JPH0763744A - ガソリン、ナフサ、軽油等に含まれる飽和炭化水素、芳香族炭化水素及びオレフィン炭化水素のそれぞれについてのタイプ分析装置及び方法 - Google Patents

ガソリン、ナフサ、軽油等に含まれる飽和炭化水素、芳香族炭化水素及びオレフィン炭化水素のそれぞれについてのタイプ分析装置及び方法

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JPH0763744A
JPH0763744A JP23583693A JP23583693A JPH0763744A JP H0763744 A JPH0763744 A JP H0763744A JP 23583693 A JP23583693 A JP 23583693A JP 23583693 A JP23583693 A JP 23583693A JP H0763744 A JPH0763744 A JP H0763744A
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Tamotsu Nishijima
保 西島
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  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガソリン、ナフサ、軽油等の、飽和炭化水
素、芳香族炭化水素、オレフィン炭化水素の3成分を極
めて少量の試料で且つ短時間で定量分析する。 【構成】 カラム切換バルブ52によりカラムを選択
し、流路切換バルブ55によりキャリア(超臨界流体)
の流れる方向を切り換える。各カラムにおいてまず試料
を順方向に流し、カラムを通過した成分を測定する。次
に、キャリアを逆方向に流し(バックフラッシュし)カ
ラムに吸着している成分を測定する。そしてこれらの測
定値から、試料の各成分を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガソリン、ナフサ及び軽
油等に含まれる飽和炭化水素、芳香族炭化水素、オレフ
ィン炭化水素の3成分の定量分析に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来ガソリン、ナフサ及び軽油等に含ま
れる飽和炭化水素、芳香族炭化水素、オレフィン炭化水
素(以下この3種類を「炭化水素タイプ」という。)の
定量分析としては、蛍光指示薬吸着法(FIA法)が知
られている。
【0003】この蛍光指示薬吸着法(FIA法)は、微
細なシリカゲルと少量の蛍光染料付シリカゲルを詰めた
吸着管に、測定する試料を注入し、試料の全部を吸着管
内のシリカゲルに吸着させた後、2−プロパノールを加
えて、試料を展開させ、炭化水素をタイプ別に分離す
る。
【0004】このとき、各炭化水素成分は、各々の吸着
親和力の差によって、飽和炭化水素、芳香族炭化水素、
オレフィン炭化水素の各層に分かれ、また蛍光染料も各
炭化水素成分と共に選択的に分かれるので、各炭化水素
タイプの境界を紫外線ランプを用いて測定し、各層の長
さを算出して、飽和炭化水素、芳香族炭化水素、オレフ
ィン炭化水素の各成分濃度(容量%)が測定できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの蛍光
指示薬吸着法(FIA法)では、試料中にペンタン(C
5 )以下の軽質炭化水素を含む場合は、低沸点のため充
填材との吸着により生じる吸着熱で室温においても蒸発
してしまい、ヘキサン(C6 )以上の炭化水素と一緒に
測定することはできないので、事前に蒸留してC5 以下
留分とC6 以上留分とに分けるいわゆる分取という前操
作が必要であり、また蛍光指示薬を用いるため着色試料
については測定できなかった。しかも、沸点310°C
以上の成分を含む場合は測定誤差が大きかった。
【0006】また、軽油に関しては測定精度が低く、特
にオレフィン炭化水素の測定は困難であった。
【0007】さらに、移動相(キャリア)が液体のた
め、分析にかなりの時間を要していた。
【0008】そこで本発明の目的はガソリン、ナフサ、
軽油等の全般にわたって、試料の沸点、着色に関係な
く、飽和炭化水素、芳香族炭化水素、オレフィン炭化水
素の3成分を極めて少量の試料で且つ短時間で定量分析
するための装置及び方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような目的
を達成するため、飽和炭化水素、芳香族炭化水素および
オレフィン炭化水素のそれぞれに対し、異なる吸着特性
を持つ充填材からなるカラムを組み合わせ、バックフラ
ッシュを利用して、ガソリン、ナフサ、軽油等の全般に
わたって、試料の沸点、着色に関係なく、飽和炭化水
素、芳香族炭化水素、オレフィン炭化水素の3成分を極
めて少量の試料で且つ短時間で定量分析するための装置
及び方法を提供するものである。
【0010】すなわち、本発明にかかる装置は、蛍光指
示薬を使用せず超臨界流体を移動相(キャリア)として
使用し、キャリアを順方向に流す場合と逆方向に流す場
合(バックフラッシュ)とを切換えるための流路切換バ
ルブと、飽和炭化水素、芳香族炭化水素およびオレフィ
ン炭化水素のそれぞれに対し、異なる吸着特性を持つ充
填材からなる複数のカラムと、該複数のカラムのうち試
料を含むキャリアを通すカラムを選択するためのカラム
切換バルブとを設けたことを特徴とする。
【0011】また、本発明にかかる方法は、上記本発明
にかかる装置を用いて、ガソリン、ナフサ、軽油等の全
般にわたって、試料の沸点、着色に関係なく、飽和炭化
水素、芳香族炭化水素、オレフィン炭化水素の3成分を
極めて少量の試料で且つ短時間で定量分析する方法であ
る。
【0012】
【作 用】本発明にかかる装置および方法で分析を行う
と、飽和炭化水素、芳香族炭化水素およびオレフィン炭
化水素の3成分に対し異なる吸着特性をもつカラムによ
り、先にカラムを通過してきた成分をまず測定できる。
また、カラムに対するキャリアの流れを逆にして(すな
わちバックフラッシュして)カラムに吸着していた成分
を溶出して測定できる。そして、吸着特性の異なる複数
のカラムを組み合わせることにより、完全に分離できな
い成分についても他の成分の測定値と試料の総量から算
出することにより求めることができる。また、キャリア
として超臨界流体を使用するので、分析時間を従来の方
法に比べて短縮することができる。従って、ガソリン、
ナフサ、軽油等の全般にわたって、試料の沸点、着色に
関係なく、飽和炭化水素、芳香族炭化水素、オレフィン
炭化水素の3成分を極めて少量の試料で且つ短時間で定
量分析することができる。
【0013】
【実施例】本発明の一実施例について以下に説明する。
【0014】(1) 本実施例の構成の概略 図1に本実施例の構成を示す。1は二酸化炭素(CO
2 )ボンベであり、超臨界流体キャリアの二酸化炭素
(CO2 )の供給源である。
【0015】2はガス精製器であり、1から供給された
二酸化炭素(CO2 )を精製するためのものである。
【0016】3は液化ガス送液用ポンプで、臨界圧力以
上の圧力をかけ二酸化炭素(CO2)を超臨界流体とし
て送り込むためのものである。
【0017】4は試料注入器であり、ガソリン、ナフ
サ、軽油等の試料を本装置に注入するためのものであ
る。1から供給された二酸化炭素(CO2 )は、2のガ
ス精製器で不純物を除去され、3の液化ガス送液用ポン
プにより超臨界流体とされ4の試料注入器に送り込まれ
る。
【0018】5はカラム切換バルブで、8のカラムAと
9のカラムBとを切換える為のものである。
【0019】6は流路切換バルブで、キャリアを順方向
に流す場合と、逆方向に流す場合(すなわちバックフラ
ッシュ)とを切換える為のバルブである。なお、5と6
のバルブはいずれも6方バルブでありその詳細について
は後述する。また8と9のカラムの詳細についても後述
する。
【0020】7はカラム恒温槽であり、この中にカラム
を入れてカラムの温度を常に一定の温度に保つためのも
のである。
【0021】10は三方コネクタであり、11のUV検
出器と12のFID検出器の両方を接続し、UV(紫外
線吸収)の検出とFID(水素炎イオン化検出器)の検
出の両方ができるようになっている。
【0022】11はUV検出器で、オレフィン炭化水素
及び芳香族炭化水素を検出することができるものであ
り、汎用のものが使用できる。
【0023】12はFID検出器で、試料の検出を行う
ものである。このFID検出器は通常のガスクロマトグ
ラフ法で使用されているものが使用できる。
【0024】13は背圧制御器で、装置系内の超臨界状
態を保持するものであり、FID検出器への二酸化炭素
の導入量を変動させないようにするためのものである。
【0025】14は積算計であり、FID検出器からの
測定値を積算するためのものである。
【0026】(2) 本発明特有の装置 以下に本発明特有の装置である、試料吸着装置のカラム
およびカラム切換バルブ並びに流路切換バルブについて
説明する。
【0027】(2−1) 試料吸着装置のカラムについ
て まず、試料吸着装置のカラムについて、どのような充填
材が最適かを以下のとおり検討した。
【0028】まず、シリカ単体又はシリカを素材とした
各種の充填材を使用したカラムを作り、飽和炭化水素、
オレフィン炭化水素、芳香族炭化水素のそれぞれについ
て分離性を検討した。なお、二酸化炭素(CO2 )ポン
プの最も安定な作動流量は300μl/min であり、理
論的に最適の線速度は2〜5mm/sec なのでカラムの管
の内径は1.7mmとした。また、測定条件は、温度30
〜70°C、圧力100〜360Kg/cm2 とした。
【0029】なお、各炭化水素タイプを代表するものと
して使用した試薬を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】この結果、飽和炭化水素を芳香族炭化水素
とオレフィン炭化水素から分離するには、充填材として
スルフォン酸銀を化学修飾したシリカが適していること
が明らかとなった。また、芳香族炭化水素を飽和炭化水
素とオレフィン炭化水素から分離するのは、充填材とし
てシリカ単体以外に適当なものはないということがわか
った。さらに、オレフィン炭化水素を飽和炭化水素と芳
香族炭化水素から分離することはシリカ系の充填材では
困難であることが明らかになった。
【0032】以上のことから、オレフィン炭化水素のみ
を分離測定することは困難であること、飽和炭化水素を
芳香族炭化水素とオレフィン炭化水素から分離するカラ
ムと、芳香族炭化水素を飽和炭化水素とオレフィン炭化
水素から分離するカラムとを組み合わせ、それぞれまず
飽和炭化水素および芳香族炭化水素を分析し、試料の総
量から飽和炭化水素および芳香族炭化水素を差し引いて
オレフィン炭化水素を求めることができることが明らか
となった。
【0033】そこで次に、飽和炭化水素を芳香族炭化水
素とオレフィン炭化水素から分離するカラムAの作り方
を具体的に示す。
【0034】先に示したように、飽和炭化水素を芳香族
炭化水素とオレフィン炭化水素から分離するには、充填
材としてスルフォン酸銀を化学修飾したシリカが適して
いることが明らかとなった。そこで、まず、スルフォン
酸ナトリウム基の結合したシリカを充填したカラム(内
径は前述したように1.7mm)を作り、それを銀置換し
て目的のカラムを得た。
【0035】シリカの充填法は気相法に準拠した。すな
わち、カラムの出口側だけにフィルターユニオンを付け
て塞ぎ、入口側はリザーバーカラムを接続し、まずガス
クロ用カラムの作製と同様にリザーバーカラムからシリ
カをカラムの中に加え、バイブレーターで十分振動を加
えて充填する。次にリザーバーカラムの前に二酸化炭素
(CO2 )の加圧用ポンプを接続し、約350Kg/cm
2 の圧力をかける。このとき、出口側にはキャピラリチ
ューブを取り付けて内部圧を保持する。そして、カラム
を垂直にして一晩ゆっくりと内部圧を解放し、内部圧が
ゼロになったのを確認してから、入口側のリザーバーカ
ラムを取り外し、フィルターユニオンを取り付ける。
【0036】このようにして得たスルフォン酸ナトリウ
ム基の結合したシリカを充填したカラムの入口側に、5
%硝酸銀水溶液のリザーバーを接続して加圧し、銀置換
を行った。この際カラムの出口から銀イオンが溶出する
のを確認してから、次にリザーバーを純水に換え、出口
から銀イオンが検出しなくなるまで洗浄した。最後に超
臨界流体状態の二酸化炭素(CO2 、350Kg/cm
2 )を通して脱水し、スルフォン酸銀を化学修飾したシ
リカカラム(以下「Agカラム」という。)を作製し
た。
【0037】以上のように作製したAgカラム(内径
1.7mm、長さ50mm)の試料分離性を図2に示す。
【0038】図2より、Agカラムで、飽和炭化水素と
芳香族炭化水素およびオレフィン炭化水素とを分離でき
ることが明らかとなった。しかし、図2を見れば明らか
なように、Agカラムだけでは、バックフラッシュ後の
芳香族炭化水素とオレフィン炭化水素のピーク幅が大き
く、しかもテーリングが大きい。これは、吸着力の強い
多環芳香族によるもので、これを防止するために、Ag
カラムの前段に内径4mm、長さ50mmのステンレスパイ
プに表面積500m2/g以上、ポアサイズ30オングス
トローム以下のシリカゲル単体(粒度は15〜75μ
m)を充填したカラムを接続し、これらの2本のカラム
を連結したものをカラムAとした。
【0039】このようにして得たカラムAの分離性を図
3に示す。カラムAによれば、バックフラッシュ後の芳
香族炭化水素とオレフィン炭化水素のピーク幅およびテ
ーリングは減少し、しかもバックフラッシュ前の飽和炭
化水素のピークのテーリングも改善されている。これに
より、飽和炭化水素と芳香族炭化水素およびオレフィン
炭化水素とを完全に分離できることが明らかになった。
【0040】次に、芳香族炭化水素と飽和炭化水素およ
びオレフィン炭化水素とを分離するカラムBの作り方を
具体的に示す。
【0041】芳香族炭化水素を飽和炭化水素とオレフィ
ン炭化水素から分離するには、充填材としてシリカ単体
が適当であることは前述したとおりである。そこで、ど
のようなシリカが適当かを検討した。
【0042】一般に、炭化水素のタイプ分析では、表面
積600m2/g、ポアサイズ26オングストロームのシ
リカ(商品番号#923)が使用されているが、#92
3の粒度は150〜74μmであり超臨界流体クロマト
用としては粗過ぎる。そこで粒度74μm以下の#92
2を使用することにした。但し、#922は微粒子を含
んでいるため、50%メタノール水溶液(MeOH)に
分散させ上澄みを捨てて微粒子を除去した。
【0043】このようにして得た、表面積500m2/g
以上、ポアサイズ30オングストローム以下、粒度15
〜75μmのシリカ単体を、ロータリエバポレータでメ
タノール(MeOH)と水とを除去し、550°Cで1
5時間乾燥し、内径1.7mm、長さ900mmのカラムに
乾式気相法で充填し、カラムBを作製した。
【0044】図4に、カラムBの分離性を示す。なお、
試薬としては、各炭化水素タイプを代表するものとし
て、飽和炭化水素としてn−ヘキサン(n6)、n−ヘ
プタエイコサン(n27 )を、オレフィン炭化水素とし
てn−1−オクタデセン(n1 8"−1)を、芳香族炭化
水素としてトルエン(Tol)、エチルベンゼン(Et
Ben)をそれぞれ用いた。
【0045】図4によれば、カラムBにより芳香族炭化
水素を飽和炭化水素およびオレフィン炭化水素から完全
に分離できることが明らかになった。
【0046】(2−2) カラム切換バルブおよび流路
切換バルブについて 次に、カラム切換バルブおよび流路切換バルブについて
説明する。図5(A)にカラム切換バルブおよび流路切
換バルブの部分図を示す。なお51は試料注入器であ
る。
【0047】52はカラム切換用バルブで、カラム53
とカラム54とを切換えるためのバルブである。
【0048】55はカラムを流れるキャリアの流路を順
方向と逆方向(バックフラッシュ)とに切換える流路切
換バルブである。
【0049】56は試料検出器である。
【0050】52のカラム切換バルブおよび55の流路
切換バルブが図5(A)の状態にあるとき、51の試料
注入器から注入された試料を含んだキャリアは55の流
路切換バルブのからを通り、カラム切換バルブ52
へ導かれる。そして、52のカラム切換バルブから
を通り、カラム53(カラムA)に導かれ再び52のカ
ラム切換バルブ52のからを通り流路切換バルブ5
5のと通り56の試料検出器に送られる。従っ
て、この場合は、キャリアはカラム53(カラムA)を
順方向に流れることになる。
【0051】次に、図5(B)のように流路切換バルブ
を切換えると、試料注入器51からのキャリアは流路切
換バルブ55のからを通り、カラム切換バルブ52
へ導かれ、カラム切換バルブ52のからを通りカラ
ム53(カラムA)を先ほどとは反対方向に流れて再び
カラム切換バルブ52のからを通り、再び流路切換
バルブ55のからを通って、試料検出器56に導か
れる。従って、この場合は、キャリアはカラム53(カ
ラムA)を先ほどとは逆方向に流れる(バックフラッシ
ュと呼ぶ)ことになる。
【0052】次に、流路切換バルブ55を元に戻して、
カラム切換バルブ52だけを切換えて図5(C)の状態
にする。この場合は、試料注入器51および流路切換バ
ルブ55を通ってきたキャリアは、カラム切換バルブ5
2のからを通りカラム54(カラムB)に導かれ、
再びカラム切換バルブ52のからを通って、流路切
換バルブ55へ導かれる。従って、この場合はキャリア
はカラム54(カラムB)を順方向に流れることにな
る。
【0053】次に、カラム切換バルブ52を図5(C)
のままにして、流路切換バルブ55を図5(B)の状態
にする。この場合は、キャリアは流路切換バルブ55の
を通り、カラム切換バルブ52のを通って、カ
ラム54(カラムB)に導かれ、そこから再びカラム切
換バルブ52のを通って、流路切換バルブ55へ導
かれ、流路切換バルブ55のを通って試料検出器5
6に導かれる。従って、この場合はキャリアはカラム5
4(カラムB)を逆方向に流れる(バックフラッシュす
る)ことになる。
【0054】以上が本装置の実施例の構成である。
【0055】(3) 実施例の方法 次に、実施例の具体的な測定方法について説明する。
【0056】まず、二酸化炭素の流量は300μl/mi
n とし、図5(A)に示したように、カラム切換バルブ
をカラム53(カラムA)側に、流路切換バルブを順流
側にする。このときカラム53(カラムA)の温度は4
0〜55°C、好ましくは45〜53°Cとし、カラム
圧力は200〜300Kg/cm2 、好ましくは250〜
290Kg/cm2 としておく。
【0057】このような状態で、試料注入器から試料を
注入すると、キャリアである二酸化炭素(CO2 )の超
臨界流体により、試料はまず流路切換バルブ(順方向に
流れるようになっている)を通りカラム切換バルブを通
ってカラム53(カラムA)に送られる。試料がカラム
53(カラムA)を通ることにより、試料中の飽和炭化
水素が芳香族炭化水素およびオレフィン炭化水素から分
離してまずカラム53(カラムA)を通過し、再び流路
切換バルブを通って検出器に送られ、ここでは飽和炭化
水素のみが検出される。
【0058】次に、芳香族炭化水素とオレフィン炭化水
素がカラム53(カラムA)を通過する前に、流路切換
バルブを逆流側にすると、キャリアが流路切換バルブ
(逆方向に流れるようになっている)を通りカラム切換
バルブを通ってカラム53(カラムA)に先ほどとは逆
方向に送られる。このようにキャリアをカラムに対し逆
方向に流すことをバックフラッシュというが、このバッ
クフラッシュにより、カラム中に吸着した芳香族炭化水
素とオレフィン炭化水素とが溶出し、カラム切換バルブ
と流路切換バルブを通って、試料検出器に送られ、芳香
族炭化水素とオレフィン炭化水素の総量が測定される。
これにより、試料のすべてが測定されたことになる。な
お、このときのバックフラッシュは試料導入後4〜7分
後に行う。
【0059】次に、流路切換バルブを順流側に戻し、カ
ラム切換バルブをカラム54(カラムB)側にする。こ
のときのカラム温度は25〜40°C、好ましくは28
〜35°Cとし、カラム圧力は100〜250Kg/cm
2 、望ましくは180〜220Kg/cm2 としておく。
なお、二酸化炭素の流量はカラム53(カラムA)のと
きと同様300μl/min とする。
【0060】このような状態で、試料注入器から試料を
注入すると、キャリアにより、試料はまず流路切換バル
ブ(順方向に流れるようになっている)を通りカラム切
換バルブを通ってカラム54(カラムB)に送られる。
試料がカラム54(カラムB)を通ることにより、試料
中の飽和炭化水素およびオレフィン炭化水素が芳香族炭
化水素から分離してまずカラム54(カラムB)を通過
し、再び流路切換バルブを通って検出器に送られ、飽和
炭化水素およびオレフィン炭化水素の総量が測定され
る。
【0061】次に、芳香族炭化水素がカラム54(カラ
ムB)を通過する前に、流路切換バルブを逆流側にする
と、キャリアが流路切換バルブ(逆方向に流れるように
なっている)を通りカラム切換バルブを通ってカラム5
4(カラムB)に先ほどとは逆方向に送られる。このバ
ックフラッシュにより、カラム中に吸着した芳香族炭化
水素が溶出し、カラム切換バルブと流路切換バルブを通
って、検出器に送られ、芳香族炭化水素が測定される。
これにより、二度目に注入した試料のすべてが測定され
たことになる。なお、このときのバックフラッシュは試
料導入後10〜14分後に行う。
【0062】以上のように、試料をまずカラム53(カ
ラムA)に流して飽和炭化水素を測定した後、バックフ
ラッシュにより芳香族炭化水素およびオレフィン炭化水
素を測定し、次に試料をカラム54(カラムB)に流し
て飽和炭化水素及びオレフィン炭化水素を測定した後、
バックフラッシュにより芳香族炭化水素を測定し、これ
らの測定値からオレフィン炭化水素の量を算定する。そ
して、これにより飽和炭化水素、芳香族炭化水素および
オレフィン炭化水素の3成分すべてが定量できる。
【0063】表2に、本実施例の方法で、石油学会専門
委員会で行われた照合試験の試料を測定した結果を示
す。なお、参考として学会平均値を挙げておく。
【0064】
【表2】
【0065】学会平均値は(Vol% ) なので直接的には比
較できないが、本実施例の方法はほぼ妥当であることが
表2より明らかとなった。なお、表2中のS、A、Oは
それぞれ飽和炭化水素、芳香族炭化水素、オレフィン炭
化水素を表わすものである。
【0066】また、測定値の正確さを検定するために、
飽和炭化水素の代表としてn−ドデカン(n12 )、芳
香族炭化水素の代表として2−エチルナフタレン(2E
tNaph)及びオレフィン炭化水素の代表としてn−
1−オクタデセン(n18"−1)を混合した試料を同装
置、同方法により測定し、計算値(重量%)と比較し
た。
【0067】結果を表3に示す。表3から明らかなよう
に、測定値と計算値とはよく一致した。
【表3】
【0068】次に、本実施例の方法と従来法とで分析時
間の比較をした。その分析時間の比較の結果を表4に示
す。
【0069】
【表4】
【0070】表4により、本実施例の方法は分取等の前
処理が不要なので、前処理を要するガソリンの場合は当
然分析時間は従来法に比べ著しく短くてすみ、前処理不
要の灯油の場合でも、キャリアとして超臨界流体を使用
するため従来法の半分の時間ですむことが明らかとなっ
た。また、従来法ではオレフィン含有の軽油は測定不可
能であったが、本実施例の方法によればオレフィン含有
の軽油も測定可能である。
【0071】なお、実施例と異なる吸着特性、例えばオ
レフィン炭化水素のみを先に通過させる吸着特性をもつ
カラムを組み合わせることにより、各成分を直接測定す
ることも可能である。また、飽和炭化水素、芳香族炭化
水素およびオレフィン炭化水素の3成分をそれぞれ分離
できる吸着特性を有するカラムを用いれば、複数のカラ
ムを組み合わせることなく、単一のカラムでタイプ分析
することも可能である。
【0072】
【本発明の効果】本発明は、超臨界流体をキャリアとし
て使用するため、分取のような前操作が不要であり、し
かも、沸点310°C以上の成分を含む場合でも測定誤
差が大きくなることはない。また、蛍光指示薬を使用し
ないため、着色試料についても測定が可能である。さら
に、軽油に関しては測定精度が高く、特にオレフィン炭
化水素の測定も可能であり、分析時間も従来法に比べ短
縮される。しかも、本発明のカラムを使用することによ
り、飽和炭化水素、芳香族炭化水素およびオレフィン炭
化水素の3成分の中から、飽和炭化水素のみまたは芳香
族炭化水素のみを測定することができ、これらの測定値
からオレフィン炭化水素の算定も可能である。従って、
本発明は、ガソリン、ナフサ、軽油等の全般にわたっ
て、試料の沸点、着色に関係なく、飽和炭化水素、芳香
族炭化水素、オレフィン炭化水素の3成分を極めて少量
の試料で且つ短時間に定量分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の構成の概略図である。
【図2】Agカラムの試料分離性を示した図である。
【図3】カラムAの試料分離性を示した図である。
【図4】カラムBの試料分離性を示した図である。
【図5】カラム切換バルブおよび流路切換バルブの状態
を示した図である。
【符号の説明】
1 二酸化炭素ボンベ 2 ガス精製器 3 液化ガス送液用ポンプ 4 試料注入器 5 カラム切換バルブ 6 流路切換バルブ 7 カラム恒温槽 8 カラムA 9 カラムB 10 三方コネクター 11 UV検出器 12 FID検出器 13 背圧制御装置 14 水素ボンベ 15 空気ボンベ 16 積算計 51 試料注入器 52 カラム切換バルブ 53 カラムA 54 カラムB 55 流路切換バルブ 56 試料検出器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 飽和炭化水素、芳香族炭化水素およびオ
    レフィン炭化水素のそれぞれに対し、異なる吸着特性を
    もつ物質をカラム充填材とした複数のカラムからなる試
    料吸着装置と、 上記試料吸着装置の複数のカラムの中から任意のカラム
    を選び出すためのカラム切換装置と、 上記試料吸着装置にキャリアを送り込む方向を切換える
    ための流路切換装置とを有し、 試料の分離にキャリアとして超臨界流体を使用したこと
    を特徴とするガソリン、ナフサ、軽油等に含まれる飽和
    炭化水素、芳香族炭化水素およびオレフィン炭化水素の
    それぞれについてのタイプ分析装置。
  2. 【請求項2】 芳香族炭化水素、オレフィン炭化水素に
    対する吸着性が強く、飽和炭化水素のみを先に通過させ
    る吸着特性をもつ物質をカラム充填材としたカラムと、
    芳香族炭化水素に対する吸着性が強く、飽和炭化水素お
    よびオレフィン炭化水素を先に通過させる吸着特性をも
    つ物質をカラム充填材としたカラムからなる試料吸着装
    置を用いたことを特徴とする、請求項1記載の炭化水素
    のタイプ分析装置
  3. 【請求項3】 請求項1及び又は請求項2の分析装置を
    用い、まず、芳香族炭化水素、オレフィン炭化水素に対
    する吸着性が強く、飽和炭化水素のみを先に通過させる
    吸着特性をもつカラムにより試料を分析し、ついで、芳
    香族炭化水素に対する吸着性が強く、飽和炭化水素およ
    びオレフィン炭化水素を先に通過させる吸着特性をもつ
    カラムにより試料を分析することにより、ガソリン、ナ
    フサ、軽油等に含まれる飽和炭化水素、芳香族炭化水素
    およびオレフィン炭化水素のそれぞれをタイプ分析する
    方法。
JP23583693A 1993-08-30 1993-08-30 ガソリン、ナフサ、軽油等に含まれる飽和炭化水素、芳香族炭化水素及びオレフィン炭化水素のそれぞれについてのタイプ分析装置及び方法 Pending JPH0763744A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012504238A (ja) * 2008-09-29 2012-02-16 タール・インスツルメンツ・インコーポレイテツド 並行スクリーニングの超臨界流体クロマトグラフィ
CN102749391A (zh) * 2011-04-20 2012-10-24 中国石油化工股份有限公司 气相色谱测定汽油中单体芳烃含量的方法

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