JPH0763705A - 氷分濃度計測装置 - Google Patents

氷分濃度計測装置

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JPH0763705A
JPH0763705A JP21177193A JP21177193A JPH0763705A JP H0763705 A JPH0763705 A JP H0763705A JP 21177193 A JP21177193 A JP 21177193A JP 21177193 A JP21177193 A JP 21177193A JP H0763705 A JPH0763705 A JP H0763705A
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JP
Japan
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ice
transmission line
probe
concentration
measuring device
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JP21177193A
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Atsushi Kawakami
温 川上
Noriyuki Akaha
紀之 赤羽
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Tokimec Inc
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Tokimec Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 氷−溶液混合物が存在する領域に配置するプ
ローブを用いて、氷濃度を計測する氷分濃度計測装置に
おいて、氷の浮力による影響を大きく受けない形状を備
えるプローブを有する氷分濃度計測装置を提供する。 【構成】 氷分濃度装置は、測定処理部10aと、タン
ク2の氷−溶液混合物の存在する領域に配置されるセン
サ部10bとを有する。センサ部10bは、タンク2の
貯溜される氷−溶液混合物領域に設置される伝送線路1
02と、この伝送線路102の両端に接続される整合回
路104、106と、伝送線路102および整合回路1
04、106を固定する保持部材100とを有する。 【効果】 氷分濃度計測装置のプローブは、氷の浮力に
よる影響を大きく受けないため、氷分濃度の多少に関わ
らず、プローブを、容易に、安定して固定することがで
きる。したがって、氷−水混合物が存在する領域におけ
る氷分濃度の直接計測が、広範囲で安定して行なうこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水あるいは所定の電解
質、高分子溶質を含む溶液に含まれる氷分の割合を計測
する装置に係り、特に、氷−溶液混合物中に配置され
た、氷分濃度に対応した物理的変化を検出するプローブ
を用いる氷分濃度計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の氷分濃度計測装置として
は、例えば、図17に示すようなものがある。
【0003】近年、エネルギーの有効利用の観点から、
夜間の余剰電力を利用して、温水、あるいは冷水を多量
に製造、蓄積し、それを昼間の暖房、冷房に利用するシ
ステムが考案され、利用されている。特に、電力の需給
のひっぱくする夏期の冷房用電力需要のピーク期に対す
る対策として、種々の蓄冷システムが提案されている。
蓄冷システムでは、氷の潜熱を利用したシステムの利
用が検討され始めている。このシステムは、従来利用さ
れて来た冷水による蓄冷システムに比べ、タンクの容
量、冷媒の輸送系の装置等が小型でよいという特徴があ
る。
【0004】図17は、この氷蓄冷システムの概略図を
示したものである。夜間は、製氷機4を動作させ、タン
ク2内にある水あるいは溶液を冷却し、氷を製造する。
製氷機4で製造された氷は、溶液と共にタンク2にパイ
プP1を通って送出される。タンク2内では、氷と溶液
とが混合した氷・溶液混合物Iが上方に浮かび、タンク
2からは、氷を含まない溶液のみが、パイプP2を通っ
て製氷機4に還流して来る。なお、製氷機4にて生成さ
れる氷は、その形状を制御したり、過冷却水の形でタン
クに送り、タンク内で凝固するように、温度を制御する
等の方法を用いて、流動性を確保している。タンク2内
に氷が十分に蓄積された後は、製氷機4は停止する。ま
た、昼間には、被冷却系6である室等に設置された熱交
換器としての室内機8の行なう冷房に、この氷が使用さ
れる。氷の残量が少なくなると、製氷機4を動作させ、
氷を供給する。
【0005】このように、氷蓄冷システムでは、常時、
タンク2内の氷分を定量的に測定し、全体の制御を行な
う必要があるため、信頼性の高い、氷分濃度計測装置を
必要とする。図17に示すシステムでは、溶液濃度計1
4がこのための装置である。溶液中より、固体となった
水が液相から除かれるため、液相での溶質の濃度を測定
すれば、間接的に氷分の濃度がわかる。この濃度計14
からの出力を用いて、システム制御装置12が、製氷機
4を制御する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の氷分濃度計にあっては、溶液全体の水と、溶
質の量が、あらかじめ明確であるとの前提に立った計測
方法であるため、氷分のない時の溶液全体の平均溶質濃
度を、常に管理しておく必要がある。溶液の漏えい等に
よる、量の管理とあわせて実行することになるが、管理
の複雑化は避けられない。
【0007】また、図18に示すように、製氷機1台に
対し、複数個のタンクが存在するシステムでは、溶液は
ポンプによって撹拌されるため、平均的な氷の生成状況
は把握できるが、タンク#1〜#3のそれぞれにどれだ
けの氷が存在するのかを計測することは不可能である。
この場合、仮りに、各タンクごとに溶液濃度計を設定し
ても、溶液は、システム全体を循環して平均化されるた
め、各タンクごとの濃度測定は、無意味である。
【0008】さらに、水に含まれる不純物が微少である
場合、氷の増減による、不純物の濃度変化が生じにく
い。このような場合、溶液濃度計による間接的な氷分濃
度計測は、きわめて困難である。
【0009】これに対し、本出願人は、特許出願(特願
平4−215185号)の明細書において、氷−水の混
合物が存在する領域において、不純物の濃度を用いるこ
となく、直接的に氷分濃度の計測ができる氷分濃度計測
装置を提案した。この装置は、電波の通路内に存在する
媒質の複素誘電率が氷の濃度の関数として変化すること
を利用したものである。
【0010】溶液中に氷が存在しない場合には、溶液そ
のものの複素誘電率によって伝送線路の損失、及び伝搬
位相遅延が決定される。このような溶液に、氷が混在し
始めると、伝送線路の外壁の穴を通じて、その氷が伝送
線路内に入ってくるが、氷の複素誘電率は溶液のそれと
は異なるため、伝送線路の損失及び伝搬位相遅延が変化
する。この変化は、氷分の濃度に依存するため、損失お
よび位相遅延のいずれか一方又はその両方を測定するこ
とで、氷分の濃度を知ることができる。
【0011】ところで、この種の氷分濃度を直接計測す
る装置では、例えば、伝送線路等、タンク2内の氷分濃
度に対応して変化する物理特性を検出するプローブを、
氷−溶液が混在している領域に配置することが必要であ
る。さらに、氷の濃度は、一般的に言って、氷の浮力の
ため、深さ方向で変化している。したがって、正確な計
測を行なうには、氷および溶液を収容するタンク2に対
して、プローブの設置位置を一定とすることが必要であ
る。
【0012】しかし、プローブを、氷−溶液混合物の存
在する領域に配置、固定すると、プローブ下端部には、
氷の浮力による上向きの力が常に加わる。この上向きの
力は、プローブの下方に存在する氷分濃度と、プローブ
下端部の表面積に比例して、大きくなる。そのため、氷
分濃度が比較的高い場合には、顕著になり、最悪の場合
は、プローブの破壊に至ることもある。
【0013】本発明の目的は、氷−溶液混合物が存在す
る領域に配置するプローブを用いて、氷濃度を計測する
氷分濃度計測装置において、氷の浮力による影響を大き
く受けない形状を備えるプローブを有する氷分濃度計測
装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は、氷−溶液混
合物が存在する領域における氷分濃度を計測する氷分濃
度計測装置において、氷−溶液混合物が存在する領域に
配置され、氷分濃度の変化に応じて変化する当該領域の
物理特性を検出するプローブを有し、プローブは、その
形状が、最下端部より鉛直上方向における予め定めた距
離間で、最下端部から任意距離位置での水平断面積が、
それよりも上方位置での水平断面積よりも小さいことを
特徴とする氷分濃度計測装置により達成することができ
る。
【0015】
【作用】最初、本発明の氷分濃度計測装置が適用される
氷蓄冷システムについて、図1を用いて説明する。
【0016】図1に示すシステムは、例えば、粒状の氷
(粒状氷)が溶液中に混在する、氷−溶液混合物を貯溜
するタンク2と、この氷蓄熱槽(タンク)2から溶液を
取り込んで、粒状氷を生成して、タンク2に供給する製
氷機4と、タンク2内に貯溜される氷−溶液混合物を取
り込んで、熱交換を行なって、被冷却系6を冷却する熱
交換器8と、これらを連通して、氷−溶液混合物および
/または溶液を輸送するためのパイプP1−P4と、熱
交換器8で温められ、パイプP3で輸送される温溶液を
散水するスプリンクラー11とを有する。
【0017】本システムは、さらに、タンク2内の氷の
濃度を検出して氷分濃度を示す氷分濃度情報を出力す
る、本発明による氷分濃度計測装置10と、前記氷分濃
度計測装置10から出力される氷分濃度情報に基づい
て、製氷機4の製氷動作を制御するシステム制御装置1
2とを有する。氷分濃度計測装置10は、氷・溶液混合
物中に浸漬されるセンサ部10b(プローブ)と、セン
サ部10bからの信号を処理して、氷分濃度情報を出力
する測定処理部10aとから構成される。
【0018】この氷蓄冷システムは、氷蓄熱槽2内の氷
を熱交換器8に送り、この氷を用いて熱交換(冷房)を
行うものである。氷蓄熱槽2内では、熱交換の結果、氷
蓄熱槽2内の氷量が変化するため、氷蓄熱槽2へ氷を供
給する製氷機4の運転開始、停止等、システムを制御す
るため氷蓄熱槽2内の氷量を計測する必要がある。この
氷量は、システム制御装置12が、氷分濃度計測装置1
0によって求められた氷−溶液混合物の氷分濃度から求
める。
【0019】ここで、製氷機4により生成された粒状氷
は、パイプP2を通り、溶液との比重差により、タンク
2の上部に向かって浮上する。この氷は、すでに溶液上
面に広がって浮遊している氷の下部に次々と積み重な
り、氷の塊(氷・溶液混合物)を作る。これは、タンク
2下部から供給される氷の浮力と、すでに浮遊している
氷の自重によって、両者が圧着し、塊を作るためであ
る。この状態では、氷自体の流動性が小さいため、パイ
プを通して、熱交換器8に氷を直接送ることはできな
い。そのため、熱交換器8で温められた溶液を、スプリ
ンクラー11によりタンク2上方から散水し、過冷却し
た溶液をパイプP4を通して、熱交換器8へ送る。
【0020】本発明による氷分濃度計測装置10は、氷
−溶液混合物を含む領域の物理特性、例えば、誘電率や
密度等をプローブ(図1ではセンサ部10b)を用いて
検出するものである。測定処理部10aは、このプロー
ブからの信号を受け、予め定まった演算処理により、混
合物内の氷分濃度の計測を行うものである。
【0021】図1に示すように、氷蓄熱槽2内に、製氷
機4で生成された氷が氷蓄熱槽2底部より送り込まれる
と、氷は溶液との比重差によって氷蓄熱槽内の上部に向
かって浮上する。この浮上する氷は、氷蓄熱槽2内に送
り込まれる量が多くなるにつれ塊状となる。この塊には
下方から氷が供給されるが、冷房に使用され、温められ
た溶液が、スプリンクラー11により、氷塊の上方から
散水されるため、氷は上部から消費される。したがっ
て、氷蓄熱槽2内の氷・溶液混合物(氷塊)では、常
に、上方への氷の循環が存在する。
【0022】この氷の循環が、氷蓄熱槽内に設置された
センサーの、例えば絶縁体の平坦な面に、これを垂直方
向に持ち上げようとする力を作用させる。この氷の浮上
によってセンサーにもたらされる浮力は、氷蓄熱槽2内
の氷の全量による浮力により生じるため、きわめて大き
く、氷蓄熱槽2内に送り込まれる氷の量が多くなるほど
著しい。
【0023】したがって、プローブの形状は、氷の浮力
の影響を受けるような、垂直方向に対して平坦な面を持
つ形状であると、氷の浮力を避けることができなかっ
た。そのため、自重によって氷蓄熱槽2内にプローブを
設置する(吊り下げ型)ことはできない。つまり、設置
されたプローブが浮上してしまい、同一位置での氷分濃
度の変化の検出が正確に行われないためである。例え
ば、プローブが氷面近くに設置された場合、氷面より空
気中に露出し、氷分濃度の計測が不可能となる。また、
混合物内の氷濃度が深さ方向に分布を持つ場合、プロー
ブ位置が変化することで、正確な計測が行われない。
【0024】プローブ位置が変化しないような固定法を
提供する必要があったが、プローブ最下端部に、ある程
度の大きさの平面部を有する場合は、プローブの特性に
影響が出るほどの機械的な補強が必要なこともあり、ま
た、その補強に係るコスト面で問題になることもある。
【0025】本発明によるプローブを有する氷分濃度計
測装置においては、プローブは、その形状が、最下端部
より鉛直上方向における予め定めた距離間で、最下端部
から任意距離位置での水平断面積が、それよりも上方位
置での水平断面積よりも小さい。つまり、このプローブ
の形状(例えば、くさび形状)によると、浮力により上
向き力を持って上方に移動する氷が、最下端面に集中す
ることなく、下端部の側面に沿って上方へ流れる。
【0026】そのため、プローブには、氷による上向き
の力は作用せず、プローブ自身が氷−溶液混合物の内部
へ容易に侵入でき、プローブの固定には大きな力を必要
としない。さらに、氷は、順次上方に流れていくため、
プローブ近傍は、周囲と同様な均一状態に保たれる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の氷分濃度計測装置の一実施例
について、図2を参照して説明する。
【0028】本実施例の氷分濃度計測装置10は、図2
に示すように、測定処理部10aと、タンク2の氷−溶
液混合物の存在する領域に配置されるセンサ部10bと
から構成される。
【0029】センサ部10bは、タンク2の貯溜溶液
(氷を含む)内に設置される伝送線路102と、この伝
送線路102の両端に接続される整合回路104、10
6と、伝送線路102および整合回路104、106を
固定する保持部材100とを有する。
【0030】伝送線路102は、タンク2の上下方向に
沿って、溶液中に没する状態となるように、布設され、
例えば、その上端に、整合回路106が接続され、下端
に、整合回路104が接続される。伝送線路102を含
むセンサ部10bの具体的形状については、後に詳しく
述べる。
【0031】測定処理部10aは、例えば、50MHz
の高周波信号を発振して出力する高周波発振器108
と、この高周波発振器108に接続され、前記高周波信
号を分岐する分岐器110とを有する。分岐器110か
ら出力される信号の一方は、前記整合回路104に供給
される。他方の信号は、基準信号として、後述する受信
機114に送られる。
【0032】測定処理部10aは、さらに、前記整合回
路106と接続されて、該回路106から出力される計
測信号を受信する受信機112と、前記分岐器110の
後段側に接続されて、基準信号を受信する受信機114
と、これらの受信機112、114の受信出力信号を受
けて、処理し、氷分濃度を検出する信号処理器200と
を有する。
【0033】受信機112および114は、中間周波数
信号発振器116を共通に有すると共に、それぞれ、増
幅器118、周波数変換器120および増幅器122を
有する。
【0034】なお、前記基準信号は、後述するように、
位相遅延を測定する場合には必須である。しかし、損失
のみを測定する場合には不要である。従って、損失のみ
を測定する場合には、分岐器110および受信機114
を省略してもよい。また、高周波信号の周波数は、50
MHzに限られない。本発明は、例えば、数MHz〜数
GHzで実用可能である。
【0035】次に、氷分濃度計測装置10のセンサ部1
0bの形状および作用について説明する。
【0036】本実施例による氷分濃度計測装置10は、
氷−溶液混合物の誘電率を混合物内を通過する高周波信
号の位相または振幅より求め、これより混合物内の氷分
濃度の計測を行うものであり、氷−溶液混合物の誘電率
を高周波信号の位相または振幅に変換する装置として、
伝送線路型センサをセンサ部10bに用いるものであ
る。
【0037】一般的に、伝送線路は、高周波信号が伝搬
する空間に充填されている物質の誘電率によってその空
間を伝搬する高周波信号の位相、振幅が変化することが
電磁気学より明らかである。本実施例は、この高周波伝
送線路の特長を応用したものであり、誘電率の異なる氷
と溶液の混合比によって、混合物の平均誘電率が変化す
るが、この誘電率変化を計測することで、逆に混合比を
知るという原理を用いている。
【0038】本発明によるセンサ部10bとの対比のた
め、最初、最も基本的な伝送線路型センサの例として、
図3(a)〜(c)にその形状を示す。図3(a)は平
行2線型、図3(b)は同軸線路型、図3(c)は導波
管型のセンサを示している。
【0039】図3(a)に示される平行2線型は、絶縁
体91、92によって支持された2本の導体93、94
によって伝送線路が構成される。この伝送線路を通過す
る高周波信号は、導体93、94間に満たされた混合物
の誘電率によって位相、振幅が変化する。この伝送線路
における高周波信号伝搬空間は、導体93、94に挟ま
れた空間であるので、氷−溶液混合物が存在する領域に
対して開放的であり、混合物は伝送空間に自然に満たさ
れる。この種のセンサは、伝送線路本来の形状でセンサ
を形成している。
【0040】図3(b)に示される同軸線路型は、絶縁
体95、96で支持された外導体97、内導体98によ
って伝送線路が構成される。同軸線路型伝送線路におい
て、高周波信号は、外導体97、内導体98間の円筒空
間を伝搬する。よって氷−溶液混合物がこの円筒空間に
満たされなければならない。そのため、外導体97に、
例えば、スリットを設けることで氷−溶液混合物がこの
スリットを通過して伝送線路内に満たされるように工夫
してある。
【0041】図3(c)に示される導波管型は、中空の
導体99によって伝送線路が構成される。この伝送線路
では、高周波信号は管内を伝搬するので、同軸線路の場
合と同様に導体99にスリットを設け、氷−溶液混合物
が管内に満たされるように工夫されている。
【0042】氷分濃度計測装置10においては、氷濃度
があまり高くない場合は、上記伝送線路型センサを、伝
送線路102として用いて、高周波信号が伝搬するセン
サを氷−溶液混合物が存在する領域、例えば氷蓄熱槽2
内に配置し、センサ内の高周波伝搬路に混合物を満た
し、その混合物の誘電率の変化による高周波信号の位
相、または振幅から混合物内の氷分濃度の検出を行うこ
とができる。
【0043】しかし、氷分濃度が比較的高い場合には、
混合物の流動性が失われてしまい、上記同軸線路及び導
波管型伝送線路センサにおいて外導体壁のスリットが小
さい場合、センサ内の高周波伝送空間に混合物が充満せ
ず正確な氷分濃度計測が行われないことがある。もちろ
ん、外導体壁のスリットの拡大を行うことで、混合物が
高周波伝送空間に充満することを促進する方法がある。
しかし、外導体壁のスリットを大きくすると機械的強度
が低下して、氷の圧力でセンサが破壊されることがあ
る。
【0044】さらに、氷濃度が高い場合、センサを氷蓄
熱槽2内部に固定しようとすると、氷から大きな上向き
の力を受ける。この力により、センサが変形し、最悪の
場合には破壊に到ることがある。
【0045】本発明においては、そのセンサ部10bを
終端する形状を鋭利な形状、例えば楔状とすることで、
センサ部10bの最下端面に加わる上向きの力を、その
側面に逃すことができる。さらに、本発明を適用したセ
ンサ部10b形状により、氷の浮力により、センサ部1
0b自身が、氷の内部に容易に進入できる構造を与える
ものである。
【0046】以下、図4〜図11、図19、20を用い
て、本実施例のセンサ部10bの形状および作用を説明
する。
【0047】本発明を適用したセンサ部10bの第1例
を図4、図19に示す。
【0048】本例によるセンサ部10bは、図4、図1
9に示すように、2本の導体93、94から成る伝送線
路102と、伝送線路102を固定、保持する楔型の絶
縁体91、92から成る保持部材100とを有する平行
2線型センサである。ここで、図19は、本例の側面図
を示す。
【0049】センサ部10bは、さらに、本実施例の測
定処理部10aと導体93、94とを結合する同軸ケー
ブル15、16と、絶縁体91、92中の同軸ケーブル
15、16と導体93、94の接続点間に挿入される整
合回路104、106とを有する。
【0050】同軸ケーブル15は、導体93、絶縁体9
1、92を通過し、絶縁体91内部において、整合回路
106を介して、導体93、94に接続される。このと
き、例えば、同軸ケーブル15の基準電位(接地電位)
側を導体93に、中心導体を導体94に接続する。この
ようにすることで、氷の圧力を楔型の絶縁体91で受け
るため、同軸ケーブルの損傷を防ぐことができる。
【0051】また、同軸ケーブル16は、絶縁体92内
部において、整合回路104を介して、導体93、94
に接続される。このとき、例えば、同軸ケーブル15と
同様に基準電位(接地電位)側を導体93に、中心導体
を導体94に接続する。
【0052】蓄熱槽2内(図1参照)に本例によるセン
サ部10bを取付ける場合、絶縁体の平面部91a、9
2aを、槽2内壁面に接触させるように固定される。蓄
熱槽2は、通常、断熱性が必要であるから、樹脂性の内
壁面を持つ物が多く、ここに示した2本の導体を持つセ
ンサが好適であることが多い。
【0053】測定においては、本例によるセンサ部10
bを、伝送線路102における平行2線が、垂直方向と
なるように氷−溶液混合物内に懸垂させた状態で、測定
処理部10aで発生した高周波信号を同軸ケーブル15
に送る。この信号は、整合回路106、導体93、9
4、整合回路104、同軸ケーブル16の順序で通過す
る。この信号を受信することで、測定処理部10aは、
伝送線路102が存在する場所、つまり、氷・溶液混合
物における平均誘電率を測定する。詳しい処理動作につ
いては後記する。また、高周波伝搬経路は上記経路の逆
を取っても良い。
【0054】本例における平行2線型の伝送線路102
の電気力線19の分布は、図5に示すように、導体9
3、94間に集中しており、この高周波伝送空間に満た
される混合物の誘電率より氷濃度を検出する。
【0055】図4、図5より明らかなように本例のセン
サ部10bの形状は、同軸線路型、導波管型伝送線路と
比較して、高周波伝送空間が周囲の混合物が存在する領
域に対し、より開放的である。したがって、氷分が増加
して混合物の流動性が低下しても、高周波伝送空間に混
合物が充満し易く、正確な氷分濃度が計測できる。
【0056】また、氷−溶液混合物が存在する領域にお
いて、本例のセンサ部10bを、垂直方向に懸垂した場
合、周囲の混合物内の氷分が増加して、センサ部10b
に対し、氷による浮力が生じても、その両端が楔型形状
をなしているため(図4参照)、比較的小さい力で氷を
分割する事ができる。つまり、センサ部10bに強大な
力が作用することを防ぐことができるため、センサ部1
0bの損傷を避られ、且つ、簡単に取り付けることがで
きる。
【0057】また、センサ部10bの質量を大きく設計
し、比較的氷濃度の小さい部分に使用する場合には、セ
ンサの自重によって氷の浮力の影響を除去し、定位置で
の氷分濃度計測が可能である。これは、氷−溶液混合物
が存在する領域中にセンサを固定する構造物が存在しな
い場合、また、その構造物がセンサの固定に適していな
い場合有効である。
【0058】また、本例において、保持部材100とし
ての絶縁体91、92の鉛直平面による断面形状は菱形
であったが、図20の(a)、(b)、(c)に示すよ
うな、鉛直断面形状等、上向き力を、その側面に逃すこ
とができる形状であれば、上記例と同様な効果を得るこ
とができる。
【0059】本発明を適用したセンサ部10bの第2例
を、図10に示す。
【0060】本例は、上記第1例で述べたセンサ部10
bの、蓄熱槽2内への取付法を改良したものである。
【0061】本例によるセンサ部10bの構成は、第1
例と同じである。ここで、伝送線路102を構成する2
本の金属導体93、94は、絶縁体91、92で保持さ
れる。また、2本の導体93、94の両端は、絶縁体9
1、92内部において、整合回路104、106と、同
軸ケーブル15、16とを介し、本実施例の氷分濃度計
測装置10の測定処理部10aに接続される。
【0062】但し、本例においては、氷蓄熱槽2内に固
定設置するために、絶縁体92をセンサ部10bの長手
方向に延長し、蓄熱槽2の上面に達する寸法としてい
る。本センサ部10bを垂直方向に、氷蓄熱槽2内に固
定設置する場合、絶縁体92aの延長部の上面92bを
用いて、天井面に直接固定できる。また、センサ部10
bの方向を逆にして、氷蓄熱槽2底面に固定しても良
い。
【0063】これにより、機械的な支持構造の無い蓄熱
槽2の中央部にも、センサ部10bを設置することが可
能となる。センサ部10bの電気的特性、及び動作は第
1例と同様である。
【0064】また、図11のように、本例の構造におい
て、導体93、94と、絶縁体91、92で囲まれた空
間を、厚さが導体の直径程度の絶縁物92cで充填し、
絶縁体91、92を一体化した構造でも良い。この構造
では、センサ部10bの機械的強度が、さらに増す。ま
た、同様に、第1例において、絶縁物92cを用いて、
絶縁体91、92で囲まれた空間を充填することもでき
る。
【0065】本発明を適用したセンサ部10bの第3例
を、図6を用いて説明する。
【0066】本例は、図6(a)、(b)に示すよう
に、氷蓄熱槽2内に、すでに存在していた鉛直方向に設
置された金属構造物、例えば、金属管、金属壁等を利用
して、これを高周波伝送線路の一部に用いたものであ
り、上記センサ部10bの第1例および第2例の平行2
線型伝送線路を変形したものである。
【0067】本例のセンサ部10bは、伝送線路102
を構成する第1の導体としての金属管22(図6
(a))、または、金属壁22a(図6(b))と、第
2の導体23と、これら導体22(22a)、23を固
定、保持する絶縁体24、25とを有する。
【0068】本例のセンサ部10bは、さらに、本実施
例の測定処理部10aと導体22(22a)、23とを
接続する同軸ケーブル15、16と、それぞれのケーブ
ルと導体の間に接続される整合回路104、106とを
有する。
【0069】ここで、接続においては、同軸ケーブル1
5、16の基準電位(外部導体)側を導体22(22
a)に、中心導体側を導体23に接続する。
【0070】測定処理部10bで発生された高周波信号
は、同軸ケーブル15、整合回路104、導体22と2
3で形成される高周波伝送線路102、整合回路10
6、同軸ケーブル16の順に通過する。ケーブル16か
らの信号は、測定処理部10aにおいて、後記する処理
手順に従い処理され、氷濃度が検出される。また、高周
波信号の伝搬経路は、上記順路の逆でも良い。
【0071】本例のセンサ部10bの電気力線34の分
布は、図7に示すように、導体22(22a)、23間
に集中しており、この高周波伝送空間に満たされる混合
物の誘電率より氷濃度を検出する。
【0072】図6、図7より明らかなように、本例にお
ける伝送線路は、同軸線路型、導波管型伝送線路と比較
して、高周波伝送空間が周囲の混合物が存在する領域に
対し、より開放的であるので、氷分が増加して混合物の
流動性が低下しても、高周波伝送空間に混合物が充満し
易く、正確な氷分濃度が計測できる。
【0073】また、氷−溶液混合物が存在する領域にお
いて、上記センサ部10bを垂直方向に懸垂した場合、
周囲の混合物内の氷分が増加してセンサ部10bに対し
氷による浮力が生じても、センサ部10b両端が楔型形
状をなしているため、比較的小さい力で氷を分割する事
ができ、センサ部10bに強大な力が作用することを防
ぐことができる。この結果、センサ部10bの損傷を避
けることができ、且つ、氷蓄熱槽2内の金属構造物を、
センサ部10b構造の一部としているので、センサ部1
0bの機械的強度が向上し、取り付け構造も簡単にでき
る。
【0074】また、本例では、上記構造のため、同軸ケ
ーブル15、16を蓄熱槽2内の構造物、例えば、配管
内に配線することで、氷による引っ張りの影響を除去
し、断線事故を防止することが可能である。
【0075】さらに、蓄熱槽2が金属性である場合や、
蓄熱槽2内に金属構造物が既に存在している場合には、
これらをセンサ部10bの一部に利用でき製造コスト面
で有利である。
【0076】本発明を適用したセンサ部10bの第4例
を、図8を用いて説明する。
【0077】本例のセンサ部10bは、図8(a)、
(b)に示すように、氷蓄熱槽2内にすでに存在する、
鉛直に敷設された金属構造物、例えば、金属管、金属壁
を高周波伝送線路102としての、マイクロストリップ
線路の一部に用いたものである。
【0078】本例のセンサ部10bは、接地導体として
の金属管37(図8(a))、または、金属壁37a
(図8(b))と、この接地導体に装着された両端が楔
型の誘電体39と、誘電体39上に導体37と相対する
装着された導体38とを有する。 本例のセンサ部10
bは、さらに、本実施例の測定処理部10aと導体37
(37a)、38とを接続する同軸ケーブル15、16
と、これら同軸ケーブル15、16と導体37(37
a)、38との接続点間に挿入される整合回路104、
106とを有する。
【0079】このとき、同軸ケーブル15、16の基準
電位(外部導体)側を導体37(37a)に、中心導体
側を導体38に接続する。
【0080】測定処理部10aで発生された高周波信号
は、同軸ケーブル15、整合回路104、導体37(3
7a)、38と絶縁体39とで構成されるマイクロスト
リップ線路102、整合回路106、同軸ケーブル16
の順に通過する。ケーブル16からの信号は、測定処理
部10aで、後記する処理手順に従って処理され、氷濃
度に変換される。このとき、高周波信号は上記経路の逆
順を伝搬することも可能である。
【0081】本例のセンサ部10bの電気力線45の分
布は、図9に示すように誘電体39を介した導体37
(37a)、38間に集中しているが、電気力線45の
一部はストリップ線路に接している氷−溶液混合物内を
通過している。この電気力線が通過している混合物の誘
電率から、氷分濃度が検出される。
【0082】図8、図9より明らかなように、ストリッ
プ線路型伝送線路は、同軸線路型、導波管型伝送線路と
比較して高周波伝送空間が周囲の混合物が存在する領域
に対し、より開放的であるので、氷分が増加して混合物
の流動性が低下しても、電気力線が通過する領域に、混
合物が常に存在し正確な氷分濃度が計測できる。
【0083】また、本例のセンサ部10bは、センサ部
10b全体が氷蓄熱槽2内の金属構造物と一体化されて
いるので、第3例より更に機械的強度が向上し、且つ導
体38を支持する誘電体39の両端が楔状のため、セン
サ部10bに及ぼす氷の浮力の影響を除去できる。
【0084】また、上記構造のため、同軸ケーブル1
5、16を蓄熱槽2内の構造物、例えば配管内に配線す
ることで、氷による引っ張りの影響を除去し、断線事故
を防止することが可能である。
【0085】さらに、蓄熱槽が金属性である場合や、蓄
熱槽2内に金属構造物が既に存在している場合には、こ
れらをセンサ部10bの一部に利用でき製造コスト面で
有利である。
【0086】上記第3例(図6)および第4例(図8)
は、センサ部10bの一部を氷蓄熱槽2内の構造物に置
き換えているので、複数個のセンサ部10bをセンサ部
10b強度を保ちながら設置することが容易である。
【0087】また、以上では、センサ部10bを通過す
る電磁波の位相変化若しくは振幅変化を計測する場合に
用いられる伝送線路を適用した例を示した。しかし、原
理的には、2個の導体で形成される伝送線路の反射係数
を計測しても、同様の結果が得られることは明らかであ
る。この場合には、同軸ケーブル15、16のうち一方
はとりつけられない。また、高周波伝送線路の同軸ケー
ブルが接続されない側の端部は、反射面を確定させるた
めに、短絡されることが多い。
【0088】短絡手段は、同軸ケーブルが接続されない
端部に、伝送線路102を形成する2導体の間隔を保持
する金属性の保持部材を設けることで実現できる。
【0089】以上で説明した本発明を適用したセンサ部
10bの例によれば、高周波の伝送空間が周囲の氷−溶
液混合物が存在する領域に対し開放的であり、氷分の増
加で混合物の流動性が低くなっても、伝送空間に混合物
を十分満たすことができる。さらに、センサ部10bと
氷−溶液混合物との接触が、氷分濃度の多少に関わらず
常に一定となる。したがって、電気的に安定した氷分濃
度の計測が可能である。 さらに、上記したセンサ部1
0b部の形状によれば、浮力の影響を小さくできるセン
サ部10bを得ることが出来る。氷塊の浮力によりセン
サ部10bが力を受ける時、その力はセンサ部10b下
端の先端部に集中する。氷塊は、蓄熱槽内ではシャーベ
ット状で流動性はきわめて低い状態か、小さな氷片が互
いに微小面積で接合した、いわゆる“ざらめ”状で存在
するため、比較的小さな力でこれを切断することが可能
であり、センサ部10b先端に発生する応力により容易
に切断できる。この結果、センサ部10bは氷の移動に
対して、氷を切断しながら自身の位置を確保することが
でき、これに必要な力が従来のセンサ部10bに比べて
きわめて小さいため、比較的簡単な構造でセンサ部10
bを蓄熱槽内に取り付けることができる。
【0090】さらに、氷蓄熱槽2内にセンサ部10bを
設置するとき、槽2内の金属構造物をセンサ部10bの
一部に代用でき、構造が簡単で、且つ強度の高いセンサ
部10bとすることが可能である。これにより、槽内に
複数のセンサ部10bを取り付けることが簡単に出来
る。
【0091】次に、本実施例の動作について、その測定
原理と共に、図2、図12から図16を用いて説明す
る。
【0092】計測は、予め定めた周期で行なわれる。こ
の周期は、例えば、1分毎等のように、適用するシステ
ムごとに設定される。図2の高周波発振器108を一定
周期で起動して、高周波信号を一定周期ごとに出力する
方法、連続的に高周波信号を出力させて、信号処理器2
00でのサンプリングを周期的に行なう方法等が可能で
ある。本実施例では、後者の方法による。
【0093】高周波発振器108から出力される高周波
信号は、図2に示すように、一部が分岐器110を介し
て整合回路104に送られる。そして、高周波信号は、
前記した形状および作用を有するセンサ部10bにおい
て、整合回路104を介して伝送線路102を伝搬す
る。高周波信号は、伝送線路102を伝搬する際に、線
路が置かれている空間の媒質の状態に応じた伝搬定数の
影響を受ける。すなわち、媒質の状態の影響を含む計測
信号として整合回路106に達し、該整合回路106を
経て受信機112に送られる。また、高周波発振器10
8から出力される高周波信号の他の一部は、分岐器11
0で分岐され、基準信号として受信機114に送られ
る。
【0094】受信機112および114は、それぞれ、
増幅、周波数変換および増幅を行なう。受信機112か
らの計測信号および受信機114からの基準信号の各出
力は、信号処理回路200に入力され処理される。
【0095】信号処理器200では、計測信号および基
準信号の位相差および振幅比を求め、これらから、氷分
濃度を計算して、出力する。なお、信号処理器200の
構成および動作の詳細については、後述する。
【0096】次に、本実施例の動作原理について説明す
る。
【0097】高周波領域(数百KHz以上)では、氷の
比誘電率εiは、ほぼ一定で、2.9〜3.2程度とな
ることが知られている。また、純水の比誘電率εwは、
波長で10cm以下の周波数帯で約80、波長1cm程
度の周波数領域で約20程度と、高周波領域で見た比誘
電率には、両者間に大きな差が存在している。
【0098】氷−水混合物では、氷が水中に微小な球と
して存在している時、その混合物の等価比誘電率をεs
とすると、ウイナー(Wiener)の混合誘電体理論
から、Pi,Pwを、それぞれ氷、水の体積比として、次
式で与えられる。
【0099】
【数1】
【0100】εi=3,εw=80とした時の等価誘電率
のPiに対する変化を、図12に示す。同図から明らか
なように、等価誘電率を知れば、氷分の濃度がわかる。
【0101】高周波伝送線路内の電磁波の伝搬位相定数
は、線路内の誘電率の平方に比例するから、線路長が不
変である時、等価誘電率の変化を位相遅れの変化として
とらえ、氷分の濃度を間接的に測定することが可能とな
る。
【0102】図2に示した実施例では、上記に説明した
ように、氷を含む水が伝送線路102の内外を自由に出
入りできる構造となっている。このため、氷分の濃度に
ついて、伝送線路102の内外では差を生じない。この
結果、タンク2内の氷分濃度が高くなるにつれて、伝送
線路の電気長は短かくなったように見える。すなわち、
位相遅れが小さくなってゆくことになる。予め氷分の濃
度に対する位相遅れ変化をデータとして取得しておく
か、計算により求めておけば、逆に、位相遅れから氷分
の濃度を知ることができる。
【0103】次に、上述した実施例において好適に用い
られる信号処理器の一実施例について図13を参照して
説明する。
【0104】図13において、本実施例の信号処理器2
00は、受信機112用入力端子202および受信機1
14用入力端子204を有する。また、内部には、入力
端子202、204に対応して接続される振幅制限増幅
器206および208と、これらの増幅器206、20
8の後段に配置される直交検波回路210と、前記入力
端子202、204に接続される振幅比検出回路230
と、前記直交検波回路210および振幅比検出回路23
0の出力を取り込んで、氷分濃度を検出し、氷分濃度情
報を出力するコンピュータシステム250とを有してい
る。
【0105】直交検波回路210は、前記振幅制限増幅
器206の出力信号を等分配する電力分配器212と、
前記振幅制限増幅器208の出力信号を等分配する電力
分配器214と、電力分配器214の一方の出力信号の
位相を90°遅らせる移相器216と、電力分配器21
2の一方の出力信号および移相器216の出力信号を合
成するミキサ218と、電力分配器212の他方の出力
信号および電力分配器214の他方の出力信号を合成す
るミキサ220と、ミキサ218および220の出力側
に対応して接続されるローパスフィルタ222および2
24とを有する。ローパスフィルタ222および224
の出力信号は、コンピュータシステム250に送られ
る。
【0106】振幅比検出回路230は、入力端子202
および204に対応して接続され、それぞれ入力信号を
増幅する可変利得増幅器232および234と、可変利
得増幅器232および234に対応して接続される振幅
検波回路236および238と、振幅検波回路238の
出力信号を取り込んで、可変利得増幅器232、234
の利得を制御する自動利得制御回路(AGC回路)24
0とを有する。振幅検波回路236の出力信号は、コン
ピュータシステム250に送られる。
【0107】コンピュータシステム250は、前記ロー
パスフィルタ222、224および振幅検波回路236
の各出力信号をディジタル信号に変換するA/D変換器
252、254および256と、これらの信号を取り込
むためのインタフェース回路258と、インタフェース
回路258を介して取り込んだ信号に基づいて、氷分濃
度の算出を行なう中央処理ユニット(CPU)260
と、CPU260の動作プログラム、予め与えられる各
種定数、係数等を記憶するリードオンリーメモリ(RO
M)262と、データ、演算結果等を格納するランダム
アクセスメモリ(RAM)264と、演算結果等を出力
するためのインタフェース回路266と、これらを接続
するバス268とを有する。
【0108】次に、本実施例の信号処理器200の動作
について、図13を用いて説明する。
【0109】入力端子202、204に入力される信号
は、それぞれ対応して接続されている振幅制限増幅器2
06および可変利得増幅器232と、振幅制限増幅器2
08および可変利得増幅器234とに入力される。可変
利得増幅器234の出力信号は、振幅検波回路238で
その振幅が検出され、AGC回路240に入力される。
【0110】自動利得制御回路240は、検波振幅出力
回路238からの出力レベルが、入力端子204からの
入力信号レベルが変動しても一定となるように、可変利
得増幅器234の利得を変化させる。この変化は、可変
利得増幅器232についても同様に行なわれる。
【0111】今、入力端子202、204にそれぞれS
a、Sbなる振幅を持つ信号が加えられたとする。自動利
得制御回路240は、振幅検波回路238の出力を一定
値E0となるように、可変利得増幅器234の利得Gb
制御するから、 E0=Ka・Gb・Sb=定数 ………(2) となる。ここで、Kaは、回路によって定まる比例定数
である。よって Gb=E0/(Ka・Sb) ………(3) 一方、可変利得増幅器232の利得Gaは、同234と
同一となる。また、可変利得増幅器232側の回路の比
例定数をKbとすると、振幅検波回路236の出力E
は、 E=Kb・E0/(Ka・Sb)Sa ………(4) E={(Kb/Ka)・E0}・(Sa/Sb) ………(5) となり、これは、{(Kb/Ka)・E0}が定数である
ため、(Sa/Sb)という2つの入力の振幅比に比例し
た出力であることがわかる。定数部分は、調整時に測定
できるから、そのデータをもとにして、Eより振幅比が
得られる。
【0112】図1、図2で、分波器110から受信機1
14に加えられる信号は、タンク2内の水中領域の長さ
L中に存在する氷と水の混合物の影響はうけない。一
方、受信機112に入力する信号は、L中の損失の変化
をうける。例えば、標準状態として、L中に氷のない状
態を作り、その時の振幅Erefを記憶しておく。
【0113】 Eref={(Kb/Ka)E0}・(Sa0/Sb0) ………(6) ここで、Sa0、Sb0は、標準状態での信号処理器7への
入力振幅である。
【0114】通常動作時には、L中に存在する混合物状
態によって、受信機112への入力振幅が変動する。標
準状態からのL中の損失の増加をαとすると、その時の
受信機112への入力S′aは、 S′a=α・Sao ………(7) また、受信機114への入力Sb0は不変である。この時
の振幅検波回路236の出力E′は、 E′={(Kb/Ka)・E0}(Sa′/Sb0) ………(8) E′のEref に対応する比をとると、 (E′/Eref)=(Sa′/Sa0)=α ………(9) となり、損失の変化分αが得られる。
【0115】以上の演算は、CPU260と、ROM2
62に格納されるソフトウェアを用いて実現できる。本
実施例では、このαの値は、後述するように、位相から
の濃度の解が複数存在してしまう場合の解決策に用いら
れる。
【0116】氷分濃度の測定精度が粗くともよい場合
は、この値のみでもよい。
【0117】前記αと氷の体積%との関係は、予め実験
により求めることができる。この関係の一例を図15
(A)に示す。このグラフに示す関係は、ルックアップ
テーブルとして、ROM262中に格納しておく。
【0118】これにより、αから氷分濃度を求めること
ができる。
【0119】直交検波回路210への2つの入力信号
は、振幅制限増幅器206、208によって一定振幅に
制限される。直交検波回路210内では、それぞれの信
号は、電力分配器212、214により等分割されて、
図13に示す通り、ミキサ218、220に入力され
る。そのうちの1つは、位相器216を通り、90°の
位相差が与えられている。
【0120】この結果、ローパスフィルタ222の出力
a は、2つの入力信号の位相差φの正弦に比例した電
圧となり、ローパスフィルタ224の出力Vbには、余
弦に比例した電圧となる。
【0121】Va=K′・sinφ Vb=K′・cosφ ………(10) ただし、K′は比例定数、Va、Vbは、ADコンバータ
252、254を介して、それぞれコンピュータシステ
ム250に取り込まれる。
【0122】この後、CPU260による計算によっ
て、位相差φが求められる。ROM262には、図2の
実施例の場合、タンク2内が標準状態の時の位相差φ
refを測定して、記憶しておき、動作中の測定値φとの
差△φ(=φ−φref)を計算するプログラムが用意さ
れている。
【0123】標準状態として、タンク2中、全てが氷を
含まない水である場合を例にとって説明する。
【0124】区間L中で発生する位相遅延量は次の式で
定式化できる。図2中に示したように、1次元座標lを
とると、微小区間dlで生ずる位相遅れdφは、 dφ=(2π/λ0)・√εs(l)・dl ………(11) ここでεs(l)は、位置lでの等価誘電率、λ0は自由
空間波長、πは円周率である。
【0125】全区間にわたる位相変化φLは、
【0126】
【数2】
【0127】標準状態では、εs(l)は水の誘電率εw
なるから、その時の位相変化φ0は、上式より、 φ0=(2π/λ0)・L・√εw ………(13) この時、測定される位相差φrefは、φ0以外に、分波器
110から受信機112、114に到る2つの経路長に
起因する位相遅れφcを含んでいる。
【0128】 φref=(2π/λ0)・L・√εw+φc ………(14) 計測時には、このφcは、標準状態と同じと見てよいか
ら、この時、測定される位相差φmは、
【0129】
【数3】
【0130】ここで、両者の差をとると、
【0131】
【数4】
【0132】となり、φcは結果に影響しない。上式
を、変形すると、
【0133】
【数5】
【0134】となる。右辺第2項は、Lと、用いる溶液
(水)の誘電率の測定値から計算できる。第1項の
【0135】
【数6】
【0136】の部分は、Lにわたる平均等価誘電率av
εSである。
【0137】原理で示したように、εSと混合比Piの間
の関係式は与えられているから、以上の式を用いて、測
定値△φと混合比Piとを結びつけることができる。
【0138】実際の運用では、△φを測定し、Piを知
る。この操作は、Pと△φを結合する式群の逆演算を行
なうことになる。前述の式(17)、(1)より
【0139】
【数7】
【0140】と変形できる。各式の右辺は、測定で求め
られ、結局、区間Lに沿うみかけ濃度*Piが得られ
る。△φには、後述するように、360°の不確定さが
生じる場合がある。それゆえ、Piは、複数の値が得ら
れることになるが、振幅比の測定値による解との比較に
よって単一解とすることができる。
【0141】みかけ濃度*Piは、氷のLに沿った分布
によって影響を受ける。このため、*Piをそのままタ
ンク2内の平均濃度とすることはできない。
【0142】みかけ濃度*Piは、真の平均濃度avPi
との間に一定の関係がある。特に、氷の粒状が大きな変
化をしない時には、水と氷の比重関係だけで決定される
ため、実験的にこの関係を決定することができる。
【0143】コンピュータシステム250では、この関
係を、多項式近似やルックアップテーブルとして、RO
M262に記憶しておき、*Piから、真の平均濃度a
vPiを計算する。
【0144】以上の動作をフローチャートとしたもの
を、図14に示す。
【0145】図14に示すように、本実施例の計測動作
は、初期設定モードと運用モードとがある。
【0146】初期設定モードでは、タンク2内をすべて
水の状態(標準状態)として、伝送線路102に高周波
信号を伝搬させ、これを受信機112で受信し、一方、
分岐器110で分岐された基準信号を受信機114で受
信して、両受信機112、114の出力を信号処理器2
00で処理する。信号処理器200において、CPU2
60は、位相差φrefと、振幅比Erefとを求め、結果を
RAM264に記憶させる(ステップ1001〜100
3)。これらの処理は、タンク2内に氷がなく、水のみ
の状態で氷蓄冷システムを起動する際に行なう。
【0147】運用モードは、氷が製氷機で作られて、タ
ンク2内に貯えられた状態を想定した動作モードであ
る。
【0148】このモードでは、信号処理器200は、受
信機112および114からの受信信号に基づいて、上
述したようにして、位相差φmを測定すると共に、振幅
比E′を測定する(ステップ1004,1005)。
【0149】ここで、得られた振幅比E′と、上述した
初期設定モードで得た振幅比Erefとを用いて、損失の
変化分αを求める(ステップ1006)。そして、予め
実験で求めてあるαについて、ROM262中のルック
アップテーブルを参照して氷濃度P′を求める(ステッ
プ1007)。なお、この氷分濃度の値は、位相差を用
いる場合より、大まかな値である。
【0150】一方、前記測定された位相差φmと、予め
初期設定モードで得たφrefより、Δφを求める(ステ
ップ1008)。ここで、Δφについて、ROM262
のルックアップテーブルを参照して、解として可能性の
ある全ての濃度Pの値を求める(ステップ1009)。
【0151】次に、上述したステップ1007で求めた
P′値に最も近いPを選択し*Piとする(ステップ1
010)。この理由については、後述する。そして、*
iより、avPiを計算し、出力する(ステップ101
1)。
【0152】この後、ステップ1004に戻り、上述し
た手順を繰り返す。この繰り返しは、予め定めたサンプ
リング周期に従って行なわれる。
【0153】なお、この手順は、コンピュータシステム
250がリセットされると、初期設定モードに戻るよう
に構成することができる。
【0154】位相測定では、360°の整数倍の変化に
ついては測定できないため、これを知るために別の手段
が必要となる場合がある。これは、使用する電波の波長
に比べてLが長い場合である。この場合を図15(B)
に示す。
【0155】この場合、氷と水の誘電率の虚数成分の差
に着目することで、解が得られる。0°付近の氷は、周
波数10MHz〜100GHzの範囲内で虚数成分とし
て、0.1〜0.001程度の値を持ち、比較的損失の
少ない誘電体と見なせる。一方、水は0°付近で、同じ
周波数範囲にて虚数分として2〜30という大きな値を
持っている。
【0156】誘電率の虚数部は、伝送線路の損失として
観測されるため、上記に説明したセンサ部10bの伝送
線路で、損失の変化のみによって氷分の濃度を知ること
も可能である。図15(A)にこれを示す。
【0157】但し、精度において、位相測定による氷分
濃度計測がすぐれているため、両方式を併用し、損失変
化によって、位相の360°の整数倍に相当する程度の
荒い測定を行ない、位相によって、詳しい濃度を知るこ
とで、最善の結果を得ることができる。
【0158】図15(A)で、位相の測定値φ1から
は、a,b,c,dの4つの濃度が対応し、単一の結果
とならない。しかし、損失の測定値L1を得ることによ
り、この場合Cと言う単一の結果とすることができる。
【0159】次に、位相の整数倍を解く、別の方法を示
す。これは、測定に用いる周波数を複数用いる方法であ
る。2つの周波数を使用する場合を、図16を用いて説
明する。
【0160】同図は、周波数f=f1の時の氷分濃度に
対する位相変化と、f=f2≠f1の時のそれを重ねて示
したものである。周波数が異なるため、両者の傾きは異
なっている。
【0161】f=f1での位相測定結果φ1を得たとする
と、想定される濃度の解は、a1,b1,c1の3つであ
る。また、f=f2での結果φ2からは、a2,b2という
2つの可能な解が得られる。濃度は1つの値であるか
ら、図中でa2,b1の点によって示される濃度の値が正
解であることがわかる。
【0162】この方法は、3つ以上の周波数を用いて実
現することも可能であり、実現すべき精度の要求によっ
て選択される。
【0163】図2において、受信機112,114とし
て、共通の局部発振器116をもつスーパーヘテロダイ
ン型受信機を用いる例を示した。しかし、使用される周
波数が低い場合には、単なる増幅器としてもよい。ま
た、信号処理器200では、2つの受信機出力間の相対
位相差と、振幅比が計測されるが、これらの実用回路と
しては、種々の方式が提案され、実用化されているの
で、その実現性については十分である。
【0164】本実施例では、位相情報を求めて、氷分濃
度を測定しているが、要求精度が厳くない場合には、位
相情報を用いる必要はなく、損失のみで氷分濃度を求め
てもよい。
【0165】また、本実施例では、高周波を用いて、氷
−溶液混合物の存在する領域における位相伝搬特性を検
出しているが、本発明はこれに限らない。つまり、当該
領域の物理特性を直接または間接的に検出するために、
プローブ(センサ部10b)を当該領域に配置する氷分
濃度計測装置(例えば、音波等で密度を測定し、氷分濃
度を測定する)であれば、本発明を適用したプローブを
用いることで、氷による浮力を避けることができ、プロ
ーブの配置、固定が容易に行なうことができる。
【0166】また、本実施例では、水と氷の形で、液相
と固相が混在する水を用いたシステムに適用する例を示
したが、本発明は、水と氷のみに限定されるものではな
い。例えば、水と氷以外に、不凍液等の成分が含まれる
場合、水以外の物質の液相と固相が混在するシステムを
用いる場合等を含むものである。すなわち、本明細書に
おける水と氷とは、狭義の水に限らず、広義の液体とそ
の固体の意味でも用いられるものである。
【0167】また、本実施例では、タンク2内に存在す
る氷分濃度を計測する例を示したが、本発明は、これに
限定されない。例えば、大容量の貯水池、自然環境にお
ける氷分濃度の計測にも用いることができる。
【0168】また、図18に示すように、タンクが複数
ある場合には、上述した実施例の装置を、それぞれのタ
ンクごとに設置すればよい。この場合、信号処理器20
0は、共通に設けてもよい。本発明の場合、各タンクに
おいて、氷−水混合物における氷分濃度を直接測定する
ので、水がシステム全体に循環しても、氷濃度の測定に
何ら影響を与えない。
【0169】
【発明の効果】本発明によれば、氷−溶液混合物が存在
する領域に配置する、氷分濃度計測装置のプローブは、
氷の浮力による影響を大きく受けない。そのため、氷分
濃度の多少に関わらず、プローブを、容易に、安定して
固定することができ、さらに、プローブに対する氷によ
る損傷も受けない。したがって、氷−水混合物が存在す
る領域における氷分濃度の直接計測が、広範囲で安定し
て行なうことができる。
【0170】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される氷蓄冷システムの一例の構
成を示すブロック図。
【図2】本発明の氷分濃度計測装置の一実施例の構成を
示す説明図。
【図3】(a)、(b)、(c)伝送線路の基本的構成
の一例を示す図。
【図4】本発明を適用したセンサ部の構成の第1例を示
す斜視図。
【図5】図4の例におけるセンサ部断面での電気力線分
布図。
【図6】(a)、(b)本発明を適用したセンサ部の構
成の第3例を示す斜視図。
【図7】図6例におけるセンサ部断面での電気力線分布
図。
【図8】(a)、(b)本発明を適用したセンサ部の構
成の第4例を示す斜視図。
【図9】図8の例におけるセンサ部断面での電気力線分
布図。
【図10】本発明を適用したセンサ部の構成の第2例を
示す斜視図。
【図11】本発明を適用したセンサ部の構成の他の一例
を示す斜視図。
【図12】等価誘電率と氷分濃度との関係を示すグラ
フ。
【図13】本発明の実施例において用いることができる
信号処理器の一実施例の構成を示すブロック図。
【図14】本発明の実施例において用いることができる
信号処理器に設けられるコンピュータシステムの計測手
順を示すフローチャート。
【図15】(A)本発明の実施例において計測される損
失と氷分濃度との関係を示すグラフ、(B)本発明の実
施例において計測される位相と氷分濃度との関係を示す
グラフ。
【図16】二つの周波数を用いる場合の、氷分濃度に対
する位相変化を示すグラフ。
【図17】従来の氷分農度計測装置を有する氷蓄冷シス
テムの構成の概要を示すブロック図。
【図18】従来の氷分農度計測装置を有する氷蓄冷シス
テムの構成の概要を示すブロック図。
【図19】図4の例のセンサ部の形状を示す側面図。
【図20】(a)、(b)、(c)本発明を適用したセ
ンサ部の再下端部の形状の例を示す側面図。
【符号の説明】
2…タンク、4…製氷機、6…被冷却系、8…熱交換
器、10…氷分濃度計測装置、10a…測定処理部、1
0b…センサ部、11…スプリンクラー、12…システ
ム制御装置、15、16…同軸ケーブル、19…電気力
線、22、22a、23…導体、24、25…絶縁体、
34…電気力線、37、37a、38…導体、39…誘
電体、45…電気力線、91、92…絶縁体、91a、
92a…絶縁体の平面部、93、94…導体、95、9
6…絶縁体、97…外導体、98…内導体、99…中空
の導体、100…保持部材、102…伝送線路、10
4、106…整合回路、108…高周波発信器、110
…分岐器、112、114…受信機、116…中間周波
数発信器、118、122…増幅器、120…周波数変
換器、202、204…入力端子、206、208…振
幅制限増幅器、210…直交検波回路、230…振幅比
検出回路、250…コンピュータシステム、P1、P
2、P3、P4…パイプ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】氷−溶液混合物が存在する領域における氷
    分濃度を計測する氷分濃度計測装置において、 氷−溶液混合物が存在する領域に配置され、氷分濃度の
    変化に応じて変化する当該領域の物理特性を検出するプ
    ローブを有し、 プローブは、その形状が、最下端部より鉛直上方向にお
    ける予め定めた距離間で、最下端部から任意距離位置で
    の水平断面積が、それよりも上方位置での水平断面積よ
    りも小さいことを特徴とする氷分濃度計測装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記プローブは、その
    最下端部を含む鉛直平面による断面形状に、鉛直下方に
    一つの頂点を持つ三角形状を含むことを特徴とする氷分
    濃度計測装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、さらに、 前記プローブからの出力信号に基づいて、氷分濃度を算
    出する測定処理部を有し、 前記プローブは、伝送線路を有し、 測定処理部は、 高周波信号を発生し、伝送線路に供給する高周波発生源
    と、 伝送線路を伝搬した高周波信号を受信する受信機と、 受信機で受信された信号を取り込んで、伝送線路での高
    周波信号伝搬における位相変化および損失のうち、少な
    くとも一方を求める信号処理器とを有することを特徴と
    する氷分濃度計測装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記プローブは、さら
    に、前記伝送線路を形成する導体の間隔を保持する、絶
    縁体および導体のうちいずれか一つ以上で構成される、
    一つ以上の保持部材を有し、 保持部材は、それぞれ、その形状が、最下端部より鉛直
    上方向における予め定めた距離間で、最下端部から任意
    距離位置での水平断面積が、それよりも上方位置での水
    平断面積よりも小さいことを特徴とする氷分濃度計測装
    置。
  5. 【請求項5】請求項4において、 前記伝送線路は、深さ方向に延出する複数の導体を有
    し、 前記保持部材の一つは、前記伝送線路の最下端部を覆う
    とともに保持し、かつ、鉛直平面によるその断面形状に
    は、鉛直最下端に頂点を有するくさび形状を含むことを
    特徴とする氷分濃度計測装置。
  6. 【請求項6】請求項4において、 前記保持部材は、氷−溶液混合物を溜める容器の内側
    面、容器内配管、若しくは、容器内支柱の、少なくとも
    一部が深さ方向に延出した金属構造物上に装着され、 前記伝送線路は、前記保持部材により、金属構造物と平
    行に保持される、深さ方向に延出した導体を有すること
    を特徴とする氷分濃度計測装置。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記プローブは、一端
    を前記高周波発生源に接続する同軸ケーブルと、一端を
    前記受信機に接続する同軸ケーブルとをさらに有し、 これら2本の同軸ケーブルの外導体は、前記金属構造物
    に接続され、 これら2本の同軸ケーブルの中心導体は、前記伝送線路
    の導体に接続されることを特徴とする氷分濃度計測装
    置。
JP21177193A 1993-08-26 1993-08-26 氷分濃度計測装置 Withdrawn JPH0763705A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0829020A2 (en) * 1995-03-17 1998-03-18 The Regents Of The University Of California Narrow field electromagnetic sensor system and method
JPWO2021214917A1 (ja) * 2020-04-22 2021-10-28

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