JPH075298U - 高圧放電灯点灯装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】多様なヘッドライトの形状に合わせた小型かつ
安価で絶縁距離等の安全性も確保することができる高圧
放電灯点灯装置を提供する。 【構成】高圧放電灯を定常点灯する定常点灯装置１５
と、高圧放電灯を始動する高圧を発生する高圧パルスト
ランス２を有する始動装置１６とを備え、高圧パルスト
ランス２は絶縁ケース１に被覆されるとともにプリント
配線板３に実装され、絶縁ケース１は外面に第１の端子
カバー部７を有するとともに、プリント配線板３を貫通
する筒状の第２の端子カバー部５を有し、第１の端子カ
バー部７および第２の端子カバー部５内にそれぞれ端子
１０を設けている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、メタルハライドランプ等の車載用前照灯用光源等に適用される高 圧放電灯点灯装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

高圧放電灯を始動させるには、起動時に高圧パルス電圧を印加して、まず高圧 放電灯内で微放電させる必要がある。このときの高圧パルス電圧はピーク値で数 ｋＶ〜数十ｋＶ必要である。 高圧放電灯点灯装置は、一般に図３のように定常点灯装置５０と、高圧放電灯 ５１の起動時に高圧パルス電圧を発生させて高圧放電灯５１に印加し微放電させ て起動する始動装置５２からなる。５３は電源である。

【０００３】 この始動装置５２は図４のような構成を有し、定常点灯装置５０の出力電圧を 電源として、ダイオードＤ，充電抵抗Ｒおよびパルスエネルギ蓄積用のコンデン サＣ₂ を通して電流が流れてコンデンサＣ₂ に電荷が充電される。コンデンサＣ ₂ に充電された電荷は高圧パルストランス５４の１次巻線Ｎ₁ およびスイッチＳ を介して放電される。このとき高圧パルストランス５４の２次巻線Ｎ₂ に高圧パ ルス電圧が発生し、この電圧が高圧放電灯５１に印加され微放電させる。Ｃ₁ は バイパスコンデンサである。

【０００４】 このような始動装置５２は、高圧放電灯点灯装置の中でも特に高圧を発生する ため、安全性およびノイズ防止の点から高圧放電灯５１の近傍に設置した方がよ いが、具体的な始動装置５２は図５に示す構造をしている。すなわち通常、電子 部品５６および絶縁ケース５８に被覆された高圧パルストランス５４はプリント 配線板５５に実装され、金属ケース５８に納められる。また高圧パルストランス ５４の高圧部５７はプリント配線板５５とは電気的には接続させず絶縁を確保し 、高圧部５７に接続された高圧用電線６０を金属ケース５８の孔６３を通して外 部に引出し、孔６３をゴムブッシング５９で塞いでいる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

高圧放電灯が適用される自動車用のヘッドライトは形状の種類が多く、そのた め始動装置の実装構造がそれらヘッドライトの形状に影響され、たとえば図６の ような構造になる場合がある。すなわち、金属ケース５８のプリント配線板５５ 側に開口を設け、この開口に連通するように灯具筒体６１の後端部を連結し、灯 具筒体６１の先端部にヘッドランプ６２を設けている。そして、高圧用電線６０ を高圧部５７からプリント配線板５５と金属ケース５８の内面との間に配線して ヘッドランプ６２に接続している。

【０００６】 しかし、絶縁上、この高圧用電線６０の金属ケース５８内での引回しが問題と なり、高圧用電線６０と金属ケース５８および他の実装された電子部品５６との 絶縁距離を十分に確保するには金属ケース５８の形状が大きくなる傾向がある。 一方、ヘッドライトの形状に合わせて、高圧パルストランス５２およびその絶 縁ケース５４の形状を変えることも可能であるが、高圧パルストランス５２の種 類が多くなるとコストが上昇する傾向にあった。

【０００７】 したがって、この考案の目的は、多様なヘッドライトの形状に合わせた小型か つ安価で絶縁距離等の安全性も確保することができる高圧放電灯点灯装置を提供 することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

請求項１の高圧放電灯点灯装置は、高圧放電灯を定常点灯する定常点灯装置と 、前記高圧放電灯を始動する高圧を発生する高圧パルストランスを有する始動装 置とを備え、前記高圧パルストランスは絶縁ケースに被覆されるとともにプリン ト配線板に実装され、前記絶縁ケースは外面に第１の端子カバー部を有するとと もに、前記プリント配線板を貫通する筒状の第２の端子カバー部を有し、前記第 １の端子カバー部および第２の端子カバー部内にそれぞれ端子を設けたことを特 徴とするものである。

【０００９】 請求項２の高圧放電灯点灯装置は、請求項１において、前記端子は先端部にく びれ部を有するものである。

【００１０】

【作用】

請求項１の高圧放電灯点灯装置によれば、定常点灯装置を動作させ、始動装置 を働かせると、高圧放電灯が点灯する。この場合、絶縁ケースは第１の端子カバ ー部とプリント配線板を貫通する第２の端子カバー部を有するため、高圧用電線 の引出し方向を少なくとも２方向に選択できるので、車載用ヘッドライトの多様 な形状に対応でき、小型かつ安価で、絶縁距離等も確保することができる。

【００１１】 請求項２の高圧放電灯点灯装置によれば、請求項１において、前記端子は先端 部にくびれ部を有するため、請求項１の作用のほか、不使用の端子をくびれ部で 折り曲げまたは切断して端子カバー部内に注型材等を充填することによりコロナ 放電の発生等を防止することができる。

【００１２】

【実施例】

この考案の第１の実施例を図１により説明する。すなわち、この高圧放電灯点 灯装置は、定常点灯装置１５と、始動装置１６とを有する。 定常点灯装置１５は、高圧放電灯（図示せず）を定常点灯するものであって図 ３の構成と同様である。

【００１３】 始動装置１６は、高圧放電灯を始動する高圧を発生する高圧パルストランス２ を有し、高圧パルストランス２は絶縁ケース１に被覆されるとともにプリント板 ３に実装されている。 絶縁ケース１は外面に第１の端子カバー部７を有するとともに、プリント配線 板２を貫通する筒状の第２の端子カバー部５を有し、内部にそれぞれ端子１０を 設けている。実施例の絶縁ケース１は非導体のプラスチック性であり、一側部の 側面に沿うようにかつ互いに反対向きとなるように第１の端子カバー部７および 第２の端子カバー部６が突設されている。第２の端子カバー部５はプリント配線 板５に形成された貫通孔４を貫通している。また第１の端子カバー部７および第 ２の端子カバー部５内には金属製の端子１０を同時成形により設けており、端子 １０の内端１１が絶縁ケース１内に露出し、高圧パルストランス２の高圧巻線１ ２のコイル端末２０を接続している。また端子１０には高圧用電線１８，１９が 接続されている。

【００１４】 なお、１３は表面実装部品である。 この実施例によれば、定常点灯装置１５を動作させ、始動装置１６を働かせる と、高圧放電灯が点灯する。この場合、絶縁ケース１は第１の端子カバー部７と プリント配線板３を貫通する第２の端子カバー部５を有するため、高圧用電線１ ８，１９の引出し方向を少なくとも２方向に選択できるので、車載用ヘッドライ トの多様な形状に対応でき、小型かつ安価で、絶縁距離等も確保することができ る。

【００１５】 この考案の第２の実施例を図２に示す。すなわち、この高圧放電灯点灯装置は 、第１の実施例において、第１の端子カバー部７および第２の端子カバー部５の 内部の金属端子１０に折曲または切断可能なくびれ部１４，１７を設けている。 この実施例によれば、端子カバー部の使用しない金属端子１０のくびれ部１４ ，１７を折り曲げるか、あるいは切断した後、その使用しない第１の端子カバー 部７または第２の端子カバー部５内を注型材で充填することによりコロナ放電の 発生等を防止することができる。その他は第１の実施例と同様である。

【００１６】 なお、第１の端子カバー部７および第２の端子カバー部５は同構成のものが全 体として２個以上でもよく、また高圧パルストランス２の絶縁ケース１はＰＢＴ やＰＥＴ等でもよい。またケース１内は絶縁および耐湿性能の向上のため注型材 たとえばエポキシやシリコン等を充填してもよい。

【００１７】

【考案の効果】

請求項１の高圧放電灯点灯装置によれば、絶縁ケースは第１の端子カバー部と プリント配線板を貫通する第２の端子カバー部を有するため、高圧用電線の引出 し方向を少なくとも２方向に選択できるので、車載用ヘッドライトの多様な形状 に対応でき、小型かつ安価で、絶縁距離等も確保することができるという効果が ある。

【００１８】 請求項２の高圧放電灯点灯装置によれば、請求項１において、前記端子は先端 部にくびれ部を有するため、請求項１の効果のほか、不使用の端子をくびれ部で 折り曲げまたは切断して端子カバー部内に注型材等を充填することによりコロナ 放電の発生等を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第１の実施例の要部断面図である。

【図２】第２の実施例の要部断面図である。

【図３】高圧放電灯点灯装置のブロック図である。

【図４】始動装置の回路図である。

【図５】従来例の始動装置の断面図である。

【図６】ヘッドライトに適用した例の断面図である。

【符号の説明】

１ 絶縁ケース ２ 高圧パルストランス ３ プリント配線板 ５ 第２の端子カバー部 ７ 第１の端子カバー部 １０ 端子 １５ 定常点灯装置 １６ 始動装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０５Ｂ 41/18 ３４０ 9249−3Ｋ 41/231 9249−3Ｋ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高圧放電灯を定常点灯する定常点灯装置
   と、前記高圧放電灯を始動する高圧を発生する高圧パル
   ストランスを有する始動装置とを備え、前記高圧パルス
   トランスは絶縁ケースに被覆されるとともにプリント配
   線板に実装され、前記絶縁ケースは外面に第１の端子カ
   バー部を有するとともに、前記プリント配線板を貫通す
   る筒状の第２の端子カバー部を有し、前記第１の端子カ
   バー部および第２の端子カバー部内にそれぞれ端子を設
   けたことを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
2. 【請求項２】 前記端子は先端部にくびれ部を有する請
   求項１記載の高圧放電灯点灯装置。