JPH0756423B2 - 凍結粒取出し装置 - Google Patents

凍結粒取出し装置

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JPH0756423B2
JPH0756423B2 JP61173317A JP17331786A JPH0756423B2 JP H0756423 B2 JPH0756423 B2 JP H0756423B2 JP 61173317 A JP61173317 A JP 61173317A JP 17331786 A JP17331786 A JP 17331786A JP H0756423 B2 JPH0756423 B2 JP H0756423B2
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多計城 秦
世記二 今池
紀男 山崎
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大陽酸素株式会社
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 近年、水,薬液,果汁等の被凍結原料を、液化窒素等の
冷媒を収容した凍結粒製造容器内に噴霧して、アイスブ
ラスト等の表面処理用の砥粒,研磨材や医薬,食品の保
存用微粒として好適な凍結粒を製造することが試みられ
ているが、本発明は、このように凍結粒製造容器内で製
造された凍結粒を凍結粒製造容器外に取出すための凍結
粒取出し装置に関するものである。
(従来の技術) 従来のこの種の凍結粒取出し装置としては、例えば特開
昭58−127075号公報に開示されている如く、凍結粒製造
容器内の冷媒液面下の部位から冷媒液面より高位の製造
容器外の部位に延びるスクリューコンベアを設けて、こ
のスクリューコンベアにより冷媒中を沈降してくる凍結
粒を製造容器外へ取出しうるように構成したものや、製
造容器の底部にロータリーフィーダを設けて、製造容器
の底部に堆積した凍結粒を取出しうるように構成したも
の等が知られている。
(発明が解決しょうとする問題点) かかる従来の凍結粒取出し装置においては、極低温領域
(例えば液化窒素であれば−196℃)である冷媒中で機
械的摺動部分例えばスクリューコンベアの下端側軸受部
分等を作動させているが、このような摺動部分を用いる
場合には、その摺動作用を円滑に行わせるために極めて
厳格な冷媒のシールや加工精度を要求するので、技術的
に実施する上で困難度が高く、現実には前記摺動部分の
作動不良といった不都合を招き易く、凍結粒の取出しを
良好に行い得ないことが多かった。
本発明は、冷媒に直接接触する機械的摺動部分を一切必
要とせず、凍結粒製造容器の冷媒中から凍結粒を実施上
特に困難を伴うようなこともなく良好に取出しうる凍結
粒取出し装置を提供することを目的とするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明の凍結粒取出し装置は、上記目的を達成するべ
く、凍結粒製造容器内の冷媒液面下に下端吸込口が開口
し且つ前記冷媒液面より高位で凍結粒製造容器外の部位
に上端吐出口が開口した凍結粒取出管を設け、該凍結粒
取出管の下端部に気泡を伴った冷媒の上昇流を発生させ
る気泡発生装置を設けると共に、凍結粒取出管の上端吐
出口に、該吐出口から吐出した凍結粒と冷媒とを分離す
る凍結粒・冷媒分離装置及び該分離装置により分離した
冷媒を凍結粒容器内に循環返戻する分離冷媒返戻管を連
設してなり、上記気泡発生装置を作動させている状態に
おける該気泡発生装置の位置水準から上記凍結粒取出管
の上端吐出口の位置水準までの間の液頭圧に対し、凍結
粒製造容器内における気泡発生装置の位置水準から上記
冷媒の収容液表面の位置水準までの間の液頭圧を大きく
とれるように、夫々の水準高低を定めて配置したことを
特徴とするものである。前記気泡発生装置は、具体的に
は、凍結粒取出管内の冷媒中に熱エネルギーを供給する
加熱装置若しくは凍結粒取出管内の冷媒中にガスを注入
するガス注入装置である。
(作用) 凍結粒製造容器内の冷媒(以下、「容器内冷媒」とい
う)が凍結粒取出管内にも侵入していることから、この
取出管内の冷媒(以下、「管内冷媒」という)中に気泡
発生装置つまり加熱装置若しくはガス注入装置によって
気泡を発生させると、気泡は管内冷媒中を上昇してその
周りの液も巻き込んだ上昇流を形成し、管内冷媒の見掛
け上の比重は容器内冷媒の比重よりも気泡の含有割合に
応じて低下し、取出管内外では冷媒の液面高さにも顕著
な差を生じることになる。すなわち、管内冷媒の液面が
容器内冷媒の液面よりも高くなる。
ところで、この液面差は、容器内冷媒の比重及び管内冷
媒の見掛け上の比重を夫々γ,γ′とし、容器内冷媒と
管内冷媒との液面差つまり凍結粒の掻き上げ高さ及び容
器内冷媒の液面から取出管の吸込口まで距離つまり取出
管浸漬深さを夫々Hp,Hsとすると、取出管吸込口におけ
る圧力平衡(γ×Hs=γ′×(Hs+Hp))から、Hp=Hs
×(γ−γ′)/γ′で得られる。よってHsを大きくす
れば、Hpを大きくすることができる。なお、管内冷媒の
見掛け上の比重は、取出管中の液量及び気泡発生装置に
よる気泡発生量例えば取出管内へのガス注入量を夫々V
w,Vgとすると、γ′=γ×Vw/(Vw+Vg)で得られる。
したがって、気泡発生装置を作動させている状態におけ
る該気泡発生装置の位置水準から凍結粒取出管の上端吐
出口の位置水準までの間の液頭圧に対し、気泡発生装置
の位置水準から容器内冷媒表面の位置水準までの間の液
頭圧を大きくとれるように、夫々の水準高低を定めて配
置しておくと、先ず吐出口から管内冷媒が吐出される。
この吐出冷媒は冷媒返戻管から製造容器内に循環返戻さ
れる。
そして、この状態において凍結粒が製造されると、この
凍結粒は管内冷媒と共にスラリー状をなして吐出口から
吐出され、凍結粒・冷媒分離装置により冷媒と分離され
る。一方、分離冷媒は冷媒弁戻管から製造容器内に循環
返戻される。
すなわち、容器内冷媒中に沈降堆積する凍結粒は冷媒と
共にスラリー状をなして浮遊し、取出管内の上昇流が吐
出口から流出すると、この浮遊スラリー状の凍結粒も吸
込口から取出管内に吸込まれて、凍結粒の比重と気泡を
含む管内冷媒の比重との関係が気泡を含む上昇流に対し
ても凍結粒がスラリー状に浮遊し得る関係にある限り
(例えば氷粒と気泡を含む液化窒素冷媒との場合にはま
さにこの関係を満足することになる)、凍結粒は上記上
昇流に乗って浮遊し、取出管内をその冷媒液面まで浮上
し、冷媒と共に吐出口から流出することになる。
(実施例) 以下、本発明の構成を第1図〜第3図に示す実施例に基
づいてより具体的に説明する。
第1図において、1は底部に撹拌用ヒータ11を配設した
凍結粒製造容器、2はこの凍結粒製造装置1から凍結粒
を取出すための凍結粒取出し装置である。
凍結粒製造装置1の下部には液化窒素,液化酸素,液化
二酸化炭素若しくはその他の低温液体である冷媒3が所
定量収容されていると共に、その上部には冷媒液面3aに
向けて水,炭酸ガス,アンモニア,フレオン系液体,薬
液若しくは果汁等の被凍結原料を窒素ガス等の噴霧ガス
と混合して噴霧させる噴霧器4が配設されていて、噴霧
された被凍結原料を冷媒3及びその蒸発ガスたる冷媒ガ
スと熱交換させて、微細な凍結粒5を得るようになされ
ている。この凍結粒5は冷媒3中を沈降せしめられる
が、凍結粒製造装置1の底部を下窄まり形状に形成し
て、前記凍結粒5が凍結粒製造装置1の底部の最下部で
ある堆積部1aに集中せしめられるように工夫してある。
前記凍結粒取出し装置2は、第1図〜第3図に示す如
く、上下方向に延びる適宜径の凍結粒取出管6(例えば
10SUS管を用いる)と、この凍結粒取出管6内の冷媒
である管内冷媒3′(これは製造容器1内の冷媒である
容器内冷媒3が侵入したものである)中に気泡を発生さ
せるための気泡発生装置9,12と、凍結粒・冷媒分離装置
14と分離冷媒返戻管15とからなる。
凍結粒取出管6は、その下端吸込口7を前記堆積部1aの
近傍直上位であって凍結粒製造装置1内の冷媒液面3aよ
り適宜量Hs低位に開口させると共に、その上端吐出口8
を凍結粒製造装置1外であって冷媒液面3aより適宜量Hp
高位において下向きに開口させたものである。凍結粒取
出管6の下端側部分は、その上位側の部分と同径の内管
部6a及びその外周を袋上に囲繞する外管部6bからなる二
重管構造に形成してあり、内管部6aには多数の小孔6cを
穿設してある。
また前記気泡発生装置は、管内冷媒3′中に熱エネルギ
ーを供給する加熱装置9若しくは管内冷媒3′中にガス
を注入するガス注入装置12である。
すなわち加熱装置9は、第2図に示す如く、加熱器例え
ばコイル状の電熱線ヒータたるリフト用ヒータ10を前記
内管部6a,外管部6b間に形成された環状空間部13に内装
して構成したものであり、このヒータ10によって管内冷
媒3′を加熱すると、管内冷媒3′中にその蒸発ガスに
よる気泡が発生して、管内冷媒3′の見掛け上の比重が
低下し、その結果、凍結粒取出管6の内外における冷媒
3,3′に比重差が生じることにより、管内冷媒3′中に
気泡を伴った上昇流が発生せしめられるようになされて
いる。
また、ガス注入装置12は、第3図に示す如く、凍結粒取
出管6の環状空間部13にガス供給管12aを連通接続し
て、窒素ガス等適宜のガスを小孔6cから管内冷媒3′中
に注入するように構成したものであり、前記加熱装置9
による場合と同様に、管内冷媒3′中に気泡を伴った上
昇流を発生させることができる。
ところで、取出し装置2における取出管6等の各構成部
材は、気泡発生装置9,12を作動させている状態における
該気泡発生装置9,12の位置水準から凍結粒取出管6の上
端吐出口8の位置水準までの間の液頭圧に対し、気泡発
生装置9,12の位置水準から容器内冷媒表面3aの位置水準
までの間の液頭圧を大きくとれるように、夫々の水準高
低を定めて配置してある。
したがって、加熱装置9若しくはガス注入装置12によっ
て管内冷媒3′中に気泡を発生させると、気泡は管内冷
媒3′中を上昇してその周りの液も巻き込んだ上昇流を
形成し、管内冷媒3′の見掛け上の比重γ′は容器内冷
媒3の比重γよりも気泡の含有割合に応じて低下し、取
出管6内外では冷媒3,3′の液面高さにも顕著な差を生
じることになり、管内冷媒3′の液面が容器内冷媒3の
液面よりも高くなる。その結果、先ず取出管6の吐出口
8から管内冷媒3′が吐出され、この状態において凍結
粒5が製造されると、この凍結粒5は取出管6内に吸込
まれ、管内冷媒3′と共にスラリー状をなして吐出口8
から吐出される。前述したように、取出管6内外の冷媒
3,3′における液面差は取出管6の浸漬深さHsを大きく
することによって大きくなり、また容器内冷媒3の液面
3aから取出管吐出口8までの高さ即ち凍結粒5の掻き上
げ高さHpは加熱装置9による冷媒ガス発生量ないしガス
注入装置12によるガス注入量により変化することになる
が、このような凍結粒掻き上げ高さHpと取出管浸漬深さ
Hs及びガス注入量との関係は、例えば液化窒素との熱交
換により粒径500μm以下の氷粒を製造する場合におい
て、第4図に示す如くとなる。なお、冷媒ガス発生量な
いしガス注入量は、凍結粒5の粒径及びこれと管内冷媒
3′との比重差等の条件に応じて設定しておくことが望
ましいことは云うまでもない。例えば、液化窒素との熱
交換により粒径500μm以下の氷粒を製造する場合に
は、冷媒ガス発生量ないしガス注入量が凍結粒取出管6
の単位断面積当り85Nm3/min以上としておくのが好まし
い。また、この場合における氷粒の取出しは、冷媒3中
の氷粒濃度が50重量パーセントを超えない限り、良好に
行われうる。
また前記凍結粒・冷媒分離装置14は、第2図及び第3図
に示す如く、凍結粒取出管6の上端吐出口8の直下位に
始端部を臨ませたメッシュコンベア16と該メッシュコン
ベア16の直下位にその搬送方向に沿って配設した冷媒受
け樋17とからなり、該冷媒受け桶17には凍結粒製造装置
1内に導いた分離冷媒返戻管15を接続してある。したが
って、凍結粒取出管6の上端吐出口8から吐出した冷媒
3′及び冷媒3′と凍結粒5とのスラリー状混合物がメ
ッシュコンベア16上に供給されると、凍結粒はメッシュ
コンベア16上を搬送され、一方冷媒3′はメッシュコン
ベア16を透過して凍結粒5と分離され、その分離冷媒
は、冷媒受け桶17から分離冷媒返戻管15を介して凍結粒
製造装置1内に返戻される。
ところで、本発明の効果は、上記した実施例装置を用い
て行った実験により確認された。
すなわち、容器内冷媒3の液面3aを基準とした取出管吸
込口深さつまり取出管浸漬深さHg及び取出管吐出口高さ
つまり凍結粒掻き上げ高さHpを夫々300mm,350mmとし、
且つ撹拌用ヒータ11の出力及びリフト用ヒータ10の出力
を夫々80W,500Wとして、噴霧器4から水と窒素ガスとの
混合流体(水量0.2/min,窒素ガス量1/min)を噴霧
圧力2.5kg/cm2Gで噴霧し、粒径200〜300μmの凍結粒た
る氷粒5を製造した。その結果、150g/minの凍結粒取出
しを良好に行うことができた。
なお、この場合の冷媒ガス発生量つまりリフト用ヒータ
10の出力は次のようにして試算した。すなわち、冷媒液
面3aよりの必要掻き上げ高さHpが350mmであるときのガ
ス注入量は、第4図から約105m3/min・m2であるから、
取出管6として20SUS管を用いた場合、その断面積は
約4.1×10-4m2である。したがって、取出管6内の必要
ガス量は液化窒素温度に換算すると、 となる。また液化窒素を蒸発・気化させるに必要な熱量
は、 H=7.2(m3/h)×1.25(kgN2/m3)×47.2(Kcal/kg
N2)=424.8(Kcal/h)となる。したがってヒータ10の
出力は424.8÷860(Kcal/KWH)≒500Wとなる。
(発明の効果) 本発明の凍結粒取出し装置は、凍結粒取出管内の冷媒中
に発生させた上昇流の作用によって凍結粒を冷媒液面上
まで強制的に上昇させて、凍結粒製造容器外に取出しう
るようにしたものであり、謂わばエアリフトポンプの原
理を応用したものであるから、冷媒領域に技術的にもメ
ンテナンス上からも問題のある機械的摺動部分が何ら存
在せず、メンテナンスフリーなものであり、構造が極め
て簡単で凍結粒の取出しを良好に行いうるものであっ
て、その実用的価値極めて大なるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明の実施例を示し、第1図は凍結
粒取出し装置全体を示す概略縦断側面図、第2図はその
要部である気泡発生装置の一例を示す縦断側面図、第3
図は気泡発生装置の変形例を示す第2図相当図、第4図
は凍結粒掻き上げ高さと取出管内へのガス注入量及び取
出管浸漬深さとの関係を示す曲線図である。 1……凍結粒製造容器、2……凍結粒取出し装置、3,
3′……冷媒、3a……冷媒液面、5……凍結粒、6……
凍結粒取出管、7……下端吸込口、8……上端吐出口、
9……加熱装置(気泡発生装置)、12……ガス注入装置
(気泡発生装置)、14……凍結粒・冷媒分離装置、15…
…分離冷媒返戻管。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凍結粒製造容器内の冷媒液面下に下端吸込
    口が開口し且つ前記冷媒液面より高位で凍結粒製造容器
    外の部位に上端吐出口が開口した凍結粒取出管を設け、
    該凍結粒取出管の下端部に気泡を伴った冷媒の上昇流を
    発生させる気泡発生装置を設けると共に、凍結粒取出管
    の上端吐出口に、該吐出口から吐出した凍結粒と冷媒と
    を分離する凍結粒・冷媒分離装置及び該分離装置により
    分離した冷媒を凍結粒容器内に循環返戻する分離冷媒返
    戻管を連設してなり、上記気泡発生装置を作動させてい
    る状態における該気泡発生装置の位置水準から上記凍結
    粒取出管の上端吐出口の位置水準までの間の液頭圧に対
    し、凍結粒製造容器内における気泡発生装置の位置水準
    から上記冷媒の収容液表面の位置水準までの間の液頭圧
    を大きくとれるように、夫々の水準高低を定めて配置し
    たことを特徴とする凍結粒取出し装置。
  2. 【請求項2】前記気泡発生装置が、凍結粒取出管内の冷
    媒中に熱エネルギーを供給する加熱装置であることを特
    徴とする、特許請求の範囲第1項に記載する凍結粒取出
    し装置。
  3. 【請求項3】前記気泡発生装置が、凍結粒取出管内の冷
    媒中にガスを注入するガス注入装置であることを特徴と
    する、特許請求の範囲第1項に記載する凍結粒取出し装
    置。
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