JPH0747121B2 - 無重力状態下での材料の処理方法及び装置 - Google Patents

無重力状態下での材料の処理方法及び装置

Info

Publication number
JPH0747121B2
JPH0747121B2 JP3299952A JP29995291A JPH0747121B2 JP H0747121 B2 JPH0747121 B2 JP H0747121B2 JP 3299952 A JP3299952 A JP 3299952A JP 29995291 A JP29995291 A JP 29995291A JP H0747121 B2 JPH0747121 B2 JP H0747121B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
medium
container
pressurizing medium
pressurizing
weightless
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3299952A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0671162A (ja
Inventor
幸三 石崎
誠 南口
Original Assignee
有限会社プラタ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 有限会社プラタ filed Critical 有限会社プラタ
Priority to JP3299952A priority Critical patent/JPH0747121B2/ja
Priority to EP92108691A priority patent/EP0515999B1/en
Priority to DE69221212T priority patent/DE69221212T2/de
Publication of JPH0671162A publication Critical patent/JPH0671162A/ja
Priority to US08/299,858 priority patent/US5516481A/en
Publication of JPH0747121B2 publication Critical patent/JPH0747121B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は重力の影響を排除し、又
は抑制して実質的に無重力の状態で材料を処理する無重
力下での材料の処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】無重力状態で材料を処理することによ
り、真球を作製することができたり、るつぼを使用せず
に溶解させることができるため溶融物への不純物の混入
を回避できたり、溶液の撹拌をなくしてこの無撹拌溶液
から単結晶を成長させたりすることができる。このた
め、無重力状態下での材料製造実験が種々試みられてい
る。従来、無重力状態下で実験を行うためには、実験設
備をのせた衛星をロケットにより宇宙空間に打ち上げ、
宇宙空間で地球の引力と衛星飛行による遠心力とをバラ
ンスさせて無重力状態を作るか、高所からの設備の落下
運動を利用して無重力状態を作るか、又は超音波若しく
は電磁波により無重力状態をつくっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法は以下に示す欠点がある。先ず、宇宙空間で地球の
引力と衛星飛行の遠心力とをバランスさせる方法は、設
備を搭載した衛星を軌道に乗せるために多大なコストが
かかる。また、落下運動を利用する方法は、長時間の処
理が不可能である。更に、超音波又は電磁波を使用する
方法では、無重力場にむら及び揺らぎが生じ、一様な無
重力状態を得ることができない。従って、実験的に、又
は理論的には、無重力下で有用な材料を製造できること
が判明していても、従来は、低コストで容易に無重力場
を作り出すことができる手段がなく、またその無重力状
態を長時間保持できる手段がないため、このような有用
な材料を大量に製造することができなかった。
【0004】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、扱い易い無重力場を容易に且つ低コストで
長時間作り出すことができ、有用な材料及び新規な材料
の開発及びその大量供給に貢献することができる無重力
状態下での材料の処理方法及び装置を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る無重力状態
下での材料の処理方法は、密度が相互に異なる複数種類
の加圧媒体中で材料に物理的、化学的又は金属学的処理
を施すことにより、実質的に無重力下で材料を処理する
ことを特徴とする。
【0006】前記密度が異なる複数種類の加圧媒体の替
わりに、単体の媒体に上下方向の密度変化を設けたもの
を使用してもよい。
【0007】本発明に係る無重力状態下での材料の処理
装置は、材料を収容する容器と、この容器内を上下方向
の密度が異なる単体又は密度が異なる複数種類の加圧媒
体で満たす加圧媒体手段と、前記容器内の材料に物理
的、化学的又は金属学的処理を施す処理手段とを有する
ことを特徴とする。
【0008】この場合、加圧媒体とは高圧の気体又は液
体の単体又は複数の混合物である。この気体又は液体は
静止流体でも良いし、又は流動体でもよい。
【0009】また、密度が異なる複数種類の加圧媒体の
場合は、これらを層状に配置しても良いし、混合しても
よい。
【0010】材料に物理的、化学的又は金属学的処理を
施すとは、素材に物理的、化学的又は金属学的変化を与
えて別の材料を作ることも含み、材料の物理的な合成、
材料の化学反応による合成、融体からの加熱凝固による
ガラス化及び微細構造の制御等、種々の態様による材料
の製造又は処理手段を含む。また、素材に対する物理的
又は化学的変化とは素材の軟化及び形状変化等を含み、
組成又は組織の変化を伴うものも含む。
【0011】
【作用】本発明においては、加圧された高圧媒体中で、
無重力状態を作り出す。気体又は液体等の媒体を加圧し
て高圧にすることにより、この媒体の比重が極めて大き
くなる。従って、この高比重媒体中においては、材料は
極めて大きな浮力を受け、無重力状態になることができ
る。
【0012】一般的に、気体は比重が小さいと考えられ
ている。しかし、この気体を高圧下にすることにより、
その比重が著しく上昇する。例えば、Arガスを室温
で、1000気圧に加圧すると、水と同程度の比重にな
る。
【0013】図1は横軸に圧力(MPa)をとり、縦軸
にArガスの密度(kg/m3)をとって、Arガスの
種々の温度での圧力と、密度との関係を示す。この図
は、高圧の気体が極めて大きな浮力を発生することがで
きることを示している。
【0014】上述の如く、本発明は、媒体を高圧下にお
いて高比重にすることにより高浮力を得るものであるか
ら、媒体として分子量又は原子量の大きなものを使用す
れば比較的低い圧力でも容易に無重力状態を得るに十分
な高比重を得ることができる。換言すれば、常圧で高比
重の気体を使用することにより、更に一層高い浮力を得
ることができる。
【0015】而して、材料に浮力を与える加圧媒体とし
て、密度が異なる複数の媒体を混合して使用することに
より、無重力下で処理すべき材料の密度が種々異なる場
合にも、同じ圧力で処理できる。つまり、複数種類の媒
体の混合比を適切に調整することにより、処理すべき材
料の種類に拘らず、圧力の影響を同等にすることができ
る。
【0016】また、単体又は複数の媒体に上下方向の密
度変化をつくることにより、密度変化がない均質な媒体
の場合に材料を浮上させておくために必要となる媒体圧
力の微調節が不要となる。
【0017】更に、媒体に酸素又は窒素を混合したガス
を使用すると、処理すべき材料の酸化又は窒化を行うこ
とができ、処理すべき材料が酸化物又は窒化物であった
場合には、その分解を防止する効果もある。
【0018】
【実施例】以下、添付の図面を参照して本発明の実施例
について説明する。
【0019】図2は本発明の第1の実施例に係る方法を
示す模式図である。圧力容器1内には材料の処理手段と
してヒータ2が設置されており、処理すべき材料4は試
料皿3に載置して圧力容器1内に装入する(図中、処理
前の材料4は一点鎖線にて示す)。そして、高圧に加圧
された気体等の媒体を圧力容器1内に導入する。そうす
ると、加圧媒体の高い密度によって、材料4は試料皿3
上の位置からヒータ2の位置(材料5)まで浮力を受
け、このヒータ2の位置に浮上している状態になる。そ
して、この状態にて材料5はヒータ2より加熱処理を受
ける。
【0020】このような処理において加圧媒体としては
密度が異なる複数の媒体混合物を使用すると処理すべき
材料の種類に拘らず圧力の影響を同等にすることができ
る。また、処理する媒体に酸素、窒素又は塩素ガスを混
合すると、処理すべき材料に対し酸化、窒化又は塩化等
を行うことができ、また、処理すべき材料がそれらの化
合物のときは分解を防ぐことができる。
【0021】この場合、分離し易いものに対しては図3
に示すように対流用ヒータ8を用い、圧力容器1内の媒
体を適度に加熱したり、図4に示すように、容器1内の
下部に対流ファン9を設ける等して、対流を生じさせる
ことにより、その分離を防止することができる。
【0022】なお、加圧媒体として密度が異なる複数種
類の媒体を使用し、これらの加圧媒体を相互に分離さ
せ、下部の重い媒体を材料の密度より重くし、上部の軽
い媒体を材料の密度より軽くすると、材料はその媒体間
の境界部に安定する。この方法により、単一ガスの場合
に材料を安定させるために必要な加圧媒体の圧力の微調
節は不必要となる。
【0023】また、単一の加圧媒体に上下方向の密度変
化を設けることにより、浮力が変化する状態を生じさ
せ、この浮力分布を利用することにより、処理すべき材
料の重さに合わせて浮力の自動調節を行うことができ
る。
【0024】図5はこの浮力ムラを効果的に起こさせる
ように、圧力容器1の上部にのみ加圧媒体を加熱するた
めのヒータ2を設けた実施例を示す。これにより、容器
1内で上下方向に密度変化、即ち浮力変化状態が生じ、
材料4をその密度に見合う位置に浮上させておくことが
できる。この場合、圧力媒体は、前述の如く、単体であ
るが、密度が異なる複数種類の媒体を使用してもよいこ
とは勿論である。
【0025】更に、この方法を応用して材料の連続的処
理が可能である。図6はこの材料の連続的処理を可能に
する実施例を示す。本実施例においては、容器1上部の
材料を加熱処理すると共に加圧媒体に浮力分布を生じさ
せるためにヒータ2を配置し、更に、このヒータ2の上
に材料を貯留した試料皿3を配置してある。そして、こ
のヒータ2により容器1内の上部の加圧媒体を加熱して
上部の媒体を下部の媒体に比して低密度にし、上部から
下部に向かって密度が大きくなるように変化する浮力分
布を形成する。この場合に、容器上部の媒体密度は材料
の密度より低くし、容器下部の媒体密度は材料の密度よ
り高くする。
【0026】このように構成された装置においては試料
皿3の中央下部から材料4(処理前の材料)を滴下す
る。容器上部は媒体密度が比較的低いので、材料5は徐
々に降下し、ヒータ2の配置位置にて材料5(処理中の
材料)はそのヒータ2により加熱処理を受け、その後ヒ
ータ2よりも降下して材料6(処理後に降下中の材料)
は冷却される。この材料の降下過程で材料は次第に大き
な浮力を受け、材料7(処理後に停止した材料)はこの
容器下部にて降下を停止し、浮上した状態で静止する。
このようにして、本実施例においては、浮力分布の中で
材料を徐々に降下させつつ材料に処理を施し、処理後の
材料7を浮上状態で集積することができる。従って、材
料の連続無容器処理が可能である。
【0027】図7は本発明の更に他の実施例を示す模式
図である。本実施例は、平坦な形状の圧力容器10を用
いて、その下部に試料皿3を載置する。この試料皿3上
に多量の材料4を載置することにより、1回の処理で多
量の材料4に対して前述の種々の物理的、化学的又は金
属学的処理を同時に行うことができる。
【0028】図8は本発明の更に他の実施例を示す模式
図である。本実施例は材料の処理を実施している際に、
浮上している材料が勝手に移動して、例えば容器内のヒ
ータに接触してしまうことを防止するように工夫したも
のである。
【0029】本実施例においては、容器1の上部に赤外
線等の光学的熱源11と凹面鏡状の反射鏡12とを設置
する。これにより、反射鏡の焦点位置のみを点状に局部
的に加熱することができ、この焦点位置の加圧媒体が局
部的に低密度となる。従って、材料5がこの低密度部分
に浮上してくると、材料5はこの低密度部分と高密度部
分との境界でその一部を低密度部分におき、残部をその
下部の高密度部分において浮上を停止し、この位置に静
止する。また、水平方向にも密度分布があるため、材料
5が水平方向に移動しようとしても、高密度部分に阻止
されて、材料5はその場に止まる。このようにして、本
実施例においては、材料5を安定して所定位置に静止さ
せることができる。
【0030】以上の各処理に対して、超音波及び/又は
電磁誘導を利用して材料の横方向の支持又は浮上の補助
的保持を行うことができる。図9は容器1の外部に超音
波発生装置13を設置した実施例を示す。このように、
超音発生装置13を設けることにより、材料5を加圧媒
体の浮力に加えて超音波の音圧により支持することがで
きる。従って、この超音波発生装置13により発生する
音圧を加圧媒体の補助支持手段として使用することがで
きる。
【0031】図10は同様の効果を圧力容器1の内部に
超音波発生装置14を設置することにより得るようにし
た実施例を示す。また、超音波の音圧を利用して材料の
補助支持を行う替わりに、材料が導電性の場合は電磁誘
導コイルを使用して材料に磁力を付加し、同様の補助支
持手段として利用することも可能である。
【0032】更に、上述のいずれかの装置を使用し、常
温にて媒体を加圧し、この加圧媒体を容器内に導入して
材料を浮上させた後、バルブ等を閉鎖することにより、
容器内をこの加圧媒体で封入し、次いで容器内に封入さ
れた加圧媒体を定容加熱することにより浮力を一定に保
ちながら、つまり一定位置に浮上させながら加熱処理等
を行うことができる。
【0033】この方法を用いると、常温で材料の浮上を
確認すれば浮上状態をそのまま維持することが可能であ
る。この方法は定容変化ではガス媒体比重に変化がない
ことを利用したものである。
【0034】上述の各実施例においては、媒体を加圧す
る手段としては、例えば、HIP(熱間等方性加圧)装
置を使用することができる。このHIP装置は種々の材
料製造分野で、高圧を得るための手段として一般的に使
用されており、工業的なレベルでの本発明の実施を可能
にするものである。
【0035】このHIP装置のチャンバ内に素材を装入
し、チャンバ内を所定の媒体、例えば、アルゴンガスで
満たした後、チャンバ内を高圧に加圧すると、チャンバ
内に装入していた材料に浮力が作用し、これを浮上させ
ることができる。この状態で、素材に物理的、化学的又
は金属学的変化等を加えて所望の材料を製造したり、材
料を処理する。また、本発明のために特別なHIP装置
を作製することで、処理態様を広げることができる。
【0036】このようにして、本発明により、従来引力
圏外又は落下実験で行われていた種々の材料製造工程、
即ち無容器溶融による材料合成、結晶成長の制御、真球
の作製等の工程を地上にいながらにして実施することが
できる。また、加圧手段自体は既に確認された技術であ
るから、本発明は一般性が高く、工業的実施が可能であ
る。
【0037】なお、本発明においては、媒体は加圧開始
時に気体又は液体である。そして、この媒体を加圧して
いくと、気体から液体に変化する場合がある。従って、
例えば、HIP装置のチャンバ内をガス媒体で充填して
も、それを加圧して無重力状態をつくりだしたときに
は、媒体は液体状態になることがある。
【0038】また、液体から加圧してもよい。しかしな
がら、液体状態の媒体中に素材を入れてこれを加圧しよ
うとすると、液体の圧縮比が気体のそれに比較して小さ
いため、圧力による比重の変化が小さいので、比重が近
い固体を無重力状態に浮上させることができるのみであ
り、媒体としては効率的ではない。一方、気体から加圧
を開始すると、小さな圧力変化で大きな比重変化を得る
ことができるので、圧力を調整することにより、種々の
固体を無重力状態に浮上させることができるという利点
がある。
【0039】以下、通常のHIP装置を使用した本発明
の実施例について、その比較例と比較して説明する。実施例1 本実施例は圧力媒体の加圧を通常のHIP装置にて行っ
たものである。また、圧力容器内の圧力媒体は定容加熱
を利用して行った。材料としてはポリエチレンを使用
し、圧力媒体はアルゴンガスを用いた。室温で1030
気圧程度まで加圧した後、160℃まで加熱し、5分間
保持した。この処理から得られた球は極めて真球度が高
いものであった。実施例2 本実施例は複数の混合媒体を用いて、その分離防止用に
対流用ヒータを用いたものである。混合ガスは窒素とク
リプトンを用い、オキシナイトガラスCa−Al−Si
−O−N系を製造した。前述のように、窒素を混合する
ことで、分解を防止できる。これらの材料は溶融の際、
るつぼからの汚染で着色されることが知られている。
【0040】具体的には、36モル%CaO−24モル
%Al23−40モル%SiO2組成のガラスにAlN
を窒素源として混入した。処理条件は1600℃及び6
00MPaで、ガス媒体はクリプトン+5%窒素ガスと
した。これにより、Ca−Al−Si−C−N系オキシ
ナイトガラスを作成できた。また、実施例1と同様、真
球の作成も可能である。
【0041】また、対流用ヒータの替わりに対流用ファ
ンを用いても同様の結果を得た。実施例3 本実施例は実施例2のような処理を酸化物の熱処理に適
用したものである。例えば、酸化物超伝導セラミックス
及びチタン酸バリウム等の酸化物は熱処理の際、るつぼ
からの汚染により特性が劣化することが知られている。
しかし、本発明を適用すれば高酸素分圧下でも無容器熱
処理を行うことができる。
【0042】具体的には、チタン酸バリウムを、クリプ
トン+10%酸素ガスを混合した混合ガスを使用して1
200℃にて950MPaの圧力にて熱処理した。本実
施例においては、汚染が防止されており、更に材料の分
解も防止されていた。実施例4 本実施例は、圧力媒体を複数用いて水平な層状に配置し
たものにより材料の処理を実施したものである。処理さ
れる材料はB23ガラスを用い、加圧媒体はクリプトン
とアルゴンを用いた。ガス注入方法としては、先ずアル
ゴンを、次いでクリプトンガスを注入した。処理条件は
ガラス素材を600℃にて230分保持し、このガラス
素材が浮上するように前記混合ガスに200MPaの静
水圧を印加したものである。この場合、単一ガスのよう
な圧力の微調整は不要であった。このようにして、得ら
れたガラス球体に対し真円度測定装置によりその真球度
を測定した結果、産業的にベアリング等に使用されてい
る鋼球において、最も精度が高いものと同程度の0.0
5μmの真球度が得られた。実施例5 本実施例は、圧力媒体に上下方向の密度変化を設けるこ
とにより、浮上の自動調整を行うものである。イットリ
ウム系超伝導体の熱処理に図5に示す細長圧力容器を用
いて行った。加圧媒体はクリプトン+5%酸素ガスから
なる混合ガスを用いた。処理条件は加熱温度が1000
℃、圧力は900MPaである。これにより、高純度の
超伝導体をつくることができた。実施例6 本実施例は本発明における多量生産を行ったものであ
る。先ず、図6に示す連続処理装置を用い、クリプトン
ガスを使用して400MPa、600℃にてこの処理を
施した。その結果、実施例4と同様の結果を得た。
【0043】次いで、図7に示すように、平らな円筒形
圧力容器を使用して大量の材料を一度に処理した。この
ような形状の圧力容器を用いることで材料を載置する場
所を広く確保することができ、一度に大量の処理が可能
であった。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
密度が異なる複数種類の加圧媒体中に材料を保持した状
態で、材料に物理的又は化学的処理を施し、この材料に
物理的、化学的又は金属学的変化等を与えることにより
材料を処理し又は製造するから、材料に極めて大きな浮
力を作用させることができ、従って、実質的に無重力下
で材料を処理し、又は製造することができる。本発明に
おいては、このような無重力状態を媒体の加圧という技
術的に制御し易い手段で作り出すことができるので、従
来、宇宙空間又は自由落下を利用して得た無重力状態下
での材料処理及び製造を、地上にいながらにして極めて
容易に且つ工業的に実施することができる。このため、
本発明は有用な物質又は新規な物質の開発及び製造に多
大の貢献をなす。
【図面の簡単な説明】
【図1】Arガスの300K,600K,1000K,
1500Kの各温度での密度と圧力との関係を示す。
【図2】本発明の実施例を示す模式図であり、圧力容器
1、ヒータ2、試料皿3から構成される装置により材料
を処理するものである。
【図3】本発明の実施例を示す模式図であり、加圧媒体
としての混合物を対流用ヒータ8により対流させるよう
にしたものである。
【図4】同じく、対流用ヒータの替わりに、対流用ファ
ン9を設けたものである。
【図5】本発明の他の実施例を示す模式図であり、上部
にのみヒータを設けて浮力分布を形成した実施例を示
す。
【図6】本発明の更に他の実施例を示し、連続的に材料
を実質的に無重力下で処理できるようにしたものであ
る。
【図7】本発明の更に他の実施例を示し、横長の圧力容
器を使用して複数の材料の同時処理を可能にしたもので
ある。
【図8】本発明の更に他の実施例を示し、赤外線等を使
用して光学的に材料又は加圧媒体を局部的に加熱できる
ようにしたものである。
【図9】本発明の更に他の実施例を示し、圧力容器外部
に超音波発生装置を設けたものである。
【図10】本発明の更に他の実施例を示し、圧力容器内
部に超音波発生装置を設けたものである。
【符号の説明】
1;圧力容器 2;ヒータ 3;材料容器 4;試料(処理前) 5;試料(処理中) 6;試料(冷却中) 7;試料(処理後) 8;対流用ヒータ 9;対流用ファン 10;平坦圧力容器 11;赤外線源 12;凹面鏡反射板 13,14;超音波発生装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度が相互に異なる複数種類の加圧媒体
    中で材料に物理的、化学的又は金属学的処理を施すこと
    により、実質的に無重力下で材料を処理することを特徴
    とする無重力状態下での材料の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記複数種類の加圧媒体は水平の層とし
    て相互に分離し、各層の境界部にて前記材料を支持する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無重力状態下での材
    料の処理方法。
  3. 【請求項3】 加圧媒体に上下方向の密度変化を設け、
    この加圧媒体中で材料に物理的、化学的又は金属学的処
    理を施すことにより、実質的に無重力下で材料を処理す
    ることを特徴とする無重力状態下での材料の処理方法。
  4. 【請求項4】 容器内に前記加圧媒体を装入し、前記容
    器の上部を局部的に加熱することにより、前記加圧媒体
    に上下方向の密度変化を設けることを特徴とする請求項
    3に記載の無重力状態下での材料の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記材料を常温にて浮上させた後、加圧
    媒体を前記容器内に封入し、前記加圧媒体を定容加熱す
    ることにより、前記加圧媒体の密度を一定に保持して材
    料を浮上させたまま所望の温度に材料を加熱することを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の無重
    力状態下での材料の処理方法。
  6. 【請求項6】 前記材料又はその近傍の加圧媒体のみを
    加熱し、前記材料を中心とする密度変化を作って前記材
    料をその位置に固定することを特徴とする請求項1に記
    載の無重力状態下での材料の処理方法。
  7. 【請求項7】 電磁誘導及び/又は超音波誘導を材料の
    補助保持手段とすることを特徴とする請求項1に記載の
    無重力状態下での材料の処理方法。
  8. 【請求項8】 材料を収容する容器と、この容器内を上
    下方向の密度が異なる単体又は密度が異なる複数種類の
    加圧媒体で満たす加圧媒体手段と、前記容器内の材料に
    物理的、化学的又は金属学的処理を施す処理手段とを有
    することを特徴とする無重力状態下での材料の処理装
    置。
  9. 【請求項9】 前記加圧媒体手段は、前記容器内に加圧
    媒体を満たす第1手段と、前記加圧媒体を局部的に加熱
    する第2手段とを有することを特徴とする請求項8に記
    載の無重力状態下での材料の処理装置。
JP3299952A 1991-05-22 1991-10-18 無重力状態下での材料の処理方法及び装置 Expired - Lifetime JPH0747121B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3299952A JPH0747121B2 (ja) 1991-10-18 1991-10-18 無重力状態下での材料の処理方法及び装置
EP92108691A EP0515999B1 (en) 1991-05-22 1992-05-22 A containerless processing method for materials under a state of compensated-gravitation and an apparatus therefor
DE69221212T DE69221212T2 (de) 1991-05-22 1992-05-22 Verfahren zur behälterlosen Behandlung von sich in einem Zustand von kompensierter Schwerkraft befindlichen Materialien und Vorrichtung dafür
US08/299,858 US5516481A (en) 1991-05-22 1994-09-01 System for containerless processing of materials under a state of compensate-gravity

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3299952A JPH0747121B2 (ja) 1991-10-18 1991-10-18 無重力状態下での材料の処理方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0671162A JPH0671162A (ja) 1994-03-15
JPH0747121B2 true JPH0747121B2 (ja) 1995-05-24

Family

ID=17878944

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3299952A Expired - Lifetime JPH0747121B2 (ja) 1991-05-22 1991-10-18 無重力状態下での材料の処理方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0747121B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0671162A (ja) 1994-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Morfill et al. Condensed plasmas under microgravity
US6106739A (en) Method and apparatus for fabricating near spherical semiconductor single crystal particulate and the spherical product produced
US4666495A (en) Apparatus for manufacturing stria-free, bubble-free and homogeneous quartz-glass plates
Naumann et al. Materials processing in space: early experiments
JP2940437B2 (ja) 単結晶の製造方法及び装置
US3534926A (en) Space manufacturing machine
US5516481A (en) System for containerless processing of materials under a state of compensate-gravity
JPH0747121B2 (ja) 無重力状態下での材料の処理方法及び装置
JP2003527295A (ja) 炭化ケイ素の大型単結晶を作るための軸芯勾配輸送装置及び方法
US3228753A (en) Orbital-spin crystal pulling
US3582287A (en) Seed pulling apparatus having diagonal feed and gas doping
US3156549A (en) Method of melting silicon
US3481711A (en) Crystal growth apparatus
JPH09263484A (ja) 単結晶引き上げ方法
Wang et al. DROP DYNAMICS IN SPACE.
JPS5850953B2 (ja) 結晶成長法
US7198673B2 (en) Optical lithography fluoride crystal annealing furnace
NL8002144A (nl) Werkwijze voor de vervaardiging van gadolinium- -galliumgranaat.
JP3053183B1 (ja) 磁気力による擬似微小重力場を利用した浮遊溶融
JP2563981Y2 (ja) 縦型熱処理装置
Biderman et al. Production of sapphire domes by the growth of near-net-shape single crystals
Carruthers The application of drops and bubbles to the science of space processing of materials
Wang et al. Three-dimensional simulation of silicon melt flow in electromagnetic Czochralski crystal growth
WO1996029446A1 (en) Chemical vapor deposition of levitated objects
Frost Techniques and Examples for Zero-g Melting and Solidification Processes