JPH0766749B2 - 超高周波電子管 - Google Patents
超高周波電子管Info
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- JPH0766749B2 JPH0766749B2 JP11524785A JP11524785A JPH0766749B2 JP H0766749 B2 JPH0766749 B2 JP H0766749B2 JP 11524785 A JP11524785 A JP 11524785A JP 11524785 A JP11524785 A JP 11524785A JP H0766749 B2 JPH0766749 B2 JP H0766749B2
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- Japan
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- electric field
- electron
- electron beam
- cavity resonator
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Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、超高周波電子管に係わり、とくに直流磁界中
を螺旋運動する電子ビームと空胴共振器又は導波管内の
TEモード電磁波との相互作用によってマイクロ波乃至サ
ブミリ波帯の電磁波の発生、増幅動作をする電子管に関
する。
を螺旋運動する電子ビームと空胴共振器又は導波管内の
TEモード電磁波との相互作用によってマイクロ波乃至サ
ブミリ波帯の電磁波の発生、増幅動作をする電子管に関
する。
この種電子管としては、これまでペニオトロンが知られ
ている。このペニオトロンは、例えば特公昭45-35334号
公報に開示されているように、直流磁界中を螺旋運動す
る電子ビームと、ダブルリッジ対導波管の高周波回路を
伝搬する電磁波との相互作用による位相分離効果に基き
電磁波の増幅、あるいは発振動作をする電子管である。
ペニオトロンでは、位相分離効果により電子ビームが全
て電磁波の減速電界に捕捉されるので、電子ビームから
電磁波へのエネルギーの変換効率は原理的に高い値が期
待できる。またこれは、電子ビームの螺旋運動のサイク
ロトロン角周波数ωcの高調波と電磁波との相互作用を
利用することにより、直流磁界の強度を下げることがで
きる利点がある。しかし、高周波回路としてダブルリッ
ジ対導波管を採用しているため、リッジ部分の高周波電
界強度の点からも耐電力が制約されるので、これまでに
実現されている管の出力電力は、数KWレベルどまりであ
る。
ている。このペニオトロンは、例えば特公昭45-35334号
公報に開示されているように、直流磁界中を螺旋運動す
る電子ビームと、ダブルリッジ対導波管の高周波回路を
伝搬する電磁波との相互作用による位相分離効果に基き
電磁波の増幅、あるいは発振動作をする電子管である。
ペニオトロンでは、位相分離効果により電子ビームが全
て電磁波の減速電界に捕捉されるので、電子ビームから
電磁波へのエネルギーの変換効率は原理的に高い値が期
待できる。またこれは、電子ビームの螺旋運動のサイク
ロトロン角周波数ωcの高調波と電磁波との相互作用を
利用することにより、直流磁界の強度を下げることがで
きる利点がある。しかし、高周波回路としてダブルリッ
ジ対導波管を採用しているため、リッジ部分の高周波電
界強度の点からも耐電力が制約されるので、これまでに
実現されている管の出力電力は、数KWレベルどまりであ
る。
本発明の目的は、上述のペニオトロンの特長である高効
率性を継承するとともに、大出力化のためには障害とな
るダブルリッジ対を不要としてマイクロ波乃至サブミリ
波帯の高効率、大出力動作が得られる超高周波電子管を
提供することにある。
率性を継承するとともに、大出力化のためには障害とな
るダブルリッジ対を不要としてマイクロ波乃至サブミリ
波帯の高効率、大出力動作が得られる超高周波電子管を
提供することにある。
本発明は、空胴共振器又は導波管のTEモード電磁波の電
界が空間的に最小となる位置で高周波磁界が小さくなる
分布を有するようにし、そして相互作用領域で、直流磁
界によって定まるサイクロトロン角周波数で螺旋運動を
する電子ビームの螺旋運動中心軸が、前記TEモード電磁
波の電界が最小となる位置又はその近傍となるように構
成した超高周波電子管である。
界が空間的に最小となる位置で高周波磁界が小さくなる
分布を有するようにし、そして相互作用領域で、直流磁
界によって定まるサイクロトロン角周波数で螺旋運動を
する電子ビームの螺旋運動中心軸が、前記TEモード電磁
波の電界が最小となる位置又はその近傍となるように構
成した超高周波電子管である。
これによってより一層大電力で高効率動作を実現するこ
とができる。
とができる。
以下図面を参照してその実施例を説明する。なお同一部
分は同一符号であらわす。
分は同一符号であらわす。
第1図は本発明の実施例の電子管を示す概略図である。
これは、管軸zに沿って組立てられた電子銃構体11、電
子ビーム導入部12、径小なカットオフ部13、横断面が正
方形または矩形導波管からなる空胴共振器14、出力結合
部15、コレクタ部16、気密接合された誘電体からなる出
力窓17、出力導波管18、およびソレノイド19、20、21を
有する。電子銃構体11は、カソード22、加速陽極23を備
え、中空の電子ビームeを放出する。ソレノイド20、21
は、電子銃構体近傍のまわりに設置されており中空電子
ビームeを管中心軸(z軸)のまわりの螺旋運動に変換
するための所定強度の直流磁界を発生させる。ソレノイ
ド19は、高周波回路部に管軸z方向にほぼ平行な所定強
度の直流磁界を発生し、電子ビームeを所定周期で螺旋
運動させる。そこで、空胴共振器14は、この電子管の動
作周波数において矩形TE111モードで共振するようにな
っている。なおその上流すなわち電子銃構体側のカット
オフ部13およびコレクタ部16は、TE11モードの伝搬を阻
止するように内径が小さく形成されている。なお、コレ
クタ側には結合部を設けずに、TE11モードの高周波が伝
搬できるようその内径を大きく形成することも可能であ
る。
これは、管軸zに沿って組立てられた電子銃構体11、電
子ビーム導入部12、径小なカットオフ部13、横断面が正
方形または矩形導波管からなる空胴共振器14、出力結合
部15、コレクタ部16、気密接合された誘電体からなる出
力窓17、出力導波管18、およびソレノイド19、20、21を
有する。電子銃構体11は、カソード22、加速陽極23を備
え、中空の電子ビームeを放出する。ソレノイド20、21
は、電子銃構体近傍のまわりに設置されており中空電子
ビームeを管中心軸(z軸)のまわりの螺旋運動に変換
するための所定強度の直流磁界を発生させる。ソレノイ
ド19は、高周波回路部に管軸z方向にほぼ平行な所定強
度の直流磁界を発生し、電子ビームeを所定周期で螺旋
運動させる。そこで、空胴共振器14は、この電子管の動
作周波数において矩形TE111モードで共振するようにな
っている。なおその上流すなわち電子銃構体側のカット
オフ部13およびコレクタ部16は、TE11モードの伝搬を阻
止するように内径が小さく形成されている。なお、コレ
クタ側には結合部を設けずに、TE11モードの高周波が伝
搬できるようその内径を大きく形成することも可能であ
る。
さて、空胴共振器14内の相互作用領域においては、TE
111モードの動作角周波数ω0に対して電子ビームeの
螺旋運動のサイクロトロン角周波数ωcが次の(A)式
を満足するように磁界強度が調整された最も簡単な場合
について説明する。
111モードの動作角周波数ω0に対して電子ビームeの
螺旋運動のサイクロトロン角周波数ωcが次の(A)式
を満足するように磁界強度が調整された最も簡単な場合
について説明する。
ω0ωc ……(A) それによって、電子ビームeと空胴共振器14のTE111モ
ード電磁波との間に強い相互作用が生じ、電子ビームe
の運動エネルギーが電磁波エネルギーに変換される。そ
してこの空胴共振器14で発生した電磁波は、出力結合部
15、出力窓17を通り出力導波管18により外部の負荷へ導
かれる。
ード電磁波との間に強い相互作用が生じ、電子ビームe
の運動エネルギーが電磁波エネルギーに変換される。そ
してこの空胴共振器14で発生した電磁波は、出力結合部
15、出力窓17を通り出力導波管18により外部の負荷へ導
かれる。
空胴共振器14の領域においては、第2図に示すようなTE
111モードの電界(矢印)の分布と電子ビームeとの配
置関係を有している。すなわち、矩形TE111モードは、
第1電界Eaと第3電界Ecとが空間的に逆方向を向いてい
る。同様に第2電界Ebと第4電界Edとが逆方向を向いて
いる。こうしてこの空胴共振器は、TEモード電磁波の電
界の大きさが空間的に中心軸部で最小となる分布を有す
るとともに、この電界の最小となる位置で高周波磁界
(点線)が小さくなる分布を有している。そして電子ビ
ームeは、そのサイクロトロン角周波数での螺旋運動の
中心軸Oがこの空胴共振器14の軸中心(管軸zに相当)
に一致、またはその近傍に位置するようになっている。
111モードの電界(矢印)の分布と電子ビームeとの配
置関係を有している。すなわち、矩形TE111モードは、
第1電界Eaと第3電界Ecとが空間的に逆方向を向いてい
る。同様に第2電界Ebと第4電界Edとが逆方向を向いて
いる。こうしてこの空胴共振器は、TEモード電磁波の電
界の大きさが空間的に中心軸部で最小となる分布を有す
るとともに、この電界の最小となる位置で高周波磁界
(点線)が小さくなる分布を有している。そして電子ビ
ームeは、そのサイクロトロン角周波数での螺旋運動の
中心軸Oがこの空胴共振器14の軸中心(管軸zに相当)
に一致、またはその近傍に位置するようになっている。
空胴共振器14内のTE111モードの電界強度は、共振器の
対角方向の変化が第3図に示す曲線Pのように中心軸が
離れるにしたがって強くなる分布になっている。すなわ
ち、電子ビームeの螺旋運動部分における電界強度分布
は、螺旋運動中心軸Oから遠ざかるにしたがいその絶対
値がともに大きくなっている。また高周波磁界の強度分
布もまたこの電子ビームの螺旋運動の中心部分で最小と
なっている。そしれこれに対して電子ビームeは同図に
示すように中心軸領域に位置する。なおEx、Eyは対角軸
に沿った電界強度分布のX成分およびY成分をあらわし
ている。
対角方向の変化が第3図に示す曲線Pのように中心軸が
離れるにしたがって強くなる分布になっている。すなわ
ち、電子ビームeの螺旋運動部分における電界強度分布
は、螺旋運動中心軸Oから遠ざかるにしたがいその絶対
値がともに大きくなっている。また高周波磁界の強度分
布もまたこの電子ビームの螺旋運動の中心部分で最小と
なっている。そしれこれに対して電子ビームeは同図に
示すように中心軸領域に位置する。なおEx、Eyは対角軸
に沿った電界強度分布のX成分およびY成分をあらわし
ている。
このような強度分布をもつ高周波電界と螺旋運動する電
子ビームとの間の関係は、まず最初に図の右側すなわち
第1電界Eaの領域において減速位相を経験するような電
子を考えると、この領域ではその電子の回転半径を減じ
且つ回転中心即ちその電子の螺旋運動中心軸を第1電界
側に移動して図の左側すなわち第3電界Ec領域に流入す
ることになる。いま、(A)式の条件が成立していれ
ば、第3電界側においてこの電子が経験するのは加速位
相であるが、先の回転半径の減少と回転中心の移動のた
め、第1電界側よりは電界強度の低い部分で加速位相を
みることになる。したがって1回転当りについてみれ
ば、この電子は電磁波にその運動エネルギーを与えてい
ることになる。しかも、第3電界側における加速によっ
てもこの電子の回転中心は第1電界側に移動するので、
以降の回転ではますます第1電界側における減速の効果
が優勢になり、遂には第3電界側に流入することなく第
1電界側でその運動エネルギーを電磁波に与えていくよ
うになる。
子ビームとの間の関係は、まず最初に図の右側すなわち
第1電界Eaの領域において減速位相を経験するような電
子を考えると、この領域ではその電子の回転半径を減じ
且つ回転中心即ちその電子の螺旋運動中心軸を第1電界
側に移動して図の左側すなわち第3電界Ec領域に流入す
ることになる。いま、(A)式の条件が成立していれ
ば、第3電界側においてこの電子が経験するのは加速位
相であるが、先の回転半径の減少と回転中心の移動のた
め、第1電界側よりは電界強度の低い部分で加速位相を
みることになる。したがって1回転当りについてみれ
ば、この電子は電磁波にその運動エネルギーを与えてい
ることになる。しかも、第3電界側における加速によっ
てもこの電子の回転中心は第1電界側に移動するので、
以降の回転ではますます第1電界側における減速の効果
が優勢になり、遂には第3電界側に流入することなく第
1電界側でその運動エネルギーを電磁波に与えていくよ
うになる。
一方、最初の電界空間への入射時に第1電界側で加速位
相を経験するような電子についても、前述の過程が逆転
するのみで第3電界側における減速の効果が第1電界側
のそれより大きくなり、1回転当りでは同様に運動エネ
ルギーを電磁波に与え、最終的には第3電界側にまつわ
りつくようになる。以上が第1電界側および第3電界側
の作用のみを考えたときのペニオトロン動作の定性的説
明であるが、本発明の構成では、この他に第2電界Eb
側、第4電界Ed側の作用が加わる。すなわちまず、第3
図において螺旋運動する電子がその接線方向に最大電界
を経験する第1電界側の位置a点から任意の電界位相θ
を見て出発する電子について考える。この電子はa点に
おいて、その回転方向に電界から -qE0cosθ の力を受ける。ここで、qは電子の電荷、E0はa点の第
1電界強度である。この電子は、1/4回転後第2電界側
に入り、第2電界からその回転方向に -qE0sinθ の力を受ける。したがって、1回転後の電子の回転中心
の移動と回転半径の増減の方向は、前述の第1、第3電
界側の作用のみを考えたときと異なり、ほぼ上記両電界
方向の合成方向に位置する。この電子が再びa点近傍に
戻ってきたとき、第1電界側がペニオトロン動作に寄与
する電子の回転中心の対角線上の移動は全体の回転中心
の移動のcosθ倍であり、また第2電界側に戻ってきた
ときにはそのsinθ倍である。ペニオトロン動作は、前
述したように回転中心の移動および回転半径の減少とこ
の変化を強め合う電界との相乗効果によって生ずる。し
たがって、ペニオトロン動作におよぼす第1乃至第4電
界の寄与は次式で与えられる。
相を経験するような電子についても、前述の過程が逆転
するのみで第3電界側における減速の効果が第1電界側
のそれより大きくなり、1回転当りでは同様に運動エネ
ルギーを電磁波に与え、最終的には第3電界側にまつわ
りつくようになる。以上が第1電界側および第3電界側
の作用のみを考えたときのペニオトロン動作の定性的説
明であるが、本発明の構成では、この他に第2電界Eb
側、第4電界Ed側の作用が加わる。すなわちまず、第3
図において螺旋運動する電子がその接線方向に最大電界
を経験する第1電界側の位置a点から任意の電界位相θ
を見て出発する電子について考える。この電子はa点に
おいて、その回転方向に電界から -qE0cosθ の力を受ける。ここで、qは電子の電荷、E0はa点の第
1電界強度である。この電子は、1/4回転後第2電界側
に入り、第2電界からその回転方向に -qE0sinθ の力を受ける。したがって、1回転後の電子の回転中心
の移動と回転半径の増減の方向は、前述の第1、第3電
界側の作用のみを考えたときと異なり、ほぼ上記両電界
方向の合成方向に位置する。この電子が再びa点近傍に
戻ってきたとき、第1電界側がペニオトロン動作に寄与
する電子の回転中心の対角線上の移動は全体の回転中心
の移動のcosθ倍であり、また第2電界側に戻ってきた
ときにはそのsinθ倍である。ペニオトロン動作は、前
述したように回転中心の移動および回転半径の減少とこ
の変化を強め合う電界との相乗効果によって生ずる。し
たがって、ペニオトロン動作におよぼす第1乃至第4電
界の寄与は次式で与えられる。
−q(E0cosθ・cosθ+E0sinθ・sinθ) =-qE0 ……(B) この(B)式は、入射電子ビームeが個々の電子の電界
空間への入射位相によらず、等しくペニオトロン動作に
寄与することを意味している。すなわち、全ての電子が
ほぼ同等にその運動エネルギーを電磁波に与え、電磁波
の増幅に寄与することになる。このことが本発明電子管
がとくに高効率の期待できる理由である。
空間への入射位相によらず、等しくペニオトロン動作に
寄与することを意味している。すなわち、全ての電子が
ほぼ同等にその運動エネルギーを電磁波に与え、電磁波
の増幅に寄与することになる。このことが本発明電子管
がとくに高効率の期待できる理由である。
一方、電子が螺旋運動する空間の高周波磁界強度も小さ
いのでその動きが妨げられず、したがって電子から電磁
波への強いエネルギー変換作用が得られる。
いのでその動きが妨げられず、したがって電子から電磁
波への強いエネルギー変換作用が得られる。
このように本発明の構成では、通常の進行波管やジャイ
ロトロンの動作機構のように電磁波からエネルギーを受
取るような好ましくない電子はまったく存在せず、且つ
全ての電子がその運動エネルギーを電磁界に与えること
になり、より一層高い変換効率が得られる。
ロトロンの動作機構のように電磁波からエネルギーを受
取るような好ましくない電子はまったく存在せず、且つ
全ての電子がその運動エネルギーを電磁界に与えること
になり、より一層高い変換効率が得られる。
第4図に本発明電子管のTE111モード空胴共振器中の電
子の運動軌跡の計算機シミュレーション結果の一例を示
す。同図の(1)乃至(12)は各々、電子の入射位相を
0からπまで変えた12個のモデルについて示したもので
ある。同図から、前述したようにすべての位相の電子
が、しだいに回転中心を管中心軸zから外方向に移しな
がらその運動エネルギーを電磁波に与えてその回転半径
を減じていることが理解されよう。
子の運動軌跡の計算機シミュレーション結果の一例を示
す。同図の(1)乃至(12)は各々、電子の入射位相を
0からπまで変えた12個のモデルについて示したもので
ある。同図から、前述したようにすべての位相の電子
が、しだいに回転中心を管中心軸zから外方向に移しな
がらその運動エネルギーを電磁波に与えてその回転半径
を減じていることが理解されよう。
また第5図に矩形空胴共振器14の軸方向に沿った電子の
運動エネルギーの変化を示す。同図から、螺旋運動する
電子ビームのすべての電子が、空胴共振器中を進行する
につれてその運動エネルギーを電磁波に与えて電子エネ
ルギーは減少していることが理解される。このシミュレ
ーションの例では、電子ビームの運動エネルギーから電
磁波に与えるエネルギーの変換効率は、79.24%であ
る。その理由は、この場合電子銃から放出される電子ビ
ームの回転方向速度と軸方向速度の比を2と仮定したた
め、20%の電子ビームの軸方向エネルギーは電磁波エネ
ルギーに変換されないためである。
運動エネルギーの変化を示す。同図から、螺旋運動する
電子ビームのすべての電子が、空胴共振器中を進行する
につれてその運動エネルギーを電磁波に与えて電子エネ
ルギーは減少していることが理解される。このシミュレ
ーションの例では、電子ビームの運動エネルギーから電
磁波に与えるエネルギーの変換効率は、79.24%であ
る。その理由は、この場合電子銃から放出される電子ビ
ームの回転方向速度と軸方向速度の比を2と仮定したた
め、20%の電子ビームの軸方向エネルギーは電磁波エネ
ルギーに変換されないためである。
なお、この電子ビームの軸方向エネルギーは、そのエネ
ルギー分散がきわめて小さいことから、減速コレクタの
採用などによりほぼ完全に回収できるので、電子ビーム
の運動エネルギーの、電磁波エネルギーへの変換効率は
100%にかなり近づけることが可能である。しかも従来
のペニオトロンに比べて、リッジ間隙による高周波電界
強度の制約がないことから、本発明の超高周波電子管で
は大電力動作が可能である。
ルギー分散がきわめて小さいことから、減速コレクタの
採用などによりほぼ完全に回収できるので、電子ビーム
の運動エネルギーの、電磁波エネルギーへの変換効率は
100%にかなり近づけることが可能である。しかも従来
のペニオトロンに比べて、リッジ間隙による高周波電界
強度の制約がないことから、本発明の超高周波電子管で
は大電力動作が可能である。
なお以上に例示した正方形もしくは矩形導波管空胴共振
器のTE111モードは一つの例であり、これに限らず例え
ば円形空胴共振器のTE211モードなど、電子の螺旋運動
中心軸から離れるにしたがって高周波電界が強くなり且
つこの電界が小さい領域で磁界も小さい分布領域を有す
る他の電界モードを利用することも可能である。そして
いずれの場合も、電界が最小で且つ磁界も最小の空間位
置またはその近傍に電子ビームの螺旋運動中心軸を位置
させる。またサイクロトロン高周波においても電界モー
ドの選択により高効率動作を維持できるので、ミリ波お
よびサブミリ波帯でも磁界強度の比較的低い条件で高効
率、大電力動作の超高周波電子管を実現できる。
器のTE111モードは一つの例であり、これに限らず例え
ば円形空胴共振器のTE211モードなど、電子の螺旋運動
中心軸から離れるにしたがって高周波電界が強くなり且
つこの電界が小さい領域で磁界も小さい分布領域を有す
る他の電界モードを利用することも可能である。そして
いずれの場合も、電界が最小で且つ磁界も最小の空間位
置またはその近傍に電子ビームの螺旋運動中心軸を位置
させる。またサイクロトロン高周波においても電界モー
ドの選択により高効率動作を維持できるので、ミリ波お
よびサブミリ波帯でも磁界強度の比較的低い条件で高効
率、大電力動作の超高周波電子管を実現できる。
またコレクタ部などを含む高周波回路として例えば単一
形状の導波管を用い、この導波管の一部に前述の電界お
よび磁界分布を有するとともに前述した動作条件を満足
する直流磁界条件を設定し、この領域に外部から信号入
力を加えるようにして増幅管を実現することもできる。
形状の導波管を用い、この導波管の一部に前述の電界お
よび磁界分布を有するとともに前述した動作条件を満足
する直流磁界条件を設定し、この領域に外部から信号入
力を加えるようにして増幅管を実現することもできる。
以上説明したように本発明は、TEモード電磁波の電界の
大きさが空間的に最小となる分布を有するとともにこの
電界の最小となる位置で高周波磁界が小さくなる分布を
有する空胴共振器又は導波管に対して、電子ビームの螺
旋運動の中心軸が、TEモード電磁波の電界が最小となる
位置又はその近傍となる関係になっていることを特徴と
する超高周波電子管である。それによって、従来実現さ
れている以上に大電力で高効率動作を達成することがで
きる。
大きさが空間的に最小となる分布を有するとともにこの
電界の最小となる位置で高周波磁界が小さくなる分布を
有する空胴共振器又は導波管に対して、電子ビームの螺
旋運動の中心軸が、TEモード電磁波の電界が最小となる
位置又はその近傍となる関係になっていることを特徴と
する超高周波電子管である。それによって、従来実現さ
れている以上に大電力で高効率動作を達成することがで
きる。
第1図は本発明の実施例を示す概略構成図、第2図はそ
の空胴共振器内の電磁界モードと電子ビームとの相互関
係を示す横断面図、第3図はその共振器の対角方向にお
ける電界強度を示す線図、第4図はその各位相ごとの電
子の運動軌跡図、第5図は共振器の管軸に沿った個々の
電子の運動エネルギーの変化を示す線図である。 11……電子銃構体、14……空胴共振器部、16……コレク
タ部、17……出力窓、18……出力導波管、19、20、21…
…ソレノイド、22……カソード、23……加速陽極、e…
…電子ビーム、Ea、Eb、Ec、Ed……第1電界〜第4図電
界。
の空胴共振器内の電磁界モードと電子ビームとの相互関
係を示す横断面図、第3図はその共振器の対角方向にお
ける電界強度を示す線図、第4図はその各位相ごとの電
子の運動軌跡図、第5図は共振器の管軸に沿った個々の
電子の運動エネルギーの変化を示す線図である。 11……電子銃構体、14……空胴共振器部、16……コレク
タ部、17……出力窓、18……出力導波管、19、20、21…
…ソレノイド、22……カソード、23……加速陽極、e…
…電子ビーム、Ea、Eb、Ec、Ed……第1電界〜第4図電
界。
Claims (1)
- 【請求項1】空胴共振器又は導波管のTEモード電磁波
と、前記空胴共振器又は導波管の管中心軸zにほぼ沿う
方向の螺旋運動中心軸Oのまわりを直流磁界で定まるサ
イクロトロン角周波数で螺旋運動をする電子ビームとの
相互作用を利用する超高周波電子管において、 前記空胴共振器又は導波管は、TEモード電磁波の電界の
大きさが空間的に最小となる分布を有するとともにこの
電界の最小となる位置で高周波磁界が小さくなる分布を
有し、 前記電子ビームの螺旋運動中心軸Oが、前記TEモード電
磁波の電界が最小となる位置又はその近傍となるように
構成された超高周波電子管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11524785A JPH0766749B2 (ja) | 1985-05-30 | 1985-05-30 | 超高周波電子管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11524785A JPH0766749B2 (ja) | 1985-05-30 | 1985-05-30 | 超高周波電子管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61273833A JPS61273833A (ja) | 1986-12-04 |
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電子通信学会技術研究報告83〔43〕(1983)P.31−38 |
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