JPH0754787Y2 - 蓄冷式冷却器及びこれを取付けたタンク車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、冷凍自動車の冷凍庫の内面に内張りして庫
内の温度を低く維持するのを補助する蓄冷式冷却器及び
この型の蓄冷式冷却器を取付けてタンク内の温度上昇を
阻止するようにしたタンク車に関する。

（従来の技術） 貨物を低温に保ちつつ輸送する冷凍自動車において、車
載冷凍機による庫内冷却を補助するために、冷凍庫の内
面に冷却板を内張りし、冷却板内に充填した媒体液を、
基地で自動車が休止している夜間に、車載冷凍機を地上
電源により運転し冷却して氷結させておき、晝間の走行
時には媒体液の溶融による庫内冷却を利用して車載冷凍
機の負荷を軽減することが行なわれている。

これに使用される冷却板は、第３図に略示するように、
密閉した薄い箱形（例えば幅600m/m、長さ1440m/m、厚
さ70m/m）のケース１を金属板で造り、このケース内に
水とエチレングリコールとを混合して氷結温度を調整し
た媒体液及び冷却管２を封入して、冷却管２に車載冷凍
機から冷媒を循環させるようにしたもので、冷凍庫の内
面の一部又は全部を複数の冷却板で覆い、冷却管２への
冷媒の入口管3a、出口管3bを冷凍機に接続して媒体液を
冷却できるように構成したものである。第３図において
４はコンプレッサ、５はコンデンサ、６はレシーバタン
ク、７は膨張弁を示す。

（考案が解決しようとする課題） 上記した従来の冷却板は、金属板で造られるため重いこ
と、大きな板状であるため伝熱面積が小さいこと、霜が
着き易くそのため伝熱が阻害されること等の欠点があっ
た。

本考案は、上記の欠点がなく、冷却性能のよい蓄冷式冷
却器及びこれを利用して保冷性能をよくしたタンク車を
得ようとするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は、プラスチック製の細長角筒形のケース内に媒
体液及び冷却管を封入した蓄冷式冷却器を得て前記の欠
点を解決すると共に、この蓄冷式冷却器をタンク外周に
取付けて保冷性能をよくしたタンク車を得たものであ
る。

（作用） 細長角筒状のケースは、間隔をあけて並列させるから、
冷凍庫に取付けたような場合は庫内空気との接触面積が
大きくなり、冷却性能がよくなり、又横方向に弯曲した
タンク車のタンク外周への取付けも容易となり、保冷性
能のよいタンク車を得ることができる。又、ケースはプ
ラスチック製とするから霜が付着せず、重さも軽くする
ことができる。

（実施例） 第１図は本考案の蓄冷式冷却器の実施例を示す。冷却器
のケース８はポリプロピレン製で、断面寸法が幅50m/
m、高さ120m/m、長さ2mの角筒形に造られる。長さは冷
凍庫その他の用途に応じて１〜7m位に造られる。

第１図の例は３個の角筒形のケース８、８を１組として
平坦な基板９に固定し、基板９を冷凍庫の内面、保冷容
器の外周に固着するようにしている。各ケース８内には
冷却管２と融点を調整した媒体液（例えばエチレングリ
コールと水とを混合して融点を−15℃とする）とが封入
されている。冷却管２、２は直列接続されて、コンプレ
ッサ４、コンデンサ５、レシーバタンク６、膨張弁７に
より冷媒を循環させられる。

このように冷却器を細長筒形に形成するから、空気との
接触面積が１枚の板状の場合よりも著しく大きくなり、
補助冷却器としての性能を向上させることができる。

この実施例においては、冷却器のケース８、８は平坦な
基板９に適当な間隔で取付けられるから、基板９を冷凍
庫内壁に取付ければ、各ケース８を並べて１個ずつ壁面
に取付けるよりは取付けを能率よく行なうことができ、
空気との接触面積が大きいから晝間の走行を終っても、
なお媒体液の一部が氷結したまま残るような能率の悪い
状態をなくすことができる。

ケース８内の媒体液は、冷凍自動車が基地内で夜間休止
している間に地上電源により車載冷凍機を運転して冷媒
を冷却管２に循環させることにより氷結させ、晝間の送
走時には氷結媒体液の溶融時の潜熱を庫内より吸熱し
て、車載冷凍機による冷却を補助する。従って車載冷凍
機の負荷を軽減することができる。

第２図は、この蓄冷式冷却器をタンク外周に取付けたタ
ンク車を略示しするもので、牛乳その他の温度上昇を避
けたい液を輸送するタンク車のタンク10の外周に、エー
ス８をその長さをタンクの長さ方向に合せて取付け、ケ
ースの外に断熱材11を置き、カバー12で覆ったものであ
る。この場合は、基板９は使用しなくてもよいが、使用
する場合は平坦のままでは不工合なので、タンク10の外
面に密着させられるように弯曲させることができ、又伝
熱性がよいように薄い金属板とするのが望ましい。

（考案の効果） （１）蓄冷式冷却器は、媒体液及び冷却管２を封入した
ケース８を細長角筒形に形成し、各ケースの間を離して
使用場所に取付けられるから、ケースと周囲の空気との
接触面積を増すことができる。

（２）従って１日の走行を終っても媒体液が氷結状態の
まま残るような蓄冷式冷却器としての非能率をなくし、
車載冷凍機の負荷軽減程度を高めることができる。

（３）ケース８を細長角筒形としたから、冷却したい容
器、例えばタンク車のタンクへの取付けが容易になる。

（４）ケース８をプラスチックで造るから、霜が付着せ
ず、金属の場合よりも冷却性能がよくなり、金属製とす
るよりも著しく軽くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の蓄冷式冷却器の構成を略示する斜視
図、第２図はこの蓄冷式冷却器を取付けたタンク車を例
示する１部を切断した背面略図、第３図は従来の板状冷
却器を略示する斜視図である。 1:ケース、2:冷却管、3a:入口管、3b:出口管、4:コンプ
レッサ、5:コンデンサ、6:レシーバタンク、7:膨張弁、
8:ケース、9:基板、10:タンク、11:断熱材、12:カバ
ー。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プラスチック製で細長角筒形の複数のケー
   ス（８）、（８）を間隔をあけて並列させ、ケース
   （８）内には冷凍機により冷媒を循環させられる冷却管
   （２）と融点を調節された媒体液とを封入して成る蓄冷
   式冷却器。
2. 【請求項２】プラスチック製で細長角筒形のケース
   （８）内に、冷凍機により冷媒を循環させられる冷却管
   （２）と融点を調節された媒体液とを封入した蓄冷式冷
   却器を、タンクの外周に取付け、その上を断熱材（1
   1）、カバー（12）で覆って成るタンク車。