JPH07508772A - トランス−4,4′−スチルベンジカルボン酸を含む熱安定性ポリエステル - Google Patents
トランス−4,4′−スチルベンジカルボン酸を含む熱安定性ポリエステルInfo
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
トランス−4,4′−スチルベンジカルボン酸本発明は、トランス−又はシス−
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1. 4−ブタンジオール、及び少量の
トランス−4,4′−スチルベンジカルボン酸から製造された反復単位を含む等
方性ポリエステルに関する。
発明の背景
米国特許第4.459.402号は、格別に高い引っ張り強さを有するトランス
−4,4′−スチルベンジカルボン酸20〜80モル%、テレフタル酸80〜2
0モル%及び/又は2,6−ナフタレンジカルボン酸80〜20モル%並びに1
.4−ブタンジオール100モル%のコポリエステルを開示している。米国特許
第4.414.382号は、2,6−ナフタレンジカルボン酸90〜55モル%
、トランス−4,4′−スチルベンジカルボン酸10〜45モル%、及びエチレ
ングリコール100モル%に基づくポリエステルを開示している。米国特許第4
.526.822号は、トランス−4,4′−スチルベンジカルボン酸10〜4
0モル%で改質された、テレフタル酸及びエチレングリコールのポリエステルを
開示している。
特開昭49−72348号公報は、ポリ(l、4−ブチレンテレフタレート)と
、少なくとも55モル%のトランス−4,4′−スチルベンジカルボン酸を含む
芳香族ジカルボン酸分を有するポリエステルとのブレンドを開示している。
これまで、1. 4−ブタンジオール、少量のトランス−4,4′−スチルベン
ジカルボン酸及びトランス−又はシス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸か
ら製造されたコポリエステルは知られていなかった。
発明の要約
本発明は、
(A)(1)多量部分のトランス−又はシス−1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸の酸成分、及び
(2)0モル%より多いが20モル%未満の、トランス−4゜4′−スチルベン
ジカルボン酸の酸成分からの酸反復単位、並びに
(B)1.4−ブタンジオールからのグリコール反復単位を含んでなる改良され
た熱安定性を有するコポリエステルに関し、酸反復単位及びグリコール反復単位
の全モル%がそれぞれ、100モル%であり:該コポリエステルは、0.2より
大きいインヘレント粘度(25°Cにおいてフェノール/テトラクロロエタン/
p−クロロフェノール25/35/40 (wt、/wt、/wt、)中で0.
1 g / 100mLの濃度において測定)を有する。
発明の詳細な説明
本発明のコポリエステルは、プラスチック、繊維及びフィルムの成形に有用であ
り、溶融液中では予想外に改良された熱安定性を有する。1.4−ブタンジオー
ル及びトランス−又はシス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸又はそのエス
テルから製造される本発明のポリエステルは、20モル%以下のトランス−4,
4′−スチルベンジカルボン酸(5DA)で改質された場合に溶融安定性が非常
に増大する。
本発明のコポリエステル中の少量の、即ち、5モル%及びそれ以下のSDA成分
は、熱崩壊を減少させ、従って、1.4−シクロヘキサンジカルボン酸及び1,
4−ブタンジオールの未改質ホモポリマーに比較して熱崩壊速度定数を改良する
。260°Cにおいて、2モル%のSDAは、未改質ホモポリマーの1/2の熱
崩壊速度定数を有するコポリエステルを生じる。SDA含量を10モル%まで増
大させると、未改質ホモポリマーと比較して熱崩壊速度定数は更に減少する。し
かしながら、SDA含量を10モル%より多い量まで増大させると、ポリマーの
融点は低下し始め、20モル%より多量では、融点は、有用な製品への射出成形
のためには許容され得ないほど低い温度である。
本発明のコポリエステルは、一般に、(A)(1)酸成分の少なくとも80モル
%の、トランス異性体含量が好ましくは90モル%より大きく、より好ましくは
95モル%より大きく、最も好ましくは98モル%より大きいトランス−又はシ
ス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、及び(2)酸成分の20モル%未満
の、好ましくは10モル%未満の、トランス−4,4′−スチルベンジカルボン
酸からの酸反復単位、並びに(B)100モル%以下の1. 4−ブタンジオー
ルからのグリコール反復単位を含んでなる。
本発明のコポリエステルの反復単位は好ましくは、トランス−又はシス−1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸81〜98モル%、トランス−4,4′−スチル
ベンジカルボン酸2〜19モル%及び1.4−ブタンジオール100モル%を含
んでなる。本発明のコポリエステルの反復単位はより好ましくは、トランス−又
はシス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸90〜95モル%、トランス−4
,4′−スチルベンジカルボン酸5〜lOモル%及び1. 4−ブタンジオール
100モル%を含んでなる。
本発明のポリマーエステルの製造には、ジカルボン酸又はジカルボン酸のジエス
テルを使用できる。適当なエステルとしては、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、フェニルのエステル及びそれらの混合エステルが挙げられる。
本発明のコポリエステルは、常用の溶融法によって製造できる。
本発明のコポリエステルにおいて、上記(A)の酸反復単位は10モル%以下、
好ましくは5モル%以下の他の芳香族ジカルボン酸と置き換えることができる。
適当な芳香族ジカルボン酸の例としては、4.4′−ビフェニルジカルボン酸、
l、5−12,6−12,7−ナフタレンジカルボン酸、又は4.4′−オキシ
ジ安息香酸が挙げられる。
本発明のコポリエステルのグリコール部分である1、4−ブタンジオールは、1
0モル%以下の、炭素数2〜16の別のグリコールと置き換えることができる。
適当なグリコールの例としては、1.3−プロパンジオール、ネオペンチルグリ
コール、トランス−又はシス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロ
ブタンジオール、1.5−ベンタンジオール、1. 6−ヘキサンジオール、ト
ランス−又はシス−1,4−シクロヘキサンジメタツール及びp−キシレンか挙
げられる。これらのコポリエステルはまた、ゴム弾性挙動を増大するためにポリ
エチレングリコール又はポリテトラメチレングリコールからの単位の組み入れに
よって改質することができる。
本発明のコポリエステルは、好ましくは、少なくとも0.2、より好ましくは少
なくとも0.6又はそれ以上のインヘレント粘度(25°Cにおいてフェノール
/テトラクロロエタン/p−クロロフェノール25/35/40 (wt、/w
t、/wt、)中で0.1 g / 100mLの濃度で測定)を有する。本発
明のコポリエステルは、また、好ましくは260℃において3.8X10−’未
満の崩壊速度定数を有する。
本発明のコポリエステルは、更に、ブレンド改質剤の組み入れによって改質する
ことができる。この組成物は、(i)コポリエステル95〜5重量%、及び(i
i)少な(とも1種の改質剤5〜95重量%を含むことができる。好ましくは、
(i)は90〜lO重量%の量で存在し、(ii)は10〜90重量%の量で存
在する。
適当なブレンド又は改質剤の例としては、ポリアミド、例えば、デュポン製のN
ylon 6.6 、ポリ(エーテル−イミド)、例えば、ゼネラルエレクトリ
ック製のUltem Brandポリ(ニーチル−イミド)、ポリフェニレンオ
キシド、例えば、ポリ(2,6−シスチルフエニレンオキシド)又はポリ(フェ
ニレンオキシド)/ポリスチレンブレンド、例えば、ゼネラルエレクトリック製
のNoryl Brand樹脂、他のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド
、ポリフェニレンスルフィド/スルホン、ポリ(エステル−カーボネート)、ポ
リカーボネート、例えば、ゼネラルエレクトリック製のLexan Brand
ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリスルホンエーテル、及び芳香族ジヒドロ
キシ化合物のポリ(エーテル−ケトン)が挙げられる。これらの改質ポリエステ
ルの製造に使用される適当なジヒドロキシ化合物は米国特許第3.030.33
5号及び同第3.317.466号に開示されている。
本発明のコポリエステルはまた、常用の難燃剤、例えば、リン又はハロゲン化合
物;充填剤、例えば、タルク又はマイカ;強化材、例えば、ガラス繊維、デュポ
ン製のケブラーブランド(Kevlar Brand)繊維、炭素繊維などを含
むことができる。
以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明を限定するものと
解してはならない。
実施例
これらの例は、少量のトランス−4,4′−スチルベンジカルボン酸による、1
. 4−シクロヘキサンジカルボン酸及びl、4−ブタンジオールの脂肪族ジカ
ルボン酸/脂肪族グリコールポリエステルの明白な熱安定化を説明する(表1参
照)。
例1
この例は、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸単位100モル%及
び1. 4−ブタンジオール単位100モル%を含むホモポリエステルの製造及
び溶融安定性の測定を説明する。
ジメチルトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート100g (0
,50モル)及び1.4−ブタンジオール90g (1,00モル)(100モ
ル%過剰)並びにチタンテトライソプロポキシド0.07gの混合物を、窒素用
入り口、金属攪拌機及び短い蒸留カラムを装着した500mLフラスコ中に入れ
た。すでに200°Cにおいて3.5時間加熱されたウッド(Wood)の金属
浴中にこのフラスコを入れ、次いで、温度を15分間260℃に上昇させた。次
の5〜lO分間で、0.5Mの真空を徐々に適用した。完全な真空を2.5時間
保持した。1. V、が1.20である、高溶融粘度の結晶質ポリマーが得られ
、溶融発熱量は160°CにおいてDSCによって測定した。
ポリマーを、3ルの篩を通過するように粉砕し、乾燥させ、熱崩壊速度定数を測
定したところ、240°Cで1.77X10’(ポアズ) −LIJ本秒零秒[
(ダイン/al)−”″4本秒−11,260°Cで3.72X10’(ポアズ
)−2g4本秒−1[(ダイン/c&)−”1本秒−I]であった。
例2
この例は、l、4−シクロヘキサンジカルボン酸(トランス99%)単位90モ
ル%、トランス−4,4′−スチルベンジカルボン酸単位10モル%、及び1.
4−ブタンジオール単位100モル%を含むコポリエステルの製造及び溶融安
定性の測定を説明する。
ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート(トランス98%’) 9
0g (0,45モル)、ジメチルトランス−4,4′−スチルベンジカルボキ
シレート14.8g (0,05モル)、及び1. 4−ブタンジオール90g
(1,00モル) (100モル%過剰)並びにチタンテトライソプロポキシ
ド0.07g (1,00モル)の混合物を、窒素用入り口、金属攪拌機及び短
い蒸留カラムを装着した500mLフラスコ中に入れた。
すでに200°Cにおいて4.75時間加熱したウッドの金属浴中にこのフラス
コを入れ、次いで、温度を15分間260°Cに上昇させた。次の5〜10分間
で、0.5ma+の真空を徐々に適用した。完全な真空を2時間保持した。1.
V、が1.36である、高溶融粘度の結晶質ポリマーが得られ、溶融発熱量を
156℃においてDSCによって測定した。
ポリマーを、3閤の篩を通過するように粉砕し、乾燥させ、熱崩壊速度定数を測
定したところ、240°Cで−3,9X10’(ポアズ) −114零秒−1[
(ダイン/cm)−′i”4ネ秒−1]、260°Cで−1,21X10’(ポ
アズ)−L 14*秒−1[(ダイン/at) −” ”零秒−11であった。
表I
トランス−シス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及びl。
4−ブタンジオールのポリエステルの熱崩壊速度定数に対するトランス−4,4
′−スチルベンジカルボン酸の作用SDA含量 熱崩壊速度定数、X 10−’
ネ10 −0.39 −1.21A
1負の崩壊定数は、崩壊速度定数の曲線に関する正の勾配を意味し、ポリマーが
熱安定化され且つ熱崩壊していないことを示す。
本発明を、特にその好ましい実施態様に関して詳細に記述したが、本発明の精神
及び範囲内でその変更及び修正が可能なことは言うまでもない。
、 、ム& PCT/US 93103674
Claims (16)
- 1.(A)(1)多量部分のトランス−又はシス−1,4−シクロヘキサンジカ ルボン酸の酸成分、及び
- (2)0モル%より多いが20モル%未満の、トランス−4,4′ースチルベン ジカルボン酸の酸成分からの酸反復単位、並びに (B)1,4−ブタンジオールからのグリコール反復単位を含んでなる改良され た熱安定性を有するコポリエステルであって、酸反復単位及びグリコール反復単 位の全モル%がそれぞれ、100モル%であり;該コポリエステルが、0.2よ り大きいインヘレント粘度(25℃においてフェノール/テトラクロロエタン/ p−クロロフェノール25/35/40(wt./wt./wt.)中で0.1 g/100mLの濃度において測定)及び少なくとも200℃の融点を有するコ ポリエステル。 2.トランス−又はシス−1,4−シクロヘキセンジカルボン酸からの酸反復単 位が少なくとも90モル%のトランス異性体含量において81〜98モル%の量 で存在し、且つトランス−4,4′−スチルベンジカルボン酸からの酸反復単位 が2〜19モル%の量で存在する請求の範囲第1項のコポリエステル。
- 3.トランス−又はシス−1,4−シクロヘキセンジカルボン酸成分(1)から の前記酸反復単位が90〜95モル%の量で存在し、且つトランス−4,4′− スチルベンジカルボン酸からの反復単位が10〜5モル%の量で存在すル請求の 範囲第2項のコポリエステル。
- 4.1,4−ブタンジオールからのグリコール反復単位が100モル%の量で存 在する請求の範囲第1項のコポリエステル。
- 5.前記酸反復単位がトランス−又はシス−1,4−シクロヘキセンジカルボン 酸、トランス−4,4′−スチルベンジカルボン酸、及び10モル%以下の少な くとも1種の他の芳香族ジカルボン酸からのものである請求の範囲第1項のコポ リエステル。
- 6.前記他の芳香族ジカルボン酸が4,4′ービフェニルジカルボン酸、1,5 −、1,6−、2,7−ナフタレンジカルボン酸、及び4,4′−オキシジ安息 香酸から選ばれる請求の範囲第5項のコポリエステル。
- 7.前記グリコール反復単位が1,4−ブタンジオール及び10モル%以下の、 炭素数が2〜16の少なくとも1種の他のグリコールからのものである請求の範 囲第1項のコポリエステル。
- 8.前記他のグリコールが、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコー ル、シス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、ト ランス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、トラ ンス−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シス−1,4− シクロヘキサンジメタノール、トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール 、p−キシレングリコール、ポリエチレングリコール及びポリテトラメチレング リコールから選ばれる請求の範囲第7項のコポリエステル。
- 9.(i)請求の範囲第1項のポリエステル95〜5重量%、及び(ii)少な くとも1種の改質剤5〜95重量96を含んでなる組成物。
- 10.(i)が90〜10重量%の量で存在し、且つ(ii)が10〜90重量 %の量で存在する請求の範囲第9項に係る組成物。
- 11.前記改質剤がナイロン6,6、ポリ(エーテルーイミド)、ポリフェニレ ンオキシド、ポリ(フェニレンオキシド)/ポリスチレンブレンド、他のポリエ ステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィド/スルホン、ポ リ(エステルーカーボネート)、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリスルホ ンエーテル、及び芳香族ジヒドロキシ化合物のポリ(エーテルーケトン)から選 ばれる請求の範囲第9項に係る組成物。
- 12.前記改質剤が難燃剤、充填剤、及び強化材から選ばれる請求の範囲第9項 に係る組成物。
- 13.前記改質剤が難燃性リン化合物、難燃性ハロゲン化合物、タルク、マイカ 、ガラス繊維、ケプラー繊維及び炭素繊維から選ばれる請求の範囲第9項に係る 組成物。
- 14.請求の範囲第1項のポリエステルを含んでなる繊維。
- 15.請求の範囲第1項のポリエステルを含んでなるフィルム。
- 16.請求の範囲第1項のポリエステルを含んでなる成型品。
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