JPH0736443Y2 - 地絡検出用光変流器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、落雷等による地絡電流の検出に用いられる地
絡検出用光変流器に関する。

（従来の技術） 従来から、落雷等により接地線に流れる地絡電流を検出
する方法として、光変流器を用いて検出する方法が用い
られている。

この方法に用いる光変流器は、第３図に示すように、ロ
ゴウスキーコイル等の電流検出用コイル１を測定電流が
流れる接地線６に近接して配置し、電流値調整用抵抗２
と発光ダイオード（LED）又はレーザーダイオード（L
D）等の発光素子３を接続するとともに、発光素子３の
光を光ファイバ４を介してフォトダイオードやフォトト
ランジスタ等の受光素子５に導いて光電変換し、この信
号電流を図示を省略した地絡電流検出部により検出する
ような構成となっている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで第４図（ａ）に示すように地絡電流と電流検出
用コイルに発生する電圧は比例関係にあるが、LED、LD
のような発光素子の場合には一定電圧V_D（LEDの場合約
1.5〜2.0V）以上の電圧が印加されないと発光せず、こ
の電圧を越えてはじめて印加電圧に比例した発光量で発
光するという性質があり、このため第４図（ｂ）に示す
ように、地絡電流値と発光素子の発光量とが完全な比例
関係にならず地絡電流の検出精度が低くなるという問題
があった。すなわち数カ所の地点で地絡電流を検出する
場合において、一カ所だけに集中して地絡電流が流れた
場合と数カ所に分流して流れた場合とでは、合計の地絡
電流値は同じになるはずであるが、この方法で測定を行
った場合には電圧が発光に必要な値に達しないために発
光しない発光素子が生じ、このため合計の地絡電流検出
値が一カ所に集中して流れた場合よも少なくなるという
問題が起きていたのである。

本考案はこのような従来の問題を解決するためになされ
たもので、地絡電流の検出精度を向上させた地絡検出用
光変流器を提供することを目的とする。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 本考案の地絡検出用光変流器は、測定電流が流れる接地
線に近接して電流検出用コイルを配置し、地絡電流で前
記電流検出用コイルに誘起される電圧により発光ダイオ
ード（LED）、レーザーダイオード（LD）のような発光
素子を発光させるように構成された地絡検出用光変流器
において、前記接地線を流れる測定電流に比較して十分
に低い値の電流で飽和する付加コイルを前記電流検出用
コイルに直列に接続して前記接地線に近接して配置した
ことを特徴とする。

本発明に使用する付加コイルは、地絡電流値と発光量と
の関係がほぼ完全な比例関係となるように、測定電流に
対して十分に低い値の電流で飽和するコイルとする。

（作用） 電流検出用コイルに、前述した付加コイルを直列に配置
することによって、地絡電流値とLED、LD等の発光量と
の関係における不感帯がなくなり、両者の関係をほぼ完
全な比例関係とすることき、それによって地絡電流の検
出精度を向上させることができる。

（実施例） 次に本考案の一実施例について説明する。第１図は本考
案の一実施例の光変流器８の回路図である。なお以下の
説明について、第３図と共通する部分には同一の符号を
付して重複する説明は省略する。

この実施例の装置では、付加コイル７に例えば鉄芯入り
コイルが使用され、地絡電流とLED、LD等の発光量との
関係がほぼ完全な比例関係となるように、測定電流に対
して十分に低い値の電流で飽和する構成とされている。

この実施例の地絡検出器は、接地線６を流れる測定電流
によって付加コイル７、電流検出用コイル１に自己誘導
起電力が発生し、その発生電圧によって発光素子が発光
し、その光信号が光ファイバ４によって検出部に導かれ
地絡電流の測定値が得られるしくみとなっている。

ここで、付加コイル７が加えられたことにより、地絡電
流の発生電圧の総和との関係は第２図（ａ）抵抗２の抵
抗値を調節することにより、測定電流とLED等の発光量
との関係が、第２図（ｂ）に示すようなほぼ完全な比例
関係となるようにすることができる。第２図（ａ）にお
いて、Ａは電流検出用コイル１に発生する電圧、Ｂは付
加コイル７に発生する電圧、Ｃは発生電圧の総和であ
る。その結果、地絡電流の大きさに関係なく実際の地絡
電流値にほとんど等しい地絡電流検出値を得ることがで
きる。特に多点で地絡電流を測定する場合、わずかの電
流しか流れない地点が存在しても、実施例の光変流器を
用いれば、発光素子３は地絡電流値に比例した発光量を
生じるので、地絡電流の正確な測定値を得ることができ
る。

尚、実施例ではロゴウスキーコイルを使用した地絡検出
用光変流器を用いたが、本考案はそれだけに限らず光変
流器一般に利用可能である。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案の地絡検出用光変流器で
は、電流検出用コイルに直列に付加コイルを配置するこ
とによって、地絡電流値と発光素子発光量との間にほぼ
完全な比例関係を成立させることができ、地絡電流の検
出精度を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の簡単な回路図、第２図
（ａ）は実施例における地絡電流値と発生電圧値との関
係を示す図、（ｂ）は実施例における地絡電流値と発光
素子発光量との関係を示す図、第３図は従来の地絡検出
用光変流器の回路図、第４図（ａ）は従来の地絡検出用
光変流器における地絡電流値と発生電圧値との関係を示
す図、第４図（ｂ）は従来の地絡検出用光変流器におけ
る地絡電流値と発光素子発光量との関係を示す図であ
る。 １……ロゴウスキーコイル ２……電流値調整用抵抗 ３……発光素子 ４……光ファイバ ５……受光素子 ６……接地線 ７……付加コイル ８……光変流器 （Ａ）……電流検出用コイルによる電圧値 （Ｂ）……付加コイルによる電圧値 （Ｃ）……全体の電圧値

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】測定電流が流れる接地線に近接して電流検
   出用コイルを配置し、地絡電流で前記電流検出用コイル
   に誘起される電圧により発光素子を発光させるように構
   成された地絡検出用光変流器において、前記接地線を流
   れる測定電流に比較して十分に低い値の電流で飽和する
   付加コイルを前記電流検出用コイルに直列に接続して前
   記接地線に近接して配置したことを特徴とする地絡検出
   用光変流器。
2. 【請求項２】電流検出用コイルがロゴウスキーコイルで
   あることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の地絡検出用光変流器。