JPH0741358Y2

JPH0741358Y2 - 喫煙具

Info

Publication number: JPH0741358Y2
Application number: JP48689U
Authority: JP
Inventors: 征一高木
Original assignee: 征一高木
Priority date: 1989-01-05
Filing date: 1989-01-05
Publication date: 1995-09-27
Anticipated expiration: 2004-01-05
Also published as: JPH0290992U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は喫煙具に関するものである。

［従来の技術］近年紙巻きタバコ（以下、単に「タバコ」と称する）の
喫煙時における煙害が社会的な問題となっており、いわ
ゆる嫌煙権が主張されている。従来から喫煙時の煙害を
防止する提案は、浄化材フィルターによるものや、灰皿
に煙の燃焼浄化部を設けたものなど、種々なされている
が、使用上の不便があり、改良品が望まれている。

燃焼による方法はフィルターの浄化に比べて完全に臭気
を除去できる効果を有している。この燃焼方法を利用し
た提案としては、例えば特公昭59-21593号公報及び特開
平2-255070号公報等に開示されている。

［考案が解決しようとする問題点］しかしこれら公報に開示されているのは、いずれも灰皿
として使用するもので、灰皿より取り出して喫煙する際
に発生する副流煙、主流煙を防ぐことが出来ないもので
あり、分煙化が進む現在の厳しい情勢下ではさらに浄化
率を高めた方法が望まれている。

本考案の目的は、点火されたタバコの煙の浄化率を高め
て煙害を防止する喫煙具を提供することにある。

［問題点を解決する為の手段］従って本考案による喫煙具は、紙巻きタバコの主流煙を
含む気体を喫煙者が吐き込むための開口を有し、第１の
煙道を形成する筒状の第１のカバーと、紙巻きタバコを
支持してこの紙巻きタバコを少なくとも部分的に前記第
１のカバー内に位置させる支持手段と、排出部を有し、
前記第１のカバーに連結され、支持手段に支持され燃焼
している紙巻きタバコの副流煙を含む気体と、喫煙者に
よって第１のカバーの開口から吹き込まれた主流煙を含
む気体とを前記第１の煙道から前記排出部に導く第２の
煙道を形成する筒状の第２のカバーと、前記第２のカバ
ーの排出部に設けられ、排出部に導かれた気体に含まれ
る主流煙と副流煙との双方の成分を加熱により分解する
加熱分解装置とを具備することを特徴としている。

［作用］火を付けた紙巻きタバコを本考案に従った喫煙具の支持
手段に支持させると、紙巻きタバコから生じる副流煙を
含んだ気体は、第１及び第２のカバーによって形成され
る第１及び第２の煙道を通って排出部に設けられた加熱
分解装置に導かれる。気体に含まれる副流煙の成分は加
熱分解装置によって加熱分解される。一方、点火された
支持手段に支持されている紙巻きタバコを吸った後、喫
煙者が主流煙を含む気体を開口部から第１のカバーに吐
き込むと、主流煙を含んだ気体が第１及び第２の煙道を
通って排出部に設けられた加熱分解装置に導かれる。気
体に含まれる主流煙の成分は加熱分解装置によって加熱
分解される。従って、主流煙及び副流煙の双方の成分が
第１及び第２の煙道を介して加熱分解装置に導かれ、こ
の加熱分解装置によって加熱分解されることにより、主
流煙及び副流煙を含んだ気体から煙自体、あるいは臭気
などが取り除かれ、主流煙による煙害と副流煙による煙
害とを同時に防止する。

［実施例］第１図は本考案一実施例の断面図であり、紙巻きタバコ
（以下、単に「タバコ」と称する）１は、マウスピース
としてのシガレット・ホルダ（以下、単に「ホルダ」と
称する）２へ差し込まれ取り付けられているが、かん合
リングにタバコを差し込んでタバコの吸口を外部へ露出
させてもよい。ホルダ２には逆流防止弁２−１と形状記
憶合金製のピンチ２−２を取り付ける。

本考案方式では後述の様に、タバコ１が差し込まれたホ
ルダ２を排気用内筒３内に挿入するのでタバコ１の燃焼
位置の確認ができない。従って、燃焼による温度上昇に
より変形可能な形状記憶合金製のピンチ２−２を用い
て、あらかじめ設定した燃焼位置でピンチして消火する
ものである。

ホルダ２は排気用内筒３にかん合取り付けする。排気用
内筒３は外気吸入孔４に連絡し、外気吸入孔４は、第１
のカバーとしての下部包覆部５−１の外へ貫通し、灰受
け６でカバーする。下部包覆部５−１は排気用外筒とな
っており、第１の煙道を規定している。即ち、排気用内
筒３とタバコ１が差し込まれた排気用内筒３にかん合取
り付けされたホルダー２とは、タバコ１を支持してタバ
コ１を少なくとも部分的に第１のカバーとしての下部包
覆部５−１内に位置させる支持手段を構成している。

下部包覆部５−１の吸口側外径は喫煙者の口の周囲を覆
う程度の面積であり、第２図に示すように口の形に沿っ
た楕円形で口の凹凸に沿った形状であることが望まし
い。ホルダ２は下部包覆部５−１の吸入側に口を接した
状態でキセル吸口２−３を口先でくわえられる位置関係
にある。

第１図に示すように下部包覆部５−１の先端部には逆流
防止弁７を取り付ける。これは排煙処理方法として電熱
処理等によった場合、これによって生じる熱風を、喫煙
時に突発的なくしゃみ、しゃっくり等により吸い込む危
険性を防止するためのものである。逆流防止弁７は第４
図に示すように半円形の弁を丁番で開閉する形であり、
これに形状記憶合金製駆動部７−１を取り付けている。
この形状記憶合金製駆動部７−１が駆動するときの温度
は、逆流した熱風で弁の弁板が図２の如く閉じた状態か
ら図４に示す如く開き上部包覆部５−２から下部包覆部
５−１へと熱風が逆流することを防止するように設定す
る。形状記憶合金製駆動部７−１の形状記憶合金材料と
しては、二方向または全方位型形状記憶合金や、一方向
形状記憶合金などが使用できるが、一方向形状記憶合金
にスプリングを組み合わせた構成を駆動方式として用い
れば、駆動力が大きい。

第１図に示すように逆流防止弁７の奥において、下部包
覆部５−１には第２のカバーとしての上部包覆部５−２
が設けられており、煙道を上へ曲げて第２の煙道を形成
し、上部に加熱分解装置としての電熱ヒーター８を設
け、この上部に小径の孔を開けたパンチングメタル９を
取り付け、このパンチングメタル９の上方に鉄、白金の
粒子や、テープ、線等の触媒10を配置し、さらにこの触
媒10の上に、符号９で示すものと同様なパンチングメタ
ル11を取り付ける。この電熱ヒーター８の周囲は断熱が
必要であり、ガラス繊維等の断熱材12にて覆い、表面を
外殻13で覆う。電熱ヒーター８は近年高温に耐える素材
が提案されており、例えば二ケイ化モリブデン質のモリ
ブデンの一部をタングステンに置き換える素材は酸化雰
囲気内で1900℃までの使用が可能である。

第２図は全体に外観を示す斜視図である。下部包覆部５
−１の開口としての口当部５−３は口の周囲の形にフィ
ットする形状とする。外殻13は下部がふくらんだ安定し
た形とし、転倒しにくい形状として安全上の配慮を行う
ことが望ましい。

第３図はホルダの斜視図であり、形状記憶合金製のピン
チ２−２はスライド用支柱２−２−Ａにスライド可能に
取り付けし、位置をスライドすることができる。ピンチ
２−２は周壁の一部が取り除かれた円筒形状、即ちＣ型
の形状が望ましい。ピンチ２の形状記憶合金はタバコの
燃焼温度付近で作動してピンチするもので、一方向型、
二方向型、全方位型の材料が使用できる。

第４図は逆流防止弁７の正面図であり、スプリング７−
２は弱い力で弁を閉じる方向へ力が働き、形状記憶合金
駆動部７−１は高温側に向って弁が開くように力が働
く。

第５図は喫煙者が本考案の一実施例を使用したときの例
を示す断面図である。ホルダ吸口２−３を吸ってタバコ
を吸い、この煙を吐く際は口元を口当部５−３に付けて
行う。タバコ１の副流煙は電熱ヒーター８の温度上昇に
よる対流効果により吸煙される。そして、喫煙者の口元
から口当部５−３を介して下部包覆部５−１内に吹き込
まれた主流煙や下部包覆部５−１内のタバコ１の副流煙
は逆流防止弁７を介して上部包覆部５−２内に流入し、
電熱ヒータ８により成分が加熱分解される。電熱ヒータ
８の上方の触媒10は上記成分の加熱分解を促進させる。

排煙の処理方法は上述の方法の他、油性やガス燃料を燃
焼する方式もできる。燃焼方式では呼気で火が吹き消さ
れるので圧縮空気によるバーナーや圧力のかかったガス
燃焼方式が必要となる。電熱ヒーター等加熱分解装置の
上部に粒子状の木炭をパンチングメタルの間にはさんで
燃焼させる方式もできる。木炭は呼気で消えることがな
いので実用的である。また、第１図では、上部包覆部５
−２の形状を、煙道が均一な面積で立ち上がるようにし
ているが、本考案はこれに限定されるものではない。

［考案の効果］本考案は類似の従来の提案方式にくらべて次の様な著し
い効果がある。すなわちタバコ１を吸う動作と煙を吐く
動作を一体化したホルダ吸口２−３、及び口当部５−３
から行うことができるので動作が簡単であり、煙を吐く
動作は太い口径を有する口当部５−３から吐き出すので
力を入れて吐く必要がなく、喫煙の心地良い開放感を損
ねることがない。また煙を吐き出す際、湿った呼気が直
接たタバコ１に触れないのでタバコ１が湿ることがな
く、タバコ１の味が変質することもない。また煙を吐き
出す際にタバコ１の灰に直接呼気があたらないので灰が
とび散ることもない。この様に排気用外筒５と外気吸入
孔４を有する排気用内筒３との二つの経路による方式に
より大きな作用効果を生むことができ、この方式で問題
となるタバコ１の燃えている位置が確認できない点につ
いてはスライド可能な形状記憶合金で好みの長さで消火
することができる。以上の様に本考案は実用的なタバコ
の煙害防止ができる極めて有用な考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２図は第１
図の外観を示す斜視図、第３図はホルダ２の一実施例を
示す斜視図、第４図は逆流防止弁の一実施例を示す正面
図、第５図は使用例を示す一部断面図である。１……紙巻きタバコ、２……シガレット・ホルダ、２−
１……逆流防止弁、２−２……ピンチ、２−２−Ａ……
スライド用支柱、２−３……キセル吸口、３……排気用
内筒、４……外気吸入孔、４−１……逆流防止弁、５−
１……下部包覆部、５−２……上部包覆部、６……灰受
け、７……逆流防止弁、７−１……形状記憶合金製駆動
部、８……電熱ヒーター、９……パンチングメタル、10
……触媒、11……パンチングメタル、12……断熱材、13
……外殻。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】紙巻きタバコ（１）の主流煙を含む気体を
喫煙者が吐き込むための開口（５−３）を有し、第１の
煙道を形成する筒状の第１のカバー（５−１）と、紙巻きタバコ（１）を支持してこの紙巻きタバコ（１）
を少なくとも部分的に前記第１のカバー（５−１）内に
位置させる支持手段（2,3）と、排出部を有し、前記第１のカバー（５−１）に連結さ
れ、支持手段（2,2−2,2−２−A,3）に支持され燃焼し
ている紙巻きタバコ（１）の副流煙を含む気体と、喫煙
者によって第１のカバー（５−１）の開口（５−３）か
ら吹き込まれた主流煙を含む気体とを前記第１の煙道か
ら前記排出部に導く第２の煙道を形成する筒状の第２の
カバー（５−２）と、前記第２のカバー（５−２）の排出部に設けられ、排出
部に導かれた気体に含まれる主流煙と副流煙との双方の
成分を加熱により分解する加熱分解装置（８）とを具備
することを特徴する喫煙具。
【請求項２】前記支持手段（2,2−2,2−２−A,3）は、
紙巻きタバコ（１）の吸い口端を挿入可能なマウスピー
ス（２）と、前記第１のカバー（５−１）内に配設さ
れ、マウスピース（２）が着脱可能に取り付けられる内
筒（３）とを備えていることを特徴とする実用新案登録
請求の範囲第１項に記載の喫煙具。
【請求項３】前記第２のカバー（５−２）は、前記加熱
分解装置（８）による熱を外部に対して遮断する断熱カ
バー（13）によって覆われており、第２のカバー（５−
２）と断熱カバー（13）とによって形成される外側形状
を刻みタバコ用のパイプの形状に形成したことを特徴と
する実用新案登録請求の範囲第１項に記載の喫煙具。
【請求項４】前記加熱分解装置の上部に粒子状の木炭な
どの炭を取り付けたことを特徴とする実用新案登録請求
の範囲第１項に記載の喫煙具。