JPH074045B2 - 屋内配線システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、屋内配線システムに関するものである。

〔従来の技術〕

従来の屋内配線システムは、分電盤またはターミナルよ
り、天井裏を通して配線していた。

〔発明が解決しようとする課題〕

このような屋内配線システムでは、スイッチ、コンセン
ト、電灯等を増設する場合には、壁の上端まで来た電線
を、壁の中へ通して配線する必要がある。このため、天
井を仕上げた後や、天井裏に人が入ることのできないと
ころでは、スイッチ、コンセント等を増設することがで
きないという問題点があった。

したがって、この発明の目的は、必要に応じてスイッチ
やコンセント等を容易に増設できる屋内配線システムを
提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

請求項（１）の屋内配線システムは、回縁に通線溝を設
け、この通線溝に電圧線を通線し、幅木に通線溝を設
け、この通線溝に中性線を通線したものである。

請求項（２）の屋内配線システムは、１階の回縁に通線
溝を設け、この通線溝に一方の電圧線を通線し、１階の
幅木に通線溝を設け、この通線溝に中性線を通線し、２
階の回縁に通線溝を設け、この通線溝に中性線を通線
し、２階の幅木に通線溝を設け、この通線溝に他方の電
圧線を通線したものである。

請求項（３）の屋内配線システムは、請求項（１）また
は（２）の屋内配線システムにおいて、通線溝を設けた
竿縁を一対の回縁の間に連結し、この竿縁の通線溝を前
記一対の回縁の通線溝に連通させ、前記竿縁の通線溝に
電圧線および中性線を通線したものである。

請求項（４）の屋内配線システムは、請求項（１）また
は（２）の屋内配線システムにおいて、通線溝を設けた
飾縁を回縁と幅木の間に連結し、この飾縁の通線溝を前
記回縁の通線溝および前記幅木の通線溝に連通させ、前
記飾縁の通線溝に電圧線および中性線を通線したもので
ある。

〔作用〕

スイッチ、コンセント等を設置、増設する場合には、回
縁に通線した電圧線と、幅木に通線した中性線から配線
すればよい。

請求項（２）では、電圧線を１階の回縁と２階の幅木の
通線溝に通線したので、各階において単相200V電源の増
設が容易である。

請求項（３）では、天井に設置した電灯等の位置を容易
に変えることができる。また、電灯等の増設も容易であ
る。

請求項（４）では、壁に孔を開けなくても電源を取り出
すことができる。

〔実施例〕

この発明の一実施例を第１図に基づいて説明する。住宅
１の各部屋２…の回縁３と幅木４には、それぞれ通線溝
５、６が設けられている（第９図乃至第15図参照）。回
縁３の通線溝５には、分電盤７より配線された電圧線８
が通線されると共に、幅木４の通線溝６には、分電盤７
より配線された中性線９が通線されている（同図は単相
２線式である）。

第２図および第３図は、コンセント10を部屋２の壁11に
増設したものである。即ち、回縁３に配線した電圧線８
から一芯の電線12を壁11内に配線すると共に、幅木４に
配線した中性線９から一芯の電線13を壁11内に配線し
て、この電線12,13をコンセント10に接続してある。

第４図と第５図は、スイッチ14を部屋２の壁11に設置し
たものである。即ち、幅木４に配線した中性線９と電灯
15を接続する電線16の、壁11内を通る中間部を、スイッ
チ14を介して連結してある。

第６図は、和室等において一対の回縁3,3の間に連結さ
れる竿縁17に電圧線８および中性線９を配線したもので
ある。即ち、この竿縁17は、第７図に示すように、通線
溝18が設けられて天井に固着される竿縁本体20と、この
竿縁本体20の開口部を覆うように弾性係合により取付け
られるカバー21とからなる。通線溝18は、一対の回縁3,
3の通線溝5,5に連通している。そして、一方の回縁３に
配線された電圧線３を、この回縁３に連結される竿縁17
の通線溝18を通して通線する。また、幅木４に配線され
た中性線９を壁11内を通して、他方の回縁３に連結され
る竿縁17の通線溝18を通して通線する。また、カバー21
には、塩化ビニル等のシート22が貼設されると共にねじ
孔23が設けられている。このねじ孔23には、電灯24に結
線される電線25を接続することができるアダプタ26が螺
合される。このアダプタ26を螺合させると、通線溝18に
通線された電圧線８または中性線９の絶縁体27が、アダ
プタ26のねじ部29によって破られ、このねじ部29が導体
28に接触して結線される。

第９図乃至第11図は、回縁３と幅木４の構造を示したも
のである。回縁３は、通線溝５およびスイッチ、コンセ
ント等に結線される電線33を挿入できる開口34が設けら
れて壁11に固着される回縁本体30と、この回縁本体30を
覆うように弾性係合により取付けられるカバー31とから
なる。通線溝５は、断面略凹状であって、その開口縁か
ら内側に所定間隔をおいて突片32,32が設けられてい
る。この場合、通線溝５に通線される電圧線３は、通線
溝５の内周面に沿うように薄板状に形成される。そし
て、その電圧線３を設置した通線溝５に、固定部材35が
固定される。この固定部材35は、導体で逆Ｔ字状に形成
され、基端部は通線溝５にちょうど入るような形状であ
り、基端部から垂直に突設された部分の径および基端部
の厚さは回縁本体30に設けた突片32,32間の距離よりも
小さく形成される。また、この突設された部分には、電
線33を挿入してかしめて固着することができる孔部36が
穿設されている。固定部材35を回縁本体30に固定するに
は、固定部材35の基端部の長手方向を突片32の長手方向
に向けて、この基端部を突片32,32間に挿入して90°回
転させればよい。幅木４は、回縁本体30と同一形状の幅
木本体38と、この幅木本体38を覆うように弾性係合によ
り取付けられるカバー37とからなる。この幅木本体38の
通線溝６には中性線９が連通され、この通線溝６に固定
部材30が同様にして固定される。

第12図乃至第15図は、回縁３と幅木４の別の構成を示し
たものである。この場合も、第９図および第10図の実施
例と同様に、回縁３は、回縁本体40とカバー41とからな
り、幅木４は、幅木本体42とカバー43とからなる。ま
た、回縁本体40と幅木本体42は同一形状であるため回縁
本体40についてのみ説明する。回縁本体40に設けた通線
溝５は電圧線８（幅木本体42では中性線９）をそのまま
通線でき、第８図の実施例と同様に、電線を接続したア
ダプタ26をねじ込むことにより、電圧線５の絶縁体27が
破れて導体28に接触して結線することができるように構
成されている。44はアダプタ26をねじ込むために設けた
孔部である。

第16図と第17図は、回縁３と幅木４の間に連結される飾
縁45に電圧線８および中性線９を配線したものである。
この飾縁45は、プラスチック等で形成されると共に表面
に塩化ビニル等のシート47が貼設され、長孔状の通線溝
48が形成されるように、壁11のコーナーに取付け金具46
を介して取付けられる。また、飾縁45にはコンセント49
が設置され、回縁３に配線した電圧線８と、幅木４に配
線した中性線９から、空間部48を通してコンセント49へ
配線される。

第18図と第19図は、飾縁45の別の例である。この飾縁45
は、通線溝を有するパネル状であり、回縁３と幅木４を
連結するように壁11の面上に取付けられる。この例で
は、斜線で示す部分に、照明器具、扇風機、暖房器等が
設置される。

第20図は、第８図および第14図の実施例で使用したアダ
プタ26の構成を示したものである。このアダプタ26は、
鉤型で絶縁被覆された電線接続部47とねじ部29とからな
る。この電線接続部47に電線を差し込むと、絶縁体は破
れて電線とアダプタ26が通電する。また、電線を差し込
んだ後は、電線接続部47をかしめて固着する。

第21図は、この発明の他の実施例を示したものであり、
この屋内配線システムは単相３線式である。即ち、住宅
１の構成は第１図の実施例と同様であるが、１階の回縁
３と２階の幅木４の通線溝5,6にそれぞれ電圧線8a,8bを
通線し、２階の回縁３と１階の幅木４の通線溝5,6に中
性線９を通線している。各階の電圧線8a,8bを近接させ
たことにより、各部屋で単相100V電源は勿論、単相200V
電源を容易に取り出せる。

第８図および第14図の実施例では、結線する際に電圧線
８や中性線９を剥ぐ必要がないので結線時の施工性が向
上する。

また、第９図と第10図の実施例に示すように、回縁本体
30と幅木本体38を同一形状にしたので共用することがで
き、生産性も向上する。第12図と第13図の実施例につい
ても同様である。

第20図の実施例では、アダプタ26と電線の接続が容易に
なり、作業性が向上する。

なお、第21図に示した住宅１にも、第２図乃至第19図の
実施例が適用できる。

〔発明の効果〕

以上のようにこの発明の屋内配線システムによれば、壁
面からの電源の引き出しが容易に行えるので、スイッ
チ、コンセント、電灯等をどこでも容易に設置、増設可
能である。また、基本的な配線は、電圧線１芯と中性線
１芯を各部屋に送るだけなので配線工数の省略化ができ
る。

請求項（２）では、２階の部屋に配線した電圧線から１
階の部屋に電線を引き出すことが容易であり、また、１
階の部屋に配線した電圧線から２階の部屋に電線を引き
出すことが容易であるので、各階の部屋において、単相
100V電源だけでなく、単相200V電源を容易に取り出すこ
とができる。

請求項（３）では、天井に設置した照明器具等の位置
を、天井を剥がすことなく容易に変更することができ
る。また、天井に照明器具等を増設する場合にも、容易
に増設できる。

請求項（４）では、壁に孔を開けなくても、スイッチ、
コンセント、電気器具等の設置。増設が容易にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の屋内配線システムの概念
図、第２図と第３図は配線状態を示す概念図、第４図と
第５図は別の配線状態を示す概念図、第６図は竿縁を設
け部屋の概念図、第７図は竿縁の分解断面図、第８図は
その組立断面図、第９図は回縁の分解断面図、第10図は
幅木の分解断面図、第11図は第９図と第10図の実施例の
結線方法を示す斜視図、第12図は別の回縁の分解断面
図、第13図は別の幅木の分解断面図、第14図は第12図と
第13図の実施例の結線方法を示す断面図、第15図は回縁
本体（幅木本体）の斜視図、第16図は飾縁を設けた部屋
の斜視図、第17図は飾縁の断面図、第18図と第19図は別
の飾縁を設けた部屋の概念図、第20図はアダプタの拡大
断面図、第21図は別の屋内配線システムの概念図であ
る。 ３……回縁、４……幅木、5,6……通線溝、８……電圧
線、９……中性線、17……竿縁、18……通線溝、45……
飾縁、48……通線溝

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回縁に通線溝を設け、この通線溝に電圧線
   を通線し、幅木に通線溝を設け、この通線溝に中性線を
   通線したことを特徴とする屋内配線システム。
2. 【請求項２】１階の回縁に通線溝を設け、この通線溝に
   一方の電圧線を通線し、１階の幅木に通線溝を設け、こ
   の通線溝に中性線を通線し、２階の回縁に通線溝を設
   け、この通線溝に中性線を通線し、２階の幅木に通線溝
   を設け、この通線溝に他方の電圧線を通線したことを特
   徴とする単相３線式屋内配線システム。
3. 【請求項３】通線溝を設けた竿縁を一対の回縁の間に連
   結し、この竿縁の通線溝を前記一対の回縁の通線溝に連
   通させ、前記竿縁の通線溝に電圧線および中性線を通線
   した請求項（１）または（２）記載の屋内配線システ
   ム。
4. 【請求項４】通線溝を設けた飾縁を回縁と幅木の間に連
   結し、この飾縁の通線溝を前記回縁の通線溝および前記
   幅木の通線溝に連通させ、前記飾縁の通線溝に電圧線お
   よび中性線を通線した請求項（１）または（２）記載の
   屋内配線システム。