JPH0740337A - 多成分混合用ヘッド装置 - Google Patents

多成分混合用ヘッド装置

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JPH0740337A
JPH0740337A JP5206947A JP20694793A JPH0740337A JP H0740337 A JPH0740337 A JP H0740337A JP 5206947 A JP5206947 A JP 5206947A JP 20694793 A JP20694793 A JP 20694793A JP H0740337 A JPH0740337 A JP H0740337A
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mixing
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Hitoo Yoshimura
仁雄 吉村
Yoshiaki Masaki
義昭 正木
Mitsuharu Cho
光春 張
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TOHO KIKAI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高圧噴射による衝突混合によって生起される
渦巻状の流れや、非定常な流れによる不具合を解消する
多成分混合用ヘッド装置の提供 【構成】 多成分混合用ヘッド装置Sは、吐出ダクト5
0に直結連通し個々の液状成分を高圧噴射状態で衝突混
合する混合用チャンバー20を備えたノズル本体10
と、混合用チャンバー20に開口する個々の成分用吐出
ノズル30(31,32)と、混合用チャンバー20に
よって混合された混合液を吐出する吐出ダクト10と、
を有し、混合チャンバー20内を摺動するシリンダ装置
40と、吐出ダクト50の空間部分へ突出する複数形ピ
ストン機構を備えた調整用部材60と、を備え、吐出ダ
クト50と混合用チャンバー20は所定角度を有して連
通して、液状成分を高圧噴射混合してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多成分混合用ヘッド装置
に係り、特に産業用や家具或は自動車用の各種成形品を
製造する射出成形等において、互に化学反応性を有する
液状成分を予め定められた混合比率で高圧噴射し生成物
品を成形するための多成分混合用ヘッド装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、化学反応性を有する液状成分を
高圧噴射し、衝突混合させてキャビティ内へ吐出させて
互に化学反応させ、成形物品を得るための多成分混合用
ヘッド装置は公知である。
【0003】即ち、混合される個々の化学反応性成分
は、成形品を得るための金型に連通された案内路の端部
に形成された多成分混合用ヘッド装置内の吐出ダクトに
直接噴射する技術、吐出ダクトに直結連通し個々の液状
成分を高圧噴射状態で衝突混合する混合チャンバーを設
けた技術等が実用されてきた。一般的には前者の代表例
はI型、後者の代表例はL型と呼ばれている。
【0004】しかるに個々の液状成分の高圧噴射運動エ
ネルギーは、衝突混合が行なわれる衝突空間内に止まる
ことなくその残存エネルギーは吐出ダクトや金型内の案
内路に沿って広がる。その結果、不完全な混合状態や噴
出による衝突混合によって生起される渦巻状の流れが発
生したりして、多成分混合用ヘッド装置の出口としての
吐出ダクト出口に至っても定常的な流れに原流化(整流
化)されることが困難であった。
【0005】したがって、これらによって成形される物
品には、硬さの不均質や、混合不良に基づく未反応部分
が残ったり、或は不定常な流れによるエアーの巻込みに
よる粗大気泡の混入などを招き、経済的に重大な損失を
発生してきた。
【0006】これらの損失を防止するため、吐出ダクト
長さを無制限に長くしたり、金型内の案内路を極端に長
くしたりすることも考慮されるが、これらは経済的にも
良い解決策とならないので、吐出ダクト内に障害物を設
けたり、衝突混合された混合液の流れ方向を変えたり、
複数の絞りを設け混合液の縮分や合流をくり返したり、
吐出ダクトに突出する複数のバッフルピンを設けたり、
或は混合チャンバー出口から吐出ダクトへの出口の一部
分を清掃用クリーニングシャフトにより閉塞したりする
対策がなされてきた。
【0007】また化学反応性を有する液状成分を規則的
な流れとするために、混合室を吐出ダクトに関して横方
向に配設すると共に吐出ダクトの軸に対して所定角度を
形成させる技術(例えば特公昭55−32526号公報
参照)等が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、混
合チャンバーや吐出ダクトをエアーブロー清掃によって
クリーニングする必要があったり、機械的に清掃出来て
もその耐久性に問題があったり、或はその動作が迅速に
出来なかったりして充分な問題解決とはなっていなかっ
た。
【0009】本発明の目的は、上記従来の多成分混合用
ヘッド装置を改良し、高圧噴射による衝突混合によって
生起される渦巻状の流れや、非定常な流れによる不具合
を解消する多成分混合用ヘッド装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多成分混合
用ヘッド装置は、吐出ダクトに直結連通し個々の液状成
分を高圧噴射状態で衝突混合する混合用チャンバーを備
えたノズル本体と、前記混合用チャンバーに開口する個
々の成分用吐出ノズルと、混合用チャンバーによって混
合された混合液を吐出する吐出ダクトと、を有するヘッ
ドにおいて、前記混合チャンバー内を摺動するシリンダ
装置と、吐出ダクトの空間部分へ突出する複数形ピスト
ン機構を備えた調整用部材と、を備え、前記吐出ダクト
と前記混合用チャンバーは所定角度を有して連通して、
液状成分を高圧噴射混合してなることを特徴とする。
【0011】そして前記複数形ピストン機構を備えた調
整用部材は、外側ピストンと内側ピストンとを備え、前
記外側ピストンは、吐出ダクトの壁面に摺接し、前記内
側ピストンは外側ピストン内を摺動すると共に外側ピス
トンから延出可能に往復移動可能とすると好適である。
【0012】また前記複数形ピストン機構を備えた調整
用部材は、吐出ダクトを摺動する第1,第2のピストン
から構成され、前記混合用チャンバー側に位置するピス
トンが、後退時に混合用チャンバーと吐出ダクトとの連
結部の途中位置に配置されるとより好適である。
【0013】さらに前記複数形ピストン機構を備えた調
整用部材は、外側ピストンと内側ピストンとを備え、前
記外側ピストンは吐出ダクトを摺動する第1,第2のピ
ストンから構成されて吐出ダクトの壁面に摺接すると共
に、前記混合用チャンバー側に位置するピストンが、後
退時に混合用チャンバーと吐出ダクトとの連結部の途中
位置に配置され、前記内側ピストンは前記外側ピストン
を構成する第1及び第2のピストン間を摺動すると共に
第1及び第2のピストンの間に延出可能に往復移動可能
とすると良い。
【0014】また前記複数形ピストン機構を備えた調整
用部材は、吐出ダクトへの突出量を調整する調整装置が
設けられるように構成すると好適である。また前記吐出
ダクトに対して所定角度位置から吐出ダクト内に延出す
るピストンが配設されるように構成することもできる。
【0015】そして混合用チャンバーの断面積と、吐出
ダクトの空間部分に突出した調整用部材の断面積を差し
引かれた吐出ダクトの残空間の断面積と、吐出ダクトの
断面積における各断面積比が1:1.5〜5:2.0〜
6.0の範囲とすると好適である。
【0016】また混合用チャンバーの容積と、突出した
調整用部材の突出長さ迄の吐出ダクトの容積と、突出し
た調整用部材から先の吐出ダクトとの各容積比が1:2
〜10:5〜30の範囲にあるようにすると良い。
【0017】また請求項9に係る発明は、吐出ダクトに
直結連通し個々の液状成分を高圧噴射状態で衝突混合す
る混合用チャンバーを備えたノズル本体と、前記混合用
チャンバーに開口する個々の成分用吐出ノズルと、混合
用チャンバーによって混合された混合液を吐出する吐出
ダクトと、を有するヘッドにおいて、前記混合チャンバ
ー内を摺動するシリンダ装置と、吐出ダクトの空間部分
へ突出する複数形ピストン機構を備えた調整用部材と、
を備え、前記吐出ダクトと前記混合用チャンバーは所定
角度を有して連通して、液状成分を高圧噴射混合してな
るものであって、前記調整用部材は回転可能に構成さ
れ、該調整用部材の回転速度が当該調整用部材域を通過
する液状成分の流速に対して5倍以内の速度で回転し、
通過する液状成分に回転エネルギーを付与し、定常的な
一定方向の層状整流状態としてなること特徴とする。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を
限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変
することができるものである。
【0019】図1乃至図4は本発明に係る第1実施例を
示し、図1は調整用部材を延出した状態(以下「高圧循
環状態」という)を示す断面説明図、図2は図1の調整
用部材を後退させた状態(以下「高圧噴射混合状態」と
いう)を示す断面説明図、図3及び図4は寸法を示す説
明断面図である。
【0020】本発明に係る多成分混合用ヘッド装置S
は、ノズル本体10と、混合用チャンバー20と、吐出
ノズル30と、シリンダ装置40と、吐出ダクト50
と、調整用部材60と、この調整用部材60を駆動する
シリンダ装置70と、を主たる構成要素としている。
【0021】本例のノズル本体10は、図1及び図2で
示すように、混合用チャンバー20と、シリンダ装置4
0とを備えており、混合用チャンバー20には複数の吐
出ノズル30(本例では符号31,32で示す2つ)が
開口されており、この混合用チャンバー20内で個々の
液状成分が高圧噴射状態で衝突混合する。また混合用チ
ャンバー20の一端部は吐出ダクト50に直結連通して
いる。そして混合用チャンバー20の他端部にはシリン
ダ装置40が配設されている。
【0022】本例の吐出ノズル30は混合用チャンバー
20に開口する個々の成分用のものであり、二つの成分
の吐出ノズル30(31,32)のオリフィスは、混合
用チャンバー20に対し夫々直径方向で対向するよう開
口され、これらの吐出ノズル30にはニードル弁(図示
せず)が接続されて、成分を混合用チャンバー20に射
出する圧力を調整している。
【0023】またノズル本体10には、成分を再循環さ
せる二つのダクト33,34が備えられており、これら
のダクト33,34は混合用チャンバー20の後方延長
部に連通されており、混合用チャンバー20がシリンダ
装置40によって閉塞された図1においては、後述する
ピストン41に形成された循環用凹部42,43を通っ
てそれぞれの吐出液は、吐出ノズル31からダクト33
或は吐出ノズル32からダクト34の経路で循環してい
る。
【0024】本例のシリンダ装置40は、混合用チャン
バー20内を摺動するピストン41を備えている。この
混合用チャンバー20内を摺動するシリンダ装置40の
ピストン41が後退し、混合用チャンバー20が開放さ
れた状態にあっては、それぞれの吐出ノズルから吐出さ
れた液状成分は連続して衝突混合され、その混合した液
状成分は、吐出ダクト50へ押し出される。ピストン4
1にはそれぞれ切溝された循環用凹部42,43が形成
されており、再循環用の2つのダクト33,34は、ピ
ストン41の後退時に、ピストン41の先端部分41a
で図2の如く閉塞されている。
【0025】本例の吐出ダクト50は、混合用チャンバ
ー20によって混合された混合液を、キャビティ(図示
せず)へ吐出するものであり、この吐出ダクト50には
調整用部材60が設けられている。
【0026】本例の調整用部材60は、複数形ピストン
機構からなるものであり、調整用部材60を駆動するシ
リンダ装置70と、プランジャ80と、を備えており、
プランジャ80はシリンダ装置70によって吐出ダクト
50内を摺動するものである。
【0027】本例の複数形ピストン機構を備えた調整用
部材60は、プランジャ80部分が、外側ピストン81
と内側ピストン82とから構成されている。この外側の
円筒状のピストン81は、吐出ダクト50の壁面に摺接
し、内側の円棒状ピストン82は外側ピストン81内を
摺動すると共に図2の如く外側ピストン81から延出可
能に往復し、所望の位置に延出量を調整することが出来
る。
【0028】このとき、外側ピストン81は、混合用チ
ャンバー20に対して後退時に混合用チャンバー20と
吐出ダクト50との連結部の途中位置に配置されるよう
に構成すると、より混合液の流速,圧力調整の機能を果
たすことができる。
【0029】以上のように、プランジャ80の外側ピス
トン81および内側ピストン82は、吐出終了時に吐出
ダクト50の内壁部に附着する混合液の清除用の役割を
果たすとともに、吐出状態に於ける混合用チャンバー2
0内及び吐出ダクト50への出口、並びに吐出ダクト5
0内に於ける混合液の流速,圧力調整の機能を付加する
働きをする。
【0030】そして本例のシリンダ装置70の端部側に
は、外側ピストン81及び内側ピストン82の吐出ダク
ト50への突出量を調整する調整装置90が設けられる
ている。即ち、本例の調整装置90は、図1で示すよう
に、外側ピストン81と衝接する外側調整ねじ部材91
と、この外側調整ねじ部材91の中央に配設されてお
り、外側調整ねじ部材91とは別個に回動する内側調整
ねじ部材92とから構成されている。
【0031】そして調整装置90の外側調整ねじ部材9
1と内側調整ねじ部材92とを回動することにより、シ
リンダ装置70内へ外側調整ねじ部材91と内側調整ね
じ部材92を突出させて、外側ピストン81及び内側ピ
ストン82の後退時の移動量を調整できるように構成さ
れている。
【0032】なお本例ではねじ部材による調整装置を用
いているが、近接スイッチ等の検出手段と、この検出手
段に基づいて駆動するアーマチャ等を用いた他の公知の
手段で構成することができる。
【0033】このとき、混合用チャンバー20の断面積
と、吐出ダクト50の空間部分に突出した調整用部材で
ある内側ピストン82の断面積を差し引かれた吐出ダク
ト50の残空間の断面積と、吐出ダクト50の断面積と
の各断面積比(即ち、図4におけるG1 :H1 :I2
比率)が1:1.5〜5:2.0〜6.0の範囲とす
る。
【0034】さらに混合用チャンバー20の容積と、突
出した調整用部材である内側ピストン82の外側ピスト
ン81からの突出長さ迄の吐出ダクト50の容積と、突
出した調整用部材である内側ピストン82の先端部から
残りの部分の吐出ダクト50(換言すれば内側ピストン
82の先端部から先の吐出ダクト50の部分)との各容
積比(即ち、図2におけるG2 :H2 :I2 の比率)が
1:2〜10:5〜30の範囲にあるようにすると良
い。
【0035】上記のように、吐出ダクト50内部は外側
ピストン81と内側ピストン82が摺動し、吐出ダクト
50内部は清除されると共に、混合液の流速及び圧力調
整用とに機能した後、清除が行なわれる。
【0036】更に上記記述を具体的に寸法実例をあげ、
図3に基づいて説明すれば、混合チャンバー20内を摺
動するシリンダ装置40におけるピストン41の輪切り
断面寸法Aを8mm(即ち輪切り断面の直径が8m
m)、図1の各調整用部材を延出した状態である「高圧
循環状態」から図2の「高圧噴射混合状態」に移った際
のピストン41の移動量Jを15mm、吐出用ダクト5
0にあっては外側ピストン81の輪切り断面の外径寸法
Eを16mm(即ち輪切り断面外径寸法は直径16m
m)及び内側ピストン82の輪切り断面Dの直径8mm
(即ち外側ピストン81の輪切り断面における内径に相
当する)とし、また外側ピストン81と内側ピストン8
2の図2における「高圧噴射状態」における位置を外側
調整ネジ部材91及び内側調整ネジ部材92によって、
予め図3で記入した位置にくるように設定しておく。
【0037】以上のような条件においては、混合用チャ
ンバー20の断面積と、吐出ダクト50の空間部分に突
出した調整用部材である内側ピストン82の断面積を差
し引かれた吐出ダクト50の残空間の断面積と、吐出ダ
クト50の断面積との各断面積比(即ち、図4における
1 :H1 :I2 の比率)は約1:3:4となる。
【0038】また前記条件においては、混合用チャンバ
ー20の容積と、突出した調整用部材である内側ピスト
ン82の外側ピストン81からの突出長さ迄の吐出ダク
ト50の容積と、突出した調整用部材である内側ピスト
ン82の先端部から残りの部分の吐出ダクト50(換言
すれば内側ピストン82の先端部から先の吐出ダクト5
0の部分)との各容積比(即ち、図2におけるG2 :H
2 :I2 の比率)は、1:4:6.7となる。
【0039】そしてシリンダ装置70の動作について、
吐出ダクト50を摺動する外側ピストン及び内側ピスト
ンを制御するが、このとき、例えば近接スイッチ,他の
同様の装置を使用して連繋させることができ、スイッチ
はピストンのシリンダのプランジャ80が上昇動作を完
了する際に消勢されて、再循環弁の作動シリンダに対す
る流体の供給並びに停止の制御を行なう。
【0040】そして、吐出ダクト50と混合用チャンバ
ー20とは、所定角度を有して連通している。すなわち
ヘッド本体10に、混合用チャンバー20を吐出ダクト
50に対して横向にしかも吐出ダクト50から独立して
形成し、混合用チャンバー20は吐出ダクト50と、こ
の吐出ダクト50の横壁部に形成された出口を介して連
通される。吐出ダクト50は縦軸に沿って配置され、一
方、混合用チャンバー20は横軸上に配置される。
【0041】次に、図1及び図2に基づいて上記構成か
らなる実施例の動作について説明する。図1で示すよう
に、互いに独立した液状成分が予め定められた混合比率
でニードル調整機構付噴射ノズル及びからシリンダ装置
のピストン41にそれぞれ切溝された循環用凹部42及
び43を介して高圧循環されており、この状態が高圧噴
射による衝突混合が行なわれる前の通常の高圧循環状態
である。
【0042】次に高圧噴射による衝突混合を行なわせる
際は、シリンダ装置70を油圧作動により、調整装置9
0の外側調整ねじ部材91及び内側調整ねじ部材92
と、プランジャ80を構成する外側ピストン81と内側
ピストン82の端部が接触する位置迄上昇させる。
【0043】これにより図2で示すように、吐出ダクト
50の一部分が開放され空間を生じる。しかる後シリン
ダ装置40を油圧作動により迅速に後退させる。そし
て、図1で示すように、互いに高圧循環状態あった噴射
ノズル31及び32から噴射される液状成分は、図2で
示すような状態となったら、その循環回路(ダクト3
3,34)がシリンダ装置40の後退動作により、ピス
トン41の先端部で閉塞される。
【0044】同時に高圧噴射状態で対向して配置された
ノズル31及び32は開放されるために、ノズル31,
32からの液状成分は開放された空間である混合用チャ
ンバー20で衝突混合する。
【0045】この際、予め所望の間際と空間容糧になる
ように、プランジャ80を構成する外側ピストン81と
内側ピストン82のストロークを、調整装置90の外側
調整ねじ部材91及び内側調整ねじ部材92でそれぞれ
の上死点を調整しておくことにより、混合用チャンバー
20から吐出ダクト50への通路に絞りを作ることがで
きる。
【0046】また吐出ダクト50内には内側ピストン8
2が突出状態となるように予め設定することにより(図
2参照)、混合用チャンバー20内の混合液の圧力を開
放状態に比し上昇させることができまた吐出チャンバー
出口への混合液の圧力を徐々に低下させることができ
る。
【0047】また混合用チャンバー20から溢流する混
合の流れに残存する渦巻状の流れや、運動エネルギーを
多段にして設けたプランジャ80により、大幅ないし完
全に減衰させて、完全な混合とこれによる均質な化学反
応を生ぜしめるのみならず、液状混合物の流速を定常化
してエアーの巻込みなどによる粒大気泡の混入や発生を
防止し得る。
【0048】図5乃至図13は他の例を示すものであ
り、これらの例において、上記実施例と同様部材等には
同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】図5及び図6は本発明に係る第2実施例を
示し、図5は半円形状に分割された調整用部材60を延
出した状態を示す断面説明図、図6は図5の半円形状に
分割された調整用部材60を段差を設けた調整を調整用
ネジ部材93及び94で行ない後退させた状態を示す断
面説明図である。
【0050】前記実施例では外側ピストン81と内側ピ
ストン82で構成した例を示したが、本例では2つの半
円形状ピストン83,84で構成した例を示すものであ
る。即ち本例では混合用チャンバー20側のピストン8
3が吐出ダクト50との連通部の途中で停止するように
構成したものである。このように構成することにより、
吐出ダクト内の空間を調整することができ、前記第1実
施例と同様の作用効果を得ることができる。なお図5中
付棒101は半円形状ピストン83,84の摺動ガイド
である。
【0051】図7及び図8は本発明に係る第3実施例を
示し、図7は半円形状調整用部材を延出した状態を示す
断面説明図、図8は図7の調整用部材を後退させた状態
を示す断面説明図である。
【0052】本例では、前記第1図及び第2図の実施例
と、第5図及び第6図の実施例とを組み合わせた例を示
したものである。即ち、調整部材として、前記第5図及
び第6図の実施例に加えて、前記図1で示すような内側
ピストン82を用いた例を示したものである。
【0053】内側ピストン82の外側に、断面が半円形
状の調整用部材である外側ピストン83,84を2つ形
成し、これらの各ピストン82,83,84が、別個独
立に駆動制御できるように構成し、流量,流速等を調整
したものである。
【0054】なお本例では、予め調整用固定ブロック9
3a及び93bを図7及び図8で示すように、シリンダ
内に固定し設置しており、これによって外側ピストン8
3,84のストロークを調節可能としている。またピス
トン82のストローク調整は、油圧装置110に設けら
れた調整用ねじ93cよって行なう。
【0055】図9及び図10は本発明に係る第4実施例
を示し、本例では前記各実施例のように、吐出ダクト5
0へ延出する調整用部材を同軸系統ではなく、異なる系
統とした例を示すものである。
【0056】即ち、図9で示すように、前記各実施例と
同様に吐出ダクト50の長手方向へ延出する調整用部材
60aと、この調整用部材60aの延出方向に対して所
定方向(本例では直角方向)に調整用部材60bを形成
したものである。そして、調整用部材60a,60bの
吐出ダクト50内への延出量は、調整用ネジ部材95及
び96により、ストローク調整するように所望の位置ま
で調整する。
【0057】そして、調整用部材60aが吐出ダクト5
0内に延出した状態(図9)には、調整用部材60b
は、延出しないように構成されている。そして、調整用
部材60aが後退したときには、調整用部材60bが延
出するように構成したものである。
【0058】図11乃至図13は、請求項9の具体例を
示すものであり、本例では、図1の調整用部材60の内
側に配置された円棒状調整部材82を回転可能に構成し
たものであり、図11は高圧循環状態を示し、図12は
図11の調整用部材を後退させた状態である高圧噴射混
合状態を示している。また図13はタイミングチャート
図を示す。
【0059】即ち、図11で示すように、本例では調整
用部材82は、この調整用部材81の内側で回転できる
ように構成されている。そして調整用部材82の回転は
図11で示すように、駆動部分96によりその回転力を
得る。具体的には、図示しない駆動源(例えば油圧或は
空気圧或は電気駆動モータ)の出力軸と連結されたウオ
ーム96aが駆動部分96に配設され、調整用部材82
にはウオーム96aとの当接部に歯96bが形成され、
これらのウオーム96aと、歯96bが噛合して調整用
部材82が回転するように構成されている。なお本例で
は、調整用部材82は駆動部分96の中心に位置するよ
うに構成されている。
【0060】また調整用ネジ部材91,92はピストン
81及び82の上死点の調整即ちストローク調整を行う
ために設けられており、図11で示す例では、調整部材
81及び82用に個別に設けられている。なお調整用部
材81及び82の上下移動は、本例ではシリンダー装置
70の複数形ピストン機構によって行われ、また調整部
材82の上昇及び下降動作でも所定の回転を得られる様
スライド可能な構造とする等各種の構成をとることがで
きる。
【0061】そして、図12で示すように、吐出ノズル
を開放するためにピストン41を後退させた状態におい
て、吐出ダクト50には、調整用部材81,82が吐出
ダクト50から後退して、吐出ダクト50に空間が形成
されたときに、調整用部材82の一部が吐出ダクト50
に残った状態となるように構成されている。また調整用
部材82の回転速度が当該調整用部材82の配置域を通
過する液状成分の流速に対して5倍以内の速度で回転す
る。
【0062】そしてこれにより、通過する液状成分に回
転エネルギーを付与し、定常的な一定方向の層状整流状
態としている。なお、図11及び図12の動作順序を示
すダイミングチャートを図13で示す。図13におい
て、図11のときの状態を「高圧循環状態」として「O
FF」で表示し、図13のときの状態を「高圧噴射状
態」として「ON」で表示する。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、混合用
チャンバー及び連通する吐出チャンバー(ダクト)の作
用後の清掃も機械的に行なわれ、しかも吐出ダクトや金
型内の案内路に沿って移動する衝突混合された、液状混
合物の流れに残存する渦巻状の流れや、混合チャンバー
から溢流する液状混合物の流れに残存する運動エネルギ
ーを多段設けられた機構及び吐出ダクトの空間部分へ突
出する複数形ピストン機構を備えた調整用部材を強制回
転させることにより大幅ないしは完全に減衰し、或は又
は通過する液状成分に回転エネルギーに変換または回転
エネルギーを付与し、定常的な一定方向の層状整流状態
となし、また多段に設けられた調節機構により混合チャ
ンバー内の圧力を通常より上昇させて、完全な混合とこ
れによる物質な化学反応を生じさせ、これらによって、
液状混合物の流速を定常化し、また多段的に除々に圧力
降下を生じさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例を示し、調整用部材を
延出した状態を示す断面説明図である。
【図2】図1の調整用部材を後退させた状態を示す断面
説明図である。
【図3】図2の説明断面図である。
【図4】図2の説明断面図である。
【図5】本発明に係る第2実施例を示し、調整用部材を
延出した状態を示す断面説明図である。
【図6】図5の調整用部材を後退させた状態を示す断面
説明図である。
【図7】本発明に係る第3実施例を示し、調整用部材を
延出した状態を示す断面説明図である。
【図8】図7の調整用部材を後退させた状態を示す断面
説明図である。
【図9】本発明に係る第4実施例を示し、調整用部材を
延出した状態を示す断面説明図である。
【図10】図9の調整用部材を後退させた状態を示す断
面説明図である。
【図11】図1の調整部材の内側調整部材を回転可能な
構造とした実施例を示す断面説明図である。
【図12】図11の調整用部材を後退させ吐出チャンバ
ー内に延出した状態を示す断面説明図である。
【図13】図11及び図13に示す例のタイミングチャ
ートである。
【符号の説明】
10 ノズル本体 20 混合用チャンバー 30,31,32 吐出ノズル 33,34 ダクト 40 シリンダ装置 41 ピストン 42,43 循環用凹部 50 吐出ダクト 60 調整用部材 70 調整用部材を駆動するシリンダ装置 80 プランジャ 81 外側ピストン 82 内側ピストン 90 調整装置 91 外側調整ねじ部材 92 内側調整ねじ部材 S 多成分混合用ヘッド装置
フロントページの続き (72)発明者 浅野 泰 栃木県塩谷郡高根沢町大字太田字治部沢 118−1東京シート株式会社技術センター 内 (72)発明者 吉村 仁雄 栃木県塩谷郡高根沢町大字太田字治部沢 118−1東京シート株式会社技術センター 内 (72)発明者 正木 義昭 徳島県板野郡北島町高房字川の上8 東邦 機械工業株式会社内 (72)発明者 張 光春 徳島県板野郡北島町高房字川の上8 東邦 機械工業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出ダクトに直結連通し個々の液状成分
    を高圧噴射状態で衝突混合する混合用チャンバーを備え
    たノズル本体と、前記混合用チャンバーに開口する個々
    の成分用吐出ノズルと、混合用チャンバーによって混合
    された混合液を吐出する吐出ダクトと、を有するヘッド
    において、前記混合チャンバー内を摺動するシリンダ装
    置と、吐出ダクトの空間部分へ突出する複数形ピストン
    機構を備えた調整用部材と、を備え、前記吐出ダクトと
    前記混合用チャンバーは所定角度を有して連通して、液
    状成分を高圧噴射混合してなることを特徴とする多成分
    混合用ヘッド装置。
  2. 【請求項2】 前記複数形ピストン機構を備えた調整用
    部材は、外側ピストンと内側ピストンとを備え、前記外
    側ピストンは、吐出ダクトの壁面に摺接し、前記内側ピ
    ストンは外側ピストン内を摺動すると共に外側ピストン
    から延出可能に往復移動可能とした請求項1記載の多成
    分混合用ヘッド装置。
  3. 【請求項3】 前記複数形ピストン機構を備えた調整用
    部材は、吐出ダクトを摺動する第1,第2のピストンか
    ら構成され、前記混合用チャンバー側に位置するピスト
    ンが、後退時に混合用チャンバーと吐出ダクトとの連結
    部の途中位置に配置されてなる請求項1記載の多成分混
    合用ヘッド装置。
  4. 【請求項4】 前記複数形ピストン機構を備えた調整用
    部材は、外側ピストンと内側ピストンとを備え、前記外
    側ピストンは吐出ダクトを摺動する第1,第2のピスト
    ンから構成されて吐出ダクトの壁面に摺接すると共に、
    前記混合用チャンバー側に位置するピストンが、後退時
    に混合用チャンバーと吐出ダクトとの連結部の途中位置
    に配置され、前記内側ピストンは前記外側ピストンを構
    成する第1及び第2のピストン間を摺動すると共に第1
    及び第2のピストンの間に延出可能に往復移動可能とし
    た請求項1記載の多成分混合用ヘッド装置。
  5. 【請求項5】 前記複数形ピストン機構を備えた調整用
    部材は、吐出ダクトへの突出量を調整する調整装置が設
    けられてなる請求項1乃至4のいずれか記載の多成分混
    合用ヘッド装置。
  6. 【請求項6】 前記吐出ダクトに対して所定角度位置か
    ら吐出ダクト内に延出するピストンが配設されてなる請
    求項1乃至4のいずれか記載の多成分混合用ヘッド装
    置。
  7. 【請求項7】 混合用チャンバーの断面積と、吐出ダク
    トの空間部分に突出した調整用部材の断面積を差し引か
    れた吐出ダクトの残空間の断面積と、吐出ダクトの断面
    積における各断面積比が1:1.5〜5:2.0〜6.
    0の範囲にある請求項1乃至6のいずれか記載の多成分
    混合用ヘッド装置。
  8. 【請求項8】混合用チャンバーの容積と、突出した調整
    用部材の突出長さ迄の吐出ダクトの容積と、突出した調
    整用部材から先の吐出ダクトとの各容積比が1:2〜1
    0:5〜30の範囲である請求項1乃至6のいずれか記
    載の多成分混合用ヘッド装置。
  9. 【請求項9】 吐出ダクトに直結連通し個々の液状成分
    を高圧噴射状態で衝突混合する混合用チャンバーを備え
    たノズル本体と、前記混合用チャンバーに開口する個々
    の成分用吐出ノズルと、混合用チャンバーによって混合
    された混合液を吐出する吐出ダクトと、を有するヘッド
    において、前記混合チャンバー内を摺動するシリンダ装
    置と、吐出ダクトの空間部分へ突出する複数形ピストン
    機構を備えた調整用部材と、を備え、前記吐出ダクトと
    前記混合用チャンバーは所定角度を有して連通して、液
    状成分を高圧噴射混合してなるものであって、前記調整
    用部材は回転可能に構成され、該調整用部材の回転速度
    が当該調整用部材域を通過する液状成分の流速に対して
    5倍以内の速度で回転し、通過する液状成分に回転エネ
    ルギーを付与し、定常的な一定方向の層状整流状態とし
    てなること特徴とする多成分混合用ヘッド装置。
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