JPH0764751B2 - アルフア−1−プロテイナ−ゼ阻害剤の製造法 - Google Patents

アルフア−1−プロテイナ−ゼ阻害剤の製造法

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JPH0764751B2
JPH0764751B2 JP61284445A JP28444586A JPH0764751B2 JP H0764751 B2 JPH0764751 B2 JP H0764751B2 JP 61284445 A JP61284445 A JP 61284445A JP 28444586 A JP28444586 A JP 28444586A JP H0764751 B2 JPH0764751 B2 JP H0764751B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、血漿または血漿分画からアルファ−1−プロ
テイナーゼ阻害剤(PI)および抗トロンビン−III(AT
−III)の少なくとも一方を分離する改良された方法に
関しかつその目的の1つとは前記方法を提供することで
ある。本発明の他の目的は、以下の説明から明らかとな
るであろう。以下の説明において、特記しないかぎり、
部および百分率は重量による。
アルファ−1−プロテイナーゼ阻害剤は分子量が54,000
の糖蛋白質である。この蛋白質は単一のポリペプイド鎖
から成り、それにいくつかのオリゴ糖類の単位が共有結
合している。ヒトPIは内因性セリンプロイテイナーゼ類
による組織の破壊の制御において1つの役割を演ずる。
血漿中のトリプシン阻害容量の90%に及ぶPIの遺伝欠損
は、肺気腫の早期の発現に関連することが示された。気
腫に関連するエラスチンの劣化は、エラスチン分解酵素
と天然に産出する組織および血漿プロイテイナーゼ阻害
剤との局所的不均衡から生ずる。PIはヒト膵臓および白
血球のエラスターゼ類を急速に阻害する[バイオケミカ
ル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケ
ーションズ(Biochem. Biophys. Res. Comm.),Vol.
72,No.1,33−39ページ,1976;ibid.,Vol.88,No.2,346−
350,1979]。
PIをを血漿から単離するために、ある数の方法が用いら
れてきた。これらの方法の大部分は実験室規模の単離に
向けられてきており、一方他の方法は商業的レベルの生
産に関係する。
パンネル(Pannell)ら,バイオケミストリー(Biochem
stry),Vol.3,5439−5445,(1974)は、アルブミンに劣
った血漿をプールし、そして固体の硫酸アンモニウム
(0.60〜0.80飽和)で分別する方法を用いた。生ずる沈
殿を可溶化し、透析し、そしてDEAE−セルロースのカラ
ムに適用した。0.05〜0.15モルのNaClの直線の勾配で溶
離するPIの分画をプールし、濃縮し、透析し、次いでDE
AE−セルロースのカラムに適用した。0.05〜0.20モルの
NaClの直線の勾配で溶離するPIの分画を集め、プール
し、そして濃縮してPIを得た。
サクラトバラ(Saklatvala)ら,バイオケミカル・ジャ
ーナル(Biochem. J.),Vol.157,339−351(1976)の
方法において、硫酸アンモニウム(80%の飽和)を使用
してヒト血漿を分画して沈殿を得、これを溶解し、透析
し、そしてDEAE−セルロースのクロマトグラフィーにか
けた。0.5モルのNaClの抽出液をコンカナバリンA−セ
ルロースのカラムに適用した。アルファ−D−メチルグ
リコピラノシドの溶離液を濃縮し、そして再びDEAE−セ
ルロースのカラムに適用した。0.0〜0.2モルのNaClの溶
離液はPIを含有した。
ムシアニ(Musiani)ら、バイオケミストリー(Bioche
m.),Vol.15,798−804ページ(1976)は、55%の飽和の
硫酸アンモニウムの沈殿物を使用してPIに富んだ分画を
分離し、それを可溶化し、次いでDEAEイオン交換体、コ
ンカナバリンA−セファロース(Sepharose)、セファ
デックス(Sephadex)G−100および免疫吸収カラムの
連続的クロマトグラフィー工程にかけて精製されたPIを
得た。
ヒト血漿からのPIの大規模精製は、クレス(Kress)
ら,調製バイオケミストリー(Preparative Biochemis
try),Vol.6,541−552(1973)に開示されている。ヒト
血漿の80%の硫酸アンモニウム処理からの沈殿物を透析
し、そしてDEAE−セルロースのクロマトグラフィーにか
けた。得られた濃縮物を再び透析し、そしてセファデッ
クス(Sephadex)G−100でゲル濾過した。PI含有分画
をDE−52セルロースのクロマトグラフィーに2回かけて
PIを得た。
グレイザー(Glaser)ら、ibid.,Vol.5,No.4,333−348
ページ(1957)は、コーンフラクションIV−1からPIを
30%の全体の収率で単離した。溶解したIV−1をDEAE−
セルロース、コンカナバリンA−セファロース、コンカ
ナバリンA−セファロース(Sepharose)およびG−150
セファデックス(Sephadex)のクロマトグラフィーにか
けてPIを得た。
ポリエチレングリコール(PEG)に基づく統合された血
漿分画系は、ハオ(Hao)ら、1977年9月7〜9日に米
国バージニア州レストンで開催された、蛋白質の分離お
よび血漿の分画についての技術に関する国際研修会の会
報(Proceedings of International Workshop on
Technology for Protein Separation and Improve
ment of Blood Plasma Fraction)に開示された。
発表された方法において、コーン低温沈殿をPEGと40g/l
の量で混合した。すべての作業は5℃で実施した。
60分間撹拌した後、第1分画を遠心分離により除去し
た。追加の60g/lのPEGを上澄みに添加した(最終濃度ほ
ぼ10%)。次いで、プロトロンピン複合体(PTC)を10
%のPEG上澄みからDEAE−セルロースへのバッチ方法の
吸着により抽出し、そして追加のg/lのPEGを添加して10
〜20%のPEG沈殿を得た。このようにして得られた4つ
の分画は0〜4%のPEG沈殿、4〜10%のPEG沈殿、10〜
20%のPEG沈殿および20%のPEG上澄みを得、そして、そ
れぞれ分画A、B、CおよびDと表示した。これらのPE
Gの濃度は低温上澄みのもとの体積に基づくことを指摘
すべきである。
4つのPEG分画中の蛋白質類の分布は次の通りであっ
た:フィブリノゲンは分画A中における主要蛋白質であ
り、アルブミンは主要汚染物質であった。アルブミンそ
れ自体はこれらの条件下に沈殿しないので、分画A、B
およびCにおける汚染アルブミンの大部分は上澄みの共
沈および/またはの連行から得られた。分画Bはプラス
ミノゲン、補体のC3成分、IgGおよびIgMに富んでいた。
さらに、ベーター脂質蛋白質類はこの分画中に存在し
た。分画Cは認られうる量のアルファマクログロブリ
ンを含有し、そしてプロトロンビンとプロトロンビン複
合体を構成する他の凝固因子とに富んでいた。PTCのよ
りすぐれた収率は10〜20%のPEG沈殿よりもむしろ10%
のPEG上澄みから得ることができることを著者は発見し
た。分画Dはアルブミンに富むが、またアルファ−1−
酸糖蛋白質のすべてならびにPI、抗トロンビン−III(A
T III)、セルロプラスミン(Cp)、ハプトグロブリ
ン、トランスフェリン(Tf)およびC1エストラーゼ阻害
剤(C1阻害剤)の大部分を含有した。いくつかの追加の
蛋白質類は、また、プレアルブミン、レチノール結合性
蛋白質(RBP)、トランスコルチンおよびアイギオテン
シノゲンを包む分画Dから単離された。一般に、より小
さい大部分は分画D中に存在した。
コーン(Coan)およびブロックウェイ(Brockway)、米
国特許第4,379,087号および同第4,439,358号は、血漿分
画、例えば、コーンフラクションIV−1からアルファ−
1−プロテイナーゼ阻害剤を分離する方法を開示してお
り、この方法において、血漿の水溶液を準備し、そして
このような溶液を約6.5〜8.5のpHおよび約2〜50℃の温
度に約0.2〜24時間保持し、前記溶液を、その容量に基
づいて約8−10%〜約23%(w/v)の範囲の量のポリ縮
合ポリグリコール、例えば、ポリエチレングリコール
と、約4.6〜約7.5のpHにおいて混合し、ここでポリ縮合
ポリグリコールの量をpHの0.5の増加につき約2〜3%
で増加させる。好ましい実施態様において、前述の方法
で4.6〜5.7の範囲のpHにおいてコーンフラクションIV−
1を含有する水溶液の100mlにつき約10〜15gのポリ縮合
ポリグリコールを使用し、ポリ縮合ポリグリコールの部
対血漿分画の部の比は約2:1〜1:1である。ポリ縮合ポリ
グリコールの処理からの混合物を遠心し、そして上澄み
溶液を回収し、得られた上澄み溶液をアニオン交換樹脂
とpH約5.5〜8.6において接触させ、そして樹脂からアル
ファ−1−プロテイナーゼ阻害剤を選択的に溶離するこ
とによって、得られた混合物からアルファ−1−プロテ
イナーゼ阻害剤を分離する。あるいは、混合物の初期の
遠心後に、ポリ縮合ポリグリコールをさらに添加して混
合物からアルファ−1−プロテイナーゼ阻害剤を沈殿さ
せることによって、アルファ−1−プロテイナーゼ阻害
剤を分離することができる。
コーン(Coan)ら(上記)が概説しているように、フラ
クションIV−1を用いて出発して、アルファ−1−プロ
テイナーゼ阻害剤を製造したとき、フラクションIV−1
の懸濁液中の平均の収率は出発のプールした血漿からほ
ぼ18%である。PEGの中間の純粋なペースト(PEG Inte
rmediate Purity Paste)の沈殿はわずかに8%を生
ずるのみである。追加の損失は、また、クロマトグラフ
ィーの精製および低温殺菌の間に発生する。これはプー
ルした血漿からわずかに4〜6%の最終の容器の収率を
与えるだけである。
グレイサー(Glaser)らが完成した研究[アナリティカ
ル・バイオケミストリー(Anal. Biochem.),124,364
−371(1982)]は、コーンフラクションIV−1がすべ
ての血漿のアルファ−1−プロテイナーゼ阻害剤の30%
を含有することを示した。この低い収率は、フラクショ
ンIV−1の沈殿の間のアルファ−1分子の変性に歴史的
に起因されてきた。この沈殿はほぼ21%のアルコール濃
度および5.2のpHにおいて起こる。
市場におけるこの製品の潜在的要求のため、わずかに4
〜6%のこの収率は商業的に受けいられない。こうし
て、より高い収率を得るために、アルファ−1−プロテ
イナーゼ阻害剤を源から単離および分離する方法を改良
することが必要である。
抗トロンビン−III(AT−III)は、次の工程から成る5
工程の方法で血漿またはコーンフラクションIV−1から
調製された:(a)ポリエチレングリコール(PEG)を
使用して不必要な蛋白質類を沈殿させることによる部分
的精製;(b)ヘパリン−コンカナバリンA−セファロ
ースへのバッチ式の吸着および溶離によるPEG上澄みか
らのAT−IIIの単離;(c)溶離されたAT−IIIの濃度お
よび限外濾過による脱塩;(d)0.5モルのクエン酸ナ
トリウムの存在下の60℃およびpH7.5における濃縮物の1
0時間の加熱によるAT−IIIの低温殺菌;および(e)滅
菌濾過、充填および低温乾燥。[C.A.ウィッカーハウザ
ー(Wickerhauser)ら,ボックス・サングイニス(Vox
Sang.),36,281−293(1979)]。
L.−O.アンダーソン(Anderson)ら、米国特許第3,842,
061号は、AT−III含有血液物質、例えば、血漿からAT−
IIIを単離する方法を開示しており、この方法はAT−III
含有血液物質を水不溶性の架橋した硫酸化多糖類のゲル
マトリックスと接触させてAT−IIIを吸着させ、次いでA
T−IIIをこの吸着剤から分離することを含む。
より大きい容量が溶解度を増加させるかどうかを見るた
めに、溶解用緩衝液の容量を増加して開始してフラクシ
ョンIV−1の溶解の化学を研究することにより、われわ
れはPIの全体の収率の増加を観測し、そしてまた、溶解
用緩衝液のpHがペーストの添加後と同じように多く減少
しないことを観測した。溶解用緩衝液のpHを増加するこ
とにより回収可能な収率へのpHの影響をさらに検査する
と、従来入手可能と考えられていたよりも多くのPIがフ
ラクションIV−1懸濁液から回収された。こうして、使
用する溶解用緩衝液のpHおよび容量は従来考えられたよ
りも臨界的であることをわれわれは発見した。コーン
(Coan)の方法をグレイサー(Glaser)の初期の研究と
ほぼ同じpHおよび容量において実施した。溶解用緩衝液
のpHおよび容量を増加することにより、われわれはプー
ルした血漿中に存在するアルファ−1−プロテイナーゼ
阻害剤のほぼ50%をフラクションIV−1中に回収して、
最後の容器においてほぼ30%の全体の収率を得た。これ
はもとのコーン(Coan)の方法から500%を越える収率
の増加を表わす。
さらに、フラクションIV−1を前述の条件下に溶解し、
次いでアンダーソン(Anderson)ら、米国特許第3,842,
061号の手順に実質的に従うことによりAT−IIIを分離す
ることによって、従来法に従いより少量の緩衝液中に溶
解したフラクションIV−1から出発した収率を約150〜2
00%越える収率の増加が得られることをわれわれは発見
した。
簡単に述べると、本発明はアルファ−1−プロテイナー
ゼ阻害剤(文献中で「アルファ−1抗トリプシン」とし
ても知られている)をそれを含有する水溶液、例えば、
血漿または血漿分画から、従来開示されたよりも高い収
率および純度で分離する改良された方法である。まず、
血漿分画を20〜100容量の生理学的に許容されうる緩衝
液に溶解し、そしてpHを約9.0〜11.0に調節する。次い
で、PIおよび/またはAT−IIIを従来の技術により沈殿
剤または吸着剤を使用して分離する。
1つの特定の面において、ここの記載する本発明は、工
程: (a)抗トロンビン−IIIを含有する血漿または血漿分
画の群の一方の水溶液を、水不溶性の架橋した硫酸化多
糖類のゲルマトリックス吸着剤と接触させて、抗トロン
ビン−IIIを吸着し、 (b)工程(a)からの吸着剤から抗トロンビン−III
を溶離し、そして (c)工程(b)からの溶離液から抗トロンビン−III
を回収する、 を含んでなる抗トロンビン−IIIを含有する血漿蛋白質
類の水溶液から抗トロンビン−IIIを分離する方法にお
いて、 (1)工程(a)において使用するため、使用する血漿
または血漿分画の重量につき20〜100容量の緩衝溶液の
中に溶解した血漿または血漿分画の一方の水溶液を準備
し、そして (2)工程(a)において使用する前に、前記緩衝溶液
および工程(1)から得られる血漿または血漿分画の水
溶液の一方を調節して、得られた溶液のpHを9.0〜11.0
にする、 を含んでなることを特徴とする方法である。
他の特定の面において、ここに記載する本発明は、工
程: (a)アルファ−1−プロテイナーゼ阻害剤を含有する
血漿または血漿分画の一方の水溶液を、前記水溶液の容
量に基づいて約8%〜23%(w/v)のポリエチレングリ
コールおよびポリプロピレングリコールから選択された
ポリ縮合ポリアルキレングリコールと、約2℃〜約5℃
の温度において約0.2〜24時間の間接触させ、前記溶液
からアルファ−1−プロテイナーゼ阻害剤を沈殿させな
いで不必要な蛋白質類を選択的に沈殿させて、不必要な
蛋白質類を含まないアルファ−1−プロテイナーゼ阻害
剤を含有する混合物を得、 (b)工程(a)から混合物を回収し、そして (c)工程(b)において回収された混合物からアルフ
ァ−1−プロテイナーゼ阻害剤を分離する、 を含んでなるアルファ−1−プロテイナーゼ阻害剤を含
有する血漿蛋白質類の水溶液からアルファ−1−プロテ
イナーゼ阻害剤する方法において、 (1)工程(a)において使用するため、使用する血漿
または血漿分画の一方の重量につき20〜100容量の緩衝
溶液の中に溶解した血漿または血漿分画の一方の水溶液
を準備し、そして (2)工程(a)において使用する前に、前記緩衝溶液
および血漿または血漿分画の得られる水溶液の一方のpH
を調節して、得られた溶液のpHを9.0〜11.0にする、 を含んでなることを特徴とする方法である。
本発明の方法による方法におけるアルファ−1−プロテ
イナーゼ阻害剤および抗トロンビン−IIIの出発源は、
コーンフラクション(Cohn Fraction)IV−1、コーン
フラクションIV、コーンフラクションIVおよびIV−1の
再加工物(rework)、およびコーンエフルエント(Cohn
Effluent)II+III、コーンエフルエントI、および
低温上澄み溶液(cyosupernatant solution)から成る
血漿分画の群から選択されるアルファ−1−プロテイナ
ーゼ阻害剤および抗トロンビン−IIIの少なくとも一方
を含有する血漿または血漿分画である。
本発明による方法の第1の利点は、先行技術において報
告されている多くの方法により得られるPIまたはAT−II
Iと比較したとき、血漿中のPIまたはAT−IIIの合計量か
らの収率に関して、PIまたはAT−IIIの回収率が高いこ
とである。
他の利点は、先行技術において不必要な汚染物質として
PIまたはAT−IIIと一緒に頻繁に回収される他の血漿蛋
白質類の分離を本発明による方法が増大させるという意
味において、本発明による方法により得られるPIまたは
AT−IIIの純度である。
前述のように、本発明による方法の出発物質は、アルフ
ァ−1−プロテイナーゼ阻害剤および抗トロンビン−II
Iの少なくとも一方を含有する血漿または血漿分画であ
る。好ましくは、PIを含有する水溶液は、コーンフラク
ションIV−1、およびコーンエフルエントII+III、コ
ーンエフルエントIおよび低温上澄み溶液から成る血漿
分画の群から選択される。コーンフラクションIV−1、
およびコーンエフルエントII+IIIおよびコーンエフル
エントIは、コーン(Cohn)エタノール分画技術または
その変法に従い血漿を分画することにより得ることがで
きる。例えば、E.J.コーン(Cohn)ら,ジャーノル・オ
ブ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティ(J. Amer.
Chem. Soc.),68,459(1946);E.J.コーン(Coh
n)、米国特許第2,390,074号;オンクレイ(Oncley)
ら,ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイ
アティ(J. Amer. Chem. Soc.),71,541(1949);
および「血漿蛋白質類(The Plasma Proteins)」、V
ol.III、548−550ページ、アカデミック・プレス、ニュ
ーヨーク州ニューヨーク(1975)参照。低温上澄み溶液
は、新鮮な凍結された血漿を5℃以下において融解し、
残留する沈殿[「低温沈殿物(cyoprecipitate)」と呼
ぶ]を普通の手段、通常遠心分離により除去し、そして
本発明による方法において使用するために上澄み溶液を
(「低温上澄み溶液」と呼ぶ)を保持することによって
得ることができる。例えば、G.ミトラ(Mitra)ら、米
国特許第4,306,068号参照。より好ましくは、出発物質
として使用するPIまたはAT−IIIを含有する水溶液は、
コーンフラクションIV−1、コーンエフルエントII+II
IおよびコーンエフルエントIから選択される。最も好
ましくは、PIまたはAT−IIIを含有する出発水溶液はコ
ーンフラクションIV−1である。以下の説明において、
例示のために強調はコーンフラクションIV−1に向けら
れるが、これに限定されない。
本発明による方法の第1工程は、溶媒として比較的大き
い容量の緩衝溶液中の血漿または血漿分画の水溶液を得
ることである。コーン(Coan)の米国特許(米国特許第
4,379,087号および同第4,439,358号)の実施例1を参照
すると認められるように、特許された方法はフラクショ
ンIV−1の量(重量)に基づいて約8〜10容量の緩衝溶
液を使用し、そして得られた溶液を約6.5〜8.5のpHに保
持することを開示している。
本発明によれば、本発明の改良の1つの面は、出発血漿
または血漿分画の重量につき20〜100、より好ましくは2
0〜50容量、なおより好ましくは20〜30容量、最も好ま
しくは24容量の緩衝溶液を使用することを必要とする。
本発明による方法に従い定められるpH範囲において任意
の生理学的に許容されうる緩衝溶液を使用できるが、ト
リス−(ヒドロキシメチル)アミノメタン[トリス(TR
IS)]の使用は好ましい。生理学的に許容されうる塩、
例えば、塩化ナトリウムは血漿または血漿分画、代表的
にはコーンフラクションIV−1の生ずる水溶液中に0.0
〜0.20モルのの範囲の濃度を与える。
本発明の改良の他の面は、緩衝溶液および血漿および血
漿分画、代表的にはコーンフラクションIV−1の得られ
た水溶液の一方のpHを調節して、得られた溶液のpHを9.
0〜11.0にすることを必要とする。この調節は、ペレッ
トの形態または水溶液の形態の十分な塩基、例えば、水
酸化ナトリウムを、最初の緩衝溶液または最初の緩衝溶
液中の血漿または血漿分画の最初の溶液に添加すること
により達成できる。あるいは、このpHの調節は、十分な
水酸化ナトリウムを最初の緩衝溶液に添加してpHを10.0
〜11.0にすることによって達成できる。好ましいpHを有
する最初の緩衝溶液中のコーンフラクションIV−1の得
られる水溶液のpHは、9.0〜10.5である。
フラクションIV−1の得られる水溶液が保持される時間
および温度は臨界的であると考えられないが、時間と温
度との間に逆の関係が存在し、ここで温度の10℃ごとの
上昇において、保持時間は半分だけ減少すべきであり、
好ましい条件はコーンの手順に記載されているようなも
のであり、すなわち、約45℃において約0.5時間または
約5℃において約8時間である。実際の事柄として、本
発明による改良の実施における保持時間は24容量の緩衝
液中のpH9.0〜10.0のフラクションIV−1の得られる水
溶液を約2〜10℃、例えば、5℃において約2〜3時
間、例えば、2.5時間保持し、次いで30〜45℃において
約0.5〜2時間、例えば、1〜1.5時間保持することを包
含する。
フラクションIV−1は直接使用することができ、あるい
はそれをまず処理して、例えば、「冷たい(cold)」ア
セトン、エーロシル、カルシウムおよび硫酸デキストラ
ンなどと接触させることにより、その中に含有されてい
る脂質を除去することができる。例えば、IV−1のペー
ストをアセトンとフラクションIV−1の1部につき約10
〜40部のアセトンの比率で混合することができる。この
処理中の温度は、冷たいアセトンの出発温度の約−30〜
−35℃に維持する。アセトンは、また、フラクションIV
−1のペーストから水を除去し、これにより普通の手段
によりアセトンを除去すると、PIの実質的にすべてを含
有する乾燥した粉末が得られる。
本発明による条件下にこの保持期間が経過した後、フラ
クションIV−1の得られた水溶液を、コーンらが記載す
るような普通の方法より、ポリ縮合ポリアルキレングリ
コールで処理して不必要な蛋白質類を沈殿させ、そして
不都合な蛋白質類を含まないPIを含有する混合物を得、
このPI含有混合物を回収し、そしてPIを回収された混合
物から分離する。
好ましくは、ポリ縮合ポリアルキレングリコールはポリ
エリレングリコール(PEG)およびポリプロピレングリ
コール(PPG)から選択される。いずれを使用すること
もできるが、PEGは、例えば、ニオオン・カーバイド・
コーポレーション(Union Carbide Corp.)から入手
可能であるので好ましい。PEGは約200〜20,000、好まし
くは約2,000〜10,000、より好ましくは約3,000〜8,00
0、最も好ましくは約3,000〜4,000の範囲の分子量を有
することができ、そして粘性溶液の量に基づいて約8〜
23(w/v)の範囲で使用することができる。この処理は
約2〜50℃に約0.2〜24時間保持することができる。
形成する沈殿物は、不必要な蛋白質類を含有し、普通の
手段、例えば、遠心分離および濾過により分離すること
ができる。不都合な蛋白質類を含まないPIを含有する混
合物を回収し、次いでそれからPIを分離するために処理
する。あるいは、PEG処理からの混合物は不都合な蛋白
質類の沈殿物を含有し、そのpHを生理学的に許容されう
る酸、例えば、酢酸、クエン酸、塩酸およびリン酸の添
加により4.6〜5.7、好ましくは5.1〜5.2の範囲内に調節
することができる。沈殿した混合物はできるだけ短時
間、通常約1〜60分間保持して不必要な蛋白質類を溶液
からさらに沈殿させる。なぜなら、PIの収率はこれらの
条件下に時間とともに減少するからである。形成する沈
殿物は、不必要な蛋白質類を含有し、再び普通に手段に
より分離する。
残留する溶液のpHを、生理学的に許容されうるアルカリ
性物質、例えば、水酸化ナトリウムの添加により約5.5
〜8.6、好ましくは約6.5のpHに調節する。
次いで、そのように調節した物質は、PEGを溶液の100ml
につき約10〜30gの量で添加することにより、さらに分
画する。PIを含有する沈殿物を溶液から分離する。沈殿
物をリン酸ナトリウム緩衝液中に溶解し、そして得られ
た溶液をアニオン交換媒体、例えば、DEAE−セファデッ
クス(Sephadex)、QAE−セファデックス、DEAE−セフ
ァセル(Sephacel)、DEAE−セルロース、DEAE−セファ
ロース(Sepharose)などと接触させる。種々の条件を
この特定の工程に使用できる。前記媒体との接触はバッ
チ式または連続的に実施することができる。最良の結果
のためには、アニオン交換媒体をクロマトグラフィーの
カラム中に配置し、そしてPIをそれから溶離する。一般
には、アニオン交換媒体をまずpH約5.5〜8.6の緩衝溶液
中で平衡化する。次に、アニオン交換媒体を上のPI含有
溶液と、交換体の1容量につき約10〜15容量の溶液の比
率で接触させる。アニオン交換媒体を再び緩衝溶液、通
常上と同一の緩衝溶液で洗浄する。この洗浄溶液の量は
一般に交換体の1容量につき3〜10容量である。
PIは勾配溶離または段階的溶離によりアニオン交換媒体
から、それを0.0〜0.3モルの塩化ナトリウム、0.01〜0.
12モルののリン酸二ナトリウムなどまたはそれらの組み
合わせを含有するpH5.5〜8.5の緩衝溶液と接触させるこ
とによって除去する。
PIを含有する溶液を、例えば、アニオン交換媒体から、
分離した後、この溶液を慣用手段、例えば、透析濾過、
限界濾過、凍結乾燥など、あるいはそれらの組み合わせ
により、処理してその水分を減少しかつイオンの組成を
変化させる。
本発明の方法によって得られたPIは、沈殿物としておよ
び緩衝溶液中で再構成して、あるいは溶液またはその濃
縮物として、プロテアーゼ阻害有効量のPIおよび製薬学
的に許容されうる担体を含有する製薬学的製剤に配合
し、治療、診断または他の目的に使用することができ
る。静脈内投与のための前記製剤を調製するためには、
組成物を生理学的に適合性の物質、例えば、塩化ナトリ
ウム、グリシンなどを含有しかつ生理学的条件と適合す
る緩衝したpHを有する水の中に通常溶解する。一般に、
静脈内に投与する組成物のためのガイドラインは政府の
条例により確立される。
PI濃縮物は感染性微生物、例えば、肝炎およびエイズ
(AIDS)のウイルスに関して非感染性であることが望ま
しい。これに関して、濃縮物を処理してこのような微生
物を不活性化し、そして前記微生物に対する感染性を減
少する。これは、例えば、滅菌濾過、紫外線照射、化学
的ウイルス不活性化剤との処理、凍結乾燥した状態にお
ける熱処理(例えば、60〜85℃)、あるいは「低温殺
菌」の1または2以上によってよって達成することがで
きる。低温殺菌は、PI含有溶液をPIを肝炎に非感染性と
するために十分な温度にかつ十分な時間、例えば、約60
℃以上の温度に約10時間までの期間の間加熱することで
ある。この低温殺菌または「湿式」熱処理の間PIを安定
化するために、クエン酸イオン源を加熱の間PIを安定化
するために十分な量で添加する。一般に、約20mgの合計
の蛋白質がPIの濃縮物中に存在する場合、その溶液のク
エン酸イオンを約0.25〜0.5モルとする。この加熱工程
の間のこの混合物のpHは好ましくは約6.0〜7.0であるべ
きである。
加熱の間のPIの最大の安定化を達成するために、安定剤
として炭水化物を単独であるいはクエン酸ナトリウムと
組み合わせて使用することが望ましい。この目的のため
に、炭水化物として、単糖類、二糖類および三糖類、例
えば、アラビノース、グルコース、ガラクトース、マル
トース、フルクトース、リボース、マンノース、ラムノ
ース、スクロースなど、あるいは糖アルコール、例え
ば、ソルビトールおよびマンニトールなどをPI溶液の1m
lにつき約0.5〜2.4gの量で使用することができる。
前述のように、本発明の低温殺菌した生成物は治療の目
的のために使用できる製薬学的製剤中に混入することが
できる。しかしながら、「製薬学的製剤」という用語
は、治療の目的のみならず、またこの分野において知ら
れている試薬または診断の目的にあるいは組織培養に使
用する本発明に従う蛋白質組成物を含有する製剤を包含
する。治療の用途を意図する製薬学的製剤は、治療学的
量のPI、例えば、予防手段または治療的健康の手段のた
めに必要なプロテイナーゼ阻害量のPIを含有するべきで
ある。製薬学的製剤を試薬または診断剤として使用しよ
うとする場合、それは試薬量または診断剤量のPIを含有
すべきである。
実施例 前述の発明を以下の例示的実施例によりさらに明らかに
する。
コーンフラクションIV−1は、前述のコーンフラクショ
ン技術に従う分画により得た。
アッセイ PIはそのエラスターゼ阻害容量により、エラスターゼの
ための色素原基質を使用して推定する。N−スクシニル
−L−アラニル−L−アラニル−L−アラニル−p−ニ
トロアニリド(SA3pNA)をエラスターゼで加水分解する
と、405nmにおける吸収が増加する。この増加を37℃に
おいて通常連続的に監視する。試料(PI)の存在下およ
び不存在下に時間とともの吸収の直線変化を比較する。
次いで、阻害剤の量をエラスターゼおよびPIの既知の分
子量、既知の1:1の化学量論および使用したエラスター
ゼの既知量に基づいて計算する。
PIは、また、同様な方法においてそのトリプシン阻害容
量により推定することができる。
抗トロンビン−III。ヒト血清アルブミンを標準として
使用してロウリイ(Lowry)蛋白質アッセイを用いた
[ロウリイ(Lowry)ら,ジャーナル・オブ・バイオロ
ジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.),1951,Vo
l.193,265−275ページ]。さらに、抗トロンビン濃度を
280nmにおける吸収から6.5の吸光計数を使用して計算し
た。
実施例1 アルファ−1−プロテイナーゼ阻害剤法の変法 コーン(Coan)ら、米国特許第4,379,087号の実施例1
に概説されているアルファ−1−プロテイナーゼ阻害剤
の単離についての分画手順に実質的に従い、フラクショ
ンIV−1のペーストを、0.1モルのトリスおよび0.02モ
ルの塩化ナトリウムを含有するpH8.2の緩衝溶液の8容
量中に溶解した。得られた懸濁液または混合物を5℃に
おいて2.5時間撹拌し、40〜45℃に加熱し、そして1〜
1.5時間保持し、そしてアッセイ前に5℃に冷却した。
これを「試料A」と表示した。
フラクションIV−1からのアルファ−1−プロテイナー
ゼ阻害剤の溶解度を増加するために、フラクションIV−
1のペーストを24容量の0.1モルのトリス、0.02モルの
塩化ナトリウム、pH8.0、の中に懸濁させた。上のよう
に、得られた混合物を5℃で2.5時間撹拌し、40〜45℃
に加熱し、そして1〜1.5時間保持し、そしてアッセイ
前に5℃に冷却した。これを「試料B」と表示した。
ペーストの添加前にトリス/塩溶液の緩衝液(saline
buffer)のpHの調節についての必要性を試験するために
実験を実施した。フラクションIV−1のペーストを24容
量の0.1モルのトリス、0.02モルの塩化ナトリウム(pH
=10.3〜10.5)の中に溶解させた。ペーストの添加後得
られたpHは9.3〜9.5であることがわかった。これはペー
ストの添加後の7.7〜8.0の範囲である上の24容量の懸濁
液に匹摘する。得られた混合物を5℃で2.5時間撹拌
し、40〜45℃に加熱し、そして1〜1.5時間保持し、そ
してアッセイ前に5℃に冷却した。これを「試料C」と
表示した。
これらの3種類の条件を、また、0.1モルのトリス、0.0
2モルの塩化ナトリウム中に溶解し、pHを混合の間10.0
〜10.3に維持したフラクションIV−1のペーストと比較
した。得られた混合物を5℃で2.5時間撹拌し、30〜35
℃に加熱し、そして1〜1.5時間保持し、そしてアッセ
イ前に5℃に冷却した。これを「試料D」と表示した。
次いで、これらの試料、A〜D、は、PEGの添加により
不必要な蛋白質類を沈殿させ、PIをアニオン交換樹脂に
吸着させ、そしてPIをアニオン交換樹脂から溶離するこ
とによって、処理して、前述のように、その中に含有さ
れるPIを分離した。
前述のように調製した試料のアッセイの結果を、下表I
に要約する。
実施例2 抗トロンビン−III法の変法 C.A.ウィッカーハウザー(Wickerhauser)ら,ボックス
・サングイニス(Vox Sang.),36,281、284(1979)
に概説されている抗トロンビン−IIIの単離についての
手順に実質的に従い、フラクションIV−1のペースト
を、0.1モルのトリスおよび0.02モルの塩化ナトリウム
を含有するpH8.2の緩衝溶液の8容量中に溶解した。得
られた懸濁液または混合物を5℃において2.5時間撹拌
し、40〜45℃に加熱し、そして1〜1.5時間保持し、そ
してアッセイ前に5℃に冷却した。これを「試料E」と
表示した。
フラクションIV−1からのアルファ−1−プロテイナー
ゼ阻害剤の溶解度を増加するために、フラクションIV−
1のペーストを24容量の0.1モルのトリス、0.02モルの
塩化ナトリウム、pH8.2、の中に懸濁させた。上のよう
に、得られた混合物を5℃で2.5時間撹拌し、40〜45℃
に加熱し、そして1〜1.5時間保持し、そしてアッセイ
前に5℃に冷却した。これを「試料F」と表示した。
ペーストの添加前にトリス/塩溶液の緩衝液(saline
buffer)のpHの調節についての必要性を試験するために
実験を実施した。フラクションIV−1のペーストを24容
量の0.1モルのトリス、0.02モルの塩化ナトリウム(pH
=10.3〜10.5)の中に溶解させた。ペーストの添加後得
られたpHは9.3〜9.5であることがわかった。これはペー
ストの添加後の7.7〜8.0の範囲である上の24容量の懸濁
液に匹敵する。得られた混合物を5℃で2.5時間撹拌
し、40〜45℃に加熱し、そして1〜1.5時間保持し、そ
してアッセイ前に5℃に冷却した。これを「試料G」と
表示した。
これらの3種類の条件を、また、0.1モルのトリス、0.0
2モルの塩化ナトリウム中に溶解し、pHを混合の間10.0
〜10.3に維持したフラクションIV−1のペーストと比較
した。得られた混合物を5℃で2.5時間撹拌し、30〜35
℃に加熱しかつその温度に1〜1.5時間保持し、次いで
アッセイ前に5℃に冷却した。これを「試料H」と表示
した。
前述のように調製した試料のアッセイの結果を、下表II
に要約する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロナルド・エイチ・ハイン アメリカ合衆国カリフオルニア州94596 ウオールナツトクリーク・サードアベニユ ー 1864 (56)参考文献 特開 昭54−95715(JP,A) 特開 昭58−225023(JP,A)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)使用する血漿または血漿分画の一方
    の重量につき20〜100容量の生理学的に適合性の緩衝溶
    液の中に溶解したアルフア−1−プロテイナーゼ阻害剤
    および抗トロンビン−IIIの少なくとも一方を含有する
    血漿または血漿分画の群の溶液を準備し、 (b)工程(a)から得られる溶液のpHを9.0〜11.0に
    調節し、そして (c)工程(b)からの溶液を沈殿剤および吸着剤の一
    方と接触させることにより、工程(b)からの溶液から
    アルフア−1−プロテイナーゼ阻害剤および抗トロンビ
    ン−IIIの少なくとも一方を分離する、 工程を含んでなることを特徴とするアルフア−1−プロ
    テイナーゼ阻害剤および抗トロンビン−IIIの少なくと
    も一方を含有する血漿蛋白質類の水溶液からアルフア−
    1−プロテイナーゼ阻害剤および抗トロンビン−IIIの
    一方を分離する方法。
  2. 【請求項2】(a)抗トロンビン−IIIを含有する血漿
    または血漿分画の群の一方の水溶液を、水不溶性の架橋
    した硫酸化多糖類のゲルマトリツクス吸着剤と接触させ
    て、抗トロンビン−IIIを吸着し、 (b)工程(a)からの吸着剤から抗トロンビン−III
    を溶離し、そして (c)工程(b)からの溶離液から抗トロンビン−III
    を回収する、 工程を含んでなる抗トロンビン−IIIを含有する血漿蛋
    白質類の水溶液から抗トロンビン−IIIを分離する方法
    において、 (1)工程(a)において使用するため、使用する血漿
    または血漿分画の重量につき20〜100容量の緩衝溶液中
    に溶解した血漿または血漿分画の一方の水溶液を準備
    し、そして (2)工程(a)において使用する前に、該緩衝溶液お
    よび工程(1)から得られる血漿または血漿分画の水溶
    液の一方を調節して、得られる溶液のpHを9.0〜11.0に
    する、 ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】(a)アルフア−1−プロテイナーゼ阻害
    剤を含有する血漿または血漿分画の一方の水溶液を、該
    水溶液の容量に基づいて8%〜23%(w/v)のポリエチ
    レングリコールおよびポリプロピレングリコールから選
    択されたポリ縮合ポリアルキレングリコールと、2℃〜
    50℃の温度において0.2〜24時間の間接触させ、該溶液
    からアルフア−1−プロテイナーゼ阻害剤を沈殿させな
    いで不必要な蛋白質類を選択的に沈殿させて、不必要な
    蛋白質類を含まないアルフア−1−プロテイナーゼ阻害
    剤を含有する混合物を得、 (b)工程(a)から混合物を回収し、そして (c)工程(b)において回収される混合物からアルフ
    ア−1−プロテイナーゼ阻害剤を分離する、 工程を含んでなるアルフア−1−プロテイナーゼ阻害剤
    を含有する血漿蛋白質類の水溶液からアルフア−1−プ
    ロテイナーゼ阻害剤を分離する方法において、 (1)工程(a)において使用するため、使用する血漿
    または血漿分画の一方の重量につき20〜100容量の緩衝
    溶液の中に溶解した血漿または血漿分画の一方の水溶液
    を準備し、そして (2)工程(a)において使用する前に、該緩衝溶液お
    よび血漿または血漿分画の得られる水溶液の一方のpHを
    調節して、得られる溶液のpHを9.0〜11.0にする、 ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】アルフア−1−プロテイナーゼ阻害剤を含
    有する血漿蛋白質類の水溶液が、コーンフラクシヨンIV
    −1、コーンフラクシヨンIV、コーンフラクシヨンIVお
    よびIV−Iの再加工物、およびコーンエフルエントII+
    III,コーンエフルエントI、および低温上澄み溶液から
    成る血漿分画の群から選択される特許請求の範囲第3項
    記載の方法。
  5. 【請求項5】アルフア−1−プロテイナーゼ阻害剤を含
    有する血漿蛋白質類の水溶液が、コーンフラクシヨンIV
    −1、コーンフラクシヨンIV、コーンエフルエントII+
    IIIおよびコーンエフルエントIから成る群より選択さ
    れる特許請求の範囲第3項記載の方法。
  6. 【請求項6】アルフア−1−プロテイナーゼ阻害剤を含
    有する血漿蛋白質類の水溶液がコーンフラクシヨンIV−
    1である特許請求の範囲第3項記載の方法。
  7. 【請求項7】工程(1)において、血漿および血漿分画
    の一方の重量あたり20〜50容量の緩衝溶液を使用する特
    許請求の範囲第3項記載の方法。
  8. 【請求項8】工程(1)において、血漿および血漿分画
    の一方の重量あたり20〜30容量の緩衝溶液を使用する特
    許請求の範囲第3項記載の方法。
  9. 【請求項9】工程(1)において、血漿および血漿分画
    の一方の重量あたり24容量の緩衝溶液を使用する特許請
    求の範囲第3項記載の方法。
  10. 【請求項10】緩衝溶液および得られる水溶液の一方の
    pHを調節して、得られる溶液のpHを9.0〜10.5にする特
    許請求の範囲第7項記載の方法。
  11. 【請求項11】緩衝溶液および得られる溶液の一方のpH
    を調節して、得られる溶液のpHを9.0〜10.5にする特許
    請求の範囲第8項記載の方法。
  12. 【請求項12】緩衝溶液および得られる溶液の一方のpH
    を調節して、得られる溶液のpHを9.0〜10.5にする特許
    請求の範囲第9項記載の方法。
  13. 【請求項13】工程(c)から得られるアルフア−1−
    プロテイナーゼ阻害剤および抗凝固有効量の抗トロンビ
    ン−IIIの少なくとも一方を処理して、感染性微生物を
    不活性化しかつその感染性を減少し、アルフア−1−プ
    ロテイナーゼ阻害剤をこのような感染性微生物に対して
    非感染性とし、これによりアルフア−1−プロテイナー
    ゼ阻害剤を治療および予防の目的に対して有用とする追
    加の工程を含む特許請求の範囲第1項記載の方法。
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