JPH0755862A - 端末受信状態測定装置 - Google Patents

端末受信状態測定装置

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JPH0755862A
JPH0755862A JP20388693A JP20388693A JPH0755862A JP H0755862 A JPH0755862 A JP H0755862A JP 20388693 A JP20388693 A JP 20388693A JP 20388693 A JP20388693 A JP 20388693A JP H0755862 A JPH0755862 A JP H0755862A
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JP
Japan
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under test
antenna
device under
scatterer
Prior art date
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Application number
JP20388693A
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English (en)
Inventor
Mikio Kuwabara
幹夫 桑原
Takeshi Takei
健 武井
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0755862A publication Critical patent/JPH0755862A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】回転形状の散乱体101を、被試験機1の周囲
で歳差運動させる。送信アンテナ2の周囲に散乱体11
1を置き、送信アンテナからの電波が直接被試験機に入
らないようにする。全ての散乱体の周期以上の測定デー
タ数を記録し、測定サンプルの偏りをなくしてレイリフ
ェージングを起こす。 【効果】ダイバーシチ,等化器,誤り訂正等のフェージ
ング対策の評価や、着呼率,ハンドオフ制御の評価が短
時間に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無線通信の端末の性能
評価測定に係り、指向性ダイバーシチまたは空間ダイバ
ーシチ装置の性能評価,通信機の受信特性評価を屋内或
いは特定場所で行うための擬似フェージング環境をつく
る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイバーシチを行う回路方式の検討で
は、アンテナを取り付ける必要はなく、フェージングシ
ミュレータで測定可能である。ところが、ダイバーシチ
を行うアンテナの評価については、フェージングが生じ
ている環境内で行わなければならない。この測定は、一
般には、アンテナあるいは無線端末を自動車や、台車に
乗せて、屋外を移動しながら測定を行うフィールドテス
トが行われている。フィールドテストは自動車や台車が
移動することで電波の到来方向や強さが変化しフェージ
ングが生じることを利用したものである。また、屋内で
の測定では信学技報AP91−17に実験室を利用した
方法が記述されている。
【0003】端末の着呼率を測定する場合には、ダイバ
ーシチの場合と同じくフィールドテストが行われてい
る。
【0004】端末に装備されている空中線の効率の測定
では、信学技報AP91−16に記述されている屋内ラ
ンダムフィールド法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】フィールドテストは、
降雨などのために測定の延期をせざるをえない場合や、
交通渋滞により測定時間が長期化する場合があり、測定
期間の予測がつけられない欠点がある。また、フィール
ドテストは、周りの環境が季節や時間帯によって変化す
るので、再現性が悪い欠点がある。
【0006】フェージングの種類は、基地局−端末間が
見通しであるか、見通しでないかにより、レイリフェー
ジングや、仲上ライスフェージングに分類されている。
これらの分布それぞれに対して測定を行う場合には、適
当な場所をみつける必要があり測定を困難にしている。
【0007】実験室を利用した測定方法は簡便である反
面、様々な方向から電波の到来する状態を実験室の構造
によらず常に作り出せるかという不確定要因がある。特
定の方向から電波が到来する環境と、一様な方向から電
波が到来する環境とでは、ダイバーシチにおいて二つの
空中線の相関係数は異なる値となる。
【0008】屋内ランダムフィールド法は、レイリフェ
ージングの特性を利用したものである。したがって仲上
ライスフェージング等の他のレベル分布を持つフェージ
ング時の特性を評価することはできない。屋内における
伝搬では、仲上ライスフェージングが当てはまる場合も
多く、これらの特性を評価することが重要となる。
【0009】送信設備の新設を含みフィールドテストを
行う場合には、電波法の問題から、試験する周波数や電
波の強度に制限があること、免許を申請しなければなら
ないこと等の制約があり、測定を困難としている。
【0010】測定によっては、遅延を問題とする場合が
あるが、鉄塔等の構造物による遅延は、鉄塔と送信空中
線と受信機の位置関係により決まる。この遅延が任意の
値となる場所を選んで測定を行うことは困難である。
【0011】また、測定によっては交差偏波比によるア
ンテナの効率、或いはダイバーシチ特性を問題とする場
合がある。フィールドテストにおいては任意の交差偏波
比の場所を選んで測定を行うことは困難である。
【0012】以上、従来技術の問題を鑑み、本発明の一
つの目的は、屋内で人工的にフェージングを起こす環境
をつくり、降雨や交通事情による影響なく測定できる環
境をつくり、測定期間を短縮することである。
【0013】本発明の他の目的は、人工的なフェージン
グを起こす環境をつくることで、測定期間を一定期間と
し、測定にかかる時間を予測可能とすることである。
【0014】本発明の更に他の目的は、屋内で人工的な
フェージング環境をつくることで、季節や時期,時間帯
に影響されない、再現性のよい評価を行うことである。
【0015】本発明の更に他の目的は、屋内で人工的に
所望のレベル分布をもつフェージング環境をつくること
で、フィールドテストにおける場所選びの不自由さを取
り除くことである。
【0016】本発明の更に他の目的は、送受信機を電波
暗室に置くことにより、電波法上の問題を回避すること
である。
【0017】本発明の更に他の目的は、遅延を問題とす
る場合のフィールドテストについても、人工的に遅延波
をつくり測定できるようにすることである。
【0018】本発明の更に他の目的は、任意の交差偏波
比の電波環境での受信特性を測定することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題は、受信状態を
試験する被試験機と、試験周波数を発振する発振器と、
前記発振器からの出力を送信するか、或いはデータ系列
を生成するデータ生成手段と前記発振器からの出力を搬
送波として前記データ生成手段の出力を変調する変調手
段を設け、前記変調手段の出力を送信する一つの送信用
空中線と、前記送信用空中線の周囲に置かれ前記被試験
機に前記送信用空中線からの電波が直接入射しないよう
散乱波で打ち消すための複数の第一散乱体と、前記被試
験機の周囲にあって、それぞれの散乱波をもってして前
記被試験機に複数の電波を到来させる複数の第二散乱体
と、前記被試験機の周囲の任意の点を回転中心とし、前
記第二散乱体の内、複数個を回転中心或いは回転中心か
ら1波長以下ずらしたところに置き、その回転により第
二散乱体を移動させるための複数の第一回転台と、複数
の前記第一回転台の各々を前記被試験機を中心とする同
心円上で回転させるための第二回転台と、前記第一回転
台を駆動する第一駆動手段と、前記第二回転台を駆動す
る第二駆動手段と、前記被試験機を回転中心或いは回転
中心からずれたところで回転させるための第三回転台
と、前記第三回転台を駆動する第三駆動手段と、前記被
試験機の受信空中線が受信した一つ或いは複数の空中線
出力の信号強度、或いは前記被試験機の復調出力と前記
データ生成手段の出力との比較により判定できるデータ
誤りを一定期間毎に測定する測定手段と、各々の回転台
の回転周期の最小公倍数から得られる周期以上の期間に
ついて前記測定手段の出力を記録する記憶手段からな
り、前記発振機からの直接或いは前記変調手段により変
調した出力を送信用空中線から出力し、出力された電波
は前記第二散乱体により散乱され、様々な方向から電波
が前記被試験機に到来するよう前記第一回転台,第二回
転台,第三回転台を前記第一駆動手段,第二駆動手段,
第三駆動手段により駆動することにより解決できる。
【0020】また、上記解決手段において、前記第一散
乱体を前記送信空中線周囲で回転させるための第四回転
台と、第四回転台を駆動する第四駆動手段とを設け、前
記送信用空中線から出力された電波が、前記第一散乱体
により散乱される状況を変化できるようにし、前記被試
験機に入射する前記送信用空中線からの直接波の振幅を
調整できるようにすることで上記課題は解決できる。
【0021】また、上記解決手段において、前記送信用
空中線として、前記発振器からの出力或いは前記変調手
段の出力を送信し、かつ指向性に零点をもち、その零点
方向に前記被試験機を置いて送出される電波が直接前記
被試験機に入射しないよう調整した空中線を具備し、前
記送信用空中線の周囲に置かれた前記第一散乱体を取り
除くことにより上記課題は解決できる。
【0022】また、上記解決手段において、前記第二回
転台、及び第三回転台を、前記第二駆動手段,第三駆動
手段により駆動する代わりに、第二駆動手段と、第二駆
動手段の回転速度を変速手段により変速して第二回転
台,第三回転台にそれぞれ伝え、前記変速手段としては
第二回転台、及び各第三回転台の回転数がおのおの異な
るものを具備することによって上記課題は解決できる。
【0023】また、上記解決手段において、前記第二散
乱体を回転移動させる為の前記第一駆動手段,第二駆動
手段の回転速度を時間的に変化させ、それぞれの散乱体
の位置関係が回転を始めた位置にもどる周期を延長さ
せ、測定手段の出力を記録する記録手段は、記録結果が
統計処理で、分布収束するに十分な数を記録できるもの
を具備することで、上記課題は解決できる。
【0024】また、上記解決手段において、前記被試験
機からみて一つの前記送信用空中線とは別の方向に第二
送信用空中線を設け、前記発振機から出力或いは前記変
調手段により変調した出力を送信し、前記第二送信用空
中線の周囲にあって前記被試験機に前記第二送信用空中
線からの直接波が入射しないよう散乱波で打ち消すため
の複数の第三散乱体を具備することで課題は解決でき
る。
【0025】また、上記解決手段において、前記被試験
機からみて一つの前記送信用空中線とは別の方向に電波
を反射する反射手段を具備し、送信空中線からの電波を
別方向から前記被試験機に入射させることで課題は解決
できる。
【0026】また、上記解決方法で、データ系列を生成
するデータ生成手段と、前記データ生成手段の出力を変
調する第一変調手段と、前記データ生成手段の出力に遅
延を持たせる遅延手段と、前記遅延手段により遅延を持
った出力を変調する第二変調手段とを具備し、前記第一
送信用空中線からは第一変調手段の出力を、前記第二送
信用空中線からは第二変調手段の出力を送信し、前記被
試験機の復調出力のデータ系列と、前記データ生成手段
の生成したデータ系列を比較し、誤り率を算出する評価
手段をもつことで課題は解決できる。
【0027】また、受信状態を試験する被試験機と、試
験周波数を発振する発振器と、前記発振器からの出力を
送信するか、或いはデータ系列を生成するデータ生成手
段と前記発振器からの出力を搬送波として前記データ生
成手段の出力を変調する変調手段を設け、前記変調手段
の出力を送信する一つの送信用空中線と、前記被試験機
の周囲にあって、それぞれの散乱波をもってして前記被
試験機に複数の電波を到来させる複数の第二散乱体と、
前記被試験機の周囲の任意の点を回転中心とし、前記第
二散乱体の内、複数個を回転中心或いは回転中心から1
波長以下ずれたところに置き、その回転により散乱体を
移動させるための複数の第一回転台と,前記第一回転台
の各々を前記被試験機を中心とする同心円上で個別に回
転させるための第二回転台と,前記第一回転台を駆動す
る第一駆動手段と,前記第二回転台を駆動する第二駆動
手段と,前記発振器の出力或いは前記変調手段の出力の
一部を取り出し、前記送信空中線から前記被試験機の受
信空中線に受信されるまでの位相推移と振幅の減衰を各
個別に補正する一つ以上の位相手段及び減衰手段と、前
記被試験機の受信空中線の受信した空中線出力と前記減
衰手段の出力との差分を取る差分手段と、前記差分手段
の出力を前記データ生成手段の出力との比較により判定
できるデータの誤りを一定期間毎に測定する測定手段
と、各々の回転台の回転周期の最小公倍数から得られる
周期以上の期間について前記測定手段の出力を記録する
記憶手段、或いは前記測定手段が判定したデータ誤りの
数を計数し、誤り率を算出する計数手段からなり、前記
発振機からの直接或いは前記変調手段により変調した出
力を送信用空中線から出力し、出力された電波は前記第
二散乱体により散乱され、様々な方向から電波が前記被
試験機に到来するよう前記第一回転台,第二回転台を前
記第一駆動手段,第二駆動手段により駆動することによ
り上記課題は解決できる。
【0028】また、周波数の違いにより複数の通信チャ
ネルを持つ通信方式であるFDMAシステムに適用され
る被試験機と、試験通信チャネルである周波数以外で発
振し、かつ前記被試験機にスプリアスによる干渉或いは
隣接チャネル干渉を与えない周波数を発振する発振器
と、前記発振器からの出力を送信するか、或いはデータ
系列を生成するデータ生成手段と前記発振器からの出力
を搬送波として前記データ生成手段の出力を変調する変
調手段を設け、前記変調手段の出力を送信する一つの送
信用空中線と、前記被試験機の周囲にあって、前記送信
用空中線の出力を受け周波数変換を行って試験周波数に
変換し、試験周波数で再送信を行う複数のリピータと、
前記リピータを回転中心或いは回転中心から1波長以下
ずらしたところに置き、その回転により前記リピータを
移動させるための複数の第五回転台と、前記第五回転台
の各々を前記被試験機を中心とする同心円上で個別に回
転させるための第六回転台と、前記第五回転台を駆動す
る第五駆動手段と、前記第六回転台を駆動する第六駆動
手段と、前記被試験機の受信空中線の受信した一つ或い
は複数の空中線出力の信号強度、或いは前記被試験機の
復調出力と前記データ生成手段の出力との比較により判
定できるデータ誤りを一定期間毎に測定する測定手段
と、各々の回転台の回転周期の最小公倍数から得られる
周期以上の期間について前記測定手段の出力を記録する
記憶手段、或いは前記測定手段が判定したデータ誤りの
数を計数し、誤り率を算出する計数手段からなり、前記
発振機からの直接或いは前記変調手段により変調した出
力を送信用空中線から出力し、出力された電波は前記リ
ピータにより試験周波数に変換,再送信され、様々な方
向から電波が前記被試験機に到来するよう前記第五回転
台,第六回転台を前記第五駆動手段,第六駆動手段によ
り駆動することにより上記課題は解決できる。
【0029】また、上記解決手段において前記送信用空
中線と、第一散乱体と、第二散乱体と、第三散乱体と、
第一回転台と、第二回転台と、第三回転台と、第四回転
台と、リピータとを電波暗室内に実現することで課題は
解決できる。
【0030】また、上記解決手段において、前記第一散
乱体と,第二散乱体と,第三散乱体を、第一回転台の回
転面に対し軸方向が垂直となるように置かれ、軸方向に
数波長以上の長さをもつ円柱とし、さらに前記第二散乱
体の断面の円の半径は、0.1波長以下とすることで課題
は解決できる。
【0031】また、上記解決手段において、散乱体或い
はリピータの移動速度が歩行速度より小さくとることで
課題は解決できる。
【0032】また、上記解決手段において、p個の第二
回転台の回転比を、二つの整数mとnを使い、1+1/
n+1/m:…:1+1/n+p/mとなる前記第二駆
動手段、或いは前記変速手段を使用することで課題は解
決できる。
【0033】また、上記解決手段において、複数の第二
回転台の内、最も内側のものから外側に行くに従って、
回転速度が遅くなる前記第二駆動手段、或いは前記変速
手段を使用することで課題は解決できる。
【0034】また、上記解決手段において、複数の第一
散乱体の内、少なくとも一つは前記送信用空中線と前記
被試験機の間に置くことにより課題は解決できる。
【0035】また、上記解決手段による、基地局と端末
間で通信中に制御信号をやりとりするシステムの端末の
試験において、前記送信用空中線を受信用としても使用
し、前記送信用空中線の受信した信号を復調する復調手
段と、端末と基地局の制御信号のやりとりにおける基地
局側から端末への制御信号をエミュレートする制御手段
と、端末からの制御信号である復調器の出力を観測し、
端末の状態を推定する観測手段を具備し、前記制御手段
が出力する端末への制御信号を変調手段で変調して前記
送信用空中線から送出し、前記送信用空中線が受信する
被試験機の送出した制御信号を復調手段で復調後、前記
観測手段及び制御手段の入力とすることで、前記被試験
機の着呼特性、或いはハンドオフ制御の試験が行える。
したがって、課題は解決できる。
【0036】また、上記解決手段において、入力の振幅
を減衰させて出力する減衰手段を具備し、前記発振器,
前記変調手段、或いは前記遅延手段の出力を減衰手段に
より減衰させて送信用空中線から送出することで課題は
解決できる。
【0037】また、上記解決手段において、前記第一送
信用空中線、或いは第二送信用空中線のいずれか、或い
は両方が、第一回転台の回転面と平行な方向へ放射され
る電波の遠方界で、回転面と電界の偏波方向が垂直であ
る電波を送出する空中線か、回転面と磁界の偏波方向が
垂直である電波を送出する空中線かのいずれかにするこ
とで課題は解決できる。
【0038】また、上記解決手段において、前記第一送
信用空中線、或いは第二送信用空中線のいずれか、或い
は両方が、第一回転台の回転面と平行な方向へ放射され
る電波の遠方界で、回転面と電界の偏波方向が垂直であ
る電波を送出する空中線と、回転面と磁界の偏波方向が
垂直である電波を送出する空中線とのいずれかに交換可
能とすることで課題は解決できる。
【0039】また、上記解決手段において、第一散乱
体,第二散乱体,第三散乱体を、誘電体,導体、或いは
表面に導体製品が施されている誘電体とすることで課題
は解決できる。
【0040】
【作用】上記解決手段は、試験周波数を発振する発振器
と、発振器からの出力を送信する、或いはデータ系列を
生成するデータ生成手段と発振器からの出力を搬送波と
してデータ生成手段の出力を変調する変調手段を設け、
変調手段の出力を送信する一つの送信用空中線を具備し
ている。送信用空中線から出た電波は、送信空中線周囲
に置かれた複数の第一散乱体により散乱され、電波の照
射に方向性が生じる。この方向性により被試験機に送信
用空中線からの電波が直接到来しないようにすることが
可能となる。被試験機の周囲には複数の第二散乱体が置
かれてある。第二散乱体は複数個ずつを組に分けられ、
組ごとに第一回転台に乗っている。それぞれの第二散乱
体は第一回転の上の回転中心、或いは回転中心から1波
長以下ずらしたところに置かれてあり、第一回転台を第
一駆動手段により駆動することで、第二散乱体は回転運
動を行う。また、第一回転台は各々被試験機の中心に同
心円上で回転する第二回転台上に乗っており、第二回転
台を第二駆動手段により駆動することで、第二散乱体は
歳差運動を行う。第一回転台上には第二散乱体の内、複
数の散乱体が配置されているため、被試験機には様々な
方向から様々な振幅及び位相をもつ電波が到来し、それ
らが互いに干渉し合うことでフェージングを生じさせる
ことができる。フェージング中で被試験機が受信した電
波の受信特性、或いは復調出力とデータ生成手段の出力
との比較で判るデータ誤りを一定期間毎に測定する測定
手段と、統計処理をするため測定手段の測定結果を記録
する記憶手段、或いはデータ誤りを計数して誤り率を算
出する計数手段を設けてあり、歳差運動する第二散乱体
全体の周期以上の測定結果の記録、或いは誤り率の算出
をすることで測定サンプルに偏りがないようになってい
る。また、送信用空中線からの直接波は到来しないた
め、人工的にレイリフェージングを模擬することが可能
となり、本発明により課題を解決することができる。
【0041】上記解決手段では、送信用空中線周囲の第
一散乱体を固定としたが、これを送信用空中線を中心と
する第四回転台上に配置し、第四回転台を第四駆動手段
で駆動することで、被試験機に入射する電波の状況を変
化させることを可能とし、レイリフェージング以外に直
接波の存在する環境でのモデルであるライスフェージン
グを模擬することが可能になる。したがって、所望のレ
ベル分布を持たせることが可能となり、本発明で課題を
解決することができる。
【0042】上記解決手段において、送信用空中線と、
第一散乱体の代わりに、発振器からの出力或いは変調手
段からの出力を送信し、かつ指向性に零点をもち、その
零点方向に被試験機を置いて送出される電波が直接被試
験機に入射しないよう調整した送信用空中線を具備す
る。これにより、人工的にレイリフェージングを模擬す
ることが可能となり、本発明により課題を解決すること
ができる。
【0043】上記解決手段において、第二回転台と、第
三回転台を、第二駆動手段及び第三駆動手段で駆動する
代わりに、第三駆動手段と、第三駆動手段の回転速度を
変速する変速手段を使い、第二回転台,第三回転台を駆
動し、変速手段としては第二回転台、及び第三回転台の
回転数が各々異なるものを具備することにより、各回転
台に個別の駆動手段を設ける必要性をなくし、装置の簡
単化を図ることができる。よって本発明により課題を解
決することができる。
【0044】上記解決手段において、第二散乱体を回転
移動させる為の第一駆動手段,第二駆動手段の回転速度
を時間的に変化させ、それぞれの散乱体の位置関係が、
回転を始めた位置にもどる周期を伸長させ、測定手段の
出力を記録する記録手段は、記録結果が統計処理で分布
収束するに十分な数を記録できるようにすることで測定
サンプル数を大幅に増加させることができる。したがっ
てレベル分布がよりレイリフェージングに近いフェージ
ングを生じさせることができる。よって本発明により課
題は解決できる。
【0045】上記解決手段において、被試験機からみて
一つの送信用空中線とは別の方向に、発振器からの出力
或いは変調手段の出力を送信する第二送信用空中線と、
第二送信用空中線の周囲にあって被試験機に第二送信用
空中線からの直接波が入射しないよう散乱波で打ち消す
ための複数の第三散乱体とを具備することで、第二散乱
体による散乱波の被試験機に対する到来角の偏りを減ら
すことができる。
【0046】上記解決手段において、第二送信用空中線
及び第三散乱体を設ける代わりに、被試験機からみて一
つの送信用空中線とは別の方向に、第一送信用空中線の
送信電波を反射する反射手段を具備し、かつ反射波が被
試験機に到来しないよう反射手段の反射角を調整するこ
とで、第二散乱体による散乱波の被試験機に対する到来
角の偏りを減らすことができ、課題を解決することがで
きる。
【0047】上記解決手段において、データ系列を生成
するデータ生成手段とデータ生成手段の出力を変調する
第一変調手段と、データ生成手段の出力に遅延を持たせ
る遅延手段と、遅延手段の出力を変調する第二変調手段
を具備し、第一送信用空中線からは第一変調手段の出力
を送信し、第二送信用空中線からは第二変調手段の出力
を送信することで、被試験機に電波が到達するまでの電
気長の違いにより、第一変調手段の出力と第二変調手段
の出力を互いに無相関で被試験機に受信させることがで
きる。この静的二波モデルにより、周波数選択性フェー
ジングを模擬することが可能となる。よって本発明によ
り課題を解決することができる。
【0048】上記解決手段は、試験周波数を発振する発
振器と、発振器からの出力を送信するか、或いはデータ
系列を生成するデータ生成手段と発振器からの出力を搬
送波としてデータ生成手段の出力を変調する変調手段を
設け、変調手段の出力を送信する一つの送信用空中線を
具備している。送信用空中線から出た電波は、被試験機
及び被試験機周囲の複数の第二散乱体に照射される。第
二散乱体は、第一回転台,第二回転台に乗っており、第
一駆動手段,第二駆動手段により第一回転台,第二回転
台を駆動手段により駆動することで、歳差運動を行う。
第一回転台上には第二散乱体の内、複数の散乱体が配置
されているため、被試験機には様々な方向から様々な振
幅及び位相をもつ電波が到来し、それらが互いに干渉し
合うことでフェージングを生じさせることができる。送
信用空中線からの直接波を取り除くため、発振器の出力
或いは変調手段の出力の一部を取り出し、送信空中線か
ら被試験機の受信用空中線に受信されるまでの位相推移
と振幅の減衰を補正する移相手段及び減衰手段と、被試
験機の一つ或いは複数の受信用空中線の受信した空中線
出力と減衰手段の出力との差分を取る差分手段を具備し
ている。したがって直接波成分を差分手段により取り除
くことができ、レイリフェージングが模擬できる。レイ
リフェージング中の受信特性、或いは復調出力とデータ
生成手段の出力の比較で判るデータの誤りを一定期間毎
に測定する測定手段と、統計処理をするため測定手段の
測定結果を記録する記録手段、或いはデータ誤りを計数
して誤り率を算出する計数手段が設けてあり、歳差運動
する第二散乱体全体の周期以上の測定結果の記録、或い
は誤り率の算出をすることで測定サンプルに偏りがない
ようになっている。したがって、人工的に生じさせたレ
イリフェージング中の受信特性を測定することが可能と
なり、本発明により課題を解決することができる。
【0049】上記解決手段は、試験通信チャネルである
周波数以外で発振し、かつ被試験機にスプリアスによる
干渉或いは隣接周波数干渉を与えない周波数を発振する
発振器と、発振器からの出力を送信するか、或いはデー
タ系列を生成するデータ生成手段と発振器からの出力を
搬送波としてデータ生成手段の出力を変調する変調手段
を設け、変調手段の出力を送信する一つの送信用空中線
を具備している。送信用空中線から出た電波は、被試験
機及び被試験機周囲にあって送信用空中線の出力を受け
周波数変換を行って試験周波数に変換し、試験周波数で
再送を行う複数のリピータに照射される。リピータはそ
れぞれ第一回転台,第二回転台に乗っており、第一駆動
手段,第二駆動手段により第一回転台,第二回転台を駆
動することで、歳差運動を行う。被試験機には様々な方
向から様々な位相をもつ電波が到来し、それらが互いに
干渉し合うことでフェージングを生じさせることができ
る。送信用空中線からの直接波は、試験周波数とは異な
り様々な干渉を与えない周波数帯を選んでいるため、被
試験機からはリピータの出力しか見えない。したがって
等振幅かつ様々な方向から電波が到来し、レイリフェー
ジングが模擬できる。レイリフェージング中の受信特
性、或いは復調出力とデータ生成手段の出力の比較で判
るデータ誤りを測定する測定手段と、統計処理をするた
め測定結果を記録する記録手段、或いはデータ誤りを計
数して誤り率を算出する計数手段が設けてあり、歳差運
動する複数のリピータ全体の周期以上の測定結果の記
録、或いは誤り率の算出をすることで測定サンプルに偏
りがないようになっている。よって、人工的にレイリフ
ェージングを模擬でき、その時の受信特性を測定するこ
とが可能となり、本発明により課題を解決することがで
きる。
【0050】上記解決手段において、送信用空中線と、
第一散乱体と、第二散乱体と、第三散乱体と、被試験機
と、第一回転台と、第二回転台と、第三回転台と、第四
回転台と、リピータを電波暗室内に配置することによ
り、外乱を防ぐことができる。したがって、季節や時
期,時間帯に寄らずに定常的な測定が可能となる。また
電波法上の問題も回避することができる。よって本発明
により課題を解決することができる。
【0051】上記解決手段において、第一散乱体と,第
二散乱体と,第三散乱体を、第一回転台の回転面に対し
軸方向が垂直となるように置かれ、かつ軸方向に数波長
以上の長さをもつ円柱とすれば、送信用空中線が軸方向
に電界或いは磁界の偏波面をもつ電波を照射する場合
は、散乱においてもそれぞれ偏波面が保存される。した
がって、送信用空中線の偏波をもつ散乱波を被試験機に
到来させることができる。第二散乱体の半径は0.1 波
長以下とする。これにより第二散乱体において等方的に
散乱波を出すことができる。したがって、第二散乱体か
ら被試験機に照射される電波の到来角の偏りを減らすこ
とができる。よって、課題を解決することができる。
【0052】上記解決手段において、散乱体或いはリピ
ータの移動速度を小さい値にすることで、ドップラ周波
数が小さい値にすることができる。ドップラ周波数は、
携帯端末では歩行速度に伴う程度であり、大きな値にな
ることは好ましくない。したがって、本発明により課題
は解決することができる。
【0053】上記解決手段において、p個の第二回転台
の回転比を、2つの整数mとnを使い、1+1/n+1
/m:...:1+1/n+p/mとする。これにより
最も回転速度が遅い第二回転台がm周したところで全て
の第二回転台は、回転前と同じ角度関係に戻る。ただ
し、この時もとの位置からは、360/n度だけずれて
いる。全ての第二回転台が回転前の位置に初めて戻るの
は、最も回転速度が遅い第二回転台がmとnの最小公倍
数だけ回転したときである。全体の散乱体の周期は、さ
らに第一回転台がもとに戻るときとなる。したがって、
本発明により測定サンプルの偏りをなくし、測定サンプ
ルの数を多くとることが可能となる。よって課題を解決
できる。
【0054】上記解決手段において、複数の第二回転台
の内、最も内側のものから外側に行くに従って、回転速
度が遅くなるような第二駆動手段、或いは変速手段を使
用する。これにより、散乱体の移動速度を遅くすること
ができ、ドップラシフトの影響を少なくすることができ
る。したがって、本発明により課題を解決することがで
きる。
【0055】上記解決手段による、基地局と端末間で通
信中に制御信号をやりとりするシステムの端末試験にお
いて、送信用空中線を受信用にも使用し、送信用空中線
の受信した信号を復調する復調手段と、端末と基地局の
制御信号のやりとりにおける基地局側から端末への制御
信号をエミュレートする制御手段と、端末からの制御信
号である復調器の出力を観測し、端末の状態を推定する
観測手段を具備する。制御手段の出力を変調手段で変調
して送信用空中線から送出し、送信用空中線が受信した
被試験機の送出信号を復調手段で復調後、制御手段の入
力とすることで、制御信号を送受信する系ができる。ま
た、その時の端末の状態は、端末から送られて来る制御
信号により推定することができる。したがって本発明に
より被試験機の着呼特性、或いはハンドオフ制御の試験
が行え、課題を解決することができる。
【0056】上記解決手段において、入力の振幅を減衰
させて出力する減衰手段を、発振器,変調手段、或いは
遅延手段と、送信用空中線との間に具備し、発振器,変
調手段、或いは遅延手段の出力を減衰手段により減衰さ
せて送信用空中線から送出することで、被試験機に入射
する電波に長区間中央値変動の効果を加味することがで
きる。したがって本発明により課題は解決できる。
【0057】上記解決手段において、第一送信用空中
線、或いは第二送信用空中線のいずれか、或いは両方
が、第一回転台の回転面と平行な方向へ放射される電波
の遠方界で、回転面と電界の偏波方向が垂直である電波
を送出する空中線か、回転面と磁界の偏波方向が垂直で
ある電波を送出する空中線かのいずれかにすることによ
る。これより第二散乱体からは、様々な偏波面をもつ電
波を散乱させることができる。したがって、本発明より
課題は解決できる。
【0058】上記解決手段において、第一送信用空中
線、或いは第二送信用空中線のいずれか、或いは両方
が、第一回転台の回転面と平行な方向へ放射される電波
の遠方界で、回転面と電界の偏波方向が垂直である電波
を送出する空中線と、回転面と磁界の偏波方向が垂直で
ある電波を送出する空中線とのいずれかに交換可能とす
ることで、様々な偏波面をもつ電波を測定の目的により
変化させることが可能となる。したがって本発明により
課題は解決できる。
【0059】上記解決手段において、第一散乱体,第二
散乱体、及び第三散乱体が、誘電体,導体、或いは表面
に導体製品が施された誘電体を用いることで、電波を任
意の散乱特性で散乱することができる。したがって、本
発明により課題は解決できる。
【0060】
【実施例】本発明からなる端末受信状態測定装置の1実
施例を図1,図2,図3を使って説明する。図1は本発
明からなる端末受信状態測定装置の1実施例の説明図、
図2は1実施例における送信アンテナ周囲に置いた電波
散乱体の置き方を示す図、図3は本発明における1実施
例の被試験機における受信電界強度の確率密度分布を示
す図、図4は本発明における1実施例の散乱体回転台及
び駆動装置の説明図である。
【0061】図1は、送信アンテナである半波長ダイポ
ールアンテナ2の周囲に電波散乱体111が三つ、被試
験機1の周囲に電波散乱体101が四つ置かれている場
合の図である。以下ではこの場合について説明を行う。
図1において、発振器401は試験周波数の搬送波を発
振している。該発振器401の出力はケーブル922を
通して、送信用の半波長ダイポールアンテナ2に伝えら
れる。アンテナ2は試験周波数で整合するよう調整され
ており、試験周波数の電波を送信している。電波散乱体
111は金属円柱であり、送信アンテナ2の周囲に配置
されている。送信アンテナ2から出た電波は、複数の電
波散乱体111により散乱される。その散乱波の位相,
振幅との関係により送信アンテナ2からの電波は角度に
より強弱が生じる。このうち弱い電波が照射される方向
で、十数波長離したところに被試験機1を配置する。こ
れにより送信アンテナ2から被試験機1に入る直接波の
影響をなくすことができる。
【0062】図2は散乱体三つを使った場合の例を示し
たものである。図2で散乱体115は試験周波数での波
長をλとすると、半径0.206λ の金属円柱であり、
送信アンテナ2と被試験機1の間で、送信アンテナから
0.950λ の位置に置かれている。散乱体116は半
径0.206λ の金属円柱で、送信アンテナから0.9
50 λのところに置かれ、散乱体115との角度21
は50度である。散乱体117は半径0.095λの金
属円柱であり、送信アンテナから1.267λ離れたと
ころに置かれている。散乱体115との角度22は76
度である。本構成では被試験機方向と、被試験機方向か
ら右回り左回り方向で10度ずれた方向とに電力で約2
6dBの差を生じさせることができる。
【0063】図1では、被試験機1には電波が到来しな
いが、その周囲に置かれた半径0.032λ の金属円筒
の散乱体101には電波が入射する。散乱体に入射した
電波は散乱されて被試験機1に入射する。ところで散乱
体101は二つペアにして回転盤の上に置かれてある。
ペアの散乱体それぞれは回転盤の中心に対して点対称
で、且つ回転盤の中心から0.048λ の位置に固定さ
れている。さらにこの二つ回転盤は被試験機1を中心と
する同心円上を回転している。それぞれの半径は1.2
67λと1.457λである。この回転盤の回転によ
り、散乱体は歳差運動を行うため、様々な位相をもつ電
波が様々な方向から被試験機に到来することになる。
【0064】被試験機の周囲の散乱体101からの電波
は、方向により強弱が生じているため、被試験機自体も
回転させ、様々な方向から電波が到来するようにする。
被試験機の受信した電界強度は、電界強度測定器411
により測られる。測った結果はディジタル信号に直さ
れ、コントローラ421を介して、補助記憶装置422
に記録される。複数の散乱体101及び被試験機の全て
が最初の位置に戻った時点で、補助記憶装置422に入
った測定結果から平均,分散,分布なる統計量をコント
ローラ421により計算する。
【0065】図3は本発明の1実施例において、散乱体
を回転させて測定サンプル900点をとった場合の受信
電界強度を送信電界強度で規格化した値と、その確率密
度との関係を示した図である。実線のレイリ分布に近い
分布が得られており、本発明によりレイリフェージング
が模擬できることがわかる。よってレイリフェージング
下の受信特性を測定することができる。
【0066】図4は本発明を実現する1実施例における
回転盤の構成を示している。図で被試験機1はモータ2
05につながった回転台231の上に置かれてあり、モ
ータ205の駆動により回転することができる。被試験
機1の受信した信号はケーブル921により電界強度測
定器に伝えられる。散乱体101はモータ201或いは
モータ202につながる回転盤241,242の上に置
かれてあり、モータ201,202の駆動により回転す
ることができる。モータ201,202は輪状の回転盤
251,252の上に乗っている。この回転盤251,
252にはレールとのアタッチメント261,262が
ついており、被試験機を中心としたリング状のレール2
71,272の上に乗っている。回転盤251,252
はモータ203,204から摩擦によりトルクを得て回
転することができる。したがって散乱体101回転盤2
41,242,251,252により歳差運動を行うこ
とができる。よって本構成により図1に示す1実施例を
実現することができる。
【0067】図5に被試験機1を中心とする同心円で回
転する回転盤を使った構成を示す。図4では、図1に示
す実施例を実現するためにレールを使っているが、本構
成では散乱体101はモータ201,202につながる
回転盤241,242上に固定されている。モータ20
1,202は同心円の回転盤253,254上にある。
回転盤253,254は軸受け311及び支柱301,
302により支えられており、支柱301,302と回
転盤253の間にはベアリング901,902が取り付
けられている。また、回転盤253と254の間にもベ
アリング903,904が取付けられており全体を支え
ている。回転盤253の回転はモータ203により、回
転盤254の回転はモータ204により、回転台231
の回転はモータ205により行われる。回転盤及び回転
台のそれぞれはベルト221,222,223によりト
ルクが伝えられる。被試験機の受信信号はケーブル921
により外部に出される。本構成によっても散乱体101
を歳差運動させることができ、図1に示す実施例を実現
することができる。
【0068】図1に示す実施例では被試験機1の受信し
た信号をケーブル921により、電界強度測定器411
に伝えていたが、被試験機に信号強度を測る機能がある
場合には、端末で信号強度を測定し、その結果を光ケー
ブルを使って外部に取りだし、コントローラ421に入
力することもできる。この場合にはケーブルが端末の受
信感度に及ぼす影響を削減することができる。
【0069】図1に示す実施例では、発振器401の出
力を送信アンテナから出力していたが、発振器401の
代わりに変調器を持たせ、変調器の出力を送信アンテナ
から送信することで、被試験機では受信信号の復調まで
を試験することができる。この場合、復調した信号をケ
ーブル或いは光ケーブルで取り出し、送信した符号との
照合を行うか、或いは予め送信する符号に付加しておい
た冗長符号により知れる誤り率をコントローラにより調
べることで符号誤り率を知ることができる。これによ
り、端末のダイバーシチや誤り訂正等のフェージング対
策の評価が行える。
【0070】図2に示す実施例では、散乱体115,1
16,117は送信アンテナからの距離が0.950λ
及び1.267λの位置に置かれているが、これに限っ
たものではない。また、散乱体の半径も図2に示す実施
例に挙げたもの以外でも同様の効果を得ることができ
る。
【0071】図6にその一例を示す。散乱体115及び
116は図2に示す実施例の場合と全く同じ寸法および
位置に置く。散乱体117は半径0.158λ の金属円
柱とし、送信アンテナとは1.583λ 離し、散乱体1
15との角度は散乱体116とは逆方向4度の位置に配
置してある。本構成においても被試験機方向と、被試験
機方向から10度ずれた方向とに電力で20dB以上の
差を生じさせることができる。
【0072】図1に示す実施例では、送信アンテナ周囲
の散乱体を三つ、被試験機周囲の散乱体を四つおいた場
合を例にとり説明したが、散乱体の数を増やしてもよ
い。散乱体の数が増えた場合は多様性が増すため、より
レイリ分布に近い受信電界強度の分布が得られる。ただ
し回転盤や駆動装置の構造は散乱体の増加により複雑に
なる欠点がある。
【0073】図1に示す実施例では、被試験機周囲の散
乱体を二つずつペアにして回転盤241,242の上に
乗せているが、散乱体一つだけを乗せた場合、或いは散
乱体を三つ以上乗せても良い。散乱体が一つの場合に
は、散乱波の振幅は散乱体に入射する電波の強さにほぼ
比例する。一つの散乱体を回転台241,242の端に
置くことで被試験機に入射する電波の位相を変化させる
ことができる。散乱体が三つ以上のペアを回転盤の上に
乗せた場合は、散乱体間の相互結合が強くならないよう
回転盤の大きさを大きくとる必要がある。
【0074】図7は本発明の他の実施例の説明図であ
る。図7において、散乱体111は二つの部類に分けら
れる。一つの部類は時間的に動かない固定された散乱体
群であり、もう一つの部類は送信アンテナの周囲を回転
することができる可動な散乱体群である。散乱体を動か
すための機構は図4或いは図5に例を挙げた構造により
実現できる。散乱体111は送信用アンテナから被試験
機1に入る直接波の振幅の調整を行っている。これを可
動とすることで、直接波の振幅を自由に変化させること
ができる。所望の直接波が入射する状態で散乱体111
を固定してやれば、任意の直接波と散乱波が入射する環
境を実現できる。ところで直接波が周りからの散乱波に
対して無視できない場合には、電界強度の分布は仲上ラ
イス分布になることが知られている。この仲上ライスフ
ェージングは屋内など見通し内通信で重要である。本発
明によればレイリフェージングから仲上ライスフェージ
ングにいたるフェージング環境の模擬ができ、その環境
での受信特性を評価することができる。
【0075】上記他の実施例では、所望の直接波が得ら
れたところで散乱体111を固定するものであったが、
散乱体を動かし続けながら測定してもよい。基地局と端
末間が見通し内である環境と見通し外である環境の境界
では、直接波は不安定ながら存在すると考えられる。そ
うした環境での受信特性を測定には散乱体111を動か
しながらの測定が必要となる。
【0076】図8は本発明の他の実施例の説明図であ
る。図9はアレイアンテナの図である。
【0077】図8において送信アンテナ4は、指向性6
10に零点を持つアンテナである。その零点方向に被試
験機1を置く。これにより被試験機1には送信アンテナ
4からの直接波は入らないようにすることができるの
で、送信アンテナ周囲の散乱体を排除することができ
る。図9は指向性に零点をもつアンテナを実現するため
の構成を示している。発振器401の出力は分波器50
1により二つに等分される。その一方は直接半波長ダイ
ポールアンテナ5に入力される。他方は移相器511によ
り180°だけシフトして半波長ダイポールアンテナ6
に入力される。これにより、両アンテナからの距離が等
しくなる方向では互いのアンテナからの電波が打消しあ
うため零点となる。したがって図8に示す本発明の他の
実施例を実現できる。
【0078】図8の構成では、半波長ダイポールアンテ
ナを二つ用いた場合を例にとり説明したが、アンテナの
素子数がさらに多い場合においても同様な効果が得られ
る。この場合、指向性を鋭くすることができ、被試験機
周囲の散乱体101からの散乱波と送信アンテナ4から
の直接波との差異を大きく取れる。
【0079】また、図9では、アンテナ素子5,6とし
て半波長ダイポールアンテナを用いたが、ヘリカルアン
テナや、ループアンテナ,マイクロストリップアンテナ
等のアンテナ素子を用いても同様の効果が得られる。
【0080】また、移相器501では180°のシフト
を行ったが、アンテナ素子を半波長離せば、該移相器を
使用せずともアンテナ素子を結ぶ方向は零点が形成され
る。したがって他の実施例と同様の効果が得られる。
【0081】また、他の実施例では、移相器での位相の
シフト分を固定としているが、これを可変としたアレイ
アンテナで構成することができる。この場合、被試験機
に入射する電波の強度を調整することができる。したが
って、本発明によればレイリフェージングから仲上ライ
スフェージングにいたるフェージング環境の模擬がで
き、その環境での受信特性を評価することができる。
【0082】図10は他の実施例における被試験機周囲
の散乱体を回転させる回転盤及び回転盤の駆動装置の説
明図である。図10において、散乱体101はモータ2
01,202につながる回転盤241,242の上に固
定されている。モータ201,202は同心円の回転盤
253,254上にある。回転盤253,254は軸受
け311及び301,302により支えられており、支
柱301,302と回転盤253の間にはベアリング9
01,902が取り付けられている。また、回転盤25
3と254の間にもベアリング903,904が取付け
られてあり全体を支えている。回転盤253,254、
および回転台231の回転はモータ205の一つにより行
われる。
【0083】モータ205からベルト224によりトル
クが取り出され被試験機1の乗った台231を回転させ
る。そこからベルト225によりトルクが変速器211
に伝えられる。変速器211では回転比が変えられ、ベ
ルト226によりその変換されたトルクが回転台254
に伝えられ台が回転する。変速器211からは別途ベル
ト227によりトルクが変速器212に伝えられる。変
速器212では回転比が変えられ、ベルト228により
変換されたトルクが回転台253に伝えられ台が回転す
る。本構成では一つのモータ205で回転盤253,2
54、及び回転台231を回転させており、駆動装置の
数が省略できる。また、各回転台の回転比を固定とする
ことが容易になる。しかし、トルクの大きなモータが必
要となる。
【0084】他の実施例では、モータ205のトルクは
被試験機に伝えられているが、逆に回転台253に伝え
てもよい。この場合も変速器211,212を通してト
ルクが伝えられ回転台254、および被試験機1を回転
させることができるため、効果は同じである。
【0085】図4,図5,図10に示す実施例では、回
転盤が回転する回転速度は測定を通じて固定であった。
したがって、本構成では回転盤各々の周期の最小公倍数
の周期が散乱体全体の運動周期になる。この散乱体全体
の周期が短いと測定サンプル数が少なく偏ったものとな
るため被試験機の受信電界強度の分布がレイリ分布、或
いは仲上ライス分布とは異なったものとなってしまう。
図4或いは図5の構成において、モータ203,20
4,205の回転速度をモータ制御回路で時間的に変化
させる。これにより散乱体全体の周期を伸長させること
ができ、測定サンプル数を大幅に増加させることができ
る。したがって、レイリフェージング或いは仲上ライス
フェージングを生じさせることができる。
【0086】図11は本発明の端末受信状態測定装置の
他の実施例の説明図、図12は送信アンテナ一つの場合
の被試験機周囲の電界強度の分布図、図13は送信アン
テナ二つを用いた場合の被試験機周囲の電界強度の分布
図である。
【0087】図12は送信アンテナが、解決手段で示し
たように一つの場合の被試験機周囲の電界強度の分布を
示している。図で2は送信アンテナ、111は送信アン
テナ周囲の散乱体、1は被試験機、103,104は被
試験機周囲の散乱体、ハッチの部分611は電界強度が
強い領域を示す。被試験機周囲の散乱体が103のよう
に電界強度の強い部分にある場合は、被試験機1には強
い散乱波621が入射する。ところが、104のように
電界強度の弱い部分にある場合には弱い散乱波622し
か被試験機に到来しない。したがって紙面上下方向から
は散乱波が到来するが、紙面左右方向からは散乱波がほ
とんど到来しない環境になっている。このような電波の
到来環境で、アンテナダイバーシチを目的として被試験
機の二つのアンテナの相関係数を測定する場合、散乱体
101の数を十数個以上置かなければ、精度良く相関係
数を求められない。散乱体の数を減らすにはあらゆる方
向から電波が到来させる必要がある。
【0088】この解決手段で、あらゆる方向から電波が
到来するようにするには、図13のように送信アンテナ
を二つ設けることが有効である。図で2,3は送信アン
テナ、111,112は送信アンテナ周囲の散乱体、1
は被試験機、105,106は被試験機周囲の散乱体、
ハッチの部分611及び612は電界強度が強い領域を
示している。送信アンテナ2,3から送出された電波
は、散乱体111,112により被試験機には到達させ
ず、その周囲の置かれた散乱体105,106に到来さ
せることができる。被試験機の周囲に置かれた散乱体付
近の電界は二つの送信アンテナにより、片方の送信アン
テナからの電界強度の弱い部分をもう一方の送信アンテ
ナにより電界強度を強めることができ、電界強度の弱い
領域を小さくすることができる。従って弱い散乱波が到
来する確率を下げることができる。但し、逆に送信アン
テナが二つあるために電界強度の強い部分611,61
2が重なる部分では定在波がたっており、場所により電
界強度の低い部分が生じている。ただ被試験機からみて
強い散乱波が到来する角度が分散しているため、被試験
機を回転させることでほぼ一様な到来とすることができ
る。
【0089】図11は送信アンテナを二つ用いる場合の
実施例を示す図である。試験周波数を発振する発振器4
01の出力は二つに分けられる。二つに分けられた出力
は、送信アンテナ2,3から送出される。各送信アンテ
ナの周囲には散乱体111,112が配置されており、
その散乱波との打ち消しにより、それぞれの送信アンテ
ナからの直接波は被試験機1には到来しない。被試験機
1の周囲には散乱体101が配置されいる。散乱体10
1には送信アンテナ2及び3からの電波が到来するた
め、散乱波に入射した電波は散乱されて被試験機1に入
射する。散乱体101は回転盤の上に固定されており、
回転盤の回転により歳差運動を行うため、様々な方向か
ら様々な位相の電波を到来させることができる。それぞ
れの電波は干渉し合うためフェージングが生じる。
【0090】本発明による他の実施例を図14を用いて
説明する。
【0091】図において発振器401,ケーブル92
2,送信アンテナ2,散乱体111,被試験機1,ケー
ブル921,散乱体101,電界強度測定器411,コ
ントローラ421は既に説明した通りである。電波反射
板121は金属の平板であり、異なる方向から電波が散
乱体101に入射するよう角度が調整されている。これ
により図13に示した他の実施例のように、散乱体10
5,106を角度によらずに均一に電波を照射させるこ
とができる。したがって、あらゆる方向から被試験機1
に電波を到来させることができる。
【0092】図14に示す実施例では、電波反射板は一
つだけの場合を例にとり説明したが、反射板を複数置く
ことも可能である。複数の反射板を置けば、より均一に
散乱体101に電波を照射させることができる。
【0093】図15は本発明の他の実施例の構成を示す
図である。図においてランダムな符号列を発生させる情
報源451から送信符号が出力される。その出力をディ
ジタル変調し、高周波に変換する変調回路452,45
3に入力する。変調回路452,453には試験周波数で
ある搬送波を発生する発振器402がつながっている。
二つの変調回路の内、変調回路452に入力されるディ
ジタル符号列は、FIFOを実現するシフトレジスタ801
により数シンボル時間以下の遅延を持たせてある。二つ
の変調回路452,453の出力は、それぞれ送信アン
テナ2,3から送信される。送信された電波は散乱体1
11及び112により被試験機1への直接波は抑圧され
る。散乱体101には送信アンテナからの電波が照射す
るため散乱波が被試験機1に到来する。送信アンテナ2
と送信アンテナ3の送出する電波は散乱体101に対し
て異なる方向から到来するため、被試験機の位置での合
成された電波はアンテナ2からでたものとアンテナ3か
らでたものとでは独立な変化をする。したがって、レイ
リ二波モデルを実現することができる。レイリ2波モデ
ルでは遅延波により周波数選択性フェージングが生じて
おり、周波数選択性フェージングに対する端末の受信特
性を測定することができる。測定では被試験機1の復調
した符号列を取りだし記録するコントローラ461によ
り符号誤り率を測定する。これから被試験端末の特性を
知ることができる。誤り率は、情報源との比較或いは予
め付加しておいた冗長符号により知ることができる。
【0094】図15に示す他の実施例では、情報源45
1はランダムな符号列を発生させていたが、これにはp
n系列を用いても、実際の音声データを用いても良い。
また、図15に示す実施例では、送信アンテナが二つの
場合を例に説明を行ったが、送信アンテナが三つ以上の
場合も同様である。一つの変調回路に対して複数のアン
テナを使用した場合には、図11で示した他の実施例に
当てはまる。異なる変調回路につながっているアンテナ
同士に関しては、送信信号に相関がないため定在波は立
たない。したがって図11に示す他の実施例には当ては
まらない。
【0095】図16は本発明の他の実施例の構成を示す
図、図17は本実施例で被試験機の受信する受信電界強
度の確率密度分布を示す図、図18は本実施例で被試験
機として結合のない理想的な二つの半波長ダイポールで
受信した時のアンテナ間距離と相関係数の関係を示す説
明図である。
【0096】複数のアンテナを用いてダイバーシチ受信
を行う場合には、二つのアンテナの相関係数を知ること
が重要となる。アンテナの相関係数は受信電界の確率密
度分布及び電波の到来方向の分布に大きく影響を受け
る。一般に利用されているのは受信電界の確率密度がレ
イリ分布に従い、電波の到来方向はあらゆる方向から一
様に到来する場合である。したがって、アンテナの相関
を正確に測定するには、この条件を作る必要がある。
【0097】図16において、試験周波数を発振する発
振器401の出力は、送信アンテナ2により送信され
る。送信アンテナの周囲には一実施例や他の実施例の場
合と異なり散乱体が取り除いてある。このため、散乱体
101には均一な強さの電波が到来する。したがって、
散乱体101の半径が波長より小さい場合には散乱波は
ほぼ均一な強さで等方的に散乱され、散乱体の位置に寄
らず等振幅の散乱波が被試験機に到来する。この散乱体
101は歳差運動をしているため位相に関しては様々な
ものが被試験機に到来する。したがって、合成された電
波はレイリフェージングにしたがい、しかもあらゆる方
向から一様に電波を到来させることができる。本構成で
は送信アンテナからの直接波が被試験機に入ってしま
う。そこで、直接波を別の回路で再生してベクトル的に
差し引くことで直接波の影響をなくす。直接波を再生す
るため、発振器401の出力の一部をカプラで取り出
す。それを更に二つに分け、移相器471,472及び
減衰器或いは増幅器481,482を通して被試験機の
アンテナの受信する直接波と同じ振幅,同じ位相の信号
をつくる。作った信号と受信した信号は差分を取る差分
回路491,492で差し引かれ、散乱体による散乱波
成分だけを取り出す。それをコントローラ431で測定
及び結果の記録を行い、相関係数を算出する。移相器4
71,472及び減衰器或いは増幅器481,482の
調整では、まず、散乱体101を全て取り除く。次に差
分回路491,492の出力がゼロになるように移相器
471、472の移相量及び減衰器或いは増幅器48
1,482の減衰量或いは増幅量を調整する。全ての調
整が終了したら再び散乱体を取り付け測定を行う。この
間、被試験機が動くと、直接波をキャンセルできなくな
るため、被試験器は固定する必要がある。
【0098】図17は、本実施例における散乱体,被試
験機,送信アンテナの距離関係の一例における受信電界
強度の確率密度分布を示したものである。送信アンテナ
と被試験機を12.667λ離し、半径0.016λの金
属円柱の電波散乱体四つをそれぞれ一つずつ回転台の回
転中心から0.127λ ずれた場所に固定し、ぞれぞれ
の回転台は被試験機を中心とする同心円状を回転させ
る。その回転半径は内側から、1λ,1.5λ,2λ,
2.5λとした。実線はレイリ分布を示しており、本実
施例によりレイリフェージングが生じていることがわか
る。
【0099】図18は図17と同じ条件で、被試験機と
して結合のない理想的な二つの半波長ダイポールで受信
した時のアンテナ間距離と相関係数の関係を示してい
る。実線は受信電界の確率密度がレイリ分布に従い、電
波の到来方向はあらゆる方向から一様に到来する場合を
計算した結果である。図からわかるように本実施例によ
るアンテナの相関は理想状態に良く一致している。よっ
て本構成によりアンテナの相関係数を精度良く求めるこ
とができる。
【0100】上記実施例では、散乱体が四つの場合を例
にとり説明を行ったが、実施例には散乱体が四つ以上の
場合も含まれる。散乱体の数が増えれば、レイリフェー
ジングへの近似度も良くなり、測定結果はより理想値に
近づく。ただし、回転台や駆動装置の構造は複雑にな
る。
【0101】図19は本発明の他の実施例の構成を示す
図である。図において、発振器401は試験周波数とは
異なるチャネルで発振する発振器である。発振器の出力
に、試験周波数にスプリアスや隣接チャネル間干渉によ
る影響がないように、発振周波数は試験周波数と間隔が
とられている。その出力を同軸ケーブル922を通し、
送信アンテナ2から電波として送出する。アンテナ2か
らの電波は被試験機1に到来するが、試験周波数ではな
いため影響を及ぼさない。被試験機1の周囲には送信ア
ンテナ2の出した電波601,602を受信し、試験周
波数に変換して電波603,604を再送するリピータ
801,802があり、回転台により歳差運動を行って
いる。したがって、様々な方向から様々な位相で到来す
る電波が干渉を起こし、フェージングを生じさせること
ができる。被試験機の受信した信号は、電界強度測定器
411により測定され、コントローラ421を介して、
補助記憶装置422に記録される。全てのリピータの歳
差運動の周期の最小公倍数で示される周期の測定が終了
後、コントローラ421は補助記憶装置422に記録さ
れた測定結果の平均,分散,分布を計算する。本構成で
は図16で示す他の実施例のように直接波を取り除く必
要はない。ただし、リピータを複数用意する必要があ
り、装置が高価になる欠点がある。
【0102】実施例では、リピータが二つの場合を例に
説明したが、リピータの数が増えれば、レイリフェージ
ングへの近似度も良くなり、測定結果はより理想値に近
づく。但し、高価なリピータが多数必要になること,回
転台や駆動装置の構造は複雑になることの欠点がある。
【0103】実施例では搬送波のみの送信を例に説明を
行ったが、変調波を送信する場合も同様である。ただ
し、リピータは受信した符号をそのまま周波数変換して
再送を行う必要がある。これによれば、被試験機の復調
を含めた試験を行うことができる。
【0104】図20は本発明の他の実施例の構成を示す
図である。図において、送信アンテナ2および散乱体1
11,被試験機1及び散乱体101は全て電波吸収体7
02の敷き詰められた電波暗室701の中に入ってい
る。電波暗室は自由空間伝搬を室内に実現するものであ
り、送信機から出た電波が周囲の物体により反射され被
試験機に入るのを防ぐ。これにより被試験機に到来する
のは、散乱体101により散乱された電波のみになり、
電波の到来条件を任意に設定することができる。また、
外部からの干渉波の影響をなくすことができるため、測
定での外部要因によるゆらぎをなくし、測定結果の絶対
誤差を減少させることができる。よって季節や時期,時
間帯に寄らない定常的な測定が可能になる。しかも送出
した電波は外部に漏れないため、電波の送出に伴う電波
法上の問題を回避することができる。
【0105】図1,図7,図8,図11,図14,図1
5,図16、及び図20に示す実施例に使用した電波の
散乱体を、軸方向には数波長の長さを持つ導体円柱と
し、散乱体の回転する回転面に対して垂直な方向に軸方
向を向ける。被試験機周囲の散乱体の半径は0.1以下
にする。軸方向に十分に長い導体円柱の場合、到来する
電波の軸方向の波数ベクトルは散乱によっても変化しな
い。したがって被試験機と送信アンテナ間の距離を十分
とれば、電波を水平方向から二次元的に到来させること
ができる。また軸方向に十分に長い導体円柱では、軸方
向の磁界成分のないTM波、及び軸方向の電界成分のな
いTE波はそれぞれ散乱されてもTM波,TE波のまま
であり偏波面を保持できる。したがって、垂直偏波にお
ける特性,水平偏波における特性を別々に評価できる。
【0106】図1,図7,図8,図11,図14,図1
5,図16,図19、及び図20に示す実施例におい
て、散乱体、或いはリピータの移動速度vと試験周波数
での波長λで決まるドップラ周波数F=v/λが小さい
値になるよう散乱体、或いはリピータの移動速度を小さ
くする。実際の携帯端末は人の歩行速度程度で移動す
る。したがってドップラシフトも歩行速度に対応する程
度しか生じていない。このような環境を模擬するため、
散乱体、或いはリピータの移動速度を歩行速度以下にす
る。
【0107】図1,図7,図8,図11,図14,図1
5,図16、及び図20に示す実施例おいて、被試験機
周囲のp個の散乱体101が被試験機周囲を回転する回
転数の比を1+1/n+1/m:…1+1/n+p/m
にする。ただし、m,nは正の整数である。このように
すれば、最も回転速度の遅い散乱体がm周回転したとこ
ろで各散乱体と角度関係は元の状態に戻る。ただし、こ
の時、元の位置からは360/nだけずれている。全て
の散乱体が元の位置に初めて戻るのは、最も回転速度の
遅い散乱体がmとnの最小公倍数だけ回転したときであ
る。本実施例によれば、被試験機からみた散乱体の方向
は一様に分布するため、測定サンプルの偏りが生じにく
い。mとnの値はできるだけ大きい値の方が測定サンプ
ル数が多くなり、測定サンプルの偏りがなくなり、レイ
リフェージングに近い環境を模擬することができる。
【0108】実施例では、散乱体の回転を例にとり説明
を行ったが、図19に示す実施例で散乱体の代わりにリ
ピータを置く場合についても同様である。
【0109】図1,図7,図8,図11,図14,図1
5,図16,図19、及び図20に示す実施例におい
て、被試験機の周囲を回転する散乱体或いはリピータの
回転速度を外側のものほど遅いものとする。外側を回転
移転する散乱体は回転半径が大きいため、回転速度に対
して移動速度が速くなる。したがって、外側の回転速度
を小さいものにすれば、同じ回転比であっても散乱体の
移動速度を小さく保つことができる。よって、測定にか
かる時間を短縮することができる。
【0110】図1,図7,図11,図14,図15、及
び図20に示す実施例に使用した送信アンテナ周囲の散
乱体111及び112の内、少なくとも一つを送信アン
テナ2及び3と被試験機1とを結ぶ線分上に配置する。
これにより送信アンテナから被試験機が見通せなくなる
ことから直接波を防ぐ効果がある。ただし、散乱体が導
体円柱の場合、散乱体の円周沿いにクーリピング波が伝
搬するため、半径の小さい散乱体ではその効果は小さ
い。
【0111】図21は本発明の他の実施例の送信アンテ
ナ部分の説明図である。
【0112】図において、発振器401は基地局からの
制御信号用の周波数を発振している。発振器402は端
末からの制御信号用の周波数を発振している。変調回路
403は制御回路511の出す信号を変調し高周波に変換
する。復調回路404は受信した信号をベースバンドに
変換し復調を行う。高周波―ベースバンドの変換は、変
復調器403,404において、発振器401,402
の出力を積算することで行われる。制御回路511は、
呼要求を行う処理、或いはハンドオフ時の制御をエミュ
レートする回路である。アンテナ2は、信号を被試験機
に送信するだけでなく、被試験機からの信号の受信も行
う。送受の信号を分ける為に方向性結合器502がアン
テナに接続されている。本実施例により、被試験端末の
着呼率や、ハンドオフ制御の試験が可能となる。
【0113】図22は本発明の他の実施例の送信アンテ
ナ部分の説明図である。
【0114】図において、発振器401の出力はアンテ
ナ2に送られる前に、減衰器483により減衰をうけ
る。これにより送信アンテナから出る電波の強さを調整
できる。
【0115】図21に示す実施例では搬送波を送信する
場合を例にとり説明したが、変調波や遅延を持たせた信
号に対しても本発明により振幅を調整することができ
る。例として、図15に示す遅延波の影響を模擬できる
構成の場合には、変調回路452,453の後段に減衰器
を挿入することで、希望波と遅延波の振幅比(D/U比)
を任意の値とすることができる。
【0116】図23は本発明の他の実施例の構成を示す
図である。
【0117】図において、発振器401は試験周波数を
発振する。その出力は水平方向に垂直偏波を出す半波長
ダイポール2と、水平方向に水平偏波を出すループアン
テナ7につながれている。導体円柱の散乱体101,1
11,112は軸方向に十分長く、到来するTM波,T
E波はそのままTM波,TE波として散乱するため、被
試験機には様々な偏波面の電波を到来させることができ
る。被試験機の受信した信号はケーブル921を通っ
て、電界強度測定器411に入力され、電界強度が測定
される。その結果は、コントローラ421に入力され、
散乱体全体が1周期回転したところで、平均,分散,分
布なる統計量が計算される。
【0118】図23に示した他の実施例において、発振
器401とアンテナ2,7の間に減衰器を挿入すれば、
任意の交差偏波比の電波が到来する環境をつくることが
できる。
【0119】図23に示した他の実施例においては、ア
ンテナ2,7から搬送波を出す場合を例にとり説明をし
たが、変調波を送信する場合についても同様である。
【0120】図23に示した他の実施例では、アンテナ
の個数がそれぞれ一つの場合を例にとり説明したが、複
数個ある場合も含まれる。複数のアンテナがある場合に
は、図11で示す他の実施例で説明した通りである。
【0121】図23で示した他の実施例では、アンテナ
はそれぞれ固定としているが、アンテナを取替えられる
ようにすることで、測定装置にフレキシビリティを持た
せられ、様々な測定が行える。
【0122】
【発明の効果】本発明によれば屋内に人工的にフェージ
ングを起こす環境を作り、降雨や交通事情に寄らない測
定が可能となり、測定時間の短縮が測れる。
【0123】さらに本発明により、季節や時期に影響さ
れない絶対的な評価を行うことができる。
【0124】さらに本発明により、所望のレベル分布を
もつフェージング環境を模擬でき、フィールドテストに
おける場所選びの不自由さを取り除くことができる。
【0125】さらに本発明では、送受信機を電波暗室内
に設置してあり、電波法上の問題を回避することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の端末受信状態測定装置の一実施例の説
明図。
【図2】本発明の端末受信状態測定装置の一実施例の送
信アンテナ付近に置かれた散乱体の置き方の一例を示す
説明図。
【図3】本発明の端末受信状態測定装置の一実施例にお
ける受信電界強度の確率密度分布図。
【図4】本発明の端末受信状態測定装置の一実施例にお
ける被試験機周辺の散乱体回転台及び駆動装置の説明
図。
【図5】本発明の端末受信状態測定装置の一実施例にお
ける被試験機周辺の散乱体回転台及び駆動装置の他の説
明図。
【図6】本発明の端末受信状態測定装置の送信アンテナ
付近に置かれた散乱体の置き方の他の実施例を示す説明
図。
【図7】本発明の端末受信状態測定装置の他の実施例の
説明図。
【図8】本発明の端末受信状態測定装置の他の実施例の
説明図。
【図9】本発明の端末受信状態測定装置の他の実施例に
おける送信アンテナの説明図。
【図10】本発明の端末受信状態測定装置の他の実施例
の被試験機周囲の散乱体台及び駆動装置の説明図。
【図11】本発明の端末受信状態測定装置の他の実施例
の説明図。
【図12】本発明の端末受信状態測定装置の一実施例に
おける被試験機周囲の電界強度の分布図。
【図13】本発明の端末受信状態測定装置の他の実施例
における被試験機周囲の電界強度の分布図。
【図14】本発明の端末受信状態測定装置の他の実施例
の説明図。
【図15】本発明の端末受信状態測定装置の他の実施例
の説明図。
【図16】本発明の端末受信状態測定装置の他の実施例
の説明図。
【図17】本発明の端末受信状態測定装置の他の実施例
における受信電界強度の確率密度分布図。
【図18】本発明の端末受信状態測定装置の他の実施例
において二つのダイポールアンテナのアンテナ間距離と
相関係数の関係を示す説明図。
【図19】本発明の端末受信状態測定装置の他の実施例
の説明図。
【図20】本発明の端末受信状態測定装置の他の実施例
の説明図。
【図21】本発明の端末受信状態測定装置の他の実施例
における送信アンテナ部の説明図。
【図22】本発明の端末受信状態測定装置の他の実施例
における送信アンテナ部の説明図。
【図23】本発明の端末受信状態測定装置の他の実施例
の説明図。
【符号の説明】
1…被試験機、2…送信アンテナ、101…被試験機周
囲の散乱体、111…送信アンテナ周囲の散乱体、23
1…被試験機用回転台、401…発振器、411…電界強
度測定器、421…コントローラ、422…補助記憶装
置、921,922…同軸ケーブル。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】受信状態を試験する被試験機と、試験周波
    数を発振する発振器と、前記発振器からの出力を送信す
    るか、或いはデータ系列を生成するデータ生成手段と前
    記発振器からの出力を搬送波として前記データ生成手段
    の出力を変調する変調手段を設け、前記変調手段の出力
    を送信する一つの送信用空中線と、前記送信用空中線の
    周囲に置かれ前記試験機に前記送信用空中線から送出さ
    れる電波が直接入射しないよう散乱波で打ち消すための
    複数の第一散乱体と、前記被試験機の周囲にあって、そ
    れぞれの散乱波をもってして前記被試験機に複数の電波
    を到来させる複数の第二散乱体と、前記被試験機の周囲
    の任意の点を回転中心とし、前記第二散乱体の内、複数
    個を回転中心或いは回転中心から1波長以下ずらしたと
    ころに置き、その回転により前記第二散乱体を移動させ
    るための複数の第一回転台と、前記第一回転台の各々を
    前記被試験機を中心とする同心円上で個別に回転させる
    ための第二回転台と、前記第一回転台を駆動する第一駆
    動手段と、前記第二回転台を駆動する第二駆動手段と、
    前記被試験機を回転中心或いは回転中心からずれたとこ
    ろで回転させるための第三回転台と、前記第三回転台を
    駆動する第三駆動手段と、前記被試験機の受信空中線が
    受信した一つ或いは複数の空中線出力の信号強度、或い
    は前記被試験機の復調出力と前記データ生成手段の出力
    との比較により判定できるデータ誤りを一定期間毎に測
    定する測定手段と、各々の回転台の回転周期の最小公倍
    数から得られる周期以上の期間について前記測定手段の
    出力を記録する記憶手段、或いは前記測定手段が判定し
    たデータ誤りの数を計数し、誤り率を算出する計数手段
    からなり、前記発振器からの出力或いは前記変調手段に
    より変調した出力を前記送信用空中線から出力し、出力
    された電波は前記第二散乱体により散乱され、様々な方
    向から電波が前記被試験機に到来するよう前記第一回転
    台,第二回転台,第三回転台を前記第一駆動手段,第二
    駆動手段,第三駆動手段により駆動することを特徴とす
    る端末受信状態測定装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記第一散乱体を前記
    送信用空中線周囲で回転させるための第四回転台と、前
    記第四回転台を駆動する第四駆動手段とを設け、前記送
    信用空中線から出力された電波が、前記第一散乱体によ
    り散乱される状況を変化できるようにし、前記被試験機
    に入射する前記送信用空中線からの直接波の振幅を調整
    できる端末受信状態測定装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記送信用空中線とし
    て、前記発振器からの出力或いは前記変調手段の出力を
    送信し、かつ指向性に零点をもち、その零点方向に前記
    被試験機を置いて送出される電波が直接前記被試験機に
    入射しないよう調整した空中線を具備し、前記送信用空
    中線の周囲に置かれた前記第一散乱体を取り除く端末受
    信状態測定装置。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3において、前記第二
    回転台、及び第三回転台を該第二駆動手段,第三駆動手
    段により駆動する代わりに、第二駆動手段と、第二駆動
    手段の回転速度を変速して第二回転台,第三回転台にそ
    れぞれ伝え、第二回転台、及び各第三回転台の回転数が
    各々異なるようにする変速手段を具備する端末受信状態
    測定装置。
  5. 【請求項5】請求項1,2または3において、前記第二
    散乱体を回転移動させる為の前記第一駆動手段、及び第
    二駆動手段の回転速度を時間的に変化させ、それぞれの
    散乱体の位置関係が回転を始めた位置にもどる周期を伸
    長させ、測定手段の出力を記録する記録手段は、記録結
    果が統計処理で分布収束するに十分な数を記録できる端
    末受信状態測定装置。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3,4または5において、
    前記被試験機からみて一つの該送信用空中線とは別の方
    向に第二送信用空中線を設け、前記発振器からの出力或
    いは前記変調手段の出力を送信し、前記第二送信用空中
    線の周囲にあって前記被試験機に前記第二送信用空中線
    からの直接波が入射しないよう散乱波で打ち消すための
    複数の第三散乱体を具備する端末受信状態測定装置。
  7. 【請求項7】請求項1,2,3,4または5において、
    前記被試験機からみて一つの該送信用空中線とは別の方
    向に電波を反射する反射手段を具備し、送信用空中線か
    らの電波を別方向から前記被試験機に入射させる端末受
    信状態測定装置。
  8. 【請求項8】請求項6または7において、データ系列を
    生成するデータ生成手段と、前記データ生成手段の出力
    を変調する第一変調手段と、前記データ生成手段の出力
    に遅延を持たせる遅延手段と、前記遅延手段により遅延
    を持った出力を変調する第二変調手段とを具備し、前記
    第一送信用空中線からは第一変調手段の出力を、前記第
    二送信用空中線からは第二変調手段の出力を送信し、前
    記被試験機の復調出力のデータ系列と、前記データ生成
    手段の生成したデータ系列を比較し、誤り率を算出する
    評価手段を持つ端末受信状態測定装置。
  9. 【請求項9】受信状態を試験する被試験機と、試験周波
    数を発振する発振器と、前記発振器からの出力を送信す
    るか、或いはデータ系列を生成するデータ生成手段と前
    記発振器からの出力を搬送波とし前記データ生成手段の
    出力を変調する変調手段を設け、前記変調手段の出力を
    送信する一つの送信用空中線と、前記被試験機の周囲に
    あって、それぞれの散乱波をもってして前記被試験機に
    複数の電波を到来させる複数の第二散乱体と、前記被試
    験機の周囲の任意の点を回転中心とし、前記第二散乱体
    の内、複数個を回転中心或いは回転中心から1波長以下
    ずらしたところに置き、その回転により前記第二散乱体
    を移動させるための複数の第二回転台と、前記第二回転
    台の各々を前記被試験機を中心とする同心円上で個別に
    回転させるための第三回転台と、前記第二回転台を駆動
    する一つ以上の第二駆動手段と、前記第三回転台を駆動
    する一つ以上の第三駆動手段と、前記発振器の出力或い
    は前記変調手段の出力の一部を取り出し、前記送信空中
    線から前記被試験機の一つ以上の受信空中線に受信され
    るまでの位相推移と振幅の減衰を各個別に補正する一つ
    以上の移相手段及び減衰手段と、前記被試験機の一つ以
    上の受信空中線の受信した空中線出力と前記減衰手段の
    出力との差分を取る差分手段と、前記差分手段の出力の
    信号強度、或いは前記差分手段の出力を復調する復調手
    段を設け、前記復調手段の出力と前記データ生成手段の
    出力との比較により判定できるデータ誤りを一定期間毎
    に測定する測定手段と、各々の回転台の周期の最小公倍
    数から得られる周期以上の期間について前記測定手段の
    出力を記録する記憶手段、或いは前記測定手段が判定し
    たデータ誤りの数を計数し、誤り率を算出する計数手段
    からなり、前記発振器からの直接或いは前記変調手段に
    より変調した出力を送信用空中線から出力し、出力され
    た電波は前記第二散乱体により散乱され、様々な方向か
    ら電波が前記被試験機に到来するよう前記第二回転台,
    第三回転台を前記第二駆動手段、第三駆動手段により駆
    動することを特徴とする端末受信状態測定装置。
  10. 【請求項10】周波数の違いにより複数の通信チャネル
    を持つ通信方式であるFDMAシステムに適用される被
    試験機と、試験通信チャネルである周波数以外で発振
    し、かつ前記被試験機にスプリアスによる干渉、或いは
    隣接チャネル干渉を与えない周波数を発振する発振器
    と、前記発振器からの出力を送信するか、或いはデータ
    系列を生成するデータ生成手段と前記発振器からの出力
    を搬送波として該データ生成手段の出力を変調する変調
    手段を設け、前記変調手段の出力を送信する一つの送信
    用空中線と、前記被試験機の周囲にあって、前記送信用
    空中線の出力を受信し周波数変換を行って試験周波数に
    変換し、再送信を行う複数のリピータと、前記被試験機
    の周囲の任意の点を回転中心とし、前記リピータの一つ
    を回転中心から1波長以下ずらしたところに置き、その
    回転によりリピータを移動させるための複数の第五回転
    台と、前記第五回転台の各々を前記被試験機を中心とす
    る同心円上で個別に回転させるための第六回転台と、第
    五回転台を駆動する第五駆動手段と、第六回転台を駆動
    する第六駆動手段と、被試験機の受信空中線の受信した
    一つ或いは複数の空中線出力の信号強度、或いは前記被
    試験機の復調出力と前記データ生成手段の出力との比較
    により判定できるデータ誤りを一定期間毎に測定する測
    定手段と、各々の回転台の周期の最小公倍数から得られ
    る周期以上の期間について前記測定手段の出力を記録す
    る記憶手段、或いは前記測定手段が判定したデータ誤り
    の数を計数し、誤り率を算出する計数手段からなり、前
    記発振器からの直接或いは前記変調手段により変調した
    出力を送信用空中線から出力し、出力された電波は前記
    リピータにより試験周波数に変換,再送信され、様々な
    方向から電波が前記被試験機に到来するよう第五回転
    台,第六回転台を前記第五駆動手段,第六駆動手段によ
    り駆動することを特徴とする端末受信状態測定装置。
  11. 【請求項11】請求項1,2,3,4,5,6,7,8
    または9において、前記送信用空中線と、第一散乱体
    と、第二散乱体と、第三散乱体と、被試験機と、第一回
    転台と、第二回転台と、第三回転台と、第四回転台と、
    請求項10においてはさらにリピータとを電波暗室内に
    配置する端末受信状態測定装置。
  12. 【請求項12】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9または11において、第一散乱体と、第二散乱体
    と、第三散乱体を、第一回転台の回転面に対し軸方向が
    垂直となるように置かれ、かつ軸方向に数波長以上の長
    さをもつ円柱とし、さらに第二散乱体の断面の円の半径
    は、0.1 波長以下となる端末受信状態測定装置。
  13. 【請求項13】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11または12において、散乱体或いは
    リピータの移動速度が歩行速度より小さい端末受信状態
    測定装置。
  14. 【請求項14】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,11,12または13において、p個の第三回
    転台の回転数の比を、請求項10に記載の端末受信状態
    測定装置ではp個の第六回転台の回転数の比を、二つの
    整数mとnを使い、1+1/n+1/m:1+1/n+
    2/m:…:1+1/n+p/mとなる前記第三駆動手
    段,前記第六回転台、或いは前記変速手段を使用する端
    末受信状態測定装置。
  15. 【請求項15】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,11,12,13または14端末受信状態測定
    装置で複数の第三回転台の内、請求項10に記載の端末
    受信状態測定装置では複数の第六回転台の内、最も内側
    のものから外側に行くに従って、回転速度が遅くなる前
    記第三駆動手段,前記第六回転台、或いは前記変速手段
    を使用する端末受信状態測定装置。
  16. 【請求項16】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,11,12,13,14または15において、複数
    の第一散乱体の内、少なくとも一つは該送信用空中線と
    前記被試験機の間に置く端末受信状態測定装置。
  17. 【請求項17】請求項1,2,3,4,5,6,7,1
    0,11,12,13,14,15または16におい
    て、前記送信空中線から前記変調手段の出力を送信する
    端末受信状態測定装置による、基地局と端末間で通信中
    に制御信号のやりとりを行うシステムの端末の試験で、
    前記送信用空中線を受信用としても使用し、前記送信用
    空中線の受信した信号を復調する復調手段と、端末と基
    地局の制御信号のやりとりにおける基地局側から端末へ
    の制御信号をエミュレートする制御手段と、端末からの
    制御信号である復調器の出力を観測し、端末の状態を推
    定する観測手段を具備し、前記制御手段が出力する端末
    への制御信号を変調手段で変調して前記送信用空中線か
    ら送出し、前記送信用空中線が受信する被試験機の送出
    した制御信号を復調手段で復調後、前記観測手段及び制
    御手段の入力とすることで、前記被試験機の着呼特性或
    いはハンドオフ制御の状態を試験できる端末受信状態測
    定装置。
  18. 【請求項18】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,14,15,16ま
    たは17において、入力の振幅を減衰させて出力する減
    衰手段を具備し、前記発振器,前記変調手段、或いは前
    記遅延手段の出力を減衰手段により減衰させて送信用空
    中線から送出する端末受信状態測定装置。
  19. 【請求項19】請求項6,7または8において、第一送
    信用空中線、或いは第二送信用空中線のいずれか或いは
    両方が、第一回転台の回転面と平行な方向へ放射される
    電波の遠方界で、回転面と電界の偏波方向が垂直である
    電波を送出する空中線か、回転面と磁界の偏波方向が垂
    直である電波を送出する空中線かのいずれかである端末
    受信状態測定装置。
  20. 【請求項20】請求項19において、第一送信用空中
    線、或いは第二送信用空中線のいずれか或いは両方が、
    第一回転台の回転面と平行な方向へ放射される電波の遠
    方界で、回転面と電界の偏波方向が垂直である電波を送
    出する空中線と、回転面と磁界の偏波方向が垂直である
    電波を送出する空中線とのいずれかに交換できる端末受
    信状態測定装置。
  21. 【請求項21】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,11,12,13,14,15,16,17,
    18,19または20において、第一散乱体,第二散乱
    体、及び第三散乱体が誘電体,導体、或いは表面に導体
    製品が施されている誘電体である端末受信状態測定装
    置。
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