JPH0749346Y2 - ショーケース用マット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はショーケース，特に食料品店やスーパー，デ
パート等の食品売場で使用されている冷凍若しくは冷蔵
ショーケースにおける食品を載置する棚面等に敷くため
のマットに関するものである。

〔従来の技術〕

一般にショーケースは，ケース内に設けられる網状の棚
若しくは板状の棚に直接商品を展示している。

しかしながら，スーパーやデパート等の食品売場および
一般の食料品店で使用している冷凍若しくは冷蔵ショー
ケースは，商品の陳列展示に際して，ディスプレイの効
果を高めるために，棚面に人工芝のような合成樹脂素材
からなる植毛マットを敷き，その上に商品を並べること
が一般的に行われている。

〔考案が解決しようとする課題〕

かゝる目的のために使用する人工芝のような植毛シート
は，その鮮やかなグリーンによって食品に対する購買欲
を引き出すことができるとされている。

しかしながら，敷設された植毛シートの芝の部分にゴミ
が引っ掛かったり，生成した水滴やパックした食品から
流れ出た液汁等が芝の部分に停滞してカビや悪臭の原因
となるなど，不潔になりやすい欠点がある。

したがって，敷設した植毛シートは，衛生上の観点から
定期的に洗浄などによって清掃する必要があるが，シー
ト自体が植毛シートであるため，ごみくずを簡単に除去
することができず，掃除や洗浄等が甚だ厄介であり，清
掃の作業頻度を多くしないと不潔となりやすい欠点があ
る。

また、その色彩が殆どグリーンに統一されているため，
その上に並べた食品の持つ色彩との調和が取りにくい場
合もあって，総合的な商品のディスプレイの観点からは
解決すべき多くの問題を有していた。

この考案はかゝる従前のショーケース用マットが有する
問題点について検討の結果，使用に際して優れた清潔度
を保持して清掃作業の頻度を減少することができ，各種
の色柄を選択することが可能で，しかも高級感を維持し
て，多大なディスプレイ効果をあげることのできるショ
ーケース用マットを提供せんとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

この考案はかゝる目的を達成するため，可撓性の合成樹
脂材料を以て基材シートを構成し，この基材シートの上
面に，陶磁器製のタイル部材の多数を相互に一定幅の間
隙を存して一体的に取付けると共に，タイル部材間に形
成された各間隙にシリコンゴムを充填して目地状部を形
成したショーケース用マットを完成させたものである。

この考案のショーケース用マットは，基材シートの上面
に多数の陶磁器製のタイル部材を相互に間隔をおいて一
体的に取付けたもので，この基材シートは低温に対して
充分な耐久性を有する可撓性の合成樹脂，例えば軟質塩
化ビニル樹脂，アクリルゴム，ウレタン樹脂等の発泡乃
至は非発泡シートなどの柔軟性シートで構成するもの
で，その厚みは,0.5〜2.0mm程度が好ましい。

一方，この基材シートに一体的に取付けるタイル部材は
陶磁器製のもので，その寸法や形状に特別な制限はない
が，このタイル部材によってマットとしての適度の立体
感を出すために,2〜5mmの範囲の厚みであることが好ま
しい。

タイル部材の色柄には特に制限はなく，個々のタイル部
材に独立した色柄を形成してもよく，基材シート上に並
べた複数のタイル部材を単位として連続的な図柄の模様
を顕出させたものであってもよい。

かゝるタイル部材の相互によって形成される目地状部の
幅にも特別な制限はないが，概ね0.5〜2.0mmの範囲が適
当である。

前記タイル部材の相互によって形成される間隙に塗布さ
れて目地状部を構成するためのシリコンゴムの厚みは,
0.5〜0.8mmの範囲であることが好ましい。

〔作用〕

一般の冷凍ショーケースは，概ね−12〜−25℃の温度範
囲に保持され，冷蔵ショーケースは概ね０〜10℃程度の
温度範囲に保持するものである。

この考案のショーケース用マットは、かゝる冷凍若しく
は冷蔵用等のショーケースの食品載置部分に載置して使
用するものである。

例えば，第３図に示す冷凍ショーケース10の２段の棚1
1,11と，その下部の食品載置部12に，この考案のマット
１を敷き詰めるもので，その上にパックした冷凍食品類
（冷凍食品類は図示を省略）を載置し，所定の冷凍温度
に維持しつゝ陳列する。

第１図，第２図に示すマット１は,10cm四方の正方形を
なした陶磁器製のタイル３の複数を，ウレタンシートか
らなる基材シート２の上面に一定の間隙を維持して貼着
し，この一定間隙で構成された部分にシリコンゴム５を
充填して目地状部４を形成している。

目地状部４の形成のためのシリコンゴム５は，曲折に対
する順応性を持ち，撥水性で，かつ耐寒性，耐熱性に優
れているので，基材シート2,タイル部材３と共に，マッ
ト１に優れた耐久性が付与される。

マット１は，人工芝のような植毛部分がないため清潔で
あって，汚れた場合には洗浄や払拭により簡単に清潔な
ものとすることができる。

また，目地状部４からのカッティングが自由であると共
に，前記目地状部の部分から簡単に折り曲げることがで
きるため，携帯，保管に至便である。

前記寸法のタイル部材３によって形成されるマット１
は，通常の冷凍ショーケース10の棚板11及び食品載置部
12の面に一応きっちりと載置することができるが，目地
状部からのカッティングが容易なため，仮に棚板面に対
して不適合な寸法の場合でも，切断や継ぎ足しによって
棚板面に正確に載置するができる。

前記第１図，第２図に示すマット１の目地状部４は，縦
横に交叉して直線状に形成されているため，この部分で
折り曲げることができ，第４図に示すように，ショーケ
ースの棚が雛壇の如く奥に向かって段部を形成して高く
なるような棚板13a,13bにおいては，マット１の目地状
部４を折り曲げてこの雛壇状の棚に容易に適応させるこ
ともできる。

目地状部４は，冷凍ショーケース内に生じた水滴や食品
からでる液などの導通路となり，この導通路を通して液
を排出して，マット面を常に清潔に保ことができる。

タイル部材３は，色彩や図柄を任意に選択して製造する
ことができるので，非常にカラフルなものであり、載置
する食品の持つ色との調和を考えて効果的な使用が可能
である。

〔実施例〕

以下，この考案の一実施例を添付の図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図，第２図はこの考案の冷凍・冷蔵ショーケース用
マットの一例を示した斜視図で，マット１は基材シート
２と，多数のタイル部材３とによって構成されている。

基材シート２は厚み0.8mmの軟質塩化ビニル樹脂製シー
トからなり，タイル部材３は厚さ約４〜4.5mmで10cm角
若しくは15cm角の正方形の陶磁器製の板状体からなるも
のである。

タイル部材３は，その複数枚の一組として前記基材シー
ト２の表面に接着剤で相互に約1mmの間隙を保持して格
子状に貼着するもので，この間隙にシリコンゴム５を充
填し，縦横に交叉した目地状部４を形成している。

この場合，基材シート２として，予め一面に接着剤を塗
布し，この接着剤の塗布面を剥離紙によって保護したシ
ートを使用し，タイル部材３の貼着に当って，この剥離
紙を剥がして露出した接着剤面に前記タイル部材３を貼
着することにより，マット１を能率的に製造することが
できる。

この構成によって，基材シート２の上面は，前記各タイ
ル部材３と，このタイル部材３の間隙に前記シリコンゴ
ム５を充填した目地状部４によって前面が覆われて水滴
等が基材シート２の裏面に直接滲出しないようになって
いる。

この第１図では基材シート２の面に対して縦３列×横６
列の計18個の陶磁器製のタイル部材３が貼着一体化され
ているが，タイル部材の色彩，寸法形状や数およびその
配列などは任意で，実施例に制限されるものではない。

第３図は，かゝるマット１を冷凍ショーケース10の棚板
11,11および下部の食品載置部12に敷設載置した場合を
示すもので，この冷凍ショーケース10は，扉がなくて開
口部Ｘをエアカーテンで外気と遮断して内部を所定の冷
凍温度に維持したタイプのものである。

このマット１の冷凍ショーケース10における使用の詳細
は，前記〔作用〕の項で述べたとおりである。

なお，この実施例においては，ショーケース用マットを
冷凍若しくは冷蔵用のショーケースの棚に敷設した場合
について説明したが，このショーケース用マットを通常
の商品展示用のショーケースの棚に敷設して使用するな
らば，当然商品のディスプレイ効果を高めることができ
る。

〔考案の効果〕

この考案に係わるショーケース用マットは，合成樹脂製
の基材シートの上面に，陶磁器製のタイル部材の多数を
一定幅の間隙を存して一体的に取付け，この間隙にシリ
コンゴムを充填して目地状部を形成してなるので，従来
の人工芝よりなるマットに比較して植毛部分がないため
清潔であり，目地状部よりコンパクトに折畳むことがで
きるので，運搬，保管に有利である。

また，目地状部が排水等の導通路となって，常時その清
潔さを保持することができる。

基材シートに適用するタイル部材は，任意の色彩や図柄
のものを利用できるので，展示する商品の持つ色との調
和を考えてカラフルなマットを構成することができ，陶
磁器製のタイルによって品よく，高級感のあるマットを
形成し，これらによって高い有用性を持つものである。

この考案のショーケース用マットは，タイル部材として
熱容量の大きい陶磁器製のタイルを使用しているので，
保冷性能が格段に優れ，ショーケース内の冷凍乃至冷蔵
状態を持続的に維持することができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のショーケース用マットの一例を示し
た斜視図，第２図は第１図のＡ−Ａ拡大断面図である。 第３図はこの考案のショーケース用マットを載置した冷
凍ショーケースの一例を示す一部切欠き斜視図，第４図
はマットの棚板への載置の他の例を示した簡略斜視図で
ある。 １……ショーケース用マット ２……基材シート ３……タイル部材 ４……目地状部 ５……シリコンゴム 10……冷凍ショーケース 11,13a,13b……棚板 12……食品載置部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】可撓性の合成樹脂材料を以て基材シートを
   構成し，この基材シートの上面に，陶磁器製のタイル部
   材の多数を相互に一定幅の間隙を存して一体的に取付け
   ると共に，タイル部材間に形成された各間隙にシリコン
   ゴムを充填して目地状部を形成したことを特徴とするシ
   ョーケース用マット。