JPH0746711Y2 - シャッター装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はシャッター装置に係り、シャッターの捲取方向
を外捲用及び内捲用に兼用使用可能に多数のスラットを
連繋したものに関する。

（従来の技術） 従来、この種のシャッター装置としては、各スラットの
巾方向両側部に形成されたカール部は、巾方向両側部す
なわち、連繋時の上下部において大小異なる形状で略半
円状に形成され、この大小異なるカール部を相互に嵌挿
して回動自在に連繋した構造が採られている。

（考案が解決しようとする課題） 前記構造では、各スラットをそれぞれのカール部を介し
て上下方向に嵌挿して連繋する作業時には常に大小異な
るカール部の相互を嵌挿しなければならず、この相互を
適正に組合せる選別上の問題があり、これが誤って大き
いカール部の相互及び小さいカール部の相互を嵌挿した
場合にはそのカール部相互による十分な回動が得られ
ず、したがって、捲取ドラムに整然と捲取ることが困難
となり、また、ときにはカール部の相互が離脱すること
があるという問題がある。

なお、両面捲取兼用のものにあっては、外捲用と内捲用
で各スラットの加工が異なったり、スラットのカール部
相互の接触面積が大きく、シャッターの捲取時には不快
な騒音が発生するという問題がある。

そこで、本考案はこのような課題に鑑みてなされたもの
で、選別の余地なくカール部の相互を容易に嵌挿できる
ようにするとともに、このカール部相互を小さな接触面
積で連繋できるようにし、これにより、各スラットの連
繋作業能率を向上できるとともに、スラット相互を十分
に回動でき、捲取ドラムには騒音を発することなく整然
と捲取ることができる外捲及び内捲兼用のシャッター装
置を提供することを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案のシャッター装置は、巾方向両端部に形成された
カール部を互いに回動自在に嵌挿して上下方向に連繋し
た矩形状の複数のスラットからなり、前記各スラットの
巾方向両端部のカール部は、同一形状で互いに反対方向
から弧状に彎曲して対称的に形成され、かつ、その基端
部と先端係止部との間の内側面部における略中間部に他
のスラットのカール部の先端係止部を係止する係止凹部
を形成するとともに、前記基端部に連続した端面部と前
記先端係止部との間に他のスラットのカール部を嵌挿す
る案内口を形成したものである。

（作用） 本考案のシャッター装置では、複数のスラットは、それ
ぞれの巾方向両端部に形成された同一形状のカール部の
相互をその長さ方向から嵌挿することにより、容易に上
下方向に連繋される。そして、シャッターの昇降時及び
吊持時には、上部に位置する各スラットの下部のカール
部における先端係止部が下部に位置する各スラットの上
部のカール部における係止凹部に係止されるとともに、
下部のカール部における係止凹部に上部のカール部にお
ける先端係止部が係止され、したがって互いに連繋され
た連繋部の上下のカール部はそれぞれの先端係止部と係
止凹部との係合係止による二点支持によって上部の各ス
ラットに下部の各スラットが順次吊持される。

また、シャッターの捲取時には、上部に位置する各スラ
ットが捲取ドラムに巻取られて傾斜されるとともに、そ
の捲取方向によってこの上部の各スラットの下部のカー
ル部における先端係止部または係止凹部と、下部に位置
する各スラットの上部のカール部における先端係止部ま
たは係止凹部との相互の係合係止による一点支持によっ
て下部の各スラットが順次引き上げられて捲取ドラムに
捲取られる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を添附図面に基づいて説明す
る。

第１図において、１はシャッターで、このシャッター１
は矩形状の多数のスラット２を上下方向に連繋して構成
されている。この各スラット２は、アルミニウムを押出
成形法によって押出成形された長尺状のスラット材を、
間口などの巾に応じた所定の長さに切断して矩形状に形
成されている。しかして、前記各スラット２は、内側板
３と外側板４及びこの内側板３と外側板４との巾方向の
上下両端部間に一体の上側板５と下側板６とによって中
空部７を形成した断面中空の偏平状のスラット本体８が
成形され、前記内側板３の上端部には前記上側板５より
上方に位置して外側下方に向ってカールした略半円状の
カール部９がその長さ方向に沿って連続成形されている
とともに、前記外側板４の下端部には前記下側板６より
下方に位置して内側上方に向ってカールした略半円状の
カール部10がその長さ方向に沿って連続成形されてい
る。

また、前記上側板５及び前記下側板６は、それぞれ上下
両端面部に弧状に彎曲した案内面11,12を有して形成さ
れ、また、前記上下のカール部9,10は、同一形状で互い
に反対方向から略半円弧状に彎曲して対称的に形成さ
れ、かつ、互いに反対方向から前記案内面11,12に対峙
したカール部9,10の先端係止部13,14の先端部は円弧状
に膨出形成されているとともに、この先端係止部13,14
は前記案内面11,12の略中間部に向って突出対峙されて
いる。また、前記先端係止部13,14と前記案内面11,12と
の間には他のスラット２のカール部9,10を嵌挿する案内
口15,16が開口形成されている。

また、前記案内口15,16は、前記先端係止部13,14を有す
る折返片部17,18と前記案内面11,12との間の巾より小さ
く形成され、この先端係止部13,14の内側面部とこのカ
ール部9,10の基端部19,20の内側面部との間における略
中間部すなわち前記折返片部17,18の折返部の内側面部
には前記先端係止部13,14を係止する係止凹部21,22が形
成されている。

このように構成されたものにおいて、シャッター１を構
成する場合には、複数のスラット２は、それぞの巾方向
の両端部に形成された同一形状で対称的に形成されたカ
ール部9,10の相互をその長さ方向から順次嵌挿すること
により、容易に上下方向に連繋され、これにより、間口
を開閉する大きさのシャッター１が構成される。

そして、各スラット２の長さ方向の両端部の切断端部を
揃えるとともに、この上下方向一つおきのスラット２の
両端部の切断端部には図示しないスラット抜止片を当接
して係止する。これにより、各スラット抜止片の上下部
の抜止部が互いに嵌挿された上下のカール部9,9,10,10
の中の少なくとも一方の上下のカール部9,10の切断端部
に係合され、この上下の抜止部によるカール部9,10に対
する抜止め作用によってスラット２が抜止めされる。

そして、捲取ドラムＡにシャッター１を取着し、このシ
ャッター１の昇降時及び吊持時には、上部に位置する各
スラット２の下部のカール部10における先端係止部14が
下部に位置する各スラット２の上部のカール部９におけ
る係止凹部21に係止されるとともに、下部のカール部10
における係止凹部22に上部のカール部９における先端係
止部13が係止され、したがって、第１図及び第２図に示
すように、互いに連繋された連繋部の上下のカール部9,
10はそれぞれの先端係止部13,14と係止凹部21,22との係
合係止による二点支持によって上部の各スラット２に下
部の各スラット２が順次安定した状態で横振れすること
なく吊持される。

また、シャッター１の捲取時において、このシャッター
１が捲取ドラムＡによってその各スラット２が第１図及
び第３図に示すように、その内側板３を内側にして捲取
られる内捲時には、上部に位置する各スラット２が捲取
ドラムＡに捲取られて順次傾斜されるとともに、この上
部の各スラット２の下部のカール部10における係止凹部
22に下部の各スラット２の上部のカール部９における先
端係止部13が係合係止された一点支持によって下部の各
スラット２が順次引き上げられ、したがって、シャッタ
ー１は捲きだるみが生じることなく捲取ドラムＡに内捲
に捲取られる。

また、シャッター１の捲取時において、このシャッター
１が捲取ドラムＡによってその各スラット２が第４図に
示すように、その外側板４を内側にして捲取られる外捲
時には、上部に位置する各スラット２が捲取ドラムＡに
捲取られて順次傾斜されるとともに、この上部の各スラ
ット２の下部のカール部10における先端係止部14に下部
の各スラット２の上部のカール部９における係止凹部21
が係合係止された一点支持によって下部の各スラット２
が順次引き上げられ、したがって、シャッター１は捲き
だるみが生じることなく捲取ドラムＡに外捲に捲取られ
る。

（考案の効果） 本考案によれば、矩形状の各スラットの巾方向両端部の
カール部は同一形状で互いに反対方向から弧状に彎曲し
て対称的に形成したので、各スラットの連繋に際しては
スラットの巾方向上下位置を選別する余地なくカール部
の相互を簡単に嵌挿して連繋することができ、また、カ
ール部の内側面部における略中間部に他のカール部の先
端係止部を係止する係止凹部を形成したので、シャッタ
ーを下降設定した垂直状態では互いに連繋した上下のカ
ール部における先端係止部と係止凹部が相手方の先端係
止部と係止凹部に係合係止される二点支持によって上部
の各スラットに下部の各スラットが安定性よくしかも横
振れすることなく吊持させることができ、また、捲取ド
ラムによってシャッターが捲取られるとともに、そのシ
ャッターの捲取り方向の内捲または外捲に応じて上下の
カール部における相対する先端係止部と係止凹部とによ
る一点支持によって円滑に引き上げられ捲取ドラムに整
然と捲取らせることができ、しかも、一点支持のためカ
ール部相互の接触面が極めて小さくカール部の相互は円
滑に回動されるとともに、これによってスラットの相互
が捲取ドラムに応じて十分に回動され、このシャッター
捲取時に騒音が発生することを確実に防止でき、したが
って、各スラットの連繋作業能率を向上できるととも
に、これを捲取ドラムに整然と捲取ることができる外捲
及び内捲兼用のシャッター装置を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図はシャッタ
ー装置の内捲状態の側面図、第２図は同上垂直状部のス
ラット相互の一部の拡大図、第３図は同上捲取状態のス
ラットの一部の拡大図、第４図はシャッター装置の外捲
状態の側面図である。 ２……スラット、9,10……カール部、13,14……カール
部の先端係止部、15,16……案内口、19,20……カール部
の基端部、21,22……係止凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】巾方向両端部に形成されたカール部を互い
   に回動自在に嵌挿して上下方向に連繋した矩形状の複数
   のスラットからなり、前記各スラットの巾方向両端部の
   カール部は、同一形状で互いに反対方向から弧状に彎曲
   して対称的に形成され、かつ、その基端部と先端係止部
   との間の内側面部における略中間部に他のスラットのカ
   ール部の先端係止部を係止する係止凹部を形成するとと
   もに、前記基端部に連続した端面部と前記先端係止部と
   の間に他のスラットのカール部を嵌挿する案内口を形成
   したことを特徴とするシャッター装置。