JPH0744735U - エアゾル缶 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 【構成】 二重シーム部によって缶本体へ固着されたエ
アゾルドーム部により閉じられている開放頂部を有する
缶本体を含んでおり、ドーム部が該二重シーム部の一部
としてシームチャックを受け入れる環状凹部を取り囲ん
でいるチャック壁部を有しており、更に、該二重シーム
部が前記環状凹部上へ重なることによって直径を減少
し、且つ、二重シーム部が少なくとも実質的に前記環状
凹部を閉じているエアゾル缶とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、端部が二重シームによって本体へ固着されている新規且つ有用な容 器の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

これまで容器は頂部、底部、本体部の３つの部分からなっており、頂部と底部 とが二重シーム部によって管状の本体部へ固着され、この二重シームは本体部周 辺から外方へ突出していた。このことがそのような容器をとりまきカートンタイ プの包囲体へ包装した場合に常に問題を提起していた。それは、隣接した容器が 互いに軸線方向に移動した場合に、この二重シーム部が互いに重なり合い、その 結果容器の有効直径を減じ包装体をガサガサの状態にするということである。

【０００３】 近年では、ビールや清涼飲料用の容器は、底部が本体部分と一体をなし、且つ 本体部分が直径の小さい頂部を受け入れように首部を形成されているツーピース 構造により構成されている。このため、これまでの包装上の問題はこの種の容器 においては減少している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、市販の容器特にエアゾル缶においては今でも少なくとも一端が 二重シーム方法によって本体へ固定されている。本考案の１つの観点によれば、 もし容器の二重シーム部が容器本体の形状内に完全に入るようにこれを半径方向 内方に強制すなわち偏倚すると上記の包装上の問題が減少することがわかった。

【０００５】 更に、本体へ対してエアゾルドーム部を接合している二重シーム部を内方へ偏 倚することは強度上勝れた結果を生じることがわかった。 本体とドーム部とが別体に形成される標準のエアゾル容器では両者が公知の二 重シームによって固着されている。この二重シームはチャック壁部を有しており 、この壁部へ対して支持チャックが係合するようになっており、これによってド ーム部と本体のフランジ部分を折り曲げている間中、ドーム部と容器本体の衝合 する円筒形部分を支持して二重シーム部を形成している。

【０００６】 この結果、ドーム部の外周部分が環状凹部を提供しなければならない。この環 状凹部はドーム部を弱化する原因となっており、これまではこの凹部は蓋の下端 を受け入れるために有効に使用されていた。 このドーム部が軽量板で作られると、環状凹部部分に曲げ抵抗の問題が発生す る。しかしながら本考案によれば、もしドーム部を本体へ固着した後に、二重シ ーム部を半径方向内方に強制しこれを環状の凹部上へ位置するように傾け、該二 重ドーム部がドーム部と係合するように環状凹部の半径方向内方にもたらすこと によってドーム部の曲げ抵抗が著しく増大することがわかった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

依って、本考案は、ドーム部が本体とは別に構成され且つ公知の二重シームに よって本体へ固着されている形式の改良されたエアゾール缶に関する。本考案の エアゾル缶は二重シーム部を半径方向内方に強制し、これによって該缶が事実上 抱かれており、又一般にドーム形状に対応するように傾けられることもできる。 最終状態においては、この本体の上部も半径方向内方に曲げられ、チャック壁部 上部が環状凹部上方でドーム部へ接し凹部を完全に閉鎖している。

【０００８】

【実施例】

図面を参照するに、第４図には番号10で概括的に表示した通常のエアゾル缶が 示してある。この缶10は図示していない一体的構造の底部を有しているか又はそ うでない別体構造の底部を有している缶本体12を含んでいる。形成された缶本体 12は開放上部即ち上端を有し、この上端は番号14で概括的に表示する公知のドー ム形状部によって閉じられている。このドーム部14は公知の二重シーム部16によ って本体12へ固定されている。

【０００９】 二重シーム部16が形成されるために、ドーム部と本体との間に入れ子部分が公 知のシームチャックによって支持されねばならないことが理解される。このため ドーム部は二重シーム部の一部としてシームチャックによって係合されるチャッ ク壁部18を持たねばならない。シームチャックとの間に空隙を持ってチャック壁 部18を提供するためには、このドーム部14がチャック壁部18に隣接し且つ軸線方 向内方に偏倚して環状凹部20を形成することが必要である。

【００１０】 この環状凹部20の必要性は、ドーム部14の座屈抵抗を大きく減しており、その ためこれまでドーム部14は、エアゾル缶10が受ける所定の内圧を保持するのに必 要な缶本体部の厚みよりも厚い金属で作られていた。 更に、標準のエアゾル缶は、ドーム部14の頂部が外方へ曲がったカラー部分24 によって形成された中央開口部22を有している。この開口部22内には弁付きキャ ップ26が着座している。この弁付きキャップ26は環状部分28を有しており、この 環状部分28はカラー部分24へ係止し且つそこを封止している。この弁付きキャッ プ26は通常の分与弁30を有している。

【００１１】 通常、エアゾル缶は蓋32のようなかぶせ具を有している。この蓋32はコップ形 状を有し且つ一般的に環状凹部20内に鎖錠する下端を備えた垂下スカート部36を 有する端部壁34を含んでいる。 図示した凹部20は、上方部38よりも狭い下方部を有しており、これら上方部及 び下方部間には肩部40があり、この肩部へ対しスカート部36の下端が着座するよ うになっている。このドーム部14とスカート部36との相互係合の詳細は本考案に 関する限り重要なことではない。

【００１２】 本考案によれば、ドーム部14が二重シーム部16によって本体12へ固着された後 に適当な再成形工具によって、この二重シーム部16が半径方向内方に変形され、 こうして二重シーム部16全体が第１図の上半部に示すように本体12の半径方向に 位置づけられるのである。こうして該二重シーム部16は環状凹部の半径方向寸法 を著しく減じることによって該凹部20の半径方向外周部分に重なるようになる。 その結果本体12の上方部分４２は実質的に半径方向内方に位置するようになる。

【００１３】 二重シーム部16を第１図に示すように半径方向内方に位置づけられることによ ってドーム部の著しい強度の改善が得られる。そして第３図に示すように二重シ ーム部16が完全に凹部20を閉じるように二重シーム部16の一部を環状凹部20の上 方に重ね、番号44で示すようにドーム部に係合するように完全にシーム部の減少 が得られるならば最大の強度改良が得られる。

【００１４】 第１及び第３図の改良されたドーム部及び二重シーム部においては内圧抵抗の 増大が得られ、ドーム部14成形のためのうすい素材の使用を可能としている。内 圧抵抗の増大は下記理由１−３によって得られるものと信じられる。 1．第３図に示すように環状凹部の壁角度を負となることによって内圧により 該環状凹部へ付与されるてこ作用の変動。

【００１５】 2．第１及び第３図に示すように、環状凹部の底部におけるこの部分の半径の 減少（受圧面積の減少）。 3．シーム上部がドーム部へ接する最終構造において、減少直径の二重シーム 部によってもたらされる物理的支持又は拘束。 第３図に示すような付加的傾斜の有無に拘わらず第１図に示すような二重シー ム部16の係合はまた二重シーム部が本体12の外形内に位置するような半径方向内 方に形成されているので複数の容器を密に包装できる利点を有する。上述のよう に、本体12は一体的底部を有しているかもしれず、いないかもしれない。第１図 の下方部分において、缶10は第２の二重シーム部48によって缶本体12へ固定され ている別成形の底部として示してある。この二重シーム部48は望ましくは第４及 び第５図の公知例に於ける二重シーム16と同様に半径方向外方に指向した位置へ 形成され、その後に二重シーム16の場合のように半径方向内方へ押し込められる 。

【００１６】 こうして缶本体12の外形内方に配設された全ての二重シーム部を有する缶10は 、耐久性のある包装体を形成するよう幅広い容器内へ容易に包装され同時に又そ の包装容器の材料を少なくできる。 二重シーム部16が第１図に示すように抱き込まれ又は第３図に示すように傾斜 されるときには、蓋32は公知のタイプの蓋50（第２図）と代替えされる。この蓋 50は端部壁52と垂下スカート部54とを有しており、このスカート部54は本体12の 外側直径に対応する内部直径を有している。

【００１７】 蓋50は２つの方法の内の１つによってドーム部へ固定できる。例示の蓋50は内 方スリーブ部分56を有し、このスリーブ部分56は弁付キャップ26の環状部分28の 下方へ係合する半径方向内方へ指向したこぶ58を下方に有している。一方、この スカート部54は、二重シーム部16の下端部下方に係合する半径方向内方に指向し たこぶ（図示しない）をその下端に有することもできる。

【００１８】 ここでは、改良したドーム付本体の二重シーム結合について２つの望ましい具 体例について図示し且つ述べたが添付の実用新案登録請求の範囲に明示する本考 案の精神及び範囲から出ることなく缶構造について多少の変形をなしうることは 理解されるよう。

【００１９】

【考案の効果】

本考案容器は本体に対して頂端を半径方向内方に偏倚し抱き合わせて接合して いる二重シーム部を有しているのみならず、又、もし容器底部が本体と別体に構 成されている場合には、本体に対して該底部を接合している二重シーム部が同様 に半径方向内方に偏倚し抱き合っているので、隣接する容器の本体が接触関係を なし、このため容器の構成素材が少なくなり同時に密接包装が可能となる。

【００２０】 更に、二重シーム部を環状凹部の上に重ねて環状凹部を閉じることによりドー ム部の内圧抵抗を増大させ、ドーム部に薄い材料の使用を可能として資材の節約 を行なうことができ、又、シーム部の加工なども容易とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】別体の底部を有するエアゾル缶の一部省略の拡
大破断垂直断面図であって２つの二重シーム部が本考案
によって半径方向内方に配置されている図。

【図２】異なる形状の蓋を取り付けた別のエアゾル缶の
上方部分の垂直断面図。

【図３】二重シーム部の変形例を示す拡大破断断面図。

【図４】公知のエアゾル缶と蓋の上方部分の破断垂直断
面図。

【図５】蓋を除去した第４図の缶の拡大破断垂直断面図
であって本体とドーム部との間の接続の詳細を示す図。

【符号の説明】

１０ エアゾル缶 １２ 缶本体 １４ ドーム部 １６ 二重シーム
部 １８ チャック壁部 ２０ 凹部 ２２ 中央開口 ２４ カラー部分 ２６ 弁付キャップ ２８ 環状部分 ３０ 分与弁 ３２ 蓋 ３４ 端部壁 ３６ スカート部 ３８ 上方部 ４０ 肩部 ４２ 上方部分 ４６ 底部 ４８ 二重シーム部 ５０ 蓋 ５２ 端部壁 ５４ スカート部 ５６ 内方スリーブ部分 ５８ こぶ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 二重シーム部によって缶本体へ固着され
   たエアゾルドーム部により閉じられている開放頂部を有
   する缶本体を含んでおり、ドーム部が該二重シーム部の
   一部としてシームチャックを受け入れる環状凹部を取り
   囲んでいるチャック壁部を有しており、更に、該二重シ
   ーム部が前記環状凹部上へ重なることによって直径を減
   少し、且つ、二重シーム部が少なくとも実質的に前記環
   状凹部を閉じていることを特徴とするエアゾル缶。
2. 【請求項２】 二重シーム部が半径方向内方に傾斜して
   いる実用新案登録請求の範囲第１項記載のエアゾル缶。
3. 【請求項３】 ドーム部へかぶせる蓋が設けてあり、こ
   の蓋が一般に前記缶本体の連続部を形成しているスカー
   ト部を有している実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   エアゾル缶。
4. 【請求項４】 頂端であるドーム部がシームチャックを
   受け入れるための環状凹部を前記二重シーム部のすぐ半
   径方向内方に有してドーム形状をなし、該ドーム部と本
   体との間の二重シーム部が少なくとも一部において前記
   凹部へ重なっている実用新案登録請求の範囲第１項記載
   のエアゾル缶。