JPH0737649Y2 - 折畳式バットスタンド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は草野球等が行われるようなダッグアウト等の
設備のない、或はあっても極めて簡単な設備の球場にお
いて、バットを整頓して立てて置くことができると共
に、ヘルメットその他の用具もまとめて置くことがで
き、球場迄の運搬時には折畳んで運べるようにした折畳
式バットスタンドに関する。

［従来の技術］ 従来上記のような設備のない、或は簡単なベンチしかな
いような草野球用の球場においては、バットを挿込んで
立てておくようなボックスもなく、又ヘルメットを掛け
たり、置いたりするような設備もなかった。

［考案が解決しようとする課題］ そのため前記のような球場において野球をする場合に
は、バットやヘルメット、或はグローブやミット等はチ
ームのベンチ付近の地面に列べて置いていた。

しかし、バットやヘルメットは転り易く、整頓して置い
てあっても、自分の打順が回ってきた打者は意気込んで
おり、どうしても勢いよくバット等を手に取るため列べ
られている他のバット等に触れてこれを転がし、列を乱
して見苦しい状態となっていた。

又、転ったバット等は歩行の邪魔となるばかりでなく、
これを踏むことによりバランスを失って転倒したり、或
は躓く等して非常に危険であった。

又、バット等を並べる場合に通常は順序や位置が決って
いるものではないので乱雑になりやすく、バット等を取
る場合によく判る目印をつけておかないと判別に時間が
かかる等の問題点があった。

本考案は上記の問題点を一掃し、バットを整頓して立て
ておくと共に、野球用具を一纏めに置くことができるよ
うにし、移動時には嵩を低くして持運びに便利なように
した折畳式バットスタンドの提供を目的としている。

［課題を解決するための手段］ 本考案に係る折畳式バットスタンドは上記の目的を達成
するために折畳式運搬車１の上部にバット挿入用の格子
状の仕切枠６を設けたものであって、運搬車１は角型の
籠状部２と該籠状部２を構成する手前側フレーム2bの両
側下端部に設けられた少なくとも一対の車輪３、３とか
らなっている。そして前記手前側フレーム2bに対して前
面側フレーム2aと底部フレーム2cとが重ね合わされると
共に、前記籠状部２の側面における前記手前側フレーム
2bの側部又は該手前側フレーム2bと前記前面側フレーム
2aとを連絡する補助桿の少くとも該手前側フレーム2bの
側に上部を枢着され、下部を前記底部フレーム2cの前半
部に備えた回動自在なアームに枢着された前記籠状部２
の両側に亘るＵ字状の手押し桿５が設けられ、該手押し
桿５が前記手前側フレーム2bに沿うように移動する折畳
自在の運搬車１であって、前記籠状部の上面にはバット
を挿入する格子状の仕切枠６が前記前面側フレーム2aと
手前側フレーム2bの上部に一方の側を枢着され、他方の
側を係脱自在に支持されて取付けられている構成として
ものである。

又、第２の考案は手押し桿５の両下端部には一対の補助
輪４、４が軸着されているバットスタンドとしたもので
あり、第３の考案ではバットスタンドの底部フレーム2c
の前面側が該バットスタンドの車輪３の半径と略同じ高
さとなるように前記底部フレーム2cから手押し桿５が突
出し状に設けられているようにしたものである。

更に手押し桿５がバットスタンドの籠状部２の両側に添
う直桿部2bとこの一対の直桿部2bに両端部を摺動自在に
貫挿されたＵ字状桿部2cとからなっているようにしても
よく、又筒状の傘立て10が下端に設けた嵌入溝11により
格子状の仕切枠６上に係脱自在に立設されるようにして
もよい。

［作用］ 以上のように構成された折畳式バットスタンドは仕切枠
６をこの仕切枠６の支持されている側を外してこの側を
持上げると共に、運搬車１の前面側フレーム2aを手前側
フレーム2bに重ね合わせることにより、底部フレーム2c
も手前側フレーム2bに重なり、手押し桿５も手前側フレ
ーム2bに沿うように移動し、運搬車１が折畳まれる。そ
して手押し桿５はＵ字状桿部5cをスライドさせて長さを
短縮する。

又、運搬車１の使用時には以上と逆の順に操作すること
により運搬車１を形成し、仕切枠６を籠状部２の上面に
支持させることにより、簡単にバットスタンドが使用可
能の状態となる。

球場の所定位置までは車輪３、又は車輪３と補助輪４と
によって移動する。傘立て10は必要に応じて仕切枠６上
に嵌入溝11によって所望の位置に立て、傘を上端から差
込む。

［実施例］ 以下本考案の一実施例について図面を以って説明する。

１は運搬車であってパイプと細径のロッド等よりなる籠
状部２と、この籠状部２の手前側下部に設けられた一対
の車輪３と籠状部２の両側に亘り、上部で連るＵ字状で
あって、籠状部２の側部に枢着され、手前側上部から前
面側下方に向けた手押し桿５と、この手押し桿５の両下
端部に軸着された補助輪４とからなっている。

籠状部２はパイプ等よりなる前面側フレーム2aと手前側
フレーム2bと、この両フレーム2a、2b間に連設された底
部フレーム2cと、前記両フレーム2a、2bの両側間を連絡
する補助桿2dとにより構成されており、各フレーム2a、
2b、2cは連設部より屈折自在であって、各フレーム2a、
2b、2cの側部と補助桿2dとによる方形を平行四辺形状と
させて次第に重り合わせることにより折畳み可能となっ
ている。

車輪３は籠状部２の手前側フレーム2bの下端部両側に亘
る一本の軸3aによって軸着されている。

又、前記補助桿2dは前面側フレーム2aと手前側フレーム
2bの側部に設けた孔に両端を側方から挿入して底部フレ
ーム2cと平行に支架させてあり、前記両フレーム2a、2b
が平行状態のまゝ底部フレーム2cに対して傾動自在とな
っている。この補助桿2dには前記手押し桿５の上部が手
前側フレーム2bの側で枢着されており、この手押し桿５
の両下端部の補助輪４は、両下端部に亘る一本の軸4aに
よって軸着されている。

又、手押し桿５の両下端部間に前記車軸4aと別に設けら
れた連結桿5aと底部フレーム2cの前部付近との間にアー
ム５′が枢着されており、この手押し桿５は前記前面側
フレーム2aと手前側フレーム2bとが平行状態のまゝ底部
フレーム2cに対して傾動し、手前側フレーム2bに底部フ
レーム2cと前面側フレーム2aとが接近し、手前側フレー
ム2b上に略重り合う状態となると共に手押し桿５が手前
側フレーム2bに沿うように移動して運搬車１が折畳まれ
るようになっている。

尚前面側フレーム2aと手前側フレーム2b内には格子状或
は横方向にワイヤー或は細径のロッドが取付けられ、底
部フレーム2c上にはマット2c′が取付けられ又、前記フ
レーム2a、2bの側部間には前記補助桿2dと同様にして横
方向の細径ロッドが複数本取付けられている。

６は前記運搬車１の籠状部２の上面に設けられたバット
挿入用の格子状の仕切枠であり、この仕切枠６の前面下
部には前面側フレーム2aを構成する上部のパイプに余裕
を持たせて嵌めた環状のバンド又は金具７が溶着されて
このバンド又は金具７により仕切枠６が前面側フレーム
2aの上部を中心として前面側フレーム2aの上部に回動可
能に取付けられている。

又、前記仕切枠６の後面には細桿８が長手方向に向かっ
て固着されており、この細桿８が手前側フレーム2bの上
部に当接して仕切枠６の手前側の端部を支持するもので
あり、前記仕切枠６は、前面側を前記バンド又は金具７
により前面側フレーム2aに、手前側を細桿８により手前
側フレーム2bに支持される。

この仕切枠６は前記運搬車１の折畳み時には、前記前面
側フレーム2aと折重状となって引き寄せられると共に前
記細桿８を支持部として手前側フレーム2bの略延長面上
に位置するようになっている。

９は前記仕切枠６の外周縁部に取付けられたヘルメット
等を掛けるフックであり、仕切枠６の外方へ突出してお
り、蝶番によって内方へ反転自在に取付けられている。

10は仕切枠６上に着脱自在に取付けられる傘立てであ
り、この傘立て10は筒体よりなり、筒体の下端の十字状
に対向する位置に設けられた筒体の長さ方向の嵌入溝11
を、仕切枠６を構成する幅を上下方向とした帯状板の交
差する部分に挿込むことにより立設され、スポーツ用、
一般用に限らず一般的に用いられる傘で柄の持手の曲っ
ていないものを上端に挿込んで保持させるものであり、
上端付近の外周面に設けられたフック、或は開口端の周
壁に設けられた孔に挿入したフック等の係止手段12によ
り傘の柄に取付けられているリング状の紐を係止して、
傘の柄を傘立て10の上部に保持するようになっている。

プレー中に雨が降り出した場合にこの傘立て10により傘
を運搬車１の上に差し掛け、立て掛けられたバットのグ
リップが濡れないようにすることができる。

尚傘立て10の傘の保持手段としては筒体内の上端近くに
は仕切板14を設け、挿込んだ傘がこの仕切板で柄の下端
を支持されるようにしてもよい。

この折畳式バットスタンドは自動車のトランクに折畳ん
だ状態で積込んで運搬し、球場に於て折畳んだ状態から
前面側フレーム2a、底部フレーム2cを引起こして籠状部
２を構成すると共に仕切枠６を籠状部２の上面に位置さ
せて細桿８で手前側フレーム2bに支持させる。

又、フック９は夫々仕切枠６の外方へ開くように起して
使用する。

バットは仕切枠６により構成されるバット挿入口に一本
宛挿込んで立掛ける。又傘立て10は雨が降り出した時に
仕切枠６の交差する部分に嵌入溝11により挿込み、上端
に開いた傘を挿込んで紐を係止手段12に掛ける。傘立て
10は十字状の位置に設けられた嵌入溝11により仕切枠６
の交差する部分に立設されるので安定し、ぐらつくこと
がない。又雨の向きによってバットのグリップが濡れな
いように立てる位置を任意に変更することができる。

尚13は、車輪４に開設された細孔4b〜4bに手押し桿５の
下端部を跨いで挿通されるＵ字状のピンであり、運搬車
１を所定場所に停止させておくためのストッパーとして
の役割を果すものである。

第５図は他の実施例を示すものであって、前記手押し桿
５に補助輪４を設けず手押し桿５を底部フレーム2cの前
面側が、該バックスタンドの車輪３の半径と略同じ高さ
となるように底部フレーム2cから突出し状に設けて、運
搬車１の移動時には運搬車１を手前側に傾けて車輪３に
よって移動させ、停止させた時には手押し桿５の下端と
車輪３とによって篭状部２を直立状に支持するようにし
ている。

15は手押し桿５の下端に設け接地面を大とするようにし
た脚板である。

従って車輪用のストッパーを用いなくとも運搬車１が所
定位置に固定される。

又、手押し桿５は両側の直桿部5b、5bとこの直桿部5bの
上端部に両下端部を摺動自在に嵌挿されたＵ字状桿部5c
とによりなっており、運搬車１を折畳んで自動車のトラ
ンク内に積込む時等にはＵ字状桿部5cを一杯に押下げて
手押し桿５の長さを短縮させると共に運搬車１を移動時
にＵ字状桿部5cを引上げて手押し桿５を伸ばせば身長の
高い人にも楽な姿勢で押したり、引いたりの操作ができ
る。16はＵ字状桿部5cと直桿部5bとの固定用止ねじを示
す。

又、17は手押し桿５の上部両端に手押し桿５の周面に沿
って設けた周回状の突部であって、水筒の紐やヘルメッ
ト等が掛けられるようになっている。

［効果］ 本考案に係る折畳式バットスタンドは上記のように構成
されており、球場にバットスタンドを簡単に設けること
ができるので、従来草野球場ではバットを地面に置くた
め、転げて乱雑になりやすい状態を改善することができ
る。又、このバットスタンドは移動時には折畳んで嵩の
低い状態として自動車のトランクに入れて運搬すること
ができるので運搬に非常に便利であり、又、車輪を利用
して移動できるので駐車場と球場との間に距離がある場
合であっても移動が極めて容易であり、チームのベンチ
が代った時にも簡単に移動できる。尚運搬車の手押し桿
はウインドブレーカーやタオルを掛けるのに使用するこ
とができる。

又、実施例のように着脱の容易な傘立てを設けたものは
プレイ中に雨が降り出した時には、一般的に使用されて
いる傘を利用してバットスタンドの上部に差し掛け、バ
ットグリップが濡れないようにすることが簡単にでき
る。又この傘立ては雨の向きによって仕切枠へ立てる位
置を適宜変更することも容易である。

更にフックをつけたものはヘルメットやグラブ等を掛け
ることができるので転り易いヘルメットを地面に置くこ
とがなくなり、更に補助籠を籠状部の外面側に掛けるこ
とができるので野球用具を一纏めにしてダッグアウト付
近をスッキリした状態とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る折畳式バットスタンドの一実施例
の正面図、第２図は同平面図、第３図は折畳んだ状態の
同正面図、第４図はピンの正面図、第５図は他の実施例
の斜視図である。 １……運搬車、２……籠状部、2a……前面側フレーム、
2b……手前側フレーム、2c……底部フレーム、３……車
輪、４……補助輪、５……手押し桿、６……仕切枠、10
……傘立て。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】角型の籠状部と該籠状部を構成する手前側
   フレームの両側下端部に設けられた少なくとも一対の車
   輪とからなり、前記手前側フレームに対して前面側フレ
   ームと底部フレームとが重ね合わされると共に、前記籠
   状部の側面における前記手前側フレームの側部又は該手
   前側フレームと前記前面側フレームとを連絡する補助桿
   の少くとも該手前側フレームの側に上部を枢着され、下
   部を前記底部フレームの前半部に備えられた回動自在な
   アームに枢着された前記籠状部の両側に亘るＵ字状の手
   押し桿が設けられ、該手押し桿が前記手前側フレームに
   沿うように移動する折畳自在の運搬車であって、前記籠
   状部の上面にはバットを挿入する格子状の仕切枠が前記
   前面側フレームと手前側フレームの上部に一方の側を枢
   着され、他方の側を係脱自在に支持されて取付けられて
   いることを特徴とする折畳式バットスタンド。
2. 【請求項２】手押し桿の両下端部には一対の補助輪が軸
   着されていることを特徴とする請求項１記載の折畳式バ
   ットスタンド。
3. 【請求項３】バットスタンドの底部フレームの前面側が
   該バットスタンドの車輪の半径と略同じ高さとなるよう
   に前記底部フレームから手押し桿が突出し状に設けられ
   ていることを特徴とする請求項１記載の折畳式バットス
   タンド。
4. 【請求項４】手押し桿がバットスタンドの籠状部両側に
   添う直桿部とこの一対の直桿部に両端部を摺動自在に嵌
   挿されたＵ字状桿部とからなっていることを特徴とする
   請求項１記載の折畳式バットスタンド。
5. 【請求項５】筒状の傘立てが下端に設けた嵌入溝により
   格子状の仕切枠上に係脱自在に立設されていることを特
   徴とする請求項１記載の折畳式バットスタンド。