JPH0754608A - 発電プラント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は抽気用蒸気管路を流れる蒸気からエ
ロージョンの原因となるドレンを除去した発電プラント
を提供することを目的とする。 【構成】 本発明はタービンからドレンタンクを有する
給水ヒータに至る抽気用蒸気管路を備えた発電プラント
において、抽気用蒸気管路のタービンの蒸気出口近傍に
介裝されたドレンセパレータと、同ドレンセパレータか
ら給水ヒータのドレンタンクにむけて設けられたドレン
用の管路と、同管路に介裝されたドレン排出用のトラッ
プとを具備してなることを特徴とする発電プラントを構
成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は原子力発電プラントその
他の発電プラント、詳しくはそのタービンから給水ヒー
タに至る抽気用蒸気管路に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の原子力発電プラントの主要系統図
を図３に示す。

【０００３】図において、蒸気発生器１からの蒸気２は
タービン３で仕事をした後に復水器４で水となり、その
後、ポンプ５により、ヒータ７、ヒータ８を経て、給水
６として再び蒸気発生器１へ供給される。

【０００４】ヒータ８、ヒータ７は、タービン３から抽
気された蒸気９、蒸気１０により加熱される。蒸気９は
ヒータ８で熱交換した後にドレン１３となってヒータ７
へ流入する。蒸気１０はヒータ７で熱交換した後にドレ
ン１４となってタンク１１へ流入し、その後、ポンプ１
２により送水される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の原子力発電
プラントの抽気用蒸気管路には解決すべき次の課題があ
った。

【０００６】即ち、従来の原子力発電プラントにおいて
は、蒸気発生器１からの蒸気２は飽和蒸気であるため、
蒸気２がタービン３で仕事をすると湿り蒸気、即ち、ド
レンを含んだ蒸気となり、この蒸気が蒸気９、蒸気１０
として抽気されるので、蒸気９の管路と蒸気１０の管路
では、高流速のドレンによるエロージョンが発生し、管
路が減肉して、管路の破損を招くという問題があった。

【０００７】本発明は上記問題解決のため、抽気用蒸気
管路を通る蒸気からエロージョンの原因となるドレンを
除去した発電プラントを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題の解決
手段として、タービンからドレンタンクを有する給水ヒ
ータに至る抽気用蒸気管路を備えた発電プラントにおい
て、抽気用蒸気管路のタービンの蒸気出口近傍に介裝さ
れたドレンセパレータと、同ドレンセパレータから給水
ヒータのドレンタンクにむけて設けられたドレン用の管
路と、同管路に介裝されたドレン排出用のトラップとを
具備してなることを特徴とする発電プラントを提供しよ
うとするものである。

【０００９】

【作用】本発明は上記のように構成されるので次の作用
を有する。

【００１０】即ち、抽気用蒸気管路のタービンの蒸気出
口近傍に介裝されたドレンセパレータと、同ドレンセパ
レータから給水ヒータのドレンタンクにむけて設けられ
たドレン用の管路と、同管路に介裝されたドレン排出用
のトラップとを備えるため、タービンから抽気用蒸気管
路に入った蒸気の中に含まれているドレンはドレンセパ
レータにより分離され、分離されたドレンはドレン用の
管路を通ってドレンタンクに至る過程で、ドレンのみを
排出する機能を有するトラップを経てドレンタンクへド
レンのみが排出されてゆく。

【００１１】なお、ドレンセパレータ及びトラップは優
れた性能のものが市販にて得られる。

【００１２】ドレンセパレータからドレンタンクに至る
過程中のドレンに含まれる微量の蒸気等はトラップにて
系外へ放圧される。

【００１３】以上の作用により抽気用蒸気管路の蒸気に
はドレンが殆ど含まれないこととなり、同管路のエロー
ジョン発生がなくなり、管路の減肉及びそれに起因する
破損が防止される。

【００１４】

【実施例】本発明の一実施例を図１により説明する。な
お、従来例と同様の構成部材には同符号を付し、必要あ
る場合を除き説明を省略する。

【００１５】また、蒸気の通る管路には管路の呼出しと
蒸気の呼び出しの重複の煩を避けるため「蒸気」の名称
を付し、ドレンの通る管路には「管路」の名称を付して
区分けの視認容易化を図ってある。

【００１６】図１は本実施例の系統図で、図において、
１５はタービン３から抽気した蒸気９の管路とドレンセ
パレータ１７を介して直列したヒータ８への蒸気の管
路、１６は同じくタービン３から抽気した蒸気１０の管
路とドレンセパレータ１８を介して直列したヒータ７へ
の管路、１７は蒸気９のドレンを分離するため、タービ
ン３寄りの蒸気９と１５の管路の境界部に介裝されたド
レンセパレータ、１８は同じく蒸気１０と１６の管路の
境界部に介裝されたドレンセパレータ、１９はドレンセ
パレータ１７からドレン用のタンク１１にむけて設けら
れた管路２１の中途に介裝された、ドレンのみをタンク
１１へ排出するためのトラップ、２０は同じくドレンセ
パレータ１８からタンク１１にむけて設けられた管路２
２の中途に介裝されたトラップ、２１，２２は上記の通
り、ドレンセパレータ１７，１８から各タンク１１へ設
けられたドレン用の管路である。その他の構成は従来例
と同様である。

【００１７】次に上記構成の作用について説明する。

【００１８】タービン３より抽気されてヒータ８，７に
向う蒸気９，１０は先ずドレンセパレータ１７，１８に
入り、そこで各ドレンを分離され蒸気１５，１６となっ
てヒータ８，７に向かう。従って蒸気１５，１６は従来
のようにドレンを殆ど含まず、蒸気１５，１６の管路に
は従来のようにエロージョンが発生したり、それによる
減肉や管路の破損が生じたりすることがない。

【００１９】一方、ドレンセパレータ１７，１８で分離
されたドレンは管路２１，２２を通ってタンク１１に向
かう途中、トラップ１９，２０により、ドレンのみが排
出されてタンク１１へ流出するため、タンク１１へ蒸気
が混入することがない。

【００２０】なお、ドレンセパレータ１７，１８及びト
ラップ１９，２０は市販で調達できる。

【００２１】たとえばドレンセパレータについては旋回
流型、受衝板型その他があるが、因みにそれらの原理を
簡単に示したのが図２で、（ａ）が旋回流型、（ｂ）が
受衝板型である。

【００２２】即ち、旋回流型は旋回による遠心力を利用
して比重の大きいドレンを筒内壁に付着、流下させて下
方へ、比重の小さい蒸気を中央部から上方へ各選別分離
する方式であり、受衝板型は蒸気（ドレンを含む）を板
に衝突させ、ドレンを板面に付着流下させて下方へ、蒸
気はそのまま板を迂回して進路を進ませ分離する方式で
ある。

【００２３】トラップの典型例としては多重の液室、気
室の相互間をフロートによって作動する精妙なバルブと
水量（圧）によって作動するピストンで開閉し、ドレン
（水）のみを排出し、ドレン内に含まれた微量の気体
（空気、蒸気等）は系外へ放圧（放出）するものがあ
る。

【００２４】勿論、発明の目的を逸脱しない範囲でどの
ようなドレンセパレータ、トラップが用いられてもよ
い。

【００２５】因みに、旋回流型、受衝板型何れのドレン
セパレータを用いた場合も、本実施例では蒸気１５，１
６中のドレン含有量を従来の１／５程度に減少させるこ
とが出来た。即ち、本実施例によればドレンによるエロ
ージョンを従来の１／５程度に低減させることができ
る。

【００２６】以上の通り本実施例によればヒータ８，７
に送給する蒸気１５，１６、即ち抽気用蒸気のドレン含
有量を著しく微量に低減できるので相応して蒸気１５，
１６の管路のエロージョンを防止でき、従来のような減
肉及びそれに起因する管路の破損を防止できるという利
点がある。

【００２７】

【発明の効果】本発明は上記のように構成されるので次
の効果を有する。

【００２８】即ち、給水ヒータ用の抽気用蒸気中のドレ
ンを分離して別の管路等でドレンタンクに導き、抽気用
蒸気の管路へはドレンを殆ど含有しない蒸気を供給する
ので、従来のように抽気用蒸気管路がドレンでエロージ
ョンを起したり、それによって減肉し、破損したりする
ことが殆どなくなる。

【００２９】その結果、プラントの信頼性、稼働率が向
上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る発電プラントの系統
図、

【図２】上記実施例に用いたドレンセパレータの原理を
説明した参考図、

【図３】従来例の系統図である。

【符号の説明】

３ タービン ７，８ ヒータ ９，１０ 蒸気（抽気用蒸気管路） １１ タンク １４ ドレン １５，１６ 蒸気（抽気用蒸気管路） １７，１８ ドレンセパレータ １９，２０ トラップ ２１，２２ 管路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 タービンからドレンタンクを有する給水
   ヒータに至る抽気用蒸気管路を備えた発電プラントにお
   いて、抽気用蒸気管路のタービンの蒸気出口近傍に介裝
   されたドレンセパレータと、同ドレンセパレータから給
   水ヒータのドレンタンクにむけて設けられたドレン用の
   管路と、同管路に介裝されたドレン排出用のトラップと
   を具備してなることを特徴とする発電プラント。