JPH0746525Y2 - 多色静電印刷装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は多色静電印刷装置に関するものである。

〔従来の技術〕

第４図は従来の静電印刷装置の一例を示すものである。
図中１はマスター版と称し導電性被膜を有する絶縁性シ
ート基材でその表面に絶縁インクで予じめ画像パターン
を施したもの、２はトナーの入った現像器、３は帯電
器、４はエンドレスベルト、5,6はプーリ、７は用紙挿
入口、８は定着器、９は用紙排出口である。

同図において、マスター版１を版胴であるエンドレスベ
ルト４に取付け、矢印方向に進行させると帯電器３でマ
スター版に形成されたパターンに応じて帯電し、いわゆ
る静電潜像を作り、次いで現像器２において現像され静
電潜像がトナー像に変わる。最後にそのトナー像を印刷
用紙へ転写し定着器８により定着した画像となり用紙排
水口９より排出される。

多色印刷の場合には一つの画像を各色相別に分解し前述
の印刷を色相数繰返して合成する。それには次の二つの
方法がある。

第１の方法は第１の色相印刷後版胴よりそのマスター版
を取りはずし、代りに第２の色相用マスター版を取付け
第２色相トナーの入っている現像器に替え、第１色相の
印刷の終了した印刷用紙の上に重ねて印刷する。以下同
様にして、３色,4色も夫々のマスター版，トナーを使用
することにより、多色の画像を作成できる。

第２の方法はオフセット印刷のように色相数だけ版胴を
設け、夫々に対応する色相のマスター版とインキで単色
印刷と同様な工程をシリーズに行い、各単色印刷を重ね
て印刷することにより多色画像を作成する。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしこの様な方法には次の様な欠点がある。

第１の方法では、各色相印刷の終るたびにマスター版と
現像器を次の色相のものと交換し、印刷用紙を排出口よ
り挿入口へ戻す必要がある。第２の方法は、色相数だけ
版胴を設備し、夫々対応するマスター版を取付ける必要
がある。また、両者共マスター版に取付けしろが余分に
必要である。

本考案は、かかる繁雑なマスター版取替作業の解消，複
雑な版胴機構の簡素化，マスター版取付しろの節約等の
ためになされたものである。

〔課題を解決するための手段〕

一枚の絶縁性シート基材上に各色相パターンを、印刷時
のシートの移動方向に形成させてマスター版となし、エ
ンドレスベルトにてなる版胴に取付ける。現像器は多色
対応のため前記色相分を配備し、各色相トナー像を合成
のため、一旦転写ベルトへ転写して多色画像にしたの
ち、用紙へ転写して印刷を行う。

〔作用〕

電気的絶縁性シート基材の表面に導電性被膜を備え、そ
の表面に各色相毎に絶縁インクでパターンを描えたマス
ター版をエンドレスベルト上に取付け、帯電器でコロナ
放電をさせると、パターン部と非パターン部の電気抵抗
の差により高抵抗部分のみ帯電しいわゆる静電潜像を作
る。この静電潜像の形成されたマスター版を対応する現
像器を通して色相別トナー像に替えたのち別に設けた転
写ベルトへ転写を行う。この際、各色相トナー像はその
前に転写ずみの画像の上に重なる様エンドレスベルトと
転写ベルトは同期する構成にしておく。かくして、転写
ベルト上に多色のトナー像を完成させた後、そのトナー
像を印刷用紙に転写し定着させて印刷を完了する。

〔実施例〕

第１図は本考案になるマスター版を使用した多色静電印
刷装置の説明図で、第２図および第３図は第１図のマス
ター版の平面図および拡大断面図である。図中、１′は
本考案による多色印刷用マスター版、12は絶縁性シート
基材、13は導電性被膜、14は絶縁インク、2a〜2dは各色
相トナーの入った現像器、A,B,C,Dは夫々マスター版上
の各色相パターン形成部分を示す。第１図で第４図と同
符号のものは同じ構成を示す。

第１図，第２図，第３図において、マスター版１′はポ
リエステルフィルムで作った絶縁性シート基材12の表面
をアルミ蒸着による導電性被膜13で構成されたシートで
ある。そのマスター版１′において、パターン形成は現
像の色分解された各色相のパターンを感熱記録型プリン
タ等により導電性被膜13の表面に絶縁インク14で描画し
たもので第２図の如く配列している。

さらにマスター版１′の上の各色相パターンA,B,C,Dは
プーリ5,6により矢印方向に移動すると帯電器３により
順次コロナ放電が行われる。ここで電気抵抗の低い非パ
ターン部の電荷は失われ、電気抵抗の高いパターン部の
電荷は残り静電潜像が作成される。

各色相別の静電潜像が形成されたマスター版１′は最初
にＡの潜像が現像器2aの下を通過する際トナーで現像さ
れＡ色のトナー像となる。このトナー像は、矢印方向へ
進みプーリ６の所で転写ベルト10へ転写される。以下同
様に、B,C,D潜像も夫々の現像器2b,2c,2dでトナー像に
変えられ、転写ベルト10上のさきに転写された像上に重
ねて転写される。この場合、必ず各色相が重なる様エン
ドレスベルト４と転写ベルト10は同期がとられている。

斯くして作られた転写ベルト10上の多色画像は、更に印
刷用紙へ転写され、定着器８で定着を行い、排出口９へ
搬出される。

この様にエンドレスベルト4,転写ベルト10の連続的移動
により、周期的に２枚目,3枚目の多色印刷が行われる。

規定部数の印刷が終了すると、転写ベルト10はクリーナ
11で残存トナーを除去して印刷を完了する。

〔効果〕

以上述べたごとく、本考案によれば、マスター版に各色
相パターンが一枚のシート上に配列されるので版胴であ
るエンドレスベルト４に取付けが１回ですみ、取付しろ
も従来の各色相のマスター版１枚分でよく、また印刷用
紙の移動も用紙挿入口７より用紙排出口９へ１方向へ１
回送るだけのため、工程が簡素化された多色静電印刷装
置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例になる多色静電印刷装置の説明
図で第２図は第１図のマスター版１′の平面図、第３図
はマスター版１′の断面拡大図、第４図は従来の静電印
刷装置の説明図である。 1,１′……マスター版、２……現像器、2a,2b,2c,2d…
…各色相トナーの入った現像器、３……帯電器、４……
エンドレスベルト、5,6……プーリ、７……用紙挿入
口、８……定着器、９……用紙排出口、10……転写ベル
ト、11……クリーナ、12……絶縁性シート基材、13……
導電性被膜、14……絶縁インク、A,B,C,D……各色相別
マスター版。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】多色静電印刷において、一枚のシートの導
   電被膜の上に原像の色分解した各色相のパターンを絶縁
   インクで形成し、エンドレスベルトでなる版胴の移動方
   向に印刷順に配列してマスター版となし、該マスター版
   を帯電させて静電潜像としたのち、夫々対応する色相の
   トナーで現像して色相別のトナー像を作り、該色相別ト
   ナー像を一旦転写ベルトに転写、合成して多色画像とな
   した後用紙に印刷することを特徴とする多色静電印刷装
   置。