JPH0742513A - 副燃焼室出口制御弁の開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】副室の出口に設けた制御弁を油圧により引上げ
て開弁させる油圧機構を用いるとともに、作動油の圧入
／排出は電磁石で駆動する開閉弁を使用する。 【構成】副燃焼室１の連絡孔１１を開閉する制御弁２の
ステム２２にスライドシリンダ２３を設けて油圧室３０
に収納し、該油圧室３０の下部側方の流路３４、３５に
オイルポンプ４からの作動油を制御する入口弁５と、作
動油を排出する出口弁６とを取付ける。そして、入口弁
５と出口弁６とはそれぞれ電磁石５２と６２とにより開
閉駆動させて、油圧室３０の作動油圧により制御弁２を
引上げて開弁したり、スプリング３３により圧下して閉
弁する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は副燃焼室を備えたエンジ
ンの主燃焼室に通じる連絡孔に設けた制御弁を開閉する
副燃焼室出口制御弁の開閉装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】燃料の予燃焼室となる副燃焼室（副室）
と主燃焼室との間の連絡流路を開閉する制御弁を設けた
エンジンでは、制御弁の開閉駆動のためにそのステム上
方にカム軸を配置し、クランク軸の回転位相に応じた機
械的な駆動方式を用い、カム軸を回転させて制御弁の開
閉を行っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述のように制御弁の
開閉駆動に機械的な駆動方式を用いたものでは、弁の開
閉作動がクランク軸の回転位相に合致するが、エンジン
回転数や負荷の状態などに応じて最適な開閉タイミング
を望む場合はタイミングの可変範囲が狭く、効率のよい
燃焼状態を得る事が困難である。

【０００４】本発明はこのような従来の問題に鑑みてな
されたものであり、その目的は副室の出口に設けた制御
弁の開閉駆動を、電磁力により作動する油圧弁を用い、
その油圧機構により駆動を行う副燃焼室出口制御弁の開
閉装置を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明によれば、予燃焼を行う副燃焼室と主燃焼室
との連絡孔に設けられ、油圧により引上げられて該連絡
孔の開放を行う制御弁を操作する副燃焼室出口制御弁の
開閉装置において、前記の副燃焼室出口の内壁に当接す
る茸弁を備えステム上方にスライドシリンダを取付けた
制御弁と、該スライドシリンダの下方の油室の油圧によ
り制御弁を上方に駆動するとともにステム上方の気室の
スプリングにより下方に戻す油圧室と、前記の油室の側
方に設けた流入／流出流路を開閉する両開閉弁を駆動す
る両電磁石と、クランク軸回転やエンジン負荷に応じて
両電磁石に通電する制御手段とを備えた副燃焼室出口制
御弁の開閉装置が提供される。

【０００６】

【作用】副燃焼室の出口の制御弁の開閉駆動に際し、制
御弁を引上げて開弁させる油圧室への作動油を、電磁石
により駆動される入口弁および出口弁により圧入／排出
させるので、クランク軸の回転位相とは別個のタイミン
グにより制御弁を開閉できてその自由度が大となる。

【０００７】

【実施例】つぎに本発明の実施例について図面を用いて
詳細に説明する。図１は本発明の一実施例を示す構成図
であり、同図における１は副燃焼室（副室）で、その下
方の主燃焼室への出口には連絡孔１１が開口され、該連
絡孔１１を開閉する制御弁２が上方から取付けられてい
る。

【０００８】制御弁２は例えば高強度で耐熱性のセラミ
ックスからなるもので、その弁部２１は連絡孔１１を上
方から閉鎖する茸弁状に形成され、またステム２２は副
室１の上壁を貫通し、油圧機構３の油圧室３０の下方の
ガイド穴３１に軸支され、その上部にはシリンダ状の油
圧室３０の内壁を上下に摺動するスライドシリンダ２３
が取付けられており、さらに柔軟なＯリング２４が嵌合
されてオイルのシ−ルを行うとともに、二重の軸決めに
よるステックなどの障害を防止している。なお、３３は
ステム２２を下方に押下げる戻しスプリングである。

【０００９】油圧機構３は図示のように変形十字状に形
成され、中央部分にステム２２を上下に駆動する前記の
油圧室３０とガイド穴３１、左方には油圧室３０に直交
する流路３４にオイルポンプ４からの作動油を供給する
開閉弁となる入口弁５のシリンダ穴５１、右方には油圧
室３０から開放管４１に通ずる流路３５に設けた出口弁
６のシリンダ穴６１がそれぞれ穿設されている。

【００１０】そして、入口弁５は下方に壺状の電磁石５
２を備え、内蔵された電磁コイル５３に通電すると磁性
体の弁軸５４が下方に吸引されてシリンダ穴５１の左右
の流路３４を連通するものであり、弁軸５４にはバネ５
５が付随されて電磁石５２の非作動時には弁軸５４を押
上げて流路３４を遮断している。

【００１１】また右方の出口弁６も上述の入口弁５と殆
んど同様な構成になるもので、電磁石６２、電磁コイル
６３、弁軸６４およびバネ６５などを備え、電磁コイル
６３への通電により常時はバネ６５の弾性力により閉鎖
している流路３５を連通するように構成されている。

【００１２】７は制御装置であり、エンジン回転、負
荷、クランク軸回転位相に応じて制御弁２の開閉作動を
適切に制御するもので、電磁石５２、電磁石６２への通
電制御や、油圧室３０の上部の空気圧を調整してステム
２２の上下駆動を制御する空気圧調整器７１に対する圧
力制御を行うものである。

【００１３】つぎにこのように構成された本実施例の作
動を説明する。制御弁２の開弁時には出口弁６を閉じ入
口弁５を開いて油圧室３０の油圧を高めてステム２３を
上昇させるため、出口流路側の電磁石６２への通電を断
にするとともに入口流路側の電磁石５２に通電制御す
る。この制御によりオイルポンプ４からの圧油が流路３
４を介して油圧室３０に流入し、油圧室３０の圧力を高
めてスライドシリンダ２３を上方に移動させて制御弁２
を開弁させることになる。

【００１４】ついで制御弁２の閉弁に際しては、入口流
路側の電磁石５２のオフにより入口弁５を閉じ、出口流
路側の電磁石６２の通電により出口弁６を開放すると、
スプリング３３の弾性力によりステム２２が押下げられ
て制御弁２が閉弁することになり、制御弁２の閉弁時に
は電磁石６２をオフにすると、油圧室３０、および油圧
室側の流路３４と流路３５のそれぞれの内部の作動油は
封止される。そして例えばエンジンのシリンダ内の燃焼
ガス圧力が上昇し、制御弁２の下方から異常な高圧力が
印加された場合には油圧室３０の作動油は閉じ込められ
ているが、スライドシリンダ２３の下方に負圧の空間を
生じ、ステム２２が押上げられて開弁することになり、
異常な高圧力による悪影響が避けられることになる。

【００１５】以上、本発明を上述の実施例によって説明
したが、本発明の主旨の範囲内で種々の変形が可能であ
り、これらの変形を本発明の範囲から排除するものでは
ない。

【００１６】

【発明の効果】上述の実施例のように本発明によれば、
副室の出口の制御弁の開閉駆動を、そのステムを引上げ
て開弁させる油圧機構を用いてクランク軸回転との直接
の関連を無くしたので、開閉自由度が大になって効率の
よい燃焼状態が得られるという効果がある。

【００１７】また本発明では油圧機構の構成に際し、制
御弁の閉弁時に主燃焼室側から過大圧力が加わった場合
に制御弁が上昇する構成としたので、異常燃焼による高
圧力の悪影響が防止できる利点がある。

【００１８】さらに本発明では制御弁を駆動する油圧室
上部の空気圧の調節自在な手段を設けたため、制御弁の
上下作動時の速度が制御できる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す構成図である。

【符号の説明】

１…副燃焼室 ２…制御弁 ３…油圧機構 ４…オイルポンプ ５…入口弁 ６…出口弁 ７…制御装置 １１…連絡孔 ２２…ステム ２３…スライドシリンダ ２４…Ｏリング ３０…油圧室 ３３…スプリング ５２、６２…電磁石 ７１…空気圧調整器

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】予燃焼を行う副燃焼室と主燃焼室との連絡
   孔に設けられ、油圧により引上げられて該連絡孔の開放
   を行う制御弁を操作する副燃焼室出口制御弁の開閉装置
   において、前記の副燃焼室出口の内壁に当接する茸弁を
   備えステム上方にスライドシリンダを取付けた制御弁
   と、該スライドシリンダの下方の油室の油圧により制御
   弁を上方に駆動するとともにステム上方の気室のスプリ
   ングにより下方に戻す油圧室と、前記の油室の側方に設
   けた流入／流出流路を開閉する両開閉弁を駆動する両電
   磁石と、クランク軸回転やエンジン負荷に応じて両電磁
   石に通電する制御手段とを備えたことを特徴とする副燃
   焼室出口制御弁の開閉装置。
2. 【請求項２】前記の制御弁は上方からの押圧により閉鎖
   され、主燃焼室側からの圧力により開放されることを特
   徴とする請求項１記載の副燃焼室出口制御弁の開閉装
   置。
3. 【請求項３】前記のスライドシリンダには柔軟なＯリン
   グが嵌合されていることを特徴とする請求項１記載の副
   燃焼室出口制御弁の開閉装置。
4. 【請求項４】前記の油圧室上方の気室の空気圧を調整す
   る手段を有することを特徴とする請求項１記載の副燃焼
   室出口制御弁の開閉装置。