JPH075517Y2 - 弦楽器のミュート装置 - Google Patents

弦楽器のミュート装置

Info

Publication number
JPH075517Y2
JPH075517Y2 JP26389U JP26389U JPH075517Y2 JP H075517 Y2 JPH075517 Y2 JP H075517Y2 JP 26389 U JP26389 U JP 26389U JP 26389 U JP26389 U JP 26389U JP H075517 Y2 JPH075517 Y2 JP H075517Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
string
mute
strings
contact
arm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP26389U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0290892U (ja
Inventor
吉孝 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Casio Computer Co Ltd filed Critical Casio Computer Co Ltd
Priority to JP26389U priority Critical patent/JPH075517Y2/ja
Publication of JPH0290892U publication Critical patent/JPH0290892U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH075517Y2 publication Critical patent/JPH075517Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Stringed Musical Instruments (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 [考案の技術分野] この考案は、ギターシンセサイザやエレキギター等の弦
楽器のミュート装置に関する。
[従来技術とその問題点] ギターシンセサイザ等の弦楽器には、ボディ上に各弦ご
とに独立して設けられたピックアップにより、ピッキン
グ操作された弦の振動を検出して対応する電気信号に変
換し、この電気信号からピッチ(基本周波数)を抽出
し、この抽出したピッチに対応する音高の楽音を発生す
るよう音源に対して発音開始を指示するようにしたもの
がある。
このような弦楽器では、発音すべき楽音の音高を指示す
るため、指板上に複数のフレットが所定の間隔を置いて
配置され、上述のような弦振動に基づくピッチ抽出によ
り、指板に対して操作されたフレット操作位置を検出す
るようになっている。指板に対する操作は、弦を指で指
板面に押さえ付けて弦をフレットに押し当てることによ
り、行われる。
しかしながら、従来のこのような弦楽器では、フレット
に対する操作を通常に行っても、弦がフレットに衝突
し、特に押弦力の強い人の場合には、弦がフレットによ
り強く衝突し、このため弦の押し当てられたフレットか
らヘッド側の弦がわずかではあるが不要に振動して発音
してしまうことがあった。
このように弦の押し当てられたフレットからヘツド側の
弦が不要に振動した場合には、この振動がネックを介し
てボディに伝播され、ひいては、このボディ上に設けら
れたピックアップに伝播され、ピッチ抽出のための波形
が不安定となり、ピッチ抽出を正確に行いにくくなり、
雑音が発生し、不自然な演奏状態となってしまうことが
あった。また、弦の押し当てられたフレットからヘッド
側の弦が不要に振動して発音した場合には、演奏者に不
快感を与えてしまうことがあった。
また、指板に対する操作を解除して開放弦とした場合に
は、それまで押さえ付けられていた弦が反力によりわず
かではあるがこれまた不要に振動して発音し、雑音が発
生して不自然な演奏状態となったり、演奏者に不快感を
与えてしまうことがあった。
また、上述のような問題点はエレキギター等の弦楽器に
ついても同様であった。すなわち、エレキギター等の弦
楽器の場合には、ピックアップによって弦の振動を対応
する電気信号に変換し、この電気信号そのものをアナロ
グ処理して楽音として発音するようにしているので、上
述したギターシンセサイザ等の弦楽器の場合と同様に、
弦の押し当てられたフレットからヘッド側の弦が不要に
振動して発音したり、開放された弦が不要に振動して発
音したりすると、雑音が発生して不自然な演奏状態とな
ったり、演奏者に不快感を与えてしまうことがあった。
また、タッピング奏法、すなわち、左手指または右手指
(主に、人指し指または中指)の指先を指板上の弦に対
したたきつけ、そのたたきつけられた弦が接触するフレ
ット位置に対応した音高の楽音を発生させる奏法を行っ
た場合、タッピング操作された弦は、前記フレット位置
を中心として、低音高側(ヘッド側)の弦部分と高音高
側(ボディ側)の弦部分とで同時に弦振動することとな
る。このため、タッピング操作で得ようとしたい楽音
は、高音高側の弦部分の振動により発生した楽音、すな
わち、前記フレット位置で指示された音高の楽音である
のにもかかわらず、ヘッド側の弦部分の振動により、不
要な楽音も同時に発生することが多々あった。
なお、カポタストや輪ゴム等を使用し、弦の不要な振動
を抑制することにより、上述のような問題点を一応解決
することは可能である。しかしながら、カポタストや輪
ゴム等を使用する場合には、すべての弦を同位置におい
て同時に同じ押さえ力で押さえ付けて固定することにな
るので、各弦に対する押さえ位置が押さえ力が一律に決
まってしまい、各弦の太さ(弦径)に応じた適正な振動
抑制位置の調整、および押さえ力を得ることができない
という問題がある。
[考案の目的] この考案は、上述の如き事情に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、各弦の太さ(弦径)に応じた
適正な振動抑制位置の調整が行なえ、更には各弦ごとに
押さえ力を設定できるようにした弦楽器のミュート装置
を提供することにある。
[考案の要点] この考案に係る弦楽器のミュート装置は上記目的を達成
するため、第1の弦固定部近傍に配置された装置本体
と、該装置本体に、互いに独立して取り付けられ、か
つ、各弦ごとに接触してその弦の振動を各弦ごとに抑制
する複数のミュート部材と、これらミュート部材と前記
弦とが接触する位置を前記各弦ごとに移動可能とする移
動機構とを備えたことを要点としている。
また、この考案に係る弦楽器のミュート装置は、前記複
数のミュート部材のうちの任意のミュート部材と前記弦
との接触を解除することを可能とする接触解除機構を更
に備えたことを要点としている。
更に、この考案に係る弦楽器のミュート装置は前記各弦
に対する前記ミュート部材の接触圧を各弦ごとに調整可
能とする接触圧調整機構を更に備えたことを要点として
いる。
[実施例] 以下、この考案の一実施例を図面に基づいて具体的かつ
詳細に説明する。
第1図はこの考案によるミュート装置を備えた弦楽器要
部の平面図であり、第2図、第3図、第4図は同ミュー
ト装置の平面図、一部分解斜視図、断面図である。
同図に示すように、この考案によるミュート装置1は複
数の弦(第1弦2〜第6弦7)が張設された弦楽器本体
8上の開放弦フレット9近傍(正確には、各弦2〜7の
一端を結合した複数の糸巻き装置10〜15を備えてなるヘ
ッド16のネック17側端)に配置されている。この場合の
弦楽器本体8はその図示しないボディとネック17とヘッ
ド16の全体が例えば繊維強化樹脂等の合成樹脂により形
成されており、このような合成樹脂製の弦楽器本体8上
に別体に形成された金属製のミュート装置1が着脱可能
に取り付けられている。
ミュート装置1はヘッド16上に載置されて図示しない複
数のボルト等により着脱可能に固定される装置本体であ
るベース18と、このベース18上に着脱可能に取り付けら
れた複数(6個)のミュート部材19〜24とを備えて構成
されている。
上記ベース18は内部を各弦(第1弦2〜第6弦7)が通
るように前部(図において右部)の上方から後部(図に
おいて左部)の下方に亘って空部が連通している構造と
なっている(第4図参照)。この場合、その空部は複数
の仕切壁25により各弦2〜7ごとに形成されている。各
弦2〜7は開放弦フレット9から各空部を通ってヘッド
16上に至り、その一端が糸巻き装置10〜15により巻き取
られる。各仕切壁25により仕切られた各空部内には該空
部内を通される各弦2〜7が前部下方および後部上方の
各橋架部26、27に接触しないように導くガイド軸28が設
けられている。これにより各弦2〜7は橋架部26上面の
傾斜面26aに沿う状態で緩やかに傾斜して空部内に入
り、橋架部27に接近する状態に立ち上って空部外に導き
出される。ここで橋架部26はベース18をヘッド16の平滑
上面に安定載置するためのものであり、平滑下面26bを
有している。また、橋架部27は複数のミュート部材9〜
24を取り付けるためのものであり、平滑上面27aを有し
ている。この平滑上面27aには各弦2〜7に対応して後
述するミュート部材19〜24をねじ固定するための複数
(6個)のねじ穴29が形成されている。
上記ミュート部材19〜24はいずれも同じ構造のものであ
り、上記ベース18の橋架部27にねじ固定された第1アー
ム30と、この第1アーム30に折り返えし可能に結合され
た第2アーム31と、この第2アーム31に移動可能に結合
されたミュート素子32とによって構成されている。
第1アーム30は一端(図において前端)30aがベース18
に対し前後方向に回動可能に結合され、他端(図におい
て後端)30bが頭部にツマミ33aを有したボルト33によっ
て一端30aの回動が可能となる状態で結合されている。
このように一端30aの回動が可能にするのは後述するミ
ュート素子32の接触圧が変えられるようにすることによ
る。この場合、一端30aはボックス構造をなしていて、
その下端に一体形成されている半円状の支持板30cを介
してベース18に結合される。ベース18には各仕切壁25に
通されて該各仕切壁25で支持される支持軸34が取り付け
られており、この支持軸34に支持板30cの軸穴30dが通さ
れる。従って、一端30aは支持軸34を中心に前後方向に
回動が可能となる。一方、他端30bは板状をなしてい
て、その中央部に後端に開放されたU字状のスリット30
eが形成され、下面には円形状をなした浅い凹部30fが形
成されている。このスリット30eおよび凹部30fは上記ベ
ース18の橋架部27の平滑上面27aに形成されたねじ穴29
と対向する。このねじ穴29の上部には凹部30fよりも少
し深い円形の凹部29aが形成されていて、他端30bの凹部
30fと橋架部27の凹部29aとの間に他端30bを上方に付勢
するコイルスプリング35が介装され、この状態において
スリット30eに挿入されるボルト33をねじ穴29に螺合
し、コイルスプリング35に抗して締め付けると、他端30
bは橋架部27に一端30aの回動が可能となる状態で結合さ
れる。
このような第1アーム30はベース18への取付時において
図示の如くその一端30aが前方上向に傾斜し、他端30bが
水平状態にある。しかして、前方上向に傾斜しボックス
構造にある一端30aには後述する第2アーム31の基端部
を回動可能に結合するための結合手段36が備えられてい
る。この結合手段36は、一端30aの傾斜上面30gに配置さ
れて上下方向にスライド可能とされた結合部材36aと、
一端30aの内部に配置されて結合部材36aのスライドを規
制するストッパ部材36bと、同じく一端30aの内部に配置
されて結合部材36aが上面30gに接触する状態となるよう
にストッパ部材36bを付勢するコイルスプリング36cとか
らなっている。この場合、ストッパ部材36bは一端30aに
スライド可能に通された結合部材36aの軸36dの下端に螺
着されている。また、コイルスプリング36cは一端30a内
の上端面36eとストッパ部材36bのフランジ36fとの間に
介装されている。従って、このような結合手段36におい
ては、結合部材36aに上方に引く力が加わると、結合部
材36aはその力でコイルスプリング36cに抗してストッパ
部材36bで規制されるまで上方にスライドするようにな
り、一方、上方に引く力を除くとコイルスプリング36c
の復元力により上面30gに接触する元の位置に復帰する
ようになる。
第2アーム31は一端(図において後端)31aが上記第1
アーム30の一端30aに設けられた結合手段36の結合部材3
6aに前後方向に回動可能に結合されるとともに、他端
(図において前端)31bに後述するミュート素子32が前
後方向に移動可能に取り付けられる構造となっている。
この場合、一端31aは平面形状がコ字状をなしていて、
結合部材36aを挾持するようになっており、この挾持し
た状態において結合部材36aにピン37にて回動可能に結
合されている。ピン37は結合部材36aおよび一端31aの両
側壁に形成された軸穴36g、31cに挿入される。一方、他
端31bには端面31dに開口された長尺の水平ねじ穴31eが
形成されるとともに、後述するミュート素子32が弦(2
〜7)から外れることなく常に接触状態を保つようにす
るため、弦(2〜7)を第2アーム31の動きに追随させ
る弦ガイド部材38が取り付けられている。この弦ガイド
部材38は略L字状をなした板材であり、他端31bの端面3
1dに配置されている。この場合、弦ガイド部材38は端面
31dにその水平壁38aを掛けて接触しているだけであり、
後述するミュート素子32の取り付けで他端31bに安定固
定される。このとき、垂直壁38bの略中央部に形成され
たミュート素子挿通穴38cがねじ穴31eの軸線上に位置
し、垂直壁38bの下端中央部に形成されたU字状のガイ
ド溝38dが弦(2〜7)を挾持するようになっている。
このガイド溝38dを通された弦(2〜7)は例えばチョ
ーキング等により横方向へのズレが生じた場合であって
も常に第2アーム31と一体的な状態で動くことになり、
このために第2アーム31の他端31に取り付けられるミュ
ート素子32は弦(2〜7)から外れる(いわゆる弦落
ち)ことがなく、常に弦(2〜7)に接触した状態が得
られる。
このような第2アーム31はその一端31aを中心として前
後方向に回動することが可能であり、前方に回動したと
きには開放弦フレット9の上方位置に想像線図示のよう
に水平状態で配置され(ミュート調整前の状態)、後方
に回動したときには第1アーム30の上方位置に水平状態
で配置される。なお、想像線図示のように水平状態にあ
る第2アーム31はボルト33を回すことにより下方に回動
することが可能であり、これにより後述するミュート素
子32の弦接触部32bが弦(2〜7)と実線図示のように
所定圧で接触する。第5図(a)、(b)、(c)はこ
の第2アーム31が前後方向に回動する場合の結合手段36
の動作状態を示したものである。今、第5図(a)に示
すように後方に倒された状態にある第2アーム31を第5
図(c)に示すように前方に倒そうとする場合、第2ア
ーム31を矢印aで示すように上方に引き上げると、第2
アーム31はピン37を中心に回動しつつ結合部材36aを矢
印bで示す方向にスライドさせる。これにより第2アー
ム31は第5図(b)に示すように垂直位置に回動するこ
とができ、この状態から前方に倒すと、第2アーム31は
ピン37を中心に矢印aで示すように回動し、これに伴っ
てコイルスプリング36cの復元力により結合部材36aが矢
印cで示すように下方に復帰し、第2アーム31は第5図
(c)に示すように前方に倒される。この場合、第2ア
ーム31の前方から後方への回動はクリック感のある動作
で行なわれる。この回動動作は第2アーム31が第5図
(c)に示すように前方に倒されている状態から第5図
(a)に示す後方に倒す場合も同様にして結合手段36は
機能する。第2図は第1弦2、第2弦3、第3弦4、第
4弦5および第6弦7の各第2アーム31が前方に倒され
てミュート状態にあり、第5弦6の第2アーム31が後方
に倒されて第5弦6を開放弦状態としている場合を示し
ており、第3図は第6弦7のミュート部材24を取り外し
た状態を示している。
ミュート素子32は第2アーム31の他端31bに取り付けら
れて弦(2〜7)に接触して弦振動を直接抑制するもの
であり、第2アーム31のねじ穴31eに螺着されるねじ軸3
2aと、このねじ軸32aの先端に一体形成された弦接触部3
2bとからなっている。ねじ軸32aはねじ穴31eの長さに応
じた長尺軸である。このねじ軸32aとねじ穴31eとで、ミ
ュート素子32を弦(2〜7)の長手方向に移動可能とす
る移動機構が構成される。また、弦接触部32bは外面に
ダンパ機能を有したフェルト材32cが接着された構造と
なっている。このようなミュート素子32はそのねじ軸32
aを弦ガイド部材38の挿通穴38cに通して第2アーム31の
ねじ穴31eに螺合させることにより第2アーム31に取り
付けられている。この場合、ミュート素子32のねじ軸32
a上にはガタツキを防止するコイルスプリング32dが介装
されている。
このようなミュート素子32はそのねじ軸32aを回すこと
により弦(2〜7)の長手方向に対しての移動が可能で
あり、その移動調整によって各弦(2〜7)に応じてそ
の弦接触部32bの設定(配置)位置を変えて、ミュート
位置を変更することが可能である。これは弦(2〜7)
の太さ(弦径)により適正なミュート位置が変わること
に対処するための工夫である。弦径が細い場合(例えば
第1弦2、第2弦3、第3弦4)と弦径が太い場合(例
えば第4弦5、第5弦6、第6弦7)とではその弦張力
が異なるので、弦振動も自ずと異なり、弦径が細い場合
は弦張力が高いので弦振動が小さく、弦径が太い場合に
は弦振動が大きく生じるからである。従って、各弦(2
〜7)のミュート位置(すなわちミュート素子32の弦接
触部32bが設定される位置は、弦径が細い弦に対しては
開放弦フレット9に近接する位置が好ましく、一方、弦
径が太い弦に対しては開放弦フレット19から前者よりも
離れた位置が好ましい。第2図はこのような配慮により
各弦(2〜7)に応じた適正な位置に弦接触部32bを設
定した一例を示している。
また、ミュート素子32はその弦接触部32bの接触圧を変
えることによっても各弦(2〜7)に応じたミュート状
態を得ることができ、ここでは第1アーム30の他端30b
をベース18の橋架部27に固定している接触圧調整機構の
ボルト33を回すことによりその接触圧の調整が可能とな
っている。第4図において実線で示した状態が接触圧調
整後の状態であり、想像線で示した状態が接触圧調整前
の状態である。ボルト33のツマミ33aを回すと第1アー
ム30が支持軸34を中心に上下方向に回動することにな
り、これにより第1アーム30に取り付けられた第2アー
ム31および第2アーム31に取り付けられたミュート素子
32が第1アーム30とともに回動し、結局ミュート素子32
の弦接触部32bが想像線の位置から実線の位置に回動し
て弦(2〜7)と接触するとともにその接触圧を変えら
れることとなる。
上記の如く構成された弦楽器のミュート装置1において
は、ライトハンド奏法等により発生する弦(2〜7)の
不要な振動を各弦(2〜7)ごとに抑制することができ
る上、更に各弦(2〜7)の太さ(弦径)に応じた適正
な振動抑制位置の調整、および各弦(2〜7)ごとに押
え力の設定がが行なえる。
また、実施例構造では各ミュート部材19〜24が折り返し
可能となっているので、曲想等に応じてそのうちの不要
なミュート部材19〜24を折り返して必要とする弦(2〜
7)を開放弦とすることができる。また、実施例構造の
ミュート素子32はその接触圧調整を行なう場合にボルト
33を回して上下に移動させる方式であるから、弦接触部
32bが弦(2〜7)に接触して回転しないので、弦(2
〜7)の摩耗が生じない。
なお、この実施例の弦楽器本体8に備えられた開放弦フ
レット9は第6図に示すような構造とされ、弦高調整が
できるようになっている。
この場合、開放弦フレット9はネック17に直接取り付け
られず、ネック17に固定された第1ベース39上に取り付
けられた第2ベース40に取り付けられている。
第1ベース39は長手方向に直交する方向の断面がコ字状
をなしており、その中央部の溝部39aに第2ベース40が
着脱可能に嵌合されるようになっている。そして、その
一端(図において前端)の起立壁39bの上面には各弦
(2〜7)をガイドするための複数のスリット39cが形
成され、また、前面中央にはねじ41が螺着されるねじ穴
39dが形成され、一方、他端(図において後端)の起立
壁39eの上部には半円状の弦ガイド面39fが形成されてい
る。このような第1ベース39は溝部39aの両側に配置さ
れた各ボルト42、42によりネック17の上面に固定されて
いる。
第2ベース40は上記第1ベース40の溝部39aに嵌合可能
な直方体形状をなしていて、その上面中央に長手方向に
沿った略V字状の溝40aが形成され、その溝40a上の両側
にねじ43、43が螺着されるねじ穴40b、40bが形成され、
前端面中央に垂直のV字状溝40cが形成されている。こ
のような第2ベース40は第1ベース39の溝部39aに嵌着
される(ねじ43、43が溝部39aに破線で示した位置に配
置されるように)とともにねじ穴41に螺着されたねじ41
の締付けにより第2ベース40上に固定される。この場
合、ねじ41の先端はV字状溝40に嵌合する。
開放弦フレット9は第1弦2用のフレット9aと、第2弦
3、第3弦4、第4弦5、第5弦6用のフレット9bと、
第6弦用のフレット9cとに分割形成されていて、これら
の各フレット9a、9b、9cはその下面に一体形成されてい
る差込み片9dを第2ベース40の溝40aに打ち込まれて第
2ベース40上に固定されている。
このような構造の場合、第1ベース40の溝部39a内にね
じ43、43をねじ穴40b、40bに螺着した第2ベース41を嵌
め込んだ状態(ねじ41は締め付けず、各フレット9a、9
b、9cが打ち込まれない状態)においてねじ43、43を回
すと第1ベース40に対して第2ベース41が高さ方向に移
動してその高さ位置を変えることができるので、フレッ
ト9上の弦の高さが調整できる。この後、ねじ41の締め
付けで第2ベース41を第1ベース40に固定し、第2ベー
ス41に各フレット9a、9b、9cを打ち込む。
なお、この考案はギターシンセサイザやエレキギターに
限らず、アコースティックギター、バイオリン、ハワイ
アンスチールギター等の弦楽器にも巾広く適用すること
が可能である。
[考案の効果] 以上説明したように、この考案に係る弦楽器のミュート
装置によれば、第1の弦固定部近傍に配置された装置本
体と、該装置本体に、互いに独立して取り付けられ、か
つ、各弦ごとに接触してその弦の振動を各弦ごとに抑制
する複数のミュート部材と、これらミュート部材と、前
記弦とが接触する位置を前記各弦ごとに移動可能とする
移動機構とを備えたので、各弦の太さ(弦径)に応じた
適正な振動抑制位置の調整が行なえる利点がある。
また、この考案に係る弦楽器のミュート装置は、前記複
数のミュート部材のうちの任意のミュート部材と前記弦
との接触を解除することを可能とする接触解除機構を更
に備えたので、任意の弦を解放弦として演奏できるとい
う利点がある。
更に、この考案に係る弦楽器のミュート装置は前記各弦
に対する前記ミュート部材の接触圧を各弦ごとに調整可
能とする接触圧調整機構を更に備えたので、各弦に応じ
た適正な押さえ力の設定が行なえる利点がある。
【図面の簡単な説明】
図面はそれぞれこの考案の一実施例を示し、第1図はこ
の考案によるミュート装置を備えた弦楽器要部の平面
図、第2図はこの考案によるミュート装置の平面図、第
3図は同ミュート装置の一部を分解した斜視図、第4図
は同ミュート装置の断面図、第5図は同ミュート装置の
第2アームの回動動作の説明図、第6図は同弦楽器に備
えられた開放弦フレットの取付構造を示した分解斜視図
である。 2〜7……弦、8……弦楽器本体、9……開放弦フレッ
ト、18……ベース(装置本体)、19〜24……ミュート部
材。

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】弦楽器本体上に所定の間隔を置いて設けた
    一対の第1の弦固定部及び第2の弦固定部間に、複数の
    弦を張設した弦楽器において、 前記第1の弦固定部近傍に配置された装置本体と、 この装置本体に、互いに独立して取り付けられ、かつ、
    前記各弦ごとに接触してその弦の振動を各弦ごとに抑制
    する複数のミュート部材と、 これらミュート部材と前記弦とが接触する位置を前記各
    弦ごとに移動可能とする移動機構と、 を備えていることを特徴とする弦楽器のミュート装置。
  2. 【請求項2】前記複数のミュート部材のうちの任意のミ
    ュート部材と前記弦との接触を解除することを可能とす
    る接触解除機構を更に備えていることを特徴とする請求
    項第(1)項に記載の弦楽器のミュート装置。
  3. 【請求項3】前記各弦に対する前記各ミュート部材の接
    触圧を、各弦ごとに調性可能とする接触圧調性機構を更
    に備えていることを特徴とする請求項第(1)項に記載
    の弦楽器のミュート装置。
JP26389U 1989-01-05 1989-01-05 弦楽器のミュート装置 Expired - Lifetime JPH075517Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26389U JPH075517Y2 (ja) 1989-01-05 1989-01-05 弦楽器のミュート装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26389U JPH075517Y2 (ja) 1989-01-05 1989-01-05 弦楽器のミュート装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0290892U JPH0290892U (ja) 1990-07-18
JPH075517Y2 true JPH075517Y2 (ja) 1995-02-08

Family

ID=31199135

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26389U Expired - Lifetime JPH075517Y2 (ja) 1989-01-05 1989-01-05 弦楽器のミュート装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH075517Y2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE1016788A6 (nl) * 2005-09-30 2007-06-05 Kelst Jan Van Snaarinstrument.

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0290892U (ja) 1990-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5198601A (en) Tuning means for stringed musical instrument
US5542330A (en) Multi-tuner bridge for stringed musical instruments
US6194645B1 (en) Stringed instrument having a hidden tremolo
US6046397A (en) Stringed instrument having a mechanical control assembly for slidable pick-up
US6137039A (en) Stringed instrument having slidable saddles
US6384311B1 (en) Guitar having tremolo device on each string thereof
US9076412B1 (en) Musical instrument string bender
US6051773A (en) Stringed instrument having a cover for slidable pick-up
US20070095192A1 (en) Apparatus for coupling strings to the body of a stringed instrument and related methods
JP2005529370A (ja) 交換可能な構成部品を有する楽器
US7534954B1 (en) Electric harp
US5131307A (en) Stringed instrument system
US7060888B2 (en) Movable stringed instrument pickup system
US7622662B2 (en) String percussion instrument
BE1016788A6 (nl) Snaarinstrument.
US11640813B2 (en) String bender for stringed instrument
US7906716B1 (en) Mute for bowed stringed instruments
US9218795B1 (en) Stringed instrument tuning device
US6657112B1 (en) Note bending by neck pivoting
JPH075517Y2 (ja) 弦楽器のミュート装置
JPH075518Y2 (ja) 弦楽器のミュート装置
US9922632B1 (en) Flex action tremolo system and metal housing string instrument
US20070204741A1 (en) Variable Timbre Acoustic Instruments
US8907201B2 (en) Device for producing percussive sounds
US6080921A (en) Blade sharping device for a lever harp