JPH0760994A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH0760994A
JPH0760994A JP21575593A JP21575593A JPH0760994A JP H0760994 A JPH0760994 A JP H0760994A JP 21575593 A JP21575593 A JP 21575593A JP 21575593 A JP21575593 A JP 21575593A JP H0760994 A JPH0760994 A JP H0760994A
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JP
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temperature
recording head
recording
ink
head
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JP21575593A
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English (en)
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Osamu Iwasaki
督 岩崎
Naoji Otsuka
尚次 大塚
Atsushi Arai
篤 新井
Kentaro Yano
健太郎 矢野
Kiichiro Takahashi
喜一郎 高橋
Daigoro Kanematsu
大五郎 兼松
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット記録装置において、記録ヘッ
ドを交換した際の新たに装着された記録ヘッドの推定温
度を速やかに求め、ヘッド温度に応じた適切な記録ヘッ
ド駆動を行うこと。 【構成】 記録ヘッド温度推定に必要な室温時のヘッド
温度Tinitを、ヘッド温度が温度降下によってTinit
なる前に、下降途中の所定時間間隔(t2 −t1)の2
時点の温度T1 ,T2 と、上記間隔(t2 −t1 )とに
基づいて求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを記録媒体に吐
出して記録を行うインクジェット記録装置に関し、詳し
くはインクを吐出する記録ヘッドの温度検知に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録装置は低価格
で高画質記録およびカラー記録を実現可能な記録装置と
して普及しつつある。また、このような装置においてイ
ンクを貯蔵するインクタンクと、電気信号を吐出ヒータ
に印加して熱エネルギーを発生させてインクを吐出する
記録ヘッドを一体にして交換可能とした記録ヘッドカー
トリッジを用いた構成が主流になっている。
【0003】この記録ヘッドカートリッジは記録ヘッド
とインクタンクまでのインク供給路を短縮することで、
コストが節減できるとともに吸引回復時のインク消費量
を削減することができる等の利点を有している。また、
記録ヘッドが寿命となるまでに使用する量のインクをイ
ンクタンクに貯留するようにした場合、ユーザーが記録
カートリッジを交換することによって、インク供給およ
び記録ヘッドのメンテナンスを同時に行ったことになる
などの利点がある。さらに、ユーザーの用途に応じて、
カラー記録用とモノクロ記録用とでカートリッジを交換
して使用することが可能であり、そのような記録装置も
提供されている。
【0004】ところで、以上のような熱エネルギーを利
用する記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置にお
いて高画質を実現するための一つの条件として、記録ヘ
ッドに供給する電気信号を、その温度に応じて制御する
ことが知られている。これは、一般に記録ヘッドの温
度、すなわち吐出されるインクの温度が変化すると、イ
ンク吐出量が変動するため、電気信号が一定である場合
には、記録ヘッド温度によって吐出量が変化し温度ムラ
が生じるためである。記録ヘッドの温度を知る方法とし
ては、温度センサを用いる方法や記録データより推定す
る方法などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
温度センサを用いたり記録データから推定して温度を知
る構成では、記録を実行して記録ヘッドが昇温した状態
で、記録ヘッドカートリッジを取り外して新たなカート
リッジを装着したり、記録途中で装置の電源供給が断た
れたりした場合に問題を生じる。
【0006】例えば、記録データから温度を推定する場
合は過去の記録履歴を必要とするが、上述のような記録
ヘッドの交換等があると、過去の記録履歴を用いること
ができなくなる。
【0007】また、例えば温度センサを用いて温度検知
を行う場合、通常、成膜によって製造することで定コス
トであると同時に熱伝導率が高いシリコン基板上に形成
するために応答性に優れている等の理由で、ダイオード
センサ等の温度センサは、吐出用ヒータと同一のシリコ
ンチップ上に形成されるが、温度センサにおいて温度と
の関係をグラフ化した場合、センサの製造時のばらつき
は、そのグラフの傾きについては抑えることができる
が、0切片に関しては、実使用における許容範囲内に抑
えることが困難である。すなわち、ダイオードセンサに
よって検出される電圧値が同じであっても温度として換
算される値が装着される記録ヘッドによって異なる場合
がある。
【0008】このばらつきの影響を回避するため、記録
ヘッドが昇温していない室温と同等である場合にダイオ
ードセンサによって検出される電圧値とその温度換算値
(Tinit)と記録装置本体側の温度センサ(例えばサー
ミスタ)によって得られる室温(Tr )を記憶してお
き、ある状態での記録ヘッドのダイオードセンサの検出
電圧値に対応する温度換算値がTt であったとしたとき
にヘッド温度(Th )を
【0009】
【数1】Th =(Tt −Tinit)+Tr として得ることができる。
【0010】しかし、この手法の場合も、記録ヘッドカ
ートリッジの交換等があった場合、新たに交換された記
録ヘッドのダイオードセンサにより上記初期温度となる
in itをすぐに得ることができないため、記録ヘッド装
着後すぐに記録を最適な駆動条件で行うことができない
場合がある。
【0011】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであり、記録ヘッドカートリッジの交換や電源供
給が断たれた場合等でも記録ヘッドの温度センサを用い
て記録ヘッドの温度を設定を適切に行うことができるイ
ンクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
インクを吐出するための記録ヘッドを用い、該記録ヘッ
ドから被記録媒体へインクを吐出して記録を行うインク
ジェット記録装置において、前記記録ヘッドの温度を検
知するための温度検知手段と、該温度検知手段により、
所定の昇温条件下にある前記記録ヘッドの温度をn(n
≧2)回検知し、該n回の検知によって得られるn個の
温度値、前記n回の検知それぞれの時間間隔、および前
記所定の昇温条件に基づいて、前記記録ヘッドの所定環
境温度に対応する前記記録ヘッドの初期温度を求める初
期温度決定手段と、該初期温度設定手段が求める初期温
度、前記所定環境温度および前記温度検知手段が検知す
る前記記録ヘッドの温度に基づき、該記録ヘッドの温度
が検知されるときの当該記録ヘッドの温度を推定するヘ
ッド温度推定手段と、を具えたことを特徴とする。
【0013】より好適には、前記温度検知手段は、前記
記録ヘッドに設けられる温度センサを有し、当該記録ヘ
ッドは前記インクジェット記録装置において着脱自在に
設けられることを特徴とする。
【0014】
【作用】以上の構成によれば、記録ヘッド装着時および
それに同等の状態の時に、記録ヘッドに設けられる温度
センサの検出値を所定時間間隔で少なくとも2回取り込
み、その取り込んだ検出値の傾向から所定環境温度に対
応する温度センサの検出値を求め、それに基づいてヘッ
ド温度を推定することができる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0016】(第1実施例)図1は本発明の一実施例に
係るインクジェット記録装置の概略斜視図である。
【0017】図1において、インクタンク一体型の記録
ヘッドIJCは、キャリッジモータ5013の駆動力が
リードスクリュ5004を介して伝達されることにより
図の矢印aおよびbの方向に移動することができる。こ
の移動の間に、記録ヘッドIJCからインク滴が記録媒
体Pに吐出され、これにより記録が行われる。記録媒体
Pは、搬送ローラ5000とSUS板等により形成され
る紙押え板5002に挟まれ、かつ搬送ローラ5000
がラインフィードモータ5001の駆動によって回転す
ることで搬送される。なお、記録ヘッドIJCの移動に
おけるホームポジションには、記録ヘッドの吐出口面を
覆うためのキャップ5022等が設けられ、このキャッ
プ5022はリードスクリュ5004を介し記録ヘッド
IJCの移動に連動して記録ヘッドに対して進退移動す
ることができる。
【0018】図2は上記図1に示した記録ヘッドカート
リッジの詳細を示す分解斜視図である。
【0019】図2において、ヘッドユニットIJUは、
電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じされるた
めに利用される熱エネルギーを生成する電気熱変換素子
を用いてインクを吐出する方式の記録ヘッドである。こ
のヘッドユニットIJUは以下の各要素を具える。すな
わち、図2において、100はシリコン基板上に、複数
の列状に配された電気熱変換素子(吐出ヒータ、不図
示)と、温度検知を行うためのダイオードセンサ(不図
示)とこれらに電力を供給するAl等の電気配線とが成
膜技術により形成されて成るヒータボードである。20
0はヒータボード100に対する配線基板であり、ヒー
タボード100の配線に対応する配線(例えばワイヤボ
ンディングにより接続される)と、この配線の端部に位
置し装置本体側と電気信号の接続をするためのパッド2
01を有している。1300は複数の上記吐出ヒータの
各々に対応したインク流路をそれぞれ区分するための隔
壁や共通液室等を設けた溝付天板であり、このヘッドユ
ニットIJUと一体に構成されるインクタンク1000
から供給されるインクを受けて共通液室へ導入するイン
ク受け口1500と、吐出口を複数有するオリフィスプ
レート400を一体成型したものである。これらの一体
成型材料としてはポリサルフォンが好ましく用いられる
が、他の成型用樹脂材料を用いても良いことは勿論であ
る。300は配線基板200の裏面を平面で支持するA
l製の支持体であり、ヘッドユニットIJUの底板とな
る。500は押えばねであり、M字形状をなしそのM字
の中央部分により天板1300の共通液室に対応する部
位を押圧すると共に前だれ部501によって同様に天板
1300のインク流路に対応した部位の一部を線圧で押
圧する。押えばね500の足部が支持体300の穴31
21を通って支持体300の裏面側に係合することで、
ヒータボード100および天板1300を挟み込んだ状
態で上記押えばね5000とその前だれ部501の押圧
力によってヒータボード100と天板1300とを互い
に圧着固定することができる。支持体300はインク供
給を可能とするインク供給管2200を貫通可能にする
穴320を有している。支持体300に対する配線基板
200の取付は、接着剤等により貼着して行われる。ま
た、平行溝3001が形成されているインク供給部材6
00では、インク供給管2200に連続するインク導管
1600を供給管2200側が固定の片持ちばりとして
形成し、インク導管の固定側とインク供給管2200と
の毛管現象を確保するための封止ピン602が挿入され
ている。このインク供給部材600は、モールド成型さ
れているので、安価で位置精度が高く製造上の精度低下
を無くしているだけでなく、片持ちばりの導管1600
によって大量生産時においても導管1600のインク受
け口1500に対する圧接状態が安定化できる。この圧
接状態下で封止用接着剤をインク供給部材側から流し込
むだけで、完全な連通状態を確実に得ることができてい
る。なお、インク供給部材600の支持体300に対す
る固定は、支持体300の穴1901,1902に対す
るインク供給部材600の裏面側ピン(不図示)を支持
体300の穴1901,1902を介して貫通突出せし
め、支持体300の裏面側に突出した部分を熱融着する
ことで簡単に行われる。
【0020】次に、上述した本実施例による記録ヘッド
のダイオードセンサによる室温時の温度指示値を設定す
る手法を、図3を用いて説明する。
【0021】一般に、ヘッド温度Tn およびそのΔt後
の温度Tn+1 は、室温をTr とするとき、
【0022】
【数2】 Tn+1 =Tr +Σ(Tk ×exp(−mk ×Δt)+ΔTk ) (1) Tn =ΣTk +Tr (2) と表わすことができる。ここで、ΔTk はΔt間に投入
された熱量であり、また、Tk はkのそれぞれについて
の初期値である。mk はヘッドユニットの構成部材より
決まる時定数の逆数であり、上述したヘッドユニットの
場合、次に挙げる時定数(の逆数)が存在する。
【0023】
【数3】m1 =17.72(sec-1) m2 = 2.49(sec-1) m3 = 0.17(sec-1) 以上から明らかなように、k=1,2の場合20秒程度
でexp(−mk ×Δt)は0に漸近するので、記録ヘ
ッドカートリッジの着脱によって生じる、室温時の温度
を直ちに得られないという前述の問題はk=3の時だけ
考えればよい。
【0024】そこで、k=3の場合、図3に示すよう
に、記録ヘッドに電流を流さない(ΔT3 =0)場合に
おいて、ある時間t1 およびt2 (t2 >t1 )の時の
ダイオードセンサによって検出されるヘッド温度をそれ
ぞれT1 およびT2 とすると次の式が成り立つ。すなわ
ち、(1),(2)式において、Δt=t2 −t1 、n
=1、Tr を室温時のダイオードセンサ出力の温度換算
値、すなわち、Tinitとし、これら式からΣTk 、すな
わちT3 を消去すると、
【0025】
【数4】 T2 −Tinit=(T1 −Tinit)×exp(−m3 ×(t2 −t1 )) (3) となる。
【0026】(3)式より記録ヘッドの室温時のダイオ
ードセンサ出力の温度換算値Tinitについて求めると、
【0027】
【数5】 Tinit=T1 /(1−exp(m×(t2 −t1 )) +T2 /(1−exp(−m×(t2 −t1 )) (4) となる。
【0028】この(4)式から明らかなように、ダイオ
ードセンサによる測定の間隔(Δt=t2 −t1 )を一
定値とすれば、T1 およびT2 に定数を乗じることによ
ってTinitを求めることが可能となる。すなわち、
【0029】
【数6】
【0030】従って、定数A,Bを予め測定して定めて
おき、この定めた測定間隔Δtでダイオードセンサによ
って温度を取り込むことにより、記録装置本体によって
記録ヘッドの室温時のダイオードセンサ出力の温度換算
値Tinitを推定することができる。そして、この値を使
用することで前述した従来技術によるヘッド温度の検知
が可能となる。
【0031】(第2実施例)前述の第1実施例では、定
数A,Bを用いた(5)式の演算によって室温時の記録
ヘッドダイオードセンサ出力の温度換算値を設定した
が、本実施例では前記演算をテーブル化することで演算
の負荷を低減をするものである。
【0032】ここで、(5)式をT1 ,T2 により参照
するマトリックス状のテーブルにすると、テーブル容量
が大規模なものになる。そこで、T1 とT2 の差分、す
なわちヘッド温度降下分をΔT(=T1 −T2 )とする
と(5)式は、A+B=1となるから、
【0033】
【数7】 Tinit=T2 +A×ΔT (6) となる。これにより、ΔTとA×ΔTが1対1で対応し
たテーブルを持つようにすることができる。
【0034】このテーブルを用いた温度換算値を求める
シーケンスを図4を用いて説明する。
【0035】所定の時間間隔で(S1003)記録ヘッ
ドのダイオードセンサで2回取り込み(S1001,S
1004)、温度に換算する(S1002,S100
5)。次に、この換算温度差ΔTを計算して(S100
6)、補正値A×ΔTをテーブルから求める(S100
7)。最後に、2回目に読み込んだ温度換算値T2
ら、この補正値A×ΔTを加えた値を、記録ヘッドの室
温時のダイオードセンサによる温度換算値Tinitとして
得る。
【0036】本実施例により演算のテーブル化が可能と
なり、演算の負荷が軽減される。
【0037】(第3の実施例)上述した各実施例は熱時
定数を一つだけで取り扱いができる場合であったが、記
録ヘッドの構成およびダイオードセンサによって取り込
むタイミングによっては複数の熱時定数を考慮しなけれ
ばならなくなる場合がある。本実施例は複数の熱時定数
を考慮し記録ヘッドの室温時のダイオードセンサによる
温度換算値Tinitを求めることを可能とするものであ
る。
【0038】前実施例と同様にダイオードセンサで取り
込み中は各ヒータに通電しないようにするため、(1)
式は、
【0039】
【数8】 Tn+1 =Tinit+Σ(Tj ×exp(−mj ×Δt)) (7) となる。等時間間隔でダイオードセンサによりヘッド温
度を複数取り込んだ場合、その時のヘッド温度を示す値
は、
【0040】
【数9】 Tn =Tinit+Σ(Tj ×exp(−(n−1)×mj ×Δt))(8) となる。(8)式でnはヘッド温度の取り込み回数であ
る。ここで未知数となるのは、求める値である温度換算
値Tinitおよびそれぞれのjの初期値Tj である、従っ
て、熱時定数mj をj個とすると未知数はj+1個とな
り、これからTinitを求めるにはj+1回、等時間間隔
でヘッド温度を(j+1)個取り込むことでj+1個の
(8)式で示す方程式が成り立つ。すなわち、記録ヘッ
ドの室温時のダイオードセンサによる温度換算値Tinit
は、
【0041】
【数10】 Tinit=a1 ×T1 +a2 ×T2 +…+an ×Tn (9) (n=j+1) での形で求められる。ここで、an は数学的に容易に求
められるので詳細を省略する。
【0042】以上により、等時間間隔でダイオードセン
サによりヘッド温度Tn を複数取り込み、(9)式の形
で求められるように、記録装置本体で予めan を設定し
ておくことで、記録ヘッドの室温時のダイオードセンサ
による温度換算値を求めることができる。
【0043】なお、この手法によれば熱時定数mj に関
わる記録ヘッド温度の初期値、すなわち、温度変化分T
j も求めることが可能となる。また、複数の温度検知間
隔も予め定めていれば等時間間隔でなくても良いことは
明らかである。
【0044】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0045】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0046】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0047】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0048】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0049】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0050】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0051】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0052】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
記録ヘッド装着時およびそれに同等の状態の時に、記録
ヘッドに設けられる温度センサの検出値を所定時間間隔
で少なくとも2回取り込み、その取り込んだ検出値の傾
向から所定環境温度に対応する温度センサの検出値を求
め、それに基づいてヘッド温度を推定することができ
る。
【0054】この結果、記録ヘッドが交換された場合
に、速やかに記録ヘッドの推定温度を求め、ヘッド温度
に応じた適切な記録ヘッド駆動を行うことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るインクジェット記録装
置の斜視図である。
【図2】図1に示すインクジェットカートリッジを示す
分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例における記録ヘッドの温度
推定を説明するための線図である。
【図4】本発明の第2実施例における記録ヘッドの温度
推定処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】 100 ヒータボード 200 配線基板 1000 インクタンク本体 IJC インクジェットカートリッジ IJU 記録ヘッドユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 健太郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高橋 喜一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 兼松 大五郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するための記録ヘッドを用
    い、該記録ヘッドから被記録媒体へインクを吐出して記
    録を行うインクジェット記録装置において、 前記記録ヘッドの温度を検知するための温度検知手段
    と、 該温度検知手段により、所定の昇温条件下にある前記記
    録ヘッドの温度をn(n≧2)回検知し、該n回の検知
    によって得られるn個の温度値、前記n回の検知それぞ
    れの時間間隔、および前記所定の昇温条件に基づいて、
    前記記録ヘッドの所定環境温度に対応する前記記録ヘッ
    ドの初期温度を求める初期温度決定手段と、 該初期温度設定手段が求める初期温度、前記所定環境温
    度および前記温度検知手段が検知する前記記録ヘッドの
    温度に基づき、該記録ヘッドの温度が検知されるときの
    当該記録ヘッドの温度を推定するヘッド温度推定手段
    と、 を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記所定の昇温条件は、前記記録ヘッド
    の吐出を行わないときの昇温条件であることを特徴とす
    る請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記温度検知手段は、前記記録ヘッドに
    設けられる温度センサを有し、当該記録ヘッドは前記イ
    ンクジェット記録装置において着脱自在に設けられるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装
    置。
  4. 【請求項4】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用
    してインクに気泡を生じさせ、該気泡の生成に基づいて
    インクを吐出するものであることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
JP21575593A 1993-08-31 1993-08-31 インクジェット記録装置 Pending JPH0760994A (ja)

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