JPH0750219A - 保安機能付き金属蒸着フイルムコンデンサならびにその製造法 - Google Patents

保安機能付き金属蒸着フイルムコンデンサならびにその製造法

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JPH0750219A
JPH0750219A JP21216793A JP21216793A JPH0750219A JP H0750219 A JPH0750219 A JP H0750219A JP 21216793 A JP21216793 A JP 21216793A JP 21216793 A JP21216793 A JP 21216793A JP H0750219 A JPH0750219 A JP H0750219A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンデンサの保安機能を左右させる要素とし
ては単に分割電極のヒューズ部の幅や蒸着膜抵抗値だけ
でなく、tanδなどの使用中の特性の変化が小さいこ
とも必要条件であることが判明したので、使用中の電気
特性の安全性を高めてヒューズの作動効率を高く保持す
るようにした。 【構成】 2枚の金属蒸着フイルムを巻回してなるコン
デンサにおいて少なくとも片方の金属蒸着フイルムを分
割型の蒸着電極で、かつヒュ−ズ部を設けた構成とな
し、さらに前記2枚の金属蒸着フィルムの何れについて
も、その非蒸着面における表面電位を5〜40vの範囲
に保持するようにしたことを特徴とする保安機能付き金
属蒸着フイルムコンデンサならびにその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電極を構成する分割型
の金属蒸着膜とメタリコン溶射用のTサイド蒸着部との
間にヒュ−ズ機能を発揮する金属細路(ヒューズ部)を
形成させて成る保安機能付き金属蒸着フイルムコンデン
サに関し、特に、前記コンデンサを製造する際に使用す
る原反フィルムおよび金属蒸着フィルムを対象として非
蒸着面における表面電位を特定範囲に保持させた上でコ
ンデンサを製造するようにした方法を包含する。
【0002】
【従来技術とその問題点】図1(A)および(B)に示
すように、電極を構成する金属蒸着部分7を多数に分割
し、かつ当該分割電極に対し異常時に溶断するヒュ−ズ
部1を形成させた保安機能つきの金属蒸着フイルムコン
デンサは、前記分割電極による単位コンデンサが部分破
壊しても、外装破壊が発生せず、コンデンサの発煙・発
火もなく、安全に解放モードで終了させる機能を有する
点で、近年、注目を浴びている。
【0003】図示のごとくヒュ−ズ機能を発揮するヒュ
−ズ部1の形状ならびに間隔等は、様々であるが、前記
した小分割コンデンサの集合体は、保安機能つきコンデ
ンサと呼ばれ、電気機器に組み込まれ使用中に過電圧や
サージ電圧の侵入にたいして、その故障モードが安全に
終了する点で、現在では開発の主流をなしている。しか
し、その機能を発揮させる要素について考察を加える
と、金属蒸着フイルム21に形成させたヒューズ部1の
幅、長さ、もしくは各分割電極7の形成ピッチ2および
その間におけるマ−ジン3の幅等が前記保安機能に大き
く影響しており、他方、前記ヒューズ部における金属蒸
着膜の抵抗値、その他ベースフイルムの材質やコンデン
サの仕様、型式・製造方法等も大きな要因をなしてい
る。
【0004】このように保安機能を左右させる要素とし
ては種々あり、保安機能を高めるために、単に前記した
分割電極のヒューズ部の幅を極力狭くしたり、あるいは
蒸着膜抵抗値を小さくしたりすることは、必ずしも得策
でないことが判明した。換言すれば、定常電圧で使用す
るときは異常がなく、特に静電容量やtanδなど、使
用中には特性の変化が小さいことも必要条件であること
を考慮すると、単に前記した分割電極のヒュ−ズ幅や蒸
着膜抵抗値にこだわることは実際的でないことが分かっ
た。すなわち、前記した保安機能つきの金属蒸着フイル
ムコンデンサを工業的に製造しようとなると、バラツキ
を考慮せざるを得ないから自ら限界があり、また、使用
中の電気特性の安全性を考えると、ヒューズの作動効率
を低くせざるを得ないと云う問題もある。
【0005】特に本発明者らは、前記したヒューズ幅、
蒸着膜抵抗値ならびに分割電極の形成ピッチなどを同一
にしたコンデンサでも保安性能試験を同一条件で行う
と、良品と不良品とにバラツキが出ることに着目し、そ
の原因を究明して先行技術の方法とはまったく異なった
観点から、後記のような手段を講じて前記した保安装置
つきの金属蒸着フィルムコンデンサの機能を高めるよう
にしたものである。
【0006】一般に、保安性試験はJIS C-4908の 8.15
や、同 8.16(2)に規定されているように定格電圧の1.
3倍の交流電圧を印加しながら、2倍を越えない静電容
量をもつ別の放電用コンデンサに充電したエネルギーを
供試コンデンサに放電して行うもので、この放電を繰り
返し行い、前記供試コンデンサの終了モードが安定短絡
するまで、もしくは供試コンデンサに流れる電流がほぼ
零になるまで行われる。
【0007】このようにして過大な電流がメタリコン部
分を通って試験が行われると、徐々にメタリコンの電気
的接続が悪くなり、本来の目的であるヒューズ部が作動
する前に、メタリコンが損傷し、発熱が生じ、試験中に
発煙・発火することを発見した。
【0008】かかる不具合を解決するためには、メタリ
コンが確実に施されることが重要で、それにはコンデン
サ素子が均一に巻回され、その端面が凹凸なく、きれい
に揃うことが必要である。
【0009】また、巻回されたコンデンサ素子の内部
が、均一に巻かれていないと空隙が形成され、その空隙
部分で電圧印加時にコロナ放電が生じて発熱してしてし
まう。換言すれば、ヒューズが作動する前に発熱により
コンデンサが異常を来たし、発煙・発火してしまう。
【0010】更にまた、コンデンサ素子を扁平にする際
に素子を潰す工程があるが、このときも不均一に潰れる
と素子内部に空隙が生じたり、巻芯部が直線にならず波
打った状態となり、同様の影響が生じる。
【0011】これらの要因を子細に考察した結果、金属
蒸着フイルムは、その製造工程やコンデンサ素子の巻回
工程で各種のロールを通過させる必要があるが、そのと
き、これら多数のロールを通過するたびにロールを離れ
るに際して剥離帯電が生じ、また滑りによる摩擦帯電も
生じる。そしてこれらの現象に起因して金属蒸着フイル
ムの表面には不均一な帯電が付与され、そうした帯電が
前記の不具合を発生させていることを究明した。すなわ
ち、フィルム表面が過大に帯電している(一例として50
V以上)と、フィルムを巻き取るときの滑りが悪く、フ
ィルム間に空気を巻き込んだまま巻き取られてしまう。
そして当該巻取の中に残された空気が前記の放電トラブ
ルを起こすのである。
【0012】また、前記した帯電によりフィルムが左右
または前後にずれた状態でくっついてしまい、結果とし
て巻取の端面がきれいに揃わないことにもなる。さらに
また滑りが悪いと、巻取り時に左右のぶれが直らずに、
そのまま巻き取られてしまい、端面が揃わなくなる。い
ずれにしろ端面が綺麗に揃っていないと、メタリコンを
施こす際に溶射金属を電極端面に均一に接着できないこ
とになる。そうすると前記したようにメタリコン部にお
いてトラブルが発生するのである。
【0013】なお、帯電が過大でなくてもマイナスに帯
電している部分とプラスに帯電している部分が混在した
不均一な状態だと、上記と同様な不具合の生ずることが
確かめられている。
【0014】本発明者らは、金属蒸着フイルムの非蒸着
面の帯電をコントロールすることによって、前記問題点
を解決することに成功したものである。すなわち、前記
したメタリコン部の不安定性もしくは巻回されたコンデ
ンサ素子の内部における空隙の発生を未然に防止するた
めに、前記フィルムにおける非蒸着面の表面電位を5〜
40vの範囲に保持するように積極的に帯電させ、その
上でこの金属蒸着フィルムを用いて保安装置つきコンデ
ンサを製造するようにしたものである。
【0015】換言すれば、2枚の金属蒸着フイルムを巻
回してなるコンデンサで、少なくとも片方の金属蒸着フ
イルムをヒュ−ズ部を有する分割型の蒸着電極としたコ
ンデンサを製造する方法において、前記フィルムにおけ
る非蒸着面の表面電位を5〜40vの範囲に保持するよ
うにした方法であり、かつこの方法で製造した金属蒸着
フイルムコンデンサを含むものである。なお、金属蒸着
フィルムまたは原反フィルムを対象として前記のように
帯電処理する際には、金属蒸着フィルムにおける非蒸着
面を金属ロ−ルに、蒸着面をア−スロ−ルにそれぞれ接
触させ、かつ前記2ロ−ル間において直流電圧もしくは
交流電圧を印加したり、或いはフィルムを蒸着前のいづ
れかの段階において接地した金属ロ−ルと該ロ−ルから
若干隔離した位置に配設した交流電極または直流電極と
を前記フィルム面における帯電量を制御して、その値が
5〜40vの範囲に保持されるようにすることができ
る。
【0016】また、金属蒸着フィルムにおける非蒸着面
の通過経路に、ア−スロ−ルと対をなす高周波除電電極
および直流除電電極配設して、蒸着前の原反フィルムも
しくは巻回前または巻回途中の金属蒸着フィルムの非蒸
着面に対して5〜40vの範囲の帯電を付与するように
してからコンデンサとして仕上げてもよい。
【0017】上記のような手段を施した上で保安装置つ
きのコンデンサとしたときは、ヒューズ部が作動する以
前にメタリコン部が損傷したり、空隙部から破壊された
りすることをなくし、もって前記ヒューズ部の機能を充
分に発揮させることができるようにしたものである。
【0018】
【実施態様】以下、本発明を実施する際に用いる非蒸着
面における表面電位の調節方法を図面に基づいて具体的
に説明する。図2〜3は金属蒸着前の誘電体フィルム
(原反フィルム11)における帯電をコントロールするた
めの装置の概念図である。同図において蒸着前の原反フ
イルム11は、コロナ処理ロール12の箇所で、電極14によ
り表面に濡れ張力を付与するもので、このエネルギーは
高周波電源15より供給される。
【0019】次いで前記原反フイルム11を接地したロー
ル13に導き、電極16により直流電圧を印加する。なお、
直流電源は17であり、電極16はロール13に近接した位置
に置かれ、この直流電圧によりフィルム面の帯電量がコ
ントロールされる。
【0020】ここで与える直流電圧は 250〜1,000 V程
度であり、非蒸着面の表面電位が5〜40Vになるよう
に調節すればよい。この処理により、前工程またはそれ
以前の工程で発生した不均一な帯電を均一な帯電に変更
できる。
【0021】図3は、図2と同様に蒸着前の原反フイル
ムを対象とした帯電処理法であるが、直流電源の代わり
に、図中、符号18で示すように高周波電源または商用周
波数の交流電源を用いた。図2、3により処理された原
反フイルムに対して金属蒸着を施す場合には、電位を調
節した面と反対側の面に蒸着を行う。
【0022】図4は、金属蒸着後のフイルム21を対象と
しての帯電処理装置の一例であって、前記の金属蒸着フ
イルム21は、その非金属蒸着面21aが金属ロール19に接
するように通過させた後、次いで該フィルムにおけるに
金属蒸着面21bが別の金属ロール20に接するように誘導
する。なお、前記のロール19には電源装置21を介して直
流電圧を印加し、他方のロール20は、これを接地してお
く。
【0023】上記のようにして直流を非蒸着面21aに加
えるようにすることで非蒸着面の帯電レベルを任意にコ
ントロールすることができる。
【0024】ここで与える直流電圧は、前記と同様に 2
50〜1,000 V程度であり、ここでも非蒸着面の表面電位
が5〜40Vになるように調節すればよい。この処理に
より、前工程またはそれ以前の工程で発生した不均一な
帯電を均一な帯電に変更することができる。
【0025】図5は、図4と同様に金属蒸着後のフイル
ム21を対象としての帯電処理方法を実施した場合の装置
の概要を示す。同図に示す装置は、前記した直流電源21
の代わりに、高周波電源または商用周波数の交流電源22
を用いた事例であって、図中、符号23は案内ロ−ルであ
る。
【0026】図6〜7は、複合除電システムを利用する
方法であって、高周波除電電極25により金属蒸着前の原
反フィルム11(図6の例)もしくは金属蒸着後の誘電体
フィルム21におけるフィルム面21a(図7の例)に対し
て高周波コロナ放電を施こすようにした事例である。一
例として図7に基づきプラス側に多量に帯電している金
属蒸着フィルム21を対象に除電処理を行う場合につき具
体的に説明する。同図に示すように高周波除電電極25に
おいてはア−スロ−ル27に対して電界がかかるように電
圧を与え、同時に負のイオンを高周波コロナ放電でフィ
ルム表面に与えることにより弱い電位の逆帯電を付与す
る。このようにすると多量のプラス帯電を有していたフ
ィルム表面は、均一な負の帯電をおびた状態となる。さ
らに該フィルムに対しては直流除電電極26を介してプラ
スイオンを照射することにより、表面電位をさらに下
げ、零に近い5V程度ないしは高くても精々40V以下
の帯電領域にコントロ−ルするようになす。
【0027】ちなみに図6〜7のいずれの場合にあって
も、接地ロ−ル27および28を、高周波除電電極および直
流除電電極の直前に設けておき、これらのロ−ルを介し
て原反フィルム11または金属蒸着フィルム21を導くよう
にする。
【0028】金属蒸着フイルムの非蒸着面における帯電
処理の方法には、前記のように図2ないし図7で示すよ
うに種々の方法があり、ロールに接触する方法でもよけ
れば、あるいは基材たるフィルム面を電極から隔離した
放電方式でもよく、いずれの方法によっても帯電をコン
トロールすることができる。
【0029】
【実施例】前記各種の方法のうち、図4に示す方法によ
って下記実施例1および2のフィルムを得た。厚さ5μ
mのポリプロピレンフイルムの片面に、幅2mmの未蒸
着部分(マージン)をフィルムの長手方向に沿って形成
しながら、表面抵抗が7Ωになるように亜鉛を蒸着した
金属蒸着フイルム10をつくった(図8参照)。一方、別
の蒸着フィルムとして同図に符号21で示す分割電極タイ
プの金属蒸着フィルムを作成した。今、その詳細を図1
(A)に基づいて説明すると、ヒューズ部1の寸法は
0.5mm、分割電極7の形成ピッチ(符号2)は18
mm、分割電極間のマージン3の幅は0.4mm、T形
マージン部4の幅は0.5mm、Tサイド部5の幅は
0.5mm、長手方向のマージン部6の幅を2mmとし
た。前記2種類の金属蒸着フィルムをそれぞれを仕上り
幅を38mm幅に断截するものであるが、リールに巻き
取る際に図4に示すような装置を用いて次のように処理
する。すなわち、前記した金属蒸着フィルムの各々をア
ンリールから巻き戻す工程中に図示のロール19および20
を配設し、一方のロ−ルをア−スした上で直流電圧また
は高周波電圧を印加するようになす。金属蒸着フイルム
の通し方は図4または図5に示すとおりで、直流電圧ま
たは高周波電圧が印加されるロール19には非蒸着面が、
アースに接続されているロール20には金属蒸着面が接す
るようにして、それぞれに電圧を印加しながら帯電をコ
ントロールし、同時に所定の38mm幅にスリットした
上でリールに巻き上げるものである。このときに印加す
る直流電圧は、実施例1では−300V、実施例2では
−450Vとした。その結果、蒸着フィルムの非蒸着面
における表面電位は、実施例1にあっては−8V、実施
例2では−32Vであった。
【0030】表面電位の測定はア−スされた試料台の上
に蒸着面が試料台に接するように置き、非蒸着面から1
〜10mm離した位置に測定プローブを近付けて測定す
る。測定に用いた測定器は川口電機製作所製の高精度表
面電位計 MODEL S-211を使用した。
【0031】コンデンサとしての評価を行うに当って
は、前記のようにして得られた2種の金属蒸着フイルム
(片側にのみマージンがあるものと、T字型にマージン
を形成したもの)を、図8にように各1枚ずつ巻き合わ
せて17μFのコンデンサ素子をつくり、その端面にメ
タリコンを施して引き出しリード線を取り付けた後、プ
ラスチックケースに容れ、さらに樹脂を充填して保安機
能つき金属蒸着フイルムコンデンサを作成し、試料コン
デンサとした。
【0032】保安性試験は JIS-C4908の8.15(2) にした
がって、試料コンデンサに対し交流電圧325vを印加
しながら、33μFの放電用コンデンサに充電した12
50vのエネルギーを10秒間に1回の割合で供試コン
デンサに放電させ、供試コンデンサの静電容量が零にな
るまで放電を繰り返した。
【0033】このとき、外装が割れたり、コンデンサ素
子のベースフイルムが発熱し、溶融して吹き出したり、
コンデンサ自体が発熱・発火したものは、保安機能が作
動していないと判定した。
【0034】その結果を下記の表1に示す。
【0035】
【表1】 処理条件 非蒸着面 60Hz 250v 保安性試験 の 直流電流 表面電位 tanδ 保安性能 平均印加回数 (V) (V) (%) (回) 実施例1 -300 -5〜-11 0.046 4/4 良好 566 実施例2 -450 -29 〜-35 0.048 4/4 良好 520 比較例1 0 -3〜+10 0.057 3/4 不良(発煙2導通1)362 比較例2 0 -5〜+8 0.056 1/4 不良(発煙1) 527 保安性試験は実施例1および実施例2では、それぞれ4
個づつ試験をしたが、いずれも静電容量が零で試験を終
了した。比較例では静電容量が零になるものもあるが、
外装ケースの割れや発煙するもの、確実にヒューズ部が
作動しないで導通しているものもあり、信頼性に欠ける
ものが出た。
【0036】表1からも明らかなように、実施例1およ
び実施例2によるコンデンサ素子は均一に巻回されると
共に、60Hz・250vのtanδが示すように、そ
のレベルは小さく良好な値を示した。一方、無処理品は
金属蒸着フイルムの製造時に幾つかのロールを通過した
りするため、そのとき帯電現象に起因して極性がマイナ
スからプラスまで無秩序に振られている。そのため、異
極性同志が引き合い、同極性同志は反発するため、巻回
された素子の内部には空隙が生じてしまう。このような
状態にあっては、電圧を印加するとコンデンサ素子の内
部でコロナ放電が発生し、tanδ値を高くする結果と
なる。
【0037】また、偏平型素子のように巻回した素子を
潰してコンデンサをつくる場合は、素子が不均一に潰れ
て巻き芯部が直線状にならずに波を打ち、コロナ放電が
生じるため、良好なコンデンサが得られない。
【0038】実施例は、蒸着基材をポリプロピレンフイ
ルムについて述べたが、ポリエステルフイルムなど他の
コンデンサ用フイルムについても適用できる。また、蒸
着金属についても亜鉛蒸着品について説明したが、アル
ミニウム蒸着品にあっても同様の効果が期待できる。
【0039】上記に詳しく説明したように、本発明は、
金属蒸着フイルムの非蒸着面の帯電をコントロールし
て、T字型マージンを有する保安機能付きコンデンサの
信頼性を高め、安全性の高いコンデンサを市場に供給す
ることができるものである。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1のAおよびBは、保安機能付き金属蒸着フ
イルムの一例を示す平面図。
【図2】金属蒸着フイルムコンデンサ用の原反フィルム
を、接地した金属ロ−ルと直流電極の間に通して処理す
る場合の側面図。
【図3】金属蒸着フイルムコンデンサ用の原反フィルム
を、接地した金属ロ−ルと交流電極の間に通して処理す
る場合の側面図。
【図4】金属蒸着フイルムに非蒸着面を接地した金属ロ
−ルと直流電源に接続した金属ロ−ルの間に通して帯電
処理する場合の側面図。
【図5】金属蒸着フイルムにおける非蒸着面を接地した
金属ロ−ルと交流電極の間に通して帯電処理する場合の
側面図。
【図6】前記の原反フィルムを該フィルムの通過経路に
配設した高周波除電電極および直流除電電極によって帯
電処理を行う場合の側面図。
【図7】金属蒸着フィルムにおける非蒸着面を、該フィ
ルムの通過経路に配設した高周波除電電極および直流除
電電極によって帯電処理を行う場合の側面図。
【図8】一方は分割型の蒸着電極を有し、他方は非分割
型の蒸着電極を有する金属蒸着フイルムを重ね合せて使
用する状態を示した斜視図。
【符号の説明】
11 原反フイルム 12 コロナ処理ロール 13 ロール 14 電極 16 電極 17 直流電源 19 ロール 20 金属ロール 21 金属蒸着フイルム 21a 非金属蒸着面 21b 金属蒸着面 22 交流電源 23 案内ロール 25 高周波除電電極 26 直流除電電極 27 アースロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01G 4/32 311 Z 9174−5E 9174−5E H01G 4/24 311 9174−5E 331 Z (72)発明者 寺崎 正浩 岐阜県中津川市中津川3465−1 本州製紙 株式会社中津工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の金属蒸着フイルムを巻回してなる
    コンデンサにおいて少なくとも片方の金属蒸着フイルム
    を分割型の蒸着電極で、かつヒュ−ズ部を設けた構成と
    なし、さらに前記2枚の金属蒸着フィルムの何れについ
    ても、その非蒸着面における表面電位を5〜40vの範
    囲に保持するようにしたことを特徴とする保安機能付き
    金属蒸着フイルムコンデンサ。
  2. 【請求項2】 2枚の金属蒸着フイルムを巻回してなる
    コンデンサで、少なくとも片方の金属蒸着フイルムをヒ
    ュ−ズ部を有する分割型の蒸着電極としたコンデンサを
    製造する方法において、巻回前または巻回途中において
    金属蒸着フィルムにおける非蒸着面を金属ロ−ルに、蒸
    着面をア−スロ−ルにそれぞれ接触させ、かつ前記2ロ
    −ル間において直流電圧もしくは交流電圧を印加して、
    前記の非蒸着面に5〜40vの範囲の帯電を付与するよ
    うにしたことを特徴とする保安機能付き金属蒸着フイル
    ムコンデンサの製造法。
  3. 【請求項3】 2枚の金属蒸着フイルムを巻回してなる
    コンデンサで、少なくとも片方の金属蒸着フイルムをヒ
    ュ−ズ部を有する分割型の蒸着電極としたコンデンサを
    製造する方法において、金属蒸着前のいづれかの段階に
    おいて原反フィルムをア−スロ−ルに引通し、かつ該ロ
    −ルから若干隔離した位置に配設した交流電極または直
    流電極を介して前記フィルム面における帯電量を制御し
    て、その値が5〜40vの範囲に保持されるようにした
    保安機能付き金属蒸着フイルムコンデンサの製造法。
  4. 【請求項4】 金属蒸着フィルムにおける非蒸着面の通
    過経路に、ア−スロ−ルと対をなす高周波除電電極およ
    び直流除電電極配設して、巻回前または巻回途中におい
    て原反フィルムもしくは金属蒸着フィルムの非蒸着面に
    対して5〜40vの範囲の帯電を付与するようにしたこ
    とを特徴とする保安機能付き金属蒸着フイルムコンデン
    サの製造法。
JP21216793A 1993-08-05 1993-08-05 保安機能付き金属蒸着フイルムコンデンサの製造法 Expired - Lifetime JP3289422B2 (ja)

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