JPH0739469B2 - 封止用樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
封止用樹脂組成物およびその製造方法Info
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- JPH0739469B2 JPH0739469B2 JP30243687A JP30243687A JPH0739469B2 JP H0739469 B2 JPH0739469 B2 JP H0739469B2 JP 30243687 A JP30243687 A JP 30243687A JP 30243687 A JP30243687 A JP 30243687A JP H0739469 B2 JPH0739469 B2 JP H0739469B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、低応力特性のバラツキがなく耐湿性に優れた
電子または電気部品の封止用樹脂組成物およびその製造
方法に関する。
電子または電気部品の封止用樹脂組成物およびその製造
方法に関する。
(従来の技術) 従来からダイオード、トランジスタ、集積回路などの電
子部品では熱硬化性樹脂を用いて封止する方法が行われ
てきた。この樹脂封止は、ガラス、金属、セラミックを
用いたハーメチックシール方式に比較して、経済的に有
利であるために広く実用化されている。樹脂封止に用い
られる熱硬化性樹脂の中でもエポキシ樹脂組成物が最も
一般的に用いられている。エポキシ樹脂組成物には、酸
無水物、芳香族アミン、ノボラック型フェノール樹脂等
の硬化剤が使用されているが、ノボラック型フェノール
樹脂を硬化剤としたエポキシ樹脂組成物は、他の硬化剤
を使用したものに比べて、成形性、耐湿性に優れ、毒性
がなく、かつ安価であるため半導体封止材料として広く
用いられている。
子部品では熱硬化性樹脂を用いて封止する方法が行われ
てきた。この樹脂封止は、ガラス、金属、セラミックを
用いたハーメチックシール方式に比較して、経済的に有
利であるために広く実用化されている。樹脂封止に用い
られる熱硬化性樹脂の中でもエポキシ樹脂組成物が最も
一般的に用いられている。エポキシ樹脂組成物には、酸
無水物、芳香族アミン、ノボラック型フェノール樹脂等
の硬化剤が使用されているが、ノボラック型フェノール
樹脂を硬化剤としたエポキシ樹脂組成物は、他の硬化剤
を使用したものに比べて、成形性、耐湿性に優れ、毒性
がなく、かつ安価であるため半導体封止材料として広く
用いられている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、ノボラック型フェノール樹脂を硬化剤と
したエポキシ樹脂は、成形硬化時に収縮して半導体素子
に応力がかかり、素子の信頼性を劣化させるという欠点
がある。こうした樹脂組成物を使用した成形品の温寒サ
イクルテストを行うと、ボンディングワイヤのオープ
ン、樹脂クラック、ペレットクラック等が発生し、電子
部品としての機能が果せなくなるという問題があった。
また、樹脂組成物の低応力化を図るため第三成分を添加
する方法があるが、第三成分が二次凝集物を形成し、樹
脂組成物中に均一に分散できず、そのため低応力特性に
バラツキが生ずるという欠点があった。
したエポキシ樹脂は、成形硬化時に収縮して半導体素子
に応力がかかり、素子の信頼性を劣化させるという欠点
がある。こうした樹脂組成物を使用した成形品の温寒サ
イクルテストを行うと、ボンディングワイヤのオープ
ン、樹脂クラック、ペレットクラック等が発生し、電子
部品としての機能が果せなくなるという問題があった。
また、樹脂組成物の低応力化を図るため第三成分を添加
する方法があるが、第三成分が二次凝集物を形成し、樹
脂組成物中に均一に分散できず、そのため低応力特性に
バラツキが生ずるという欠点があった。
本発明は、これらの欠点を解消するためになされたもの
で、低応力特性のバラツキがなく、耐湿性、温寒サイク
ル性に優れ、かつ従来のエポキシ樹脂組成物の特性を保
持した信頼性の高い封止用樹脂組成物およびその製造方
法を提供しようとするものである。
で、低応力特性のバラツキがなく、耐湿性、温寒サイク
ル性に優れ、かつ従来のエポキシ樹脂組成物の特性を保
持した信頼性の高い封止用樹脂組成物およびその製造方
法を提供しようとするものである。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明者は、上記の目的を達成しようと鋭意研究を重ね
た結果、ポリアミド系樹脂をエポキシ樹脂中に均一に分
散混合した樹脂を使用することによって、低応力特性の
バラツキがなくなることを見いだし、本発明を完成した
ものである。すなわち、本発明は、(A)エポキシ樹脂
中に、(B)ポリアミド系樹脂を均一に分散混合した樹
脂[(A)+(B)]、(C)ノボラック型フェノール
樹脂および(D)無機質充填剤を必須成分とすることを
特徴とする封止用樹脂組成物である。また、(A)エポ
キシ樹脂を溶融し、その中に(B)ポリアミド系樹脂を
加えて均一に分散混合した樹脂[(A)+(B)]と、
(C)ノボラック型フェノール樹脂とを粉砕し、次いで
(D)無機質充填剤および必要に応じてその他成分を加
えて混合し、更に加熱混練した後、冷却固化粉砕するこ
とを特徴とする封止用樹脂組成物の製造方法である。
た結果、ポリアミド系樹脂をエポキシ樹脂中に均一に分
散混合した樹脂を使用することによって、低応力特性の
バラツキがなくなることを見いだし、本発明を完成した
ものである。すなわち、本発明は、(A)エポキシ樹脂
中に、(B)ポリアミド系樹脂を均一に分散混合した樹
脂[(A)+(B)]、(C)ノボラック型フェノール
樹脂および(D)無機質充填剤を必須成分とすることを
特徴とする封止用樹脂組成物である。また、(A)エポ
キシ樹脂を溶融し、その中に(B)ポリアミド系樹脂を
加えて均一に分散混合した樹脂[(A)+(B)]と、
(C)ノボラック型フェノール樹脂とを粉砕し、次いで
(D)無機質充填剤および必要に応じてその他成分を加
えて混合し、更に加熱混練した後、冷却固化粉砕するこ
とを特徴とする封止用樹脂組成物の製造方法である。
本発明に用いる(A)エポキシ樹脂としては、その分子
中にエポキシ基を少なくとも2個有する化合物である限
り、分子構造、分子量など特に制限はなく、一般封止用
材料に使用されているものは広く包含することができ
る。例えばビスフェノール型の芳香族系、シクロヘキサ
ン誘導体等の脂環族系さらに次の一般式で示されるエポ
キシノボラック系の樹脂が挙げられる。
中にエポキシ基を少なくとも2個有する化合物である限
り、分子構造、分子量など特に制限はなく、一般封止用
材料に使用されているものは広く包含することができ
る。例えばビスフェノール型の芳香族系、シクロヘキサ
ン誘導体等の脂環族系さらに次の一般式で示されるエポ
キシノボラック系の樹脂が挙げられる。
(但し、式中R1は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル
基を、R2は水素原子又はアルキル基を、nは1以上の整
数を表す)。これらのエポキシ樹脂は単独又は2種以上
の混合系として用いる。
基を、R2は水素原子又はアルキル基を、nは1以上の整
数を表す)。これらのエポキシ樹脂は単独又は2種以上
の混合系として用いる。
本発明に用いる(B)ポリアミド系樹脂としては、ジア
ミンとジカルボン酸を重縮合したもの、ω−アミノカル
ボン酸または相当するラクタムから重縮合または開環重
合によって合成されたものであれば、分子量、分子構造
等に制限はなく広く使用することができ、これらは単独
もしくは2種以上混合して使用される。
ミンとジカルボン酸を重縮合したもの、ω−アミノカル
ボン酸または相当するラクタムから重縮合または開環重
合によって合成されたものであれば、分子量、分子構造
等に制限はなく広く使用することができ、これらは単独
もしくは2種以上混合して使用される。
ポリアミド系樹脂の配合割合は、エポキシ樹脂にポリア
ミド系樹脂を均一に分散混合した樹脂[(A)+
(B)]に対して0.1〜80重量%含有することが望まし
い。その割合が0.1重量%未満では、低応力、温寒サイ
クルに耐え得る効果はなく、また80重量%を超えると、
エポキシ樹脂中に均一な分散混合ができず好ましくな
い。ポリアミド系樹脂をエポキシ樹脂中に均一に分散混
合させる方法は、エポキシ樹脂の融点以上の温度に加温
できる装置(容器)の中にエポキシ樹脂を入れて、融点
以上に加温し完全に溶融液体とした後、ポリアミド系樹
脂を加えて、好ましくは150℃以上で20分間以上撹拌
し、均一に分散混合させる。エポキシ樹脂中にポリアミ
ド系樹脂を分散混合させた樹脂[(A)+(B)]は、
全体の樹脂組成物に対して1〜50重量%含有することが
望ましい。その割合が1重量%未満では低応力に効果な
く、また、50重量%を超えると耐湿性が悪くなり好まし
くない。
ミド系樹脂を均一に分散混合した樹脂[(A)+
(B)]に対して0.1〜80重量%含有することが望まし
い。その割合が0.1重量%未満では、低応力、温寒サイ
クルに耐え得る効果はなく、また80重量%を超えると、
エポキシ樹脂中に均一な分散混合ができず好ましくな
い。ポリアミド系樹脂をエポキシ樹脂中に均一に分散混
合させる方法は、エポキシ樹脂の融点以上の温度に加温
できる装置(容器)の中にエポキシ樹脂を入れて、融点
以上に加温し完全に溶融液体とした後、ポリアミド系樹
脂を加えて、好ましくは150℃以上で20分間以上撹拌
し、均一に分散混合させる。エポキシ樹脂中にポリアミ
ド系樹脂を分散混合させた樹脂[(A)+(B)]は、
全体の樹脂組成物に対して1〜50重量%含有することが
望ましい。その割合が1重量%未満では低応力に効果な
く、また、50重量%を超えると耐湿性が悪くなり好まし
くない。
本発明に用いる(C)ノボラック型フェノール樹脂とし
ては、フェノール、アルキルフェノール等のフェノール
類とホルムアルデヒドあるいはパラホルムアルデヒドを
反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂、およ
びこれらの変性樹脂、例えばエポキシ化もしくはブチル
化ノボラック型フェノール樹脂が挙げられる。ノボラッ
ク型フェノール樹脂の配合割合は、後述のエポキシ樹脂
のエポキシ基(a)とノボラック型フェノール樹脂のフ
ェノール性水酸基(c)とのモル比[(a)/(c)]
が0.1〜10の範囲内にあることが望ましい。このモル比
が0.1未満もしくは10を超えると、耐湿性、成形作業性
および硬化物の電気特性が悪くなり、いずれの場合も好
ましくない。従って、上記の範囲内に限定される。
ては、フェノール、アルキルフェノール等のフェノール
類とホルムアルデヒドあるいはパラホルムアルデヒドを
反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂、およ
びこれらの変性樹脂、例えばエポキシ化もしくはブチル
化ノボラック型フェノール樹脂が挙げられる。ノボラッ
ク型フェノール樹脂の配合割合は、後述のエポキシ樹脂
のエポキシ基(a)とノボラック型フェノール樹脂のフ
ェノール性水酸基(c)とのモル比[(a)/(c)]
が0.1〜10の範囲内にあることが望ましい。このモル比
が0.1未満もしくは10を超えると、耐湿性、成形作業性
および硬化物の電気特性が悪くなり、いずれの場合も好
ましくない。従って、上記の範囲内に限定される。
本発明に用いる(D)無機質充填剤としては、シリカ粉
末、アルミナ、三酸化アンチモン、タルク、炭酸カルシ
ウム、チタンホワイト、クレー、マイカ、ベンガラ、ガ
ラス繊維、炭素繊維等が挙げられ、これらは単独もしく
は2種以上混合して使用する、これらの中でも特にシリ
カ粉末やアルミナが好ましくよく使用される。無機質充
填剤の配合割合は、全体の樹脂組成物に対して、25〜90
重量%含有することが望ましい。その割合が25重量%未
満では、耐湿性、耐熱性、機械的特性および成形性に効
果なく、また、90重量%を超えるとカサバリが大きくな
り、成形性が悪くて実用に適さない。
末、アルミナ、三酸化アンチモン、タルク、炭酸カルシ
ウム、チタンホワイト、クレー、マイカ、ベンガラ、ガ
ラス繊維、炭素繊維等が挙げられ、これらは単独もしく
は2種以上混合して使用する、これらの中でも特にシリ
カ粉末やアルミナが好ましくよく使用される。無機質充
填剤の配合割合は、全体の樹脂組成物に対して、25〜90
重量%含有することが望ましい。その割合が25重量%未
満では、耐湿性、耐熱性、機械的特性および成形性に効
果なく、また、90重量%を超えるとカサバリが大きくな
り、成形性が悪くて実用に適さない。
本発明の封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂および無機質充
填剤を必須成分とするが、必要に応じて、例えば天然ワ
ックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸ア
ミド、エステル類、パラフィン類などの離型剤、塩素化
パラフィン、ブロムトルエン、ヘキサブロムベンゼン、
三酸化アンチモンなどの難燃剤、シランカップリング
剤、種々の硬化促進剤等を適宜配合することができる。
ド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂および無機質充
填剤を必須成分とするが、必要に応じて、例えば天然ワ
ックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸ア
ミド、エステル類、パラフィン類などの離型剤、塩素化
パラフィン、ブロムトルエン、ヘキサブロムベンゼン、
三酸化アンチモンなどの難燃剤、シランカップリング
剤、種々の硬化促進剤等を適宜配合することができる。
本発明の封止用樹脂組成物の製造方法は、ポリアミド系
樹脂をエポキシ樹脂中に加熱混合、均一に分散混合させ
た樹脂を使用すればよく、特にその製造方法に限定され
るものではない。しかし、通常次のようにして製造す
る。エポキシ樹脂の融点以上の温度に加温できる装置
(容器)、例えば万能混合機、強力ニーダ、加熱反応釜
等を使用し、この中にエポキシ樹脂を仕込み、融点以上
に加熱して、完全に溶融させた後、ポリアミド系樹脂を
投入し、150℃以上で20分間以上撹拌して、均一に分散
混合させる。ポリアミド系樹脂を均一に分散混合させた
エポキシ樹脂と、ノボラック型フェノール樹脂とを粉砕
し、次いで無機質充填剤およびその他の成分を所定の組
成比に選択した原料組成分をミキサー等によって十分均
一に混合した後、更に熱ロール、押出機又はニーダ等に
よって加熱混練処理を行い、冷却固化するのをまち適当
な大きさに粉砕して封止用樹脂組成物を製造する。以
上、ポリアミド系樹脂をエポキシ樹脂中に分散混合し、
次いで他の成分を配合する製造方法を説明したが、エポ
キシ樹脂の製造工程において、ポリアミド系樹脂を均一
分散混合した樹脂をつくっておき、必要に応じて必要量
他成分と配合混練してもよい。こうして製造された、本
発明の封止用樹脂組成物は、電子あるいは電気部品の封
止、被覆、絶縁等に適用することができる。
樹脂をエポキシ樹脂中に加熱混合、均一に分散混合させ
た樹脂を使用すればよく、特にその製造方法に限定され
るものではない。しかし、通常次のようにして製造す
る。エポキシ樹脂の融点以上の温度に加温できる装置
(容器)、例えば万能混合機、強力ニーダ、加熱反応釜
等を使用し、この中にエポキシ樹脂を仕込み、融点以上
に加熱して、完全に溶融させた後、ポリアミド系樹脂を
投入し、150℃以上で20分間以上撹拌して、均一に分散
混合させる。ポリアミド系樹脂を均一に分散混合させた
エポキシ樹脂と、ノボラック型フェノール樹脂とを粉砕
し、次いで無機質充填剤およびその他の成分を所定の組
成比に選択した原料組成分をミキサー等によって十分均
一に混合した後、更に熱ロール、押出機又はニーダ等に
よって加熱混練処理を行い、冷却固化するのをまち適当
な大きさに粉砕して封止用樹脂組成物を製造する。以
上、ポリアミド系樹脂をエポキシ樹脂中に分散混合し、
次いで他の成分を配合する製造方法を説明したが、エポ
キシ樹脂の製造工程において、ポリアミド系樹脂を均一
分散混合した樹脂をつくっておき、必要に応じて必要量
他成分と配合混練してもよい。こうして製造された、本
発明の封止用樹脂組成物は、電子あるいは電気部品の封
止、被覆、絶縁等に適用することができる。
(作用) ポリアミド系樹脂をエポキシ樹脂中に均一に分散混合
(繊維状にすることを含む)することによって、二次凝
集物の生成を少なくし、低応力特性のバラツキをなくす
ことができる。単にエポキシ樹脂、ノボラック型フェノ
ール樹脂、ポリアミド系樹脂、無機質充填剤その他の成
分を混合混練するのみでは、ポリアミド系樹脂の粒子が
粒径数百μmの二次凝集物を生成し、低応力特性が低下
したり、低応力特性のバラツキが生じ、信頼性を損ねる
結果となる。従って、あらかじめエポキシ樹脂中に均一
に分散混合させておけば、二次凝集物の生成が小さく、
かつまた少なくなり、ポリアミド系樹脂の粒径が細か
く、繊維状に分散しており、低応力特性に優れバラツキ
等がなくなることを確認したものである。ポリアミド系
樹脂の分散状態は、混合条件(温度、時間等)により、
その粒径を任意に調整することが可能であるが、好まし
くは分散状態を粒径0.1〜100μmの範囲内にすることが
好ましい。
(繊維状にすることを含む)することによって、二次凝
集物の生成を少なくし、低応力特性のバラツキをなくす
ことができる。単にエポキシ樹脂、ノボラック型フェノ
ール樹脂、ポリアミド系樹脂、無機質充填剤その他の成
分を混合混練するのみでは、ポリアミド系樹脂の粒子が
粒径数百μmの二次凝集物を生成し、低応力特性が低下
したり、低応力特性のバラツキが生じ、信頼性を損ねる
結果となる。従って、あらかじめエポキシ樹脂中に均一
に分散混合させておけば、二次凝集物の生成が小さく、
かつまた少なくなり、ポリアミド系樹脂の粒径が細か
く、繊維状に分散しており、低応力特性に優れバラツキ
等がなくなることを確認したものである。ポリアミド系
樹脂の分散状態は、混合条件(温度、時間等)により、
その粒径を任意に調整することが可能であるが、好まし
くは分散状態を粒径0.1〜100μmの範囲内にすることが
好ましい。
(実施例) 本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、
以下の実施例により限定されるものではない。以下の実
施例および比較例において「%」とあるのは「重量%」
を意味する。
以下の実施例により限定されるものではない。以下の実
施例および比較例において「%」とあるのは「重量%」
を意味する。
樹脂の製造 クレゾールノボラックエポキシ樹脂(エポキシ当量21
5)80%を万能混合機に入れて150℃に加熱する。クレゾ
ールノボラックエポキシ樹脂が完全に溶融した後、ナイ
ロン6/12の20%を加えて1時間加熱撹拌して、ナイロン
6/12が均一に分散混合した樹脂(以下P−A樹脂とい
う)をつくった。
5)80%を万能混合機に入れて150℃に加熱する。クレゾ
ールノボラックエポキシ樹脂が完全に溶融した後、ナイ
ロン6/12の20%を加えて1時間加熱撹拌して、ナイロン
6/12が均一に分散混合した樹脂(以下P−A樹脂とい
う)をつくった。
実施例 1 P−A樹脂20%とノボラック型フェノール樹脂(フェノ
ール当量107)10%をヤリヤ粉砕機のスクリーン2mmで粉
砕し、溶融シリカ粉末65%およびその他成分5%を常温
で混合し、さらに90〜100℃で混練、冷却した後、粉砕
して封止用樹脂組成物を製造した。この樹脂組成物を17
5℃に加熱した金型内にトランスファー注入し、硬化さ
せて成形品(封止品)をつくった。この成形品につい
て、耐湿性、歪、ポリアミド系樹脂の粒径、その他の試
験を行ったのでその結果を第1表に示した。本発明の封
止用樹脂組成物はポリアミド系樹脂がよく分散してお
り、温寒サイクル、耐湿性、低応力特性に優れており、
本発明の顕著な効果が認められた。
ール当量107)10%をヤリヤ粉砕機のスクリーン2mmで粉
砕し、溶融シリカ粉末65%およびその他成分5%を常温
で混合し、さらに90〜100℃で混練、冷却した後、粉砕
して封止用樹脂組成物を製造した。この樹脂組成物を17
5℃に加熱した金型内にトランスファー注入し、硬化さ
せて成形品(封止品)をつくった。この成形品につい
て、耐湿性、歪、ポリアミド系樹脂の粒径、その他の試
験を行ったのでその結果を第1表に示した。本発明の封
止用樹脂組成物はポリアミド系樹脂がよく分散してお
り、温寒サイクル、耐湿性、低応力特性に優れており、
本発明の顕著な効果が認められた。
実施例 2 P−A樹脂18%とノボラック型フェノール樹脂(フェノ
ール当量107)12%をヤリヤ粉砕機のスクリーン2mmで粉
砕し、溶融シリカ粉末65%およびその他成分5%を配合
し、実施例1と同様にして封止用樹脂組成物を製造し
た。また同様にして成形品をつくり、同様の諸試験を行
ったのでその結果を第1表に示した。実施例1と同様に
本発明の顕著な効果が認められた。
ール当量107)12%をヤリヤ粉砕機のスクリーン2mmで粉
砕し、溶融シリカ粉末65%およびその他成分5%を配合
し、実施例1と同様にして封止用樹脂組成物を製造し
た。また同様にして成形品をつくり、同様の諸試験を行
ったのでその結果を第1表に示した。実施例1と同様に
本発明の顕著な効果が認められた。
比較例 1 クレゾールノボラックエポキシ樹脂(エポキシ当量21
5)18%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール
当量107)9%、ナイロン6/12の3%、溶融シリカ粉末6
5%およびその他成分5%を常温で混合し、さらに90〜1
00℃で混練、冷却した後、粉砕して封止用樹脂組成物を
製造した。次いでこの樹脂組成物を用いて成形品をつく
り、実施例と同様にして諸特性を試験したのでその結果
を第1表に示した。
5)18%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール
当量107)9%、ナイロン6/12の3%、溶融シリカ粉末6
5%およびその他成分5%を常温で混合し、さらに90〜1
00℃で混練、冷却した後、粉砕して封止用樹脂組成物を
製造した。次いでこの樹脂組成物を用いて成形品をつく
り、実施例と同様にして諸特性を試験したのでその結果
を第1表に示した。
比較例 2 クレゾールノボラックエポキシ樹脂(エポキシ当量21
5)20%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール
当量107)10%、溶融シリカ粉末65%およびその他成分
5%を比較例1と同様にして封止用樹脂組成物を製造
し、また、成形品をつくり、同様にして諸特性を試験し
たのでその結果を第1表に示した。
5)20%に、ノボラック型フェノール樹脂(フェノール
当量107)10%、溶融シリカ粉末65%およびその他成分
5%を比較例1と同様にして封止用樹脂組成物を製造
し、また、成形品をつくり、同様にして諸特性を試験し
たのでその結果を第1表に示した。
[発明の効果] 以上の説明および第1表から明らかなように、本発明の
封止用樹脂組成物およびその製造方法によれば、ポリア
ミド系樹脂をエポキシ樹脂中に加熱混合均一に分散混合
することによって、二次凝集物も小さく、低応力特性に
優れバラツキがなく、耐湿性が良く、かつ従来のエポキ
シ樹脂組成物の特性を保持したものが得られた。この樹
脂組成物を用いた電子部品又は電気部品には、優れた信
頼性を付与することができる。
封止用樹脂組成物およびその製造方法によれば、ポリア
ミド系樹脂をエポキシ樹脂中に加熱混合均一に分散混合
することによって、二次凝集物も小さく、低応力特性に
優れバラツキがなく、耐湿性が良く、かつ従来のエポキ
シ樹脂組成物の特性を保持したものが得られた。この樹
脂組成物を用いた電子部品又は電気部品には、優れた信
頼性を付与することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】(A)エポキシ樹脂中に、(B)ポリアミ
ド系樹脂を均一に分散混合した樹脂[(A)+
(B)]、(C)ノボラック型フェノール樹脂および
(D)無機質充填剤を必須成分とすることを特徴とする
封止用樹脂組成物。 - 【請求項2】(B)ポリアミド系樹脂を、樹脂[(A)
+(B)]に対して0.1〜80重量%含有する特許請求の
範囲第1項記載の封止用樹脂組成物。 - 【請求項3】樹脂[(A)+(B)]を全体の樹脂組成
物に対して1〜50重量%含有する特許請求の範囲第1項
又は第2項記載の封止用樹脂組成物。 - 【請求項4】(D)無機質充填剤を、全体の樹脂組成物
に対して25〜90重量%含有する特許請求の範囲第1項な
いし第3項いずれか記載の封止用樹脂組成物。 - 【請求項5】エポキシ樹脂のエポキシ基(a)とノボラ
ック型フェノール樹脂のフェノール水酸基(c)とのモ
ル比[(a)/(c)]が0.1〜10の範囲内にある特許
請求の範囲第1項ないし第4項いずれか記載の封止用樹
脂組成物。 - 【請求項6】(A)エポキシ樹脂を溶融し、その中に
(B)ポリアミド系樹脂を加えて均一に分散混合した樹
脂[(A)+(B)]と、ノボラック型フェノール樹脂
とを粉砕し、次いで無機質充填剤および必要に応じてそ
の他成分を加えて混合し、更に加熱混練した後、冷却固
化粉砕することを特徴とする封止用樹脂組成物の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30243687A JPH0739469B2 (ja) | 1987-11-30 | 1987-11-30 | 封止用樹脂組成物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30243687A JPH0739469B2 (ja) | 1987-11-30 | 1987-11-30 | 封止用樹脂組成物およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01144439A JPH01144439A (ja) | 1989-06-06 |
JPH0739469B2 true JPH0739469B2 (ja) | 1995-05-01 |
Family
ID=17908905
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30243687A Expired - Lifetime JPH0739469B2 (ja) | 1987-11-30 | 1987-11-30 | 封止用樹脂組成物およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH0739469B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112812721B (zh) * | 2021-02-08 | 2022-12-06 | Sika技术股份公司 | 可固化的环氧树脂组合物 |
-
1987
- 1987-11-30 JP JP30243687A patent/JPH0739469B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH01144439A (ja) | 1989-06-06 |
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