【発明の詳細な説明】
56、該チオレドキシンを分泌する請求項55記載の細胞。
57、組換えNADP−チオレドキシンリダクターゼDNAを含むベクターを用
いて形質転換された酵母細胞。
58、該リダクターゼDNAを発現して該リダクターゼを産生ずる請求項57記
載の細胞。
59、該リダクターゼを分泌する請求項58記載の細胞。
60、請求項55記載の溶解及び凍結乾燥細胞。
61、請求項58記載の溶解及び凍結乾燥細胞。
62、ドウの品質を改良する方法であって、(a)チオレドキシンを発現する溶
解酵母細胞及びNADP−チオレドキシンリダクターゼを発現する溶解酵母細胞
をNADPH又はNADPH生成物及び水又は液体バッファーと混合して混合物
を形成し;(b)該混合液を粉に加えてドウを形成することを含む方法。
63、ドウの品質を改良する方法であって、(a)チオレドキシンを発現する溶
解酵母細胞及びNADP−チオレドキシンリダクターゼを発現する溶解酵母細胞
をN A D P H又はNADPH生成物と混合して混合物を形成し:
(b)該混合物をドウ成分に加えてドウを形成することを含む方法。
64、焼き製品の品質を改良する方法であって、(a)チオレドキシンを発現す
る溶解酵母細胞及びNADP−チオレドキシンリダクターゼを発現する溶解酵母
細胞をN A D P H又はNADPH生成物及び水又は液体バッファーと混
合して混合物を形成し。
(b)該混合物を粉に加えてドウを形成し:(c)該ドウを焼いてパン製品を製
造することを含む方法。
65、焼き製品の品質を改良する方法であって、(a)チオレドキシンを発現す
る溶解酵母細胞及びNADP−チオレドキシンリダクターゼを発現する溶解酵母
細胞をNADPH又はNADPH生成物と混合して混合物を形成し。
(b)該混合物を粉に加えてドウを形成し;(c)該ドウを焼いて焼き製品を製
造することを含む方法。
66.1個以上の分子内シスチンを含む非チオニン、非葉緑体タンパクの分子内
ジスルフィド結合を還元する方法てあって、(a)チオールレドックスタンパク
を該ンスチン含有タンパクを含む液体又は物質に加え。
(b)該チオールレドックスタンパクを還元し;(C)該ンスチン含有タンパク
を該還元チオールレドックスタンパクで還元することを含む方法。
67、チオールレドックスタンパクがチオレドキシンである請求項66記載の方
法。
68、チオールレドックスタンパクをNADPH及びNADP−チオレドキシン
リダクターゼで還元する請求項6G記載の方法。
69、チオールレドックスタンパクをNADPI(生成組成物で還元する請求項
66記載の方法。
70、組成物であって、分子内ノスチン含有非チオニン、非葉緑体、植物タンパ
ク、チオレドキシン、NADP−チオレドキシンリダクターゼ及びNADPH又
はNADPH生成組成物を含む組成物。
71、分子内ジスルフィド結合を有するタンパクの熱又はプロテアーゼ安定性を
低下させる方法であって、
(a)チオールレドックスタンパクを該分子内ジスルフィド結合を有する該タン
パクを含む液体又は物質に加え:
(b)該チオールレドックスタンパクを還元し;(C)該分子内ジスルフィド結
合を該還元チオールレドックスタンパクで還元することを含む方法。
72、チオールレドックスタンパクがチオレドキシンである請求項71記載の方
法。
73、チオールレドックスタンパクをNADPH及びNADP−チオレドキシン
リダクターゼ又はNΔDi”II生成組成物で還元する請求項71記載の方法。
74、分子内及び分子間ジスルフィド結合を有する特定のタンパクの分子内ジス
ルフィド結合のみを選択的に実質的に還元する方法であって、(a)チオールレ
ドックスタンパクを該特定のタンパクを含む液体又は物質に加え;
(b)該チオールレドックスタンパクを還元剤又は還元系で還元し、これにより
該特定のタンパクの分子内ジスルフィド結合のみを該還元チオールレドックスタ
ンパクで実質的に還元することを含む方法。
75、チオールレドックスタンパクがチオレドキシンである請求項74記載の方
法。
76、分子内ジスルフィド結合を有するタンパクが28アルブミンタンパクであ
る請求項74記載の方法。
77、還元チオレドキシンをN A D P HとNTR又はDTTで還元した
請求項75記載の方法。
78、ジスルフィド結合及び8〜+5kDaの分子量を有する単離プルラナーゼ
インヒビター。
79、請求項78記載のインヒビタータンパクのプルラナーゼインヒビター活性
を不活性化する方法であって、
(a)チオレドキシンを該タンパクを含む液体又は物質に加え;(b)該チオレ
ドキシンを還元し;
(C)該インヒビタータンパクを該還元チオレドキシンで還元することを含む方
法。
80、オオムギ又は小麦内胚乳由来プルラナーゼの活性を高める方法であって、
(a)チオレドキシンを該プルラナーゼを含む液体又は物質に加え;(b)該チ
オレドキシンを還元し、これにより該プルラナーゼ活性を高める方法。
81、 W4理パスタの特性を改良する方法であって、(a)チオールレドック
スタンパクをバスタドウ成分と混合してドウを形成し、該チオールレドックスタ
ンパクが単独又は還元剤もしくは還元系との組合わせであり:
(b)工程(a)のドウ混合物を成形し。
(c)工程(b)の成形ドウ混合物を加熱して調理パスタを形成する:工程を含
む方法。
82、ドウ又は焼き製品の特性を改良する方法であって、(a)NADP+−(
又はN A D P H生成組成物をグルテニン又はグリアジンを含むドウ成分
と混合してドウを形成し。
(b) ドウを焼いて焼き製品を形成する工程を含む方法。
83、焼き製品の特性を改良する方法であって、(a)チオールレドックスタン
パクをドウ成分と混合してドウを形成し、該チオールレドックスタンパクが単独
又は還元剤もしくは還元系との組合わせてあり。
(b)工程(a)のドウ混合物を成形し。
(C)工程(b)の成形ドウ混合物を加熱して焼き製品を形成する工程を含む方
法。
1’1.1. トリチカーレ焼き製品の特性を改良する方法であって、(a)液
体及びチオレドキシンをトリチカーレ粉と混合してドウ混合物を形成し、該チオ
レドキシンがNTR及びN A D P !−(生成系との組合わせてあり:(
b) ドウを焼いて焼き製品を形成する:工程を含む方法。
85.1種以上の分子内シスチンを有するヘビ神経毒タンパクを還元する方法で
あって、
(a)該シスチン含有タンパクを該タンパクを還元するのに有効な量のチオール
レドックス(SH)剤と接触させ;(b)1種以上の該分子内シスチンの1種以
上のジスルフィド架橋を還元するのに十分な時間該接触を維持し、これにより該
神経毒タンパクを還元することを含む方法。
86、チオールレドックス(S )I )剤が還元チオレドキシン、チオレドキ
シンの存在下還元リポ酸、DTT及びチオレドキシンの存在下DTTからなる群
より選ばれる請求項85記載の方法。
87、ヘビ神経毒タンパクがシナプス前部神経毒である請求項85記載の方法。
88、シナプス前部神経毒タンパクがβ−神経毒である請求項87記載の方法。
89、β−神経毒がβ−ブンガロトキシンである請求項88記載の方法。
90、シナプス前部神経毒が促進神経毒である請求項89記載の方法。
吐ヘビ神経毒がシナプス後部神経毒である請求項85記載の方法。
92、シナプス後部神経毒が短鎖型神経毒又は長鎖型神経毒である請求項91記
載の方法。
93、シナプス後部神経毒が短鎖型神経毒、エラブトキシンa又はエラブトキシ
ンbである請求項92記載の方法。
94、シナプス後部神経毒が長鎖型神経毒、α−ブンガロトキンジンはα−コブ
ラドキノンである請求項92記載の方法。
95、請求項85記載の方法により調製された還元ヘビ神経毒タンパク。
96、組成物であって、ヘビ神経毒タンパク及びチオールレドックス(S H)
剤を含む組成物。
97.1種以上の分子内シスチンを有するヘビ神経毒タンパクの還元方法であっ
て、(a)該タンパクをチオレドキシンリダクターゼ、NADPH又はNADP
[I生成系及び該毒素を還元するのに有効な量のチオレドキシンと接触させ;(
b)1種以上の該分子内シスチンの1種以上のジスルフィド架橋を還元するのに
十分な時間該接触を維持し、これにより該タンパクを還元することを含む方法。
98、請求項97記載の方法により調製された還元ヘビ神経毒。
99.1種以上の分子内シスチンを有するヘビ神経毒の生物活性を変性する方法
であって、
(a)該神経毒を含む媒体を該毒素を還元するのに十分な量のチオールレドック
ス(SH)剤と接触さぜ:
(b)1種以上の該分子内シスチンの1種以上のジスルフィド架橋を還元するの
に十分な時間該接触を維持し、これにより該毒素の該生物活性を変性することを
含む方法。
100、チオールレドックス(ST()剤が還元チオレドキシン、チオレドキシ
ンの存在下還元リポ酸、DTT及びチオレドキシンの存在下DTTからなる群よ
り選ばれる請求項99記載の方法。
l吐ヘビ神経毒がシナプス前部神経毒である請求項99記載の方法。
+02シナプス前部神経毒がβ−神経毒、β−ブンガロトキシンである請求項+
01記載の方法。
103、シナプス前部神経毒が促進神経毒である請求項101記載の方法。
104、ヘビ神経毒がシナプス後部神経毒である請求項99記載の方法。
105、シナプス後部神経毒が短鎖型神経毒又は長鎖型神経毒である請求項10
4記載のか法。
106シナプス後部神経毒が短鎖型神経毒、エラブトキシンb又はエラブトキシ
ンaである請求項105記載の方法。
107、シナプス後部神経毒が長鎖型神経毒、α−ブンガロトキンジンはα−コ
ブラドキノンである請求項105記載の方法。
108、1種以上の分子内シスチンを有するヘビ神経毒を生体外で不活性化する
方法であって、
チオールレドックス(SF()剤を、該薬剤の量が該毒素を還元するのに有効で
ある該毒素を含む液体に加えることを含む方法。
+09.チオールレドックス(S H)剤が還元チオレドキシン、チオレドキシ
ンの存在下還元リポ酸、DTT及びチオレドキシンの存在下DTTからなる群よ
り選ばれる請求項+08記載の方法。
110、請求項108記載の方法により調製された不活性化ヘビ神経毒。
Ill、組成物であって、液体中ヘビ神経毒タンパク及びチオールレドックス(
SH)剤を含む組成物。
112、1種以上の分子内シスチンを有するヘビ神経毒を生体外で不活性化する
方法であって、
該毒素を還元するのに有効な量のNADP−チオレドキシンリダクターゼ、N
A I) P H又はNADPH生成系及びチオレドキシンを該毒素を含む液体
に加え、これにより該毒素を不活性化する方法。
1】3.請求項+12記載の方法により調製された不活性化ヘビ神経毒。
114、組成物であって、不活性化ヘビ神経毒、NADP−チオレドキシンリダ
クターゼ、NADPH又はN A D P f(生成系及びチオレドキシンを有
する液体を含む組成物。
115、個体におけるヘビ毒神経毒性の治療方法であって、該ヘビ毒神経毒性を
還元又は軽減するのに有効な量のチオールレドックス(SH)剤をヘビ毒神経毒
性を受けている個体に投与することを含む方法。
116、チオールレドックス(SH)剤が還元チオレドキシン、チオレドキシン
の存在下還元リポ酸、DTT及びチオレドキシンの存在下DTTからなる群より
選ばれる請求項+15記載の方法。
+17.ヘビ毒神経毒性がα−ブンガロトキシン、エラブトキシンb又はβ−ブ
ンガロトキンジン素に起因する請求項115記載の方法。
+18.個体におけるヘビ毒神経毒性の治療方法であって、該ヘビ毒神経毒性を
還元又は軽減するのに有効な量のNADP−チオレドキシンリダクターゼ、NA
DPH又はNADPH生成系及びチオレドキシンをヘビ毒神経毒性を受けている
個体に投与することを含む方法。
+19.ヘビ毒神経毒性がα−ブンガロトキシン、エラブトキシンb又はβ−ブ
ンガロトキノン毒素に起因する請求項+18記載の方法。
!20凹種以上の分子内シスチンを有するミツバチ毒の毒性タンパクの還元方法
であって、
(a)該シスチン含有毒性タンパクを該タンパクを還元するのに有効な量のチオ
ールレドックス(Sll)剤と接触させ:(b)1種以上の該分子内シスチンの
1種以上のジスルフィド架橋を還元するのに十分な時間該接触を維持し、これに
より該毒タンパクを還元することを含む方法。
121、チオールレドックス(SH)剤が還元チオレドキシン、チオレドキシン
の存在下還元リポ酸、I)TT及びチオレドキシンの存在下DTTからなる群よ
り選ばれる請求項120記載の方法。
+22. ミツバチ毒タンパクがホスホリパーゼA、である請求項120記載の
方法。
+23. ミツバチ毒がアビスメリフエラ由来である請求項120記載の方法。
124、1種以上の分子内シスチンを有するミツバチ毒の生体外不活性化方法で
あって、チオールレドックス(SH)剤を該薬剤の量が該毒を還元するのに有効
である該毒を含む液体に加えることを含む方法。
125、チオールレドックス(SH)剤が還元チオレドキシン、チオレドキシン
の存在下還元リポ酸、1)TT及びチオレドキシンの存在下DTTからなる群よ
り選ばれる請求項124記載の方法。
126、個体におけるミツバチ毒の毒性の治療方法であって、該ミツバチ毒の毒
性を還元又は軽減するのに有効な量のチオールレドックス(SH)剤をミツバチ
毒の毒性を受けている個体に投与することを含む方法。
127、チオールレドックス(SH)剤が還元チオレドキシン、チオレドキシン
の存在下還元リポ酸、DTT及びチオレドキシンの存在下DTTからなる群より
選ばれる請求項+26記載の方法。
128、1種以」二の分子内シスチンを有するサソリ毒の毒性タンパクの還元方
法であって、
(a)該ノスチン含イ1タンパクを該タンパクを還元するのに有効な量のチオー
ルレドックス(SR)剤と接触させ:(b)1種以上の該分子内シスチンの1種
以上のジスルフィド架橋を還元するのに十分な時間該接触を維持し、これにより
該神経毒タンパクを還元することを含む方法。
129、チオールレドックス(S H)剤が還元チオレドキシン、チオレドキシ
ンの存在下還元リポ酸、DTT及びチオレドキシンの存在下DTTからなる群よ
り選ばれる請求項128記載の方法。
130、サソリ毒タンパクが神経毒である請求項128記載の方法。
131、サソリ毒がアンドロクトヌスアウストラリス由来である請求項128記
載の方法。
+32.1種以上の分子内シスチンを有するサソリ毒の生体外不活性化方法であ
って、チオールレドックス(SH)剤を該薬剤の量が該毒を還元するのに有効で
ある該毒を含む液体に加えることを含む方法。
133、チオールレドックス(Sl−1)剤が還元チオレドキシン、チオレドキ
シンの存在下還元リポ酸、DTT及びチオレドキシンの存在下DTTからなる群
より選ばれる請求項132記載の方法。
134、個体におけるサソリ毒の毒性の治療方法であって、該サソリ毒の毒性を
還元又は軽減するのに有効な量のチオールレドックス(SH)剤をサソリ毒の毒
性を受けている個体に投与することを含む方法。
135、チオールレドックス(Sll)剤が還元チオレドキシン、チオレドキシ
ンの存在下還元リポ酸、DTT及びチオレドキシンの存在下DTTからなる群よ
り選ばれる請求項134記載の方法。
136、個体におけるミツバチ毒の毒性の治療方法であって、該ミツバチ毒の毒
性を還元又は軽減するのに有効な量のNADP−チオレドキシンリダクターゼ、
NADPH又はNADPH生成系及びチオレドキシンをミツバチ毒の毒性を受け
ている個体に投与することを含む方法。
137、個体におけるサソリ毒の毒性の治療方法であって、該サソリ毒の毒性を
還元又は軽減するのに有効な量のNADP−チオレドキシンリダクターゼ、NA
DPH又はNADPH生成系及びチオレドキシンをサソリ毒の毒性を受けている
個体に投与することを含む方法。
明細書
ジスルフィド結合を還元するためのチオールレドックスタンパクの利用相互川魚
本特許出願は、1991年10月12日付けで出願された特許出願No、 07
/776.109および1992年8月25日付けで出願された特許出願No、
077935.002の一部継続出願であり、該特許出願No、 07/93
5,002は1991年10月12日付けて出願された特許出願No。
07/776、109の一部継続出願である。
産業上の利用分野
本発明は種子タンパク、例えば穀類タンパク類、酵素阻害性タンパク類および毒
液毒素タンパク類並びに幾つかの他のタンパク類の分子内ジスルフィド結合を還
元するだめのチオールレドックスタンパク類の使用に関するものである。より詳
しく言えば、本発明はグリアジン、グルテニン(glutenins) 、アル
ブミンおよびグロブリンを還元して、ドウおよび焼き製品の緒特性を改善し、か
つ新規なドウを生成し、またシスチン含有タンパク、例えばアミラーゼおよびト
リブジン阻害剤を還元して、飼料および穀類製品の性能を改善するための、チオ
レドキシンおよびグルタレドキジンの利用を包含する。また、本発明はプルラナ
ーゼを阻害する新規タンパクの単離および該新規タンパクのチオールレドックス
タンパクによる還元を包含する。本発明は、更に油−貯蔵種子に特徴的な2Sア
ルブミンタンパクのチオレドキシンによる還元をも包含する。また、本発明は特
にヘビの神経毒素およびある種の昆虫およびサソリの毒液毒素のインビトロでの
不活性化のための、並びに各固体における対応する毒作用を処置するための還元
されたチオールレドックス剤の使用をも包含する。
本発明は、ナ/ヨナルサイエンスファウンデーション(Na目anal 5ci
enceFoundation)により授与された許諾契約Nos、 DCB
8825980およびDMB 88−15980の下に政府の支援の基になされ
た。米国政府が本発明の幾分かの権利を有する。
技術的背景
葉緑体は、フェレドキシン、フエレドキジンーチオレドキンンリダクターゼおよ
びチオレドキシンfおよびmを含むフェレドキシン/チオレドキシン系を含有し
、これは光を光合成酵素の調節と関連付ける(ブキャナン(Buchanan)
、 B、B、。
+991. ”酸素型光合成における002同化の調節(Regulation
of COx assimllationin oxygenic phot
osynthesis):フエレドキシン/チオレドキシン系(Theferr
edoxin/1hioredoxin system)、その発見、現状およ
び将来的展望に関する見解(Perspective on its disc
overy、present 5tatus and future deve
lo吹{nent)”。
Arch、 Biochem、 Biophys、、 1991.288. p
p、 l−9;シエイブ(Scheibe)、 R,、r葉■
体酵素のレドックス−変調。個々の制御の共通の原理(Redox−modul
ation ofchloroplast enzymes、 A caIon
principle for 1ndividual control)JA
Plant
Physiol、、 96. pp、 1−3 )。幾つかの研究により、植物
も、動物並びに多くの微生物について確立されたものと同様の系を含み、鎖糸に
おいてはチオレドキシン(h−型)が以下の式に従って、NADPI+および酵
素NADP−チオレドキシンリダクターゼ(NTR)により還元されることを明
らかにした。
TR
(1) NADPH+t+ ”+チオレドキシンhaff −> NADP+
チオレドキシンh1.6(これに関しては、フロジンチオ(Florcncio
)、 F、J、等、 Arch、口1ochca [1iophys、。
pp、 214−221を参照のこと)。現在の証拠はこのNADP/チオレド
キシン系が植物組織中に広く分布しており、またミトコンドリア、小胞体および
サイドシル中に収容されていることを示唆している(ポンデンシュタインーラン
グ(Bondensteinチオレドキシンhも、炭水化物代謝のサイドシル酵
素、ピロホスフェートフルクトース−6−P、 I−ホスホトランスフェラーゼ
またはPPPを還元により活性化することが知られている(キス(Kiss)、
Fo等、 Arch、 Biochem、 Biophys、、 1991.
287゜pp、 337−340)。
種子は、該NADP/チオレドキシン系が植物において生理的活性をもつとされ
る唯一の組織である。また、チオレドキシンhは、実験室においてチオニン(j
hionins)を還元することが示された(ジョンソン(Johnson)、
T、C,、等、 I’1antPhysio1.、1987.85. pp、
44(i−451)。チオエン類はシスチンに富む可溶性の穀類種子タンパク
である。該ジョンソン等の研究においては、以下の反応式2および3に従って、
NADP−チオレドキシンリダクターゼ(FffR)およびチオレドキシンhを
介して、小麦ビューロチオニンをNADP)Iにより実験的に還元した。
R
(2) NADPI(+チオレドキシンh at −> NへDP+チオレドキ
シンh、□
(3)ビューロチオニン。ヨ)チオレドキシンh、、、−>ビューロチオニンr
ed +チオレドキシンh□
小麦、ライムギ、オオムギ、コーン、キビ、モロコシおよびイネ等の穀類の種子
は4種の主な種子タンパク群を含んでいる。これら4種の群はアルブミン類、グ
ロブリン類、グリアジン類およびグルテニン類または対応するタンパク類である
。チオエンはアルブミン群に属する。現在、小麦およびライムギはグルテンまた
はドウを作成している唯一の2種の穀類である。グルテンはドウに凝集性を与え
る、粘着力の強い弾性かつゴム状のタンパク複合体である。グルテンは主として
グリアジンおよびグルテニンタンパクから構成される。これはライムギまたは小
麦のドウを水洗した場合に形成される。パン用のドウに弾性に富む特性を与える
のがグルテンである。他の主な栽培穀類であるオオムギ、コーン、モロコシ、エ
ンバク、キビおよびイネ、並びに大豆植物からの粉は、小麦およびライムギに対
して使用した条件下ではグルテン一様の網状構造を生成しない。
グルテニンおよびグリアジンはシスチン含有種子貯蔵タンパクであり、かつ不溶
性である。貯蔵タンパクは発芽中に分解される種子中のタンパクであり、発芽中
の実生がこのタンパクを利用して成長かつ発育する。プロラミン類は小麦以外の
穀粒中の貯蔵タンパクであり、グリアジンに対応し、一方でグルテリンは小麦以
外の穀粒中の貯蔵タンパクであり、グルテニンに対応する。小麦貯蔵タンパクは
全種子タンパクの80%までを占める(カサルダ(Kasarda)、 D、D
、、等、八dv、Cer。
の形成において、従ってパンの品位において重要であると考えられている。イン
ビトロ実験から、種子貯蔵タンパクの溶解度は還元すると増大することが明らか
にされている(シューリ−(Shewry)、 P、R,、等、 Adv、 C
er、 Sci、 Tech、、 1985゜7、 PP、 l−83)。しか
しながら、以前グルテニンおよびグリアジンの還元はドウの品位を改善するとい
うよりも寧ろ低下すると考えられていた(ダール(Dahle)、 L、に、9
等、 Cereal Chea、1966、43. pp、 682−688)
。このことは、恐らく化学的還元剤による非−特異的還元が該ドウの脆弱化を生
じたものと考えられる。
「直捏(Sけaight Dough)Jおよび「予備−醗酵(Pre−Fe+
v+ent)J法が、ドウおよび後のイースト膨化パン製品の製造用の主な2つ
の公知法である。
該直捏法に関連して、粉、水または他の液体および他のドウ成分、例えばイース
ト、穀粒、食塩、ショートニング、砂糖、イースト栄養分、ドウ調質剤および保
存剤(但し、これらに制限されない)の全てをブレンドして、ドウを形成し、部
分的または完全な熟成にまで混合する。この生成したドウを、特定の方法または
所定の最終製品の緒特性に応じて一定時間醗酵させることができる。
この方法の次工程では、焼き、冷却し、かつ裁断した後の所定の正味の重量を達
成するのに十分な重量の適当なサイズの断片にこのドウを機械的にまたは手作業
で分割する。このドウの断片は、次にしばしば丸められ、かつ種々の長さの時間
静置(中間的焙炉)される。これは、ガス抜きおよび整形操作の前に該ドウを[
柔らか< (relax)」する。この時間は、一般的に5〜15分であるが、
特定の加工要件並びに処方物に応じてかなりの幅で変えることができる。このド
ウ断片を、次に機械的または手作業で適当な形状に整形し、更に通常は焼く前に
最終の「焙炉(proof)]に付される。このドウ断片を次に、種々の時間、
温度、およびスチーム条件下で焼いて、所定の最終製品を得る。
上記予備醗酵法においては、イーストを他の成分と配合し、種々の長さの時間に
渡り醗酵させた後に、パンまたはロールトウの最終的混合を実施する。これら系
に対するパン・菓子製造業者の用語は「ウォーターブルー(Water Bre
w)J、[リキッドファーメント(1,1quid Ferment)J、 [
リキッドスポンジ(1,iquidSponge) Jおよび[スポンジ/ドウ
(Sponge/Dough) Jなどを包含する。0〜100%の範囲の割合
の粉を、他の成分、例えば水、イースト、イースト栄養分およびドウ調質剤等(
これらに制限されない)と組み合わせ、所定の時間制御されたまたは周囲条件下
で醗酵させる。典型的な醗酵時間は1〜5時間である。この醗酵生成物はそのま
ま使用でき、あるいは冷却し、かつ後の使用のために大容量のタンクまたはこね
ばち内に保存できる。残りの成分(粉、特徴付は用成分、付随的添加物、付随的
水、等)を添加し、得られたドウを部分的または完全に熟成するまで混合する。
このドウを、次いで種々の時間醗酵させる。典型的には、幾分かの醗酵が生じた
後に、残りの成分を添加するが、これに必要とされる時間は最小限の時間(即ち
、10−20分)である。しかし、装置並びに製品の型に応じて変えることがで
きる。該第二の醗酵段階に引き続き、このドウを直捏法と同様に処理する。
ここで使用する用語「ドウ混合物(dough m1xture)Jとは、最小
限度の粉またはあら粉と液体、例えばミルクまたは水とを含む混合物を表すのに
使用する。
ここで使用する用語「ドウ(dough)Jとは、最小限度の粉またはあら粉と
液体、例えばミルクまたは水とを含む弾性のある、柔軟なタンパク網状構造をも
つ混合物を表すのに使用する。
ここで使用する用語「ドウ成分(dough ingredient)Jとは、
以下の成分、例えば粉、水または他の液体、穀粒、イースト、スポンジ、食塩、
ンヨートニング、砂糖、イースト栄養分、ドウ調質剤および保存剤を包含するが
、これらに限定されない。
ここで使用する用語「焼き製品(baked good)Jとは、あらゆる型の
パン、例えばイースト醗酵したおよび化学的に醗酵した並びに白パン、別種のパ
ン、ロールパン、マフイン、ケーキおよびクツキー、糖菓被覆製品、クラッカー
、ドーナツツおよび他のスィートペーストリー製品、パイおよびピザ皮、プレ・
ソラニル、ピータ−および他のフラットブレッド、トルテイーヤ、パスタ製品、
および冷凍および冷蔵ドウ製品を包含するが、これらに限定されない。
チオレドキシンは粉中のアルブミンを還元するが、チオールレドックスタジノく
りはグルテニンおよびグリアジン並びに池の水不溶性の貯蔵タンA9を還元する
のに使用されておらず、またドウ並びに焼き製品の性能の改善にも使用されてい
ない。チオールレドックスタンパクも、グルテンの性能を改善し、結果としてそ
の価値を高めるのにも、また栽培穀類、例えばオオムギ、コーン、モロコシ、エ
ンバク、キビおよびコメなどから、あるいは大豆粉からドウを調製するのにも使
用されていない。
多くの穀類種子も異種起源の酵素の阻害剤として機能することが明らかにされて
いるタンパクを含有する。これらの酵素阻害剤はある種の有害な微生物に対する
防禦を果たし得ることが示唆されている(ガルシアーオルメト(Garcia−
01medo)。
Fll等、オックスフォードサーベイズオブプラントモレキュラー&セルバイオ
ロジー(Oxford 5urveys of Plant Mo1ecula
r and Ce1l Biology)、+987.4. 垂吹B
593−626)。2種のこのような型の酵素阻害剤はアミラーゼ阻害剤および
トリプシン阻害剤である。更に、オオムギタンパク阻害剤(本研究においてはテ
ストしなかった)が同一の起源を由来とするα−アミラーゼを阻害することを示
す証拠がある(ウェスレーク(Weselake)、 R,J、、等、 Pla
nt Physiol、、 1983.72. pp。
809−812)。不幸なことに、この阻害性タンパクは、幾つかの食品製品中
で、しばしば望ましからぬ作用を生ずる。大豆中のトリプシン阻害剤、特にクニ
ツツ(Kuni tz) トリプシン阻害剤(KTI)およびボウマン−パーク
(Bowman−Birk) トリプシン阻害剤(BBTI)を、先ず不活性化
した後に初めて、あらゆる大豆製品はヒトまたは家畜による消化が可能となる。
これら2種の阻害性タンパクが、水素化ホウ素ナトリウムにより化学的に還元し
た場合に、トリプシン阻害剤として不活性となることは公知である(パーク(B
irk)、 Y、、 l吐J、 Peptide Protein Res、。
+985.25.9p、+13−131およびパーク、 Y、、 Meth、
Enzymol、、 +976、45. pp。
695−739)。プロテアーゼを阻害する他のタンパクと同様に、これらの阻
害剤は分子内ジスルフィドを含み、また通常は熱およびタンパク分解による不活
性化に対して安定である(パークの上記文献(+976)、ガルシアーオルメト
等の上記文献(1987)およびライアン(Ryan)(1980))。一般に
、これらの阻害剤により生ずる悪影響を最小化するために、動物並びにヒト食品
製品中のこれらの大豆トリプシン阻害剤および他のトリプシン阻害剤は、該食品
を高温に暴露することにより処理されている。しかし、この熱処理は阻害剤活性
を十分に排除しない。更に、この方法は経費が掛かるばかりが、重要な栄養価値
のある他のタンパクの多くを分解してしまう。例えば、120℃での30分の処
理であっても、大豆粉のBBTIの完全な不活性化に導き、約20%の元のKT
I活性が残されるに過ぎない(フリートマン(Friedman)等、 199
1)。阻害剤の完全な不活性化に必要とされるより長いかつより高温の処理はシ
スチン、アルギニンおよびリジン等のアミノ酸の分解をもたらす(カニr−(C
hae)等、 +984.スクレープ&クログダール(Skrede and
Krogdahl)。
198!5)。
α−アミラーゼ活性を必要とする数種の工業的方法がある。その1例は活性α−
アミラーゼを必要とするオオムギからの麦芽製造である。阻害剤、例えばオオム
ギのアミラーゼ/ズブチリシン(asi)阻害剤および他の穀類中のその等偽物
のチオールレドキジンタンパク還元による不活性化は、現在の方法によるよりも
迅速にα−アミラーゼを十分に活性化でき、結果として麦芽製造または類似の方
法に・たする時間を短縮できる。
1寸”−ルレドックスタンパクも、トリプシンまたはアミラーゼ阻害剤タンパク
を不活ヤ1化するのに従来使用されてはいなかった。トリプシン阻害剤、例えば
クニックおJ、びボウマン−パーク阻害剤の還元は、その阻害作用を低下する(
バーク(Rirk)、 Y、、Int、 J、 I’Pptide Prote
in Res、、 1985.25. pp、 113−131j。ヒト
または家畜が/rl費するための大豆製品中の該阻害剤のチオールレドックスに
関連1、た還元は鴫を必要としないか、あるいは現在タンパクの変性に必要とさ
れるよりも低いMlを必要とするにすぎず、結果として変性のコストを下げ、カ
リ大豆タンパクの品位を改善する。また、生理的還元剤、即ち所謂クリーンな添
加剤(即ち、[有害な化学薬品]と考えられる成分を含まない添加剤)が強く望
まれている。というのは、食品工業か化学的添加剤の代替品を探しめているから
である。更に、生理的な還元剤、例えばチオールレドックスタンパクによる制御
された様式で、粉の品位を改善する主要な小麦および種子貯蔵タンパクを選択的
に還元する能力が製パン・製菓工業において、小麦およびライムギから作成した
ドウの特性改善、並びに他の穀粒由来の粉、例えば穀類粉がらまたはキャラサバ
もしくは大豆粉からドウを作成するのに有用である。
油−貯蔵性種子、例えばヒマおよびブラジルナツツ(Brazil nut)等
に特徴的な2Sアルブミンタンパク群(クライス(Kreis)等、 1989
; ニール&ファング(Youleand Huang)、 1981.) (
これらは種子胚乳または子葉中のプロティンボディー内に収容されている(アシ
ュトン(Ashton)、等、 1976;ウェーバ−(Weber)、等、
1980))は、典型的には2個の分子間ジスルフィド結合により結合された異
種のサブユニットからなり、該サブユニットの一方は7〜9 kDaであり、他
方は3〜4 kDaである。この大きなサブユニットは2個の分子内ジスルフィ
ド結合を含み、一方で小さなサブユニットはこれを含まない。該25大サブユニ
ツトの分子内ジスルフィドは大豆のボウマン−パーク阻害剤のものとの類似性を
示す(クライス(Kreis)等、 1989)が、2Sタンパクが生理的条件
下で還元を行う能力に関しては何も知られていない。
これらの23アルブミンタンパクはメチオニンに富んでいる。最近、ブラジルナ
ツツの23タンパクを生成する、トランスジェニックな大豆が開発された。この
ような大豆中の23タンパクの還元は、メチオニンに富んだ大豆扮装のパン中に
形成されるドウの網状構造への該大豆タンパクの組み込み性を高めることを可能
とした。更に、これらの28タンパクはしばしばアレルゲンである。この2Sタ
ンパクの還元はそのアレルギー活性の抑止をもたらすであろう。
プルラナーゼ(「脱分枝酵素(debranching enzy+ne)J)
は、加水分解を通してα−1,6結合を開裂することにより、穀類種子の胚乳の
澱粉を分解する酵素である。
プルラナーゼは醸成並びにベーキング工業にとっての基本的な酵素である。プル
ラナーゼは麦芽製造および砂糖または他の炭水化物の添加なしに実施される幾つ
かのベーキング手順において澱粉を分解するのに必要とされる。十分なプルラナ
ーゼ活性を得ることが、特に麦芽製造工業における問題である。幾つかの場合に
おいて、ジチオスレイトール(DTT:チオレドキシン用の化学的還元剤)が穀
類調製物(例えば、オオムギ、エンバクおよびコメ粉)のプルラナーゼを活性化
することが知られている。生理的に許容されるシステムで、プルラナーゼを十分
に活性化するもしくはその活性を高める方法はより迅速な麦芽製造法を与え、か
つ高い砂糖の許容性のために、アルコール飲料、例えば高いアルコール含量を有
するビールの製造を可能とする。
ヘビに噛まれることにより生ずる死および永続的な傷害が多くのアフリカ、アジ
アおよび南米諸国において重大な問題となっており、また米国の幾つかの南部お
よび西部領域でも大きな問題となっている。ヘビの毒液は活性なタンパク成分(
一般には数種)により特徴付けられ、該成分は分子間(路内)シスチン内におよ
び幾つかの場合における分子間(踏量)シスチン内に位置するジスルフィド(S
−S>架橋を含む。与えられた毒素群内のシスチンの位置は高度に保存性である
。
毒性に関する分子内S−8基の重要性は、これら基の還元がマウスにおける毒性
の喪失に導くことを示した報告から明らかである(ヤング(Yang)、 C,
C,、Biochetからの神経伝達物質の遊離を変更するタンパクであり、か
つシナプス前部またはシナプス後部作用性であり得る。ヘビ毒液神経毒に冒され
た個体に見られる共通の症状は長期に渡る壊死および該個体の一般的な衰弱等に
加えて、膨張、浮腫および苦痛、失神または目眩、冒された部分の刺痛または麻
痺、産学、筋肉収縮、腎障害なとを含む。
ノナジス前部神経毒素は2群に分類される。その第一の群、即ちβ−神経毒素は
3種の異なる組のタンパクを含み、その各々は高度の保存性を示すホスホリパー
ゼA2活性を有する。ホスホリパーゼA2活性に応答し得るタンパクは6〜7個
のジスルフィド架橋をもつ。このβ−神経毒素に属するものは単一の鎖(例えば
、コードトキノン(caudotoxin)、ノテキシン(notextn)お
よびマムシ毒素)または多重鎖(例えば、クロトキシン、セルレオトキシン(c
eruleoloxin)およびクサリヘビ(Vipcra) )キノン)の何
れかである。2個のサブユニットからなるβ−ブンガロトキンジンβ−bung
arotoxin)は第三の組を構成する。これらサブユニットの1つは哺乳動
物膵臓由来の該クニソッー型のプロティナーゼ阻害剤と同類である。
多重鎖β−神経毒素はイオン的に結合したタンパク成分を有し、一方でβ−ブン
ガロトキシンの2個のサブユニットは分子間ジスルフィド結合により共有結合的
に結合している。これも哺乳動物膵臓由来の該クニノッー型のプロテイナーゼ阻
害剤と同類である、β−ブンガロトキシンのB鎖すブユニットは3個のジスルフ
ィド結合を有する。
促進性の(facilHajory)神経毒素である第二のシナプス前部毒素群
は酵素活性が欠損しており、また2個の亜群をもつ。その第一の亜群、即ちデン
ドロトキシン(dendrotoxins)は、57〜60個のアミノ酸をもつ
単一のポリペプチド配列を有し、これは哺乳動物膵臓由来の該クニツッー型のト
リプシン阻害剤と同類であり、電圧−感受性のカリウムチャンネルを遮断する。
第二の亜群、例えばファシクリン(fascicul 1ns)(ファシクリン
1および2)は、ヨリンエステラーゼ阻害剤であり、これ以上は深く研究されて
いない。
シナプス後部神経毒素は長いまたは短い神経毒素の何れかに分類される。各型は
S−3基を含有するが、そのペプチドは固有のものであって、ホスホリパーゼA
。
またはクニックまたはクニッッー型の阻害性タンパクとは類似しない。この短い
神経毒素(例えば、エラブトキシンaおよびエラブトキシンb)は、アミノ酸残
基60〜62個に対応する長さをもち、また4個の分子内ジスルフィド結合を有
する。
該長い神経毒素(例えば、α−ブンガロトキシンおよびα−コブラドキシン)は
65〜74個のアミノ酸残基と、5個の分子内ジスルフィド結合を有する。もう
一つの型の毒素、即ち細胞毒素はシナプス後部作用性であるが、その毒性作用様
式は明確に定義されていない。これらの細胞毒素は曖昧な薬理作用、例えば溶血
、細胞溶解および筋減極を示す。これらは神経毒素よりも低毒性である。細胞毒
素は。
通常60個のアミノ酸残基と4個の分子内ジスルフィド結合とを有する。ヘビ毒
液の神経毒素は全て多数の分子内ジスルフィド結合を有する。
各個体における緊急処置後に行われる、有毒のヘビによる咬創の治療に使用され
る一般の抗ヘビ毒血清はウマ中で調製された抗毒素の静脈内注射を含む。有毒動
物性中毒症後の如何なる時間にこの抗ヘビ毒血清を投与でき、またこれが有効で
あり得るかどうかは未知であるが、その使用は24時間後までとすることを推奨
する。抗ヘビ毒血清治療後には、一般に血漿、アルブミン、血小板または特定の
凝血因子等の液体の静脈内投与が行われる。更に、維持薬品、例えば抗生物質、
抗ヒスタミン剤、抗テタヌス剤、鎮痛剤および鎮静剤等もしばしば投与される。
幾つかの場合には、ショック、腎障害および呼吸障害を最小化するために一般的
な治療手段が採用される。咬創部近傍へのカル7ウム−11:DTAの投与およ
び創傷部分の切除以外にも、未知の毒素中和および血流中への毒素の取り込みの
防止をもたらす局所的な治療手段がある。これらの局所治療の意味は疑わしく、
また通常はウマ血清に対する個々の感受性を無効にしてしまう(ラッセル(Ru
ssel)、 F、R,。
ヘビ毒液の毒性(Snake Venom Poisoning)、 1983
. tffffレグレートネックコラムインターナンgナル社(Schollu
o+ International、Inc、))。
用語[個体(individual)Jとは、本明細書では動物およびヒトを意
味するものと定義する。
一般に使用されている抗ヘビ毒血清は、ウマ血清に敏感な患者におけるアレルギ
ー反応(患者の5%まで)に加えて、有害な副作用を生ずる可能性がある点で問
題がある。非アレルギー性反応は発熱性ショックおよび補体の枯渇を包含する(
チップール(Chippaur)、 J、−P、、等、爬虫類毒液および毒素(
Reptile Venomsand Toxins)、 1991. pp、
529−555. A、T、チュー(Tu)編、マルセルデッ力−社(Mar
cel Dekker、 Inc、))。
NAD円(およびチオレドキジンリダクターゼの存在下においてチオレドキシン
はインビトロでバクテリア神経毒素テタヌスおよびボッリヌム(boLul i
num)Aを還元する(ンアボ(Schiavo)、 G、等、感染および免疫
(!nfection and 1munity)。
路間ジスルフィド結合の還元において有効であり、かっこのような還元されたテ
タヌス毒素は最早神経毒性ではなかった(シアボ等の」二記文献)。しかし、ボ
ッリヌムA毒素の路間ジスルフィドのチオレドキシンによる還元はより一層緩慢
であると報告された(キストナー等の上記文献)。本発明において研究されたヘ
ビの神経毒素とは対照的に、テタヌスの研究グループ(ノアボ等の上記文献)は
、テタヌス毒素を使用して実施した研究において、還元されたチオレドキシンが
毒素の路内ジスルフィド結合を還元する何の証拠も見出せなかった。また、チオ
レドキシンがボツリヌムΔについて実施した研究において、路内ジスルフィドを
還元したという証拠も見られなかった。テタヌスおよびポッリヌムA毒素は、後
者が(1)低分子量を有し、(2)分子内ジスルフィド結合に富み、(3)トリ
プシンおよび池の動物プロテアーゼに対して抵抗性であり、(4)酵素的な変性
なしに活性であり、(5)多くの場合において、動物タンパク、例えばホスホリ
パーゼA、およびクニソツー型のプロテアーゼとの類似性を示し、(6)多くの
場合において、分子間ジスルフィド結合が不足し、かつ(7)熱およびプロテア
ーゼ等の薬品に対して安定である点でヘビの神経毒素とは有意に異なるタンパク
である。
1%β−メルカプトエタノールと共に6時間インキュベートし、8Mの尿素およ
び30伽剥のβ−メルカプトエタノールと共にインキュベートすることによる、
インビボでのヘビ毒素の還元による不活性化が文献に報告されている(ハヮード
生理的条件からかなりかけ離れている。毒素タンパクに関連して本発明で定義す
る用語[不活性化(inactivation)Jとは、該毒素がレセプタに結
合できない点で、インビボにて最早生物学的活性をもたないことを意味する。ま
た、本発明で使用する用語「解毒(detoxification)」とは、該
用語「不活性化Jの拡張であり、動物毒性試験による測定に基づいて、該毒素が
個体内で中和されていることを意味する。
ハチ毒液は少なくとも40種の成分を含む複雑な混合物であり、主成分としてメ
リチンおよびホスホリパーゼA2(それぞれ該毒液全重量の50%および12%
を構成する)を含み、また微量成分として、例えば小さなタンパクおよびペプチ
ド、酵素、アミンおよびアミノ酸を含む。
メリチンは26個のアミノ酸残基を含む、分子量2840のポリペプチドである
。これはジスルフィド架橋を含まない。脂質−水の相聞(interphase
)に対する高いアフィニティーのために、このタンパクは細胞膜のリン脂質二重
層を透過し、そこに組み込まれた構造で分布する。メリチンそれ自体は毒素では
ないが、これは膜の構造を変え、結果としてホスホリパーゼA2、該毒液中に存
在する主な成分並びに主なアレルゲンの加水分解活性を高める。
ハチ毒液のホスホリパーゼA2は128個のアミノ酸残基をもつ単一のポリペプ
チド鎖であり、4個のジスルフィド架橋により架橋され、かつ炭水化物を含有す
る。
このハチ毒液の主な毒性作用はメリチンとの関連で達成されたホスホリパーゼA
Iの強力な加水分解活性によるものである。
ハチ毒液中の他の毒性タンパクは低分子量をもち、かつ構造上重要な役割を演す
ると考えられる少なくとも2個のジスルフィド架橋を含む。更に、プロテアーゼ
阻害剤(63−65個のアミノ酸)、MCDまたは401−ペプチド(22個の
アミノ酸)およびアパミン(apami口)(18個のアミノ酸)をも包含する
。
ハチの種類は数千あるが、ミツバチ即ちアピスメリフエラ(八pis mell
ifera)のみがアレルギー反応の重大な原因となる。これに対する応答は、
局所的不快感から全身的反応、例えばショック、低血圧、呼吸困難、意識喪失、
喘鳴および/または胸部狭窄(死に至る可能性がある)にまで及ぶ。これらの症
例において使用されている唯一の治療はエピネフリンの注射である。
ハチ剥削の治療は、アレルギー反応をもつ個体に対してのみ重要である訳ではな
い。ミツバチの1変種である[キラー(killer)Jまたはアフリカ型のハ
チは、欧州型のミツバチより一層攻撃的であり、南部および北部アメリカ両者に
おいて危険性のあるものである。該アフリカ型のハチおよび欧州型のハチ由来の
毒液の致死性は同一であると考えられる(シューメイカー(Schumache
r)、 M、 l。等。
Najur已 1989.337. l)、 413)が、群の行動パターンは
完全に異なる。アフリカ型のハチはより迅速に、より多数でコロニーの妨害に対
して応答し、またより一層激しい剥削を与える(コリンズ(Coffins)、
A、!IL 等、 5cience、 1982.218. pp。
72−74)。アフリカ型ハチの集団攻撃は個体に数千の剥削を与え、死をもた
らす可能性がある。この「キラー」 ミツバチはアフリカ型ハチ(アビスメリフ
エラスクテラータ(Apis mellirera 5cutellata)と
欧州型のハチ(アピスメリフエラメリフエラ(Apis +nellifera
mellifera)との間の交雑により生したものと考えられる。
アフリカ型のハチは、蜂蜜生産を改良してより熱帯的に適したハチとすべく、1
956年にブラジルに導入された。アフリカ型のハチは南部アメリカから北部ア
メリカに移動しつつあり、テキサスおよびフロリダで報告されている。
世界の幾つかの領域、例えばメキンコ、ブラジル、化アフリカおよび中東におい
ては、サソリがヒトの生命の危険をもたらしている。しかし、ブチダニ(Bul
hidae)科(アンドロクトヌス(Androctonus) 、ブタス(B
uthus)、セントルロイデス(Cenlruroides)、レイウルス(
Leiurus)およびチテユス(Tityus)属)のサソリのみがヒトに対
して毒性をもつ。サソリの毒液の化学的組成はヘビまたはハチの毒液程には複雑
ではない。サソリの毒液はムコ多糖類、少量のヒアルロニダーゼおよびホスホリ
パーゼ、低分子量分子、プロテアーゼ阻害物質、ヒスタミン遊離物質および神経
毒素、例えばセロトニンを含む。該神経毒素は神経筋接合部における電位−感受
性イオンチャンネルに影響を与える。該神経毒素は3〜4個のジスルフィド架橋
をもつ塩基性ポリペプチドであり、また2つの群に分類できる。その一つは61
〜70個のアミノ酸残基をもつペプチドであって、ナトリウムチャンネルを遮断
する。他方のペプチドは36〜39個のアミノ酸残基を含み、カリウムチャンネ
ルを遮断する。非生理的還元剤、例えばDTrまたはβ−メルカプトエタノール
による、該神経毒素上のジスルフィド架橋の還元(ワット(Watt)、 D、
D。
等、 Toxicon、 +972.10. pp、 +73(81)は、その
毒性の喪失に導く。
有毒のサソリに刺された動物の症状は興奮過多、呼吸困難、産学、麻痺および死
を包含する。現時点においては、サソリによる剥削に対する唯一の解毒剤は抗ヘ
ビ毒素である。該毒液の入手性が抗ヘビ毒素の生産における主な問題である。
ヘビの毒液とは異なり、サソリの毒液は収集が極めて困難である。というのは、
検体当たりの毒液の収量が制限されており、かつ幾つかの場合には乾燥した毒液
の保存はその毒性の変化を生じてしまう。抗ヘビ毒素の製造における付随的な問
題は抗原の存在が極めて乏しいことである。
ヘビ、ハチおよびサソリの毒素の生理的条件下での還元による不活性カリウムは
これまで報告されておらず、またチオールレドックス試薬、例えば還元されたリ
ポ酸、DTr、または還元されたヂオレドキノンが、個体内におけるこれら毒液
に対する解毒剤として機能し得ることもこれまでに示唆されていない。
発明の概要
本発明の一つの目的は、非チオニン型シスチン含有タンパクの還元法を提供する
ことにある。
本発明の第二の目的は、チオールレドックスタンパクのみを、あるいは還元剤ま
たは還元系との組み合わせを使用して、粉または種子中に存在するグルテニンま
たはグリアジンを還元する方法を提供することにある。
本発明の更なる目的は、チオールレドックスタンパクのみを、あるいは還元剤ま
たは還元系との組み合わせを使用して、ドウ強度および焼き製品の緒特性、例え
ば良好なりラムス品位、該焼き製品の柔軟性および高いパン塊の体積等を改良す
る方法を提供することにある。
本発明の目的は、また上記方法を実施するのに有用なチオールレドックスタンパ
クを含む処方物を提供することにある。
更に別の本発明の目的は、コメ、コーン、大豆、オオムギ、エンバク、キャラサ
バ、モロコシまたはキビ粉からドウを製造する方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、改良されたグルテンを調製する方法または小麦およびラ
イムギ以外の穀粒からグルテン一様の製品を調製する方法を提供することにある
。
本発明は、またジスルフィド結合を有する酵素阻害性タンパクを還元する方法を
提供することも目的とする。
更に、本発明はチオレドキシンを発現または超発現(overexpress)
するように遺伝子操作された酵母細胞を提供することをも目的とする。
本発明の池の目的は、NADP−チオレドキシンリダクターゼを発現または超発
現するように遺伝子操作された酵母細胞を提供することにある。
また、本発明の目的は上記の遺伝子操作された酵母細胞を使用して、ドウまたは
焼き製品の品位を改良する方法を提供することにある。
更に別の本発明の目的は、1以上の分子内シスチンを含有する非−チオニン、非
葉緑体タンパクの分子内ジスルフィド結合を還元する方法を提供することにあり
、該方法は該シスチン含有タンパクを含む液体または物質にチオールレドックス
タンパクを添加し、該チオールレドックスタンパクを還元し、かつ該シスチン含
有タンパクを該チオールレドックスタンパクにより還元する工程を含む。
本発明の他の[コ的は、ジスルフィド結合を有し、かつ8〜15kDaの分子量
をもつ単離プルラナーゼ阻害性タンパクを提供することにある。
本発明の目的は、更にオオムギまたは小麦の胚乳由来のプルラナーゼの活性を高
める方法を提供することにあり、該方法は該プルラナーゼを含有する液体または
物質にチオレドキシンを添加し、該チオレドキシンを還元し、結果として該プル
ラナーゼ活性を高める工程を含む。
更に別の本発明の目的は、1以上の分子内シスチンを含有する動物毒液毒素タン
パクを還元する方法を提供することにあり、該方法は該シスチン含有タンパクと
該タンパクを還元するのに有効なチオールレドックス(SH)試薬の一定量とを
接触せしめ、該1種以上の分子内シスチンの1種以上のジスルフィド架橋を還元
するのに十分な時間この接触状態を維持して、該神経毒素タンパクを還元する工
程を含む。該チオールレドックス(Sl+)試薬は還元されたチオレドキシン、
チオレドキシンの存在下での還元されたリボ酸、DOTまたはチオレドキシンの
存在下でのDTrであり得、また該ヘビ神経毒素はシナプス前部またはシナプス
後部神経毒素であり得る。
また、本発明はヘビ神経毒素タンパクとチオールレドックス(SH)試薬とを含
有する組成物を提供することをも目的とする。
更に別の本発明の目的は、1種以上の分子内シスチンを含有する動物毒液毒素タ
ンパクを還元する方法を提供することにあり、該方法は該タンパクと、このタン
パクを還元するのに有効な一定量のNADP−チオレドキシンリダクターゼ、N
ADPHまたはNADPH発生系およびチオレドキシンとを接触せしめ、該1種
以上の分子内シスチンの1種以上のジスルフィド架橋を還元するのに十分な時間
この接触状態を維持して、該タンパクを還元する工程を含む。
本発明は、更に1種以上の分子内シスチンをもつヘビ神経毒素を、インビトロで
不活性化する方法を提供することにあり、該方法は該毒素を含む液体にチオール
レドックス(SH)試薬を添加する工程を含み、ここで該試薬の量は該毒素を還
元するのに十分な量である。
本発明は、更に個体内の毒液の毒性を処理する方法を提供することにあり、該方
法は毒物の毒性に冒された個体に、該毒物の毒性を減少もしくは軽減するのに有
効な量のチオールレドックス(SH)試薬を投与する工程を含む。
本発明の目的に従えば、本発明の方法はドウの緒特性を改良するために提供され
、ドウ成分とチオールレドックスタンパクとを混合して、ドウを形成する工程と
、該ドウを焼く工程とを含む。
同様に、本発明の目的に従えば、本発明の一方法は穀粒食品製品中の酵素阻害性
タンパクを不活性化するために提供され、該方法はチオールレドックスタンパク
と種子製品とを混合する工程と、還元剤または還元剤系により該チオールレドッ
クスタンパクを還元する工程と、該酵素阻害物質を該還元されたチオールレドッ
クスタンパクにより還元する工程とを含み、該酵素阻害物質の還元が該酵素阻害
物質を不活性化する。
本発明で使用する該チオールレドックスタンパクはチオレドキシンおよびゲルタ
レトキシンを包含する。該チオレドキシンはE、コリ(t!、 coli)チオ
レドキシン、チオレドキシンh、fおよびm並びに動物由来のチオレドキシンを
包含するがこれらに制限されない。本発明で使用するチオレドキシンの還元剤は
リボ酸または還元系、例えばNADPチオレドキシンリダクターゼ(NTR)と
組み合わせたNADPHを含むことができる。ゲルタレトキシンの還元剤は還元
されたグルタチオンと、該還元系NADPHおよびグルタチオンリダクターゼと
の組み合わせを含むことができる。NADPHはNAD円1円虫発生剤はNAD
PI+発生組成物、例えばグルコース6−ホスフz−トと、NADPと、酵母等
を由来とするグルコース6−ホスフェートデヒドロゲナーゼとを含むものなどで
代用することもできる。該NADPH発生剤は、ドウ調製工程の開始時点で、チ
オし・ドキ/ンおよびNADPチオレドキシンリダクターゼと共に添加できる。
本発明は、またンステイン含有タンパクを使用して実施できることに注意すべき
である。ンステインは先ず酸化され、次いでチオールレドックスタンパクを通し
で還元される。
発明の詳細な説明
この詳細な説明においては、以下の定義並びに略号を使用する。
CM: 幾つかのパン小麦のα−アミラーゼ阻害剤DSG・ マカロニ小麦から
単離した幾つかのα−アミラーゼ阻害剤DTNB : 2’ 、 5°−ジチオ
ビス(2−ニトロ安息香酸)NTR: NADP−チオレドキジンリダクダーゼ
m日叶: モノブロモビマン(+nonobromobi@ane)NADP−
MDH: NADP−マレートデヒドロゲナーゼFBPase : フルクトー
ス−1,6−ビスホスファターゼSO3・ ドデシル硫酸ナトリウム
DTT: ジチオスレイトール
穀類 キビ、小麦、エンバク、オオムギ、コメ、モロコシまたはライムギBBT
I ボウマン−パーク大豆トリブジン阻害剤KTI: クニノツ大豆トリブ/ン
阻害剤PAGE: ポリアクリルアミドゲル電気泳動TCAトリクロロ酢酸
酵素阻害性タンパク実験
CV、モンデュール(Mondur))の種子を実験室ストックから得た。
試薬
酵素アッセイおよびドデンル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動用の化学薬品および精薬品は、それぞれシグマ化学社(Sigma
Chemical Co、)およびバイオラドラボラトリーズ(BioRad
Laboratories)から入手した。モノブロモビマン(mBBr;商標
チオライト(Thiolite))はカルビオケム(Calbiochem)か
ら入手した。他の化学薬品は市場から入手したものであり、手に入る最高の等級
のものであった。
酵素
E、コリからのNTRおよびチオレドキシンはアメリカンダイアグノスティック
ス社(American Diagnostics)から入手し、また各タンパ
クを超発現(overexpress)するように形質転換された細胞から単離
した。チオレドキシン分泌株を含有する組み換えプラスミドルF円は親切にもD
r、 、1.−P、ジャコート(JacquolXドウラモッテーゲリ−(de
la Mo1.1e−Guery)、F、等、 Eur、 J、 Bioch
ea、 1991. 196. pp、 Q87
294)から提供された。NTR株を含有する組み換えプラスミドpr’MR2
1はDR,マージヨリ−ルーセル(Mariorie Ru5sel)およびD
R,ベーターモデル(Peter Model)(ルーセル(Russel)、
M等、 、1.8io1. Chea、 +988.263. pp、 90
15−9019)により提供された。これらタンパクを単離するのに使用した手
順は以下の変更を行って実施したこれらの研究に記載されたように実施した。即
ち、細胞はラビー(Rabi)細胞分画装置を使用して、25.000ps i
にて破壊し、またNTRはフロジンチオ(Florencio)等(フロジンチ
オF、 J、等、 Arch、 BiochelTLBiophys、、 19
88.266゜pp、 496−507)に記載のように精製したが、レッドア
ガロース工程は省略した。サッカロマイセスセレビシアエ(Saccharom
yces cerevisiae) (ベーカーズイーストタイブl)からのm
およびチオレドキシンは、以下の変更を行って、ホウレンソウの葉に関連するフ
ロジンチオ等の開発した方法によって単離した。即ち、懸濁細胞(1部の細胞=
5部のバッファー(冑/V))を、ラビー細胞分画装置に3回、40、000p
siにて通すことにより破壊した。
チオレドキシンhおよびNTRはホウレンソウの葉について開発された手順(フ
ロジンチオF、 J、等、Arch、 Biocheu Biophys、、
1988.266、 pp、 496−507)に記載されている)に従って小
麦胚から単離した。NADP−マレートデヒドロゲナーゼ(NADP−MDI)
およびフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ(FBPage)はコーンの
葉から(ジャコート(Jacquot)ねJ、−P、等、 Plant Phy
siol、、 1981.68. pp、 300−304)およびホウレンソ
ウ(クローフォード(Crawford)、 N、ん等、 Arch、 Bio
cheILBiophys、、 1989.271. pp、 223−239
)からそれぞれ精製した。E、コリゲルタレトキシンおよびウシ胸腺チオレドキ
シンはプロフェッザーA、ホルムグレン(l(olilgren)から入手した
。
α−アミラーゼおよびトリプジン阻害剤CM−1タンパクは前に記載されたよう
に(コブレール(にobrehel)、 K、等、 CerealChem、、
1991.68. pp、 1−6)、パン小麦のアルブミン−グロブリン画
分から単離した。また、マカロニ小麦のグルテニン画分からのDSGタンパク(
DSG−I DSG−2)の単離のためにも、公開された手順(コブレール(K
obrehel)、 K、等、 J、 Sci。
Food Agric、、 +989.48. pp、 441−452)が利
用できた。これらのCM−1,DSG−1およびDSG−2タンパクは5DS−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動において相同であった。トリプシン阻害剤は、
コーン穀粒から得たもの(これはフル力(Fluca)から入手)を除き、シグ
マケミカル社から入手した。全ての場合において、市販の調製品は、5DS−P
AGE (クーマシーブルー染色)において予想されるように泳動する単一のタ
ンパク成分を示したが、幾つかの調製品においては該バンドはシャープではなか
った。
他のタンパク
パン小麦からのビューロチオニンα、マカロニ小麦からのビューロチオニンα−
1およびβは親切にもDr、 D、D、カサルダ(Kasarda)および叶、
B、L、ジョーンズ(Jones)からそれぞれ提供された。ビューロチオニン
αサンプルは、5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で調べた場合に、ビュ
ーロチオニン科の2種の成分を含んでいた。ビューロチオニンα−1およびβサ
ンプルは両者共にSO3−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において均質であっ
た。
NADP−MDILFBr’ase、 NTRおよびチオレドキシンhアッセイ
法は、フロジンチオ(Florencio) F、J、等、 Arch、 Bi
ochet Biophys、、 1988.266、 pp、 496−50
Vに記
載の方法を記載されるように幾分か変更して実施した。酵素活性化アッセイにつ
いて、予備インキュベーション時間は、特に述べない限り20分てあった。
w+BBr蛍光標識および5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動分析研究中
のタンパクの直接的な還元は、クローフォード(Crawford)、 N、A
、等。
Arch、 Riochea Biophys、、 1989.27+、 pp
、 223−239の方法の改良法により測定した。この反応は、最終体積0.
1 ml中に110ff1のEDTAと16%のグリセロールとを含むp+47
. Iの100蘭燐酸カリウムバツフアー中で実施した。上記の如く、0.7部
1g(0,l u M)tvTRおよび11zg(0,8μM)のチオレドキシ
ン(何れも型通りにE、コリから調製)を、+111MのNADI”+1および
10μg(2−17μM)のターゲットタンパクを含む70IIIの該パンファ
ー溶液に添加した。チオレドキシンをジチオスレイトール(DTr; 0.5m
1J)により還元し、NADPIIおよびNTRは省略した。還元されたグルタ
チオンを使用したアッセイも同様に実施したが、最終濃度は1mMとした。20
分間のインキュベートの後、100 nMのm8叶を添加し、該反応を更に15
分間継続した。この反応を停止し、かつ過剰のmBBrの誘導体とするために、
10μlの10%SDSおよび10μmの100−β−メルカプトエタノールを
添加し、次いてこれらサンプルをゲルに適用した。ゲルタレトキシンによる還元
の場合には、チオレドキシンおよびNTRの代わりに、lμg(0,8μM)の
E、コリ由来のゲルタレトキシン、1.4μg(0,14μM)のホウレンソウ
の葉から精製したグルタチオンリダクターゼ(フロジンチオ(Florenci
o) F、J、等、 Arch、 BiocheIILBiophys、、 1
98B、 266、 pp、 496−T07)およ
び1.5−のNADPllを使用した。
ゲル(17,5%(w/v) ;厚み1.5mm)を、ラエムリ(Laenml
i)に従って(ラエムリ(Laenwnli)、 U、に、、 Nature
、 1970.227. pp、 680−685)調製し、一定電流(9鵬)
下で16時間展開した。電気泳動に引き続き、ゲルを40%メタノールと10%
酢酸との溶液中に入れ、該溶液を数回交換して、4〜6時間浸漬した。次いで、
ゲルを近紫外光を使用して蛍光バンドを調べ、クローフォード(Crawror
d)等(クローフォード、N、A、等、 Arch、 Biocheu Bio
phys、、 1989.271. pp、 223−239)の方法に従って
写真撮影(露光時間25秒)した。最後に、ゲルをクーマシーブルーで染色し、
前と同様に脱染色した(クローフォード、N、^1等、 Arch、 Bioc
het Biophys、。
NADP/チオレドキシン系によるテストタンパクの還元の程度の定量的指標を
得るために、5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により観測された蛍光バ
ンドの強度を、クローフォード、N、A、等、 Arch、 BiocheWL
Biophys、、 1989.27L pp。
223−239の方法の改良法を使用して評価した。ネガ写真をファルマーシア
ウルトラスキャン(Phar潤cia Ultrascan)レーザー濃度計を
使用して走査し、ピーク下部の面積を、各タンパクについて決定された標準曲線
と比較することにより定量化した。後者の測定において、各タンパク(濃度1〜
5μg)を0.5mのDTrの存在下で100℃にて3分間加熱することにより
還元した。mBBRによる標識を上記の如〈実施した。但し、SDSにより該反
応を停止し、過剰のmBBrをβ−メルカプトエタノールとの誘導体とした後、
標準を100℃にて2分間加熱した。蛍光バンドの強度が添加したタンパクの量
に比例するので、還元は使用した条件下では完全であったと考えられた。
実施例1:α−アミラーゼ阻害剤のチオレドキシン−関連還元葉緑体酵素の活性
化における特定のチオレドキシンを交換する可能性は、与えられたタンパクのチ
オール基が可逆性レドックス変化を生ずる能力をテストする1方法を与える。ブ
ラスチド外(extraplasLidic)タンパクの場合においては生理的
ではないが、このテストは幾つかの研究において有用であることが立証されてい
る。その適例はビューロチオニンであり、これはチオレドキシンhにより還元さ
れた場合に、葉緑体のFBPageを活性化する(ワダ(Wada)、 K、等
、 FEBS Lett、。
fである)はチオレドキシンhにより影響を受けない。この例においては、シス
チンに富むタンパクのFBI’ase並びにNADP−MDHを活性化する能力
を上記の如くテストした。マカロニ小麦(DSG−1およびDSG−2)由来の
α−アミラーゼ阻害剤は酵素の活性化において有効であることが分かっているが
、これらはFBPaseではなく寧ろNADP−MDIに対して特異性を示す点
でビューロチオニンとは区別された(第1表参照)。これらのα−アミラーゼ阻
害剤は還元されたチオレドキシンhの存在下でのみ活性であり、それ自体はこれ
ら条件下でNADP−MDHを有意に活性化しなかった(第1図)。第1図に示
した如く、DSG−1およびDSG−2は、反応式(DTT−>チオレドキシン
−> DSG−>NADP−MDII)に従って、DTrて還元されたチオレド
キシンhの存在下てNADP−マレートデヒドロゲナーゼを活性化した。
第1図は、マカロニ小麦由来のDSG−1またはDSG−2阻害剤について得ら
れた結果を表す。β−METはβ−メルカプトエタノールを表す。該活性化につ
いて完全な系は200 u l (7)100 m!ffris−tlcl(p
H7,9)中に、lomM(7)DTT+ 0.7Mg ノコー:/i7)
葉山来のNADP−MDII、 0.25μgの小麦チオレドキシンhおよびI
Oltgの[1SG−1またはDSG−2を含んでいた。上記の如く、2Mのβ
−メルカプトエタノール(β−MET)をDTrと置換した。予備インキュベー
ションに引き続き、NADP−M開を分光光度法によりアッセイした。
この酵素活性化アッセイにおいて、チオレドキシンhをDTTにより還元した。
予想されるようにこれらの条件下では有意な割合でチオレドキシンを還元しない
モノチオール、例えばβ−メルカプトエタノール(β−MET) (ジャコート
(JacquoL)。
J、−P、等、 Plant Physiol、、 19B1.68. pp、
300−304;−:シザワ(Nishizawa)。
A、 N、等のメソッズインクロロプラストモレキュラーバイオロジー(Met
hod 1nChloroplast Mo1ecular Biology)
、 )t 1デルマン(Edelman)、 R,B、 ハリツク(l(al
l 1ck)およびN、−H,チュア(Chua)編、 1982. pp、
707−714.エルセピアバイオメディカルプレス(Blsevier [l
iomedical I’rcss)、 NY;およびクローフォード(Cra
wford)、 N、A、等、 Arch、 Biochea Biophys
、、 1989.271. pp、 223−23X)は
DTrと置換しなかった。
NADP−MDH活性は、一定のチオレドキシンhatにおいて、添加されたD
SG−1およびDSG−2の濃度に比例した(第2図参照)。第2図は、α−ア
ミラーゼ濃度の、上記と同様のDTT式に従ってDSG−1およびDSG−2に
よるNADP−マレートデヒドロゲナーゼの活性化に及ぼす効果を示す。DSG
−1またはDSG−2の濃度を変えたことを除き、条件は前に記載しかつ第1図
に示したものと同一であった。一定のDSG濃度でテストした場合には、NAD
P−MDIは(体3図に示した如く)チオレドキシンh濃度の増加に伴って増大
する活性を示した。チオレドキシン1】濃度を変えたことを除き、条件は上記第
1図について示したものと同一であった。
CM−1はDSGタンパクと類似するがより低い分子量をもち、また第1表に示
した如(20μgのCM−1を使用した場合には、FBPaseではなく NA
DP−MDIIを活性化した。
この結果は、チオレドキシンhが種々のα−アミラーゼ阻害剤を還元し、また順
次式4〜6に従ってNADP−MDIを活性化することを示している。これらの
タンパクは、チオレドキシンの不在下でDTTが添加された場合には酵素の活性
化について無効であった。
(4) DTr 、、、+チオレドキジンh6v−〉チオレドキシンh rod
+o’rr、。
(5)α−アミラーゼ阻害剤。、)チオレドキシンh、。、−〉α−アミラーゼ
阻害剤、□+ヂオレドキシンh at(6)α−アミラーゼ阻害剤、、、 +N
ADP−MDH0,(不活性)−〉α−アミラーゼ阻害剤。、+NADP−MD
++ 、、、(活性)第1表二葉緑体NADP−マレートデヒドロゲナーゼおよ
びフルクトースビスホスフNADP−M開の活性化は第1図と同様に実施した。
但し、DSGまたは他のテストしたタンパクの量は20μgであった。FBPa
seの活性化は1MgのE、コリ由来のチオレドキシンおよび20μgの指定さ
れたタンパクとを使用する標準的DTTアッセイによりテストした。上記の値は
、これらの条件の下で、E、コリ由来のチオレドキシンについて見られた限定さ
れた活性化に対して補正される(第1図参照)。
5tDsG−217520
ネ5DSG−114520
ICM−1125120
コ一ン穀粒 1255 0
大豆ボウマン−バーク 8 7 3 0他の型のタンパク
オボムコイド 2892 0
大豆クニノツ 2022 0
オボインヒビター 49141 0
ウソ肺(アプロチニン(Aprofinin)) 7 3 痕跡 2チオニン
uビューロチオニンーα、 641391#ビュー口チオニン−β 6 4 痕
跡 5;ビューロチオニンーα 64 0 14章 これらの(直は、それぞれ
チオレドキシンm (NADP−MDII)およびチオレドキシンfを使用して
得られた対応する値40および550と対比される。
本市:マカロニ小麦由来のもの。
工・パン小麦由来のもの。
実施例2:DTNB還元アッセイ
チオールレドックス活性に関する第二のテストは、412 r++nlこおける
吸光度の増加として測定される、スルフヒドリル試薬、2°、5°−ジチオビス
(2−二トロ安息香酸)(DTNB)の還元を触媒する能力に関するものである
。ここでアッセイされるタンパクはNTRとチオレドキシンとを介してNAD囲
により還元された。このDTNBアンセイは、マカロニ小麦(DSG川および2
)およびパン小麦(CM−1)両者からのα−アミラーゼ阻害剤に対して有効で
あることを立証した。NADP/チオレドキシン系(この場合には、E、コリか
らのチオレドキシンおよびNTRを使用した)によって還元した場合、DSG−
1または2の何れかはDTNBの還元を著しく増強した(第4図参照)。第4図
における最上部の曲線は、DSG−1または2の何れかを使用して得た結果を表
す(NADr’ll−>NTR−> チオレドキシ:/−>DSG−>DTN[
l)。コノDTNB還元アッセイは10μgのチオレドキシン、および10μg
のNTRおよび20μgのDSG−1または2を使用して実施した。CM−1も
DTNB還元ア還元上イにおいて有効であり、NADI””M開の活性化(第1
表)と同様に、検出感度の点て該DSGタンノジノよりも活性であった(第5図
参照、条件は第4図と同様であるが、該DSGタンノジノは省略し、かつ20μ
gのビューロチオニンαまたは20μgのCM−1を使用した)。かくして、こ
れらの結果は実施例1の酵素活性化実験を確証しており、また該α−アミラーゼ
阻害剤が該NADP/チオレドキシン系により生理的に還元し得ることを示した
。これらの条件の下てDTNBの還元を促進する際における該α−アミラーゼの
役割を以下の式7〜9にまとめた。
TR
(7) NADPI++チオレドキノン。、−−−>チオレドキシン、、、 +
NADP(8)チオレドキシン、6.+α−アミラーゼ阻害剤。、−−−>チ
オレドキシン。1+ α−アミラーゼ阻害剤1.6(9)α−アミラーゼ阻害剤
、、、 + DTNB、、−−−>α−アミラーゼ阻害剤。、 + DTNB
、、a実施例3:タンパク還元の測定
モノブロモビマン(+nBBr)の利用性およびその植物系での使用に対する適
合性は植物タンパクのスルフヒドリル基を測定する新たな技術を与えた(クロー
フォード(Crawford)、N、A、等、 八rch、Blochem、B
iophys、、1989. 271. pp、223−239)B
5O5−ポリアクリルアミドゲル電気泳動と組み合わせた場合に、複雑な混合物
においてさえ、レドックス活性タンパクのスルフヒドリルの状態の変化を定量す
るのにmBBrが利用できる。従って、この技術を阻害性タンパクに適用して、
チオレドキシンによるその還元能を確認した。ここで、テストしたタンパクはチ
オレドキシン(それ自体は予めDOTまたはNADPI+およびNTRにより還
元されている)により還元された。次いて、該還元されたタンパクの該mBBr
誘導体を調製し、SO3−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により他の成分か
ら分離し、その還元状態を蛍光測定により調べた。以下に記載する実験において
、R,コリ由来のチオレドキシンが該ターゲットタンパクの各々の還元において
有効であることが分かった。平行して実施した実験は、チオレドキシンhおよび
ウシ胸腺チオレドキシンが、それぞれ種子由来のおよび動物由来のタンパクを還
元することを明らかにした。
これらの酵素活性化の確認および色素還元実験において、DSG−1はチオレド
キシンの存在Fで効果的に還元された。インキュベーンジン後に、該タンパク類
はmBBrとの誘導体とされ、かつ5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動後
に蛍光により可視化された(第6図)。DTTのみでは還元の程度は低く、かつ
GSI+では有意な還元は生じなかった。チオレドキシンに対する同様な要求が
、CM−1(第7図)およびDSG−2(データは図示せず)の還元について見
られた。第6および7図において使用したチオレドキシンはE、コリ由来のもの
であったが、同様な結果が小麦チオレドキシンhによっても得られた。チオレド
キシンは、同様にDTrをNADPI+およびNTR(データは図示せず)に代
えても必要とされた。
実施例4:シスチンに富む植物トリプシン阻害剤のチオレドキシン関連還元小麦
種子の主要な可溶性のシスチンに富むタンパクは外因性のα−アミラーゼの阻害
剤として機能するが、多くの他の種子のシスチンに富むタンパクはこの活性に乏
しく、また幾つかの場合においては動物起源のトリプシンの特異的阻害剤として
機能する。これらのタンパクは強力な化学的還元剤、例えば水素化ホウ素ナトリ
ウムによって還元できる(パーク(Birk)、 Y、、 l吐J、 Pept
ide ProteinRes、、 19B5.25. I)9.113−13
1;バール(Birl)、 Y、、 Meth、 [!nzyW!To1..1
97U、45゜
pp、 695−7390)が、これらが生理的条件下で還元できるかどうかに
ついては、殆ど証拠がない。従って、トリプシン阻害剤のチオレドキシンによる
還元の可能性について該阻害剤をテストすることは興味あることであった。テス
トされた代表的なシスチンに富む阻害剤は、大豆ボウマン−パークおよびコーン
穀粒トリプシン阻害剤を包含した。これら両者における結果は正であり、各阻害
剤はDTT=還元チオレドキシンの存在下で添加された場合に、NADP−MD
I+により(FBPageではない)活性化され(第1表)、かつその各々はN
ADPH、NTRおよびチオレドキシンの存在下でI)TNBを還元した(デー
タは示さなかった)。
α−アミラーゼ阻害剤について見出されたように、該シスチンに富むトリプシン
阻害剤のチオレドキシン−依存性還元はmBBr/SO3−ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動技術により直接監視できた。かくして、DTrによる有意な還元は
、還元されたチオレドキシンの存在下でのみ、該ボウマン−パーク阻害剤(BB
TI) (第6図における、迅速に移動する高い蛍光性のバンド)およびコーン
穀粒トリプシン阻害剤(CKTI) (第7図の、チオレドキシンの背後で移動
する高い蛍光性のバンド)両者について観測された。
種子起源の7スチンに富むトリプシン阻害剤がチオレドキシンにより特異的に還
元されるという発見のために、他の型のトリプシン阻害性タンパクがこの特性を
もつか否かに関連する疑問が生した。本研究中に、数種のかかる阻害剤、即ち大
豆クニソツ、ウシ肺アプロチニン、卵白オポインヒビターおよびオボムコイドト
リプシン阻害剤をテストした。テストしたパラメータは上記のシスチンに富むタ
ンパク程には広範囲ではなかったが、他のトリプシン阻害剤もチオレドキシンに
より特異的に還元され得ることを見出した(酵素活性化およびmBBr/SO3
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動性両者により測定した)。上記のシスチンに
富むタンパクと同様に、この研究中にテストしたトリプシン阻害剤(大豆クニッ
ツおよび動物トリプシン阻害剤)はFBPaseではなく、NADP−MDIを
活性化した(第1表参照)。ウソ肺アプロチニンは、NADP−MDIよりも効
果的にFBPageを活性化する点で例外であった。アプロチニンは、シスチン
の高い含有率(約lO%)を示す点で、ここで研究した種子タンパクの幾つかと
類似する(カッセル(Kassel)、 B、等。
Biochem、 Biophys、 Res、 Con5un、、 1965
.20. pp、 463−468)。
これらタンパクの1種、即ち該クニッツ阻害剤のチオレドキシン関連還元に関す
る蛍光測定による証拠は、第7図に示されている(高い蛍光性の緩慢に移動する
バンド)。その還元型において、該クニッツ阻害剤は蛍光性の迅速に移動するバ
ンドをも生じた。この低分子量種の特性は未知である。その位置は、これが該ク
ニソツ調製品中の異物として存在するボウマン−パーク阻害剤である可能性が示
唆される(第6図参照)が、このような成分はクーマシーブルーで染色したSD
Sゲル中には見られなかった。予想された分子量の単一の蛍光バンドを生成する
該動物性阻害剤は還元に対するチオレドキシン要求性をも示した(データは示さ
ず)。
初期の結果の確認において、チオレドキシン−還元ビューロチオニンはFBPa
geを矛盾なしに活性化し、かつ初期にテストされた型のもの、ビューロチオニ
ンーαはNADP−M開を活性化しなかった(第1表)(ワダ(Wada)、
K、等、 FEBS Lett、。
198L 124. pp、 237−240)。しかし、パン小麦由来のビュ
ーロチオニンーαとは対照的に、前に検討されなかった2種のビューロチオニン
(マカロニ小麦由来のビューロチオニンα−1およびβ)はNADP−MDHを
検出可能に活性化した(第1表)。
これら2種のマカロニ小麦由来のビューロチオニンも、FBPageの活性化能
においては異なっていた。これらのビューロチオニンの活性における差異は、こ
れらのアミノ酸配列における高い類似性(ンヨーンズ(Jones)、 B、L
、、等、 Cereal Chem、。
+977、¥、 pp、 511−523)およびそのチオレドキシンによる還
元能のために予想し得ないものであった。チオレドキシンに対する要件の一つは
、5OS−PAGE蛍光法蛍光石、ビューロチオニン(ここではα−型)の還元
について観測された(第7図参照)。
実施例6:還元の定量化
上記の実施例は、チオレドキシンがα−アミラーゼを含む種々のタンパク、例え
ばCMおよびDSG阻害剤並びに種子および動物起源のトリプシン阻害剤を還元
することを立証している。定量的な意味からは明白であるが、上記の結果は還元
の程度に関する定量的指標を何等与えない。従って、クローフォード等のプロト
コール(クローフォード(Crawford)、 N、A、等、 Arch、
Biochea Biophys、、 19B9゜271、 pp、 223−
239)に従って実験を行った。
第1+表に示した如く、該E、コリNADP/チオレドキシン系による種子起源
の阻害剤タンパクの還元の程度は時間−依存性であり、タンパクに応じて2時間
後には還元は15〜48%に達した。主タンパク成分により発せられる蛍光測定
に基くこの結果は、該α−アミラーゼおよびトリプシン阻害剤の還元においてチ
オレドキシンが触媒的に作用していることを示す。2時間後に還元されたタンパ
ク対添加されたチオレドキシンの比は最も高く還元されるタンパク(大豆ボウマ
ン−パークトリプシン阻害剤)および最も少なく還元されるタンパク(コーン穀
粒トリプシン阻害剤)両者に対してlより大きく、即ち各比は2時間の還元期間
の経過後には7および2であった。第11表の値は標準的なアッセイ条件下で得
られたものであり、カリこれら条件を改善して還元を最適化する試みは行わなか
ったことに注意すべきである。
以下の濃度(nM)のタンパクを使用した。チオレドキシン、 0.08; N
TR,0,01;ピューロチオニンーβ、 1.7. DSG−1,0,7,コ
ーン穀粒トリプシン阻害剤、 1.0.ボウマン−パークトリプシン阻害剤、
1.3.およびクニッットリブシン阻害剤、0.5゜以下に示した時間の違いを
除き、他の条件は第6図の場合と同様であった。
以下の時間後の還元(%)
ビューロチオニンーβ 1532
DSG−12238
コ一ン穀粒トリプシン阻害剤 3 15ボウマンーパークトリプシン阻害剤 2
548クニツツトリブシン阻害剤 1422
実施例7:還元剤としてのE、コリゲルタレトキシンバクテリアおよび動物は、
リボヌクレオチド還元などの反応におけるチオレドキシンと交換できるチオール
レドックスタンパク、即ちゲルタレトキシンを含有することが知られている(ホ
ルムグレン(Hol+ngren)、 A、、 Annu、 Rev、 Bio
chet。
1985、54. pp、 237−271)。ゲルタレトキシンは以下の式l
Oおよび11に示すように還元される。
グルタチオンリダクターゼ
(10) NADPH+ G55G > 2 GSH+ NADP(11) 2
GSI++ゲルタレトキシン。、 −> G55G+ ゲルタレトキシンred
今までのところ、ゲルタレトキシンが高級植物由来のタンパクと相互作用すると
いう証拠はない。この能力を、E、コリからのゲルタレトキシンと一般的に研究
されている種子タンパクを使用してテストした。還元活性を濃度計による走査と
組み合わせたmBBr/SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法によ電気泳動
性を監視した。第6および7図に対して発展させた条件下では、ゲルタレトキシ
ンは全体ではないが幾つかの場合においてチオレドキシンと効果的に交換できる
ことが観測された。かくして、ゲルタレトキシンは以下の還元において活性であ
ることが分かった(数値はE、コリ由来のチオレドキシンに対する相対的な還元
の割合(%)を示す)・DSG−1およびCM−1α−アミラーゼ阻害剤(それ
ぞれ147および210%):コーン穀粒トリプシン阻害剤(424%) ;お
よびビューロチオニン(それぞれα、αlおよびβ型に対して82.133およ
び120%)。ゲルタレトキシンはDSG−2α−アミラーゼ阻害剤および大豆
ボウマン−パーク並びにクニソットリブシン阻害剤の還元においては効果がなか
った。動物起源のトリプシン阻害剤もゲルタレトキシンに対して複合応答を示し
た。卵白オポインヒビターは効果的に還元された(E、コリチオレドキシンの5
5%の還元)が、卵白オボムコイド阻害剤およびウシ肺アプロチニンは影響され
なかった。重大なことに、既に報告された如く (ウォロシーク(Wolosi
uk)、 R,A、等、 Nature、 1977、266、 pp、 56
5−567) 、ゲルタレトキシンは、葉緑体のチオレドキシン関連酵素、FB
PaseおよびNADP−MDllの活性化における迅速な還元剤としてチオレ
ドキシンと置換できなかった(データは示さず)。
上記実施例は、テストした幾つかの酵素阻害性タンパクがゲルタレトキシン並び
にチオレドキシンにより還元できることを立証している。チオレドキシンに特異
的なものはα−アミラーゼ阻害剤(DSG−2)および幾つかのトリプシン阻害
剤(クニツツ、ボウマンーバーク、アプロチニンおよびオボムコイド阻害剤)を
包含する。チオレドキシンまたはゲルタレトキシンの何れかにより還元されるタ
ンパクはビューロチオニン、2種のα−アミラーゼ阻害剤(DSG−]および0
J−1) 、植物由来のシスチンに富むトリプシン阻害剤(コーン穀粒阻害剤)
および動物由来のトリプシン阻害剤(卵白オポインヒビター)を包含する。これ
らの結果は、ゲルタレトキシンが植物中に生ずるか否かの疑問が起こる。ゲルタ
レトキシンは緑藻類中に存在する(サンプ(Tsang)、 M、L、−3,、
Plant Physiol、、 1981.68. pp。
1.098−1104)が、高等植物には存在しないことが報告されている。
第1表に示されたNADP−)JDI+およびFBPaseターゲット酵素の活
性は、生理的葉緑体タンパク(チオレドキシンmまたはf)により活性化された
後に見られる値と比較して低いが、該表に記載された値は繰り返し見られ、従っ
て信憑性あるものと考えられる。生理的には適切ではないが、該阻害剤タンパク
により示される酵素特異性は還元の際に達成された特別な構造を反映しているも
のと考えられる。
このような還元された構造が種子または動物細胞内の機能に関連しているか否か
を考察することが残されている。
このチオレドキシン(またはゲルタレトキシン)関連還元事象の生理的な結果は
、ターゲントタンパクの機能が不明であることから、極めて興味深いことである
。本研究の結果は新たな可能性をもたらす。チオレドキシンが生理的条件下で広
範囲に渡る阻害性タンパクを還元するという発見は、区分されたバリヤーの無い
状態で、還元が細胞内で生し得ることを示唆している。
実施例8・大豆粉中の大豆トリプシン阻害剤の不活化本実施例の目的は大豆のボ
ウマン−バークおよびクニッットリブシン阻害剤を不活化することにある。以下
のプロトコールを動物飼料調製品に適用する。大豆粉10gに、0.2μgのチ
オレドキシン、0.1μgのNADP−チオレドキシンリダクターゼおよび50
0 nMのNADPllを、pl+7.9のIMTris−HCIバッファーと
共に添加して、525m1の30rrMTris−tlcIを得た。上記混合物
を約30分室温にて放置する。前に記載されたmBBr蛍光標識/5DS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動法(コブレール(Kobrehel)、 K、等、
J、 Riot、 Cheffl、、 +991.266、 pp、 161
35−16140)を利pして、
該大豆トリプシン阻害剤の直接還元を測定する。トリプシン活性に関する該処理
された粉の能力の分析はインシュリンおよびBAEE(Na−ベンゾイル−し−
アルギニンエチルエーテル)アッセイ(ショールマン(Schoel 1man
n)、 G、等、 Biochemistry。
!963.252. p、 14682)の方法の改良法を利用して行う。この
分析から、このようにしてNADP/チオレドキンン系でジンした大豆粉がトリ
プシンを阻害しないことが決定される。
実施例9・穀類におけるα−アミラーゼ阻害剤の不活性化オオムギ麦芽10gに
、0.2μgのチオレドキシン、0.1μgのNADP−チオレドキシンリダク
ターゼおよび500 nMのNADPHを、pl(7,9のl1lrrris−
1(CIバッファーと共に添加して、5.25m1の30+rMrris−HC
Iを得た。上記混合物を約30分室温にて放置する。以前に記載されたmBBr
蛍光標識/5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(コブレール(Kobr
ehel)、 K、等、 J、 Biol、 Chew、、 +991.266
、111)、 +6135−161S0)
を利用して、該α−アミラーゼ阻害剤の直接還元を測定する。α−アミラーゼ活
性を澱粉からのマルトースの遊離により追跡する(ベルンフエルド(Bernr
eld)。
P、、 Method in Enzymol、、 1955.1. p、 1
49)。この分析から、このようにしてNADP/チオレドキノン系で処理した
オオムギがα−アミラーゼを阻害しないことを決定する。
穀類タンパク製品の還元
マカロニ小麦(トリチカムデュラム(Triticum durum)、 De
sf、 cv、モンロー(Monroe))の種子およびセモリナは、親切にも
DR,K、カーノ(Kahn)から提供していただいた。
小麦種子の発芽
20〜30粒の種子を、プラスチック製のペトリ皿中の、5mlの脱イオン水で
湿らせた3層のファツトマン(Whatman)# 1濾紙上に配置した。発芽
は、暗室内で室温にて4日月まで実施した。
試薬/′精化学薬品
生化学薬品および凍結乾燥した結合酵素はシグマケミカル社(Sigma Ch
ew+1calCo、)0[州、セントルイス)から入手した。E、コリ由来の
チオレドキシンおよびNTRはアメリカンダイアグツステイカ社(八wzric
an Diagnostica、lnc、XcT州、グリーンウィッチ)から購
入した。小麦チオレドキシンhおよび田は胚から、ホウレンソウの葉について開
発された手順(フロジンチオ(Florencio)、 F、J、等。
Arch、 Biochem、 Biophys、、 1988.266、 p
p、 496−507)に従って単離した。E、コリ由来のゲルタレトキシンは
プロフェッサーA、ホルムグレン(Ilo 1mgren)から親切にも提供さ
れた。SO3−ポリアクリルアミドゲル電気泳動用の試薬はCM州、す・ソチモ
ンドのバイオ−ラドラボラトリーズ(Bio−Rad Laboratorie
s)から購入した。モノブロモビマン(mBBr)またはチオライト(Thio
l i te)はCM州、サンジエゴのカルビオケム社(Calbiochem
Co、 )から購入した。アルミニウムラクテートおよびメチルグリーンはス
イス、バッハのフル力ケミカルズ社(Fluka Chemicals Co、
)の製品であった。
mlで、指定した時間25℃にて抽出した+ (1) 50In11rrris
−t(C1,p)I 7.5 (20分);(2)70%エタノール(2時間)
:および(3)O,l購酸(2時間)。この抽出中、サンプルを電気式攪拌器上
に置き、更に時々渦流ミキサーで攪拌した。各溶媒で抽出した後に、サンプルを
エンペンドルフ(Eppendorf)マイクロ遠心機内で(12,00Orp
mにて5分間)遠心処理し、上澄画分を分析のために保存した。各抽出操作間に
おいて、ペレットを1mlの水で洗浄し、前と同様に遠心処理により回収し、上
澄洗浄画分を捨てた。便宜的に、これらの両分を以下の如く命名した。即ち、(
1)アルブミン/グロブリン、(2)グリアジンおよび(3)グルテニン。
タンパクのインビトロでのmBBr標識反応はpH7,9の1001T11Ir
rris−11cIバツフアー中で実施した。上記の如く、0.7μgのNTR
とlμgのチオレドキシン(特に述べない限り、両者共にE、コリ由来のらの)
とを、70/llの該バッファー(1mのNADPI+およびlOμgのターゲ
ットタンパクを含有する)に添加した。ンチオスレイトール(D’口”)により
チオレドキシンを還元する場合、NADPI+およびNTRは省略され、かつD
TTは0.5mMまで添加された。還元されたグルタチオンを使用したアッセイ
も同様に実施したが、最終濃度は1蘭とした。20分間のインキュベーションの
後、100 nMのmBBrを添加し、該反応を更に15分間継続した。この反
応を停止し、かつ過剰のmBBrを誘導体化するために、lOμlのlO%SD
SとlOμlのtoo wβ−メルカプトエタノールとを添加し、次いて該サン
プルをゲルに適用した。ゲルタレトキシンによる還元のために、該チオレドキシ
ンおよびNTRをlμgのE、コリ由来のゲルタレトキシン、1.4μgのグル
タチオンリダクターゼ(ホウレンソウの葉から精製した)および1.5mMのN
AD閉とて置換した。
タンパクのインビボでのmBBrtl識指定した時間において、該乾燥種子また
は発芽中の実生(同し根の長さとなるように選択した)をベトリ皿から取り出し
、その胚または発芽軸を取り出した。
各ロフトからの5個の胚乳を秤量し、次に乳鉢と乳棒とて液体N2中で粉砕した
。
最後の痕跡量の液体N2を添加した時点て、pl+7.9のloOmM Tri
s−HCIバッファー中に分散させた2、0−のmBBrを含む液1mlを添加
した。次いで、解凍したこの混合物を更に1分間粉砕し、マイクロ遠心分離管に
移した。この懸濁液の体積を適当なmBBrまたはバッファー溶液で1mlに調
節した。アルブミン/グロブリン、グリアジンおよびグルテニンのタンパク画分
を、上記のような発芽実生の胚乳から抽出した。この抽出したタンパク画分を使
用するまで一20℃にて保存した。バッファーコントロールを各時点までインキ
ュベートした。
SO3−ポリアクリルアミドゲル電気泳動mBBrとの誘導体としたサンプルの
5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を、ラエムリ(Laewl+li)、
U、に、、 Nature、1970.227. pp、 680−685に
記載のように、15%のゲル中でpH8,5にて実施した。厚み1.5mwnの
ゲルを、9mAの定電流の下で16時間展開した。
ネイティブ(Native)ゲル電気泳動種々の型のグリアジンを解像するため
に、ブシュク&ジルマン(Bushuk andZillman) (ブシュク
(Bushuk)、 W、等、 Can、 J、 Plant Sci、、19
78.58. pp、 50T−
515)により記載され、またサビルシュタイン(Sapirstein)&ブ
シュク(サピルシュタイン、H,D、等、 Cereal Chem、、 19
85.62. pp、 372−377)により垂直スラブゲル用に改良された
方法で、6%ゲル中でネイティブポリアクリルアミドゲル電気泳動を実施した(
グリアジンを4種の型に分画するように工夫された手順)。最終体積100 m
lのゲル溶液は60gのアクリルアミド、0.3gのビスアクリルアミド、0、
024gのアスコルビン酸、0.2mgの硫酸第一鉄5水和物および0.25g
のアルミニウムラクテートを含んでいた。乳酸でpl+を3.1に調節した。こ
のゲルを2時間氷上で脱気し、次いて0.5mlの3%過酸化水素水を重合触媒
として添加した。流動バッファーも乳酸でpo 3.1に調節され、If’当た
り0.5gのアルミニウムラクテートを含んでいた。電気泳動の継続時間は、5
0mAの定電流条件下で約4時間であった。
メチルグリーン追跡染料で標識された溶媒フロントが該ゲルの端部から約1cm
1こまで移動した時点て電気泳動を終了した。
mBBr除去/蛍光写真法
電気泳動に引き続き、ゲルを12%(w/v)のトリクロロ酢酸中に入れ、1回
溶液を交換して4〜6時間浸漬して、該タンパクを固定させ、次いで該ゲルを4
0%メタノール710%酢酸溶液中に移して、8〜10時間維持して、過剰のm
BBrを除去した。
遊離およびタンパクに結合したmBBrの蛍光を、紫外光源(365r+m)を
備えたライトボックスにに配置して肉眼観察できるようにした。過剰の(遊離)
rnBBrを除去し7た後、ゲルをポラロイドポジティブ/′ネガティブラン
ドフィルム(PolaroidPos山ve/Negative Landfi
lm)タイプ55を使用して、黄色のランタン(Wratten)ゼラチンフィ
ルターNo、 8(カットオフ波長=460 nm) (C4,5での露光時間
25〜60秒)を通して写5lit影した(クローフォード(Crawford
)、 N、A、等、八rch、 Biochem。
5DS−ゲルを、1〜2時間、40%メタノール/10%酢酸中のクーマシーブ
リリアン[・ブルーR−250て染色(−1、以前に記載されたように(クロー
フォード(Crawford)。
N、A等、 Arch、 Biochcn Biophys、、1989.27
1. pp、 223−239)、−夜脱染色した。
アルミニウムラクテートネイティブゲルを、240m1の12% +−リクロロ
酢酸中に01gのクーマノ−ブリリアントブルーR−250(95%エタノール
l0m1中に溶解したもの)を金白゛する濾過した溶液中で一夜染色した。ゲル
を12%トリクロロ酢酸中で一夜脱染色した(ジン、り(Bushuk)、 W
、等、 Can、 J、 Plant Sci、、 1978.58.1111
゜505−515:およびサビルノユタイン(Sapirsjein)、 H,
D、等、 Cereal Che+TL、1985゜C2,’4. pp、 3
72−377)。
タンパク染色ゲルをポラロイドタイプ55フイルムで写真撮影し、プリントおよ
びネガを得た。プリントはバンドの移動距離および負荷の有効性を決定するのに
使用した。
蛍光ゲルのポラロイドネガおよび湿潤タンパク染色ゲルのプリントをレーザー濃
度計(ファルマーシア−1,にBウルトロスキャン(1’harmacia−L
KB Ulけoscan) Xいて走査した。ゲルスキャン(GelScan)
XLソフトウェアによる積分後にピーク面積を算出することにより定量化した
。
酵素アッセイ
以前に記載された方法で、粗抽出物中の以下の成分の活性を測定した:即ち、ヘ
キソキナーゼ(バルダス(Baldus)、 B、等、 Phytochem、
、 1981.20. pH,1811−1814) 、グルコース−6−ホス
フェートデヒドロゲナーゼ、6−ホスホグルコネートデヒドロゲナーゼ(シュナ
ージンベルガ−(Schnarrenberger)、 C,等、八rch。
Biochem、 Biophys−、1973,154,pp、 438−4
48)、グルタチオンリダクターゼ、NTRおよびチオレドキシンh(フロジン
チオ(Florencio)、 F、J、等、 Arch。
タンパクの濃度を、パイオーラド(Bio−Rad)試薬および標準物質として
のウシ血清アルブミンを使用して、ブラッドフォードの方法(ブラッドフォード
を使用して、5O3−PAGEゲル上で評価した。その第一の組はBSA(GO
) 、オボアルブミン(45)、大豆トリブジン阻害剤(20,1)、ミオグロ
ビン(17)、チトクロームC(12,4)およびアプロチニン(6,5)を含
有していた。その他の組はパイオーラドブレステインドo−3DS−PAGE(
BioRad Prestained Low 5DS−PAGE)標準であり
、ホスホリラーゼb(110)、BSA(84)、オボアルブミン(47)、カ
ルボニックアンバイトラーゼ(33)、大豆トリプシン阻害剤(24)およびリ
ゾチーム(16)を含んでいた。
実施例IO=グリアジンの還元
オズボーン(Osborne)とその共同研究者の1世紀前の開拓者的寄与の結
果として、種子タンパクが水性および有機溶媒に対するそれらの溶解度に基いて
分画できる(20)。小麦の場合には、胚乳調製物(粉またはセモリナ)を歴史
的にかつ周期的に粉の溶液を抽出して、以下に示すタンパク画分を生成する・(
i)水、アルブミン、(ii)塩水、グロブリン、(iii)エタノール/水、
グリアジンおよび(iv)酢酸/水、グルテニン。一群の証拠は、異なるタンパ
クが各対応する画分中で豊富であることを示している。例えば、該アルブミンお
よびグロブリン画分は多数の酵素を含み、また該グリアジンおよびグルテニン画
分は発芽に必要とされる貯蔵タンパク中にある。
上記実施例1.4および5では多数の水溶性の種子タンパク(アルブミン/グロ
ブリン、例えばα−アミラーゼ阻害剤、シスチンに富むトリプシン阻害剤、他の
トリプシン阻害剤およびチオニン)を記載しており、これらは種子自体またはE
、コリ由来のNADP/チオレドキシン系により還元される。小麦種子からの不
溶性の貯蔵タンパク(その代表例が該グリアジンおよびグルテニン画分である)
を還元する鎖糸の能力を以下に説明する。指定した添加物と共にインキュベート
した後、該グリアジンタンパクをIIBB「との誘導体とし、5DS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動後に蛍光を可視化した。第8図におけるレーンは以下の
通りであった:lコントロール(添加物なし)、2. GSH/GR/NADP
H+還元されたグルタチオン、グルタチオンリダクターゼ(ホウレンソウの葉由
来のもの)およびNADPII 、3. NGS:NAD閉、還元されたグルタ
チオン、グルタチオンリダクターゼ(ホウレンソウの葉由来のもの)およびゲル
タレトキシン([!、コリ由来のもの) 、4.NTS: NADPII、NT
Rおよびチオレドキシン(両タンパクともE、コリ由来のもの) 、5.MET
/T(Ec):β−メルカプトエタノールおよびチオレドキシン(E、コリ)、
6. DTT 、7. DTr/T(EC): DTrおよびチオL/ トキシ
ン(E、 コIJ) 、8.DTr/T(W):小麦チオレドキシンl〕を含む
以外は7と同し、9. NGS、−グリアジン:該グリアジンタンパク画分を含
まないことを除き3と同し、10. NTS、−グリアジン・該グリアジンタン
パク画分を含まないことを除き4と同し。mBBrとの反応性に基いて、該グリ
アジン画分をチオレドキシンにより強く還元した(第8図)。還元される主な成
分は25〜45kDaの範囲のM「を示した。種子α−アミラーゼおよびトリプ
シン阻害剤タンパクを使用した実施例I、4および5に見られたように、グリア
ジンは天然型りまたはE、コリ型のチオレドキシン(何れも均質)により還元さ
れた。NAD円1(およびNTR)またはDTTはチオレドキシンの還元剤とし
て機能し得た。より軽度の還元が、グルタチオンおよびゲルタレトキシン(幾つ
かのE、コリおよび哺乳動物の酵素系におけるチオレドキシンと置換し得るタン
パクであるが、高等な植物に存在することは知られていない)について観測され
た。
該グリアジン画分は4種の異なる型のタンパク、即ちα、β、γおよびωからな
っており、これらは酸性条件下でのネイティブポリアクリルアミドゲル電気泳動
により分離可能である(ブシュク(Bushuk)、 W、等、 Can、 J
、 Plant Sci、、 1978゜従ってチオレドキシンによる還元の可
能性を有する。本研究においては、以下の添加物と共にインキュベートした後に
、タンパクをm[lBrと誘導体化し、酸性条件下でのポリアクリルアミドゲル
電気泳動後に、蛍光を可視化する。第9図のレーンはそれぞれ以下の通りであっ
た。即ち、1.コントロール(添加物なし)、2、 GSH:還元されたグルタ
チオン、3. GSH/GR/NADPH:還元されたグルタチオン、グルタチ
オンリダクターゼ(ホウレンソウの葉由来のもの)およびNへDP)I 、4.
NGS:NADr’l+、還元されたグルタチオン、グルタチオンリダクターゼ
(ホウレンソウの葉山来のもの)およびゲルタレトキシン(E、 コリ由来のも
の)、5. NGS+NTS: 4と6との組み合わせ、6.KTS: NAD
PII、NTRおよびチオレドキシン(両タンパクともE、コリ由来のもの)
、7.MET/T(Ec)・β−メルカプトエタノールおよびチオレドキシン(
E、 :l:Iす) 、’8.DTT/T(Ec): DTTおよびチオレドキ
シン(E、 コリ)、9. NTS(−T):チオレドキシンを含まない以外6
と同一、10. NGS+1frS、−グリアジン・該グリアジン画分を含まな
い以外5と同一。
該チオレドキシン還元グリアジン両分をネイティブゲル電気泳動にかけた場合に
は、チオレドキシンにより最も特異的に還元されることが分かった該タンパク類
がα画分中に回収された(第9図参照)。該βおよびγグリアジンの活発な還元
が見られたが、第111表にまとめた濃度計による測定結果から明らかな如く、
これら群中の還元は非特異的であった。即ち、比較的高い還元がグルタチオンお
よびゲルタレトキシンについても達成された。γグリアジンのDTr−還元チオ
レドキシンによる特に高い還元が観測された(第9図参照)。予想されるように
、ωグリアジンの還元は観測されなかった。この結果は、チオレドキシン(天然
りまたはE、コリ由来)が該グリアジンの何れか、特にそのα型を特異的に還元
することを示す。
実施例1I:グルテニンの還元
チオレドキシンに対する応答性についてテストすべき種子タンパクの残りの群(
グルテニン類)は最も水溶性の低いものであるが、恐らく最も興味あるものであ
る。グルテニン類は、粉およびセモリナの調理特性における重要性のために、長
年に渡り注目を集めていた(マツフリッチ−(MacRitchie)、 F、
等、八dv、 Cer。
バクを還元する能力のテストはこれまでの研究の第一の目的であった。
第1II表・種々の型のグリアジンの還元剤特異性NADP/チオレドキノン系
による還元後のα、β、γおよび凝集体ピーク下部の面積は、それぞれ4.33
.8.60.5.67および0.74吸光度単位×mてあった。これらを総和し
た面積は、チオレドキシンがDTrにより還元された場合に観測される面積の約
65%であった。反応条件は第9図に対するものと同一であった。
還元剤 グリアジン、相対的還元率(駕)−−五−−互一 −ニー 凝集体。
なし 22.4 30.4 24.3 29.2グルタチオン 36,4 68
.1 60.6 60.1グルタレドキノン 43.5 83.3 79.7
61.5チオレドキノン 100.0 +00.0 +00.0 100.0*
ゲル中に入り込まないタンパク。
第10図(処理は実施例1Oと同様、第8図参照)に見られるように、数種のグ
ルテニンがチオレドキシンにより特異的に還元された。最も強力な還元は、低分
子量領域(30−55kDa)において観測された。高分子量領域で観測された
還元は余り顕著ではなかったが、依然として明確であり、特に100kDa以上
の領域において顕著であった。図示しなかったが、還元は130kDaの領域で
も生ずる可能性がある。
グリアジンと同様に、グルテニンの幾つかはグルタチオンおよびゲルタレトキシ
ンによってかなり還元された。しかしながら、全ての場合において、還元の程度
はチオレドキシンによる場合のほうが大きく、また幾つかの場合においては、チ
オレドキシンに対して特異的であった(第1v表、特に30〜40および60〜
110 kDaの範囲)。テストした池の小麦タンパクについて観測されたよう
に、天然りおよびE、コリチオレドキシン両者は活性であり、かつNADPII
および対応するNTRまたはDOTにより還元できた。従って、グリアジンにつ
いて見出された如く、幾つかのグルテニンはインビトロでチオレドキシンにより
特異的に還元され、一方で他のものもそれ程効果的ではないが、グルタチオンお
よびゲルタレトキシンによっても還元された。
反応条件は第3図で使用したものと同一であった。
なし 8 23 16
グルタチオン 31 51 29
グルタレドキンン 50 72 40
チオレドキンン° 100 too 100* : NADP/チオレドキンン
系にジン還元した後の3つの分子量群(高いものから低いもの)の下部の面積は
それぞれ、1.5.5.67および5.04吸光度単位×mであった。
実施例I2;インビボでの還元実験
上記実施例は、チオレドキシンがインビトロでテストした場合に、特異的に小麦
グリアジンおよびグルテニン画分の成分を還元することを立証している。しかし
、これらの結果は、これらタンパクが発芽中にインビボで還元されるが否かに関
して、即ち我々の知る限りにおいて、これまでには提示されなかった問題に対p
p、 +557−1566)。
この問題に回答を与えるために、我々は発芽中の種子中のタンパクの還元状態を
追跡するのにmBBr/5DS−PAGE技術を利用した。オズボーン画分中の
成分の還元が時間の経過に伴って徐々に増大し、かつ発芽の2〜3日目にピーク
に達することを観測した(第11図)。還元における観測された増加はグリアジ
ンについての2−倍から、アルブミン/グロブリンについて3−倍およびグルテ
ニンについての5−倍までの範囲であった。これらの結果は、主な小麦タンパク
群の代表的なものが発芽中に還元されたが、正味のレドックス変化はグルテニン
について最も高いことを示唆している。
種子貯蔵タンパクが発芽中に還元されることに関する新たな証拠が与えられたが
、第1t図の結果は還元がグルタチオンまたはチオレドキシンによってどのよう
に達成されるかに関する何の指標も与えない。この点に関連する情報を得るため
に、主なチオレドキシン関連グリアジン(30−50kDa)およびグルテニン
(30−40゜4(1−60kDa)のインビボでの還元のレベルを、インビト
ロ測定から測定された還元と比較した(第8図と第+V表)。この目的のために
、発芽中にインビボでおよび適当な酵素反応系を使用してインビトロで観測され
る蛍光対クーマン−で染色されたタンパクの比を算出した。第12図に示された
結果(主なチオレドキジン結合グリアンンは25〜45 kDaの範囲の計をも
つものであり(第8図参照)およびグルテニンは30〜60 kDaの範囲のM
「をもつものである(第10図参照))は、グルタチオンがグリアジン画分のイ
ンビボ還元の大部分(90%まで)を占め得るが、このことは還元にチオレドキ
シンを必要とするように思われるグルテニンについては正しくないことを示唆し
ている。グルタチオン(またはゲルタレトキシン)に帰せられる還元のレベルは
、発芽中の種子につき測定された還元されたグルテニンのレベルを説明するのに
不十分てあった。
実施例13;酵素測定
チオレドキシンhのNTR関連還元に必要とされるNADPHの起源をも調べた
。セモリナを、他の系内でのNADPIIの生成において機能する酵素、特に酸
化的ホスフェート経路のデヒドロゲナーゼにつき分析した。第V表にまとめた結
果は、胚乳の抽出物がこの経路を経てグルコースからNADPHを生成するのに
必要な酵素、即ちヘキソキナーゼ、グルコース6−ホスフェートデヒドロゲナー
ゼ、および6−ホスホグルコネートデヒドロゲナーゼを含んでいるという初期の
証拠を確認するものである(タタム(Tatha+n)、 A、S、等、 Ad
v、 Cer、 Sci、 Tech、、 1990. to、 pp、 1−
V8
参照)。第V表に示されたグルコース6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ活性が
還元されたチオレドキシンに対しては感受性でなかった(データは示さず)こと
は述べるに値する。この点に関連して、該胚乳由来の酵素は葉から得た葉緑体由
来の酵素ではなく、寧ろそのサイドシル由来の酵素に類似している(フィッケン
シ290−297)。
−221)から予想されるように、セモリナもチオレドキシンhおよびNTRを
含んでいた(第V表)。興味あることに、活性測定に基いて、■は調べた栽培変
種からの調製物中の速度−限定成分であるように思われた。
ヘキソキナーゼ 0.28
グルコース−6−Pデヒドロゲナーゼ 0.456−P−グルコネートデヒドロ
ゲナーゼ 0.39NTR0,06
チオレドキシンh 0.35
これらの結果は、チオレドキシンhが小麦種子の発芽に関連した代謝過程を増強
するシグナルとして機能することを示唆している。NTRおよびNAIIPHに
よるその還元に引き続き(酸化性ペントースホスフェート経路を介して発生する
)、チオレドキシンhは酵素の活性化においてのみならず、貯蔵タンパクの移動
においても機能しているものと考えられる。
実施例14 ドウ品位の改善
ドウ品位を、NADP/チオレドキシン系を使用して粉タンパクを還元すること
により改良した。還元されたチオレドキシンは、タンパクの異なる部分を架橋し
、かつその折り畳まれた形状を安定化している、硫黄−硫黄結合を特異的に開裂
する。これらの架橋が切断された場合、該タンパクは展開されかつパン中の他の
タンパクと結合し、ドウの弾性網状構造を形成する絡の合った格子を生成し得る
。
該ドウは、該網状構造がその醗酵過程中に酵母により生成される二酸化炭素をト
ラップするために膨張する。この還元されたチオレドキシンが粉中のグリアジン
およびグルテニンを活性化し、該ドウを強化するように再結合させることが提案
されている(第13図)。還元されたチオレドキシンはドウ調製中に形成される
該タンパクの網状構造を強化した。これらのテスト、即ち第14(c)図および
第15(d)図に示されたテスト(フランスのモンペリエ地方の製粉業者から得
た中程度の品位の小麦粉10g(第14図)、または同様にフランスのモンペリ
エ地方の製粉業者から得た低品位の小麦粉(第15図)を使用、この低品位の小
麦粉は主としてアポロ栽培変種からなる)に関連して、0.2μgのEコリ由来
のチオレドキシン、0.1/1gのE、コリ由来のNADP−チオレドキシンリ
ダクターゼおよび500 nMのNADPHを、IMのTris−11cI t
< ノフ7−(ptl 7.9)と共に添加して、5.25m1の30mMTr
is−41CI酵素系混合物をiuだ。反応を、該酵素系混合物と]Ogの該小
麦粉とを30℃にてマイクロッアリノブラフ中で混合することにより実施した。
第14および15図に見られるように、得られたファリノグラフ測定は、添加さ
れたNADP−チオレドキシン系による該ドウの強化を示した。第15(d)図
におけるように、低品位の小麦粉を使用した場合、ファリノグラフの読みは、該
還元系の存在下でドウを生成した後生なくとも4分間安定であったが、鎖糸を添
加しなかったコントロールにおけるドウ生成後、該ファリノグラフの読みは即座
に低下した(第15(a)図参照)。
この改良効果は永続的であり、実験中ずっと維持された。別の様式で表現すると
、該マイクロッアリノブラフの読みは、該低品位の小麦粉コントロール(酵素系
の添加なし)を使用してドウを形成した後、7分にて375ブラベンダ一単位(
Brabender units)であったのに対して、該NADP/チオレド
キシン系の成分(NADPH、チオレドキシンおよびNADP−チオレドキシン
リダクターゼ)を使用して処理した同様な低品位の小麦粉については450ブラ
ベンダ一単位であった。
上記と同様に、IOgのアボロ粉を使用して、またNADPHの濃度をナノモル
の代わりに500μMとして、もう一つのファリノグラフ実験を実施した。第1
6図のファリノグラフ測定に示されたように、この量のNADPHは該ドウの品
位の明らかな改善をもたらした。ドウのファリノグラフ測定値がより高いことは
、改良されたドウの強度および改良された焼き製品の良好な緒特性、例えば良好
なりラムス性能、改良されたキメおよび高いパン塊体積に対応する。また、単離
されたタンパクのインビボでの解析に基づき、天然の小麦種子NADP/チオレ
ドキシン系は、該ドウの強化においても有効であろう。
ベーキングの目的および他の本発明の局面に関連して、約0.1〜3.0μgの
チオレドキシン(好ましくはE、コリ由来のものまたはチオレドキシンh)、お
よび約0.1〜2.Ou gのリダクターゼおよび30〜500nMのNADP
I(を約10g当たりの粉に添加する。チオレドキシンおよびリダクターゼの最
適レベルは粉の品位に依存する。一般的に、粉の品位が高い程、必要とされるチ
オレドキシンおよびリダクターゼの濃度は高い。チオレドキシンは、また該NA
DPI(/NADP−チオレドキシンリダクターゼ還元系の代わりにリポ酸によ
っても還元できる。次いで、他のドウ成分、例えばミルクまたは水を添加する。
しかしながら、液体は最初に該NTR/チオレドキシン系に添加し、次いて生成
する混合物を粉に添加することもできる。該還元されたチオレドキシンが該貯蔵
タンパクを還元する機会をもった後に醗酵の目的で酵母を添加することも好まし
い。このドウを、次に通常のドウと同様に、焙炉、整形等およびベーキングする
。
本実施例並びに以下の実施例においては、NADPHをNADPII発生剤、例
えば100μgのグルコース6−ホスフェート、100μgのNADPおよび0
.05単位(0,2μg)のグルコース6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(酵
母等の源からの)を含むもので置換できる。このNADPH発生剤は、ドウ形成
工程の開始時点において、チオレドキシンおよびNADP−チオレドキシンリダ
クターゼと共に添加される。
第17(c)図は、IOgのアポロ栽培変種(cv)小麦を20μNのNADP
(25mM)、20111のG6P(25dll) 、0.25MgのG6PD
ase 、0.1 μgのNTRおよび0.271gのチオレドキシンh (4
,25mlのl−1,0および0.90m1のTris−11cI(30+nl
に ptl 7.9)中に含まれる)と反応させた場合に得られる高いファリノ
グラフ測定値を示す。第17(b)図は、高いファリノグラフ測定値が、IOg
のアポロ小麦粉を第17(c)図と同一の反応混合物(但し、NTRまたはチオ
レドキシンを含まない)と反応させた場合にも観察されることを示す。
実施例15・小麦バンベーキン乞9鳩寒コンピュータでモニタしたパナソニック
(PANASONIC)ベーキング装置を使用してベーキングテストを実施した
。
パンの組成
コントロール
粉 200g(乾燥重量)
水、70%ハイドラテーンヨン(hydratat 1on)食塩(NaCl)
: 5.3 g
酵母: 4.8g(サツ力ロマイセスセレビシアエ(Saccharomi y
cescerevisiae)、サフインスタント(Saflnslant))
(乾燥酵母粉末)
* 粉ザンプルは、際立ったベーキング性能(低品位乃至良好なベーキング性能
をを有する動物飼料等級および他の等級を包含する)を有する純粋なパン小麦栽
培変種から得た。
アッセイ
このアッセイ用のドウは該コントロールの成分の全てと、種々の量のNADP−
チオレドキシン系(NTS)および/またはNADP発生系発生元でいた。
実験条件
一粉および食塩を秤量し、かつ混合する。
−70%ハイドラテーンヨンを達成するのに必要とされる体積の水を該ベーキン
グパン中に投入した。
一該粉と食塩との混合物を該水に添加し、コンピュータによりモニタしたベーキ
ングプログラムを始動した。このプログラムの完了には3時間9分7秒を要する
。
−このアッセイの場合、酵素系の成分は該粉−食塩混合物に添加する前に、該水
に添加する。
一酵母は、20分3秒間の混合後に自動的に添加した。
該パナソニック装置をモニタするプログラムは以下の通りであった。
セグメント 継続時間 混合条件 加熱混合 00:00:03 Tl 停止
混合 00:05:00 T2 停止
混合 00:05:00 Tl 停止
休止 00:10:00 To 停止
混合 00:17:00 T2 停止
混合 00:07:00 Tl 停止
休止 00:30:00 TO32℃に達するまて混合 00:00:04 T
l 32℃休止 01:15:00 To 32℃ベーキング OO・14:0
0 To 180℃に達するまでベーキング 00:26:00 To 180
°C混合条件: TI=混合せず(モータ停止)T2=通常の混合
TO−交互に3秒の混合と3秒の停止
パン塊の体積はベーキング操作の終了後、パン塊が室温に達した時点にて測定し
た。
栽培変種テシー(Thesep)アッセイフランス小麦栽培変種テン−は良好な
パン製造特性をもつものと分類されてしする。以下の第V+表はこのアッセイの
結果を示すものである。
第V1表
NADPH−I NTRTh パン塊体積コントロール OOO1690100
サンプル 6.0 30 60 1810 1076.0 30 0 1725
102
6.0 0 60 1720 102
6.0 0 0 1550 92
t NAD四発生系 30 60 1620 96t NADI’l+発生系+
30 60 1630 96八TP、グルコース
NTR+酵母 6.0 9.4 20 1750 104由来のTh
t: NへDPI+発生系、ATPおよびグルコースを含む組成物添加した体積
NADP、 25 InM700μf(17,5μM)グルコース−6−ホスフ
ェート、25蘭 700μN (17,571M)グルコース−6−ホスフェー
トデヒドロ 175μi (8,75μg)ゲナーゼ(50μg/m1)
ATP、 25mM 700μ7!(17,5μM)グルコース、 25 mM
700μl (17,571M)第V+表に示されたように、パン塊体積の増
加は、6.0μMのNADP)I 、30t1gのNTRおよび60μgのTh
を含む完全NTSを使用して、本例において上記した量および条件下で200g
のテン−(Thesee)粉からパン塊をベーキングした場合に観測された。特
に述へない限頃該NTRチオレドキシン(Th)はE、コリ由来のものであった
。
該発生系を使用した場合またはNTRまたはThを省略した場合には、同様な増
加は見られなかった。また、鎖糸における成分の量を上記の量の半分またはそれ
以下とした場合にはパン塊体積に及ぼす何意な効果は見られなかった。
栽培変種アポ口のアッセイ
このフランスの小麦栽培変種は貧弱なパン製造品位をもつものとして分類される
。このアッセイで使用したNTRおよびチオレドキシンはE、コリ由来のもので
あった。以下の第V11表は200gのアポロ粉を使用したこのアッセイの結果
を示す。
また、特に述べない限り量および条件は本例の初めに記載したものである。
第V11表
NADPII NTRTh パン塊体積(gM) (#g) (μg) (ca
+’) 相対的単位コントロール 0 0 0 1400 100サンプル 6
.0 30 60 1475 105章NADPI+発生系+ATP、 30
60 1530 109グルコース
tNADpH発生系+ATP、 0 0 1430 102グルコース
tNADP)I発生系 6 0 1430 102ネNADPl+発生系 6
7 1440 103ネ:該発生系、ATPおよびグルコースを含む該組成物は
第v1表のものと同じである。
栽培変種アーボン(^RBON)のアッセイこのフランスの小麦栽培変種アーボ
ンは飼料として使用され、かつパン製造には適さないものと分類されている。以
下の第Vll+およびlx表は改良されたパン塊体積が、NTSまたはNADP
IIとNTRとをドウ成分と共に使用して、本例の初めに記載した条件下で、ア
ーポンから得ることができることを示す。本ア・ソセイて使用するNTR、チオ
レドキシン、NAD円1およびNADPII発生系成分の量は第Vll+および
1x表に示されている。第1x表に示した如き該完全NSTの使用による、アー
ボン製パンの品位改善は第18〜22図および第23(a)図として示した写真
から明らかである。
第Vll1表
NADPII NTRTh /<:/塊体積(μM) Aug) (μg) (
cが)コントロール OOO1350
サンプル 0.1−0.6 3−4 3−4 コントロールよりも20%まで高
い値
>2.0 >20 >20 コントロールよりも小さい
第1x表
処理 パン塊体積
(cwl′) 相対的単位
完全NTS 1650 122
−チオレドキシン +690 125
−NTR1520113
−チオレドキシン、NTR1540114−NADPH144010?
−NADP)l、十零NADPI+発生系 1560 116− NTS(コン
トロール)1350 100NADPII、 0.6μM
チオレドキシン、3.5μg
111TR,3μg
零:発生系
3.5μM NADP
3.5μM グルコース−6−ホスフェート1.75μg グルコース−6−ホ
スフェートデヒドロゲナーゼ実施例16
トリヂカーレは小麦/ライムギのハイブリッドであり、一般にニワトリの肥料に
用いられている。これは小麦より栄養になるが、特に先進国では一般にパンの製
造に適切てないと考えられている。従って、トリチカーレ粉から製造したローフ
についてNTS系及びその種々の系の影響を実験した。特にことわらない限り、
製造条件及びドウ成分は実施例15の小麦粉に記載されているようにした。表X
に示されるように、トリチカーレドウがチオレドキシン、NTR及びNADPH
生成系をその表に示されている量で含有した場合にローフ量が改良する。しかし
ながら、NTS (即ち、チオレドキシン、NTR及びNADPH)を用いた場
合には、対応する改良が見られなかった。図24は、表Xに示されるNTR,T
h及びNADPH生成系を用いた場合にパンのきめも改良されたことを示してい
る。
図24の右側のローフは対照である。
表X
トリチカーレ粉(cv、 Juan)から製造した完全なNTS +230 9
4
NTSなしく対I!”、) 13+0 to。
NADPIIなし、t NAD囲ありの生成系 1390 106\AD閉、0
6μモル
チオレドキシン、3.5μg
NTR,3,071g
生成系 45μモルのNADP
4.5μモルのグルコース−6−ホスフェート45μモルのグルコース−6−ホ
スフェートデヒドロゲナーゼ実施例17
モロコシ、トウモロコシ及びコメの粉についてもNADPH/チオレドキシンの
影響をめた。製造条件は、実施例15の小麦粉に記載されているようにした。
チオレドキシン及びNTRは共に大腸菌由来とした。このアッセイの結果を図2
5及び図23(b)に示す。これらの図に示されているように、NTSを含有す
るパン、特にトウモロコシ及びモロコシはきめ及び安定性の改良を示した。
実施例18
トリチカーレ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、コメ、モロコシ、トウモロコ
シ及びテフからのエタノール可溶性及びミリステート可溶性貯蔵タンパクの還元
特にことわらない限り、本実施例で用られる材料及び方法は、上記“穀類タンパ
クの還元、材料及び方法”と題する項で述べたものに準じる。
トリチカーレ、ライムギ、オオムギ、オートムギ及びテフ反応を30鯛トリス−
HClバッファー、pH7,9中で行った。指示されているように、0.7μg
のNTR及び同定されたAugの大腸菌由来チオレドキシン又は211gの酵母
由来チオレドキシンをlIIIMのNADPH及び25〜30μgの抽出貯蔵タ
ンパクを含有する70μmのこのバッファーに加えた。10gの粉に対して50
m1の70%エタノールを用いて2時間抽出することにより、エタノール抽出貯
蔵タンパクを得た。テフの場合、200mgの粉砕した種子を抽出した。
Igの粉を8mgのミリスチン酸ナトリウムで5mlの蒸留水中で2時間抽出す
ることにより、ミリステート抽出タンパクを得た。NADPH,NTR及びチオ
レドキシンの組合わせは、NADP/チオレドキシン系(NTS)として知られ
ている。指示されているように、グルタチオン(GS)()、2.5μMを1.
5mMのNADPH及び1.4μgのホウレンソウの葉のグルタチオンリダクタ
ーゼの不在下(G S H)又は存在下(GR/GSH/NADPH)に還元剤
として加えた。
20分間インキュベートした後、100ナノモルのmBBrを加え、反応を更に
15分間続けた。反応を停止しかつ過剰のmBBrを誘導するために、10μm
のlO%SDSとlOμIの+ 00fltM2−メルカプトエタノールを加え
、次いで、試料をゲルに加えた。5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動の手
順はN、 A。
Crawford等(1989八rch、 Biochem、 Biophys
、 271:223−239)に記載されているようにした。
反応を30Illllトリス−HClバッファー、pH7,9中で行った。タン
パクをチオレドキシンで還元する場合、次のものを70μmのバッファーに加え
た:1.2mNADPH,I O〜30μgの種子タンパク画分、0.5μgの
大腸菌NTR及び1ggの大腸菌チオレドキシン。グルタチオンで還元する場合
、チオレドキシンとNTRを2,5鯛還元グルタチオンと1℃1gのグルタチオ
ンリダクターゼ(製パン用酵母、 51gm Chemlca1社製)に置き換
えた。ジチオスレイトールで還元する場合、N A D P H、チオレドキシ
ン及びNTRを除き、0.5+nlJジチオスレイトールを加えた。すべての場
合、インキュベーション時間は20分とした。次いで、1oIilのlommB
Br溶液を加え、反応を更に15分間続けた。反応を停止しかつ過剰のmBBr
を誘導するために、10μlのlO%SDS及びlOμlのI 00m2−メル
カプトエタノールを加え、試料をゲルに加えた。各々の場合、抽出タンパクを得
るために、1gの粉砕した種子を5mlの蒸留水中8+ngのミリスチン酸ナト
リウムで抽出した。タンパクの初期のレドックス状態の定量以外の試料を22℃
で2時間抽出し、次いで16.OOOrpmで20分間遠心した後、mBBrを
加えた。初期のレドックス状態の定量に関しては、mBBrをミリステートと共
に窒素雰囲気下で加え、次いで抽出した。
図26−30は、オートムギ、トリチカーレ、ライムギ、オオムギ及びテフ粉の
ミリステート抽出タンパクの還元実験のゲルの写真を示すものである。また図3
0には、テフのバッファー及びエタノール抽出タンパクを示す。図26−30に
示されている実験においては、すべて粉をまずバッファー、50mMトリス−H
CI、pH7,5で20分間抽出し、次に70%エタノールで2時間抽出した。
トウモロコン、モロコシ及びコメのミリステート抽出タンパクのゲルの写真も示
す(図31及び32)。トウモロコシ、モロコシ及びコメに関しては、粉砕した
種子をミリステートでのみ抽出した。従って、トウモロコシ、モロコシ及びコメ
に関しては、ミリステート抽出物が全タンパクを示すが、オートムギ、トリチカ
ーレ、ライムギ、オオムギ及びテフに関しては、これらの粉がバッファー及びエ
タノールで予め抽出されていることから、ミリステート抽出物はグルテニン等価
両分のみを示している。図26−30のゲルに表されている結果は、オートムギ
、トリチカーレ、ライムギ、オオムギ及びテフのミリステート抽出(グルテニン
等価)クンバクに関して、GSH又はGSH/GR/NADPHと比べてNTS
が最も効果的であることを示している。NTSはコメの全タンパクに関しても最
も効果的である(図31及び32)。還元グルタチオンは、トウモロコシ及びモ
ロコシの全タンパクに関して効果的である(図31及び32)。
図31及び32からの結論(トウモロコシ、モロコシ及びコメ)図31に示され
ている処理(1)においては、mBBrの存在下ミリステートによる処理は窒素
雰囲気下で行い:処理(2)においては、ミリステート抽出タンパクにmBBr
をタンパクの前還元なしに添加し;処理(3)においては、ミリステート抽出タ
ンパクをNADP/チオレドキシン系(NTS)で還元し;処理(4)において
は、ミリステート抽出タンパクをNADP、グルタチオン及びグルタチオンリダ
クターゼで還元した。図32に示されている処理(1)は図31の処理(2)と
同様であり:処理(2)においては、種子を窒素下mBBrの存在下にミリステ
ートで抽出し;処理(3)においては、種 子をミリステートで抽出し、NTS
で還元し、次いてmBBrを加え;処理 (4)においては、タンパクをDTT
で還元した以外は(3)での条件とした。図31の処理(1)及び図32の処理
(2)は、穀粒中のタンパクの初期のレドックス状態を示している。3種の穀類
すべてに対して、種子中のタンパクを高度に還元する。空気中で抽出する場合に
は、タンパクは特にモロコシ及びコメを酸化する。すべての場合において、酸化
タンパクをNTSで最も強く再還元することができる。コメに関して、還元はチ
オレドキシンに相対的に特異的であり;トウモロコシに関して、グルタチオンは
チオレドキシンと同じくらい効果があり、モロコシに関して、グルタチオンはチ
オレドキシンよりわずかに効果がある。ジチオスレイトールは還元剤として種々
の有効性を示した。これらの実験は、これらの穀類の貯蔵タンlくりが小麦の場
合より特異的でないことを示し、チオレドキシンがドウの網状構造を作ることを
試みる際には、グルタチオンの存在及び不在の双方を試験しなければならないこ
とを示唆している。
図33及び34は、酵母NADP/チオレドキンン系にジン小麦グルテニン及び
グリアノンの各還元実験から得られたゲルの写真を示すものである。グルテニン
は、logの粉に対して50m1の0.1M酢酸を用いカリ2時間抽出すること
により得られた。グリアジンは、lOgの粉に対して50m1の70%エタノー
ルを用いかつ2時間抽出することにより得られた。実験は、酵母系が主要な2種
類の小麦貯蔵タンパクを還元するに当たり非常に活性であることを示している。
図35−38は、トリチカーレ、ライムギ、オートムギ及びオオムギ粉の各エタ
ノール抽出タンパクの還元に対するゲルの写真を示すものである。結果は、NT
Sがl・リチカーレ、ライムギ、オートムギのエタノール抽出タンパクで最も効
果的であることを示している。エタノール抽出オオムギタンパクは対照において
減少し、チオレドキシン又はグルタチオンはほとんと効果がない。
実施例19
クニノツ及びボーマンーバークダイズトリブジンインヒビタータンパクの活性及
び安定性に関するチオレドキシン結合還元の影響デュラム小麦(Triticu
m durum、 Des(、cv、 Monroe)はDr、 K、 Kah
n、から好意て贈らねたものである。小麦胚芽はSig両ChC+n1ca1社
(St、 Louis、舶)から人手しt二。
化学薬品及び酵素
ドデンル硫酸ナトリウムーポリアクリルアミドゲル電気泳動(SO3−PAGE
)の試薬をBio−Rad Laboratories(Rechmond、
C^)から入手し、DTTはBoehringerMannheim Bioc
hemicals(Indianapolis、IN)から入手した。L−1−
1−シルアミド−2−フェニルエチルクロロメチルケトン(TPCK)処理トリ
プシン(Xlll型。
78640)、ズブチリノン(Vlll型 細菌ズブチリシンCarbsber
g、 P5380)、KTI(T9003)、B B T I (T9777)
、アゾカゼイン及び他の化学薬品は、Sigma Chemica1社(SL、
Lo旧s、 MO)から購入した。大腸菌チオレドキシン及びNTRを各タジ
ノくりを過料発現するために形質転換された細胞から単離した。チオレドキジン
株含有組換えプラスミド、pFP+は叶 J、−P、 Jacquot(de
La Matte−Guery等。
+991)により好色で提供された。NTR株含有組換えプラスミド、pPMR
21は、叶s、 Marjorie Ru5selとl”cter Model
(Russet、 Model、 l!J8B)により好意で提供された。これ
らのタンパクに用いられる単離手順は、次のことを変更してそれらの実験に記載
されているようにした:細胞をRibi細胞フラクショネーター。
25、000psiで破壊し、NTRを赤色アガロース工程なしてFloren
cio等(+988)により記載されているように精製した。大腸菌チオレドキ
シン及びNTRは、5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によりめた場合、
各々純度100%及び90%であった。小麦チオレドキシンhを従来のように精
製した(Johnson等。
小麦種子を50%(V/V)のジエネリックブリーチに浸けて滅菌し、次に蒸留
水で十分洗浄した。滅菌した種子をプラスチックペトリ皿の中100μg/nl
のクロラムフェニコールをh有する蒸留水で湿らせた2層のワ・ントマンろ紙上
に置いた。
発芽は、室温で暗室内5日まで続けた。
小麦プロテアーゼの調製
5日発芽させた小麦種子から根と茎を切り取って単離した内胚乳(新しい重量t
o−15g)をloffMβ−メルカプトエタノールを含有する5容景の20〇
−酢酸ナトリウム、pH4,6で4℃において30分間抽出した。ホモンエネー
トを48.000g、4℃で20分間遠心した。沈降物を捨て、上清を30−7
0%硫酸アンモニウムで分画した。プロテアーゼ標品を示すこの画分を10蘭β
−メルカプトエタノールを含有する最少量の20mM酢酸ナトリウム、pH4,
6に懸濁し、このバッファーに4℃で一晩透析した。基質としてアゾカゼインを
用いてア・ソセイすると、プロテアーゼ標品は最適pH約4.6を有し、4℃で
少なくとも1週間安定であった。
トリプシンインヒビターの還元及びタンパク分解感受性ことわらない限り、トリ
プシンインヒビター(0,4mg/+nl)の還元をI(lnlJEDTAを含
有するO、1mlの20蘭リン酸ナトリウムバツフアー、pH7,!3中で行っ
た。チオレドキシン、NTR及びN A D P Hの濃度は、各々0.024
mg/nl、0、02mg/ml及び0.25+nMてあった。還元剤として
DTTを用い、EDTAとNADP/チオレドキシン系の成分を除いた。還元後
、トリプシン阻害活性あるいはタンパク分解感受性をめるために、インヒビター
混合液を分取した。ズブチリシン試験においては、インヒビター混合液(50μ
m)を直接ズブチリシンと混合し、室温で1時間インキュベートした。小麦プロ
テアーゼ標品については、インヒビター混合液(50μm)をまず35μmの2
00111M酢酸ナトリウム、pH4,6と混合することによりI) H4,7
に調整し:次に10μIの小麦プロテアーゼ標品を加え、37℃で2時間インキ
ュベーションを続けた。ズブチリシンによる消化を停止するために、この消化混
合液に2μlの100−フェニルメチルスルホニルフルオリド(1’MsF)と
l0711の10%SDSを加えた。植物プロテアーゼ標品については、等量の
SDS試料バッファーを加えることにより消化を停止した[0.125M トリ
ス−11CI、L ; pH6゜8.4%(w/v) S D S、20%(v
/v)グリセロール、10%(V/V)β−メルカプトエタノール及び0602
%(W/V)ブロモフェノールブルー]。タンパク分解産物を12〜16%SD
Sポリアクリルアミドスラブゲル(Laea+I i、 1970)を含む電気
泳動で分析した。乾燥したスラブゲルをレーザーデジントメーター(Pharm
acia−LKB 01けascan Xいで走査し、PharmaciaGe
lScanχしソフトウェアプログラムに組込むことにより、KTI又はBBT
Iタンパクバンドのピーク領域を得た。
アンセイ
チオレドキシン及びNTRをFlorencio等(1!’188)に記載され
ているようにアッセイした。基質としてN−ベンゾイル−L−アルギニンエチル
エステルを用いて253nmの吸光度が増大するか又はアゾカゼイン基質のトリ
クロロ酢酸(TCA)−可溶性画分にアゾ色素が遊離することにより、トリプシ
ン活性を50+m)リス−1(CI 、p H7,9中で測定した(以下参照)
。トリブジン阻害アッセイの場合、トリプシン(5〜10μg)を適量のKTT
又はBBTIと5011Ill!トリス−HCl。
pH7,9中室温で5分間前インキュベートし、次いでタンパク分解活性をめた
。
2つの基質より同様のデータか得られたが、結果は1つの基質のみ示されている
。
pI目7においてアゾカゼイン基質のTCA溶液にアゾ色素が遊離することによ
り、小麦プロテアーゼ活性を測定した。20mM酢酸ナトリウム、pH4,6及
び10mMβ−メルカプトエタノールの溶液中50μmの小麦プロテアーゼを5
0711の200mM酢酸ナトリウム、pH4,6及び100711の2%アゾ
カゼイン(20−リン酸ナトリウム、pH7,0中)に加えた。37℃で1時間
インキユベートシた後、1mlのlO%TCAを加え、この混合液を室温で10
分間放置した。
ミクロフユージ(8000g)で5分間遠心した後、1mlの上清を取り、1m
lのIN NaOHと混合した。440nmの吸光度を読み取った。タンパク濃
麿をBi。
−Rad試薬で標準としてウシ血清アルブミンを用いてめた(Bradford
、 1976)。
20kDaのクニッツ及び8kDaのボーマンーバークダイズトリブシンインヒ
ビターは各々2及び7個のジスルフィド基を含んでいる(Birk、 tQ76
; Wi 1son、 198B)。
それらの生理作用は確立されていないが、この2種類のインヒビターはマメ科植
物の種子に広く分布しかつ栄養障害、例えば、過栄養及び関連した膵機能不全を
引き起こす可能性があるために広範囲に研究されている。前の実施例で記載され
た表1及び11に示されているように、KTI及びBBTIは大腸菌あるいは植
物のNADP/チオレドキシン系によって特異的に還元されている。グルタチオ
ン及びゲルタレトキシンの還元型(ある種動物及び細菌系においてチオレドキシ
ンを置き換えることができるチオールタンパクであるが、植物で起こることは知
られていない(llolmgren、 1985))は効果がなかった。
チオレドキシンによる還元結果をめるために、KTl及びBBTIの酸化還元型
のトリプシン阻害活性を比べた。表XTに示されるように、NADP/チオレド
キンン系(ジンS)と30℃で2時間前インキュベートすると、トリプシン阻害
活性の実質的ロスがあった(即ち、非阻害対照に相対してトリプシン活性が増大
した)。更に詳細には、NADP/チオレドキシン系は、KTI及:びBBTI
に対するトリプシン活性が各々3及び6倍増加した。同様の結果がDTT、チオ
レドキシンの非生理学的置換体で得られ、チオレドキシンに関しては、リポ酸、
天然ジチオールで還元された。DTT単独でインキュベージジンを延長する(室
温で一晩)と、双方のインヒビターが完全に又はほとんど完全に不活化された(
データは示されていない)。DTTと異なり、リポ酸はチオレドキシンが存在し
ないとKTI及びBBTIをほとんど還元(不活性化)しなかった。
表x±
NADP/チオレドキシン系、DTT又は還元リボ酸による還元後のダイズトリ
°基質としてN−ベンゾイル−し−アルギニンエチルエステルを用いた非阻害対
照トリブノンの比活性はO,Ol 8Δ^+’!、m/μg/分であった。
1大腸閑NTS (NADI)/チオレドキシン系)による還元は30℃で2時
間行つtこ。
’DTT(1mM)による還元は30℃で1時間行った。
3リポ酸(LA、 0.4 mM)及び小麦チオレドキシンh(Trxh)によ
る還元は 30°Cて1時間(rっだ。リポ酸単独(0,4m)の存在下でのト
リプシン 活性はKTIの場合20.0%及びT3BTIの場=12.s%であ
った。
Fr1ed+nanと共同研究者等は、ダイズ粉をイオウ還元剤(亜硫酸ナトリ
ウム、N−アセチル−L−7ステイン、還元グルタチオン又はL−システィン)
の存在下に加熱すると、おそらくジスルフィド基の還元又はダイズ粉中の他のタ
ン、<りとの交換の結果として、トリプシンインヒビターを不活性化した(Fr
iedman。
Guwlbmann、 19R6: Friedman等、191’12.19
84)。これらの還元剤によりトリプシンインヒビターを不活性化すると、ラッ
ト試験において粉の消化率及び栄養価が改良された(Friedman、 Gu
mb+nann、 1986)。従来の結果とまとめて考えると、本知見(よチ
オレドキシンが標的とするKTI及びBBTI双方のジスルフィド結合がトリプ
シン阻害活性の維持に重要であることを示している。
熱安定性
プロテアーゼインヒビタータンパクは、典型的には、加熱のような不活性化処理
に安定である。この安定性は、少なくとも一部には、ジスルフィド結合の架橋に
よるものである(Birk、 1976: Ryan、 1981)。ジスルフ
ィド結合を還元により切断すると、熱安定性が減少することが知られている(F
riedman等、+982)。問題は、チオレドキシンによる還元が同様の結
果を生じるかである。
表Xl+に示される結果は、この問題に肯定的に答えている。80℃で15分間
加熱すると、KTIのチオレドキシン還元型がトリプシンを阻害する能力を完全
に消失したが、その酸化相対物は最初の活性の約半分を保持した(表Xl+)。
100℃で25分間加熱した後、酸化BBTIはより安定であり、そのトリプシ
ン阻害活性の大部分を保持した。それにもかかわらず、KTIのように、BBT
Iの還元型は加熱によって完全に不活性化された(表X11)。これらの結果は
、(i)KTI及びI’31’3TIが還元時に加熱に対する感受性が増大しか
つ(ii)純粋なりBTTを溶解したものが純粋なKTIを溶解したものより熱
安定性である従来の結果と一致している。粉の場合には逆となる(即ち、KTI
はBBTIより鴫安定性である(Friedman等、1982.1991;
DiPieけo、 Liener、1989))。
表Xl+
クニッツ及びボーマン−バークトリプシンインヒビターの熱安定性、酸化後の大
″基質としてアゾカゼインを用いたトリプシンの比活性は0.319ΔA++o
+7/mg/分であった。不活性化に用いた温度は、本発明の条件下l・リブジ
ンインヒビターの軌安定性を示すように設計された最初の実験でめた。
1測定せず。
プロテアーゼ感受性
KTI及びBBTIの還元型がトリプジン以外のプロテアーゼに対して安定性が
低下するかを試験するために、KTI及びBBTIの還元及び酸化型の双方を小
麦プロテアーゼ標品又はズブチリノンとインキュベートし、タンパク分解産物を
5DS−PAGEで分析した。SDSゲルの無傷タンパクの存在量をレーザーデ
ノ/トメ−ターで測定することにより、タンパク分解の程度をめた。5日間発芽
させた小麦種子のプロテアーゼ標品を用いて試験すると、クニソツインヒビター
の酸化型は消化に対してほとんど完全に抵抗したが、チオレドキシン還元型はプ
ロテアーゼに感受性があった。表X111に示されるように、NADP/チオレ
ドキシン系(NTS)の成分すべてに依存する反応において、約80%のKTI
が分解した。酸化タンパクがKTIに相対してタンパク分解感受性が大きい以外
、BBTIは同しパターンを示した。植物プロテアーゼ標品をズブチリシンに置
き換えると、両インヒビターについて同様の作用が見られた(データは示されて
いない)。タンパク分解反応の種類は調べなかったが、ペプチド産物がSDSゲ
ルに検出されなかったことは留意される。
表X111
植物プロテアーゼ標品によるタンパク分解に対するクニッツ及びボーマンーバー
クトリブノンインヒビターの感受性に関するチオレドキシン結合還元の影響15
大腸菌チオレドキシン系により30℃で2時間還元した後、200酬酢酸ナトリ
ウム、pi−14,6を加えることによりpi−14,7に調整した。次いて小
麦プロテアーゼ標品を加え、37℃で2時間インキュベートした後、5DS−P
AGEで分析した。
2レーザーデンントメーターでめた。
’NTS : NADP/チオレドキノン系。
4測定せず。
本実施例は、チオレドキシン又はジチオスレイトール(DTT)で還元すると、
双方のタンパクを不活性化しかつそれらの熱及びプロテアーゼ感受性が増大する
ことを示している。これらの結果は、インヒビタータンパクのチオレドキシン結
合還元が工業的処理及び種子発芽の双方に適切であることを示している。
これらの結果は、KTI及び13BTIのトリプシン阻害活性にジスルフィド結
合が不可欠である結論を確認するものである(Birk、 1985+ Fri
cdman、 Gumbmann。
1986; Fr1ed+nan等、 1982.1984)。これらの実験は
、還元(不活性化)が生理的条件下で行われることも示している(即ち、低温で
NΔDI”’II−還元チオレドキンンをジンる)。低温におけるトリプシンイ
ンヒビターの不活性化能は、双方のトリプシンインヒビターの完全な不活性化方
法の可能性を与え、これによりダイズ産物の品質を改良しかつエネルギーを節約
する。KTIの完全な不活性化方法の要求は、BBTIが完全に不活性化する条
件下でその活性の20%がダイズ粉に−ttして保持されるので重要である(F
riedman等、199+)。
本結果は、KTI及びBBTIのプロテアーゼ感受性について新しい情報も加え
るものである。還元によるプロテアーゼ感受性の増大は、NΔDP/チオレドキ
ノン系が種子発芽中プロテアーゼに曝された場合、インヒビタータンパクが修飾
されついには分解される機序として作用することを示唆している(BaUmga
rtner。
Chrispeels、 1976; Chrispecls、 Baumga
rfner、 1978; Orf等、 1977; Wi撃唐盾氏B
1988; Yoshikawa等、 +979)。以前に述べたように、NA
DP−チオレドキシン基が小麦種子の発芽中にタンパクを移動する点で同様の役
割を果たしていることが明らかである。
ヒマ種子の28を還元するスルフヒドリル剤の下記実験の結果(Sharief
、 Li。
H)82: Youle、 lluang、1978)は、チオレドキシンが大
きな2Sサブユニツトの分子内ジスルフィドを有効に還元するか、2つのサブユ
ニットをつなく分子間ジスルフィドを還元しlSいことを示している。
材料及び方法
ヒマ(Ricinus communis L、 var l1ale)の種子
をBothwell Enterprises(Plainvicw、 TX)
から入手した。化学薬品は、Signm Chcw+1ca1社(St、 Lo
uis、 l[)から入手した。大腸菌チオレドキシン及びNTRを各タンパク
を過剰発現するために形質転換された細胞から単離した。組換えプラスミドpF
PIを含むチオレドキシン株はDr、 J、−P、 Jacquol(de l
、a Motte−Guery等、 +991)により好意で提供された。組換
えプラスミド、pPMR21を含む株は、Drs、 Marlorie Ru5
selとPeter Model(Russel、 Model、 198B)
により好意で提供された。チオレドキシン及びNTRは、de La Mott
e−Gucry等(+991)及びFlorencio等(1,988)の各手
順により精製した。大腸菌チオレドキシン及びNTRは、5DS−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動の試薬は、Bio−Rad Laboratories(R
ichmond、 CA)から購入した。
モノブロモビマン(mBBr)又はチオライトをCalbiochem(San
Diego、 CA)から入手した。他の薬品は市販のものであり、品質の最
も高いものを人手した。NADPリンゴ酸塩デヒドロゲナーゼ及びフルクトース
−1,6−ビスホスファターゼをトウモロコノUacquot等198+)及び
ホウレンソウ(Nishizawa等1982)の葉から各々精製した。ホウレ
ンソウタンパクに工夫された手順に従って、チオレドキシンhを小麦種子から単
離した(F1orencio等1988)。グルタチオンリダクターゼをホウレ
ンソウの葉から調製した(Florencio等+988)。
プロティンボディーの単離
プロティンボディーを非水法で単離した(Yatsu、 Jacks、 196
8)。皮のついた乾燥ヒマ種子、15gを40m1のグリセロールとワーリング
ブレンダーで30秒間混合した。混合液を4層のナイロンクロスでろ過した。粗
抽出液をJS−20ローターを用いたベックマンJ2−21M遠心機で5分間2
72Xgで遠心した。遠心後、上清画分を集め、41,400Xgで20分遠心
した。プロティンボディーを含む沈降物をIO+nlのグリセロールて懸濁し、
遠心した(41,400xg、20分)後、沈降物を集めた。この洗浄工程を2
回繰り返した。沈降物を3mlの]00mMトリス−)ICIバッファー(pH
8,5)で抽出することにより、可溶性(“マトリックス”)画分を得た。上記
のように遠心して集めた残りの不溶性(“クリスタロイド”)両分を100m1
−リス−HClバッファー(pH8,5)中3mlの6M尿素で抽出しIこ。
2Sタンパク精製手順
Tully及びBeeversの方法(1976)を変更して、2Sタンパクを
調製した。マトリックスタンパク画分を5蘭トリス−HClバッファー、pi(
8,5(バッファーA)で平衡化したDEAE−セルロース(1)[+−52)
カラムに加え、バッファーA中0〜300m1JNaCI勾配て溶離した。2S
タンパクを含む画分をプールし、凍結乾燥して濃縮した。濃縮画分を150mN
ac1を含むバッファーAで平衡化したPharnucia FPLC5upc
rose−12(HRIO/30)カラムに加えた。5uperose−12カ
ラムからの28タンパクを含む両分をバッファーAで平衡化したFPLCMon
o Q )IR515カラムに加えた。カラムを3mlのバッファーA、バッフ
ァーA中20m1の0〜300mMNaC1の直線勾配、最後に1MNacIを
含むバッファーAで順次溶離した。本方法で精製した2Sタンパクは、クーマシ
ーブルーで 染色したSDSポリアクリルアミドゲルにおいて混入物を含まなか
った(Kobrehel等、 +991)。
分析法
タンパクの還元をCrawford等(+989)のモノブロモビマン(mBB
r)/SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法でモニターした。標識したタン
パクを前記“穀類タンパクの還元、材料及び方法”項のように定量した。タンパ
クをBradford (+976)の方法でめた。
酵素アッセイ/還元実験
チオレドキシン及び2Sタンパクの存在下にNADPマレートデヒドロゲナーゼ
及びフルクトース1.6ビスホスフアターゼをアッセイするために、Wada等
。
1981のプロトコールを用いた。添加チオレドキシン量がヒマ2Sタンパクを
還元するには十分であるが標的酵素を認めうるほど活性化するには不十分な条件
下でアッセイを行った。アッセイはすべて25℃とした。特にことわらない限り
、用いられるチオレドキシン及びNTRは大腸菌由来とした。ジチオスレイトー
ル及び大腸菌チオレドキシンによる還元後、mBBr/5DS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動て精製中28タンパクをモニターした(Crawford等、
1989; Kobrehel等、+991)。
図39は、mBBr/SO3−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法でめたヒマ種
子のマトリックスとクリスタロイドタンパクの還元を示すものである。1及び7
、対照:添加なし;2及び8、G5Tl/GR/NADr’l(+還元グルタチ
オン、グルタチオンリダクターゼ(ホウレンソウの葉)及びNADPH,3及び
9、NGS :NADPH1還元グルタチオン、グルタチオンリダクターゼ(ホ
ウレンソウの葉)及び大腸菌由来ゲルタレトキシン、4及び10、NTS :N
ADPHlNTR及びチオレドキシン(共に大腸菌由来);5及び11、NAD
PH,6及び12、NADPH及び大腸菌NTR,反応は、+00嘘トリス−H
Clバッファー、DH7,8中で行った。
指示されているように、0.7μg NTR及び18gチオレドキシンを1mN
AD P H及び標的タンパク:処理1−6の場合8μgのマトリックスタンパ
ク及び処理7−12の場合IOμgのクリスタロイドタンパクを含む70μlの
このバッファーに添加した。グルタチオンによるアッセイも2dL1.4μgの
グルタチオンリダクターゼ、171gのゲルタレトキシン及び1.5+nMのN
ADPHの最終濃度で行った。反応時間は20分とした。
図40は、ヒマ種子2Sタンパクのジスルフィド結合を還元するチオレドキシン
の特異性を示すものである。(1)対照(添加なし); (2)対照+NTS
(図39と同し条件);(3)対照(100℃で3分加熱)+ (4)対照+2
關DTT(100℃で3分加熱)。5μとの28タンパク及び指示されている添
加物を含む試料を301TIMトリスーHC1(pH7,8)中で20分間イン
キュベートした。
次いて、mBBr、80ナノモルを添加し、この反応を更に15分間続けた後、
mBBr/SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法で分析した。
結果
種子の熟成中ツブロチインボディー内に保持されているヒマの貯蔵タンパクをそ
の溶解性に基づいて2両分に分けることができる。可溶性の大きいタンパクはプ
ロティンボディーの外部(“マトリックス”)及び可溶性の小さいタンパクは内
部(“クリスタロイド”)に人っている。現在の研究においては、マトリックス
及びクリスタロイド成分を単離して細胞チオール、即ち、グルタチオン、ゲルタ
レトキシン及びチオレドキシンによる還元を行う能力がめられた。触媒的に活性
なチオール基を有するゲルタレトキシン、12kDaタンパクは、細菌及び動物
の特定の酵素反応においてチオレドキシンに置き換えることができる(Ilo1
mgren等1985)が、植物で生しることは知られていない。
図39は、ヒマ種子の多数の貯蔵タンパクが試験されたチオールによって還元さ
れたが、厳密にはマトリックスの28タンパクの大サブユニットに相当する低分
子量タンパクのみがチオレドキシンに対して特異性を示したことを示すものであ
る。クリスタロイド画分の特定の高分子量タンパクは還元したが、その場合ゲル
タレトキシンとチオレドキシンとの間にほとんど差がなかった (図39)。
即ち、ヒマ種子23大サブユニツトは、チオレドキシン特異的還元を行うに当た
り以前に述べられているノスティン含有タンパクに似ていると思われた。これら
の実験は、この特異性を確認しかつ還元タンパクのある特性を明らかにするよう
に設計された。予想されたように、ジスルフィド基がないことにより、2s小サ
ブユニットは試験された任意の還元剤を有するmBBrと実質的に反応しながっ
tこ。
その蛍光バンドをレーザーデジントメトリーでモニターすると、ヒマ種子25大
サブユニツトの還元がNADr’/チオレドキシン系(NADPLI、NTR及
びチオレドキシン)のすべての成分に依存することが判明した(表XIV)。他
のチオレドキシン結合タンパク(葉緑体酵素のような)の場合のように、28大
サブユニツトの還元に活性なチオレドキシンはジチオスレイトール(DTT)を
用いて化学的にあるいはN A D P +−4及びNTRを用いて酵素的に還
元することができた。N A D P +−rチオレドキンンジンDTT単独及
びDTT+チオレドキンンにジン還元の程度は、25℃で20分後、各々84%
、67%及び90%であった。
一般には広範囲であるが、同様の還元が上記ジスルフィドタンパクで見られた(
Johnson等1987)等地987タンパクのように、未変性小麦チオレド
キシンh及び大腸菌チオレドキシンは、I)TTによる2Sタンパクの還元にお
いて同じ意味で用いることができた(データは示されていない)。
表XlV
異種スルフヒドリル還元剤によるヒマ種子2Sタンパクの還元の程度。反応条件
は図39の通り。100%の還元は、2Sタンパクを2%SDS及び2.5%β
−メルカプトエタノールの存在下に3分間加熱したものに相当する。NTS :
NADPH,NTR及びチオレドキシン(共にタンパクは大腸菌由来);GSI
I/GR/NΔDPH:還元グルタチオン、グルタチオンリダクターゼ(ホウレ
ンソウの葉山来)及びNADPH:NGS :NADPH1還元ゲルタデオン、
グルタチオンリダクターゼ(ホウレンソウの葉山来)及びゲルタレトキシン(大
腸菌由来)。
チオレドキシンのヒマ種子2Sタンパクを還元する能力も酵素活性化アッセイで
明らかであった。ここで、葉緑体のチオレドキシン結合酵素、NADPリンゴ酸
塩デヒドロゲナーゼ又はフルクトース1.6−ビスホスファターゼを活性化する
ために、チオレドキシンが標的にするタンパク(この場合2S)を用いる。従来
試験されたたいていのタンパクのように、2SタンパクはNADPリンゴ酸塩デ
ヒドロゲナーゼをより効果的に活性化し、フルクトースビスホスファターゼでは
ほとんと活性を示さなかった(2.6に対して0.0ナノモル/分/mgタンパ
ク)。
ヒマ種子2Sタンパクは、分子間及び分子内ジスルフィドを含んでいる。即ち、
2Sタンパクにより、これら2種類の結合に対するチオレドキシンの特異性をめ
る。これを目的として、ヒマ種子2Sタンパクを(i)NAI)P/チオレドキ
ノン系を用いて室温で酵素的に及びDTTで100℃で化学的に還元した。
mBBrと反応させた後、スルフヒドリル剤を追加せずに行った5DS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動で還元タンパクを分析した。結果(図40)は、チオ
レドキシンが分子内ジスルフィドを有効に還元したが、分子間ジスルフィドでは
ほとんど効果がなかったことを示している。
本結果は、ヒマ種子、油産生植物の28の還元に対するチオレドキシンの役割を
拡大するものである。チオレドキシンは、2sタンパクの大サブユニットの分子
内ジスルフィドを特異的に還元し、大及び小サブユニットをつなぐ分子間ジスル
フィドにほとんど活性を示さなかった。ダイズのトリプシンインヒビターに関す
る結果に基づき、分子内ジスルフィドのチオレドキシンによる還元がタンパク分
解に対するジスルフィドタンパクの感受性を顕著に増大することは明らかである
(Jiao等+992a)。しかしながら、小麦の主な貯蔵タンパクの場合と思
われるタンパク分解の分解前に28タンパクの還元が起こるかを見ることが残っ
ている。
この実験で提起された関連の問題は、ヒマ及びブラジルナツトのような他の油産
生植物の23 (AI +enbach等、 1987:^mpe等、 198
6)が貯蔵タンパクの他に機能を有するかである。
実施例21
特定のインヒビタータンパクの不活性化による穀類プルラナーゼのチオレドキシ
1、マルトトリオースの標学曲線
0.1〜0.2mlの水又はバッファー中一連の濃度のマルトトリオース(θ〜
2 mg)をミクロフユージ管て作成した。これに0.2mlのジニトロサリチ
ル酸(DA)試薬(IgのDA、30gの酒石酸カリウムナトリウム及び20m
1の2NNaOHを水と最終容filoomlにミックスする)を加えた。この
試薬を温水浴中で溶解した。この混合液を100℃で5分間加熱し、水浴中で冷
却した(室温)。各試料を2mlの水を含むガラス管に移した。水に対するA1
8.をよみとった。ΔA4.。
[ブランク(マルトトリオースなし)のA + e sからマルトトリオースを
含む試料のA I+ sを引いtこ]をマルトトリオース濃度に対してプロット
した。
2、プルラナーゼ活性アッセイ
プルラナーゼ活性を基質プルランから還元糖の遊離として測定する。典型的には
、10−100μlのプルラナーゼ試料(20wlリス−HCl、pH7,5あ
6イハ5−2 (Hh酸+トリ’yム、pH4,6中) ヲ25−100 μ1
(7)200WMa酸ナトリウム、pH5,5(このバッファーはアッセイの最
終pHを5.5にするように作用する)及び10−20μlの2%(胃/V)プ
ルランと混合した。この混合液を37℃でプルラナーゼの活性によって30〜1
20分間インキュベートした。
200μlのDA試薬を加えることにより、反応を停止した。次いで還元糖を上
記のようにめた。
注:
1、粗抽出液の透析で得られたプルラナーゼの粗抽出液又は透析した3 0−6
0%硫酸アンモニウム画分から得られたプルラナーゼをプルラナーゼ源として用
いると、粗抽出液中に還元糖があるのでアッセイの前に十分透析しなければなら
ない。言い換えると、透析した粗抽出液又は透析した30−60%硫酸アンモニ
ウム画分からの粗プルラナーゼ試料のバックグラウンドは非常に高い。この場合
、ブランクは次のように調製する。まず200μmのDA試薬を加え、次に酵素
試料、プルラン及びバッファーを加える。
2、最終濃度のDTT (又はβ−メルカプトエタノール(MET)又はGSH
)がアッセイ混合液中2ff1Mより高いと、OD+sz値はDTTなしく耶T
、 G511)より大きくなる。DDT(MET、 GSI()は、アッセイ中
反応の終わりにブランク、DTTなしの試料に加えなければならない。DTTの
アッセイ混合液中の最終濃度が2−以下であるように注意しなければならない。
プルラナーゼインヒビターの精製
抽出及び硫酸アンモニウム分画
200gのオオムギ麦芽を電気コーヒーグラインダで微細末に粉砕し、600m
1の5%(w/v) N a CIて30℃において3時間抽出した。30,0
00g、4℃で25分間遠心した後、上清を固体硫酸アンモニウムで沈降するこ
とにより分画した。30〜60%飽和硫酸アンモニウムで沈降したタンパクを最
少量の20−トリスHC1,pH7,5に溶解し、このバッファーで4℃におい
て一晩透析した。
DE52クロマトグラフィー
透析しまた試料を遠心して不溶性物質を除去し、上清を2Nギ酸でpH4,6に
調整した。酸変性タンパクを沈降した後、上清をNH,OHでpH7,5に再調
整し、20IlIMトリスーHCl、pH7,5で平衡化したDE52カラム(
2,5x 26cm)に充填した。80m1の上記バッファーで洗浄した後、カ
ラムを直線0−500−トリス−MCI、pH7,5で溶離した。6.7mlの
両分を集めた。プルラナーゼを約325蘭NaC1て溶離し、そのインヒビター
は約100+nMNaC1で溶離した。更にプルラナーゼをCM32 (20m
M酢酸ナトリウム、pH4,0)及び5ephacryl−2001IR(20
0mMN a Cl及びImMEDTAを含む30mMトリス−HCl、pj1
7.5)クロマトグラフィーで精製した。プルラナーゼインヒビタータンパクを
」二3このよう1こ精製しtこ。
CM32クロマトグラフィー
DE52工程のプルラナーゼインヒビター試料(約90m1)を150m1のフ
ラスコに入れ、70℃の水浴で20分間インキュベートした。遠心後、清澄化し
た試料を2Nギ酸てplLl、6に調整し、20mM酢酸ナトリウム、pH4,
6で透析した。透析で生した沈澱を遠心して除去し、上清を20關酢酸ナトリウ
ム、pH,16で平衡化したCM32カラム(2,5x 6 cm)でクロマト
グラフィー処理した。
タンパクを200m1の20mM酢酸ナトリウム、pH4,6中直線(1−0,
04MNaClて溶離した。プルラナーゼ阻害活性を含む両分(5,0ml/画
分)をプールし、透析し、200m1の20mM酢酸ナトリウム、pH4,0中
直線0.2−LMNaCIを用いてCM32カラム(2,5X 6 cm)で再
びクロマトグラフィー処理した。
セファデックスG−75ろ過
CM32クロマトグラフィー第2工程のプルラナーゼインヒビター画分を固体ス
クロースに対する透析バッグで濃縮し、次いて200mMNaC]及びImME
DTAを含む30−トリス−HClで平衡化したセファデックスG−75カラム
(2,5X Fl 5cm)で分離した。プルラナーゼ阻害活性を示す両分(3
,6ml/画分)をプールし、固体スクロースで透析して濃縮し、次に10mM
トリス−HCI。
pl−(7,5で透析した。
プルラナーゼインヒビターの同定及び精製発芽で、デンプンはα−1β−アミラ
ーゼ及びプルラナーゼ(枝切り酵素、R−酵素とも言われる)によりグルコース
に変換される。アミラーゼの調節に対して多くの研究が行われたが、種子におけ
るプルラナーゼの調節についてはほとんど知られていない。Yamada (Y
a+nada、 J、 (1981) Carbohydrate Re5ea
rch 90:15R−
157)は、穀類粉を還元剤(例えばDTT)又はプロテアーゼ(例えばトリプ
シン)とインキュベートすると、プルラナーゼ活性を活性化することを報告して
おり、還元又はタンパク分解がプルラナーゼを発芽で活性化する機序であること
を示している。コメの粉のように、発芽した小麦種子又はオオムギ麦芽のプルラ
ナーゼ抽出液は低活性を示し、DTTとの20−30分間の前インキュベーショ
ンで3〜5倍に活性化した。しかしながら、抽出液(30−60%硫酸アンモニ
ウム画分の透析物)をアニオン又はカチオン交換クロマトグラフィーで精製した
後、全プルラナーゼ活性はDTTと前インキュベーションなしでアッセイしたカ
ラムに加えた試料より2〜3倍増加し、DTTはプルラナーゼに対して全くある
いはほとんど効果がなかった。発芽した小麦種子又はオオムギ麦芽が高プロテア
ーゼ活性を示すことから、プルラナーゼが精製過程でタンパク分解により活性化
される1つの可能性があった。その場合には、プロテアーゼインヒビター反応混
液を加えると、精製中プルラナーゼ活性化が防止される。これとは反対に、プロ
テアーゼインヒビターを用いた多くの実験は、これを証明しなかった。もう1つ
の可能性は、硫酸アンモニウムで沈澱しかつプルラナーゼを阻害するインヒビタ
ーがあることであった。DTTの役割はこのタンパクインヒビターを還元、即ち
不活性化することであり、プルラナーゼを活性化する。この方向で、オオムギ麦
芽の3(1−60%硫酸アンモニウム画分を2011IMトリスーHCl、pH
7,5で平衡化したDE52カラム(2,5X 26 cm)に加えた(図41
)。塩の直線勾配で溶離した後、′脱阻害″(″活性化″)プルラナーゼを約3
25+++1JNaCIで溶離するタンパクピークとして同定した(画分番号4
4〜60)。50μ!のピークブルラナ・−ゼ活性画分(画分番号45)と50
μIの他のタンパク画分からなる前インキュベーション混合液中のプルラナーゼ
活性をアッセイすると、プルラナーゼ阻害活性を示したタンパクピークが画分番
号8〜25の間の約100m1ilNaCIでDE52カラムから溶離されたこ
とを示した(図41)。
プルラナーゼインヒビター試料をpH4,6(図42)及び4.0(図43)の
CM32を用いた2逐次カチオン交換クロマトグラフィ一工程及びセファデック
スG−75(図44)を用いたろ過で更に精製した。
プルラナーゼインヒビターの特性
予備的実験は、プルラナーゼインヒビタータンパクが70’′c10分間及びp
H4,0の処理に耐性があることを示した。セファデックスG−75ゲルろ過及
び5DS−PAGEのプロファイルに基づき、プルラナーゼインヒビターは8〜
15kDa±2kDaの分子量を有する。実験は、更にタンパクがチオレドキシ
ン還元性(S−3)結合を含むことを示した。
表X■に示されるこれらの実験は、偏在性ジチオールタンパク、チオレドキシン
がオオムギ及び小麦内胚乳のプルラナーゼを阻害するこれまで未知のジスルフィ
ド含有タンパクに特異的な還元剤として作用することが判明した。
表Xv
NADP/チオレドキシン系による還元後のインヒビターなし 100
インヒビター
酸化 30.1
DTTて還元 46,1
大腸菌Trx/DTTて還元 95.1大腸菌NTSテ還元 40.4
GSII/NADr’ll/GRて還元 33.6インヒビタータンパクを還元
すると、プルラナーゼ阻害能が取り除かれ、これによりプルラナーゼ酵素を活性
にする。表X■に示されているこれらの実験は、プルラナーゼ酵素をNADPH
,NADP−チオレドキシンリダクターゼ(NTR)及びチオレドキシンNAD
P/チオレドキシン系)からなる生理系並びにチオレドキシン(Trx)及びジ
チオスレイトールで活性にすることが可能であることを示している。これらの知
見は、また、プルラナーゼの還元的活性化が起こる方法を明らかにするものであ
る(即ち、特定(従来未知)のインヒビターを還元し、これにより不活性化され
るので酵素が活性になる)。この反応に活性なチオレドキシンは、大腸菌又は種
子内胚乳(チオレドキシンh)のような各種原料から入手することができる。イ
ンヒビタータンパク(1)を還元的に不活性化しかつプルラナーゼ酵素(E)を
脱阻害するに当たってチオレドキシンの役割を式l及び2還元チオレドキシン+
NADP
(2)酸化チオレドキシン+[非活性E:酸化1] −酸化チオレドキシン+活
性E十還元■
手短に述べると、内胚乳粗抽出液をカラムクロマトグラフィー法で分画した。
これらの工程は、プルラナーゼ酵素からタンパクインヒビターを分離させた。次
いで、インヒビタータンパクを数工程で高度に精製した。mBBr/5DS−P
AGE法を用いることにより、新規なタンパクのジスルフィド基がチオレドキシ
ンで特異的に還元されかつ還元されたタンパクがそのプルラナーゼ阻害能を消失
することがめられた。種子の他のある種ジスルフィドタンパク(例えば、ダイズ
のクニッツ及びボーマン−バークトリプシンインヒビター)のように、プルラナ
ーゼインヒビタータンパクは、葉緑体NADPリンゴ酸塩デヒドロゲナーゼを活
性化する能力を示した。これらの実験においては、ジチオスレイトールを用いて
チオレドキシンを還元し、次にインヒビターを還元し、これによりデヒドロゲナ
ーゼ酵素を活性化した。
実施例22
チオレドキシン及びNADP−チオレドキシンリダクターゼを過剰発現させる酵
母細胞の操作
2種類のサツカロミセスセレビシェチオレドキシン遺伝子(Muller、 [
!、G、D。
(+991)、 J、 Biol、 ChelTL266:9194−9202
) 、TRX l及びTRX2を高コピー数のエピソームベクター、例えばYE
p24中で強力な構成プロモーター因子、例えばグリセルアルデヒド−3−Pデ
ヒドロゲナーゼ、エノラーゼ又はホスホグリセレートキナーゼ遺伝子の解糖プロ
モーターの調節によってクローン化する。組換え構築物を抗チオレドキシンウサ
ギ抗血清を用いたウェスタンブロッティング定量法(Muller、 E、 G
、 D、等(1989)、 J、 Biol、 Cheu 264:4008−
4014)でチオレドキシンの過剰発現を評価してチオレドキシン遺伝子及びプ
ロモーター因子の最適組合わせを選択する。最適なチオレドキシン過剰発現系に
よる細胞をドウの改良のためにヂオレドキシン源として用いる。
NADP−チオレドキシンリダクターゼ遺伝子をそのアミノ末端配列から推論さ
れるオリゴヌクレオチドプローブを調製することによりクローン化する。酵母細
胞からホウレンソウの葉に対して考えられた方法を変更して、酵素を調製する(
Florencio、 F、J、等(1988)、 Arch、 Bioche
IILBiophys、266:496−507)。純粋■■
ダクダーゼ酵素のアミノ末端をApplied Biosystems気相タン
パクシークエンサーを用いて自動Exman分解によるミクロン−フェンシング
でめる。この配列に基づきかつ酵母内のコドンを用いることにより、24大文字
の同義性20塩基DNAプローブを調製する。プローブをサザンプロット法によ
りEcoRIとPstlて切断した単離酵母DNAに対してハイブリッド形成す
る。最も活性な領域をアガロースゲルから抽出し、pUCl 9プラスミドベク
ターに導入する(Szekercs、 M等(1991)、 、1. []ac
lerio1.173+1821−1823)。形質転換した後、標識したオリ
ゴヌクレオチドプローブを用いてコロニーハイブリッド形成によりプラスミド含
有大腸菌コロニーをスクリーンする(vogeli、G、等(1987)、 M
ethodsEnzymol、 152:407−415) 。上記5zeke
res等に示されているようにDNAを配列決定することによりNADP−チオ
レドキシンリダクターゼの遺伝子をもつクローンを同定する。同定するとすぐに
、上記TRX1及びTRX2酵母チオレドキシン遺伝子の酵母内で、NADP−
チオレドキシンリダクターゼ遺伝子を過剰発現する。NADP−チオレドキシン
リダクターゼを過剰発現する酵母細胞をリダクターゼ源として用いるとドウの品
質を改良する。
実施例23
遺伝子操作した酵母細胞を用いたドウの品質改良2種の酵母チオレドキシンと実
施例23て述べた酵母NADP−チオレドキンンリジンターゼを過剰発現するた
めに操作したサツカロミセスセレビシェ細胞を音波処理のような確立された方法
により溶解し、次いで凍結乾燥する。チオレドキシン及びNADP−チオレドキ
シンリダクターゼを過剰発現する培養物の乾燥細胞を合わせ、粉を補足するため
に用いてそのドウの品質を改良する。0.2gの合わせた溶解乾燥細胞を約30
0〜約500ナノモルNADP11と共にIMhリス−11cIバッフy−、p
H7,9に加えて5.25nlの30m)J)リス−HClを得た。反応は、実
施例14に記載されたように30℃においてミクロファリノグラフで行われる。
実施例14て示された改良と同様のドウの品質改良が見られた。
ドウの品質についてNADP/チオレドキシンの陽性効果は、グルテンの調製に
おいてこの系を粉に加える選択を示している。目的はグルテンの収量及び特性を
変えることであり、これによりその工学的価値を高める: (1)強力なグルテ
ンを得る(弾性の増加、伸長性の改良); (2)NADP−チオレドキシン系
によって還元された可溶性タンパクをタンパクの網状構造に捕捉し、これにより
グルテンの製造で洗い流されないように防止してグルテンの収率を増加する。こ
の手順(logの粉を用いる)においては、0.2μgの大腸菌チオレドキシン
、0、1ggの大腸菌NADP−チオレドキシンリダクターゼ及び300〜50
0ナノモルのNADPHをIMI−リス−HCL pH7,9,バッファーと共
に加えて5.25m1の30酬トリス−MCIを得る。グルテンを一般の浸出法
により室温で調製する。グルテンの収量を重量でめ、グルテンの強度を古典的な
手動伸長法でめる。NADP/チオレドキノン系によるこの処理で得られるグル
テン産物を粉又は他の粒の添加物として用いる。
実施例25
非小麦又はライムギ粉のドウの製造方法本試験の場合(トウモロコン、コメ又は
モロコシのlogの粉砕した粉を用いる’) 、0.2μgの大腸菌チオレドキ
シン、0.1ggの大腸菌NADP−チオレドキノンリダクターゼ及び500ナ
ノモルのNADPHをIMI−リス−HCI 。
pH7,9,バッファーと共に加えて5.25m1の30ff!!l−リス−H
Clを得る。反応は、10gの粉砕した粉と酵素系とをミクロファリノグラフで
30℃において混合することにより行われる。ファリノグラフ測定は、NADP
−チオレドキシン系により小麦様のドウ特性を示している。酵素系なしの対照に
おいては、混合物がドウを形成しないのでミクロファリノグラフの読み取りは不
可能である。形成されるドウは持続性であり、その粘稠性は実験中維持される。
最終産物は、小麦から得られたドウで生じた網状構造と同じである。
動物毒素の還元
本発明は、ミツバチ、サソリ及びヘビに含まれる毒性の原因となるタンパクを化
学的に還元しカリこれによりチオレドキシン又はDTTの存在下にチオールレド
ックス(SH)剤、即ち還元チオレドキシン、還元リポ酸によって動物毒素、詳
細にはヘビ神経毒の毒性を軽減することにより毒液の生物活性を変える方法を提
供する。チオレドキシンの還元は、好ましくはNADP−チオレドキシン系(N
TS)を介して生シル。前述のように、NTSはNADPH,NADP−チオレ
ドキシンリダクターゼ(NTR)及びチオレドキシンを含んでいる。
“チオールレドックス剤”は、非還元状態、また還元又はスルフヒドリル(SH
)状態の薬剤の双方を示すことが文献でしばしば用いられている。本明細書で定
義される“チオールレドックス(Sll)剤”は、還元チオールレド・ソクスタ
ジノくり又は合成的に調製されたDTTのような薬剤を意味する。
神経毒の還元は、血液、リンパ球又はバッファー等の液体である媒体又は細胞も
しくは池の生存組織等の固体である媒体中で起こるものである。本明細書で用い
られる“液体”という用語それ自体は、個体の中に存在する生体液を意味しない
。
おそらく生体外で毒液を不活性化しカリ個体の毒液を解毒するチオールレド・マ
ウス(SH)剤の技術は、これらの毒性の原因となる毒液成分中で分子内ジスル
フィド結合を還元する本発明の薬剤の能力に左右される。
すべてのヘビ神経毒は、シナプス前部及びシナプス後部共に還元され、本発明の
チオールレドックス(SH)剤により生体外で少なくとも部分的に不活性化する
ことができる。ヘビ毒抗毒素の調製において抗原として有効である。神経毒は、
好ましくは適切なパンファー中チオールレドックス(S )()剤とインキュベ
ートすることにより不活性化される。好ましいバッファーは、トリス−HCl/
<・ソファ−であるが、リン酸塩バッファーのような他のバッファーを用いても
よい。好ましいチオールレドックス(SID剤は、還元チオレドキシンである。
ヘビ神経毒を不活性化するのに有効な量は、100μmの容量中lOμgのヘビ
神経毒に対して約0.1〜5.0μg、好ましくは約0.5〜1.0μgの還元
チオレドキシン;約1.0μgのチオレドキシンの存在下約1〜20ナノモル、
好ましくは5〜15ナノモルの還元リポ酸及び約lθ〜200ナノモル、好まし
くは50〜100ナノモルの還元DTT (好ましくは約1,0μgのチオレド
キシンの存在下)の範囲である。
NADP−チオレドキシン系の成分を用いてヘビ神経毒を不活性化するのに有効
な策は、100μmの容量中10μgのヘビ神経毒に対して約0.1〜5.0μ
g1好ましくは約0.5〜1.θμgのチオレドキシン;約0.1〜2.0μg
、好ましくは0.2〜1.0μgのNTR及び約0.05〜0.5マイクロモル
、好ましくは約0.1〜0.25マイクロモルのNADPHの範囲である。
不活性化の際、不活性化神経毒及びチオールレドックス(SH)剤等を含有する
パンファーは、ヘビ毒抗毒素を産生ずるウマのような動物に注射されるか又は注
射の前に熱又はホルムアルデヒドで更に処理される。
本発明のチオールレドックス(SH)剤は、有毒な咬傷による神経毒性の作用を
受けている個体を治療するためにも用いられる。還元チオールレドックス(SH
)剤を個体に投与する好ましい方法は、ヘビ咬傷の周りに多数回皮下注射するこ
とによるものである。
個体において神経毒を解毒するために用いられるチオールレドックス(SH)剤
の正しい量は、個体が咬傷から実際に受けた毒素量に左右されることは当然であ
る。しかしながら、マウスにおけるヘビ神経毒の毒性を解毒又は還元するのに有
効な量は、通常、マウスの体重1gに対して約0.01〜0.3μg、好ましく
は約0.02〜0.05μgの還元チオレドキシン:約005μgのチオレドキ
シンの存在下約0.1〜3.0ナノモル、好ましくは0.2〜1.0ナノモルの
還元リポ酸;好ましくは0.O5l1gのチオレドキシンの存在下約1.0〜3
0ナノモル、好ましくは2.0〜5.0ナノモルのDTTの範囲である。
NADP−チオレドキシン系の成分を用いてマウスにおいてヘビ神経毒を解毒す
るのに有効な量は、マウスの体重1gに対して約0.01〜0.3μg、好まし
くは約0.02〜0.05μgのチオレドキシン;約0.005〜0,12μg
1好ましくはO,Ol〜0.025μgのNTR及び約5〜30ナノモル、好ま
しくは約lO〜15ナノモルのN A D P Hの範囲である。
NTSを個体に投与する好ましい方法は、多数回皮下注射することによるもので
ある。ヒト使用に好ましいチオールレドックス剤は、NADP−チオレドキシン
系を介して又はリポ酸又はDTTを用いて投与されるヒトチオレドキシンである
。
本発明の方法によって不活性化又は解毒される神経毒を産生ずる有毒なヘビの部
分的な表が、Chippaur、 J、−P、等(199+) Reptile
Venoms and Toxins、八、T、 TuB
ed、、Marcel Dekkcr、 Inc、、の529−555ページに
出ており、参考として本明細書に引用する。
毒液を不活性化及び解毒することについて、本発明の他の特徴及び利点は下記実
施例から明らかである。
実施例26
ミツバチ、サソリ及びヘビ毒の還元実験及びmBBrによる標識化反応は、50
IJgの毒液(最終審1100μl)を用いて次のプロテアーゼインヒビター
フェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)、ロイペプチン及びペプスタ
チン(アッセイに用いられた最終濃度・各々100μM、lμM及びlμM)を
含む30蘭トリス−HClバッファーpH7,9中で行った。還元剤としてNA
D P )(を用いた混合液は、4μgのチオレドキシン、3.5μgのNTR
(共に大腸菌由来)及び12.5mMNADPHも含有した。チオレドキシン(
411g、大腸菌又はヒl−)をDTTで還元する際、NADPHとNTRを除
き、DTTを0.5−に加えた。G S Hによるアッセイは、最終濃度5+n
Mでかつ1.5μgのグルタチオンリダクターゼ及び+2.5mMNADPHを
存在させる以外は同様に行った。混合液を室温で20分間インキュベートし、次
いてmBBrを1.5ffIMに加え、反応液を室温で15分間続けた。反応を
停止し、10μmの100鯛β−メルカプトエタノール、5μmの20%SDS
及び10μmの50%グリセロールを加えることにより、過剰のmBBrを誘導
した。次いて前記のように5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析
した。
NADP−チオレドキシン系を用いて同様の実験をプロテアーゼインヒビターを
加えずに行った。
上記種々の還元剤によるミツバチ、サソリ及びヘビ毒の程度を、各々図45.4
6及び47に示す。図45.46及び47は、種々の毒液の還元実験の結果を示
すものである(SDS−ポリアクリルアミドゲル/mBBr法)。種々の還元剤
を用いかつプロテアーゼインヒビターの存在下に室温で20分インキュベートし
た後、試料をmBBrで誘導し、電気泳動で分離し、蛍光をめた。(図45−ア
ピスメリフエラ(Apis mellifera)由来のミツバチ毒;図46:
アンドロクトヌスアウストラリス(Androctonus australi
s)由来のサソリ毒及び図47:ブンガルスムルチシンクツス(Bungaru
s multicinctus)由来のヘビ毒。これらの場合すべてにおいて、
チオレドキシン(大腸菌又はヒト)が毒液の成分を特異的に還元したことが見ら
れる。図48は、反応がプロテアーゼインヒビターを存在させずに行われた同様
の方法で、チオレドキシンが毒成分を還元することを示すものである。
図48は、プロテアーゼインヒビターあり又はなしでNADP−チオレドキシン
系によるミツバチ、サソリ及びヘビ毒の還元の結果を示すものである(SDS−
ポリアクリルアミドゲルmBBr法)。任意のプロテアーゼインヒビターの存在
又は不在下にNTSを用いて室温で20分インキュベートした後、試料をmBB
rで誘導し、電気泳動て分離し、図45−47のように蛍光をめた。
旦科
毒液 アピスメリフエラ由来のミツバチ毒、アンドロクトヌスアウストラリス由
来のサソリ毒及びブンガルスムルチジンクツス由来のヘビ毒をSigma Ch
emica1社(St、 Louis、 MO)から購入した。
プロテアーゼインヒビター・フェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)
、ロイペプチン及びペプスタチンをSigma Chemica1社(St、
Louis、 MO)から購入しtこ。
毒液の解毒
マウスに皮下注射することにより、ミツバチ、サソリ及びヘビ毒の解毒をめる。
アッセイは3回の実験で行われる。注射前に、毒液をLDoの2倍までの濃度(
マウス1g当たり)・アビスメリフエラ由来のミツバチ毒、2.8μg;アンド
ロクトヌスアウストラリス由来のサソリ毒、0.32μg:及びブンガルスムル
チシンクツス由来のヘビ毒、0,16μgでリン酸塩−食塩水バッファ−(10
mNap Hpol /NaHt POt pH7,2中0.15M NaC+
)に希釈する。注射の5、l0130.60分及び4.12及び24時間後に、
抗原投与したマウスの別個のグループに(1)静脈内及び(2)皮下注射する(
初回の注射部位の周りに多数回局所注射)。チオレドキシンは、(1)0.08
μgのチオレドキシン、0゜07μgのNTR及び25ナノモルのNADPHを
用いた大腸菌NADP−チオレドキソン系、(2)I)TTで還元したチオレド
キシン又は還元リポ酸(0,08μgの大腸菌又はヒトチオレドキシンを1ナノ
モルのジチオスレイトール又は1ナノモルの還元リポ酸に加える)で還元される
。濃度は、動物に注射した毒液1μgに対するものであり、溶液はすべてリン酸
塩−食塩水バッファーで調製する。
解毒に関するチオレドキシンの影響は、(1)チオレドキシンなしの対照グルー
プと比較する及び(2)動物に対する壊死、腫脹及び全身の不快感で証明される
局所反応の程度を比較することによりめられる。
ブタ膵臓ボスホリバーゼA2、エラブトキノンb及びβ−ブンガロトキシンをS
ig+na Chemica1社(sl、 Louis、 Mo)から購入した
。ホスホリパーゼA2は3.2M(NO,)2 SO,溶液pt+5.5で供給
されたので、タンパクをセントリコン3kDaカツトオフ膜を用いて30關トリ
ス−11CIバツフアー、pH7,9で透析した。
α−ブンガロトキシン及びα−ブンガロトキシン12″Iは、叶、 5hall
a Verrallから好意で贈られたものとした。
試薬及びファインケミカルス
DL−α−リポ酸、ダイズの1.−α−ホスファチジルコリン、NADPH及び
β−メルカプトエタノールをSigma Chemica1社(St、 Lou
is、 Mo)から及びモノブロモビマン(mBBr、商品名チオライト)をC
albiochem (San Diego、 Ca、)から購入した。ドデシ
ル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動の試薬は、Bi
o−Rad Laboratories(Richmond、 Ca)がら購入
した。
載されているように大腸菌から精製した。チオレドキシンhは小麦胚芽から精製
しくFlorencio、 F、J、等、 (1988)^rch Bioch
ewl、Biophys、 266:496−507) 、`オレ
ドキシンr及びmはホウレンソウの葉から精製した(上記Florencio、
F、 J、等)。
ヒトチオレドキシンはDr、 Pmanucllc Wollmanから好意で
贈られたものとした。
NADPリンゴ酸塩デヒドロゲナーゼはトウモロコシの葉から精製しくJacq
uot、 J。
−P、等(!981) Plant Physiol、 68:300−304
)、グルタチオンリダクターゼはホウレンソウの葉から精製した(上記Flor
encio、 Fj、等)。大腸菌ゲルタレトキシンはA、 l!o1mgre
n教授から好意で贈られたものとした。
5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動5DS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動は、厚さ1.5m+の10−20%勾配ゲルて行い、40+nAの定電流で
3時間展開した。電気泳動後、ゲルを12%(w/v)トリクロロ酢酸に2時間
浸漬し、次いで40%メタノールと10%酢酸を含有する溶液に12時間移して
過剰のmBBrを除去した。ゲルを紫外光源(365μm)を取り付けたライト
ボンクスに入れてタンパク結合mBBrの蛍光をめた。
ポラロイド陽画/陰画ランドフィルム、55型でWratten黄色ゼラチンフ
ィルターNo、8(カットオフ=460nm)(露光時間f4.5で40秒)を
とおしてゲルの写真を取った。10%酢酸及び40%メタノール中0.125%
(W/V)クーマン−ブルーR−250の溶液で1時間ゲルのタンパクに対して
染色した。クーマシーブルーを除くこの同じ溶液でゲルを脱染した。
蛍光ゲルのポラロイド陰画及び染色した乾燥ゲルをレーザーデンシトメーター(
Pharmacia−LKB Ultroscan XL)て走査した。Ge1
scan XLソフトウェアでビークの領域又は高さを評価することにより、バ
ンドを定量した。
0゜8μgのチオレドキシン、0.7μgのNTR(共に大腸菌由来)及び2.
5ITllIlN A D P Hを含む30ffl!IIトリス−HClバッ
ファー、pH7,9の最終容量100μI中10)zgの標的毒素を用いて反応
を行った。チオレドキシンをDTTで還元する際、NADPHとNTRを除き、
DTTを0.5μMに加えた。最終濃度111M以外は同様にしてG S Hに
よるアッセイを行った。ゲルタレトキシンによる還元の場合、チオレドキシン及
びNTRを1μgの大腸菌ゲルタレトキシン、0.3871gのグルタチオンリ
ダクターゼ(ホウレンソウの葉から部分精製したもの)、l wmG S H及
び2.5酬NADPH(これらの4成分の組合わせをNADP/グルタレドキン
ン系とジン)に置き換えた。リポ酸の還元型による還元を2種の濃度、100μ
M及び200μMの100771の容量で共に単独及び0.8μgのチオレドキ
シンを用いて11つだ。混合液を、エラブトキノンb及びα−ブンガロトキシン
の場合37℃で2時間、β−ブンガロトキンジン場合室温で1時間及びホスホリ
パーゼA、の場合室温で20分間インキュベートした。インキュベートした後、
m13Brを1.5mMに加え、反応を室温で15分間続けた。反応を停止し、
過剰のmnr3rを108gの100mMβ−メルカプトエタノール、5Itl
の20%SDS及び10μmの50%グリセロールを加えることにより誘導した
。次いで、試料を5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動て分析した。
試料を2mMDTT中で3分間煮沸することにより、全毒素還元を達成した。冷
却後、試料をmBBrで標識化し、全試料を2分間再び煮沸した後、ゲルに充填
した以外は前のように処理した。エラブトキノンbの上記種々の還元剤による還
元の程度を図49に示す。2−メルカプトエタノール及びグルタチオンのような
モノチオール還元剤に対して、ジチオスレイトール(DTr)及びチオレドキシ
ンとリポ酸の還元型はノチオール還元剤である。DTTは合成で調製した化学薬
剤であるが、チオレドキシン及びリポ酸は細胞内に存在する。上記で示した証明
は、リポ酸がジチオスレイトールより特異的な還元剤であることを示すものであ
る。
ジチオスレイトールはチオレドキシンなして毒素を部分的に還元する(レーン5
)が、還元リポ酸は還元しなかった(レーン8)。図52は、NTS又はDTT
とチオレドキシンがα−ブンガロトキンジンびβ−ブンカロトキンジン特異的な
還元剤であることを示している。
実施例28
NADPリンゴ酸塩デ酸塩デヒドロゲナーゼ活性化ヘビ縁体NADI)リンゴ酸
塩デヒドロゲナーゼ活性化能を、5μgの毒素をチオレドキシンの限界濃度(チ
オレドキシンによる酵素の活性化を制限する)・大腸菌チオレドキシン、0.2
5μg;ヒト0.9μg;小麦、1. + 5μg;ボウレンソウf及びm、各
々0.375及び0.125μgと前インキュベートすることにより行った。1
00mMトリス−1−1c I、pH7,9、指示されているチオレドキシン及
びl OmMDTT (最終審IL0.2+nl)を含有する溶液に精製トウモ
ロコシNADPリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、1.4μgを加えた。25分後、1
60μmの前インキュベージgン混合液を(0,79ml中)1ooIIIMト
リスHCl、pH7,9と0.25+nMNAD PHを含有する1ml容量の
1cmキュベツトに注入した。50μmの50mM才キサロ酢酸を加えることに
より、反応を開始した。次いで、NADPH酸化を4方向チヤンネル切換器を取
り付けたベックマンスベクトロボトメータを用いて340μmの吸光度の変化を
モニターした。本実験の結果を示す図50は、エラブトキノンbの種々の還元チ
オレドキシンで還元すると、NADPリンゴ酸塩デヒドロゲナーゼを活性化する
毒素の生物学的能力を著しく変えることを示している。結果は、有効性の差異は
あるが、試験したすべてのチオレドキシンが毒素の作用を制限する程度まで機能
することを示している。
エラブトキノンb、10f1gを30蘭トリス−1−(Clバy7y pH7,
9(全量、100μm)と37℃で2時間インキュベートした。指示されている
ように、バッファーを0.8 μg (7)チt Iiドキンジン0.771g
(7)NTR及び2.5+n1JNADPHで補足した。チオレドキシンをDT
Tで還元する際、NTRとNADPHを除き、DTTを0.5酬に加えた。イン
キュベートした後、試料を0.4及び2μgのトリプシンで37℃において10
分間消化した。DTT、4.8μmの50+nM溶液、5μmの20%SDS及
びl0fllの50%グリセロールを加え、試料を3分間煮沸し、次いで5DS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた。ゲルをクーマン−ブルーで染色し
、タンパクバンドを上記のようにデンシトメーター走査で定量した。アッセイの
結果を下記表XVIに示す。これらの結果は、ヘビ神経毒(エラブトキシンb)
を還元すると毒素がタンパク分解に対してより感受性になることを示している。
この結論を広げると、還元チオレドキシンを解毒剤として投与すると、毒液のプ
ロテアーゼによるタンパク分解不活性化が増大するために毒素を破壊することを
助けるに違いないことが示される。
処理 消化エラブトキシンb%
0.4μgトリプシン 2μgトリプシン対照 0.0 34.1
還元、NTS 21.1 57.8
還元、DTT 3.1 40.6
還元、DTT + Trx 28.0 71.8エラブトキシンb、10μgを
次のように30鯛トリス−HClバッファー。
pH7,9中37°Cて2時間前インキュベートした:対照、添加なし;大腸菌
NADP/チオレドキンン系(ジンS)、チオレドキシン、NTR及びNADP
H。
DTTて還元、DTTとチオレドキシンで還元、DTTは大腸菌チオレドキシン
で補足した。前インキュベートした後、0.4μg及び2μgのトリプシンを指
示したものに加え、次いて5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動て分析した
。
β−ブンガロトキンジンホスホリパーゼA2成分の酸化還元型の活性をLob。
de^raujo等(1987) Toxicon 25:ll8l−1188
に記載されているように酸度の変化を分光光度計でめた。還元実験に対して、l
Oμgの毒素を0.8μgのチオレドキシン、0.7μgのN T R及び7
mMN A D P 1−rを含有する30rnMトリスーIC+バッファー、
ptr7.9 (最終容量、35μI)中でインキュベートした。
室温で1時間インキュベートした後、20μmの反応混合液をl OwlMCa
Cl t、100mMNacI、4酬胆汁酸ナトリウム、175μMダイズホ
スファチジルコリン及び55μMフェノールレッドを含む1mlのアッセイ溶液
(pH7,6に調整)の入ったlccキュベツトに加えた。次いで、Becko
mn Duモデル2400分光光度計で558μmの吸光度の変化を測定した。
図51に示されている本実験の結果は、β−ブンガロトキシンがチオレドキシン
で還元されるとその大部分のホスホリパーゼ活性を消失することを示している。
結果は、ヘビ咬傷の後に還元チオレドキシンを投与すると、ホスホリパーゼAt
活性を取り除いて毒素の解毒を助けるという結論と一致している。
培養マウス細胞について、放射能標識した毒素を用いてα−ブンガロトキシン結
合をアッセイした(Gu、 Y、等(1985) J、 Neurosci、
5:l909−1916) 、 マウス細胞、ラインC3をGu等(上記Gu、
Y、等)に記載されているように増殖し、24ウエルのプラスチック組織培養
プレート(Falcon)にlウェル当たり約3000細胞の密度で入れた。4
8時間後、更に96時間後に、増殖培地を融合培地に取り替えた。
更に2日間増殖した後、培養物をアッセイに用いた。
3種類の処理に供した細胞を用いてα−ブンガロトキシン結合をめた: [A]
10nMα−ブンガロトキシノ’J (262Ci/ミリモル)を4μgのチオ
レドキシン、3.5μgのNTR(共に大腸菌由来)及び6.25+nMNAD
PHを含む200μ、lのリン酸塩−食塩水バッフy (10mNat HPO
I/NaH+ PO4pH7,2中0. l 5M NaCl)中37℃で2時
間前インキュベートした。ある場合には、NTRとNADPHを1.25蘭DT
Tに置き換えた。2時間インキュベートした後、混合液をマウス細胞を含むウェ
ルに移し、リン酸塩−食塩水で2回洗浄し、37℃で2時間インキュベートした
。[B]細胞をリン酸塩−食塩水バッファーで2回洗浄した後、1ウエル当たり
lonMα−ブンガロトキシン1!11(200μmのリン酸塩−食塩水中)を
加えた。37℃で2時間インキュベートした後、細胞を再びリン酸塩−食塩水バ
ッファーで洗浄して非結合毒素を除去した。指示されているように、0.68m
MCaCl、、0.49mMMgC1t、4μgチオレドキンン、3.5μg
NTR及び6.25mMNADPT−[て補足した200μlの食塩水をウェル
に加えた。プレートを37℃で2時間インキュベートした。NTR及びNADP
Hを1.25+nMで加えるDTTによる処理から除いた。[C]細胞をリン酸
塩−食塩水バソフア−で2回洗浄した後、4μgのチオレドキシン、3.5μg
のNTR及び6.25蘭NADPHを含む200μmの溶液を各ウェルに加えた
。ある場合には、NTR及びNADPHを1.25mMDTTに置き換えた。
プレートを37℃で2時間インキュベートした。次いで、細胞をリン酸塩−食塩
水バッファーで2回洗浄して加えた還元剤を除去した。0.6811+1JCa
C1を及び0、49mMgCl *を含むリン酸塩−食塩水バッファー、200
μl及びIOnMα−ブンガロトキシン101を各ウェルに加えた。インキュベ
ーションを37℃で2時間続けた。本アッセイの結果を表XVIIに示す。本実
験は、チオレドキシンで還元すると、β−ブンガロトキシンがもはやアセチルコ
リンレセプターに結合することができないことを示している。全動物に広げると
、チオレドキシン結合還元機序により、毒素のその標的レセプターへの結合を取
り除くことによって解毒がもたらされる。
各α−ブンガロトキノン結合アッセイを3回の実験で行った。100倍過剰の非
標識α−ブンガロトキシンをインキュベーション混合液に加えることにより、非
特異的結合を測定した。インキ、ベーション後、すべての場合の細胞をリン酸塩
−食塩水で洗浄して非結合毒素を除去した。細胞を0.1MNaOHで可溶化し
かつ放射能をγカウンターで測定することにより、結合した細胞の量をめた。
表XVI+
マウス細胞のアセチルコリンレセプターに対するα−ブンガロトキシンの結合煤
頃へ 桓命」
毒素+還元剤−−−−−−−→ 細胞 −停止2時間、37℃ 2時間、37℃
還元剤なし 100.0
NTS O,0
DTTチオレドキ/ンあり 0,0
NTS NTRなし 63.0
NTSチオレドキンンなし 78.0
NTS NADPHなし 101.0
処頃旦
還元剤なし 100.0
NTS 78.0
DTrチオレドキシンあり 76.0
還元剤なし 100.0
NTS 68.7
DTT 85.0
DTTチオレドキシンあり 68.8
大腸菌NTS : チオレドキシン、■及びNADPHヘビ神経毒の解毒をマウ
スに皮下注射することによりめる。アッセイは3回の実験で行なわれる。注射の
前に、毒素をLD、。用量の2倍までの濃度にリン酸塩−食塩水バッフ7−(l
0dJNay Hpo+/NaH* pot pH7,2中0.15MNaC
])で希釈する。(LD、。は一定グループの動物の50%を死滅させる毒素用
量として定義される。)毒性試験に対して、次の神経毒濃度がLD、。(マウス
1gに対して)に相当する:ニラブトキシンb、0.05−0.15μg;α−
ブンガロトキシン、0.3μg;及びβ−ブンガロトキンジン0.089μg0
注射の5.1O130,60分及び4.12.24時間後に、別個のグループの
抗原投与マウスを(1)静脈内及び(2)皮下に注射する(初回注射部位の周り
に多数回局所注射)。チオレドキシンを(1)0.08μgのチオレドキシン、
0.07μgのNTR及び25ナノモルのNADPHを用いる大腸菌NADP−
チオレドキンン系ジン (2) 0.08 ttgの大腸菌又は0.20μgの
ヒトチオレドキシンを用いるチオレドキシンと1−2ナノモルの還元リポ酸及び
(3)5ナノモルのジチオスレイトールを含む0.08μgの大腸菌又は0.2
0μgのヒトチオレドキシンを用いて還元する(濃度は動物に注射した毒素lμ
gに対する;溶液はすべてリン酸塩−食塩水バッファー中で調製する)。
解毒に関するチオレドキシンの影響は、(1)LD、。をチオレドキシンなしの
対照グループと比較する; (2)壊死、腫脹及び動物に対する全身の不快感で
明らかにされる局所反応の程度による; (3)クレアチンキナーゼの血清レベ
ル、組織損傷の指標によりめる。筋細胞の切断の結果として血液中に放出される
クセイキットを用いてモニターする。
ヘビ咬傷は多くの症状からなり、種々の要因による。結果として、患者によって
異なる。それにもかかわらず、ヒトにおいてチオレドキシン治療が軽減しなけれ
ばならない共通の症状がある。詳細には、チオレドキシン治療は神経毒に関連し
た症状及びヘビ咬傷に起因する関連の作用を軽減しなければならない。腫脹及び
浮腫、疼痛並びに咬傷を取り囲む水瘤の減少;正常な脈搏数の回復;咬傷面の壊
死の抑制;傷害部分の最少化が含まれる。これらの症状の最少化は、次に患者の
全身健康状態の改善がもたらされなければならない。
おわりに
前述の本発明の詳細な説明及びその適用を具体的に説明する個々の実施例から、
本発明が広範囲にわたる結果を有することがわかる。本発明は、基本的には、新
規ljドウ及びドウ混合物並びに新規なドウの製造方法並びにドウ及びパン製品
の品質を改良する方法並びに穀類生産物中の酵素インヒビターを不活性化する方
法を提供するものである。本発明は、また、動物毒素、即ち、ミツバチ、サソリ
及びヘビ毒素の生物学的活性及び不活性を変える方法を提供するものである。本
発明は、更に、プルラナーゼインヒビターである新規なタンパク及びその不活性
化方法を提供するものである。
本発明はその特定の実施態様に関連して記載してきたが、本発明が関係する当業
者に明らかな種々の変更が次の請求の範囲で定義される本発明の範囲内であるこ
とは理解されるべきである。
ot 2 3 4 si 7
時間(分)
10 4j Ul i! 14 ”
中5C;l、鰭
ep sb Sob 154) a、o 23.。
〔チオレドキシン旦〕、ド2
FIG、3
−・・ご・・V ¥i 旺N工O
・・・・田■(¥i 証N工0
DSG−I B BTJ
C=コントロール (還元剤なし)
6:チオレドキシン
p+c、、、ら
+および一チオレドキシンを表す(旦 刀)C−コントロール 0!元剤なし)
Er(、−,1
蛍光 タンパク
=
(必//:6j6某墨 下)
=
(6さlど6/¥! 工)
¥i兜f別封
−L2デー4・でil−一、デカ1、
コーン
:]:/1−9−ル チオレドキシン
3GSH/GR/NAL)I’11
4Nゴ5
FIG、26
3、 GStl/にR/NΔDl’l +4、hTS
ライ麦粉からミリステート抽出したタンパクのチオレドキシン関連還元3、 G
ST−(/GR/NADT’l 14V円
FIG、28
オオムギ粉からミリステート抽出したタンパクのチオレドキシン関連還元4、N
TS
、!401:
l 2 ] 2
FIG、34
ライ小麦粉エタノール抽出(7たタンパクのチオレドキシン関連還元
FIG、 35
FIG、36
FIG、37
FIG、 38
1.マトリックス(M) 7. クリスタロイド(C)FIC,,3°l
画分数(A、3d/画分]
画分数(4,3d/画分〉
画分数(3,6d/画分)
アピスメリフェラ(Apis mellifera)からのハチ毒液種々のチオ
レドキシンで還元したエラブトキシンbによるin体NADP−マレートデヒド
ロゲナーゼの活性化○ ・
図面の簡単な説明
第1図は、DTT−還元子すレドキシンhの存在下での、NADP−マレートデ
ヒドロゲナーゼの活性に及ぼすα−アミラーゼタンパク阻害剤の効果を示すグラ
フである。
第2図は、α−アミラーゼ阻害剤によるNADP−マレートデヒドロゲナーゼの
活性化に及ぼす、α−アミラーゼ阻害剤濃度の効果を示すグラフである。
第3図は、DSG−1または一2α−アミラーゼ阻害剤によるNADP−マレー
トデヒドロゲナーゼの活性化に及ぼすチオレドキシンhの効果を示すグラフであ
る。
第4図は、E、コリNADP/チオレドキシン系による、DTNB還元に及ぼす
α−アミラーゼ阻害剤の効果を示すグラフである。
第5図は、E、コリNADP/チオレドキシン系による、DTNB還元に及ぼす
パン小麦(Bread Wheat)由来のビューロチオニンαおよびCM−1
α−アミラーゼ阻害剤の効果を示すグラフである。
第6図は、長いU■波長ライトボックス上に配置されたSDSポリアクリルアミ
ド電気泳動ゲルを撮影した写真であり、可溶性の硫黄に富む種子タンパク:マカ
ロニ小麦のα−アミラーゼ阻害剤(DSG−1)およびポウマン−バーク大豆ト
リプシン阻害剤(BBTI)のチオレドキシン−関連還元を示す。
第7図は、長いUv波長ライトボックス上に配置されたSDSポリアクリルアミ
ド電気泳動ゲルを撮影した写真であり、種子タンパクのチオレドキシン−関連還
元を示す。
第8図は、蛍光ライトボックス上に配置されたSDSポリアクリルアミド電気泳
動ゲルを撮影した写真であり、5DS−PAGE/w+B叶法により測定された
グリアジンのチオレドキシン−関連還元を示す。
第9図は、蛍光ライトボックス上に配置された酸性−ポリアクリルアミド電気泳
動ゲルを撮影した写真であり、酸PAGE/+nBBr法により測定された種々
の型のグリアジンのチオレドキシン−関連還元を示す。
第10図は、蛍光ライトボックス上に配置されたSOSポリアクリルアミド電気
泳動ゲルを撮影した写真であり、5DS−PAGE10+BBr法により測定さ
れた酸可溶性グルテニンのチオレドキシン−関連還元を示す。
第11図は、発芽中の種子タンパク画分の相対的還元を示すグラフである。
第12図は、(インビボでの還元と比較した)発芽中の主なチオレドキシン−結
合グリアジンおよびグルテニンの還元を示す棒グラフである。
第13図は、パンおよびパスタのタンパク網状構造形成におけるチオレドキシン
の提案された役割を模式的に示す図である。
第14図は、処理したおよび未処理の中力粉のファリノグラムであり、第14(
a)図は中力粉のファリノダラムであり、第14(b)図は還元されたグルタチ
オンで処理した後の中力粉のファリノグラムであり、また第14(c)図はNA
DP/チオレドキシン系で処理した後の該中力粉のファリノグラムである。
第15図は、処理したおよび未処理の薄力粉のファリノグラムであり、第15(
a)図は薄力粉コントロールのファリノグラムであり、第15(b)図は還元さ
れたグルタチオンで処理した後の薄力粉のファリノグラムであり、第15(c)
図はDTrで処理した後の薄力粉のファリノグラムであり、また第15(d)図
はNADP/チオレドキ/ン系で処理した後の該薄力粉のファリノグラムである
。
第16図は、処理したおよび未処理のアポ口(Apollo)粉のファリノグラ
ムを表し、第16(a)図は未処理の該粉のファリノグラムであり、第16(b
)図はNTSで処理した後の該粉のファリノグラムである。
第17図は、処理したおよび未処理のアボロ粉のファリノグラムを表し、第17
(a)図は該アポ口コントロールのファリノグラムであり、第17(b)図はN
ADPH発生系で発生口た後の該扮のファリノグラムであり、また第17(c)
図は該発生系とNTRとチオレドキシンとて処理した後の該アボロ粉のファリノ
グラムである。
第18図は、チオレドキジンー処理したドウから調製したパンのアルポン(Ar
bon)パン塊と未処理のコントロールパン塩とを比較して示した平面を示す写
真である。
第19図は、チオレドキシン−処理したアルボン粉ドウから調製したパン塊と未
処理のコントロールパン塩とを比較して示した側面および部分平面を示す写真で
ある。
第20図は、チオレドキジンー処理したアルボン粉ドウから調製したパン塊と未
処理のコントロールパン塩とを比較して示した側面を示す写真である。
第21図は、チオレドキジンー処理したアルボン粉ドウから調製したパン塊と未
処理のコントロールパン塩とを比較して示した平面を示す写真である。
第22図は、チオレドキジンー処理したアルボン扮ドウから調製したパン塊と未
処理のコントロールパン塩とを比較して示した側面および部分平面を示す写真で
ある。
第23図は、チオレドキシン処理したおよび未処理のドウから焼き上げたパンを
比較して示した写真であり、第23(a)図は処理および未処理アルボン粉から
調製したパン塊を比較して示した写真であり、また第23(b)図は、チオレド
キシン処理したおよび未処理のコーン、コメおよびモロコン粉から調製した焼き
製品の比較を示す写真である。
第24図は、チオレドキシン処理したライ小麦粉ドウから焼き上げたパン塊と未
処理のライ小麦粉ドウから調製したコントロールパン塩とを比較した平面および
部分側面を示す写真である。
第25図は、チオレドキシン処理したおよび未処理のコーン、コメおよびモロコ
シ粉から調製した焼き製品の間の比較を示す写真である。
第26図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、エンバク
粉がらミリステート−抽出したタンパクのチオレドキシン−関連還元の程度を示
したものである。
第27図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、ライ小麦
粉からミリステーi・−抽出したタンパクのチオレドキシン−関連還元の程度を
示したものである。
第28図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、ライムギ
粉からミリステート−抽出したタンパクのチオレドキシン関連還元の程度を示し
たものである。
第29図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、オオムギ
粉からミリステート−抽出したタンパクのチオレドキシン−関連還元の程度を示
したものである。
第30図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、バッファ
ー、エタノールおよびテフ粉からミリステート−抽出したタンパクのチオレドキ
シン−関連還元の程度を示したものであり、第30(a)図は蛍光を示し、また
第30(b)図はタンパク染色を示す。
第31図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、コーン、
モロコシおよびコメ粉からミリステート−抽出したタンパクの還元状態に及ぼす
NTS対グルタチオンリダクターゼの効果を示す。
第32図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、コーン、
モロコノおよびコメ粉からミリステート−抽出したタンパクのインビボ還元状態
およびチオレドキジン関連インビボ還元を示すものである。
第33図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、酵母NA
DP/チオレドキンン系にジン小麦グルテニンの相対的還元を示すものである。
第34図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、酵母NA
DP/チオレドキンン系にジン小麦グリアジンの相対的還元を示すものである。
第35図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、ライ小麦
からエタノール抽出したタンパクのチオレドキシン関連還元の程度を示す。
第36図は、5O5−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、ライムギ
からエタノール抽出したタンパクのチオレドキシン関連還元の程度を示す。
第37図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、エンバク
からエタノール抽出したタンパクのチオレドキシン関連還元の程度を示す。
第38図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、オオムギ
からエタノール抽出したタンパクのチオレドキシン関連還元の程度を示す。
第39図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真てあ頃種々の還元
剤によるヒマ種子マトリックスおよびクリスタロイドタンパクの還元の程度を示
すものである。
第40図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、2Sタン
パクの還元特異性を示すものである。
第41図は、DE52クロマトグラフィーによる、オオムギ麦芽のプルラナーゼ
からのプルラナーゼ阻害物質の分離を示すグラフである。
第42図は、pH4,6におけるCM32クロマトグラフィーによる、オオムギ
麦芽のプルラナーゼ阻害物質の精製を示すグラフである。
第43図は、pl+4.0におけるCM32クロマトグラフィーによる、オオム
ギ麦芽のプルラナーゼ阻害物質の精製を示すグラフである。
第44図は、セファデックスG−75クロマトグラフイーによる、オオムギ麦芽
のプルラナーゼ阻害物質の精製を示すグラフである。
第45図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、種々の還
元剤によるハチ毒液タンパクの還元の程度を示すものである。
第46図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、種々の還
元剤によるサソリ毒液タンパクの還元の程度を示すものである。
第47図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、種々の還
元剤によるヘビ毒液タンパクの還元の程度を示すものである。
第48図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、プロテイ
ナーゼ阻害剤の存在下および不在下でのNTSによるハチ、サソリおよびヘビ毒
液タンパクの還元の程度を示すものである。
第49図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、種々の還
元剤で処理したエラブトキンンbサンプルの還元の程度を示すものである。
第50図は、種々のチオレドキシンで還元したエラブトキシンbによる葉緑体N
ADP−マレートデヒドロゲナーゼの活性化を、該デヒドロゲナーゼの毒素に欠
けるコントロールによる活性化と比較して示したグラフである。
第51図は、β−ブンガロトキンジンチオレドキシン関連還元のβ−ブンガロト
キシンホスホリバーゼA、活性に及ぼす効果を示すグラフである。
第52図は、5DS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの写真であり、細胞性還
元剤によるβ−ブンガロトキシンおよびα−ブンガロトキシンサンプルの還元の
程度を示すものである。
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(51) Int、 C1,6識別記号 庁内整理番号A 23 L 1/18
8114−4BA61K 35158 7431−4C35/64 7431
−4C
38/44 A D Q
CO7K 1/113 8318−4H14/415 8318−4H
14/435 8318−4H
14/46 8318−4H
C12N 9/96 9152−48
11102 2121−4B
(81)指定国 EP(AT、BE、CH,DE。
DK、ES、PR,GB、GR,IE、IT、LU、MC,NL、SE)、0A
(BF、BJ、CF、CG、CI、 CM、 GA、 GN、 ML、 MR,
SN、 TD、 TG)、 AT、 AU、 BB、 BG、 BR,CA、
CH,C3゜DE、DK、ES、FI、GB、HU、JP、KP、KR,LK、
LU、 MG、 MN、 MW、 NL、 No、 PL、RO,RU、SD
、SE、US
FI
(72)発明者 コブレール カロリーフランス エフ−34060モンペリエ
ールセデックス 01 プラース ヴイアラ2 ラボラドワール ド チクノロ
シード セレアーレ(イエヌエールア)
(72)発明者 イー ポイホン シーアメリカ合衆国 カリフォルニア州
94598 ウォルナット クリーク プリムローズ レーン 3215
(72)発明者 ウオン ジョシュア エイチアメリカ合衆国 カリフォルニア
州
94080 サウス サン フランシスコ ヴイユーモント テラス 9
(72)発明者 ロザーノ ローザ
アメリカ合衆国 カリフォルニア州
94706 アルバニー 16 ブライトン アベニュー 1155
(72)発明者 イアオ イン アン
アメリカ合衆国 フロリダ州 331.75 マトメント オブ ホーティカル
チャー パエク キー ヨエウプ (番地なし)