JPH074611A

JPH074611A - 燃焼器

Info

Publication number: JPH074611A
Application number: JP14887393A
Authority: JP
Inventors: Masatake Yamakawa; 正剛山川; Masaya Otsuka; 雅哉大塚; Shinichi Inage; 真一稲毛
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1993-06-21
Filing date: 1993-06-21
Publication date: 1995-01-10

Abstract

(57)【要約】【目的】小型で火炎安定性に優れ、低ＮＯｘ化が図れる
ガスタービン燃焼器を提供することにある。【構成】円筒状の燃焼器５は、その中心部分に燃料噴射
ノズル６ａ及び空気噴射ノズル１０で構成されるパイロ
ットバーナ６を備え、パイロットバーナ６を取り囲むよ
うに予混合器１が配置されている。予混合器１は周方向
に区分された複数の予混合室からなり、各予混合室は入
口側に燃料噴射ノズル２を、その周りに混合促進用構造
物７を備えている。予混合器１の入口からは燃焼用空気
３が予混合器内に供給され燃料噴射ノズル２から燃料４
が噴射される。噴射された燃料は混合促進用構造物に衝
突噴流を形成し、燃料用空気と混合しながら予混合気１
１を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は予混合器を有する燃焼器
に係り、特に、ガスタービンに適用するのに好適な燃焼
器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の燃焼器、例えば、ガスタービン燃
焼器では、窒素酸化物（以下、ＮＯｘで表わす）の低減
要求に応えるために、予混合燃焼方式が採用されてい
る。予混合燃焼方式は空気と燃料を予め混合した予混合
気を燃焼させるものであり、この方式を用いることによ
り局所的な高温領域の発生を防止し、ＮＯｘを低減する
ことができる。

【０００３】しかし、拡散燃焼方式に比べ高温領域が減
少するために火炎が不安定になり易く、火炎の吹き飛び
や逆火を発生し易いという欠点がある。また、予混合気
が空間的に十分均一に混合されていないとＮＯｘ低減効
果が小さい。このため、従来例では、以下のようにして
予混合気の生成及び火炎の安定化を図っている。

【０００４】例えば、特開平1−203809 号公報及び特開
平2−275221号公報に記載の従来例では、予混合器を円
錐状に形成し、円錐の先端部に設置したノズルから軸方
向に燃料を噴出し、円錐側面の接線方向から空気を流入
させて予混合器内部の周方向に旋回流を発生させること
により、予混合器の均一化を図ると共に、予混合器の出
口に軸方向の循環流を形成して火炎の安定化を図ってい
る。

【０００５】また、特開平4−103906 号公報に記載の従
来例では、予混合器の出口に保炎器を設け、保炎器の下
流側に軸方向の循環流を発生させることにより火炎の安
定化を図っている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記第一及び第二の従
来例では、円錐状の予混合器内で予混合器を十分に均一
に混ぜ、予混合器の出口に循環流を形成するためには、
軸方向に十分な予混合器長さが必要となるので、予混合
器の小型化が図れない。また、予混合器の流速が低下す
ると出口の循環流を安定に形成できないので、火炎が不
安定になる。従って、ガスタービンの連続負荷運転には
適用できない。更に、空気の流入口や円錐の先端部にお
ける圧力損失が大きいので、燃焼器としての効率が悪
い。

【０００７】本発明の目的は、小型で火炎安定性に優
れ、低ＮＯｘが図れる燃焼器を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の特徴を備えたものである。尚、以
下の記述において、特に断りがなければ、予混合器の主
流方向とは予混合器の入口と出口の中心を結ぶ中心線の
方向を表わすものとする。

【０００９】上記の第一の目的を達成するために、本発
明は燃料噴射ノズルにおいて燃料噴射孔の周囲に円筒状
あるいは多角形状断面を有する構造物を設けたものであ
る。また、第一の目的を達成するために、好ましくは、
前記構造物と前記燃料噴射ノズルまでの距離を予混合気
の主流方向に変化させ、前記構造物の背面に渦を発生さ
せる形状としたものである。

【００１０】また、第一の目的を達成するために、好ま
しくは、前記構造物を前記燃料ノズルの周方向に分断
し、その一部分を削除し、この削除した領域から前記燃
料噴射孔から噴出した燃料が流出する手段を設けたもの
である。

【００１１】

【作用】本発明では、燃料噴射孔から噴出する燃料を燃
料噴射ノズルの周りに設けた混合促進用構造物に衝突さ
せ、混合促進用構造物の周りに燃料を拡散させることに
より、予混合器内において燃料と空気を空間的に均一に
混合できるので、ＮＯｘを低減することができる。

【００１２】また、混合促進用構造物と燃料噴射ノズル
との距離を予混合気の主流方向に増大あるいは減少さ
せ、混合促進用構造物の周りに予混合気のはく離渦を発
生させることにより予混合器内において燃料と空気を空
間的に均一に混合できるので、ＮＯｘを低減することが
できる。

【００１３】また、好ましくは、混合促進用構造物を燃
料の噴射ノズルの周方向に切断し、その一部分を削除す
ることにより、燃料噴射孔から噴出した燃料が混合促進
用構造物に衝突した後の燃料の流れに不連続性を与える
ことにより、予混合器内の燃料と空気を空間的に均一に
できるので、ＮＯｘを低減することができる。

【００１４】また、混合促進用構造物と燃料噴射孔との
距離ｙをｙ＜ＡＸ₀ ⁰・²⁸，Ａ＝２.６３(αｄ)⁰・⁷²を満
足するように構造物を配置することにより、燃料噴射孔
からの噴出した燃料を混合促進用構造物に衝突させて、
燃料の拡散を促進することができるので、予混合気の混
合作用をさらに強めることができる。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。

【００１６】図１は本発明の第一の実施例であるガスタ
ービン燃焼器の縦断面を示す斜視図、図２は図１の予混
合器出口周りの詳細図である。円筒状の燃焼器５は、そ
の中心部分に燃料噴射ノズル６ａ及び空気噴射ノズル６
ｂで構成されるパイロットバーナ６を備え、パイロット
バーナ６を取り囲むように予混合器１が配置されてい
る。予混合器１は周方向に区分された複数の予混合室か
らなり、各予混合室は入口側に燃料噴射ノズル２をその
周りに混合促進用構造物７を備えている。

【００１７】予混合器１の入口からは燃焼用空気３が予
混合器内に供給され、燃料噴射ノズル２から燃料４が噴
射される。噴射された燃料及び空気は、拡散により混合
しながら予混合気１１を形成し、予混合器１内を流れ
る。その際、燃料４は予混合促進用構造物７に衝突し、
予混合促進用構造物７の壁面近傍に乱流渦を形成し、燃
料用空気３と混合しながら予混合器出口へ向かう。この
衝突によって生じる乱流渦によって、燃料空気３と燃料
４との混合面積が増大し、予混合気１１は空間的に一様
に混合されるので、濃度むらによる局所的な高温領域が
発生せず、ＮＯｘを低減することができる。

【００１８】図３は、本発明の第二の実施例である予混
合器を示す図である。本実施例では、混合促進用構造物
７ａと、燃料噴射ノズル２との距離が燃料用空気３の流
れ方向に沿って増大させた形状となっている。本実施例
によれば、混合促進用構造物７ａの下流側先端にコアン
ダ効果によってはく離渦が燃料噴射ノズル２側に放出さ
れ、燃料用空気３と、燃料４との混合が促進されるた
め、第一の実施例よりもさらに一様に混合される。

【００１９】図４は本発明の第三の実施例である予混合
器を示す図である。本実施例では、混合促進用構造物７
ｂと燃料ノズル２との距離が燃料空気３の流れ方向に沿
って減少させた形状となっている。本実施例によれば、
混合促進用構造物７ｂの下流側に循環流が形成され、燃
料４が循環流の形成される方向、即ち、図４の１４の方
向に流出し、燃料用空気３との混合が促進される。この
ため第一の実施例よりも燃料と燃料用空気とがさらに一
様に混合される。

【００２０】図５は、本発明の第四の実施例である予混
合器を示す図である。本実施例では、混合促進用構造物
７ｃを燃料噴射ノズル２の周方向に分割し、周方向に隙
間１２を形成させた構造である。本実施例によれば、混
合促進用構造物７ｃに衝突した燃料４が、隙間１２によ
り流出し、周囲の燃料用空気３との混合が促進される。
このため第一の実施例よりも燃料と燃料用空気が一様に
混合される。

【００２１】図６は、本発明の第五の実施例である予混
合器を示す図である。本実施例では、混合促進用構造物
７ｄを曲面をもたない平板で形成したものである。本実
施例によれば、第四の実施例と同一の効果が実現でき、
第一の実施例よりも燃料と燃料用空気が一様に混合され
る。

【００２２】

【発明の効果】本発明によれば、燃料の衝突噴流を形成
させて、それによって発生する渦の強い混合作用を利用
して空気と燃料を均一に混合できるので、小型の低ＮＯ
ｘ化が図れる燃焼器を提供することができる。

【００２３】また、混合促進用構造物の先端に発生する
コアンダ効果によって燃料と燃料用空気との混合を促進
できるので、小型の低ＮＯｘ燃焼器を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一の実施例であるガスタービン燃焼
器の縦断面を示す斜視図。

【図２】図１の予混合器内燃料ノズル周りの説明図。

【図３】本発明の第二の実施例である予混合器を示す説
明図。

【図４】本発明の第三の実施例である予混合器を示す説
明図。

【図５】本発明の第四の実施例である予混合器を示す説
明図。

【図６】本発明の第五の実施例である予混合器を示す説
明図。

【符号の説明】

１，８…予混合器、２…燃料噴射ノズル、３…燃料用空
気、４…燃料、５…燃焼器本体、６…パイロットバー
ナ、６ａ…燃料噴射ノズル、７，７ａ，７ｂ，７ｃ，７
ｄ…混合促進用構造物、１０…空気噴射ノズル。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】空気と燃料を混合して予混合気を作る予混
合器内に燃料噴射ノズルを設け、前記燃料噴射ノズルの
側面から燃料を噴射する燃料噴射孔を有する燃焼器にお
いて、前記燃料噴射孔のまわりに、前記燃料噴射ノズル
と同心円状の混合促進用円筒を設けたことを特徴とする
燃焼器。
【請求項２】請求項１において、前記予混合気の主流方
向に前記混合促進用円筒の直径を増大させた燃焼器。
【請求項３】請求項１において、前記予混合気の主流方
向に前記混合促進用円筒の直径を減少させた燃焼器。
【請求項４】請求項１，２または３において、前記混合
促進用円筒を円方向に四つ以上の偶数個に分断し、その
分断した円筒の片を一つおきに削除した燃焼器。
【請求項５】請求項１，２，３または４において、前記
混合促進用円筒ないし、周方向に切断され周方向に不連
続な混合促進用構造物を多角形状の断面の構造物とした
燃焼器。
【請求項６】請求項１又は５において、前記混合促進用
円筒ないし混合促進用構造物と、前記燃焼噴射孔との距
離ｙは、前記燃料噴射孔の直径ｄ，前記予混合気内空気
の流速Ｕａ，前記燃料噴射孔から噴出する燃料の流速Ｕ
Ｆ，前記燃料噴射孔から前記燃料噴射ノズル先端までの
距離Ｘｏを用いて、ｙ＜Ａ(Ｘ₀)⁰・²⁸，Ａ＝２.６３(αｄ)⁰・⁷²，α＝Ｕａ／
ＵＦを満たすことを特徴とする燃焼器。