次に、
下整列ヘッド65を下から差し違えに上昇させて、下半領
域の接続端子１を矯正して、挿入口31に挿入させるもの
でも、全く同様に成し得る。

かくして、マルチコネクタの接続端子をハウジングへ挿
入させる自動組立装置の提供が可能となり、櫛歯の角部
を丸め且つ移動速度を抑えて、接続端子を変形させる恐
れもなく効率化を図ることがで出来る。

〔実施例〕

以下図面に示す実施例によって本発明を具体的に説明す
る。全図を通し同一符号は同一対象物を示す。第２図
（ａ）に本発明の一実施例の組立装置の側面図、同図
（ｂ）に同整列ヘッドの正面拡大図、第３図に本発明の
他の実施例の側面部分図を示し、前記第４図の接続端子
の一例も参照されたい。

本実施例は、接続端子１は前記の第４図に示す如く、厚
0.3×幅30mmのステンレス薄帯材をプレス加工して、片
側の幅5mmのタイバ２に一端を繋げて2.54mm間隔に、先
端部長さ約15mmに同形に多数連続して接続端子１が成形
されている。

この接続端子１を、合成樹脂のモールド成型になるハウ
ジング３に挿入装着させてマルチコネクタが組立られ、
ハウジング３は、接続端子１を2.54mm間隔にＮ個を一列
に並べ、Ｍ列を配設しており、系列としてＮ、Ｍは数種
類設けてある。

このハウジング３の挿入口31への接続端子１の挿入は、
そのままでは反りや曲がり、捩じれのために困難で、人
手によっていたのを、これを矯正して挿入する自動装置
化を実施した。

装置は第２図（ａ）の側面図に示す如くで、ベースとな
る本体９の上に直線水平移動可能に取付けたクランパ４
と、クランパ４に対向してハウジング３を固定させる固
定部91と、固定部91の近くの本体９の上部及び下部に、
櫛歯51,61を垂直方向に互いに差し違いに向き合わせて
セットされた、上整列ヘッド６及び下整列ヘッド５とか
ら構成される。

クランパ４は、本体９の直線水平凹部に填まった可動の
先端部をクランプ面43とした下クランパ41と、この下ク
ランパ41の上で片端部をクランプ面44とし、他端部を下
クランパ41に固定した縦シリンダ45のロッドに接続さ
せ、中央部を軸支させて回動可能とした上クランパ42
と、下クランパ41の上に固定された横シリンダ46とから
成る。

更に、本体９には、同一駆動軸に固定されたカム群92
と、これに連動するリンク機構とを備えている。

リンク93は下クランパ41の延長後部に結合してあり、リ
ンク94,95は下整列ヘッド５に連結して、垂直方向及び
水平方向の動きを与えており、リンク96,97は上整列ヘ
ッド６の垂直方向の動きを規制している。

本挿入装置の動作は、図中○印数字の順にその矢印の動
きの如く動作するもので、 接続端子１がクランパ４の所定位置に載置される
と、縦シリンダ45が動作して上クランパ42回動して、ク
ランプ面43,44で接続端子１の挿入全数をクランプす
る。

カム群92の回転でリンク93が動作して、下クランパ
41を固定されたハウジング３に向けて前進させ、接続端
子１の先端が挿入口の手前迄来させる。

カム群92の回転でリンク94が働き、下整列ヘッド５
を所定位置まで上昇させ下半領域の接続端子１を櫛歯の
間の根元に捕られ、更に、リンク95の動作で、引続き下
整列ヘッド５を挿入口側に直線移動させて、矯正させ
る。

次に、カム群92の回転でリンク96が働き、連動して
リンク97が動作して、上整列ヘッド６を所定位置まで垂
直降下させて、上半領域の接続端子１の先端を矯正し、
ハウジング３の挿入口の挿入許容範囲内に位置される。

このまま、カム群92の回転でリンク93をもう少し効
かせて、クランパ４を少し前進させ、接続端子１の先端
が挿入口に約1mm挿入され頭を突っ込んだ状態とする。

このまま全挿入させると、クランパ４の前部が下整列ヘ
ッド５に突き当ったり、挿入速度が早過ぎて接続端子１
の当たり部分を変形させるれがあるので行わない。

次に、カム群92の回転でリンク94,94を戻しさせ
て、下整列ヘッド５を下降、後退させて元の位置に戻
す。

クランパ４で、縦シリンダ45を戻し接続端子１のク
ランプを解く。

次に、横シリンダ46を動作させてヘッドでタイバ２
の縁をゆっくり押して、接続端子１を所定位置迄挿入さ
せる。この時、挿入抵抗力を監視しており、異常に増大
した場合は挿入を停止させ、警報を発するようにしてあ
る。

完全に挿入後、カム群92の回転でリンク96,97を元
に戻させ、上整列ヘッド６を上昇させて元の位置に戻ら
せる。

同時に、カム群92の回転でリンク93を元に戻させ、
クランパ４を元の位置に戻す。

と共に、横シリンダ46を戻し、ヘッドを元の位置に
戻される。

最後に、接続端子１が挿入されたハウジング３を固定部
91から解いて取り出す。

以上の動作を繰り返もので、一度に一列、32個の接続端
子１を自動挿入させている。

又、他の実施例として、第３図に示す如く、前記一実施
例と同様な機構を用いて、異なる部分のみを示したもの
で、上整列ヘッド65の動きを前記の垂直方向のみに加え
て水平方向も可能とし、下整列ヘッド55は逆に垂直方向
のみの動きとし、上整列ヘッド65にの動作を、下整
列ヘッド55にはの動作を、上下逆作用にて行わせる
ことにより、他の部分は総て同一のもので同様な作用と
効果を得ることが出来る。

又、接続端子１は第４図に示す形状、寸法に限定するも
のではなく、片端がタイバ２に繋がれた板状の成形品で
あれば差支えなく、各部の待機位置、動作範囲を接続端
子１に合わせてセットさせれば、同様に挿入組立させる
ことは出来る。

上記実施例は一例であり、クランパ４、上整列ヘッド5,
55及び下整列ヘッド6,65の駆動機構は、上記のものに限
定するものではなく、カム群92とリンク機構の代わり
に、プログラム制御された駆動源、例えば、シリンダ群
等で駆動させても差支えない。

〔発明の効果〕

以上の如く、本発明により、マルチコネクタの接続端子
をハウジングへ挿入させる自動組立装置が得られ、従来
例の人手挿入のための反り具合による時間のバラツキも
無く、挿入時間は数分の一に短縮され、且つ、接続端子
を変形させる恐れも皆無となり、品質の向上、効率化が
図れ、その効果は著しい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の原理図、 第２図は本発明の一実施例の組立装置、 第３図は本発明の他の実施例の側面部分図、 第４図は接続端子の一例である。 図において、 １は接続端子、２はタイバ、 ３はハウジング、４はクランパ、 5,55は下整列ヘッド、6,65は上整列ヘッド、 ９は本体、31は挿入口、 41は下クランパ、42は上クランパ、 43,44はクランプ面、45は縦シリンダ、 46は横シリンダ、51,52,61,62は櫛歯、 53,63は根元、91は固定部、 92はカム群、93〜97はリンクである。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】絶縁体のハウジングに所定間隔に多数の接
   続端子を配設するマルチコネクタの組立装置において、 薄金属帯にプレス加工を行い、一端をタイバ（２）に繋
   がれ、所定間隔に配設成型された同形の多数の接続端子
   （１）と、 絶縁体のハウジング（３）に対向して、該タイバ（２）
   側の所定挿入数分の長さを対向平面にてクランプさせ、
   該接続端子（１）の方向に所定距離可動のクランパ
   （４）と、 該接続端子（１）間の隙間より挿入許容誤差分細めた櫛
   歯（51）を、該接続端子（１）の間隔に直線状に配設
   し、該櫛歯（51）方向及び直角に所定距離可動の下整列
   ヘッド（５）と、 該下整列ヘッド（５）と同様に櫛歯（61）を配設し、該
   櫛歯（61）の方向にのみ所定距離可動の上整列ヘッド
   （６）と、 該ハウジング（３）を固定させ、前記クランパ（４）、
   下整列ヘッド（５）及び上整列ヘッド（６）を所定プロ
   グラムに従い可動させる、駆動源を備える本体（９）と
   から構成され、 該接続端子（１）を該クランパ（４）にてクランプの
   後、該下整列ヘッド（５）を可動させて該接続端子
   （１）の下半領域での矯正を行い、次に該上整列ヘッド
   （６）で上半領域の矯正を行って、プレス加工により生
   じた反りを有する該接続端子（１）を挿入許容位置内に
   抑え込み、最後にそのまま該クランパ（４）を前進させ
   て、一度に所定数の該接続端子（１）を該ハウジング
   （３）に挿入させることを特徴とするマルチコネクタの
   組立装置。
2. 【請求項２】下整列ヘッド（55）の可動を櫛歯（52）方
   向のみとし、上整列ヘッド（65）の可動を櫛歯（62）方
   向及び直角方向とし、接続端子（１）の矯正可動順序を
   上整列ヘッド（65）の次に下整列ヘッド（55）にて行わ
   せる、前記のものと逆にしたことを特徴とする、前記第
   １請求項記載のマルチコネクタの組立装置。