JPH0741387A - ダイヤモンドの加工方法 - Google Patents

ダイヤモンドの加工方法

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JPH0741387A
JPH0741387A JP20478893A JP20478893A JPH0741387A JP H0741387 A JPH0741387 A JP H0741387A JP 20478893 A JP20478893 A JP 20478893A JP 20478893 A JP20478893 A JP 20478893A JP H0741387 A JPH0741387 A JP H0741387A
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JP
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diamond
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light
gas
laser
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JP20478893A
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English (en)
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Katsuko Harano
佳津子 原野
Yukihiro Ota
進啓 太田
Naoharu Fujimori
直治 藤森
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダイヤモンド本体になんら影響を与えること
なく、ダイヤモンドの切断又は表面の研削を効率良く実
施し、しかも平滑な加工面を得ることのできるダイヤモ
ンドの加工方法を提供する。 【構成】 ArやHe等の不活性ガスの雰囲気中におい
て、例えばダイヤモンド1の加工面に不活性ガスを吹き
付けながら、ダイヤモンド1にレーザー光7のような波
長が190〜360nmの光を照射することにより、ダ
イヤモンド1を加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイヤモンドに光を照
射することにより切断あるいは表面の研削等を行うダイ
ヤモンドの加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは全ての物質中で最も高い
硬度と熱伝導率を有する等、優れた特性を数多く有して
おり、これらの特性を利用して半導体装置のヒートシン
クや切削工具等の各種の工具類として広く使用されてい
る。ダイヤモンドをこれらの用途に使用する場合には、
所定の形状や表面状態に加工する必要があるが、ダイヤ
モンドは全ての物質中で硬度が最も高いので加工が非常
に困難である。
【0003】従来、単結晶のダイヤモンドの加工に関し
ては、比較的加工し易い面方位及び方向がある程度把握
されており、その制限された範囲ではスカイフ研磨によ
り研削加工が行われている。しかし、多結晶ダイヤモン
ドの場合にはダイヤモンド粒子の面方位はあらゆる方向
を向いているため、スカイフ研磨によっても表面の平滑
化は難しかった。又、気相合成ダイヤモンドでは反りが
発生し易く、大面積のものでは反りが数十μmにも及ぶ
場合があるため、スカイフ研磨等の機械研磨では研磨時
の機械的圧力により割れが発生して研磨不可能なことが
あった。
【0004】しかも、スカイフ研磨は加工速度が1μm
/h程度と非常に遅く、加工効率が極めて悪いという欠
点があったる。又、スカイフ研磨においては試料の固定
方法に難しさがあるため、形状が小さすぎたり不定形の
場合には作業性が悪く、時として加工が不可能な場合も
あった。
【0005】一方、ダイヤモンドの切断加工に関して
は、導電性の焼結助剤を用いて焼結したダイヤモンド焼
結体の場合は、放電加工により切断が可能である。しか
し、非導電性の焼結助剤を用いたダイヤモンド焼結体
や、単結晶ダイヤモンド及び気相合成ダイヤモンド等の
電気伝導性のないダイヤモンドには放電加工が使用でき
ない。そこでレーザーによる切断が考えられ、CO2
ーザー、COレーザー、YAGレーザーを用いた切断加
工が従来から実施されている。
【0006】しかし、これらのレーザーは波長が1μm
以上の赤外線を使用し、ダイヤモンドを加熱溶融させて
加工するため、熱により加工部周辺のダイヤモンドに劣
化が生じたり、加工面にグラファイトの析出が見られる
等の欠点があった。又、レーザー加工では、切り代が大
きく取られるため加工精度が悪くなったり、加工面の劣
化や平滑度が悪い等の理由から後に機械研磨による仕上
げ加工が必要となる等の不都合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の事情に鑑み、光を照射してダイヤモンドを加工する方
法において、ダイヤモンド本体になんら影響を与えるこ
となく、ダイヤモンドの切断又はその表面の平滑化を効
率良く実施し、しかも平滑な加工面を得ることのできる
ダイヤモンドの加工方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供するダイヤモンドの加工方法は、ダイ
ヤモンドに光を照射して加工する方法において、不活性
ガスの雰囲気中にてダイヤモンドに波長が190〜36
0nmの光を照射することを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明者らは、波長が190〜360nmの光
(紫外光)を照射することにより、ダイヤモンドを構成
している炭素−炭素結合が影響を受け、ダイヤモンドが
分解されることを見いだし、この知見に基づいてダイヤ
モンドを加工する新しい方法を提案するものである。即
ち、上記波長の光を集光して高いエネルギー密度の光を
照射することにより、多光子吸収が起こり入射光の大部
分がダイヤモンド表面で吸収され、ダイヤモンドにダメ
ージを全く与えることなく、効率の良い加工を行うこと
ができる。
【0010】上記波長の光によりダイヤモンドを加工し
得るのは、下記の理由によるものと考えられる。即ち、
ダイヤモンドによる光の吸収は、高純度のIIa型単結晶
ダイヤモンドの場合で図1に示す吸収曲線となる。図1
から解るように、ダイヤモンドによる光の吸収は、波長
が400nmから240nmの領域で短波長になるほど
徐々に増加し、220nm付近で急激に増加して完全に
吸収される。
【0011】この領域の光は紫外光であり、物質に吸収
されると主として化学結合の電子を励起させることが知
られている。特にダイヤモンドにおいては、波長が19
0〜360nmの範囲の光が炭素−炭素結合に大きな影
響を与え、しかも内部まで浸透せずに表面層でほぼ10
0%吸収されるため、光の照射された表面部分でのみダ
イヤモンドの分解が進み、高速で効率の良い加工が可能
になる。
【0012】しかしながら、上記の波長範囲の光を照射
してダイヤモンドの加工を行うと、ダイヤモンドの加工
面付近の雰囲気ガスが励起されて反応性の高い状態とな
り、例えば大気中では酸素分子や二酸化炭素分子は反応
性の高い原子状酸素を生成する。このためダイヤモンド
表面では、本来の光による反応のほか、生成した原子状
酸素等との反応も起こり、両方の反応によりダイヤモン
ド表面がエッチングされる。ところが、照射する光のエ
ネルギー分布や雰囲気ガスの濃度分布等により原子状酸
素等の生成する励起ガス濃度が異なるため、加工面にエ
ッチングのムラが生じ、平滑な加工面が得られないとい
う不都合がある。
【0013】そこで本発明においては、加工時の雰囲気
として、波長が190〜360nmの紫外域に吸収端を
持たないHe、Ne、Ar、Kr、Xe等の不活性ガ
ス、好ましくはArガス又はHeガスを使用する。不活
性ガス雰囲気は上記波長範囲の光の照射により励起され
て反応性が増すことがないので、ダイヤモンドは炭素−
炭素結合を励起する光との相互作用によってのみエッチ
ングされる結果、平滑な加工面を得ることができる。
【0014】かかる不活性ガス雰囲気は、ダイヤモンド
の加工面の周囲のみに形成しても良いし、ダイヤモンド
を入れた加工チャンバー内を全て不活性ガス雰囲気とし
ても良い。特に、ダイヤモンドの加工面に不活性ガスを
吹き付けるようにすれば、加工面から除去された物質が
ダイヤモンドに再付着することを防ぐ効果がある。不活
性ガスを吹き付ける場合、ガスの圧力は1〜10kg/
cm2の範囲、好ましくは1〜5kg/cm2の範囲と
し、ガス流量は1〜50l/分の範囲が好ましい。
【0015】本発明方法によるダイヤモンドの加工速度
を高めるためには、不活性ガス雰囲気に酸素ガスを混合
することが有効である。酸素は上記のごとく光の照射に
より原子状酸素となってダイヤモンドと反応するので、
不活性ガスと十分混合して使用することによって、原子
状酸素の局在をなくして加工面の粗れを防ぎながら、高
速で加工することが可能となる。ただし、不活性ガス雰
囲気中における酸素濃度が高すぎると加工面の粗れを防
ぐことができないので、酸素濃度は50体積%以下、好
ましくは20体積%以下とすべきである。
【0016】光源は波長190〜360nmの紫外域の
光を照射できるものであれば良く、例えばArF、Kr
Cl、KrF、XeCl、N2、XeF等の固有の発振
波長を持つエキシマレーザーのようなレーザー、あるい
は上記紫外域を含む連続した波長帯を持つ水銀灯等を使
用することができる。水銀灯のような連続した波長帯を
持つ光源の場合は、そのまま連続波長帯の光を使用して
も良いが、光学フィルター等により波長帯域を狭帯域化
することが好ましい。
【0017】照射する光のエネルギー密度は、小さ過ぎ
るとダイヤモンドが分解されず、逆に大きすぎると加工
面以外を劣化させるので、10〜1011W/cm2の範
囲が好ましい。パルスレーザー光を用いる場合には、1
パルス当たりのエネルギーの密度が10-1〜106J/
cm2の範囲が好ましい。上記の範囲内では、エネルギ
ー密度が高いほど加工速度が高くなる傾向があるので、
高エネルギーを発生できる装置を用いることが好まし
い。又、パルスレーザー光を用いる場合には、加工速度
はパルスの繰り返し周波数に比例して増加するので、装
置としては高繰り返しのレーザー発振器を使用すること
が好ましい。
【0018】レーザー光はビーム内のエネルギー分布が
不均一であり、一般的にはこれが加工面の平滑さや精度
を低下させる原因となり得る。エネルギー分布を均質に
補正するビームホモジナイザー等も市販されているが、
これらの装置はビームのエネルギーを6割程度に減衰さ
せるためエネルギー効率が低下する欠点がある。しか
し、本発明のダイヤモンドの加工方法においては、レー
ザー光を円筒型レンズ又は円筒型ミラーにより線状に集
光して照射すれば、特にエネルギーの均質化を行わなく
ても、ビーム内のエネルギー分布と無関係に平滑な加工
面を得ることができる。
【0019】円筒型レンズ又は円筒型ミラーでレーザー
光を集光する場合、レーザー発振器から発振されるレー
ザー光の広がり角度を5×10-1mrad以下と小さく
することで、レンズによる集光性を高めることが可能と
なるので、加工面のシャープさ及び平滑さの点で有利で
ある。更に精密な加工を要する場合には波長の狭帯域化
が有効であり、その場合には波長のバンド幅の半価幅を
10-4〜10-1nmの範囲とすることが好ましい。狭帯
域化の方法としては、エタロンを使用する方法とインジ
ェクションロック方式とがある。
【0020】
【実施例】実施例1 気相合成法により基板上に形成したダイヤモンド膜を、
図2に示す装置によりArガス雰囲気中にてエキシマレ
ーザーで加工した。即ち、表面粗さRaが3μmであ
り、大きさが25mm角で厚さが350μmの板状のダ
イヤモンド1を、石英窓3を有する加工チャンバー2内
にセットした。加工チャンバー2内の空気をガス排出管
5から排気し、ガス導入管4からArガスを導入して加
工チャンバー2内をArガス雰囲気とした後、レーザー
光7をダイヤモンド1の表面に照射した。
【0021】エキシマレーザーは248nmの発振波長
を有するKrFエキシマレーザーを使用し、レーザー発
振器6から発振されたレーザー光7を石英窓3を通して
加工チャンバー2内に導入し、合成石英の凹型及び凸型
レンズを組み合わせた円筒型レンズ8により、長さ25
mm幅100μmの線状に集光してダイヤモンド1の表
面に照射した。照射したレーザー光7のエネルギー密度
は8J/cm2、及びパルスの繰り返しは100Hzと
した。
【0022】レーザー光7の照射角度はダイヤモンド1
の表面の法線方向とし、ダイヤモンド1はレーザー光7
に対して垂直方向に駆動した。即ち、図2に示すよう
に、長さ25mm幅100μmの線状に集光したレーザ
ー光7でダイヤモンド1の25mmの左右長さ方向を加
工しながら、2mm/分の速度でダイヤモンド1の上下
長さ方向に4回走査させることにより表面を除去した。
加工後、ダイヤモンド1の厚さを測定したところ150
μmになっており、その表面粗さRaは0.1μmに平
滑化されていた。
【0023】実施例2 気相合成法により基板上に形成したダイヤモンド膜を、
図3に示す装置によりArガスを吹き付けながらエキシ
マレーザーで加工した。即ち、表面粗さRaが4μmで
あり、大きさが25mm角で厚さが500μmの板状の
ダイヤモンド1に、ガス吹き付けノズル9からArガス
をダイヤモンド1の表面に対して45°の角度で連続し
て吹き付け、同時にガス吹き付けノズル9に対し90°
の角度で設けたガス吸引ノズル10により連続的にAr
ガスを吸引排気した。Arガスの吹き付け圧力は2.5
kg/cm2、及び流量は5l/分とした。
【0024】エキシマレーザーは308nmの発振波長
を有するXeClエキシマレーザーを使用し、レーザー
発振器6から発振されたレーザー光7を合成石英の凹型
及び凸型レンズを組み合わせた円筒型レンズ8により、
長さ25mm幅100μmの線状に集光してダイヤモン
ド1の表面に照射した。照射したレーザー光7のエネル
ギー密度は7J/cm2、及びパルスの繰り返しは10
0Hzとした。
【0025】レーザー光7の照射角度はダイヤモンド1
の表面の法線方向とし、ダイヤモンド1を実施例1と同
様にしてレーザー光7に対して垂直方向に駆動し、2m
m/分の速度でダイヤモンド1の表面に4回走査させる
ことにより表面を除去した。加工後、ダイヤモンド1の
厚さを測定したところ370μmになっており、その表
面粗さRaは0.2μmに平滑化されていた。
【0026】比較のため、表面粗さRaが3μmであ
り、大きさが25mm角で厚さが500μmの板状のダ
イヤモンド1を、大気中において、図3の装置を使用し
てArガスを吹き付けないこと以外は実施例2と同じ条
件で加工した。加工後のダイヤモンド1の厚さは200
μm、その表面粗さRaは0.5μmであった。
【0027】実施例3 超高圧合成法により製造したIb型ダイヤモンドの(1
11)面を、Arガスを吹き付けながらエキシマレーザ
ーで加工した。合成したままのダイヤモンドは厚さが約
5mmで大きさがほぼ10mm角であり、結晶内部には
種面から数百μmの位置にインクルージョンと呼ばれる
溶媒金属の巻き込みがあるので、その深さを光学顕微鏡
により測定するため種面側はスカイフ研磨により表面粗
さRaが0.05μmに平滑化されていた。
【0028】このダイヤモンドの種面に、実施例2と同
様にして、Arガスを45°の角度で連続して吹き付け
且つ連続的に吸引排気しながら、エキシマレーザーのレ
ーザー光を照射してインクルージョンの除去を行った。
Arガスの吹き付け圧力は5kg/cm2、及び流量は
10l/分とした。
【0029】エキシマレーザーは193nmの発振波長
を有するArFエキシマレーザーを使用し、レーザー発
振器から発振されたレーザー光を合成石英の凸型レンズ
からなる円筒型レンズにより、長さ10mm幅10μm
の線状に集光してダイヤモンドの種面に照射した。照射
したレーザー光のエネルギー密度は30J/cm2、及
びパルスの繰り返しは100Hzとした。
【0030】レーザー光の照射角度はダイヤモンドの表
面の法線方向とし、ダイヤモンドを実施例1と同様にし
てレーザー光に対して垂直方向に駆動し、1mm/分の
速度でダイヤモンドに10回走査させることにより、イ
ンクルージョンごと500μmの厚さに除去した。加工
後のダイヤモンド1の表面粗さRaは0.09μmであ
り、スカイフ研磨された種面側の表面粗さを殆ど損なう
ことなく、インクルージョンを含まない平滑な表面を得
ることができた。
【0031】比較のため、大きさが約5mm角で厚さが
2mmのIb型ダイヤモンドのスカイフ研磨された種面
側を、実施例3と同様の条件により、ただしArガスを
吹き付けることなく大気中において加工した。加工後の
ダイヤモンドの表面粗さRaは0.3μmであり、加工
前のスカイフ研磨された状態よりはるかに粗くなってい
た。
【0032】実施例4 気相合成法により基板上に形成したダイヤモンド膜を、
Arと酸素の混合ガスを吹き付けながらエキシマレーザ
ーで加工した。即ち、表面粗さRaが3μmであり、大
きさが25mm角で厚さが200μmの板状のダイヤモ
ンドに、ガス吹き付けノズルからArと酸素の混合ガス
をダイヤモンドの表面に対して45°の角度で連続して
吹き付け且つガス吸引ノズルにより吸引排気した。混合
ガスの酸素濃度は10体積%とし、混合ガスの吹き付け
圧力は1.5kg/cm2、及び流量は5l/分とした。
【0033】エキシマレーザーは308nmの発振波長
を有するXeClエキシマレーザーを使用し、レーザー
発振器から発振されたレーザー光を合成石英の凸型レン
ズからなる円筒型レンズにより、長さ25mm幅100
μmの線状に集光してダイヤモンド表面に照射した。照
射したレーザー光のエネルギー密度は7J/cm2、及
びパルスの繰り返しは100Hzとした。
【0034】レーザー光の照射角度はダイヤモンドの表
面の法線方向とし、ダイヤモンドを実施例1と同様にし
てレーザー光に対して垂直方向に駆動し、2mm/分の
速度でダイヤモンド表面に4回走査させることにより表
面を除去した。加工後のダイヤモンドの厚さを測定した
ところ180μmになっており、その表面粗さRaは
0.3μmに平滑化されていた。
【0035】比較のため、表面粗さRaが3μmであ
り、大きさが25mm角で厚さが100μmの板状のダ
イヤモンドを、酸素雰囲気中において、Arガスを吹き
付けないこと以外は上記実施例4と同じ条件で加工し
た。加工後のダイヤモンドの厚さは200μm、その表
面粗さRaは0.7μmであった。
【0036】実施例5 気相合成法により基板上に形成したダイヤモンド膜を、
Arと酸素の混合ガスを吹き付けながらエキシマレーザ
ーにより切断した。即ち、大きさが15mm角で厚さが
500μmの板状のダイヤモンドに、図3の装置を用い
てガス吹き付けノズル9からArと酸素の混合ガスをダ
イヤモンド1の表面に対して45°の角度で連続して吹
き付け且つガス吸引ノズル10により吸引排気した。混
合ガスの酸素濃度は10体積%とし、混合ガスの吹き付
け圧力は5kg/cm2、及び流量は30l/分とし
た。
【0037】エキシマレーザーは193nmの発振波長
を有するArFエキシマレーザーを使用し、不安定共振
器により平行性を高め且つインジェクションロック機構
により発振波長を狭帯域化したレーザー光7をレーザー
発振器6から発振し、このレーザー光7を合成石英の凸
型レンズからなる円筒型レンズ8により、長さ15mm
幅10μmの線状に集光してダイヤモンド表面に照射し
た。照射したレーザー光のエネルギー密度は30J/c
2、及びパルスの繰り返しは100Hzとした。
【0038】レーザー光7の照射角度をダイヤモンド1
の表面の法線方向として、約60秒照射したところダイ
ヤモンド1が切断された。切断されたダイヤモンドの切
断面は非常に平滑で、その表面粗さRaは0.2μmで
あった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、光を照射してダイヤモ
ンドを加工する方法において、ダイヤモンド本体になん
ら影響を与えることなく、光照射時の雰囲気ガスの影響
をなくして、ダイヤモンドの切断や表面の研削を効率良
く実施することができ、しかも高精度で平滑化された加
工面を得ることができる。
【0040】従って、本発明のダイヤモンドの加工方法
は、ダイヤモンドの高硬度及び比較的弱い耐酸化性のた
め、従来は加工が困難であったり又は加工コストが非常
に高くなっていた分野に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】IIa型単結晶ダイヤモンドの吸収曲線である。
【図2】加工チャンバー内を不活性ガス雰囲気にしてダ
イヤモンドを加工する本発明方法を実施するための装置
の一具体例を示す概略側面図である。
【図3】不活性ガスを吹き付けながらダイヤモンドを加
工する本発明方法を実施するための装置の一具体例を示
す概略側面図である。
【符号の説明】
1 ダイヤモンド 2 加工チャンバー 3 石英窓 4 ガス導入管 5 ガス排出管 6 レーザー発振器 7 レーザー光 8 円筒型レンズ 9 ガス吹き付けノズル 10 ガス吸引ノズル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤモンドに光を照射して加工する方
    法において、不活性ガスの雰囲気中にてダイヤモンドに
    波長が190〜360nmの光を照射することを特徴と
    するダイヤモンドの加工方法。
  2. 【請求項2】 ダイヤモンドの加工面に不活性ガスを吹
    き付けることを特徴とする、請求項1に記載のダイヤモ
    ンドの加工方法。
  3. 【請求項3】 不活性ガスの吹き付け圧力が1〜5kg
    /cm2の範囲であることを特徴とする、請求項2に記
    載のダイヤモンドの加工方法。
  4. 【請求項4】 不活性ガスに50体積%以下の酸素ガス
    を混合することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか
    に記載のダイヤモンドの加工方法。
JP20478893A 1993-07-27 1993-07-27 ダイヤモンドの加工方法 Pending JPH0741387A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210027441A (ko) 2018-08-01 2021-03-10 고쿠리쓰다이가쿠호진 규슈다이가쿠 다이아몬드 평활화 방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210027441A (ko) 2018-08-01 2021-03-10 고쿠리쓰다이가쿠호진 규슈다이가쿠 다이아몬드 평활화 방법
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