JPH0750946Y2 - アイスクリームフリーザ用エアー抜き弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、アイスクリームフリーザにおける熱交換機
部の冷凍シリンダ上部に取り付けられるエアー抜き弁に
関するものである。

［従来の技術］ アイスクリームフリーザにおける熱交換機の冷凍シリン
ダは、原料液体中に混入されている余剰エアーを除去す
るため、排出側上部にエアー抜き部が備えられ、製品と
なるアイスクリームの出口は排出側下部に設けられてい
る。

そして、冷凍シリンダの運転始動時には、シリンダ内に
エアーポケットを生じさせないために、前記エアー抜き
部からエアーを抜いた後、運転を開始する要がある。

従来知られている一般的なエアー抜き部は、第２図に示
すように、冷凍シリンダ21の排出側上部に開口するエア
ー抜きパイプ１の端部に、盲シート22を備えたナット状
の盲蓋23を螺着し、必要に応じこれを手動で開閉するこ
とによってエアー抜きを行うようになっていた。

したがって、始動の際にはその都度手動により前記盲蓋
23を緩めてエアーを抜かなければならず、人手を要し、
かつ、閉止時には、エアーを残さないように、シリンダ
21内の液体が溢れ出してから閉鎖しなければならないの
で、不衛生になりやすいという問題点があった。

この問題点をを回避するため、前記エアー抜きパイプ１
の端部にエアーシリンダ付の自動開閉弁を取り付けたも
のも知られているが、開閉操作用の駆動機構（エアーシ
リンダ）およびその制御装置を必要とし、構造および操
作が複雑となるばかりでなく、コスト高を招くという別
の問題点があった。

［この考案が解決しようとする課題］ この考案は、上記問題点を解決することを課題とするも
のであって、手動によらず、しかも、開閉操作用の駆動
機構やその制御装置を必要とせずして、運転始動時のエ
アー抜き作業を自動化し、しかも、分解および結合が可
能であって、清掃や保守点検が容易であり、また、運転
中に必要に応じて少量のサンプル採取ができるようにし
たアイスクリームフリーザ用のエアー抜き弁を提供しよ
うとするものである。

［課題を解決するための手段］ この考案は上記課題を解決するための手段を提供するも
のであって、請求項１）は、下端をアイスクリームフリ
ーザにおける熱交換機部の冷凍シリンダの排出側上部に
開口するエアー抜きパイプ１の上端に連結され、該エア
ー抜きパイプ１の上端と連通する開口２を底部中央に有
する断面Ｕ字状の下部椀状体３と、上部側面に大気中に
開口する排出孔４を有し、中心部に該排出孔４と連通す
る軸線方向の通孔５を有し、下面が断面末広がり状の上
部蓋状体６とにより形成される内部中空部７に比重１以
下の軽量樹脂球８を収容してなり、前記下部椀状体３は
上縁外周に鍔部９を有し、前記上部蓋状体６は下縁外周
に鍔部10を有し、両鍔部9,10間にパッキン11を介装し、
結合手段12によって下部椀状体３と上部蓋状体６とを係
脱自在に結合したことを特徴とするアイスクリームフリ
ーザ用エアー抜き弁を要旨とし、請求項２）は、前記上
部蓋状体６は、軸線方向に上下自在の昇降棒13を備え、
該昇降棒13の下端は、前記中空部７内に出没自在である
ことを特徴とするものである。

［実施例］ 図中１はエアー抜きパイプであって、その下端はアイス
クリームフリーザにおける熱交換機部の冷凍シリンダ
（図示せず）の排出側上部に開口している。

３は、エアー抜きパイプ１の上端に連結され、該エアー
抜きパイプ１の上端と連通する開口２を底部中央に有す
る断面Ｕ字状の下部椀状体、６は上部側面に大気中に開
口する排出孔４を有し、中心部に該排出孔４と連通する
軸線方向の通孔５を有し、下面が断面末広がり状をなす
上部蓋状体であって、下部椀状体３と上部蓋状体６との
間に形成される内部中空部７には、比重１以下の軽量樹
脂球８が収容されている。

前記下部椀状体３は上縁外周に鍔部９を有し、上部蓋状
体６は下縁外周に鍔部10を有し、該鍔部9,10間にはパッ
キン11が介装され、両鍔部9,10をクランプ等の結合手段
12によって結合することによって、下部椀状体３と上部
蓋状体６とは係脱自在に結合されている。

また、前記上部蓋状体６は、軸線方向に上下自在の昇降
棒（例えばボルト）13を備え、該昇降棒13の下端は、前
記中空部７内に出没自在となっている。

なお、図中13aは昇降棒13の昇降操作用ハンドル、14は
上部蓋状体６の下面末広がり部に取り付けられたＯリン
グ、15はエアー抜きパイプ１の下端をアイスクリームフ
リーザにおける熱交換機部の冷凍シリンダ（図示せず）
の排出側上部に取り付けるための取付金具である。

［作用］ この考案は上記の構成を有し、エアー抜きパイプ１の下
端を、取付金具15を介してアイスクリームフリーザにお
ける熱交換機部の冷凍シリンダ（図示せず）の排出側上
部に取り付けて使用するものである。

運転開始に当たり、シリンダ内の圧力が高まると、シリ
ンダ内のエアーは、エアー抜きパイプ１内を上昇し、そ
の上端に連結された下部椀状体３の底部中央の開口２か
ら、軽量樹脂球８を押し上げて中空部７内に抜け、上部
椀状体６の通孔５を経て排出孔４から大気中に排出され
る。

このようにして次第にエアーが抜かれ、シリンダ内の液
面が上昇してエアー抜きパイプ１を経て中空部７内に液
体が充満すると、比重が１より軽い軽量樹脂球８は浮上
してＯリング14に接するまで上昇し、通孔５を塞ぎシー
ルされエアー抜き弁は閉止される。

以上のようにして、自動的にエアー抜きが行われ、エア
ー抜きが終了すれば自動的に弁が閉止されるのである。

また、下部椀状体３と上部蓋状体６とは係脱自在に結合
されているので、クランプまたはボルト等の結合手段12
を解除すれば簡単に上下に分解することができるので、
弁内の清掃や保守点検が容易であり極めて衛生的であ
る。

さらに、前記上部蓋状体６は、軸線方向に上下自在の昇
降棒（例えばボルト）13を備え、該昇降棒13の下端は、
前記中空部７内に出没自在となっているので、ハンドル
13aを操作して昇降棒13を押し下げ軽量樹脂球８を下方
に押さえれば、通孔５のシールは解除され液体（又は潤
体）を排出孔４からサンプルとして取り出すことがで
き、サンプル採取後、再び昇降棒13を上昇させれば自動
的にシールされる。

［効果］ 請求項１）の考案によれば、手動によらず、しかも、開
閉操作用の駆動機構やその制御装置を必要とせずして、
運転始動時のエアー抜き作業を自動化することができ、
エアー抜きが終了すれば自動的にシールされるエアー抜
き弁を提供することができ、分解および結合が可能であ
るから、清掃や保守点検が容易であって極めて衛生的で
あり、さらに、請求項２）の考案によれば、運転中に必
要に応じて少量のサンプル採取ができるので、オーバー
ランの測定が可能となり、実用上の効果は極めて大なる
ものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のエアー抜き弁の縦断側面図、第２図は
従来例の縦断側面図である。 1:エアー抜きパイプ 2:開口 3:下部椀状体 4:排出孔 5:通孔 6:上部蓋状体 7:空間部 8:軽量樹脂球 9:鍔部 10:鍔部 11:パッキン 12:結合手段（クランプ） 13:昇降棒 13a:ハンドル 14:Oリング 15:取付金具

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下端をアイスクリームフリーザにおける熱
   交換機部の冷凍シリンダの排出側上部に開口するエアー
   抜きパイプ（１）の上端に連結され、該エアー抜きパイ
   プ（１）の上端と連通する開口（２）を底部中央に有す
   る断面Ｕ字状の下部椀状体（３）と、上部側面に大気中
   に開口する排出孔（４）を有し、中心部に該排出孔
   （４）と連通する軸線方向の通孔（５）を有し、下面が
   断面末広がり状の上部蓋状体（６）とにより形成される
   内部中空部（７）に比重１以下の軽量樹脂球（８）を収
   容してなり、前記下部椀状体（３）は上縁外周に鍔部
   （９）を有し、前記上部蓋状体（６）は下縁外周に鍔部
   （10）を有し、両鍔部（９），（10）間にパッキン（1
   1）を介装し、結合手段（12）によって下部椀状体
   （３）と上部蓋状体（６）とを係脱自在に結合したこと
   を特徴とするアイスクリームフリーザ用エアー抜き弁。
2. 【請求項２】上部蓋状体（６）は、軸線方向に上下自在
   の昇降棒（13）を備え、該昇降棒（13）の下端は、中空
   部（７）内に出没自在であることを特徴とする請求項１
   記載のエアー抜き弁。