JPH07591U - 純水製造器の原水導入構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 原水槽を有する簡易な純水製造器において水
道水の蛇口からの水道水をも直接原水として利用できる
純水製造器の原水導入構造を提供すること。 【構成】 イオン交換樹脂が充填された縦型のカラム４
の上部開口６ａにカラム４内に導入する原水を貯水する
ための原水槽１８を有する純水製造器において、前記原
水槽１８とカラム４の上部開口６ａは所定内径の原水導
入路２６を有する筒状の原水槽側流量調節部材２２をそ
の上端側を接続部２３として前記原水槽１８内に突出さ
せた状態で通水可能にはめ込み固定させて連通し、また
この原水導入路２６の前記接続部は、前記原水導入路２
６よりも小内径の水道水導入路３４を有する筒状の蛇口
側流量調節部材３２を介して水道蛇口に接続された水道
水用ホース２８と連通させ得ること。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、純水製造器の原水導入構造に関し、詳しくは原水槽を有する純水 製造器において水道蛇口からの水道水を直接原水として導入することができる原 水導入構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

純水製造器は通常、イオン交換樹脂が充填されたカラムと、このカラム内にイ オン交換樹脂により処理すべき原水を導入するための導入部と、カラムからイオ ン交換樹脂により処理された水（以下、純水という）を排出するための流出部と から形成されている。 従来、小規模な実験等に使用するための簡易な小型の純水製造器として、原水 の導入をロート状の原水槽を利用して行うものが知られている。

【０００３】 かかる純水製造器においては、重力により原水をカラム内に導入する構造のた め、縦型のカラム上方から原水を導入する構成となっており、上部に設けられた 原水槽からカラム内への導入水量を所定の内径の流量調節部材やコック等によっ て調整するようになっている。 この純水製造器によれば、実験台上で原水槽に水を入れれば直ちに純水を製造 することができ、水道の蛇口から離れたところでも純水を製造が可能であるため 、化学実験等には便利である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このような純水製造器では原水槽に原水がなくなればその都度補給す る必要があるため連続的に多量の純水を製造するには不向きであった。 一方、一般に水道の蛇口から水道水を原水として直接カラムに導入するには、 水道水の水量を調節するための複雑な原水導入構造が必要である。 そこで、本考案は、原水槽を有する簡易な純水製造器において水道水の蛇口か らの水道水をも直接原水として利用できる純水製造器の原水導入構造を提供する ことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記した技術的課題を解決するための手段として、本考案者は、イオン交換樹 脂が充填された縦型のカラムの上部開口には、カラム内に導入する原水を貯水す るための原水槽を有し、カラムの下部開口には、イオン交換樹脂により処理され た純水を流出する排出部を有する純水製造器において、前記原水槽とカラムの上 部開口は所定内径の原水導入路を有する筒状の原水槽側流量調節部材をその上端 側を接続部として前記原水槽内に突出させた状態で通水可能にはめ込み固定させ て連通し、またこの原水導入路の前記接続部は、前記原水導入路よりも小内径の 水道水導入路を有する筒状の蛇口側流量調節部材を介して水道蛇口に接続された 水道水用ホースと連通させ得る構造とされ、原水槽内の原水と、水道水用ホース からの原水とを選択してカラムに導入させ得る構成としてなることを特徴とする 純水製造器の原水導入構造を創作した。

【０００６】

【作用】

本考案の純水製造器の原水導入構造によれば、原水槽を利用する場合には、原 水槽側流量調節部材によりカラムへの流量が調整され、水道蛇口からの水道水を 原水として利用する場合には、蛇口側流量調節部材によりカラムへの流量が調整 され、カラムへ原水が導入される。蛇口側流量調節部材は、原水槽側流量調節部 材より小径の導水路にされていることにより水道水をカラムに導入する場合の原 水槽側流量調節部材は流量調節の作用をしない。

【０００７】

【実施例】

以下に、本考案を具体化した一実施例として、図１ないし図３に基づいて説明 する。 図３には、純水製造器の全体構造が示されている。 この純水製造器１は、中空状の荷台２上に原水槽１８とイオン交換樹脂が充填 されたカラム４が配設された構造を主体とする。荷台２内の中空部２ａに位置す るカラム４の下方開口に接続された純水排出管１４は、一旦荷台２内を下降した 後、架台２上面に開口した排出管用孔部から上方を指向するとともに再び下方に 屈曲して所定位置に排出口が位置されている。

【０００８】 また、本器１には、純水の電気伝導度の測定によりイオンの除去を確認できる ように架台２の中空部２ａにおいて純水排出管１４内の一部に電極を設け、架台 ２上に配置した電気伝導度測定装置３により、電気伝導度の低下を測定できるよ うになっている。 なお、本例の純水製造器１は、高さ約４０ｃｍ、幅及び奥行きが各約２５ｃｍ で実験台上で使用することができる小型のものである。 以下、各部について説明する。

【０００９】 カラム４は、ポリエチレン等のプラスチックからなる円筒部分を主体とし、円 筒の上下部分は細口に絞ってそれぞれ上部開口６ａと下部開口６ｂとが設けられ 、カラム４の内部には所定のイオン交換樹脂（以下、単に樹脂という）が約５０ ０ｍｌ充填されている。 カラム４の下部開口６ｂには、その開口部を遮蔽するように取り付けられたス クリーンによって樹脂の流出が防止され、さらに、下部開口６ｂの外周は排出管 継手１０内にねじ接続されている。この排出管継手１０は、カラム４の架台２へ の設定により、架台２上面の開口に挿入され、架台２の中空部２ａに突出した下 端側が、ナット１２によって締めつけ固定されている。 この排出管継手１０の下端開口はアダプタを介して純水排出管１４に連通接続 されている。

【００１０】 カラム４の上部開口６ａを主体とする断面構造は図１及び図２に示すごとくで ある。 本例の純水製造器１はカラム４をカートリッジ式に交換可能となっており、所 定の径の内径部を有するリング状のシールゴム１６を配設した上部開口６ａに原 水槽１８がはめ込み固定されている。

【００１１】 原水槽１８は、略ロート状に形成され、上部開口６ａに差し込まれる所定の長 さの脚部１８ａと略逆円錐台状のカップ１８ｂとからなる。 脚部１８ａは、所定の内径を有する細長い筒状であってシールゴム１６の内径 部周面に密着して内嵌し、さらに、上部開口６ａの外周にねじ止めされたナット ２０がシールゴム１６の上面を押圧固定することにより上部開口６ａに確実に固 定されている。このように固定された脚部１８ａはカラム４内へ所定長さ突出さ れた状態となっている。

【００１２】 この脚部１８ａの内径部には、原水槽側流量調節部材２２が内嵌されている。 原水槽側流量調節部材（以下、単に原水槽側部材という）２２は、上端側にフ ランジ部２３を有する筒状体である。なお、このフランジ部２３は後述の蛇口側 部材３２の接続部とされる。 フランジ部２３の下端は、脚部１８ａの内径部よりも大きい外径を有して脚部 １８ａの基部に掛止固定されるようになっており、原水槽側部材２２がカラム４ 内に抜け落ちないようになっている。 原水槽側部材２２のフランジ部２３以下の基部２４は、脚部１８ａの内径部に 内嵌する外径（本例では６．５ｍｍ）で、脚部１８ａの長さよりもやや長く形成 され、内嵌固定時には脚部１８ａの下端から所定の長さ突出するようになってい る。この突出した部分には、ストッパー１９がはめ込まれて接着等されて脚部１ ８ａから上方に抜けないように固定されている。

【００１３】 フランジ部２３及び基部２４を通じて原水槽側部材２２内には所定内径の一本 の原水導入路２６が形成されている。したがって、カップ１８ｂとカラム４とは この原水導入路２６を介して通水可能に連通されていることになり、カップ１８ ｂ内に貯水した原水をカラム４内へ導入する際に、原水導入路２６によりその流 量が調整されることになる。 本例においては、原水導入路２６の内径は４．５ｍｍとなっている。

【００１４】 また、図１に示すように原水槽側部材２２は蛇口側流量調節部材（以下、単に 蛇口側部材という）３２を介して水道蛇口（図示せず）に接続された水道水用ホ ース２８と通水可能に連通されるようになっている。 水道水用ホース２８は、弾性を有するゴム等からなるチューブであって、水道 蛇口に直接あるいは適当なアダプタ３０ａ、３０ｂを介して接続されている。な お、ホース２８の内径は、水道蛇口から供給される水道水の流量を制限しないよ うな大きさとなっている。 そして、水道蛇口に接続されていない開口側２８ａには蛇口側部材３２の一端 側がはめ込まれている。

【００１５】 蛇口側部材３２は、所定の外径を有するプラスチック等の剛性のある素材から なる所定の長さの筒体となっている。本例では外径は１０ｍｍとなっており、原 水槽側部材２２と同一の外径であるとともに、ホース２８にはめ込み可能な太さ となっている。 蛇口側部材３２は水道水導入路３４によって貫通される構造となっており、こ の水道水導入路３４の内径は、前述の原水導入路２６の内径より小径に設定され ている。 すなわち、水道蛇口から供給される水道水は、水道水用ホース２８を通過し、 この水道水導入路３４においてその流量が調節され、水道水導入路３４から流出 する水道水の流量は、水道水導入路３４の内径によって調節される。

【００１６】 そして、この蛇口側部材３２の他端側に嵌めた接続用チューブ３６の他端を、 原水槽側部材２２のフランジ部２３にはめ込むことにより、蛇口側部材３２は原 水槽側部材２２と接続されるようになっている。 すなわち、蛇口側部材３２は、水道水用ホース２８と原水槽側部材２２との間 に介在して水道水の流量を制限するものであり、原水槽側部材２２と水道水用ホ ース２８の間のいづれかの箇所で蛇口側部材３２を設置すれば足りるものである 。本例では、図２に示すように短い接続チューブ３６を用いて原水槽側部材２２ に近接した状態で蛇口側部材３２が接続されている。

【００１７】 このように、蛇口側部材３２の一端を水道水用ホース２８にはめ込み、他端を 接続用チューブ３６にはめ込むことにより原水槽側部材２２は水道蛇口からの水 道水を通水可能に連通される。 したがって、水道蛇口からの水道水は、水道水用ホース２８、蛇口側部材３２ 及び接続チューブ３６を介して原水導入路２６に通水され、原水導入路２６を通 過してカラム４内に導入されうる。 このため、蛇口側部材３２は、水道水用ホース２８及び接続チューブ３６にそ れぞれはめ込まれて固定できる長さを有するものとなっており、本例では、約４ ｃｍである。

【００１８】 次に、以上のように構成した純水製造器１で純水を製造する際の作用について 説明する。 まず、図２に示すように、原水槽１８を利用して純水を製造する場合は、原水 槽側部材２２のフランジ部２３を露出させた状態、すなわち、接続チューブ３６ をつけていない状態で、カップ１８ａ内に原水を入れる（図２参照）。 原水は、重力によりカラム４側に流下するが、原水の流量は、カラム４の容量 及びカラム４の耐圧性を考慮して設定された原水導入路２６の内径により調節さ れ、適正に維持される。 しかる後、カップ１８ａ内の原水の水面が原水槽側部材２２のフランジ部２３ の高さと一致するまで下がると、新たな原水の補給がないかぎり、もはやカップ 内１８ａの原水はそれ以上カラム４内へは流入されない。

【００１９】 このように、カップ１８ａ内に貯めた原水を利用して純水を製造する場合にお いて、カラム４の上部開口６ａの原水槽側部材２２によって流量を調節するため に、カラム４の耐圧性を高く設定する必要がないため、装置全体をコンパクトに 構成することができるとともに、コストも抑えることができる。 また、原水導入路２６を筒体である原水槽側部材２２の内径部として原水槽１ ８の脚１８ｂに設けることにより、簡易でしかも十分な耐圧性を有するものとな っている。 さらに、原水槽側部材２２の上端側をフランジ部２３として原水槽１８に固定 する手段として使用するとともに、水道蛇口側への接続部として利用することに より、一層の簡素化、低コスト化が図られたものとなっている。

【００２０】 また、水道蛇口からの水道水を原水として利用する場合には、図１に示すよう に蛇口側部材３２に嵌めた接続チューブ３６を原水側部材２２に接続し、この蛇 口側部材３２を水道蛇口に取り付けた水道水用ホース２８に接続する。こうして 原水槽側部材２２は、水道蛇口と連通され、水道蛇口から原水が導入される。 通常の水道蛇口のコックの操作によれば、この際の原水はカップ１８ａに貯め た原水よりも高い水圧を有しているが、原水導入路２６よりも内径の小さい水道 水導入路３４で流量が絞られる。このため、原水槽側部材２２及びカラム４に負 担をかけることがなく、水道蛇口からの水道水を直接原水をカラム４に導入する ことができる。

【００２１】 すなわち、従来の原水槽１８を有する純水製造器１において、水道蛇口から直 接原水をカラム４へ導入する場合、通常は、原水導入路２６を介することのない バイパスを設けるか、あるいは原水槽１８を取り外して、バルブあるいはコック 等によって水道水流量を調節するものであった。 しかし、本例の純水製造器１によれば、原水槽側部材２２のフランジ部２３を 接続部として利用して原水導入路２６よりも小径の水道水導入路３４を有する蛇 口側部材３２を介して水道蛇口と原水槽側部材２２とを通水可能に連通させるこ とにより、水道水の流量をカラム４へ導入する流量に調節することができる。 このため、原水槽１８を備える小型で簡易な純水製造器１であっても、構造を 複雑なものとすることなくコストを抑えるとともに、原水槽１８を取り付けたま まで水道蛇口からの水道水をも原水として利用することができるものとなってい る。

【００２２】

【考案の効果】

以上詳述したように、本考案によれば、原水槽を有する簡易な純水製造器にお いて、原水槽の原水導入部を原水槽内に突出させた状態として、蛇口側部材を接 続可能に設けて水道水の流量を調節可能に設けたので、簡易で低コストの構造に して必要に応じて原水槽内の水あるいは水道蛇口からの水道水を原水として選択 することができる。このため、小型の純水製造器であっても多量の純水を製造す ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】カラムに水道蛇口からの原水を導入するための
原水側部材と水道水用ホースとの接続状態を示す図であ
る。

【図２】カラムに原水槽に貯めた原水を導入するための
構造を示す図である。

【図３】純水製造器の全体図である。

【符号の説明】

１…純水製造器 ４…カラム ６ａ…上部開口 ６ｂ…下部開口 １８…原水槽 ２２…原水槽側流量調節部材 ２３…接続部（フランジ部） ２６…原水導入路 ２８…水道水用ホース ３２…蛇口側流量調節部材 ３４…水道水導入路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 イオン交換樹脂が充填された縦型のカラ
   ムの上部開口には、カラム内に導入する原水を貯水する
   ための原水槽を有し、カラムの下部開口には、イオン交
   換樹脂により処理された純水を流出する排出部を有する
   純水製造器において、 前記原水槽とカラムの上部開口は所定内径の原水導入路
   を有する筒状の原水槽側流量調節部材をその上端側を接
   続部として前記原水槽内に突出させた状態で通水可能に
   はめ込み固定させて連通し、またこの原水導入路の前記
   接続部は、前記原水導入路よりも小内径の水道水導入路
   を有する筒状の蛇口側流量調節部材を介して水道蛇口に
   接続された水道水用ホースと連通させ得る構造とされ、
   原水槽内の原水と、水道水用ホースからの原水とを選択
   してカラムに導入させ得る構成としてなることを特徴と
   する純水製造器の原水導入構造。