JPH0739771A - 水・親油性流体エマルション３重管熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 恒温状態にするための複雑な温度制御機構が
不要とし、構造が単純化、さらに製造コストを低くす
る。 【構成】 内筒１４と中筒１６とを電気絶縁の上、電解
質含有エマルション１２をその間に封入、さらに中筒１
６と外筒２２との間を電気絶縁の上、流動性物質２０を
入れ、恒温槽のジャケット部との間で循環する。 内筒
１４と中筒１６とを外部電源２６でつなぎ電流を流し、
電解質含有エマルション１２の温度制御をする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水・親油性流体エマル
ションの発熱を電気絶縁の上、効率よく移動できる流動
性物質を熱媒体とした熱交換器に関する。

【０００２】

【従来の技術】水・親油性流体エマルションは開発され
ているが熱交換器としてはまだ実用化されていない。

【０００３】それ以外の熱交換器は、発熱体の温度を一
定に保つ温度センサーのオン・オフ制御などが用いら
れ、保守を含めて高価なものとなる欠点があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする問題点】水・親油性流体エマ
ルションを用いた熱交換器が実用されない問題点は、伝
熱部の材料で電気絶縁性と熱伝導が相反することにあ
る。 例えば、熱伝導をよくするために電気絶縁材の厚
みを薄くすると容器の耐圧がなくなる。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】そこで、かかる問題点
を解決すべく本発明者は、種々の検討を重ね、熱伝導が
よく電気絶縁性がある両方をかねた伝熱部の材料をさが
しだすのが不可能と考え、これが水・親油性流体エマル
ションを用いた熱交換器が実用化されない理由である
が、伝熱部は、あくまで耐圧、熱伝導性のよい金属と
し、電気絶縁があり比熱の大きい流動性物質を自然対流
あるいは強制対流で熱移動を行わせ、熱伝達率を上げる
ことに着目し、その可能性について検討を重ね、次の様
な知見をえた。

【０００６】伝熱部は、金属のため耐圧が十分にえられ
る上に、熱移動を行う流動性物質にシリコンオイルを用
いれば、実用に耐える電気絶縁性と熱伝導率の向上がえ
られ、熱交換器として実用化ができる。

【０００７】

【作用】次に、本発明をさらに添付図を参照しながら詳
述する。

【０００８】図１は、 本発明にかかる熱交換器の構造
の概略図であり、図中、発熱体を構成するヒータ槽１０
の内筒１４と中筒１６との間に収容されているのは電解
質含有エマルション１２であって、このエマルションに
は金属製電極の内筒１４と中筒１６が電気絶縁材１８で
電気絶縁の上対向して設置されており、これら両電極の
間に外部電源２６から電流を通じ、発熱をもたらす。
中筒１６は伝熱面で電気絶縁がされていないため、中筒
１６と外筒２２との間に電気絶縁のある流動性物質２０
が収容され、中筒１６の伝熱面が電気絶縁され、中筒１
６と外筒２２との接合面は電気絶縁材２４で中筒１６と
外筒２２とが電気絶縁されている。発熱した電解質含有
エマルション１２から中筒１６を通じ流動性物質２０に
熱が移動、自然対流によって管路４２を通じて熱交換器
２８の内槽３２とジャケット槽３６との間に収容されて
いる流動性物質２０の温度を上げる。 内槽３２を通じ
て流動性物質２０から内槽３２の被加熱物３０に熱移動
が行われ、流動性物質２０の温度が下がり、密度が大き
くなってジャケット槽３６の下方からヒータ槽１０へ流
入する。 この自然対流による循環が電解質含有エマル
ションの特定の温度に達するとなくなり、一定温度ヒー
タとして熱交換器になる。

【０００９】

【実施例】図２は、最も単純な実施例である。 金属製
の内筒１４と中筒１６が電気絶縁材１８で電気絶縁さ
れ、その中に電解質含有エマルション１２が収容、中筒
１６の筒部が伝熱面となるが、内筒１４と中筒１６を電
極として外部電源２６から電流を通じるため、中筒１６
の筒部が電気絶縁されない。 そこで、外部と電気絶縁
するため、電気絶縁がよく熱を対流で伝えることができ
る流動性物質２０を中筒１６と外筒２２が電気絶縁材２
４で電気絶縁されたその中に収容、外筒２２の筒部が伝
熱面となり熱が他へ伝えられる。

【００１０】図３は、前記作用の説明の中での図１の熱
交換器の管路３８の途中に循環ポンプ４２を入れ、流動
性物質２０を強制的に循環させ、熱伝達率を高めたもの
である。

【００１１】

【発明の効果】以上詳述してきたように、本発明による
水・親油性流体エマルションを用い、熱媒体として電気
絶縁のある流動性物質が使われる３重管方式の熱交換器
を利用すれば、複雑な温度制御機構が不要となるため、
製造コストも低く抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】水・親油性流体エマルション３重管熱交換器を
用いた恒温槽の構造の概略図である。

【図２】水・親油性流体エマルション３重管熱交換器の
構造の概略図である。

【図３】水・親油性流体エマルション３重管熱交換器を
用い、循環ポンプで強制循環させた恒温槽の構造の概略
図である。

【符号の説明】

１０ ヒータ槽 １２ 電解質含有エマルション １４ 内筒（電極） １６ 中筒（電極） １８ 電気絶縁材 ２０ 流動性物質 ２２ 外筒 ２４ 電気絶縁材 ２６ 外部電源 ２８ 恒温槽 ３０ 被加熱物 ３２ 内槽 ３４ 外槽 ３６ シール材 ３８ 管路 ４０ 管路 ４２ 循環ポンプ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水あるいは親水性流体と親油性流体と
   のエマルションに水溶性の電解質と乳化剤を加えた水・
   親油性流体エマルション（１２）を金属製の内筒（１
   ４）と中筒（１６）の接合部が電気絶縁材（１８）で電
   気絶縁された内筒（１４）と中筒（１６）との間に収
   容、内筒（１４）及び中筒（１６）を電極として電流を
   通じ、特定の温度に発熱させ、中筒（１６）と外筒（２
   ２）との間に収容された電気絶縁性がある流動性物質
   （２０）で中筒（１６）の伝熱面の電気絶縁と効率よい
   熱移動を行わせる３重管方式の熱交換器。
2. 【請求項２】 前記乳化剤が非イオン性界面活性剤で
   ある請求項１記載の３重管方式の熱交換器。
3. 【請求項３】 前記親油性流体が炭化水素油あるいは
   油脂である請求項１又は請求項２記載の３重管方式の熱
   交換器。